JP4902374B2 - 作業管理システムおよび作業管理方法 - Google Patents
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Description
作業管理システムは、処理部および記憶部を有する情報処理装置と、作業スペースの作業者が作業時にICタグを置くICタグ置場に付設され、そのICタグ置場に置かれたICタグの情報を読み取り、その読み取った情報を情報処理装置へ送信するICタグ情報読取装置と、作業スペースごとに設置され、情報処理装置からの指示により、作業者に対して作業開始の禁止を報知する報知装置と、を備えている。
情報処理装置の記憶部は、作業対象物の滞留回避を考慮して設定される所定の時間長である設定時間と、作業工程ごとに作業時間の目安値である標準作業時間を記憶している。
そして、情報処理装置の処理部は、ICタグ情報読取装置から受信する通信情報によってICタグ置場にICタグが置かれたと判断した場合、現在時刻とその作業工程の標準作業時間とからその作業工程の作業終了時刻を推定し、その推定した作業終了時刻が、次の作業工程に関して同様に推定された作業終了時刻よりも設定時間以上前の時刻より早い時刻であったとき、その作業工程の報知装置に対して、作業開始の禁止の報知を指示する。
図1は、本実施形態の作業管理システムの全体構成図である。作業管理システムSは、管理サーバ1(情報処理装置)、作業台20(201〜203)、表示装置21(211〜213)、作業管理ボックス30(301〜303)(ICタグ置場)およびリーダライタ4(41〜43)(ICタグ情報読取装置)を備えて構成される。それぞれの表示装置21およびリーダライタ4は、作業管理システムSにおける通信網であるLAN(Local Area Network)6を介して管理サーバ1と接続されている。なお、これらの接続は、LANでなくても、通信可能であれば無線や電力線搬送通信などを利用したものであってもかまわない。
なお、指図Aに埋め込まれたICタグ5は、本実施形態では、電池未搭載型で受信電波から電力を得るタイプのものとする。ICタグ5は、電池未搭載型のパッシブタグであれば小型化や低コスト化などの点で好ましいが、電池搭載型のアクティブタグであってもよい。
各作業工程Wには、作業台20(作業スペース)が備えられ、作業者Mはその作業台20の手前に立ってワークWKに関する作業を行う。
表示装置21は、ワークWKの作業に関する情報や、作業開始が禁止(詳細は後記)されているときにはその旨および作業開始が許可される時刻などを表示するものである。表示装置21は、接続されているスイッチ23を作業者Mが押下することによって画面が切り替わり、また、LAN6を経由して管理サーバ1と接続されている。
部品箱22は、ワークWKの作業に必要な部品Bが入っている箱である。
リーダライタ4は、作業管理ボックス30に投入された指図AのICタグ5に書き込まれた情報を読み取り、LAN6を経由してその情報を管理サーバ1に送信する。
リーダライタ4のアンテナ(不図示)からは、制御信号を含む電波が常時発信されている。そのリーダライタ4と隣接している作業管理ボックス30に指図Aが入れられると、指図Aに埋め込まれたICタグ5内のアンテナ(不図示)がリーダライタ4からの電波を受信し、アンテナの共振作用により起電力を発生させる。
なお、リーダライタ4によってICタグ5の情報を読み取るタイミングは、常時でなくても、所定時間(たとえば10秒)ごとなどであってもよい。
また、本実施形態では、作業管理ボックス30に単一の指図Aが投入される場合についてのみ説明するが、作業管理ボックス30に複数の指図Aが投入されてもよい。その場合は、リーダライタ4が一度に複数の指図AのICタグ5の情報を読み取ることができるようにしておけばよい。なお、紙などに埋め込まれたICタグ5は、ICタグ5同士が重なっていても個別に読み取りが可能である。
リーダライタ4は、ICタグ5から読み取った情報を、LAN6を経由して管理サーバ1に送信する。
また、処理部11は、LAN6を経由して、表示装置21に対してワークWKの作業内容や作業開始の禁止を解除する時刻などの表示の指示をしたり、LED31に対して点灯や点滅の指示をしたり、また、スピーカ32に対してブザー音や音声メッセージの発生の指示をしたりする。
