JP4904357B2 - 高シリコンニオブ鋳造合金およびその製造方法 - Google Patents

高シリコンニオブ鋳造合金およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、概して鉄系(または鉄基(iron base))の鋳造合金、とりわけ高いシリコン含有量を有する鉄系の鋳造合金に関する。本発明はまた、概してこのような合金の製造方法に関する。より詳細には、本発明は改善された高温強度および性能特性(performance characteristics)を示す改良した鉄系の高シリコンニオブ合金に関する。またとりわけ、この改良した合金の製造方法に関する。
鋳造可能な鉄系のダクタイル合金(または延性合金、ductile alloy)の生産では、最終製品に向上した耐熱強度をもたらす鉄系の合金の使用が必要な最終製品のいくつかの用途がある。このような最終製品は幅広い用途で用いられ、これら用途の一つに排気側(hot-side)のエンジン部品がある。このような部品の典型が、自動車産業およびトラック産業で用いられるターボチャージャー、センターハウジング、バックプレート、エギゾーストマニフォールドおよびインテグレーティッドターボマニフォールド(integrated turbo manifold)である。自動車産業の他の部品と同様に、このような製品の市場は極めて大きく、生産される必要のある個数は相当に大きい。
モリブデンおよびニオブ(古典的には「コロンビウム(columbium)」としてもある程度知られている)は、当該技術分野で知られている合金元素である。ニオブは現在、耐熱ステンレス鋼および航空機エンジン部品に用いられている。モリブデンもまた同様の用途用いられるが、しかしコストがより高い。ニオブは周期律表でモリブデンと隣り合っていることから、これらの元素は相当に近い原子量を有する。本発明の結果物は、コストを低減することを念頭に、許容できる耐熱性を備えた高シリコンニオブダクタイル鋳鉄を提供するようにニオブを用いることを意図した。すなわち、多数の排気側エンジン部品が自動車産業で用いられていることから、モリブデンの代わりにニオブを用いて十分な高温強度を達成することは、このような部品の生産コストを低減するのに貢献するであろう。しかしながら、試験の際、本発明にかかる合金は十分な高温強度を達成するという要求を満たすのみならず、実施に要求を上回り、向上した耐熱特性を有するユニークな高シリコンニオブダクタイル鋳鉄(またはダクタイル鉄、ductile iron)を提供し、コストを低減し得ることが見出された。
本発明にかかる結果物(または製品)の別の目的は、このような高シリコン鋳造合金にニオブを用いて、既存の産業界に亘る仕様および性能標準を満たすことである。より詳細には、既存の高シリコンモリブデンダクタイル合金は、合金中で用いる所定の元素のレベルの特定の範囲があり、鋳造後に示す最低限の所定の特性を有している。本発明者は、低減されたコストで、産業界が要望する必要な性能特性を維持したままで、ニオブを高シリコンニオブ合金に使用可能であると考えた。この考えが正しいことを証明するのみならず、得られた性能特性は向上したものであった。
本発明にかかる結果物のさらに別の目的は、耐食性および耐酸化性が改善されている超高シリコン鋳造合金(ultra high silicon casting alloy)においてニオブを用いることである。すなわち、超高シリコンモリブデン合金へのクロムの添加は改善された耐酸化性および耐食性をもたらすが、本発明はまた、これらの特性の劣化なしに、モリブデンの代わりに、超高シリコンクロムダクタイル鋳鉄にニオブを用いることができると考えた。この考えが正しいことを証明するとともに、得られた性能特性は向上したものであった。
従って、本発明の目的は、重量比で2.6〜3.%の炭素と、重量比で3.7〜4.9%のシリコンと、重量比で0.45〜1.0%のニオブと、重量比で0.6%以下のマンガンと、重量比で0.02%以下の硫黄と、重量比で0.02%以下のリン(燐)と、重量比で0.5%以下のニッケルと、重量比で1.0%以下のクロムと、重量比で0.1%以下のマグネシウムと、重量比で0.05%以下の任意の他の単一元素およびこのような他の元素全ての合計で、重量比で0.2%以下を伴う残部の鉄とを含む高温強度が向上したダクタイル鋳鉄合金を提供することである。典型的なこのような他の元素はモリブデンおよび銅であろう。
