JP4902188B2 - 多段圧縮式ロータリコンプレッサ - Google Patents

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本発明は、第1の回転圧縮要素で圧縮され密閉容器内に吐出された中間圧の冷媒ガスを第2の回転圧縮要素に吸引し、圧縮して吐出する内部中間圧型の多段圧縮式ロータリコンプレッサに関するものである。
従来この種多段圧縮式ロータリコンプレッサ、特に、内部中間圧型の多段圧縮式ロータリコンプレッサでは、第1の回転圧縮要素の吸入ポートから冷媒ガスがシリンダの低圧室側に吸入され、ローラとベーンの動作により圧縮されて中間圧となりシリンダの高圧室側より吐出ポート、吐出消音室を経て密閉容器内に吐出される。そして、この密閉容器内の中間圧の冷媒は第2の回転圧縮要素の吸込ポートからシリンダの低圧室側に吸入され、ローラとベーンの動作により2段目の圧縮が行われて高温高圧の冷媒ガスとなり、高圧室側より吐出ポート、吐出消音室を経て吐出される構成とされている。
上記各ベーンはシリンダの半径方向に設けられた案内溝内に移動自在に挿入されており、各ベーンの後側には背圧室(収納部)が構成されている。第1の回転圧縮要素の背圧室には、密閉容器内の中間圧が印加され、第2の回転圧縮要素の背圧室には第2の回転圧縮要素の冷媒吐出側の圧力である高圧が印加されている。そして、第1の回転圧縮要素のベーンは、当該ベーンの後側の背圧室に設けられたスプリングと、背圧室に印加された中間圧により、ローラ側に付勢され、第2の回転圧縮要素のベーンは、当該ベーンの後側の背圧室に設けられたスプリングと、背圧室に印加された高圧によりローラ側に付勢されていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−172280号公報
ところで、このような多段圧縮式ロータリコンプレッサでは、第1の回転圧縮要素の吐出圧力と第2の回転圧縮要素の吐出圧力が逆転する、所謂圧力逆転現象が生じる問題が発生していた。当該圧力の逆転現象は、ロータリコンプレッサの軽負荷時において、第1の回転圧縮要素における圧縮仕事のみで充分に冷媒を圧縮できる状況下に生じる恐れがある。この場合、第2の回転圧縮要素では実質的に圧縮仕事が成されないので、第1の回転圧縮要素から吐出された冷媒が第2の回転圧縮要素の吐出側に流れるまでの過程で、流通抵抗等により圧力低下するため、係る圧力逆転が生じることとなる。
また、高外気温時において、冷媒の蒸発温度が上昇すると、第1の回転圧縮要素の吸入圧力が上昇するため、これにより、第1の回転圧縮要素の吐出圧力も上昇することとなる。一方、第2の回転圧縮要素の吐出圧力(高圧)は、回転数等により予め設定された圧力より上昇しないように定規されているため、このように第1の回転圧縮要素の吐出圧力である中間圧が上昇すると、中間圧と高圧との圧力が逆転する圧力逆転が生じる場合もある。
このように、第1の回転圧縮要素の吐出圧力と第2の回転圧縮要素の吐出圧力が逆転すると、第2の回転圧縮要素のシリンダ内の圧力がベーンの背圧として印加されている第2の回転圧縮要素の吐出圧力より上昇するため、ベーンがローラ側に付勢される付勢力が無くなって、第2の回転圧縮要素のベーン飛びが発生すると共に、第2の回転圧縮要素の運転も不安定となる問題が生じていた。
更に、上述した圧力逆転が無い場合であっても、第1の回転圧縮要素の吐出圧力と第2の回転圧縮要素の吐出圧力が略同一となると、ベーンがローラ側に付勢される付勢力が小さくなるので、運転状況(過渡時等)によりベーン飛びが発生してしまうこともあった。
また、一度ベーン飛びが発生すると当該ベーンがローラに追従する、即ち、ベーン飛びが解消するまでに時間がかかるという不都合も生じていた。
本発明は係る従来技術の課題を解決するために成されたものであり、第2の回転圧縮要素のベーン飛びの発生を未然に回避して、安定した運転を実現することができる内部中間圧型の多段圧縮式ロータリコンプレッサを提供することを目的とする。
本発明の多段圧縮式ロータリコンプレッサは、密閉容器内に駆動要素と、この駆動要素にて駆動される第1及び第2の回転圧縮要素を備え、第2の回転圧縮要素は、シリンダと、駆動要素の回転軸に形成された偏心部に嵌合されてシリンダ内で偏心回転するローラと、このローラに当接してシリンダ内を低圧室側と高圧室側とに区画するベーンから構成されて、第2の回転圧縮要素の吐出圧力である高圧をベーンの背圧として印加すると共に、第1の回転圧縮要素で圧縮され、密閉容器内に吐出された中間圧の冷媒ガスを第2の回転圧縮要素に吸引し、圧縮して吐出するものであって、第1及び第2の回転圧縮要素にそれぞれ冷媒を導入するための第1及び第2の冷媒導入管と、上下に隣接して密閉容器に設けられ、第1及び第2の冷媒導入管がそれぞれ接続される第1及び第2のスリーブと、第1の冷媒導入管と第2の冷媒導入管とを連通する連通路と、この連通路を開閉する弁装置とを備え、弁装置は、中間圧と低圧の圧力差が、中間圧が高圧に達する以前の所定の上限値まで拡大した場合、連通路を開放することを特徴とする。
