JP4901494B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

この発明は、遊技場に据え置かれる非交換部に、機種交換の際に交換される交換部を着脱自在に形成した遊技機に関するものである。
この種の遊技機、例えばスロットマシンにおいては、機種交換の際の交換費用、作業労力の軽減及び資源の有効利用の観点より、複数機種に共通して使用可能な部材部品は極力遊技場に据え置き、変更が必要な部材部品をユニット化して、据え置き部材側に着脱自在とするものが、多数考案されている(特許文献1参照)。
特開2005−152483号公報
しかし、遊技機に演出用のユニットなどの分離ユニットを取り付けるときには、多くの場合、ネジ止め等により行われていた。また、分離側のユニットに搭載されている部品と、固定側に設置されている部品との電気的接続をするため、多くのコネクタ接続をしなければならず、交換作業に手間がかかるという問題点があった。
そこで、本願発明は、分離側のユニット部材の装着と同時に電気的接続が完了するようにし、分離側のユニット部材の着脱を簡素化することを目的とする。
各請求項に記載された発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、本発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、括弧内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
(特徴点)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1記載の発明は、遊技場に据え置かれる固定側本体と、前記固定側本体の正面側に、係合部を介して回動自在に支持され、かつ着脱自在に取り付けられる分離側ユニットとを少なくとも有する遊技機であって、前記固定側本体には複数機種に共通して使用可能な非交換部材を配置し、前記分離側ユニットには機種毎に対応する交換部材を配置した遊技機に係る。
本発明に係る遊技機は、遊技場に設置されるスロットマシン(S)などの遊技機とすることができる。
ここで、前記「固定側本体」とは、遊技場に据え置かれる筐体(1)の他、筐体(1)に取り付けられ筐体(1)とともに遊技場に据え置かれる扉体(前扉3)なども含まれる。
またここで、前記「分離側ユニット」とは、前記固定側本体の正面側に取り付けられるものであって、種々の装置や部材を一体的に取り扱い可能とするものである。すなわち、本発明における分離側ユニットとしては、筐体(1)の内部に着脱自在となっているスロットマシン(S)のリールユニット(20)などは含まれない。
そして、分離側ユニットは、係合部により固定側本体に対して回動自在に支持されるとともに、固定側本体から着脱自在に形成されている。これは、例えば前扉(3)のように、固定側本体としての筐体(1)に回動自在に取り付けられている場合だけでなく、分離側ユニットを固定側本体に装着する際に回動自在となるように形成されている場合も含む。従って、「係合部」は、ヒンジ(19)などの軸支部の他に、フックなどの鈎型部材を係合孔や突片などに引掛け、その接合部分を支点として分離側ユニットを回動させることができるものも含むものである。なお、「回動自在」の回動方向は、前後(上下)方向であっても左右方向であってもよい。
前記「非交換部材」は、遊技機の機種に関係なく使用できる装置や部材であって、例えば遊技機の電源を入れるための電源ユニット(4)や、メダルなどの遊技媒体を払い出すためのホッパーユニット(5)や、それらの作動を制御するための制御基板とすることかできる。また「交換部材」は、遊技機の機種に依存する装置や部材であって、演出用の装飾ランプや役物、操作スイッチ類を含むものである。
さらに、本発明においては、前記固定側本体の正面側には本体コネクタ(雌コネクタ71)を設け、前記分離側ユニットの背面側にはユニットコネクタ(雄コネクタ81)を設け、前記本体コネクタ(71)及び前記ユニットコネクタ(81)は、前記分離側ユニットを前記固定側本体の定位置に固定したときに、前記本体コネクタ(71)と前記ユニットコネクタ(81)とが接合可能となるよう配置されている。また、前記本体コネクタ(71)又は前記ユニットコネクタ(81)のいずれか一方は、前記固定側本体又は分離側ユニットのコネクタ取り付け面(P,Q)と平行な方向に移動可能に支持された可動部材(72)に固定され、前記可動部材(72)は、接合相手のコネクタ側に向かって張り出す張り出し片(73,72C)を備え、前記分離側ユニット又は前記固定側本体、もしくは前記分離側コネクタ(81)又は前記本体側コネクタ(71)には、前記分離側ユニットの定位置への設置行程において前記張り出し片(73,72C)に当接し、前記可動部材(72)を移動可能とする当接移動部材(誘導片82、押し上げ片83)が設けられている。
そして、前記固定側本体に支持された前記分離側ユニットを定位置となる方向に回動させることにより、前記当接移動部材(82,83)が前記張り出し片(73,72C)と接触し、前記分離側ユニットの回動に伴い、前記当接移動部材(82,83)が前記張り出し片(73,72C)を押圧することにより、前記可動部材(72)が初期位置から離れる方向に移動し、前記本体コネクタ(71)と前記ユニットコネクタ(81)とが接続可能な適位置となり、さらに前記分離側ユニットを回動させることにより、接続可能な適位置となった前記本体コネクタ(71)と前記ユニットコネクタ(81)とが接続されるとともに、前記当接移動部材(82,83)の押圧力が低下して前記可動部材(72)がコネクタの接続状態を保ったまま初期位置の方向に移動し、前記本体コネクタ(71)と前記ユニットコネクタ(81)とが接続されることによって、前記固定側本体の非交換部材及び前記分離側ユニットの交換部材の間の電気的接続が完了することを特徴とする。
ここで、「コネクタ取り付け面(P,Q)と平行な方向に移動」とは、具体的には、左右方向、上下方向、斜め方向への移動であって、前後方向への移動(奥に引っ込む)や回転、回動、揺動は含まない趣旨である。
なお、コネクタ取り付け面(P,Q)とは、本体コネクタ(71)又はユニットコネクタ(81)が設けられる面であって、具体的には、固定側本体の正面側にあるいずれかの面、分離側ユニットの背面側にあるいずれかの面である。
前記本体コネクタ(71)又はユニットコネクタ(81)を移動可能に支持する手段としては、例えばコネクタを取り付けたベース部分(可動部材72)が固定側本体又は分離側ユニットに固定又は形成された支持部材(75)のガイドレール(ガイド部75A)に沿って上下に移動するようにしたものや、ベース部分(72)に縦長の長孔を設け、コネクタ取り付け面(P,Q)には前記長孔に嵌入可能なピンを設け、ピンに支持されたベース部分(72)が長孔の長さだけ移動するようにしたものであってもよい。
