JP4902187B2 - 多段圧縮式ロータリコンプレッサ - Google Patents

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Description

本発明は、第1の回転圧縮要素で圧縮され、密閉容器内に吐出された中間圧の冷媒ガスを第2の回転圧縮要素に吸引し、圧縮して吐出する多段圧縮式ロータリコンプレッサに関するものである。
従来この種多段圧縮式ロータリコンプレッサ、特に内部中間圧型の多段圧縮式ロータリコンプレッサでは、第1の回転圧縮要素の吸入ポートから冷媒ガスがシリンダの低圧室に吸入され、ローラとベーンの動作により圧縮されて中間圧となりシリンダの高圧室より吐出ポート、吐出消音室を経て密閉容器内に吐出される。そして、この密閉容器内の中間圧の冷媒は第2の回転圧縮要素の吸込ポートからシリンダの低圧室に吸入され、ローラとベーンの動作により2段目の圧縮が行われて高温高圧の冷媒ガスとなり、高圧室より吐出ポート、吐出消音室を経て吐出される構成とされている。
上記各ベーンはシリンダの半径方向に設けられた案内溝内に移動自在に挿入されており、各ベーンの後側には背圧室が構成されている。第1の回転圧縮要素の背圧室には、密閉容器内の中間圧が印加され、第2の回転圧縮要素の背圧室には第2の回転圧縮要素の冷媒吐出側の圧力である高圧が印加されている。そして、第1の回転圧縮要素のベーンは、当該ベーンの後側の背圧室に設けられたスプリングと、背圧室に印加された中間圧により、ローラ側に付勢され、第2の回転圧縮要素のベーンは、当該ベーンの後側の背圧室に設けられたスプリングと、背圧室に印加された高圧によりローラ側に付勢されていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−172280号公報
ところで、このような多段圧縮式ロータリコンプレッサでは、第1の回転圧縮要素の吐出圧力(中間圧)と第2の回転圧縮要素の吐出圧力(高圧)とが逆転する、所謂圧力逆転現象が生じる問題が発生していた。当該圧力の逆転現象は、ロータリコンプレッサの軽負荷時において、第1の回転圧縮要素における圧縮仕事のみで充分に冷媒を圧縮できる状況下に生じる恐れがある。この場合、第2の回転圧縮要素では実質的に圧縮仕事が成されないので、第1の回転圧縮要素から吐出された冷媒が第2の回転圧縮要素の吐出側に流れるまでの過程で、流通抵抗等により圧力低下するため、第2の回転圧縮要素の吐出側圧力が第1の回転圧縮要素の吐出側圧力より低くなる。
また、高外気温時において、冷媒の蒸発温度が上昇すると、第1の回転圧縮要素の吸入圧力が上昇するため、これにより、第1の回転圧縮要素の吐出圧力も上昇することとなる。一方、第2の回転圧縮要素の吐出圧力(高圧)は、回転数等により予め設定された圧力より上昇しないように規制されているため、このように第1の回転圧縮要素の吐出圧力である中間圧が上昇すると、中間圧と高圧との圧力が逆転する圧力逆転が生じる場合もある。
このように、第1の回転圧縮要素の吐出圧力と第2の回転圧縮要素の吐出圧力が逆転すると、第2の回転圧縮要素のシリンダ内の圧力(第2の回転圧縮要素に吸入される冷媒の圧力(中間圧))がベーンの背圧として印加されている第2の回転圧縮要素の吐出圧力(高圧)より上昇するため、ベーンがローラ側に付勢される付勢力が無くなって、第2の回転圧縮要素のベーン飛びが発生し、騒音を生じると共に、第2の回転圧縮要素の運転も不安定となる問題が生じていた。
更に、上述の如く圧力の逆転現象が無い場合であっても、第1の回転圧縮要素の吐出圧力と第2の回転圧縮要素の吐出圧力が略同一となると、ベーンがローラ側に付勢される付勢力が小さくなるので、運転状況(過渡時等)によりベーン飛びが発生してしまうこともあった。
本発明は係る従来技術の課題を解決するために成されたものであり、第1の回転圧縮要素の吐出圧力と第2の回転圧縮要素の吐出圧力の圧力逆転を解消し、安定した運転を実現することができる多段圧縮式ロータリコンプレッサを提供することを目的とする。
本発明の多段圧縮式ロータリコンプレッサは、密閉容器内に駆動要素と、この駆動要素にて駆動される第1及び第2の回転圧縮要素を備え、第1及び第2の回転圧縮要素は、シリンダと駆動要素の回転軸に形成された偏心部に嵌合されてシリンダ内で偏心回転するローラと、このローラに当接してシリンダ内を低圧室と高圧室とに区画するベーンと、各シリンダの開口面を閉塞して回転軸の軸受けを兼用する支持部材とからそれぞれ構成されて、第2の回転圧縮要素の冷媒吐出側の圧力が当該第2の回転圧縮要素のベーンの背圧として印加されると共に、第1の回転圧縮要素で圧縮され、密閉容器内に吐出された中間圧の冷媒ガスを第2の回転圧縮要素に吸引し、圧縮して吐出するものであって、第1の回転圧縮要素