本発明によれば、密閉容器内に駆動要素と、この駆動要素にて駆動される第1及び第2の回転圧縮要素を備え、第2の回転圧縮要素は、シリンダと、駆動要素の回転軸に形成された偏心部に嵌合されてシリンダ内で偏心回転するローラと、このローラに当接してシリンダ内を低圧室側と高圧室側とに区画するベーンから構成されて、第2の回転圧縮要素の吐出圧力である高圧をベーンの背圧として印加すると共に、第1の回転圧縮要素で圧縮され、密閉容器内に吐出された中間圧の冷媒ガスを第2の回転圧縮要素に吸引し、圧縮して吐出する多段圧縮式ロータリコンプレッサにおいて、第1及び第2の回転圧縮要素にそれぞれ冷媒を導入するための第1及び第2の冷媒導入管と、上下に隣接して密閉容器に設けられ、第1及び第2の冷媒導入管がそれぞれ接続される第1及び第2のスリーブと、第1の冷媒導入管と第2の冷媒導入管とを連通する連通路と、この連通路を開閉する弁装置とを備え、弁装置は、中間圧と低圧の圧力差が、中間圧が高圧に達する以前の所定の上限値まで拡大した場合、連通路を開放するので、第1の回転圧縮要素で圧縮された中間圧の冷媒ガスを第1の回転圧縮要素の吸入圧力である低圧の領域に逃がすことができるようになる。
これにより、中間圧を常に第2の回転圧縮要素の吐出圧力である高圧より低い圧力とすることができるので、第2の回転圧縮要素のベーン飛び及び不安定な運転状況が発生する不都合を未然に回避することができる。従って、多段圧縮式ロータリコンプレッサの安定した運転を実現することができるようになる。
また、第1の回転圧縮要素で圧縮された中間圧の冷媒ガスを第1の回転圧縮要素の低圧の領域に逃がすことで、その分、第1の回転圧縮要素への吸い入み冷媒量が減少するので、軽負荷時におけるパワーセーブ効果も得ることができる。
本発明は、第1の回転圧縮要素で圧縮され、密閉容器内に吐出された中間圧の冷媒ガスを第2の回転圧縮要素に吸引し、圧縮して吐出する内部中間圧型多段圧縮式ロータリコンプレッサにおいて、第2の回転圧縮要素の吐出圧力である高圧と第2の回転圧縮要素の吸入圧力である中間圧とが圧力逆転する、或いは、略同圧となることにより、第2の回転圧縮要素のベーン飛びが生じて、騒音を引き起こしたり、第2の回転圧縮要素が不安定な運転状況に陥る不都合を未然に回避するために成されたものである。第2の回転圧縮要素におけるベーン飛びの発生と、不安定な運転状況を未然に回避するという目的を中間圧の領域と第1の回転圧縮要素の吸入圧力である低圧の領域とを連通する連通路と、この連通路を開閉する弁装置とを備え、当該弁装置により、中間圧と低圧の圧力差が、中間圧が高圧に達する以前の所定の上限値まで拡大した場合、連通路を開放することにより実現した。以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。
図1は本発明の多段圧縮式ロータリコンプレッサの参考例として、第1及び第2の回転圧縮要素32、34を備えた内部中間圧型多段(2段)圧縮式ロータリコンプレッサ10の縦断側面図、図2は第1の回転圧縮要素32の下部支持部材56の底面図、図3は第2の回転圧縮要素34の上部支持部材54の平面図(上部カバーが取り付けられた状態)、図4は第1の回転圧縮要素32の下シリンダ40の底面図、図5は第2の回転圧縮要素34を構成するためのシリンダとしての上シリンダ38の平面図をそれぞれ示している。図1において、参考例のロータリコンプレッサ10は第1の回転圧縮要素32で圧縮され、密閉容器12内に吐出された中間圧の冷媒ガスを第2の回転圧縮要素に吸引し、圧縮して吐出する内部中間圧型多段圧縮式ロータリコンプレッサである。当該ロータリコンプレッサ10は、密閉容器12内に駆動要素としての電動要素14と、この電動要素14にて駆動される第1の回転圧縮要素32及び第2の回転圧縮要素34から成る回転圧縮機構部18により構成されている。
密閉容器12は底部をオイル溜めとして、電動要素14と回転圧縮機構部18を収納する容器本体12Aと、この容器本体12Aの上部開口を閉塞する略椀状のエンドキャップ(蓋体)12Bとで構成されており、且つ、このエンドキャップ12Bの上面には円形の取付孔12Dが形成され、この取付孔12Dには電動要素14に電力を供給するためのターミナル(配線を省略)20が取り付けられている。
前記電動要素14は、密閉容器12の内周面に沿って環状に溶接固定されたステータ22と、このステータ22の内側に若干の間隔を設けて挿入設置されたロータ24とから構成されており、このロータ24は中心を通り鉛直方向に延びる回転軸16に固定される。
上記ステータ22は、ドーナッツ状の電磁鋼板を積層した積層体26と、この積層体26の歯部に直巻き(集中巻き)方式により巻装されたステータコイル28を有している。また、ロータ24もステータ22と同様に電磁鋼板の積層体30で形成されている。