前記当接移動部材(82,83)は、固定側本体又は分離側ユニットに設けられていてもよいし、本体コネクタ(71)又はユニットコネクタ(81)に設けられていてもよい。いずれにしても、移動可能に形成されているコネクタを有していない側に設けられ、分離側ユニットの回動に伴い、移動可能なコネクタ、又はそのコネクタのベース部分に当接することにより、当該コネクタを移動させるものである
(作用)
本発明において、分離側ユニットを固定側本体に取り付ける場合には、分離側ユニットを係合部に係合させて固定側本体に支持させ、定位置の方向に回動させる。このとき、当接移動部材(82,83)が可動部材(72)を押圧することにより本体コネクタ(71)又はユニットコネクタ(81)を移動させ、本体コネクタ(71)とユニットコネクタ(81)とが接合可能な位置となる。そして、分離側ユニットが固定側本体の定位置に設置されたときには、本体コネクタ(71)とユニットコネクタ(81)とが接合して、固定側本体の設置装置である非交換部材と分離側ユニットの搭載装置である交換部材とが電気的に接続される。定位置に設置した分離側ユニットは、所定の固定装置(施錠装置を含む)によって固定側本体に固定する。

一方、分離側ユニットを固定側本体から取り外す場合には、分離側ユニットと固定側本体とのロックを解除し、分離側ユニットを回動させる。分離側ユニットの回動に伴い、本体コネクタ(71)とユニットコネクタ(81)との接合は自動的に解除される(本体コネクタ(71)とユニットコネクタ(81)が離れる)。これにより、非交換部材と交換部材の電気的接続も断絶する。そして、分離側ユニットを係合部から取り外し可能な位置まで回動させ、固定側本体から取り外す。
このように、本発明は、交換部材と非交換部材の電気的接続を、本体コネクタ(71)とユニットコネクタ(81)の接続のみで行えるようにしてあるので、ハーネスを繋いだり外したりする作業が必要ない。このため、ハーネスの誤接続や接続忘れ、ハーネスの噛み込みなどのトラブルを防ぎ、交換作業の迅速化を図ることができる。
また、分離側ユニットを定位置に設置する過程において、当接移動部材(82,83)がコネクタを移動させつつ、本体コネクタ(71)とユニットコネクタ(81)が接続するようにしてあるので、コネクタ部分の位置決めが容易にでき、分離側ユニットの装着時にコネクタを破損させることがない。
(請求項2)
(特徴点)
請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項2記載の発明は、正面側が開口する筐体(1)と、前記筐体(1)の開口部(11)を正面側から塞ぐ前扉(3)とを少なくとも備え、前記前扉(3)には、種々の演出装置を搭載可能な演出用装飾体ユニット(装飾体ユニット6)を着脱自在に取り付けて成り、前記前扉(3)を前記固定側本体とし、前記演出用装飾体ユニット(6)を前記分離側ユニットとしたことを特徴とする。
本発明以下請求項4までの発明は、固定側本体と分離側ユニットを具体的に特定したものである。
前記演出用装飾体ユニット(6)は、基体(本体ベース60)に種々の演出装置(例えば電飾体61、回転灯ユニット64、バックライトユニット65など)を取り付けたものであって、このユニットを取り替えることにより、前扉(3)を筐体側に据え置いたまま遊技機の正面デザインを変更可能に形成されているものである。
なお、本発明において、前扉(3)は、上扉(30)と下扉(40)に分割されていてもよく、前記演出用装飾体ユニット(6)は、上扉(30)又は下扉(40)のいずれかに装着されるものであってもよい。また、ここで「前扉」には、扉体を構成する枠体を含み、本発明は、前扉(3)の扉枠(上扉枠32)に前記演出用装飾体ユニット(6)を装着する場合を含むものである。
(請求項3)
(特徴点)
請求項3記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項3記載の発明は、正面側が開口する筐体(1)と、前記筐体(1)の開口部(11)を正面側から塞ぐ前扉(3)とを少なくとも備え、前記前扉(3)は、前記筐体(3)に対して着脱自在に形成され、前記筐体(1)を前記固定側本体とし、前記前扉(3)を前記分離側ユニットとしたことを特徴とする。
本発明は、前扉(3)を交換することにより、遊技機の正面デザインを変更可能に形成されているものである。前扉(3)は、上扉(30)と下扉(40)に分割されていてもよく、上扉(30)又は下扉(40)のいずれかが筐体(1)に対して着脱自在となっている(いずれか一方は筐体(1)に据え置かれる)のであってもよい。
(請求項4)
(特徴点)
請求項4記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項4記載の発明は、遊技機を作動させるための操作部(41)を有し、この操作部(41)を備える操作ユニット(120)を前記固定側本体に着脱自在に形成し、前記操作ユニット(120)を前記分離側ユニットとしたことを特徴とする。
前記操作部(41)としては、スロットマシン(S)を例にすると、遊技メダルを投入するためのメダル投入口(42)や、回転リールの回転又は停止の作動をさせるためのスタートスイッチ(44)、ストップスイッチ(45)などの操作スイッチ類とすることができる。そして、操作ユニット(120)は、これらの操作スイッチ等の配置された外装部分がそのまま着脱できるように形成されているものである。そして、操作ユニット(120)を交換することにより、筐体(1)等の固定側本体を据え置いたまま、操作スイッチの種類や配置態様の異なる機種に変更することができるものである。
なお、本発明においては、固定側本体の具体的限定はない。すなわち、操作ユニット(120)は、筐体(1)に着脱自在に取り付けられていてもよいし、筐体(1)に取り付けられ筐体(1)とともに据え置かれる前扉(3)に着脱自在に取り付けられていてもよい。
本発明は、以上のように構成されているので、分離側のユニット部材の装着と同時に電気的接続が完了し、分離側のユニット部材の着脱を簡素化することができる。
本発明を実施するための最良の形態を、第一の実施の形態乃至第三の実施の形態に分けて、図面に基づき説明する。
(第一の実施の形態)
(図面の説明)
図1乃至図7は、本発明の第一の実施の形態を示すものである。