のシリンダ内に形成され、密閉容器内に開口した弁収納室と、この弁収納室内に移動自在に収納され、一方の面に密閉容器内の空間の圧力が印加される弁装置と、弁収納室に対応して第1の回転圧縮要素のシリンダに貫通形成された第1の連通孔と、この第1の連通孔に対応して第1の回転圧縮要素の支持部材に形成され、当該第1の回転圧縮要素の吸込通路と前記連通孔とを連通する連通溝と、第2の回転圧縮要素のベーン背圧室と弁収納室とを連通し、弁装置の他方の面にベーンの背圧を印加する第2の連通孔とを備え、弁装置は、一方の面に印加される密閉容器内の空間の圧力が所定の上限値となった場合、弁収納室、第1の連通孔及び連通溝を介して第1の回転圧縮要素の吸込通路と密閉容器内とを連通すると共に、背圧室、弁収納室及び吸込通路は、回転軸の方向で並ぶように配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、密閉容器内に駆動要素と、この駆動要素にて駆動される第1及び第2の回転圧縮要素を備え、第1及び第2の回転圧縮要素は、シリンダと駆動要素の回転軸に形成された偏心部に嵌合されてシリンダ内で偏心回転するローラと、このローラに当接してシリンダ内を低圧室と高圧室とに区画するベーンと、各シリンダの開口面を閉塞して回転軸の軸受けを兼用する支持部材とからそれぞれ構成されて、第2の回転圧縮要素の冷媒吐出側の圧力が当該第2の回転圧縮要素のベーンの背圧として印加されると共に、第1の回転圧縮要素で圧縮され、密閉容器内に吐出された中間圧の冷媒ガスを第2の回転圧縮要素に吸引し、圧縮して吐出する多段圧縮式ロータリコンプレッサにおいて、第1の回転圧縮要素のシリンダ内に形成され、密閉容器内に開口した弁収納室と、この弁収納室内に移動自在に収納され、一方の面に密閉容器内の空間の圧力が印加される弁装置と、弁収納室に対応して第1の回転圧縮要素のシリンダに貫通形成された第1の連通孔と、この第1の連通孔に対応して第1の回転圧縮要素の支持部材に形成され、当該第1の回転圧縮要素の吸込通路と前記連通孔とを連通する連通溝と、第2の回転圧縮要素のベーン背圧室と弁収納室とを連通し、弁装置の他方の面にベーンの背圧を印加する第2の連通孔とを備え、弁装置は、一方の面に印加される密閉容器内の空間の圧力が所定の上限値となった場合、弁収納室、第1の連通孔及び連通溝を介して第1の回転圧縮要素の吸込通路と密閉容器内とを連通するようにしたので、例えば、ベーン背圧である第2の回転圧縮要素の冷媒吐出側の圧力を上限値とし、この上限値以上に弁装置の一方の面に印加される密閉容器内の空間の圧力、即ち、第1の回転圧縮要素の冷媒吐出側の圧力が上昇した場合、或いは、当該ベーン背圧に達する以前の圧力を上限値としてこの上限値に上昇した場合、第1の回転圧縮要素の吸込通路と密閉容器内とを連通するものとすれば、密閉容器内の冷媒ガスを第1の回転圧縮要素の冷媒吸込側に逃がすことができるようになる。
これにより、密閉容器内の冷媒ガスの圧力、即ち、第1の回転圧縮要素の冷媒吐出側の圧力を常に第2の回転圧縮要素の冷媒吐出側の圧力以下、或いは、当該圧力より低い圧力とすることができるようになるので、第1の回転圧縮要素で圧縮された冷媒ガスと第2の回転圧縮要素で圧縮された冷媒ガスの圧力逆転を解消することができる。従って、第2の回転圧縮要素のベーン飛び、及び、不安定な運転状況を早期に解消し、或いは、未然に回避することが可能となる。
従って、第2の回転圧縮要素が不安定な運転状況に陥る不都合を解消して、多段圧縮式ロータリコンプレッサの安定した運転を実現することができるようになると共に、騒音の低減も実現することができるようになる。特に、ベーン飛びの要因となるベーン背圧と密閉容器内の圧力で弁装置を動作させるので、第1の回転圧縮要素の吸込通路と密閉容器内との連通制御をより的確に行うことができるようになる。この場合、背圧室、弁収納室及び吸込通路は、回転軸の方向で並ぶように配置されているので、最短距離で背圧室と弁収納室、弁収納室と吸込通路とをそれぞれ連通させることができるようになり、構造の簡素化も図ることが可能となるものである。
本発明は、第1の回転圧縮要素で圧縮され、密閉容器内に吐出された中間圧の冷媒ガスを第2の回転圧縮要素に吸引し、圧縮して吐出する多段圧縮式ロータリコンプレッサにおいて、高圧と中間圧の圧力逆転により、第2の回転圧縮要素のベーン飛びが生じて、騒音を引き起こしたり、第2の回転圧縮要素が不安定な運転状況に陥る不都合を解消するために成されたものである。第2の回転圧縮要素におけるベーン飛びの発生と、不安定な運転状況を解消するという目的を、密閉容器内の空間と第1の回転圧縮要素の冷媒吸込側とを連通する連通路と、この連通路を開閉する弁装置とを設け、密閉容器内の中間圧が所定の上限値となった場合、弁装置によって連通路を開放することにより実現したものである。