また、前記回転圧縮機構部18は、第1の回転圧縮要素32と第2の回転圧縮要素34と、両回転圧縮要素32、34の間に挟持された中間仕切板36にて構成されている。本参考例では、第1の回転圧縮要素32は中間仕切板36の下側に、第2の回転圧縮要素34は中間仕切板36の上側にそれぞれ配置されている。第1の回転圧縮要素32は、中間仕切板36の下面に配置された下シリンダ40と、電動要素14の回転軸16に形成された偏心部44に嵌合されて、下シリンダ40内で偏心回転する下ローラ48と、この下ローラ48に当接して下シリンダ40内を低圧室側と高圧室側とに区画する下ベーン52と、下シリンダ40の下側の開口面を閉塞して回転軸16の軸受けを兼用する下部支持部材56にて構成される。
ここで、上記下シリンダ40内の低圧室側とは、下ベーン52と下ローラ48と下シリンダ40に囲まれた空間で、吸込ポート161が存在する領域であり、高圧室側とは、下ベーン52と下ローラ48と下シリンダ40に囲まれた空間で、吐出ポート41が存在する領域のことである。
そして、第2の回転圧縮要素34は中間仕切板36の上面に配置され、第2の回転圧縮要素34を構成するためのシリンダとしての上シリンダ38と、電動要素14の回転軸16に形成された偏心部42に嵌合されて上シリンダ38内で偏心回転するローラとしての上ローラ46と、この上ローラ46に当接して上シリンダ38内を低圧室側と高圧室側とに区画するベーンとしての上ベーン50と、上シリンダ38の上側の開口面を閉塞して回転軸16の軸受けを兼用する上部支持部材54にて構成されている。また、第1の回転圧縮要素32の偏心部44と第2の回転圧縮要素34の偏心部42とは各シリンダ38、49内を180度の位相差を有して設けられている。尚、上記上シリンダ38の低圧室側とは、上ベーン50と上ローラ46と上シリンダ38に囲まれた空間で、吸込ポート160が存在する領域であり、高圧室側とは、上ベーン50と上ローラ46と上シリンダ38に囲まれた空間で、吐出ポート39が存在する領域のことである。
上下シリンダ38、40内にはベーン50、52を収納する案内溝70、72が形成されており、各案内溝70、72の外側、即ち、ベーン50、52の背面側には、バネ部材としてのスプリング74、76を収納する収納部70A、72A(背圧室)が形成されている。このスプリング74、76はベーン50、52の背面側端部に当接し、常時ベーン50、52をローラ46、48側に付勢する。そして、収納部70Aは案内溝70側と密閉容器12(容器本体12A)側に開口しており、収納部70A、72Aに収納されたスプリング74、76の密閉容器12側には図示しないプラグが設けられ、スプリング74、76の抜け止めの役目を果たす。また、スプリング74のプラグの周面には当該プラグと収納部70Aの内面間をシールするために図示しないOリングが取り付けられており、密閉容器12内の圧力が当該収納部70A内に流入しないように構成されている。
また、収納部70Aは、図示しない連通路を介して後述する吐出消音室62と連通されており、当該収納部70Aには第2の回転圧縮要素34の吐出圧力である高圧(第2の回転圧縮要素34で圧縮され吐出消音室62に吐出された第2の回転圧縮要素34の吐出側圧力)が加えられる。即ち、第2の回転圧縮要素34の上ベーン50には、背圧として第2の回転圧縮要素34の吐出圧力である高圧が印加されることになる。
一方、スプリング76のプラグの周面はシールされておらず、これにより、収納部72Aには密閉容器12内の中間圧(第1の回転圧縮要素32で圧縮されて密閉容器12内に吐出された圧力)が加えられる。即ち、第1の回転圧縮要素32の下ベーン52には、背圧として第1の回転圧縮要素32の吐出側圧力である中間圧が印加されることになる。
上下支持部材54、56には、吸込ポート160、161にて上下シリンダ38、40の内部とそれぞれ連通する吸込通路58、60が設けられている。また、上部支持部材54は、上シリンダ38と当接する面とは反対側の面(上面)の一部が凹陥されており、この凹陥部を壁としてのカバーによって閉塞することにより形成された前述した吐出消音室62が設けられている。即ち、吐出消音室62は当該吐出消音室62を画成する壁としての上部カバー66にて閉塞される。
吐出消音室62の下面には、吐出ポート39を開閉可能に閉塞する吐出弁127が設けられている。この吐出弁127は縦長略矩形状の金属板からなる弾性部材にて構成されており、この吐出弁127の上側には吐出弁抑え板としての図示しないバッカーバルブが配置され、上部支持部材54に取り付けられている。そして、吐出弁127の一側が吐出ポート39に当接して密閉すると共に、他側は吐出ポート39と所定の間隔を存して設けられた上部支持部材54の取付孔にカシメピン等により固着されている。