図1及び図2はスロットマシンの斜視図、図3及び図4は装飾体ユニット6を表す図、図5乃至図7は本体接続部70及びユニット接続部80を表す図である。なお、図8は、第一の実施の形態の応用例を示す図である。
本実施の形態におけるスロットマシンSは、図2に示すように、大きく分けて、正面側に開口部11を有する筐体1、筐体1内部に着脱自在に設けられる交換ユニット2、筐体1の開口部11を開閉可能に塞ぐ前扉3とから構成されている。そして、この前扉3は、筐体1の開口上部13を開閉可能に塞ぐ上扉30、筐体1の開口下部14を開閉可能に塞ぐ下扉40とに分割されている。
(筐体1)
筐体1は、図2に示すように、底板15及び側板16及び天板17及び裏板18からなる前面(遊技者と対峙する正面)側に開口する箱体であり、高さ方向略中央部には、二つの側板16の間に水平方向に中板12が設けられている。そして、底板15には電源ユニット4が固定され、ホッパーユニット5が設置されている。
ここで、電源ユニット4は、特に図示しないが電源装置が内装されていると共に、ホール管理者が種々の設定を行うためのスイッチ等を有している。ホッパーユニット5はメダルを貯留するとともに入賞時等にはメダルを払い出す払い出し装置である。電源ユニット4及びホッパーユニット5は、いわゆる「面替え」に際し、必ずしも交換する必要のないものであり、遊技機交換時には設置されたままにしておけるようになっているものである。
また、正面左側の側板16には、前記上扉30及び下扉40を係合させ、回転自在に支持するためのヒンジ19が、上下方向に間隔をおいて二つずつ設けられている。
さらに、裏板18には、後述する交換ユニット2に設けられた交換ユニット接続部110と接続可能な筐体接続部100が設けられている。筐体接続部100は、交換ユニット接続部110に設けられたコネクタと結合可能なコネクタを有しているとともに、特に図示しないハーネスにより、電源ユニット4及びホッパーユニット5及び後述する上扉30の本体接続部70と接続されている。そして、交換ユニット2を筐体1の定位置に収納設置することにより、交換ユニット2の搭載部品と、筐体1の設置装置(電源ユニット4等)及び前扉3の搭載部品(スピーカ装置35等)とが電気的に接続されるようになっている。
(交換ユニット2)
交換ユニット2は、種々の部品を設置あるいは固定するための支持体21と、この支持体21に固定されたリールユニット20及び基板ユニット90とから形成されている。
支持体21は、方形状の金属枠からなり、リールユニット20及び基板ユニット90を筐体内部に着脱自在に固定するとともに、リールユニット20及び基板ユニット24を一体的に取り扱い可能とするものである。なお、支持体21は、他の構成部品(例えば液晶表示装置や演出リールなどの演出用の表示装置)を固定設置可能であってもかまわない。
ここで、リールユニット20は、スロットマシンSの主たる遊技装置であって、周囲に複数の図柄を表示した3個の回転リール23と、特に図示しないが、各回転リール23を回転させるための駆動モータを有している。また、前記基板ユニット90は、基板ケース内に種々の電子部品を搭載した制御基板を収納したものであり、遊技及びスロットマシンSの作動を制御するための主基板90Aと、各種演出を行うための副基板90Bを備えている。
さらに、交換ユニット2の裏面側には、図2に示すように、前記筐体1に設けられた筐体接続部100と接続可能な交換ユニット接続部110が設けられている。交換ユニット接続部110は、筐体接続部100のコネクタと結合可能なコネクタを有しており、交換ユニット2を開口上部13の定位置に収納設置することにより、同時にコネクタ接続ができるようになっている。そして、筐体接続部100と交換ユニット接続部110との接続によって、基板ユニット90及びリールユニット20が、筐体1に据え置かれている装置と電気的に接続される。逆に、交換ユニット2を筐体1から取り出せば、筐体接続部100と交換ユニット接続部110との接続が絶たれ、基板ユニット90及びリールユニット20と、筐体1に据え置かれている装置との電気的接続が絶たれることとなる。
そして、交換ユニット2は、筐体1の側板16の内側に設けられたクリップなどの固定装置(図示せず)によりに、筐体1に固定される。
なお、交換ユニット2を交換することにより、遊技を行うための遊技装置(リールユニット20)と、遊技を制御するための制御装置(遊技を司る主基板90A及び遊技に付随する演出を司る副基板90B)が同時に交換され、スロットマシンSの遊技内容が変更されることとなる。
(上扉30)
上扉30は、筐体1のヒンジ19に回転自在に軸支された板状の扉であり、図1に示すように、略中央部に前記回転リール23を正面側から見ることができる図柄表示窓31Aを有し、図柄表示窓31Aの上方には、演出表示を行うための装飾体ユニット6が設けられている。すなわち、上扉30は、図4に示すように、上扉30の骨格となる上扉枠32に、前記図柄表示窓31Aを有する上パネル31が固定されているとともに、上扉枠32の正面側に設けられた取り付け手段50を介して、装飾体ユニット6を着脱自在に取り付け可能な構成となっている。
ここで、上扉枠32の取り付け手段50としては、図4に示すように、上扉枠32の左右の上側角部に形成された係合孔52と、上扉枠32の高さ方向略中央部の左右両端部に形成された支持片54とが設けられている。係合孔52は、後述する装飾体ユニット6の背面側に設けられたフック51と係合可能な貫通開口である。また支持片54は、装飾体ユニット6の背面側に設けられた引掛け片53を上方から引掛けることができる立設片である。そして、引掛け片53を支持片54に引掛けた状態で装飾体ユニット6を後方に回動させ、フック51と係合孔52を係合させることにより、装飾体ユニット6を上扉枠32に固定することができ、係合孔52に係合しているフック51を上扉枠32の裏側から外すことにより、装飾体ユニット6を上扉枠32から取り外すことができるものである。
また、図2及び図4に示すように、上扉枠32の高さ方向中央部よりやや上側の左右両端部には、音声を出力するためのスピーカ装置35が裏面側から取り付けられている。そして、上扉枠32の正面側に設けられた開口部から、スピーカ装置35のスピーカコーンが正面側に向かって配置されている。
さらに、図4に示すように、上扉枠32の略中央部には、装飾体ユニット6を取り付け固定したときに、装飾体ユニット6に設けられているユニット接続部80と接続される本体接続部70が設けられている。なお、本体接続部70の詳細については後述する。
上扉30を閉じると、ヒンジ19の反対側に設けられたラッチ錠により自動的にロックされ、筐体1の開口上部13が密閉される。また、下扉40を解放した状態で、特に図示しないが上扉枠32の下側に設けられた解除つまみを下方に引き下げることにより、上扉30のロックが解除されるようになっている。