以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明の多段圧縮式ロータリコンプレッサの実施例として、第1及び第2の回転圧縮要素32、34を備えた内部中間圧型多段(2段)圧縮式ロータリコンプレッサ10の縦断側面図、図2及び図3は図1のロータリコンプレッサ10の第2の回転圧縮要素34の上ベーン50部分の拡大縦断側面図である。
各図において、実施例のロータリコンプレッサ10は第1の回転圧縮要素32で圧縮され、密閉容器12内に吐出された中間圧の冷媒ガスを第2の回転圧縮要素34に吸引し、圧縮して吐出する内部中間圧型多段圧縮式ロータリコンプレッサである。当該ロータリコンプレッサ10は、密閉容器12内に駆動要素としての電動要素14と、この電動要素14にて駆動される第1の回転圧縮要素32及び第2の回転圧縮要素34から成る回転圧縮機構部18により構成されている。
密閉容器12は底部をオイル溜めとして、電動要素14と回転圧縮機構部18を収納する容器本体12Aと、この容器本体12Aの上部開口を閉塞する略椀状のエンドキャップ(蓋体)12Bとで構成されており、且つ、このエンドキャップ12Bの上面には円形の取付孔12Dが形成され、この取付孔12Dには電動要素14に電力を供給するためのターミナル(配線を省略)20が取り付けられている。
前記電動要素14は、密閉容器12の内周面に沿って環状に溶接固定されたステータ22と、このステータ22の内側に若干の間隔を設けて挿入設置されたロータ24とから構成されており、このロータ24は中心を通り鉛直方向に延びる回転軸16に固定される。
上記ステータ22は、ドーナッツ状の電磁鋼板を積層した積層体26と、この積層体26の歯部に直巻き(集中巻き)方式により巻装されたステータコイル28を有している。また、ロータ24もステータ22と同様に電磁鋼板の積層体30で形成されている。
また、前記回転圧縮機構部18は、第1の回転圧縮要素32と第2の回転圧縮要素34と、両回転圧縮要素32、34の間に挟持された中間仕切板36にて構成されている。本実施例では、第1の回転圧縮要素32は中間仕切板36の下側に、第2の回転圧縮要素34は中間仕切板36の上側にそれぞれ配置されている。第1の回転圧縮要素32は、中間仕切板36の下面に配置された下シリンダ40と、電動要素14の回転軸16に形成された偏心部44に嵌合されて、下シリンダ40内で偏心回転する下ローラ48と、この下ローラ48に当接して下シリンダ40内を低圧室と高圧室とに区画する下ベーン(図示せず)と、下シリンダ40の下側の開口面を閉塞して回転軸16の軸受けを兼用する下部支持部材56にて構成される。ここで、上記下シリンダ40内の低圧室とは、下ベーンと下ローラ48と下シリンダ40に囲まれた空間で、吸込ポート161が存在する領域であり、高圧室とは、下ベーンと下ローラ48と下シリンダ40に囲まれた空間で、吐出ポート(図示せず)が存在する領域のことである。
そして、第2の回転圧縮要素34は中間仕切板36の上面に配置され、第2の回転圧縮要素34を構成するためのシリンダとしての上シリンダ38と、電動要素14の回転軸16に形成された偏心部42に嵌合されて上シリンダ38内で偏心回転するローラとしての上ローラ46と、この上ローラ46に当接して上シリンダ38内を低圧室と高圧室とに区画するベーンとしての上ベーン50と、上シリンダ38の上側の開口面を閉塞して回転軸16の軸受けを兼用する上部支持部材54にて構成されている。また、第1の回転圧縮要素32の偏心部44と第2の回転圧縮要素34の偏心部42とは各シリンダ38、49内を180度の位相差を有して設けられている。尚、上記上シリンダ38の低圧室とは、上ベーン50と上ローラ46と上シリンダ38に囲まれた空間で、吸込ポート(図示せず)が存在する領域であり、高圧室とは、上ベーン50と上ローラ46と上シリンダ38に囲まれた空間で、吐出ポート(図示せず)が存在する領域のことである。
上下シリンダ38、40内には上ベーン50、下ベーンをそれぞれ収納する案内溝70(上ベーン50の案内溝のみ示す)が形成されており、案内溝70の外側、即ち、上ベーン50の背面側には、バネ部材としてのスプリング74を収納する収納部としての背圧室70Aが形成されている。このスプリング74はベーン50の背面側端部に当接し、常時ベーン50をローラ46側に付勢する。そして、背圧室70Aは案内溝70側と密閉容器12(容器本体12A)側に開口しており、背圧室70Aに収納されたスプリング74の密閉容器12側にはプラグ75が設けられ、スプリング74の抜け止めの役目を果たす(ここまで下ベーンも同様)。また、スプリング74のプラグ75の周面には当該プラグ75と背圧室70Aの内面間をシールするために図示しないOリングが取り付けられており、密閉容器12内の圧力が当該背圧室70A内に流入しないように構成されている。