そして、上シリンダ38内で圧縮され、所定の圧力に達した冷媒ガスが、図1の下方から吐出ポート39を閉じている吐出弁127を押し上げて吐出ポート39を開き、吐出消音室62へ吐出させる。このとき、吐出弁127は他側を上部支持部材54に固着されているので吐出ポート39に当接している一側が反り上がり、吐出弁127の開き量を規制している図示しないバッカーバルブに当接する。冷媒ガスの吐出が終了する時期になると、吐出弁127がバッカーバルブから離れ、吐出ポート39を閉塞する。
一方、下部支持部材56に、下シリンダ40と当接する面とは反対側の面(下面)の一部が凹陥されており、この凹陥部を壁としてのカバーによって閉塞することにより形成された吐出消音室64が設けられている。即ち、吐出消音室64は当該吐出消音室64を画成する壁としての下部カバー68にて閉塞される。
また、吐出消音室64の上面には、吐出ポート40を開閉可能に閉塞する吐出弁128が設けられている。この吐出弁128は縦長略矩形状の金属板からなる弾性部材にて構成されており、この吐出弁128の下側には吐出弁抑え板としての図示しないバッカーバルブが配置され、下部支持部材56に取り付けられている。そして、吐出弁128の一側が吐出ポート41に当接して密閉すると共に、他側は吐出ポート41と所定の間隔を存して設けられた下部支持部材56の取付孔にカシメピン等により固着されている。
そして、下シリンダ40内で圧縮され、所定の圧力に達した冷媒ガスが、図1の上方から吐出ポート41を閉じている吐出弁128を押し下げて吐出ポート41を開き、吐出消音室64へ吐出させる。このとき、吐出弁128は他側を下部支持部材56に固着されているので吐出ポート41に当接している一側が反り返り、吐出弁128の開き量を規制している図示しないバッカーバルブに当接する。冷媒ガスの吐出が終了する時期になると、吐出弁128がバッカーバルブから離れ、吐出ポート41を閉塞する。
前記第1の回転圧縮要素32の吐出消音室64と密閉容器12内とは下部支持部材56、下シリンダ40、中間仕切板36、上シリンダ38、上部支持部材54、上部カバー66を貫通する図示しない孔にて連通されており、ここから、第1の回転圧縮要素32で圧縮され吐出消音室64に吐出された中間圧の冷媒ガスが密閉容器12内に吐出される。
また、密閉容器12の容器本体12Aの側面には、上下支持部材54、56の吸込通路58、60、上部支持部材54の吸込通路58とは反対側、ロータ24の下側(電動要素14の直下)に対応する位置に、スリーブ141、142、143及び144がそれぞれ溶接固定されている。スリーブ141と142は上下に隣接すると共に、スリーブ143はスリーブ141の略対角線上にある。
そして、スリーブ141内には上シリンダ38に冷媒ガスを導入するための冷媒導入管92の一端が挿入接続され、この冷媒導入管92の一端は上部支持部材54の吸込通路58と連通する。この冷媒導入管92は密閉容器12の外側を通過してスリーブ144に至り、他端はスリーブ144内に挿入接続されて密閉容器12内に連通する。
また、スリーブ142内には下シリンダ40に冷媒ガスを導入するための冷媒導入管94の一端が挿入接続され、この冷媒導入管94の一端は下部支持部材56の吸込通路60と連通する。また、スリーブ143内には冷媒吐出管96が挿入接続され、この冷媒導入管96の一端は吐出消音室62と連通する。
他方、ロータリコンプレッサ10には連通路100が形成されている。この連通路100は、中間圧の領域と第1の回転圧縮要素32の吸入圧力である低圧の領域とを連通する通路である。本参考例の連通路100は、第1の回転圧縮要素32の吸込ポート161と第2の回転圧縮要素34の吸込ポート160とを連通している。ここで、上記中間圧の領域とは、第1の回転圧縮要素32の吐出弁128が開き始めるときの位置の下ローラ48と下ベーン52と下シリンダ40で囲まれた吐出ポート41が存在する第1の回転圧縮要素32の吐出工程領域(即ち、このときの第1の回転圧縮要素32の高圧室側)から、第1の回転圧縮要素32の吐出消音室64を経て、第2の回転圧縮要素34の吐出弁127が開き始めるときの位置の上ローラ46と上ベーン50と上シリンダ38で囲まれた吸込ポート160が存在する第2の回転圧縮要素34の吸入工程領域(即ち、このときの第2の回転圧縮要素34の低圧室側)までの領域である。
また、上記低圧の領域とは、第1の回転圧縮要素32の吐出弁128が開き始めるときの位置の下ローラ48と下ベーン52と下シリンダ40で囲まれた吸込ポート161が存在する第1の回転圧縮要素32の吸入工程領域(即ち、このときの第1の回転圧縮要素32の低圧室側)から、それよりも冷媒上流側の領域であり、ロータリコンプレッサ10単体で云えば、冷媒導入管94までの領域である。