本発明の別の目的は、高い延性および高いクリープ応力破壊特性を有する耐熱ダクタイル鋳鉄合金を提供することである。重量比で3.0〜3.3%の炭素と、重量比で3.75〜4.25%のシリコンと、重量比で0.5〜0.7%のニオブとのような目標とする組成を有する本発明の合金は、室温で75,000psi(517.1MPa)の最大抗張力、60,000psi(413.7MPa)の0.2%オフセット耐力(または降伏強度)および10%の伸びを有するべきである。さらに鋳造材料のブリネル硬度値(BHN)は、187〜241BHNの範囲内にあるべきである。BHNは、合金の硬度を合金表面に押しつけた鋼球付与した圧力の生じたインデンテーションの表面積に対する比率として示したものである。
本発明のさらに別の目的は、本発明のかかる高温強度が向上した高シリコンダクタイル鉄鋳合金の製造方法を提供することである。
本発明にかかる組成はこれらの目的を満足している。結果物は重量比で表される前述の百分率で示され、このように示される向上した高温強度を有するダクタイル鋳鉄合金をもたらす。
本発明にかかる合金および製造方法の更なる目的および利点は以下の詳細な説明により明らかになるであろう。
本発明にかかる合金は高シリコンニオブダクタイル鉄である。上記にて示唆したようにニオブは、ある耐熱ステンレス鋼および航空機エンジン部品の生産に現在用いられている合金元素である。ニオブは周期律表でモリブデンの隣であり、これによりこれらの元素は極めて近い原子量を有する。本発明のニオブ添加合金の開発のための出発点として用いた工業規格は、炭素を重量比で3.0〜3.4%、シリコンを重量比で3.75〜4.25%、モリブデンを重量比で0.5〜0.7%、マンガンを重量比で0.6%以下、硫黄を重量比で0.07%以下、リンを重量比で0.02%以下、ニッケルを重量比で0.5%以下、マグネシウムを重量比で0.08%以下、残部を鉄と規定している。
本発明の合金は、高温強度が向上したダクタイル鉄(または鋳鉄)合金であり、炭素を重量比で2.6〜3.5%と、シリコンを重量比で3.7〜4.9%と、ニオブを重量比で0.45〜1.0%と、マンガンを重量比で0.6%以下と、硫黄を重量比で0.02%以下と、リンを重量比で0.02%以下と、ニッケルを重量比で0.5%以下と、クロムを重量比で1.0%以下と、マグネシウムを重量比で0.1%以下と、残部として如何なる単一の他の元素も重量比で0.05%以下、他の元素合計が0.2%を伴う鉄とを含む。このような他の元素の典型はモリブデンと銅であろう。
・強度および延性試験
本発明にかかる合金のような材料を含む、材料の強度に関する重要な設計情報を提供するために所定の試験が行われる。例えば、一定応力での材料の累進的な高温変形(high temperature progressive deformation)は「クリープ」と呼ばれている。「クリープ」試験では、例えば室温のような一定の温度に維持した引張り試験片に一定の荷重を付与する。そして一定の期間後の歪み量を測定する。測定を行った順に従ってデータをプロットすると、材料の歪み速度またはクリープ速度を表す曲線が形成される。応力破断試験は、用いる応力がクリープ試験より高いことおよび常に材料が破断するまで試験を行うことを除けば、クリープ試験と同様の試験である。
このような試験は、とりわけ合金を高温および高圧のシステムで用いることを意図する、または特にそのために設計する場合、合金の性能特性を測定するのに必要である。例えば、ガスタービンエンジンは荷重及び高温下で発生する傾向のあるクリープを起こす傾向のあるいくつかの部材を有するシステムの1つである。本発明の合金は、本発明者により通常のクリープ試験および応力破壊試験で、より高い延性を有する耐熱ダクタイル鋳鉄合金であると規定される。
上述の試験では、本発明の合金のような材料の強度および延性を示すのに特定のパラメータを用いる。1つの強度パラメータは、「最大抗張力」(または「UTS」)である。UTSは、蓄積した弾性歪みの突然の開放を伴い(すなわち、音又は熱により)合金が実際に破断する応力限界である。本発明において、本発明の合金は室温で75,000psi(517.1MPa)のUTSを有する。これは75KSI(517.1MPa)の圧力と等価である。
別の強度パラメータは、上述した特徴的な応力−歪み曲線とこの曲線の弾性部分に平行に引いた直線との交点に相当する応力により決定される、合金の「オフセット耐力(またはオフセット降伏応力、offset yield stress)」である。米国では、通常オフセット量は、0.2%または0.1%の歪み量と規定されている。本発明の合金は、室温で、60,000psi(413.7MPa)または60KSI(413.7MPa)の0.2%オフセット耐力を有するべきである。