(下扉40)
下扉40は、筐体1のヒンジ19に回転自在に軸支された上扉30よりも幅厚の扉であり、図1に示すように、下扉40の上部は、スロットマシンSを作動させるためのカウンター状の操作部41となっている。また、下扉40の下部には、ホッパーユニット5から払い出されたメダルを貯めておくことができる下皿46が形成されており、下皿46と前記操作部41の間には、遊技内容その他の表示をするための下パネル47が嵌め込まれている。
前記操作部41としては、下扉40の上面右端にはメダル投入口42及び上面左側に設けられたベットスイッチ43、正面側にはスタートスイッチ44及びストップスイッチ45及び鍵穴40Aが設けられている。なお、ベットスイッチ43とは、貯留メダルをメダル投入に代えるためのものであり、スタートスイッチ44及びストップスイッチ45は、回転リール23の回転を開始及び停止させるためのものである。また、鍵穴40Aは、前扉3を解錠するためのものである。
なおスロットマシンSは、主基板90Aにより行われる当選判定の抽選結果が所定の当選役に当選し、前記ストップスイッチ45の操作により当選図柄が入賞の態様となるように回転リール23を停止させることができると入賞となり、ホッパーユニット5からメダルが払い出されたり、ボーナスゲームなどの有利な遊技が開始されるようになっている。
さらに、図2に示すように、下扉40の裏面側には、前記メダル投入口42から投入されたメダルの真贋を判断し、適正メダルをホッパーユニット5に誘導するとともに不適正メダルをキャンセルするためのメダルセレクター48と、メダルセレクター48からキャンセルされたメダル及びホッパーユニット5から払い出されるメダルを下皿46に誘導するためのメダル通路49が設けられている。
そして、下扉40を閉めると、ラッチ錠により自動的にロックされ、筐体1の開口下部14が密閉されるものである。また、前記鍵穴40Aに所定の鍵を差し込んで回すと、下扉40のロックが解除され、下扉40を解放することにより、上扉30のロックを解除することができるようになっている。
(装飾体ユニット6)
装飾体ユニット6は、図1及び図4に示すように、上扉30の正面上部に着脱自在に固定される演出用ユニットであって、中空箱形の本体ベース60に種々の演出用デバイスを取り付けた構造になっている。具体的には、図3に示すように、本体ベース60の正面上側中央部及び正面上側角隅部には電飾体61が設けられ、正面下側の左右にはスピーカボックス62が収納されている。また、本体ベース60の内部には、回転灯ユニット64が設けられ、この回転灯ユニット64の背面側には、発光面を有するバックライトユニット65が設けられている。
そして、本体ベース60の正面は、透明なプラスチックにより成型した正面視略Y字型の正面カバー63により覆われており、図3に示すように、この正面カバー63を通して、正面側から前記回転灯ユニット64のレンズ部分及びバックライトユニット65の発光面を見ることができるようになっている。
ここで、前記電飾体61は、LEDなどの発光体をランプカバーで覆ったものである。前記スピーカボックス64は、正面にスピーカグリルを有し背面に音通孔(図示せず)を有する中空の箱体であって、装飾体ユニット6を上扉30に取り付けたときにスピーカ装置35のスピーカコーンが前記音通孔の背面側に位置し、スピーカ装置35の音声が正面側に向かって出力されるようになっているものである。
また、前記回転灯ユニット64は、特に図示しないが、椀型のレンズ部の内部に、電球などの発光体と、この発光体の周囲を旋回する反射鏡を有しており、反射鏡を旋回させることにより発光体の光が投射される方向を回転変位させることができるようになっているものである。前記バックライトユニット65は、導光板を用いてLEDなどの発光体の光線を正面側に拡散させて面発光させるようにしたものや、透光性を有するアクリル板などのパネル部材の背面側に蛍光ランプを配置して照明することにより面発光させるようにしたものである。あるいは、液晶表示装置を用いて、画像を表示するようにしてもよい。
さらに、装飾体固定部50として、上扉30の上扉枠32の正面側に設けられた係合孔52に係合可能なフック51と、同様に上扉枠32の正面側に設けられた支持片54に引掛けることができる引掛け片53とが設けられている。フック51は、上側に爪部を有する鈎型の部材であり、上下方向に湾曲可能な弾力性を有している。そして、係合孔52に正面側から押入されることにより下側に湾曲して係合孔52の上縁部に爪部が係合し(図7(C)参照)、係合孔52の上縁部に係合している爪部を下側に押し下げることにより係合孔52との係合を解除できるようになっている。引掛け片53は、正面下側が切り欠かれた側面視くさび形の板部材であり、本体ベース60の背面板と切り欠き部との間に支持片54を挟んで、支持片54を支点として装飾体ユニット6を前後方向に揺動自在とするものである。
また、図4及び図7に示すように、本体ベース60の背面には、装飾体ユニット6を上扉30に取り付け固定したときに、上扉枠32に設けられている本体接続部70と接続されるユニット接続部80が設けられている。なお、ユニット接続部80の詳細については後述する。
そして、装飾体ユニット6は、遊技状態に応じて、前記電飾体61やバックライトユニット65を点灯させ、回転灯ユニット64を作動させることにより、入賞の報知等の演出表示を行うことができるようになっている。また、スロットマシンSの機種交換の際には、上扉枠32を筐体1に据え置いたまま、装飾体ユニット6を取り外して、新たな装飾体ユニット6を上扉枠32に取り付けるだけで、スロットマシンSの正面デザインや演出用デバイスを変更することができる。
すなわち、装飾体ユニット6の構成は、上記したものに限られず、演出表示を行うためのその他の装置、例えば可動役物や模型などを備えていてもよい。
(本体接続部70及びユニット接続部80)
次に、本体接続部70及びユニット接続部80の構成の詳細について、図5乃至図7に基づいて説明する。
本体接続部70は、図5に示すように、上扉30の上扉枠32に設けられた直方形状の突起である支持部32Aに、上下にスライド可能に取り付けられた可動部材72を備えている。そして、前記可動部材72には、ユニット接続部80の雄コネクタ81を嵌入可能な凹部71Aを有する本体コネクタとしての雌コネクタ71が取り付けられている。
ここで、可動部材72は、図5及び図7に示すように、裏面側が支持部32Aの正面(取り付け面P)と平行に配置され正面側に雌コネクタ71が取り付けられる板状の部材であり、上端部から前方に張り出す張り出し片73と、側端部から背面側に折れ曲がり支持部32Aを側面から挟むように配置される有孔屈曲片72Aを有している。