更に、本参考例において高圧は、第2の回転圧縮要素34の吐出圧力であり、従って、高圧の領域とは、第2の回転圧縮要素34の吐出弁127が開き始めるときの位置の上ローラ46と上ベーン50と上シリンダ38で囲まれた吐出ポート39が存在する第2の回転圧縮要素34の吐出工程領域(即ち、このときの第2の回転圧縮要素34の高圧室側)から第2の回転圧縮要素34の吐出消音室62を経て、それよりも冷媒下流側の領域であり、ロータリコンプレッサ10単体で云えば、冷媒吐出管96までの領域である。
一方、前記連通路100は、図6に示すように、上シリンダ38及び中間仕切板36の軸心方向(上下方向)に形成された第1の通路110と、この第1の通路110に連通して下シリンダ40内に形成された収納室112と、下シリンダ40内の軸心方向(上下方向)に形成された第2の通路114とから構成されている。第1の通路110は第2の回転圧縮要素34の吸入側である吸込ポート160と収納室112とを連通する通路であり、一端が吸込ポート160と連通し、他端が収納室112の一方の面(上面)と連通している。また、第2の通路114は第1の回転圧縮要素32の吸入側である吸込ポート161と収納室112とを連通する通路であり、一端が収納室112の他方の面(下面)と連通し、他端が吸込ポート161と連通している。
上記収納室112は、下シリンダ40内に軸心方向(上下方向)に形成さた円筒状の空間であり、当該収納室112内には連通路100を開閉する弁装置117が当該空間内を上下移動自在に収納されている。弁装置117は、断面コの字状を呈した封止部117Aと当該封止部117の内部に一端が取り付けられたバネ部材117Bとから構成されている。封止部117Aは縦長円筒状を呈し、内部にはバネ部材117Bを収納可能な空間が形成されている。また、封止部117Aのバネ部材117Bが取り付けられる側とは反対側(上側)が平坦面とされ、この面が収納室112内に収納されたとき、当該収納室112の一方の面側(上面側)に位置し、当該収納室112と第1の通路110とを開閉可能に閉塞する。また、下部開口の先端となる縁部117Cは、図7乃至図8に示すように径方向に溝118が形成されている。当該溝118により、封止部117Aが収納室112内の他端側である他方の面(下面)に位置した状態、即ち、縁部117が下面に当接した状態で、第2の通路114と収納室112とが連通されることとなる。
また、封止部117Aの水平方向(径方向)の寸法LAは、収納室112の水平方向(径方向)の寸法LB(図7に示す)より小さく構成されている。従って、封止部117Aが収納室112内に収納された状態で、当該封止部117Aと収納室112との間には水平方向(径方向)に所定のクリアランスが構成される。
前記バネ部材117Bは第2の通路114側から第1の通路110側の方向(図6では上方向)に所定のスプリング力を有するバネ部材であり、封止部117Aを常時、第1の通路110方向(上方)に付勢している。当該バネ部材117Bのスプリング力は、弁装置117の上側から印加される中間圧と下側から印加される低圧の圧力差が所定の圧力差より低い場合(所定の上限値より低い場合)には、当該中間圧の下側への付勢力より低圧とバネ部材との和である上側への付勢力の方が大きくなり、弁装置117の上側から印加される中間圧と下側から印加される低圧の圧力差が所定の圧力差以上になると(圧力差が所定の上限値に拡大すると)、中間圧の下側への付勢力の方が低圧とバネ部材との和である上側への付勢力より大きくなるように設定されている。尚、上記所定の上限値は、3.5MPa乃至6.0MPaの範囲内で、当該ロータリコンプレッサ10の使用用途や種類等により適宜設定されるものとする。例えば、ロータリコンプレッサ10を給湯器として使用する場合には、上記中間圧と低圧の圧力差が5.0MPaに上昇すると第1の回転圧縮要素32の吐出圧力である中間圧と第2の回転圧縮要素32の吐出圧力である高圧の圧力逆転、或いは、両圧力が略同一となり、第2の回転圧縮要素34の上ベーン50のベーン飛びが生じる恐れがあるため、上限値を5.0MPaより低い圧力(例えば、上限値を4.5MPa)とする。
そして、弁装置117の一方の面である上面(封止部117A側)には、第1の通路110を経て来た吸込ポート160内の中間圧(第2の回転圧縮要素34の吸入圧力であり、第1の回転圧縮要素32の吐出圧力である)が印加される。また、弁装置117の他方の面である下面(バネ部材117B側)には、第2の通路114を介して吸込ポート161内の低圧(第1の回転圧縮要素32の吸入圧力)が印加される。
そして、弁装置117は、中間圧と低圧の圧力差が、中間圧が高圧に達する以前の所定の上限値まで拡大した場合に連通路100を開放するように構成されている。具体的に、本参考例の弁装置117は、一方の面(封止部117A側)に印加される第2の回転圧縮要素34の吸入圧力(第1の回転圧縮要素32の吐出圧力)と、他方の面(バネ部材117B側)に印加される第1の回転圧縮要素32の吸入圧力の圧力差が所定の上限値以上となると、連通路100が開放するように構成されている。尚、上記所定の上限値は、中間圧が高圧に達する以前の圧力となるように予め設定するものとする。