延性は、定性的な、しかし主観的な合金の特性である。材料の延性の測定は、破断なしに材料を変形できる範囲を示すのに用いることが可能である。延性の1つの従来の測定方法は、通常「伸び」と呼ばれる破断時の歪みである。この測定結果は、破断後試料を再び元通りに一緒にして伸びを測定することで得る。変形のかなりの部分が引張り試験片の「ネックした」領域に集中するであろうことから、延び率の数値は、測定を行う部分の長さに依存するであろう。本発明の合金は、室温で10%の伸び率を有するべきである。
最後に、本発明の合金のブリネル硬度値(BHN)は187〜241BHNの範囲内であるべきである。BHNは、生じた窪み(indentation)の表面積に対する、合金の表面に押しつけるように鋼球に付与した圧力の比として、合金の硬度を示す。
図を参照し、説明のみを目的とし、如何なる方法においても制限するものと解すべきでない実施例により本発明を説明する。以下に示す溶解サンプルそれぞれの複数の鋳造材を作製した。第1のサンプルは、重量比で0.5%のモリブデンを含む高シリコンモリブデンダクタイル鋳鉄であった。第2のサンプルは、重量比で0.46%のニオブを含む高シリコンニオブダクタイル鋳鉄であった。第3のサンプルは、重量比で0.67%のニオブを含む高シリコン高ニオブダクタイル鋳鉄であった。第4のサンプルは重量比で0.94%のニオブを含む高シリコン超高ニオブダクタイル鋳鉄であった。図1から図8は、硝酸をアルコールで希釈したナイタールによりエッチングした、それぞれのサンプルの拡大像を示す。
より詳細には、図1は既知の技術である合金のナイタールでエッチングした微細組織の一例を倍率100倍で示している。この上記で高シリコンモリブデンダクタイル鋳鉄と特定した第1のサンプルは重量比で、3.04%の炭素と、3.94%のシリコンと、0.56%のモリブデンと、0.39%のマンガンと、0.014%のリンと、0.006%の硫黄と、0.039%のマグネシウムと、0.072%のニッケルと、0.015%のニオブと残部である鉄を含む。室温において、この高シリコンモリブデン合金の最大抗張力は85.4KSI(588.8MPa)であり、0.2%耐力は65.1KSI(448.8MPa)であり、伸び率は18%であった。硬度は196〜235BHNであった。図2は図1に示す微細組織を倍率500倍で示している。図1および図2に示すサンプルは典型的なフェライト粒組織10と球状黒鉛(またはグラファイト)12を示している。この合金サンプル全体に分散しているのはパーライト組織14である。パーライトは合金の冷却時に合金中に形成するフェライトとセメンタイトとの混合物である。パーライトを合金の硬度を上昇させる手段に用いる鋳造したフェライト合金中ではパーライトの存在は望ましいが、一方でパーライトの存在はまた延性を低下させることから、より高い延性が必要な用途では望ましくない。延性が低下すると、合金は、より硬くなるけれども、とりわけ高温度より破壊しやすくなる。図1に示すように、サンプル合金での規定した量のモリブデンの使用は5%〜10%の量のパーライトを形成する傾向がある。粒界複合炭化物である不明瞭な灰色の領域16もまたサンプル全体に亘り分散しており、この粒界複合炭化物もまた延性に悪影響を及ぼす。
図3は、重量比で、3.08%の炭素と、4.08%のシリコンと、0.03%のモリブデンと、0.37%のマンガンと、0.009%のリンと、0.005%の硫黄と、0.035%のマグネシウムと、0.11%のニッケルと、0.46%のニオブと、残部である鉄とを含む本発明にかかる合金の微細組織の一例を倍率100倍で示す。この例は上記で「第2のサンプル」と呼んだものであり、上記で高シリコンニオブダクタイル鋳鉄と規定した。この合金の最大抗張力は89.4KSI(616.4MPa)であり、0.2%耐力は70.6KSI(486.8MPa)、伸び率は17%であった(全て、室温で)。この合金の硬度は196〜235BHNであった。図4は、図3に示した微細組織を倍率500倍で示す。図3および図4に示した高シリコンニオブのサンプルは主にフェライト粒組織20と球状黒鉛22とを示している。パーライトの黒い組織24がサンプル全体に分散している。0.46%のニオブの使用はパーライト量を5%より少なくする傾向がある。粒界複合炭化物である不明瞭な灰色の領域26と、より小さいニオブ炭化物粒子(globule)28とがサンプル全体に亘り分散している。