可動部材72には、特に図示しないが、雌コネクタ71に接続されているハーネスが貫通する穴が形成されており、このハーネスは、上扉30に搭載されているスピーカ装置35と接続されているとともに、上扉枠32の裏面を通って筐体接続部100につながっている。ハーネスは、雌コネクタ71が移動しても断線することなく変形可能な余裕を持って配線されている。
また、前記有孔屈曲片72Aには、縦長の長孔が形成されており、支持部32Aの側面には、この長孔を貫通する有頭固定軸(ボルト又はピン)が固定されている。この長孔と有頭固定軸により、可動部材72が支持部32Aから外れることなく上下に移動可能となっている。
一方、ユニット接続部80は、図6に示すように、上扉30の裏面(取り付け面Q)に取り付けられており、前記本体接続部70の雌コネクタ71に嵌入可能なユニットコネクタとしての雄コネクタ81を有している。また、雄コネクタ81の左右の側端部には、コネクタ挿入方向に突出する誘導片82が二個設けられている。また、雄コネクタ81の側方には、上方に屈曲し突出側上端角部にR面取りが施された鈎状の押し上げ片83が、雄コネクタ81を挟むように二個設けられている。
前記雄コネクタ81には、特に図示しないハーネスが接続されており、このハーネスは、装飾体ユニット6に搭載されている諸装置(電飾体61、回転灯ユニット64、バックライトユニット65)と接続されている。
前記誘導片82は、上下の角部に面取りが施された突起であり、雄コネクタ81が雌コネクタ71の凹部71Aに嵌入するのに先んじて凹部71Aに入り、雄コネクタ81を雌コネクタ71と接続可能な適位置に誘導するためのものである。なお、雌コネクタ71を可動部材72に対して横方向にある程度移動可能に取り付けておくと、誘導片82の挿入時に雌コネクタ71と雄コネクタ81の位置ずれを吸収でき、好適である。
前記押し上げ片83は、装飾体ユニット6の上扉30への装着時に、鈎部が前記可動部材72の張り出し片73の下側と接触することにより、可動部材72を上方に押し上げる働きをするものである。
さらに、本体接続部70とユニット接続部80は、図7(B)に示すように、押し上げ片83が可動部材72を最高位置まで押し上げたときに、ちょうど誘導片82が雌コネクタ71の凹部71Aに入るような寸法に形成されている。また、図7(A)に示すように、本体接続部70とユニット接続部80の接合時に、押し上げ片83のR部分のいずれかの部分が張り出し片73の下縁部と接触可能な高さ位置となるよう固定位置を調整してある。
(装飾体ユニット6の着脱)
続いて、上記構成を有する装飾体ユニット6の上扉枠32への取り付け及び取り外しの手順について、図7に基づき説明する。
ここで、装飾体ユニット6が上扉枠32に取り付いた状態においては、図7(C)に示すように、フック51と係合孔52が係合しており、引掛け片53は支持片54に引っ掛かっている。またこのとき、本体接続部70の雌コネクタ71にはユニット接続部80の雄コネクタ81が嵌入しており、装飾体ユニット6の搭載部品が筐体1の電源ユニット4と電気的に接続しているとともに、筐体接続部100と交換ユニット接続部110との接続により、装飾体ユニット6の搭載部品は交換ユニット2の基板ユニット90とも電気的に接続している。
一方、装飾体ユニット6を取り外した状態においては、本体接続部70の可動部材72は、図7(A)に示す高さ(以下最低位置という)に位置している。また、装飾体ユニット6が上扉枠32に取り付いた状態においては、図7(C)に示すように、可動部材72は、ユニット接続部80の押し上げ片83により上方に押し上げられており、前記最低位置よりやや上方に位置している。
以下、上扉枠32に取り付いている装飾体ユニット6を取り外す場合について説明する。
まず、下扉40を解錠して上扉30を開放する。そして、上扉30の裏側から、上扉枠32の背面に突出しているフック51の爪部を下方に押し下げ、フック51と係合孔52との係合を外す。次に、装飾体ユニット6を支持片54を支点として上部が手前側に倒れるように回動させる(図7(B)参照)。この動作により、雌コネクタ71から雄コネクタ81が引き抜かれ、装飾体ユニット6と筐体1側の装置(電源ユニット4、交換ユニット2等)との電気的接続が絶たれる。この際、押し上げ片83が可動部材72を上方に押し上げながら雌コネクタ71と雄コネクタ81が離れるので、コネクタ部分にかかる剪断力を緩和することができ、コネクタの破損を防止することができる。
本体接続部70とユニット接続部80の接続が解除されたら、装飾体ユニット6を上方に持ち上げて支持片54と引掛け片53の係合を外し、装飾体ユニット6を取り外す。なお、押し上げ片83が可動部材72から離れると、可動部材72は自重により下降し、図7(A)に示す最低位置に戻る。
続いて、上扉枠32に装飾体ユニット6を取り付ける場合について説明する。
まず、引掛け片53を支持片54に引っ掛けて、装飾体ユニット6の上部を奥方向に押すと、装飾体ユニット6全体が支持片54の上端部を支点に回動し、図7(A)に示すように、押し上げ片83が可動部材72の張り出し片73の前端部に当接する。
さらに装飾体ユニット6を奥方向に回動させると、押し上げ片83のR面取り部分が張り出し片73の前端下部を押し上げることにより可動部材72が上方に移動し、図7(B)に示すように、押し上げ片83が張り出し片73の下側に入り込む位置となる。可動部材72の移動に伴い、雌コネクタ71も上方に移動する。なおこのとき、雌コネクタ71と雄コネクタ81はまだ接続されないが、雄コネクタ81の誘導片82の先端が雌コネクタ71の凹部71Aに挿入される。
そのまま装飾体ユニット6を奥方向に回動させると、可動部材72は押し上げ片83に押し上げられて最高位置まで上昇移動し、同時に雌コネクタ71の凹部71Aには、誘導片82に誘導されつつ雄コネクタ81が完全に嵌り込み、両者が接続される。これにより、装飾体ユニット6と筐体1側の装置(電源ユニット4、交換ユニット2等)とが電気的に接続される。そして、図7(C)に示すように、フック51が係合孔52に係合すると、これらの係合及び引掛け片53と支持片54との係合により、装飾体ユニット6が上扉枠32に固定される。
以上のようにして装飾体ユニット6を上扉枠32に取り付けた後、上扉30を閉めて前扉3をロックする。装飾体ユニット6は扉の裏側からでないとフック51と係合孔52との係合解除ができないので、前扉3がロックされていれば取り外すことができない。