出力部13は、処理部11が情報をユーザに知らせる手段であり、たとえば、ディスプレイやスピーカである。
記憶部14は、処理部11の実行プログラム(不図示)や作業工程管理テーブル15などを記憶する手段であり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクなどによって実現される。作業工程管理テーブル15は、各作業工程Wでの作業時間などの情報を管理するテーブルである。
標準作業時間欄152には、その作業に関する標準時間(目安値)である標準作業時間(分)が格納される。標準作業時間は、たとえば、人件費、設備費、材料費などの情報から算出された時間でもよいし、あるいは、実際の作業時間に関する統計情報から算出した平均時間、最短時間、最長時間などであってもよい。この標準作業時間は、固定でなくてもよく、一定時間(1時間など)ごとに前記した平均時間などを用いて更新するようにしてもよい。
指図投入時刻欄154には、作業工程欄151で特定される作業工程Wに対応する作業管理ボックス30に指図Aが投入された時刻が格納されるが、作業開始許可判定欄157に格納される判定が「×(不可)」のときには現在時刻が順次上書きされる。
次作業工程欄156は、投入指図番号欄153に格納された指図番号に対応する指図AのICタグ5の情報によって特定される次の作業工程Wの識別子が格納される。
まず、管理サーバ1の処理部11は、いずれかのリーダライタ4からLAN6を介してICタグ5の情報(通信情報)を受信したか否かによって、いずれかの作業管理ボックス30に指図Aが投入されたか否かを判断する(ステップS10)。たとえば、処理部11は、作業工程W02の作業管理ボックス302に着目した場合、リーダライタ42から指図AのICタグ5に格納された情報を受信したか否かで、作業管理ボックス302に指図Aが投入されたか否かを判断する。
いずれかの作業管理ボックス30に指図Aが投入された場合(ステップS10でYes)、処理部11は、リーダライタ42から受信したその指図AのICタグ5の情報のうち指図番号と次作業工程Wの情報を、それぞれ、作業工程管理テーブル15における作業工程欄151で特定される作業工程Wにおける投入指図番号欄153と次作業工程欄156に書き込み、また、現在時刻を指図投入時刻欄154に書き込む(ステップS20)。
ステップS40でNoの場合、処理部11は、ステップS90に進む。
現在時刻が作業開始許可時刻に到達していない場合(ステップS80でNo)、処理部11は、ステップS60に戻る。
現在時刻が作業開始許可時刻に到達した場合(ステップS80でYes)、処理部11は、ステップS90に進む。
まず、時刻13:07の時点では、図6に示すように、作業工程W03の作業管理ボックス303に指図A01が投入されているが(P10)、作業工程W01の作業管理ボックス301と作業工程W02の作業管理ボックス302には指図Aが投入されていない。
また、作業工程管理テーブル15bにおいて、作業工程W02に関して、指図投入時刻が「13:09」に更新されることにより推定作業終了時刻が「14:03」に更新されるが、それでも次作業工程W03の推定作業終了時刻である「14:06」よりも早い時刻なので、作業開始許可判定欄157は「×(不可)」のままである。
一方、作業工程管理テーブル15において、作業工程W02に関して、指図投入時刻が「13:12」に更新されることにより推定作業終了時刻が「14:06」に更新され、次作業工程W03の推定作業終了時刻である「14:06」よりも早い時刻ではなくなるので、作業開始許可判定欄157が「○(可)」となる。
なお、本実施形態の作業管理システムSでは、待ち時間設定の時間長や作業工程管理テーブル15に登録された各作業工程欄151の標準作業時間欄152の値によっては、各作業者Mが順調に作業を進めていてもいずれかの作業工程Wで作業開始を禁止する必要が発生することもありえるが、そのことは特に問題ではない。なぜなら、本実施形態の作業管理システムSの目的は、作業の滞留を絶対に発生させないということではなく、作業の滞留がいつ、どこで、どのくらいの時間発生しているのかを特定し、それを作業管理者に知らせることだからである。つまり、本実施形態の作業管理システムSによって、作業管理者は、作業滞留の状況を知ることができ、そして、作業滞留の原因(標準作業時間欄152の値、各作業者Mのスキルのばらつき、各作業工程Wにおける必要な作業量のばらつきなど)を解明し、作業環境を改善するなどの対策をたてることができるようになる。