図5は、重量比で、3.19%の炭素と、3.92%のシリコンと、0.04%のモリブデンと、0.40%のマンガンと、0.009%のリンと、0.005%の硫黄と、0.055%のマグネシウムと、0.0784%のニッケルと、0.67%のニオブと、残部である鉄とを含む、本発明にかかる合金の微細組織の別の例を倍率100倍で示す。この例は上記で「第3のサンプル」と呼んだものであり、上記で高シリコン高ニオブダクタイル鋳鉄と規定した。また全て室温において、この合金の最大抗張力は83.5KSI(575.7MPa)であり、0.2%耐力は64.0KSI(441.3MPa)であり、伸び率は19%であった。その硬度は196〜235BHNであった。図6は図5に示した微細組織を倍率500倍で示している。図5および図6に示した高シリコン高ニオブのサンプルは主にフェライト粒組織30と球状黒鉛32を示している。パーライトである黒い組織34がサンプル全体に亘り分散分散している。0.67%のニオブの使用はさらにパーライトの量を減少させる傾向がある。粒界複合炭化物である不明瞭な灰色の領域36とより小さいニオブ炭化物粒子38ともまたサンプル全体に亘り分散している。
図7は、重量比で、3.36%の炭素と、3.91%のシリコンと、0.02%のモリブデンと、0.32%のマンガンと、0.013%のリンと、0.008%の硫黄と、0.042%のマグネシウムと、0.04%のニッケルと、0.94%のニオブと、残部である鉄とを含む、本発明にかかる合金の微細組織のさらに別の例を倍率100倍で示す。この例は上記で「第4のサンプル」と呼んだものであり、上記で高シリコン超高ニオブダクタイル鋳鉄と規定した。また室温において、この合金の最大抗張力は85.0KSI(586.1MPa)であり、0.2%耐力は66.5KSI(458.5MPa)であり、伸び率は16%であった。その硬度は196〜235であった。図8は図7に示した微細組織を倍率500倍で示している。図7および図8に示した高シリコン超高ニオブのサンプルは主にフェライト粒組織40と球状黒鉛42を示している。パーライトである黒い組織44がサンプル全体に亘り分散分散している。0.94%のニオブの使用はさらにまたパーライトの量を減少させる傾向がある。ニオブ炭化物粒子48もまたサンプル全体に亘り分散している。しかし、このサンプルには粒界複合炭化物が認められなかったことに留意されたい。
上述したそれぞれの試料の試験の間の概して観察されたこととして、本発明の高シリコンニオブダクタイル鋳鉄の機械加工性は高シリコンモリブデン合金の機械加工性より優れていた。また、本発明の高シリコンニオブダクタイル鋳鉄は、800℃まで高シリコンモリブデンダクタイル鋳鉄よりも明らかに高い延性とクリープ破断応力とを備えていた。
・高温試験
高シリコンモリブデン、高シリコンニオブ、高シリコン高ニオブのサンプルそれぞれの、最大抗張力、0.02%オフセット耐力、伸び率および「絞り値」のパーセント値を、100℃毎の温度で試験した。高シリコン超高ニオブ合金は上述した室温とこの高温試験の上限である800℃とのみで試験を行った。
図9〜図12に示すように、100℃毎に測定した試験結果を基に、最初の3つのサンプルの性能特性をグラフに示す。詳細には、これらは0.56%モリブデン合金、0.46%ニオブ合金、および0.67高ニオブ合金を含む。図9はこれらサンプルの最大抗張力を示し、図10はそれぞれのサンプルの0.2%耐力を示す。これらの値は、合金の相対的な「強度」を示すことを思い出されたい。図11は、伸び率を示し、図12は、「絞り値(パーセント)」の値を示し、これらもまた100℃毎に測定した。これら最後の2つのグラフは、各々の合金の相対的な「延性」を表す。ここで「絞り値(パーセント)」の値は、応力を付与する前の試料の面積と比較した、試料の破壊した部分の「ネック」の相対的な面積の測定結果であることに留意すべきである。
それぞれの図において、0.56%モリブデン合金110の値を、0.46%ニオブ合金120と0.67%高ニオブ合金130の値と併せてプロットして示した。図9および図10に示すように、モリブデン合金110の硬さは、ニオブ合金120および高ニオブ合金130よりもいくらか高いことが明白である。しかしながら、図11および図12において、モリブデン合金110の「延性」は、ニオブ合金120および高ニオブ合金130の延性よりも実質的に、とりわけ高温において低いことも、また明白である。
・高温でのソーキング試験(soak test)
焼きならし(またはノルマライジング、normalization)は、鉄系金属のみに適用される熱処理の種類である。焼きならしはダクタイル鋳鉄鋳造材のオーステナイト化、その後の臨界温度を通る空冷を含む。鋳造材は加熱環境での所定時間の「ソーキング(または均熱処理、soaking)」により焼きならされる。ダクタイル鋳鉄鋳造材は、炭化物を破壊し(または砕き、break down)、強度を増加し、鋳造工程自体によりもたらされる、鋳造材内部に導入される内部応力を除去するように焼きならしをされる。
合金を750℃、200時間でソーキングした後のモリブデン合金とニオブ合金の高温試験もまた、強度および延性試験の特定の平均値をもたらす。サンプルはその後室温まで冷却される。そして、室温と800℃でサンプルは強度と延性とを試験される。
