JP2008102197A - 遮光マスクおよび液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

遮光マスクおよび液晶表示素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】劣化を防止しつつ液晶パネルをUV光から保護できるフォトマスクおよびこれを用いた液晶パネルの製造方法を提供する。
【解決手段】ガラス基板26を透過したUV光Uを反射する反射膜28と、液晶パネル1側から反射されたUV光Uを吸収する吸収膜29とを有するマスク部27をガラス基板26に形成する。ガラス基板26の上方から照射したUV光Uをマスク部27の位置で反射膜28により反射し、マスク部27でのUV光Uの熱の吸収を抑制してフォトマスク19の遮光劣化を防止できる。マスク部27以外の位置でUV硬化型シール材8に照射してUV硬化型シール材8を硬化させて接着層とし、かつ、液晶パネル1側から反射したUV光Uは、吸収膜29で吸収することで乱反射を抑制して、液晶パネル1の表示領域に位置する液晶層7を、UV光Uから確実に保護できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光硬化樹脂により一対の基板同士を接着する接着層を有する液晶表示素子の製造に用いる遮光マスクおよびこれを用いた液晶表示素子の製造方法に関する。
従来、液晶表示素子としての液晶パネルは、スイッチング素子としてのアクティブマトリクス素子である薄膜トランジスタ(TFT)を有するアレイ基板と、カラーフィルタ層を有する対向基板とを互いに対向配置し、これらアレイ基板と対向基板との間に液晶層を構成する液晶材料を注入し、液晶層の周囲にて、接着層を介してアレイ基板と対向基板とを互いに接着することで形成される。
このような液晶パネルにおいて、接着層として紫外線(UV)硬化型シール材を用いる方法がある。このUV硬化型シール材を用いることにより、リードタイムの短縮などの他に、液晶滴下注入技術との併用によって、液晶効率の向上および封止材不要などのコストメリットがあり、製造原価を低下させて液晶パネルを安価に製造することが可能になる。
しかしながら、このような液晶パネルの製造方法においては、UV硬化型シールを硬化させるために照射するUV光から表示領域を保護する必要があるため、UV遮光マスクを使用する。このUV遮光マスクは、透光性を有する板状の遮光マスク本体と、この遮光マスク本体の一主面に設けられたマスク部とを有している(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−57661号公報
しかしながら、上述の遮光マスクでは、照射されるUV光によりUV遮光マスクが劣化してしまうおそれがあるという問題点を有している。
また、遮光マスクを透過して液晶パネル内に入射した光が、マスク部などにより乱反射し、表示領域の特性を劣化させるおそれがあるという問題点もある。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、劣化を防止しつつ液晶表示素子を光から保護できる遮光マスクおよびこれを用いた液晶表示素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、一対の基板と、これら基板間に介在された液晶層と、光硬化樹脂により形成され、前記液晶層の周囲に位置し、前記一対の基板同士を接着する接着層とを備えた液晶表示素子の製造に用いる遮光マスクであって、透光性を有する遮光マスク本体と、この遮光マスク本体の前記液晶表示素子と対向配置される側の面に、前記接着層に対応する所定パターンに形成されたマスク部とを備え、前記マスク部は、前記遮光マスク本体を透過した光を反射する反射膜と、この反射膜の前記液晶表示素子との対向面側に設けられ、液晶表示素子側から反射された光を吸収する吸収膜とを有しているものである。
そして、遮光マスク本体を透過した光を反射する反射膜と、液晶表示素子側から反射された光を吸収する吸収膜とを有するマスク部を遮光マスク本体に形成する。
また、本発明は、一対の基板と、これら基板間に介在された液晶層と、光硬化樹脂により形成され前記液晶層の周囲に位置し前記一対の基板同士を接着する接着層とを有する液晶表示素子の製造方法であって、光硬化樹脂により形成された前記接着層を用いて前記液晶層を間に挟み込んだ前記一対の基板に対して、透光性を備えた遮光マスク本体およびこの遮光マスク本体の一面に前記液晶層に対応する所定パターンに形成されたマスク部を有し、かつ、このマスク部が前記遮光マスク本体を透過した光を反射する反射膜およびこの反射膜上に設けられ液晶表示素子側からの反射光を吸収する吸収膜を有する遮光マスクを、前記マスク部が前記一対の基板側に対向するように配設する工程と、前記遮光マスクを介して前記一対の基板に光を照射する工程とを具備したものである。