また、背圧室70Aは、上部支持部材54内に形成された圧力通路100を介して後述する吐出消音室62と連通されており、当該背圧室70Aには第2の回転圧縮要素34の吐出圧力である高圧PH(第2の回転圧縮要素34で圧縮され吐出消音室62に吐出された第2の回転圧縮要素34の吐出側圧力)が供給される。即ち、第2の回転圧縮要素34の上ベーン50には、背圧として第2の回転圧縮要素34の吐出側圧力である高圧が印加されることになる。
尚、下ベーンのスプリングのプラグの周面はシールされておらず、これにより、下ベーンの背圧室には密閉容器12内の中間圧PM(第1の回転圧縮要素32で圧縮されて密閉容器12内に吐出された圧力)が供給される。即ち、第1の回転圧縮要素32の下ベーンには、背圧として第1の回転圧縮要素32の吐出側圧力である中間圧が印加される。
上部支持部材54、下部支持部材56には、上下シリンダ38、40に形成された吸込ポート161にて上下シリンダ38、40の内部とそれぞれ連通する吸込通路162(下部支持部材56、下シリンダ40についてのみ示す)が設けられている。また、上部支持部材54は、上シリンダ38と当接する面とは反対側の面(上面)の一部が凹陥されており、この凹陥部を上部カバー66によって閉塞することにより形成された前述した吐出消音室62が設けられている。
吐出消音室62の下面には、上シリンダ38吐出ポートを開閉可能に閉塞する吐出弁127(後述する参考例で説明する図4に示す)が設けられている。そして、上シリンダ38内で圧縮され、所定の圧力に達した冷媒ガスが、図1の下方から吐出ポートを閉じている吐出弁127を押し上げて吐出ポートを開き、吐出消音室62へ吐出させる。冷媒ガスの吐出が終了する時期になると、吐出弁127が吐出ポートを閉塞する。
一方、下部支持部材56は、下シリンダ40と当接する面とは反対側の面(下面)の一部が凹陥されており、この凹陥部を下部カバー68によって閉塞することにより形成された吐出消音室64が設けられている。この吐出消音室64の上面にも吐出消音室62の場合と同様の吐出弁が設けられ、下シリンダ40の吐出ポートを開閉可能に閉塞している。そして、下シリンダ40内で圧縮され、所定の圧力に達した冷媒ガスが、図1の上方から吐出ポートを閉じている吐出弁を押し下げて吐出ポートを開き、吐出消音室64へ吐出させる。冷媒ガスの吐出が終了する時期になると、吐出弁が吐出ポートを閉塞する。
前記第1の回転圧縮要素32の吐出消音室64と密閉容器12内とは下部支持部材56、下シリンダ40、中間仕切板36、上シリンダ38、上部支持部材54、上部カバー66を貫通する図示しない孔にて連通されており、ここから、第1の回転圧縮要素32で圧縮され吐出消音室64に吐出された中間圧の冷媒ガスが密閉容器12内の空間(電動要素14や回転圧縮機構部18以外の密閉容器12内の空間)に吐出される。
また、密閉容器12の容器本体12Aの側面には、上部支持部材54、下部支持部材54の吸込通路162(下部支持部材のみ示す)、上部支持部材54の吸込通路とは反対側、ロータ24の下側(電動要素14の直下)に対応する位置に、スリーブ141、142、143及び144がそれぞれ溶接固定されている。スリーブ141と142は左右に少許ずれて上下で隣接すると共に、スリーブ143はスリーブ141の略対角線上にある。
そして、スリーブ141内には上シリンダ38に冷媒ガスを導入するための冷媒導入管92の一端が挿入接続され、この冷媒導入管92の一端は上シリンダ38の吸込通路と連通する。この冷媒導入管92は密閉容器12の外側を通過してスリーブ144に至り、他端はスリーブ144内に挿入接続されて密閉容器12内に連通する。
また、スリーブ142内には下シリンダ40に冷媒ガスを導入するための冷媒導入管94の一端が挿入接続され、この冷媒導入管94の一端は下シリンダ40の吸込通路162と連通する。この冷媒導入管94から吸込通路162を経て吸込ポート161に至る経路が第1の回転圧縮要素32の冷媒吸込側となる。また、スリーブ143内には冷媒吐出管96が挿入接続され、この冷媒導入管96の一端は吐出消音室62と連通する。
次に、図2を参照して本発明の連通路101と弁装置102について説明する。上シリンダ38の背圧室70A下方に対応する位置の下シリンダ40内には、弁収納室103が形成されており、この弁収納室103の内側端は吸込ポート161の手前で閉塞され、外側端は密閉容器12内に開口している。そして、この弁収納室103内には弁装置102が移動自在(下シリンダ40の半径方向に移動自在)に収納されており、密閉容器12内に面するこの弁装置102の一方の面(外側面)と密閉容器12の容器本体12A間にはバネ部材104(弱バネ)が介設されている。尚、このバネ部材104は常時弁装置102が弁収納室103の奥方向(下シリンダ40の内側方向)に移動するように比較的弱い力で付勢するので、これにより、弁装置102の一方の面には密閉容器12内の中間圧とバネ部材104の付勢力が印加されることになる。