室温において、モリブデン合金の平均最大抗張力は、81.3KSI(560.5MPa)であった。ニオブ合金の平均最大抗張力は82.7KSI(570.2MPa)であり、高ニオブ合金の平均最大抗張力は82.8KSI(570.9MPa)であった。室温において、モリブデン合金の0.2%オフセット耐力の平均は62.5KSI(430.9MPa)であった。ニオブ合金の0.2%オフセット耐力は64.2KSI(442.6MPa)であり、高ニオブ合金のオフセット耐力は64.5KSI(444.7MPa)であった。従って、高温ソーキングは、ニオブを添加した合金に室温で僅かにより強い結果をもたらした。
室温では、モリブデン合金の平均伸び率は17%であった。ニオブ合金の平均伸び率は18%であり、高ニオブ合金の平均伸び率もまた18%であった。室温において、モリブデン合金の絞り値は24%であった。ニオブ合金の絞り値は26%であり、高ニオブ合金の絞り値は25%であった。従って、高温ソーキングは、ニオブを添加した合金に室温で僅かにより高い延性もまたもたらす。
800℃において、モリブデン合金の平均最大抗張力は5.8KSI(40.0MPa)であった。ニオブ合金の平均最大抗張力は5.2KSI(35.9MPa)であり、高ニオブ合金の平均最大抗張力は5.7KSI(39.9MPa)であった。800℃において、モリブデン合金の0.2%オフセット耐力の平均は4.0KSI(27.6MPa)であった。ニオブ合金の0.2%オフセット耐力は3.5KSI(24.1MPa)であり、高ニオブ合金の0.2%オフセット耐力は3.8KSI(26.2MPa)であった。従って、高温ソーキングは高温においてニオブを添加した合金にモリブデンを添加した合金よりも僅かにより低い強度をもたらす。
800℃において、モリブデン合金の平均伸び率は57%であった。ニオブ合金の平均伸び率は65%であり、高ニオブ合金の平均伸び率は61%であった。800℃において、モリブデン合金の絞り値は60%であった。ニオブ合金と高ニオブ合金との両方の絞り値は63%であった。従って、高温ソーキングはニオブを添加した合金に高温で明らかにより高い延性をももたらす。
図13〜図18は、加熱ソーキングをし、ナイタールでエッチングしたサンプルそれぞれの拡大した像を示す。より詳細には、図13は第1のサンプルである高シリコンモリブデンダクタイル鋳鉄を倍率100倍で示す。図14は、図13に示した微細組織を倍率500倍で示す。倍率100倍および倍率500倍で図1および図1に示す両方の微細組織は基本的にサンプル全体に分散しているフェライト粒組織210と球状黒鉛212とを示している。粒界複合炭化物214の存在(とりわけ図14で)についても留意されたい。
図15は加熱ソーキングした高シリコンニオブダクタイル鋳鉄を倍率100倍で示す。図16は図15に示した微細組織を倍率500倍で示す。図15および図16に示す高シリコンニオブサンプルは、基本的にフェライト粒組織220と球状黒鉛222とを示す。サンプル全体に亘りニオブ炭化物粒子228もまた分散している。このサンプルでは粒界複合酸化物が認められないことに留意されたい。
図17は加熱ソーキングした高シリコン高オブダクタイル鋳鉄を倍率100倍で示す。図18は図17に示した微細組織を倍率500倍で示す。図17および図18に示す高シリコン高ニオブサンプルは、基本的にフェライト粒組織230と球状黒鉛232とを示す。サンプル全体に亘りニオブ炭化物粒子238もまた分散している。このサンプルでも粒界複合酸化物が認められないことに留意されたい。
・特定の結果物の試験
本発明にかかる高シリコンニオブ添加合金の特性をさらに評価するために、2つの特別に設計(または構成)したメルトを作った。高温でエンジンテストを行う際に仕切り壁と舌部(または凸部、tongue area)とを介したクラックの伝播の親和性(または容易性、affinity)から、ターボチャージャーを試験鋳造材(試験鋳片)として選択した。高シリコンモリブデン合金と高シリコンニオブ合金のサンプルバッチを用いた。高シリコンモリブデン合金は、重量比で、炭素3.12%、シリコン3.98%、モリブデン0.57%、マンガン0.35%、リン0.012%、硫黄0.007%、マグネシウム0.041%、ニッケル0.09%、ニオブ0.01%、鉄 残部、の化学組成を有した。高シリコンニオブ合金は、重量比で、炭素3.15%、シリコン4.17%、モリブデン0.02%、マンガン0.32%、リン0.014%、硫黄0.009%、マグネシウム0.039%、ニッケル0.14%、ニオブ0.6%、鉄 残部、の化学組成を有した。高シリコンモリブデン合金の相対的な硬度は217BHN〜228BHNの範囲であった。高シリコンニオブ合金は、207BHN〜228BHNの相対的な硬度を有していた。