このように、本実施の形態によれば、装飾体ユニット6と筐体側に配置される構成部品との電気的接続は、本体接続部70及びユニット接続部80の接続だけで完了するので、面倒なハーネスの取り付け取り外し作業をしなくてもよい。
さらに、装飾体ユニット6を取り付ける際には、最初に引掛け片53と支持片54とを係合させてから、全体を回動させるようにしてあるので、フック51と係合孔52及びコネクタ部分の位置決めが容易にできるとともに、取り付け作業を安定的に行うことができる。また、本体接続部70の雌コネクタ71は上下に移動可能に形成されているので、装飾体ユニット6の回動により端子部分に剪断力がかかり破損するといったトラブルも防ぐことができる。加えて、ユニット接続部80の雄コネクタ81には誘導片82を設けてあるので、端子部分をスムーズに接続させることができる。
なお、本実施の形態では、本体接続部70に可動部材72を設け、ユニット接続部80に当接移動部材としての押し上げ片83を設けて、雌コネクタ71を移動可能に形成してあったが、本発明においては、逆に、本体接続部70に当接移動部材を設け、ユニット接続部80に可動部材を設けて、雄コネクタ81を上下に移動可能に形成してもよい。
また、本実施の形態では、当接移動部材としての押し上げ片83が可動部材72を上側に押し上げてコネクタが接続可能な適位置に移動するようにしてあったが、本発明においては、当接移動部材が可動部材を下側に押し下げることにより、コネクタが接続可能な適位置に移動するように形成してもよい。この場合には、可動部材をバネにより上方向に付勢しておき、当接移動部材と可動部材との接触が無くなると、バネの力で引き上げられて元の位置に戻るようにすればよい。ただ、上記実施の形態のように、可動部材72が自重で落下して元の位置に戻るようにした方が、部品点数の削減という点では優れている。
(第一の実施の形態の応用例)
上記した第一の実施の形態は、スロットマシンSの上扉30を「固定側本体」とし、上扉30に着脱自在に取り付けられる装飾体ユニット6を「分離側ユニット」としたものであったが、上記した本体接続部70及びユニット接続部80と同様の接続部を、固定側本体としての下扉40と、下扉40に着脱自在に取り付けられる分離側ユニットとしての操作ユニット120に用いた例を、図8に基づき説明する。
なお、図8は下扉40の分解斜視図である。また、本応用例はスロットマシンSの下扉40についてのみ説明するが、スロットマシンSのその他の構成は上記した第一の実施の形態と同様である。
(下扉40)
下扉40は、図8に示すように、大きく分けて、下扉40の骨格となる下扉枠140と、下扉枠140に固定手段150を介して着脱自在に取り付けられる操作ユニット120とから構成されている。
(下扉枠140)
下扉枠140は、正面側に操作ユニット120を取り付けるための切り欠き部141が形成され、下部にはメダル皿46が形成された板状の扉体である。そして、切り欠き部141の前面板142の隅部には、固定手段150としての係合孔153,154が形成されている。また、前面板142の正面右側上方にはメダルセレクター48が設けられているとともに、前面板142の中央上方には、操作ユニット120を取り付けたときに操作ユニット120に設けられたユニット接続部80と接続可能な本体接続部70が設けられている。
前記係合孔153,154は、操作ユニット120の背面に設けられたフック151,152とそれぞれ係合可能な貫通開口であり、下側のフック152を係合孔154に引っかけた状態で操作ユニット120を後方に回動させ、上側のフック151と係合孔153を係合させることにより、操作ユニット120を下扉枠140に固定することができ、係合孔153,154に係合しているフック151,152を下扉枠140の裏側から外すことにより、操作ユニット120を下扉枠140から取り外すことができるものである。
前記メダルセレクター48は、操作ユニット120を下扉枠140に取り付けた状態で、操作ユニット120に設けられているメダル投入口42から投入されたメダルを受け入れ可能な位置に設置されている。また、メダルセレクター48を通過したメダルはホッパーユニット5に移送されるようになっているとともに、メダルセレクター48からキャンセルされたメダルは、下扉枠140の裏側に設けられたメダル通路(本応用例では図示せず。第一の実施の形態を示す図2参照)を通って下皿46に排出されるようになっている。
前記本体接続部70は、第一の実施の形態で述べた本体接続部70と同様の構成を有しており、前面板142に突設された支持部142Aに上下動可能に取り付けられている。本体接続部70は、特に図示しないハーネスにより、メダルセレクター48と接続されているとともに、筐体1の筐体接続部100と接続されている。
なお、下扉40のロックを解除するための鍵穴40Aは、下扉枠140の下皿46の上方の正面右端部に設けられている。そして、下扉枠140は、いわゆる面替えの際には、筐体1に据え置かれるものである。
(操作ユニット120)
操作ユニット120は、スロットマシンSを作動させるための操作手段をひとかたまりにしたユニットであり、図8に示すように、種々の操作スイッチ類が設けられた略直方体形の箱体の操作部41の下方に下パネル121が設けられている。操作部41は、第一の実施の形態において述べたのと同様である。下パネル121は、第一の実施の形態における下パネル47にあたるものである。この下パネル121には、例えば液晶表示装置からなる下パネル表示部130が設けられており、ここで遊技の説明や演出表示が行えるようになっている。
また、操作ユニット120の背面には、下扉枠140の係合孔153,154とそれぞれ係合可能なフック151,152が設けられている。フック151は上側に屈曲する爪部を有する鈎型の部材であり、係合孔153と係合可能に形成されている。またフック152は下側に屈曲する爪部を有する鈎型の部材であり、係合孔154と係合可能に形成されている。そして、フック152を係合孔154の下縁部に引っかけ、操作ユニット120の上部を奥方向に回動させ、フック151を係合孔152に係合させることにより、操作ユニット120が下扉枠140に固定される。
さらに、操作ユニット120の背面には、本体接続部70と接続可能なユニット接続部80が設けられている。ユニット接続部80の構成は、第一の実施の形態のユニット接続部80と同様である。すなわち、操作ユニット120を下扉枠140に取り付けることにより、同時に本体接続部70とユニット接続部80が接続されるようになっている。またユニット接続部80は、特に図示しないハーネスにより、操作ユニット120の搭載装置(操作スイッチ類や下パネル表示部130)と接続されており、本体接続部70と接続することにより、操作ユニット120の搭載装置が筐体1の設置装置及び交換ユニット2の搭載装置と電気的に接続される。