弁収納室103の底面には、下シリンダ40の下面まで貫通する第1の連通孔106が形成されており、この連通孔106に対応する位置の下部支持部材56の上面には連通溝107が形成されている。この連通溝107は連通孔106の下端開口と吸込通路162(第1の回転圧縮要素32の冷媒吸込側)とを連通する。また、連通孔106の上端開口は弁装置102の移動によって当該弁装置102により開閉されるよう構成されている。そして、これら弁収納室103、連通孔106及び連通溝107とにより、連通路101が構成される。
他方、上シリンダ38の背圧室70Aに対応する位置の中間仕切板36には第2の連通孔108が貫通形成されており、更に、この連通孔108の下端開口に対応する位置の下シリンダ40には第3の連通孔109が形成され、弁収納室103内の奥端部に至る。これら連通孔108、109により、背圧室70A内は弁収納室103の奥端部に連通され、背圧室70Aに印加される第2の回転圧縮要素34の吐出側圧力である高圧が弁装置102の他方の面(内側面)に印加さることになる。
そして、弁装置102は密閉容器12内の中間圧(第1の回転圧縮要素32の吐出圧力)が、所定の上限値となった場合、例えば、第2の回転圧縮要素34の吐出圧力である高圧以上となった場合、或いは、当該高圧に達する以前の所定の圧力になった場合、連通路100を開放するように構成されている。具体的に本実施例の弁装置102は、一方の面(バネ部材104側)に印加される密閉容器12内の圧力(第1の回転圧縮要素32の吐出圧力である中間圧PM)が、他方の面(奥側の面)に印加される背圧室70A内の圧力(上ベーン50の背圧)である第2の回転圧縮要素34の吐出消音室62内の圧力(高圧PH)以上となった場合、連通路101を開放するものとする。
即ち、一方の面(バネ部材104側)に印加される密閉容器12内の中間圧PMが、他方の面(奥側)に印加される背圧室70A内の高圧PH以上となると、当該密閉容器12内の圧力により、弁装置102が内方(奥方)に押し込められて、弁装置102の外側端が連通孔106の上端開口よりも弁収納室103の奥側に移動する(図3)。これにより、連通路101(弁収納室103、連通孔106、連通溝107)を介して密閉容器12内の空間と吸込通路162とが連通され、密閉容器12内の中間圧の冷媒ガスが第1の回転圧縮要素32の吸込通路162(冷媒吸込側)に流入することになる。
このように、一方の面(バネ部材104側)に印加される密閉容器12内の中間圧PM(第1の回転圧縮要素32の吐出圧力)が、他方の面(奥側)に印加される背圧室70A内の高圧PH(第2の回転圧縮要素34の吐出消音室62内の圧力)以上となった場合、連通路101を開放することで、第1の回転圧縮要素32で圧縮され、密閉容器12内に吐出された中間圧の冷媒ガスを第1の回転圧縮要素32の下シリンダ40の吸込通路162から吸込ポート161に逃がすことができるようになる。
ここで、上下シリンダ38、40の上ベーン50と下ベーン(図示せず)は上から見て上ベーン50が左側、下ベーンが右側にずれて配置されている。また、吐出ポートと吸込ポートはこれらベーンの両側にそれぞれ隣接して形成されるが、本発明では上シリンダ38については上から見てベーン50の右側に吸込ポート、左側に吐出ポートが形成され、下シリンダ40では上から見て下ベーンの左側に吸込ポート161、右側に吐出ポートが形成されている。
そして、上シリンダ38の背圧室70Aと、下シリンダ40の弁収納室103、下部支持部材56の吸込通路162は、上下(回転軸16の軸方向)で並ぶように配置されている(図2)。そして、第1の回転圧縮要素32の冷媒吸込側として吸込通路162に連通孔106と連通溝107により弁収納室103を連通させているので、各連通孔108、109、106及び連通溝107は、最短距離で背圧室70Aと弁収納室103、弁収納室103と吸込通路162とをそれぞれ連通させることができるようになる。また、弁収納室103の外側端を密閉容器12内に開口させることで連通路101が構成されることになるので、これらにより回転圧縮機構部18内における連通路101や、背圧室70Aと弁収納室103とを連通するための構造が極めて簡素化される。従って、第1の回転圧縮要素32冷媒吐出側の圧力(中間圧)を冷媒吸込側(低圧)に逃がす構造をとるための生産コストを最低限に抑えることができるようになる。