図19〜図22は、ナイタールによりエッチングをした上述のそれぞれのサンプルの拡大像である。より詳細には、図19は、第1のサンプルである0.57%のモリブデンを含有する高シリコンモリブデンダクタイル鋳鉄により作られた鋳造仕切り壁(casting divider wall)を倍率100倍で示す。図20は、図19に示す微細組織を倍率500倍で示す。図19および図20に示すサンプルは、パーライトの明瞭な黒い組織314とともにフェライト粒組織310と球状黒鉛312を示している。多くの粒界複合炭化物よりなる不明瞭なグレーの領域314もまた、サンプル全体に亘り分散している。
図21は0.60%のニオブを含有する高シリコンニオブダクタイル鋳鉄により作られた鋳造仕切り壁サンプルを倍率100倍で示す。図22は、図21に示す微細組織を倍率500倍で示す。図21および図22に示す高シリコンニオブサンプルは、粒界複合炭化物が存在する兆候がなく、非常に少ないパーセント(2%より少ない)のパーライト324を含み、主にフェライト粒組織320と球状黒鉛322とを示している。これらの組織と併せて、ニオブ炭化物粒子328がサンプル全体に亘り分散しており、この組織を有用な用途で用いる際に、このようなニオブ炭化物粒子328は破壊(break down)されないことから、ニオブ炭化物粒子328の存在は良いことである。
・耐食性および耐酸化性
上述したように、ニオブを添加した合金の試験は、この合金が、存在したとしても非常に少ないパーライトと炭化物とを含む、より優れた微細組織を有していること、およびこの合金が優れた延性とクリープ破壊特性とを有することを明らかにした。当該技術分野において、鉄系のダクタイル合金へのクロムの添加は合金の耐酸化性および耐食性を向上させることが知られている。このような技術的視点から本発明者は、超高ニオブ・ニオブ・クロム合金を作り、この種の合金でモリブデンをニオブで置換することによりこれらの特性が影響を受けるか否かを確認した。本発明の超高シリコン・ニオブ・クロム合金を開発するための出発点として用いた規格目標値は、重量比で2.8〜2.9%の炭素と、重量比で4.4〜4.8%のシリコンと、重量比で0.05%以下のモリブデンと、重量比で0.6〜0.8%のニオブと、重量比で0.75〜0.9%のクロムと、重量比で0.4%以下のマンガンと、重量比で0.02%以下の硫黄と、重量比で0.04%以下のリンと、重量比で0.5%以下のニッケルと、重量比で0.03〜0.07%の銅と、重量比で0.03〜0.07%のマグネシウムと、残部である鉄とを規定している。
本発明により作られたターボチャージャー鋳造材に注ぐのに用いた超高シリコンニオブ上限側クロム合金のヒートについて、熱処理しナイタールでエッチングしたサンプルの拡大した像を図23および図24に示す。このサンプルの最終の化学組成は、重量比で、炭素2.79%、シリコン4.67%、ニオブ0.77%、クロム0.87%、モリブデン0.04%、マンガン0.34%、リン0.01%、硫黄0.01%、マグネシウム0.03%、ニッケル0.08%、銅0.05%、鉄 残部であった。十分に焼鈍した熱処理サンプルの機械的性質は、最大抗張力が100〜114KSI(689.5〜786.0MPa)、0.2%耐力が87〜113KSI(600.0〜779.1MPa)、伸び率が9%、硬度が235BHNであった。図23はこの熱処理したサンプルの微細組織を倍率100倍で示す。図24は図23に示す微細組織を倍率500倍で示す。図23および図24に示すサンプルは、典型的なフェライト粒組織410と球状黒鉛412とを示す。クロム炭化物の組織414とニオブ炭化物粒子418とがこの合金サンプル全体に亘り分散している。このサンプルではパーライトと粒界複合炭化物とが全く存在しないことに留意されたい。
本発明により作られたターボチャージャー鋳造材に注ぐのに用いた超高シリコンニオブ下限側クロム合金の別のヒートについて、第2の熱処理をし、ナイタールでエッチングしたサンプルの拡大した像を図25および図26に示す。図25はこの熱処理したサンプルの微細組織を倍率100倍で示す。図26は図25に示す微細組織を倍率500倍で示す。図25および図26に示すサンプルも典型的なフェライト粒組織420と球状黒鉛422とを示している。クロム炭化物の組織422とニオブ炭化物粒子428とがこの合金サンプル全体に亘り分散している。このサンプルではパーライトと粒界複合炭化物とが全く存在しないことに留意されたい。
・試験結果についての結論