即ち、一方の面(封止部117A側)に印加される吸込ポート160からの中間圧と、他方の面(バネ部材117B側)に印加される吸込ポート161からの低圧との圧力差が予め設定された上記所定の上限値に拡大すると、吸込ポート160からの中間圧により、バネ部材117Bが圧縮されるため、弁装置117が収納室112の他端側に移動する。このとき、前述の溝118により第2の通路114と収納室112とは閉塞されないので、当該収納室112を介して第1の通路110と第2の通路114とが連通され、連通路100が開放される。これにより、吸込ポート160から第2の回転圧縮要素34の吸入圧力(第1の回転圧縮要素32の吐出圧力)である中間圧の冷媒ガスが、第1の通路110、収納室112、第2の通路114を介して吸込ポート161に流入することとなる。
このように、弁装置117の一方の面(封止部117A側)に印加される吸込ポート160からの中間圧と、他方の面(バネ部材117B側)に印加される吸込ポート161からの低圧との圧力差が所定の上限値まで拡大した場合、連通路100が開放されるので、第1の回転圧縮要素32で圧縮された中間圧の冷媒ガスを第1の回転圧縮要素32の吸入圧力である低圧の領域に逃がすことができる。
以上の構成で次にロータリコンプレッサ10の動作を説明する。ターミナル20及び図示されない配線を介して電動要素14のステータコイル28に通電されると、電動要素14が起動してロータ24が回転する。この回転により回転軸16と一体に設けられた上下偏心部42、44に嵌合されて上下ローラ46、48が上下シリンダ38、40内を偏心回転する。
これにより、冷媒導入管94及び下部支持部材56に形成された吸込通路60を経由して吸込ポート161から下シリンダ40の低圧室側に吸入された低圧の冷媒は、下ローラ48と下ベーン52の動作により圧縮され、中間圧に達すると、吐出ポート39を閉じている吐出弁128が押されて、吐出ポート41が開き、吐出消音室64内に中間圧の冷媒ガスが吐出される。
吐出消音室64内に吐出された中間圧の冷媒ガスは、当該吐出消音室64から図示しない孔を経て密閉容器12内に吐出される。これによって、密閉容器12内は第1の回転圧縮要素32の吐出側圧力である中間圧となる。密閉容器12内に吐出された中間圧の冷媒ガスは、スリーブ144から出て冷媒導入管92及び上部支持部材54に形成された吸込通路58を経由して吸込ポート160から上シリンダ38の低圧室側に吸入される。
このとき、第2の回転圧縮要素34の吸入圧力(第1の回転圧縮要素32の吐出圧力)である中間圧と第1の回転圧縮要素32の吸入圧力である低圧の圧力差が所定の上限値より低い場合には、バネ部材117Bの付勢力と第1の回転圧縮要素32の吸入圧力である低圧により、弁装置117(封止部117A)が上側に押されて、収納室112の一端側(下側)に位置する。従って、当該弁装置117の封止部117Aにより収納室112の上面が塞がれるので、第1の通路110と第2の通路114とが連通されず、即ち、連通路100が閉塞された状態であるため、密閉容器12内に吐出された中間圧の冷媒ガスは、スリーブ144から出て冷媒導入管92及び上部支持部材54に形成された吸込通路58を経由して吸込ポート160から全て上シリンダ38の低圧室側に吸入される。
吸入された中間圧の冷媒ガスは、上ローラ46と上ベーン50の動作により2段目の圧縮が行われて高温高圧の冷媒ガスとなる。これにより、吐出消音室62内に設けられた吐出弁127が開放され、吐出消音室62と吐出ポート39とが連通するため、上シリンダ38の高圧室側から吐出ポート39内を通り上部支持部材54に形成された吐出消音室62に吐出される。そして、吐出消音室62に吐出された高圧の冷媒ガスは、冷媒吐出管96を経てロータリコンプレッサ10の外部に吐出される。
他方、第2の回転圧縮要素34の吸入圧力(第1の回転圧縮要素32の吐出圧力)である中間圧と第1の回転圧縮要素32の吸入圧力である低圧の圧力差が所定の上限値まで拡大した場合には、弁装置117を一方(上方)に押すバネ部材117Bの付勢力と第1の回転圧縮要素32の吸入圧力を合わせた付勢力より、弁装置117を他方(下方)に押す第2の回転圧縮要素34の吸入圧力(第1の回転圧縮要素32の吐出圧力)の付勢力の方が大きくなるため、バネ部材117Bが圧縮されて、弁装置117が収納室112の他端側(下側)に移動し、第1の通路110と第2の通路114とが収納室112を介して連通される。
これにより、吸込ポート160から第2の回転圧縮要素34の吸入圧力(第1の回転圧縮要素32の吐出圧力)である中間圧の冷媒ガスが、第1の通路110、収納室112、第2の通路114を介して吸込ポート161に流入する。このため、第1の回転圧縮要素32で圧縮され、第2の回転圧縮要素34に吸い込まれる中間圧の冷媒ガスの一部を第1の回転圧縮要素32の吸込ポート161(低圧の領域)に逃がすことができる。