そして、遮光マスク本体を透過した光を反射する反射膜と、液晶表示素子側から反射された光を吸収する吸収膜とを有するマスク部を遮光マスクに設け、このマスク部が一対の基板側に対向するように配設し、遮光マスクを介して、一対の基板に光を照射する。
本発明によれば、遮光マスク本体の液晶表示素子と反対側から照射された光を、マスク部の位置で反射膜により反射し、マスク部での光の熱の吸収を抑制して劣化を防止できるとともに、マスク部以外の位置では液晶表示素子の光硬化樹脂に照射された光が光硬化樹脂を硬化させて接着層とし、かつ、液晶表示素子側から反射した光を吸収膜にて吸収することで内部散乱を抑制し、液晶表示素子を光から確実に保護できる。
以下、本発明の一実施の形態を図1ないし図3を参照して説明する。
図3において、1は液晶表示素子としての液晶パネルであり、この液晶パネル1は、略四角形平板状の基板としてのアレイ基板5と略四角形平板状の基板としての対向基板6とが対向配置され、これらアレイ基板5と対向基板6の間の所定のギャップに液晶層7が介在され、かつ、アレイ基板5と対向基板6との外周縁部が、光硬化樹脂としての紫外線硬化樹脂であるUV硬化型シール材8により形成されるシールパターンである接着層9により接合されて形成され、図示しない画素をマトリクス状に備えた表示領域Aが形成されている。
アレイ基板5は、略透明な四角形平板状の透光性を有する絶縁性基板としてのガラス基板11を有し、このガラス基板11上に、各画素の動作を制御する例えば薄膜トランジスタ(TFT)などのスイッチング素子がマトリクス状に形成されているとともに、これらスイッチング素子を駆動する駆動回路、および、これら駆動回路とスイッチング素子とを電気的に接続する各種アレイ配線などが併せて形成されたTFT基板である。
対向基板6は、例えば各画素に対応するカラーフィルタ(CF)層などが形成されたCF基板であり、四角形平板状のガラス基板12を備え、このガラス基板12の一主面である表面は、アレイ基板5のガラス基板11上に塗布した接着層9にてアレイ基板5のガラス基板11の表面に貼り合わされている。
液晶層7は、各基板5,6間に挟持され、接着層9により外周を囲まれてこれら基板5,6間に保持されている。
そして、接着層9は、液晶層7の周囲に沿って無端状の略四角形枠状に形成されている。
また、アレイ基板5のガラス基板11は、図1に示すように、マザー基板である大型ガラス基板15を、各ガラス基板11の大きさに対応させて長手方向および幅方向に沿って所定間隔を介した裁断にて分割されて形成される。そして、この大型ガラス基板15の表面には、紫外線によりUV硬化型シール材8を硬化させて形成される接着層9が、各ガラス基板11に対応して形成されている。
さらに、対向基板6のガラス基板12もまた、マザー基板である大型ガラス基板17を、各対向基板6の大きさに対応させて長手方向および幅方向に沿った所定間隔を介した裁断にて分割されて形成される。そして、これら大型ガラス基板17は、接着層9を介して大型ガラス基板15と貼り合わされている。
また、上記液晶パネル1は、図示しない製造装置により、遮光マスクとしての紫外線(UV)遮光マスクであるフォトマスク19を用いて製造されるものである。
製造装置は、光硬化手段としての紫外線硬化手段であるUV硬化装置を備えている。このUV硬化装置は、図示しないステージに載置された大型ガラス基板15と大型ガラス基板17とへ光である紫外光すなわちUV光Uを照射可能に構成されている。
そして、フォトマスク19は、図1および図2に示すように、両大型ガラス基板15,17全体を平面視で覆う大きさに形成された遮光マスク本体としての四角形平板状のガラス基板26と、このガラス基板26の液晶パネル1に対向配置される一主面に形成された複数のマスク部27とを有している。そして、これらマスク部27は、UV硬化型シール材8のシールパターンに対応した無端状のパターンに形成され、大型ガラス基板15,17に形成された液晶パネル1に対応してマトリクス状に複数配設されている。
また、各マスク部27は、UV光Uを反射する反射膜28とUV光Uを吸収する反射防止膜としての吸収膜29とを積層して形成されている。
反射膜28は、例えばアルミニウム、あるいはクロムなどの反射率が比較的高い金属により成膜され、ガラス基板26を透過したUV光Uを、図中上方へと反射するものである。
また、吸収膜29は、例えばカーボンブラックを含んだ樹脂により反射膜28のガラス基板26と反対側、すなわち液晶パネル1との対向面側に成膜され、マスク部27のパターン以外の部分へのUV光Uを遮光するように形成されている。
次に、上記一実施の形態の液晶表示素子の製造方法を説明する。
まず、大型ガラス基板15の所定位置にUV硬化型シール材8を塗布した後、このUV硬化型シール材8内の領域に液晶材料を滴下する。