発明者の考えでは、モリブデンに代えてニオブを用いた場合、クリープ破壊試験および合金の延性が大きく向上した結果を示す理由は、モリブデン添加材とニオブ添加材との間の基本的な微細組織の違いのためである。例えば、モリブデン添加合金では、モリブデンはより多くの量のパーライトを形成する傾向があり。これらパーライトの量は5〜10%である。しかしながら、ニオブ添加は微細組織において5%よりはるかに少ない量のパーライトを形成する傾向がある。モリブデン添加はニオブ添加よりも、より多くの粒界複合炭化物を形成する傾向もある。モリブデン添加材でより多くの量のパーライトおよび粒界複合炭化物が生じる理由は、球状黒鉛(graphite nodule)の生成後、モリブデンはフリーカーボンと結合し、これらアイテムを形成する傾向があるからである。ニオブ添加材では、ニオブは炭素と結合し、微細組織全体に亘り微細な球状のニオブ炭化物を形成する。モリブデン添加材のパーライトおよび粒界炭化物の量のレベルは、得られた試験結果から明らかなように、室温および高温において硬度の増加と延性の減少をもたらし、さらにより低いクリープ破壊応力をもたらす。一方、ニオブ添加合金の最終結果は、集められたデータからも明らかなように、室温および高温において硬度が減少し、延性が増加し、さらにより高いクリープ破壊応力結果を示す。
モリブデンを添加した合金では、高温でパーライトおよび粒界炭化物が破壊されると、鋳造材に変形およびクラック発生を生じる部材内の膨張が起こる。しかしながら、ニオブ添加合金ではパーライトおよび粒界炭化物の破壊はあったとしても僅かであり、鋳造材での変形およびクラック発生はより少ない。これは、モリブデン添加材と比較して、ニオブ添加材ではパーライトおよび粒界炭化物が極めて少ないことに起因し、またニオブ炭化物は高温で非常に安定だからである。これら合金の組織調査もまたこれらの試験結果を支持している。
本発明にかかるニオブ添加合金は、耐食性および耐酸化性のため超高シリコンクロムおよび超高シリコン超高クロムに適用した場合にも向上した性能特性を示す。
従って新しく、かつ有用で向上した高温強度および性能特性を示す高シリコンニオブダクタイル鋳鉄合金およびこの合金を製造する方法が提供されるであろうことは明白である。
0.56%モリブデンを含有して成る鋳造材のエッチングしたサンプルの微細組織を示す倍率100倍の写真である。 図1に示す鋳造サンプルの微細組織を示す倍率500倍の写真である。 0.46%のニオブを含有して成る本発明にかかる鋳造材のエッチングしたサンプルの微細組織を示す倍率100倍の写真である。 図3に示す鋳造サンプルの微細組織を示す倍率500倍の写真である。 0.67%のニオブを含有して成る本発明にかかる鋳造材のエッチングしたサンプルの微細組織を示す倍率100倍の写真である。 図5に示す鋳造サンプルの微細組織を示す倍率500倍の写真である。 0.94%のニオブを含有して成る本発明にかかる鋳造材のエッチングしたサンプルの微細組織を示す倍率100倍の写真である。 図7に示す鋳造サンプルの微細組織を示す倍率500倍の写真である。 図1および図2に示す鋳造サンプルの最大抗張力を0.46%および0.67%のニオブを含有して成る本発明にかかる鋳造サンプルの最大抗張力と比較して示すグラフである。 図1および図2に示す鋳造サンプルの0.2%耐力を0.46%および0.67%のニオブを含有して成る本発明にかかる鋳造サンプルの0.2%耐力と比較して示すグラフである。 図1および図2に示す鋳造サンプルの伸び率を0.46%および0.67%のニオブを含有して成る本発明にかかる鋳造サンプルの伸び率と比較して示すグラフである。 図1および図2に示す鋳造サンプルの絞り値を0.46%および0.67%のニオブを含有して成る本発明にかかる鋳造サンプルの絞り値と比較して示すグラフである。 0.56%のモリブデンを含有して成る鋳造材を750℃で2時間ソーキング後にエッチングしたサンプルの微細組織を示す倍率100倍の写真である。 図13に示す鋳造サンプルの微細組織を示す倍率500倍の写真である。 0.46%のニオブを含有して成る本発明にかかる鋳造材を750℃で200時間ソーキング後にエッチングしたサンプルの微細組織を示す倍率100倍の写真である 図15に示す鋳造サンプルの微細組織を示す倍率500倍の写真である。 0.67%のニオブを含有して成る本発明にかかる鋳造材を750℃で200時間ソーキング後にエッチングしたサンプルの微細組織を示す倍率100倍の写真である。 図17に示す鋳造サンプルの微細組織を示す倍率500倍の写真である。 0.57%のモリブデンを含有して成る、ターボチャージャー仕切り壁(turbocharger divider wall)鋳造材のエッチングしたサンプルの微細組織を示す倍率100倍の写真である。 図19に示す鋳造サンプルの微細組織を示す倍率500倍の写真である。 