これにより、第2の回転圧縮要素34の吸入圧力(中間圧)が低下し、上記中間圧と低圧の圧力差が所定の上限値より小さくなると、弁装置117(封止部117A)が収納室112の一端側(上側)に戻るので、当該封止部117の一面(上面)により、第1の通路110が塞がれて、連通路100が閉塞される。
このように、弁装置117の一方の面(封止部117A側)に印加される吸込ポート160からの中間圧と、他方の面(バネ部材117B側)に印加される吸込ポート161からの低圧との圧力差が所定の上限値まで拡大した場合、連通路100を開放することにより、中間圧が第2の回転圧縮要素32の吐出圧力である高圧に達する以前に連通路100が開放され、第1の回転圧縮要素32で圧縮された中間圧の冷媒ガスを第1の回転圧縮要素の吸入圧力である低圧の領域の吸込ポート161に逃がすことができるので、第2の回転圧縮要素34の吸入圧力(第1の回転圧縮要素32の吐出圧力)である中間圧を常に第2の回転圧縮要素34の吐出圧力である高圧より低い圧力とすることができる。
これにより、第2の回転圧縮要素34の上シリンダ38内の圧力が上ベーン50の背圧として印加されている第2の回転圧縮要素34の吐出圧力より上昇することが無くなり、上シリンダ38内の圧力を常時上ベーン52の収納部70Aの圧力以下とすることができるので、係る収納部70Aに印加される第2の回転圧縮要素34の吐出側圧力である高圧と、スプリング74の付勢力により、上ベーン52のベーン飛びが生じる不都合を未然に回避し、第2の回転圧縮要素34の安定した運転状況を確保することができる。
また、第1の回転圧縮要素32で圧縮された中間圧の冷媒ガスを低圧の領域である第1の回転圧縮要素32の吸込ポート161に逃がすことで、その分、第1の回転圧縮要素32への吸い入み冷媒量が減少するので、軽負荷時におけるパワーセーブ効果も得ることができる。
総じて第2の回転圧縮要素34が不安定な運転状況に陥る不都合を未然に回避して、多段圧縮式ロータリコンプレッサ10の安定した運転を実現することができるようになる。
図9及び図10は、密閉容器12の外部に形成された連通路により中間圧の領域と低圧の領域とを連通する場合の一例を示す図である。尚、図9及び図10において図1乃至図8と同一の符号が付されたものは同一、或いは、類似の効果を奏するものとして説明を省略する。
この場合、連通路200は冷媒導入管92と冷媒導入管94とを弁装置117により、開閉可能に連通するように構成されている。連通路200は、上記参考例と同様に中間圧の領域と第1の回転圧縮要素32の吸入圧力である低圧の領域とを連通する通路である。当該連通路200は、図9に示すように、冷媒導入管94と冷媒導入管92とを連通する配管220内に形成され、冷媒導入管92と一端(上端)が連通する第1の通路210と、この第1の通路210の他端(下端)に一面(上面)が連通する収納室212と、収納室212の他面(下面)と一端とが連通し、他端が冷媒導入管94と連通する第2の通路214とから構成されている。そして、収納室212には弁装置117が上下移動自在に収納されている。尚、弁装置117の構造は前記参考例と同様であるため、説明を省略する。
そして、弁装置117の一方の面である上面(封止部117A側)には、第1の通路210を経て来た冷媒導入管92内の中間圧(第2の回転圧縮要素34の吸入圧力であり、第1の回転圧縮要素32の吐出圧力である)が印加される。また、弁装置117の他方の面である下面(バネ部材117B側)には、第2の通路214を介して冷媒導入管94内の低圧(第1の回転圧縮要素32の吸入圧力)が印加される。
そして、弁装置117は、中間圧と低圧の圧力差が、中間圧が高圧に達する以前の所定の上限値まで拡大した場合に連通路200を開放するように構成されている。具体的に、本実施例の弁装置117は、一方の面(封止部117A側)に印加される第2の回転圧縮要素34の吸入圧力(第1の回転圧縮要素32の吐出圧力)と、他方の面(バネ部材117B側)に印加される第1の回転圧縮要素32の吸入圧力の圧力差が所定の上限値以上となると、連通路200が開放するように構成されている。
即ち、一方の面(封止部117A側)に印加される冷媒導入管92からの中間圧と、他方の面(バネ部材117B側)に印加される冷媒導入管94からの低圧との圧力差が予め設定された、中間圧が高圧に達する以前の圧力となると、冷媒導入管92からの中間圧により、弁装置117が収納室212の他端側(下側)に移動する。このとき、前述の溝118により第2の通路214と収納室212とは閉塞されないので、当該収納室212を介して第1の通路210と第2の通路214とが連通され、連通路200が開放される。これにより、冷媒導入管92から第2の回転圧縮要素34の吸入圧力(第1の回転圧縮要素32の吐出圧力)である中間圧の冷媒ガスが、第1の通路210、収納室212、第2の通路214を介して連通路200に流入することとなる。