以上の構成で次にロータリコンプレッサ10の動作を説明する。ターミナル20及び図示されない配線を介して電動要素14のステータコイル28に通電されると、電動要素14が起動してロータ24が回転する。この回転により回転軸16と一体に設けられた上下偏心部42、44に嵌合されて上下ローラ46、48が上下シリンダ38、40内を偏心回転する。
これにより、冷媒導入管94及び吸込通路162を経由して吸込ポート161から下シリンダ40の低圧室に吸入された低圧の冷媒は、下ローラ48と下ベーンの動作により圧縮され、中間圧に達すると、吐出ポートを閉じている吐出弁が押されて吐出ポートが開き、吐出消音室64内にこの中間圧の冷媒ガスが吐出される。
吐出消音室64内に吐出された中間圧の冷媒ガスは、当該吐出消音室64から図示しない孔を経て密閉容器12内に吐出される。これによって、密閉容器12内は第1の回転圧縮要素32の冷媒吐出側圧力である中間圧(PM)となる。このとき、密閉容器12の中間圧PMが、第2の回転圧縮要素34で圧縮され、吐出消音室62内を経て背圧室70Aに供給された高圧PHより低い場合には、図2に示すように弁装置102は、背圧室70A内の冷媒の高圧により押されて、連通孔106上に位置する。従って、連通孔106の上端開口は弁装置102により閉じられ、連通路101が閉塞された状態であるため、密閉容器12内の冷媒ガスは吸込通路162には流入しない。
この密閉容器12内に吐出された中間圧の冷媒ガスは、スリーブ144から出て冷媒導入管92及びシリンダ38に形成された図示しない吸込通路を経由して吸込ポートから上シリンダ38の低圧室に吸入される。吸入された中間圧の冷媒ガスは、上ローラ46と上ベーン50の動作により2段目の圧縮が行われて高温高圧の冷媒ガスとなる。これにより、吐出消音室62内に設けられた吐出弁127が開放され、吐出消音室62と吐出ポートとが連通するため、上シリンダ38の高圧室から吐出ポート内を通り上部支持部材54に形成された吐出消音室62に吐出される。吐出消音室62に吐出された高圧の冷媒ガスは、冷媒吐出管96を経てロータリコンプレッサ10の外部に吐出される。
他方、密閉容器12内に吐出された冷媒の圧力(中間圧PM)が、第2の回転圧縮要素34で圧縮され、吐出消音室62を経て収納室70A内に供給された高圧PH以上となると、図3に示すように弁装置102は一方の面に印加される密閉容器12内の圧力により押し込められ、その外側端が連通孔106より弁収納室103の内方(奥側)に移動する。これによって、連通孔106の上端開口が開放されるので、連通路101が開放され、密閉容器12内と吸込通路162とが連通される。これにより、密閉容器12内の冷媒ガスは弁収納室103、連通孔106、連通溝107を介して下シリンダ40の吸込通路162(冷媒吸込側)に流入する。即ち、第1の回転圧縮要素32で圧縮され、密閉容器12内に吐出された中間圧の冷媒ガスの一部を第1の回転圧縮要素32の吸込通路162を経て下シリンダ40内の吸込工程の領域に逃がすことができる。
これにより、第1の回転圧縮要素32で圧縮されて第2の回転圧縮要素34に吸引される中間圧の冷媒ガスは、第2の回転圧縮要素34の吐出消音室62に吐出されて背圧室70Aに上ベーン50の背圧として供給される冷媒ガスの圧力以下となる。従って、上ベーン50の内側端(上シリンダ38内)と外側端(背圧)との圧力逆転は解消される。尚、密閉容器12内の中間圧の冷媒ガスの圧力が、背圧室70Aの冷媒ガスの圧力より低下すると、弁装置102が図2に示すように外側に移動して連通孔106の上端開口を塞ぐので、連通路101が閉塞される。
このように、密閉容器12内に吐出された冷媒の圧力が、第2の回転圧縮要素34で圧縮され、吐出消音室62内を経て背圧室70Aに供給された高圧以上となると、上述の如く連通路101が開放されて、密閉容器12内の冷媒ガスを第1の回転圧縮要素32の吸込通路162に逃がすことができるので、第1の回転圧縮要素32の冷媒吐出側の圧力(中間圧PM)が第2の回転圧縮要素34の冷媒吐出側の圧力(高圧PH)より低くなり、第1の回転圧縮要素32で圧縮された冷媒ガスの圧力(上ベーン50の内側端の圧力)と第2の回転圧縮要素34で圧縮された冷媒ガスの圧力(上ベーン50の背圧)の逆転を解消することができる。
これにより、第2の回転圧縮要素34の上ベーン50のベーン飛び及び不安定な運転状況を早期に解消することができるようになる。また、回転圧縮機構部18の構造の複雑化も最小限に抑えられるので、生産コストの高騰も低く抑えられる。即ち、係る圧力逆転防止構造を簡素化し、生産コストの低減を図ることができるようになる。
以上により、第2の回転圧縮要素34が不安定な運転状況に陥る不都合を解消して、多段圧縮式ロータリコンプレッサ10の安定した運転を実現することができるようになる。