0.60%のニオブを含有して成る本発明にかかるターボチャージャー仕切り壁鋳造材のエッチングしたサンプルの微細組織を示す倍率100倍の写真である。 図21に示す鋳造サンプルの微細組織を示す倍率500倍の写真である。 4.67%の超高シリコン、0.77%のニオブおよび0.87%の上限側のクロムを含有して成る本発明にかかる、ターボチャージャー仕切り壁鋳造材のエッチングしたサンプルの微細組織を示す倍率100倍の写真である。 図23に示す鋳造サンプルの微細組織を示す倍率500倍の写真である。 4.45%の超高シリコン、0.697%のニオブおよび0.441%の下限側のクロムを含有して成る本発明にかかるターボチャージャー仕切り壁鋳造材のエッチングしたサンプルの微細組織を示す倍率100倍の写真である。 図25に示す鋳造サンプルの微細組織を示す倍率500倍の写真である。

Claims (13)

  1. 重量比で2.792.9%の炭素と、
    重量比で3.7〜4.9%のシリコンと、
    重量比で0.6〜1.0%のニオブと、
    重量比で0.6%以下(0%を含まず)のマンガンと、
    重量比で0.02%以下(0%を含まず)の硫黄と、
    重量比で0.02%以下(0%を含まず)のリンと、
    重量比で0.5%以下(0%を含まず)のニッケルと、
    重量比で1.0%以下(0%を含まず)のクロムと、
    重量比で0.1%以下(0%を含まず)のマグネシウムと、
    他の元素よりなり、単一元素として重量比で0.05%以下であり、合計で重量比で0.20%以下の不可避的不純物と、
    残部である鉄と、
    から成ることを特徴とする高温強度が向上したダクタイル鋳鉄合金。
  2. 前記他の元素がモリブデンおよび銅から成る群から選択される1つ以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の高温強度が向上したダクタイル鋳鉄合金。
  3. 最大抗張力が、室温で517.1MPaより大きいことを特徴とする請求項に記載の高温強度が向上したダクタイル鋳鉄合金。
  4. 0.2%オフセット耐力が、室温で413.7MPaより大きいことを特徴とする請求項に記載の高温強度が向上したダクタイル鋳鉄合金。
  5. ブリネル硬度値による硬度が、室温で187BHN〜241BHNの範囲内であることを特徴とする請求項に記載の高温強度が向上したダクタイル鋳鉄合金。
  6. 伸び率が、室温において10%より大きいことを特徴とする請求項に記載の高温強度が向上したダクタイル鋳鉄合金。
  7. 重量比で2.792.9%の量の炭素と
    重量比で3.7〜4.9%の量のシリコンと
    重量比で0.6〜1.0%の量のニオブと
    重量比で0.6%以下(0%を含まず)の量のマンガンと
    重量比で0.02%以下(0%を含まず)の量の硫黄と
    重量比で0.02%以下(0%を含まず)の量のリンと
    重量比で0.5%以下(0%を含まず)の量のニッケルと
    重量比で1.0%以下(0%を含まず)の量のクロムと
    重量比で0.1%以下(0%を含まず)の量のマグネシウムと
    他の元素よりなり、単一元素として重量比で0.05%以下であり、合計で重量比で0.20%以下の不可避的不純物と、
    残部である鉄と、から成る溶融合金を準備する工程と、
    該溶融合金を鋳造する工程と、
    該鋳造した合金をソーキングにより焼きならしを行った後、空冷を行う工程と
    含むことを特徴とする高温強度が向上したダクタイル鋳鉄合金の製造方法。
  8. 記他の元素がモリブデンおよび銅から成る群から選択される1つ以上を含むことを特徴とする請求項に記載の高温強度が向上したダクタイル鋳鉄合金の製造方法。
  9. 得られた合金の最大抗張力が、室温で517.1MPaより大きいことを特徴とする請求項に記載の高温強度が向上したダクタイル鋳鉄合金の製造方法。
  10. 得られた合金の0.2%オフセット耐力が、室温で413.7MPaより大きいことを特徴とする請求項に記載の高温強度が向上したダクタイル鋳鉄合金の製造方法。
  11. 得られた合金のブリネル硬度値による硬度が、室温で187BHN〜241BHNの範囲内であることを特徴とする請求項に記載の高温強度が向上したダクタイル鋳鉄合金の製造方法。
  12. 得られた合金の伸び率が室温において10%より大きいことを特徴とする請求項に記載の高温強度が向上したダクタイル鋳鉄合金の製造方法。
  13. 前記ソーキングを750℃で200時間行うことを特徴とする請求項に記載の高温強度が向上したダクタイル鋳鉄合金の製造方法。
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