このように、弁装置117の一方の面(封止部117A側)に印加される冷媒導入管92からの中間圧と、他方の面(バネ部材117B側)に印加される冷媒導入管94からの低圧との圧力差が所定の上限値まで拡大した場合、連通路200を開放するので、第1の回転圧縮要素32で圧縮された中間圧の冷媒ガスを第1の回転圧縮要素32の吸入圧力である低圧の領域に逃がすことができる。
これにより、上記参考例と同様に第2の回転圧縮要素34の吸入圧力(第1の回転圧縮要素32の吐出圧力)である中間圧を常に第2の回転圧縮要素34の吐出圧力である高圧より低い圧力とすることができる。
従って、第2の回転圧縮要素34の上シリンダ38内の圧力が上ベーン50の背圧として印加されている第2の回転圧縮要素34の吐出圧力より上昇することが無く、上シリンダ38内の圧力を常時上ベーン52の収納部70Aの圧力以下とすることができるので、係る収納部70Aに印加される第2の回転圧縮要素34の吐出側圧力である高圧と、スプリング74の付勢力により、上ベーン52のベーン飛びが生じる不都合を未然に回避し、第2の回転圧縮要素34の安定した運転状況を確保することができる。
また、第1の回転圧縮要素32で圧縮された中間圧の冷媒ガスを低圧の領域である冷媒導入管94に逃がすことで、その分、第1の回転圧縮要素32への吸い入み冷媒量が減少するので、軽負荷時におけるパワーセーブ効果も得ることができる。
尚、上記実施例に使用される弁装置は上記参考例の構造に限らず、中間圧と低圧の圧力差が、中間圧が高圧に達する以前の所定の上限値まで拡大した場合に連通路を開放するものであればどのような形状であっても構わない。
また、本実施例ではロータリコンプレッサ10として、2段圧縮式のロータリコンプレッサを用いて説明したが、3段、或いは、それ以上の回転圧縮要素を備えた内部中間圧型のロータリコンプレッサに本発明を適用しても差し支えない。
参考例の内部中間圧型多段圧縮式ロータリコンプレッサの縦断側面図である。 図1の多段圧縮式ロータリコンプレッサの下部支持部材の底面図である。 図1の多段圧縮式ロータリコンプレッサの上部カバーが取り付けられた状態の上部支持部材の平面図である。 図1の多段圧縮式ロータリコンプレッサの第1の回転圧縮要素のシリンダの底面図である。 図1の多段圧縮式ロータリコンプレッサの第2の回転圧縮要素のシリンダの平面図である。 図1の多段圧縮式ロータリコンプレッサの一部拡大図である。 図1の多段圧縮式ロータリコンプレッサの連通路の弁装置の封止部の縦断側面図である。 図7の弁装置の封止部の底面図である。 本発明を適用した実施例の内部中間圧型多段圧縮式ロータリコンプレッサの縦断側面図である。 図9の多段圧縮式ロータリコンプレッサの一部拡大図である。
10 多段圧縮式ロータリコンプレッサ
12 密閉容器
14 電動要素
16 回転軸
18 回転圧縮機構部
32 第1の回転圧縮要素
34 第2の回転圧縮要素
38 上シリンダ
40 下シリンダ
42、44 偏心部
46 上ローラ
48 下ローラ
50 上ベーン
52 下ベーン
62、64 吐出消音室
70A、72A 収納部
100、200 連通路
110、210 第1の通路
112、212 収納室
114、214 第2の通路
117 弁装置
117A 封止部
117B バネ部材
117C 縁部
118 溝

Claims (1)

  1. 密閉容器内に駆動要素と、該駆動要素にて駆動される第1及び第2の回転圧縮要素を備え、前記第2の回転圧縮要素は、シリンダと、前記駆動要素の回転軸に形成された偏心部に嵌合されて前記シリンダ内で偏心回転するローラと、該ローラに当接して前記シリンダ内を低圧室側と高圧室側とに区画するベーンから構成されて、前記第2の回転圧縮要素の吐出圧力である高圧を前記ベーンの背圧として印加すると共に、前記第1の回転圧縮要素で圧縮され、前記密閉容器内に吐出された中間圧の冷媒ガスを前記第2の回転圧縮要素に吸引し、圧縮して吐出する多段圧縮式ロータリコンプレッサにおいて、
    前記第1及び第2の回転圧縮要素にそれぞれ冷媒を導入するための第1及び第2の冷媒導入管と、
    上下に隣接して前記密閉容器に設けられ、前記第1及び第2の冷媒導入管がそれぞれ接続される第1及び第2のスリーブと、
    前記第1の冷媒導入管と前記第2の冷媒導入管とを連通する連通路と、
    該連通路を開閉する弁装置とを備え、
    該弁装置は、前記中間圧と低圧の圧力差が、前記中間圧が前記高圧に達する以前の所定の上限値まで拡大した場合、前記連通路を開放することを特徴とする多段圧縮式ロータリコンプレッサ。
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