(操作ユニット120の交換)
上記構成を有する下扉40において、操作ユニット120の着脱について説明する(本体接続部70及びユニット接続部80の詳細については、第一の実施の形態を示す図5乃至図7を参照のこと)。
下扉枠140に取り付いている操作ユニット120を取り外す場合には、下扉40のロックを解除して下扉40を開放し、下扉枠140の裏側から、まず係合孔153に係合しているフック151の爪部を押し下げながら、操作ユニット120の上部を手前側に引っ張る。これにより、フック151と係合孔153との係合が外れ、さらに操作ユニット120の上部を手前側に引くことにより、係合孔154とフック152の係合部を支点として操作ユニット120を回動させることができる。このとき、本体接続部70の雌コネクタ71からユニット接続部80の雄コネクタ81が引き抜かれるが、本体接続部70の可動部材72が上方に移動するので、コネクタの引き抜きをスムーズに行うことができる。これによって、操作ユニット120の搭載装置と筐体1の設置装置及び交換ユニット2の搭載装置との電気的接続が絶たれる。
本体接続部70とユニット接続部80の接続が解除されたら、係合孔154とフック152の係合を外せば、操作ユニット120を下扉枠140から取り外すことができる。
下扉枠140に操作ユニット120を取り付ける場合には、フック152を係合孔154の下縁部に引っかけ、操作ユニット120の上部を奥方向に回動させる。本体接続部70の張り出し片73とユニット接続部80の押し上げ片83が当接した状態でさらに操作ユニット120を回動させると、雄コネクタ81が誘導片82に誘導されつつ、雌コネクタ71に挿入される。そして、フック151を係合孔152と係合させると、操作ユニット120が下扉枠140に固定されるとともに、本体接続部70の雌コネクタ71とユニット接続部80の雄コネクタ81が接続される。これによって、操作ユニット120の搭載装置と筐体1の設置装置及び交換ユニット2の搭載装置とが電気的に接続される。
操作ユニット120を交換することにより、操作部41や下パネル121の形態を変更することができる。例えば、操作部41に、上記した操作スイッチ類の他に、演出用のスイッチを設けた操作ユニット120や、下パネル121の部分が、表示板の背面側から蛍光ランプで照明するように形成してある操作ユニット120と交換することにより、遊技形態に合わせた操作装置や演出表示を提供することができる。
そして、操作ユニット120に搭載されている構成部品と、筐体側に据え置かれている構成部品との電気的接続は、本体接続部70とユニット接続部80の接続によってのみ行うことができるので、ハーネスの取り付け取り外しなどの面倒な作業を行う必要がない。
なお、上記例では、操作ユニット120を下扉40に着脱自在に形成してあったが、操作ユニット120を筐体1に対して着脱自在に形成してもよい。この場合には、操作ユニット120に所定のロック手段及び鍵穴を設けて、操作ユニット120を筐体1にロック可能とするとともに、鍵穴に所定の鍵を入れて解錠操作することによりロックが解除されるようにする。そして、操作ユニット120を筐体1に装着することにより筐体1の開口部11(開口下部14)が閉塞され、同時に操作ユニット120に設けられたユニット接続部80と筐体1に設けられた本体接続部70のコネクタが接続され、操作ユニット120の搭載装置と筐体1側の設置装置とが電気的に接続されるようにする。
さらに、特に図示しないが、操作ユニット120を、操作部41のみが搭載された構成とし、下扉枠140に着脱自在に形成してもよい。この場合の操作部41には、メダル投入口42、ベットスイッチ43、スタートスイッチ44及びストップスイッチ45が含まれ、鍵穴40Aは下扉枠140に設けられる。またこの場合、下パネルは、操作ユニット120とは別個に下扉枠140に着脱自在に取り付けられる。そして、このように形成した場合であっても、操作ユニット120の着脱と同時に、操作ユニット120に設けられたユニット接続部80と下扉枠140に設けられた本体接続部70が接続され、操作ユニット120の搭載装置(スイッチ類)と筐体1側の設置装置とが電気的に接続されるようにすることができる。
(第二の実施の形態)
第一の実施の形態は、「分離側ユニット」が「固定側本体」に対して前後方向に回動して取り付けられるものであったが、第二の実施の形態は、「分離側ユニット」が「固定側本体」に対して水平方向に回動して固定されるように形成してある場合である。
(図面の説明)
図9乃至図12は、本発明の第二の実施の形態を示すものである。
図9はスロットマシンS’の分解斜視図、図10及び図11は本体接続部70及びユニット接続部80を表す図、図12は本体接続部70及びユニット接続部80の接続状態を示す断面図である。
ここで、本実施の形態におけるスロットマシンS’の基本的構成は、第一の実施の形態におけるスロットマシンSと同様であるので、重複する部分の説明は省略し、本実施の形態の特徴点のみ述べる。
本実施の形態における上扉30は、図9に示すように、裏面側端部に、筐体1のヒンジ19と係合可能な上扉係合部39を有している。そして、上扉係合部39と筐体1のヒンジ19を係合させることにより筐体1に回転自在に軸支されるとともに、上扉係合部39とヒンジ19の係合を解除することにより、筐体1から取り外すことができるようになっている。すなわち、本実施の形態においては、面替えの際、交換ユニット2と上扉30を交換することにより、遊技内容及びスロットマシンS’の正面デザインを変更することができるものである。
なお、上扉30には、図9に示すように、裏面側にスピーカ装置35が設けられているとともに、正面上部には、内部に設けた発光体を点灯点滅させることにより入賞の報知等を行うための飾り部33が設けられている。また特に図示しないが、図柄表示窓31Aの周囲には、上パネル31の正面側から文字数字などの表示を視認可能な表示部(例えば液晶表示装置、7セグメントLED)が設けられている。
そして、本実施の形態においては、筐体1に本体接続部70が設けられ、上扉30にユニット接続部80が設けられている。すなわち、本実施の形態は、筐体1が「固定側本体」、上扉30が「分離側ユニット」として位置づけられるものである。
(本体接続部70及びユニット接続部80)
次に、本体接続部70及びユニット接続部80の構成の詳細について説明する。