尚、ロータリコンプレッサ10が停止すると、バネ部材104により弁装置102は速やかに図3のように弁収納部103の奥側に押し込められるので、連通路101は開放される。これにより、ロータリコンプレッサ10の停止後、早急に冷媒回路全体の圧力逆転が回復されることになる。従って、次回の起動時に圧力逆転は生じていなくなるので、起動当初から上ベーン50の飛びを回避することができるようになる。
また、上述した実施例では弁装置102のバネ部材104を弱バネにて構成し、一方の面(バネ部材104側)に印加される密閉容器12内の圧力が、他方の面(弁収納室103の奥側)に印加される背圧室70A内の圧力(第2の回転圧縮要素34の吐出消音室62内の圧力)以上となった場合、連通路101を開放するものとしたが、これに限らず、バネ部材104を通常のバネにて構成し、一方の面に印加される密閉容器12内の圧力が、所定の上限値となった場合、例えば、他方の面に印加される背圧室70A内の圧力に達する以前の予め設定された所定の上限値(例えば、高圧PHになる直前の圧力)になった場合に、連通路101を連通するものとしても構わない。
その場合には、密閉容器12内の冷媒ガスの圧力を第2の回転圧縮要素34の吐出消音室64を経て背圧室70Aに供給される冷媒ガスの圧力より常に低い圧力とすることができるので、第2の回転圧縮要素34の上ベーン52の背圧を確保でき、即ち、上シリンダ38内の圧力を常時上ベーン52の背圧室70Aの圧力以下とすることができるので、係る背圧室70Aに印加される第2の回転圧縮要素34の吐出側圧力である高圧PHと、スプリング74の付勢力により、上ベーン52のベーン飛びが生じる不都合を未然に回避し、第2の回転圧縮要素34の安定した運転状況を確保することができる
次に、図4乃至図9を参照して参考例を説明する。尚、各図において図1乃至図3と同一符号で示すものは同様の機能を奏するものであり、各図に示されていない部分は図1乃至図3と同様であるものとする。図4はこの場合の回転圧縮機構部18の平面図、図5は図4の回転圧縮機構部18の弁収納室103部分の拡大図、図6は図4の弁収納室103部分の拡大縦断側面図、図7は図4のA−A線断面図、図8は図4のB−B線断面図、図9は図4の回転圧縮機構部18の斜視図である。
各図において、111は上部支持部材54に形成された第2の回転圧縮要素34の吸込通路であり、この参考例では上下のベーンが上下に対応して設けられ、それらの上から見て右側に吸込ポートと吸込通路111、162が回転軸16の軸方向である上下に並んで構成されている。
この場合、弁収納室103は圧力通路100の吸込通路111側に隣接して上部支持部材54内に形成されており、その奥側隅部は圧力通路100と背圧室70Aの連通部分に連通している。弁装置102は同様に弁収納室103内に移動自在(上部支持部材54の半径方向に移動自在)に収納されている。弁収納室103の外側端は同様に密閉容器12内の空間に開口すると共に、外側端開口の内側には弁座112が取り付けられている。また、バネ部材104はこの弁座112と弁装置102の一方の面(弁座112側の面)間に介設されている。このバネ部材104は常時弁装置102を奥側に、即ち、弁座112から離間するように付勢する。
このような構成で、弁装置102の一方の面には密閉容器12内の圧力(中間圧PM)が印加され、他方の面(圧力通路100側の面)には背圧室70A内の圧力(高圧PH)が印加されることになる。
また、上部支持部材54には連通孔113が上下に形成され、この連通孔113の上端は弁座112近傍の弁収納室103内に開口している。また、上シリンダ38、中間仕切板36、下シリンダ40にはそれぞれを上下に貫通する連通孔114、116、117がそれぞれ形成されており、連通孔114の上端は連通孔113の下端に対応して連通し、連通孔116の上端は連通孔114の下端に対応して連通し、連通孔117の上端は連通孔116の下端に対応して連通している。そして、下部支持部材56の吸込通路162の近傍(下ベーン側)にも連通孔118が形成され、その下端は吸込通路162に連通し、上端は連通孔117の下端に対応して連通している。これら弁収納室103、連通孔113、114、116、117、118によってこの場合の連通路101が構成される。
以上の構成で、密閉容器12の中間圧PMが、第2の回転圧縮要素34で圧縮され、吐出消音室62、圧力通路100を経て背圧室70Aに供給された高圧PHより低い場合には、図6、図7に示すように弁装置102は、背圧室70A内の冷媒の高圧により押されて、弁座112に押し付けられ、連通路113の上端開口を閉じている。従って、連通路101が閉塞された状態となるため、密閉容器12内の冷媒ガスは吸込通路162には流入しない。