次いで、大型ガラス基板17を大型ガラス基板15と位置合わせすなわちアライメントしてこれら大型ガラス基板15,17を重ね合わせ、液晶層7を大型ガラス基板15,17(アレイ基板5および対向基板6)間に挟み込む。
この後、これら重ね合わせた大型ガラス基板15,17の上方に、フォトマスク19を、マスク部27がこれら基板15,17側に対向するように配設し、これら大型ガラス基板15,17とフォトマスク19とをアライメントする。
そして、フォトマスク19を介して大型ガラス基板15,17に対して、UV硬化装置によりUV光Uを照射する。
このとき、フォトマスク19のマスク部27は、照射されたUV光Uの一部を反射膜28により上方へと反射し、各液晶パネル1の表示領域Aを保護し、また、マスク部27間を透過して大型ガラス基板15,17内に入り込んだ後に外部に反射したUV光Uを吸収膜29により吸収し、大型ガラス基板15,17内での乱反射を防止する。
UV光Uが照射されたUV硬化型シール材8は、光硬化して接着層9となり、大型ガラス基板15,17を互いに貼り合わせる。
そして、一体になった大型ガラス基板15,17を払い出し、各アレイ基板5および対向基板6に対応させて長手方向および幅方向のそれぞれに沿って格子状に裁断することで、液晶パネル1が完成する。
上述したように、上記一実施の形態によれば、ガラス基板26を透過したUV光Uを反射する反射膜28と、液晶パネル1側から反射されたUV光Uを吸収する吸収膜29とを有するマスク部27をガラス基板26に形成することで、ガラス基板26の上方から照射されたUV光Uをマスク部27の位置で反射膜28により反射し、マスク部27でのUV光Uの熱の吸収を抑制してフォトマスク19の遮光劣化を防止できるとともに、マスク部27以外の位置で液晶パネル1の接着層9を形成するUV硬化型シール材8に照射されてこのUV硬化型シール材8を硬化させて接着層9とし、かつ、液晶パネル1側から反射したUV光Uは吸収膜29で吸収することで乱反射すなわち内部散乱を抑制して、液晶パネル1の表示領域Aに位置する液晶層7を、UV光Uから確実に保護できる。
この結果、液晶パネル1を効率よく組み立てることができるとともに、歩留まりの低下を防止でき、高品質な液晶パネル1を製造できる。
そして、従来のフォトマスクを用いた従来例の液晶パネルでは、72枚中7枚がUV光のガラス基板内乱反射により表示領域に表示不良が発生した(不良率10%)のに対して、本実施の形態のフォトマスクを用いた液晶パネル1では、72枚全てで表示不良、気泡の混入、UV硬化型シール材8の剥がれおよび破壊、液晶材料の飛び出しなどの不良が発生しなかった(不良率0%)。
なお、上記一実施の形態において、液晶パネル1の細部などは、上記構成に限定されるものではない。
本発明の一実施の形態の遮光マスクの使用状態を示す縦断面図である。 同上遮光マスクおよび液晶表示素子を示す平面図である。 同上液晶表示素子を示す縦断面図である。
符号の説明
1 液晶表示素子としての液晶パネル
5 基板としてのアレイ基板
6 基板としての対向基板
7 液晶層
8 光硬化樹脂としてのUV硬化型シール材
9 接着層
19 遮光マスクとしてのフォトマスク
26 遮光マスク本体としてのガラス基板
27 マスク部
28 反射膜
29 吸収膜

Claims (2)

  1. 一対の基板と、これら基板間に介在された液晶層と、光硬化樹脂により形成され、前記液晶層の周囲に位置し、前記一対の基板同士を接着する接着層とを備えた液晶表示素子の製造に用いる遮光マスクであって、
    透光性を有する遮光マスク本体と、
    この遮光マスク本体の前記液晶表示素子と対向配置される側の面に、前記接着層に対応する所定パターンに形成されたマスク部とを備え、
    前記マスク部は、
    前記遮光マスク本体を透過した光を反射する反射膜と、
    この反射膜の前記液晶表示素子との対向面側に設けられ、液晶表示素子側から反射された光を吸収する吸収膜とを有している
    ことを特徴とした遮光マスク。
  2. 一対の基板と、これら基板間に介在された液晶層と、光硬化樹脂により形成され前記液晶層の周囲に位置し前記一対の基板同士を接着する接着層とを有する液晶表示素子の製造方法であって、
    光硬化樹脂により形成された前記接着層を用いて前記液晶層を間に挟み込んだ前記一対の基板に対して、透光性を備えた遮光マスク本体およびこの遮光マスク本体の一面に前記液晶層に対応する所定パターンに形成されたマスク部を有し、かつ、このマスク部が前記遮光マスク本体を透過した光を反射する反射膜およびこの反射膜上に設けられ液晶表示素子側からの反射光を吸収する吸収膜を有する遮光マスクを、前記マスク部が前記一対の基板側に対向するように配設する工程と、
    前記遮光マスクを介して前記一対の基板に光を照射する工程と
    を具備したことを特徴とした液晶表示素子の製造方法。
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