たとえば、1つの作業工程Wで作業の開始が禁止される場合、それに連動して、その作業工程Wよりも前(上流)のすべての作業工程Wについてその時刻以降の作業開始を禁止するようにしてもよい。
また、管理サーバ1が図5に示したフローチャートの処理を継続的に行う場合、作業工程管理テーブル15の標準作業時間欄152に登録されている各作業工程Wの標準作業時間は、実際の作業時間に関する統計情報から算出した平均時間、最短時間、最長時間などを用いて一定時間(1時間など)ごとに更新してもよい。
また、図5のフローチャートの処理は、作業開始許可判定が「×(不可)」となった場合でも指図を作業管理ボックスに入れたままにすることを前提としているが、作業開始許可判定欄157が「×(不可)」となった場合には指図を作業管理ボックスから取り出すことを前提として処理を部分的に変更してもよい。
さらに、作業管理ボックス30において、作業者Mに作業開始の禁止を視覚的に報知する手段としてLED31を設けたが、液晶表示機などの別の装置を設けてもよい。
たとえば、作業管理ボックスやそれに併設されるリーダライタは、すべての作業台に対して設けなくても、一部の作業台に対して設けるようにしてもよい。
また、作業工程は3つでなくても、2つ以上であればいくつでもよい。
さらに、各作業台に設けた表示装置とスイッチは必須の構成ではなく、適宜省略することができる。
また、作業管理ボックスは、自立型でなくても、作業台付設型、壁掛型など、他のタイプのものであってもよい。
その他、ハードウェアやフローチャートなどの具体的な構成について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
11 処理部
14 記憶部
15 作業工程管理テーブル
20 作業台
30 作業管理ボックス
31 LED
32 スピーカ
4 リーダライタ
5 ICタグ
A 指図
M 作業者
W 作業工程
Claims (10)
- 作業対象物に対する所定の作業が3つ以上の作業工程に分けられ、その3つ以上の作業工程がそれぞれ別々の作業スペースで実施され、それらの作業スペースにおける作業者の作業時間に関する情報を、前記所定の作業の内容を特定する情報が書き込まれたICタグを用いて管理する作業管理システムであって、
処理部および記憶部を有する情報処理装置と、
前記作業スペースごとに設置されており、前記作業スペースの作業者が作業時に前記ICタグを置くICタグ置場に付設され、そのICタグ置場に置かれた前記ICタグの情報を読み取り、その読み取った情報を前記情報処理装置へ送信するICタグ情報読取装置と、
前記作業スペースごとに設置されており、前記情報処理装置からの指示により、前記作業者に対して作業開始の禁止を報知する報知装置と、を備え、
前記情報処理装置の記憶部は、
前記作業対象物の滞留回避を考慮して設定される所定の時間長である設定時間と、前記作業工程ごとに作業時間の目安値である標準作業時間を記憶しており、
前記情報処理装置の処理部は、
いずれかの前記ICタグ情報読取装置から受信する通信情報によって前記ICタグ置場に前記ICタグが置かれたと判断した場合、その作業工程の作業終了時刻を推定し、その推定した作業終了時刻が、次の作業工程に関して同様に推定された作業終了時刻よりも前記設定時間以上前の時刻より早い時刻であったとき、その作業工程の報知装置に対して、作業開始の禁止の報知を指示し、その際、
作業開始の禁止を報知していない前記作業工程については、前記ICタグ置場に前記ICタグが置かれた時刻とその作業工程の前記標準作業時間とからその作業工程の作業終了時刻を推定し、
作業開始の禁止を報知している前記作業工程については、現在時刻とその作業工程の前記標準作業時間とからその作業工程の作業終了時刻を推定し、その場合、現在時刻の変化とともに当該作業終了時刻を逐次推定し直す