他方、密閉容器12内に吐出された冷媒の圧力(中間圧PM)が、第2の回転圧縮要素34で圧縮され、吐出消音室62、圧力通路100を経て収納室70A内に供給される高圧PH以上となると、弁装置102は一方の面に印加される密閉容器12内の圧力により弁座112から離間して奥側(圧力通路100側)に押し込められ、その外側端が連通孔113の上端開口より弁収納室103の内方(奥側)に移動する。これによって、連通孔113の上端開口が開放されるので、連通路101が開放され、密閉容器12内と吸込通路162とが連通される。これにより、密閉容器12内の冷媒ガスは弁収納室103、連通孔113、114、116、117、118を介して下シリンダ40の吸込通路162(冷媒吸込側)に流入する。即ち、第1の回転圧縮要素32で圧縮され、密閉容器12内に吐出された中間圧の冷媒ガスの一部が第1の回転圧縮要素32の吸込通路162を経て下シリンダ40内の吸込工程の領域に逃げることになる。
これにより、前述した実施例と同様に圧力逆転現象を解消し、上ベーン50の飛びの発生を回避することができるようになる。特に、この場合にはシリンダに弁装置102を収納するものでは無く、上部支持部材54内に収納する構成をとっているので、加工精度上の制約が緩和される。更に、背圧室70Aと密閉容器12内の双方に極めて近い位置で圧力を弁装置102の両面に印加することができるので、連通路101の開閉制御の精度が良好となる効果がある。
尚、上記実施例ではロータリコンプレッサ10として2段圧縮式のロータリコンプレッサを用いて説明したが、3段、或いは、それ以上の回転圧縮要素を備えたロータリコンプレッサに本発明を適用しても差し支えない。
本発明を適用した一実施例の多段圧縮式ロータリコンプレッサの縦断側面図である(実施例1)。 図1の多段圧縮式ロータリコンプレッサの第2の回転圧縮要素の上ベーン部分の拡大縦断側面図である。 同じく図1の多段圧縮式ロータリコンプレッサの第2の回転圧縮要素の上ベーン部分の拡大縦断側面図である。 本発明を適用したもう一つの実施例の多段圧縮式ロータリコンプレッサの回転圧縮機構部の平面図である(参考例)。 図4の回転圧縮機構部の弁収納室部分の拡大図である。 図4の弁収納室部分の拡大縦断側面図である。 図4のA−A線断面図である。 図4のB−B線断面図である。 図4の回転圧縮機構部の斜視図である。
10 多段圧縮式ロータリコンプレッサ
12 密閉容器
14 電動要素
16 回転軸
18 回転圧縮機構部
32 第1の回転圧縮要素
34 第2の回転圧縮要素
38 上シリンダ
40 下シリンダ
42、44 偏心部
46 上ローラ
48 下ローラ
50 上ベーン
62、64 吐出消音室
70A 背圧室
100 圧力通路
101 連通路
102 弁装置
104 バネ部材
106、108、109、113、114、116、117、118 連通孔
107 連通溝
162 吸込通路

Claims (1)

  1. 密閉容器内に駆動要素と、該駆動要素にて駆動される第1及び第2の回転圧縮要素を備え、前記第1及び第2の回転圧縮要素は、シリンダと前記駆動要素の回転軸に形成された偏心部に嵌合されて前記シリンダ内で偏心回転するローラと、該ローラに当接して前記シリンダ内を低圧室と高圧室とに区画するベーンと、各シリンダの開口面を閉塞して前記回転軸の軸受けを兼用する支持部材とからそれぞれ構成されて、前記第2の回転圧縮要素の冷媒吐出側の圧力が当該第2の回転圧縮要素のベーンの背圧として印加されると共に、前記第1の回転圧縮要素で圧縮され、前記密閉容器内に吐出された中間圧の冷媒ガスを前記第2の回転圧縮要素に吸引し、圧縮して吐出する多段圧縮式ロータリコンプレッサにおいて、
    前記第1の回転圧縮要素のシリンダ内に形成され、前記密閉容器内に開口した弁収納室と、
    該弁収納室内に移動自在に収納され、一方の面に前記密閉容器内の空間の圧力が印加される弁装置と、
    前記弁収納室に対応して前記第1の回転圧縮要素のシリンダに貫通形成された第1の連通孔と、
    該第1の連通孔に対応して前記第1の回転圧縮要素の支持部材に形成され、当該第1の回転圧縮要素の吸込通路と前記連通孔とを連通する連通溝と、
    前記第2の回転圧縮要素のベーン背圧室と前記弁収納室とを連通し、前記弁装置の他方の面に前記ベーンの背圧を印加する第2の連通孔とを備え、
    前記弁装置は、一方の面に印加される前記密閉容器内の空間の圧力が所定の上限値となった場合、前記弁収納室、第1の連通孔及び連通溝を介して前記第1の回転圧縮要素の吸込通路と前記密閉容器内とを連通すると共に、
    前記背圧室、前記弁収納室及び前記吸込通路は、前記回転軸の方向で並ぶように配置されていることを特徴とする多段圧縮式ロータリコンプレッサ。
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