ことを特徴とする作業管理システム。 - 前記情報処理装置の処理部は、前記記憶部に記憶された各作業工程の標準作業時間を、それまでに収集した各作業工程の実際の作業時間の平均値、最大値あるいは最小値のいずれかによって更新する
ことを特徴とする請求項1に記載の作業管理システム。 - 前記情報処理装置の記憶部は、前記作業者ごとの作業効率係数を記憶しており、
前記情報処理装置の処理部は、前記標準作業時間に前記作業工程でそのとき作業している作業者の前記作業効率係数を乗じて算出した値を、その作業工程の標準作業時間として使用する
ことを特徴とする請求項1に記載の作業管理システム。 - 前記作業スペースごとに、さらに表示装置が備えられ、
前記情報処理装置の処理部は、前記報知装置に対する作業開始の禁止の報知の指示とともに、前記表示装置に対して、その作業開始の禁止を解除するまでの時間長または解除する時刻のいずれかの表示を指示する
ことを特徴とする請求項1に記載の作業管理システム。 - 前記設定時間はゼロであることを特徴とする請求項1に記載の作業管理システム。
- 作業対象物に対する所定の作業が3つ以上の作業工程に分けられ、その3つ以上の作業工程がそれぞれ別々の作業スペースで実施され、それらの作業スペースにおける作業者の作業時間に関する情報を、前記所定の作業の内容を特定する情報が書き込まれたICタグを用いて管理する作業管理システムによる作業管理方法であって、
前記作業管理システムは、
処理部および記憶部を有する情報処理装置と、
前記作業スペースごとに設置されており、前記作業スペースの作業者が作業時に前記ICタグを置くICタグ置場に付設され、そのICタグ置場に置かれた前記ICタグの情報を読み取り、その読み取った情報を前記情報処理装置へ送信するICタグ情報読取装置と、
前記作業スペースごとに設置されており、前記情報処理装置からの指示により、前記作業者に対して作業開始の禁止を報知する報知装置と、を備えており、
前記情報処理装置の記憶部は、
前記作業対象物の滞留回避を考慮して設定される所定の時間長である設定時間と、前記作業工程ごとに作業時間の目安値である標準作業時間を記憶しており、
前記情報処理装置の処理部は、
いずれかの前記ICタグ情報読取装置から受信する通信情報によって前記ICタグ置場に前記ICタグが置かれたと判断した場合、その作業工程の作業終了時刻を推定し、その推定した作業終了時刻が、次の作業工程に関して同様に推定された作業終了時刻よりも前記設定時間以上前の時刻より早い時刻であったとき、その作業工程の報知装置に対して、作業開始の禁止の報知を指示し、その際、
作業開始の禁止を報知していない前記作業工程については、前記ICタグ置場に前記ICタグが置かれた時刻とその作業工程の前記標準作業時間とからその作業工程の作業終了時刻を推定し、
作業開始の禁止を報知している前記作業工程については、現在時刻とその作業工程の前記標準作業時間とからその作業工程の作業終了時刻を推定し、その場合、現在時刻の変化とともに当該作業終了時刻を逐次推定し直す
ことを特徴とする作業管理方法。 - 前記情報処理装置の処理部は、前記記憶部に記憶された各作業工程の標準作業時間を、それまでに収集した各作業工程の実際の作業時間の平均値、最大値あるいは最小値のいずれかによって更新する
ことを特徴とする請求項6に記載の作業管理方法。 - 前記情報処理装置の記憶部は、前記作業者ごとの作業効率係数を記憶しており、
前記情報処理装置の処理部は、前記標準作業時間に前記作業工程でそのとき作業している作業者の前記作業効率係数を乗じて算出した値を、その作業工程の標準作業時間として使用する
ことを特徴とする請求項6に記載の作業管理方法。 - 前記作業管理システムは、前記作業スペースごとに、さらに表示装置を備え、
前記情報処理装置の処理部は、前記報知装置に対する作業開始の禁止の報知の指示とともに、前記表示装置に対して、その作業開始の禁止を解除するまでの時間長または解除する時刻のいずれかの表示を指示する
ことを特徴とする請求項6に記載の作業管理方法。 - 前記設定時間はゼロであることを特徴とする請求項6に記載の作業管理方法。
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