本体接続部70は、図9に示すように、筐体1の開口上部13の上方隅角部に配置されており、図10及び図12に示すように、筐体1のヒンジ19と反対側の側板16に設けられた断面L字型のアングル材である固定板160に、左右方向にスライド可能に取り付けられた可動部材72を備えている。そして、前記可動部材72には、ユニット接続部80の雄コネクタ81を嵌入可能な凹部71Aを有する雌コネクタ71が取り付けられている。
ここで、可動部材72は、図12に示すように、裏面が固定板160の正面(取り付け面P)と平行に配置される板状の部材であり、正面右側の端部から前方に張り出す張り出し片73を有している。また、可動部材72の裏面には、固定板160に形成された横長の長孔160Aを貫通して背面側に突出する有頭軸状のバネ掛け部72Bが設けられている。そして、可動部材72は、バネ掛け部72Bによって固定板160に支持されているとともに、固定板160の筐体内側(図12における左側)端部とバネ掛け部72Bとの間に介在させたバネ74により、常時筐体内側方向に付勢されている。さらに、長孔160Aの内部をバネ掛け部72Bが移動可能な距離だけ、固定板160の表面に沿って左右方向に摺動可能となっている。
また、可動部材72には、特に図示しないが、雌コネクタ71に接続されているハーネスが貫通する穴が形成されており、このハーネスは、固定板160に設けられた開口部(図示せず)を通って筐体接続部100(第一の実施の形態を示す図2参照)につながっている。
一方、ユニット接続部80は、図9に示すように、上扉30の背面側であって上扉係合部49の反対側の側面に配置されており、図11及び図12に示すように、上扉30の裏面(取り付け面Q)に取り付けられ前記本体接続部70の雌コネクタ71に嵌入可能な雄コネクタ81を有している。そして、雄コネクタ81の上下の側端部には、コネクタ挿入方向に突出する誘導片82が二個設けられている。また、雄コネクタ81の上方及び下方には、側面側(本体接続部70と対向したとき張り出し片73がある側)に屈曲し突出側側端角部にR面取りが施された鈎状の押圧片84が、雄コネクタ81を挟むように二個設けられている。
前記雄コネクタ81には、特に図示しないハーネスが接続されており、このハーネスは、上扉30に搭載されている諸装置(飾り部33、スピーカ35、表示部)と接続されている。
前記押圧片84は、上扉30で筐体1の開口上部13を閉塞したとき、すなわち上扉30が定位置に設置されたときに、鈎部が前記可動部材72の張り出し片73の筐体内側(図12における左側)と接触することにより、可動部材72を側板側(図12における右側)に押しやる働きをするものである。
さらに、本体接続部70とユニット接続部80は、図12(B)に示すように、押圧片84が可動部材72を最も右よりの位置まで移動させたときに、ちょうど誘導片82が雌コネクタ71の凹部71Aに入るような寸法に形成されている。また、図12(A)に示すように、本体接続部70とユニット接続部80の接合時に、押し上げ片83のR部分のいずれかの部分が張り出し片73の下縁部と接触可能な位置となるよう水平方向の固定位置を調整してある。さらに、図12(C)に示すように、遅くとも上扉30が完全に閉じられたとき(上扉30が開口上部13を完全に閉塞したとき)には、雌コネクタ71と雄コネクタ81が嵌り合うように前後方向の固定位置を調整してある。
(上扉30の着脱とコネクタ接続)
続いて、上記構成を有する上扉30の開閉と本体接続部70及びユニット接続部80の接続について、図12に基づき説明する。
ここで、上扉30が筐体1の開口上部13を閉塞している状態においては、特に図示しないロック機構によって上扉30は筐体1にロックされている。また、図12(C)に示すように、本体接続部70の雌コネクタ71にはユニット接続部80の雄コネクタ81が嵌入しており、上扉30の搭載部品が筐体1の電源ユニット4と電気的に接続しているとともに、筐体接続部100と交換ユニット接続部110(図2参照)との接続により、交換ユニット2の基板ユニット90とも電気的に接続している。
一方、上扉30が開放された状態、及び上扉30が筐体1の開口上部13を閉塞している状態においては、本体接続部70の可動部材72は、図12(A)に示す位置(以下左寄り位置という)にある。
上扉30を筐体1から取り外す場合には、まず下扉40のロックを解除してから上扉30のロックを解除し、閉じられている上扉30を開く方向に回動させる。この動作により、雌コネクタ71から雄コネクタ81が引き抜かれ、上扉30と筐体1側の装置(電源ユニット4、交換ユニット2等)との電気的接続が絶たれる。この際、図12(B)に示すように、押圧片84が可動部材72を右側に押しながら雌コネクタ71と雄コネクタ81が離れるので、コネクタ部分にかかる剪断力を緩和することができ、コネクタの破損を防止することができる。
本体接続部70とユニット接続部80の接続が解除されたら、ヒンジ19と上扉係合部39の係合を外し、上扉30を取り外す。なお、押圧片84が可動部材72から離れると、可動部材72はバネ74の引っ張り力により移動し、図12(A)に示す左寄り位置に戻る。
次に、上扉30を筐体1に取り付ける場合には、まずヒンジ19と上扉係合部39とを係合させ、上扉30を閉じる方向に回動させる。上扉30が完全に閉じられる少し手前において、図12(A)に示すように、押圧片84が可動部材72の張り出し片73の先端部に当接する。
さらに上扉30を閉方向に回動させると、押圧片84のR面取り部分が張り出し片73の左側面を押圧することにより、可動部材72がバネ74の付勢力に抗して右方に移動し、図12(B)に示すように、押圧片84が張り出し片73の左側に入り込む位置となる。可動部材72の移動に伴い、雌コネクタ71も右側に移動する。なおこのとき、雌コネクタ71と雄コネクタ81はまだ接続されないが、雄コネクタ81の誘導片82の先端が雌コネクタ71の凹部71Aに挿入される。
そのままさらに上扉30を閉方向に回動させると、雌コネクタ71の凹部71Aには、誘導片82に誘導されつつ雄コネクタ81が完全に嵌り込み、両者が接続される。これにより、上扉30と筐体1側の装置(電源ユニット4、交換ユニット2等)とが電気的に接続される。そして、上扉30が完全に閉じられると、上扉30はラッチ錠により筐体1にロックされるとともに、押圧片84は張り出し片73の左側に収まり、図12(C)に示すように、可動部材72はバネ74の復元力により元の左寄り位置に戻る。
このように、本実施の形態によれば、上扉30と筐体側に配置される構成部品との電気的接続は、本体接続部70及びユニット接続部80の接続だけで完了するので、面倒なハーネスの取り付け取り外し作業をしなくてもよい。
また、本体接続部70の雌コネクタ71は左右に移動可能に形成されているので、上扉30の回動により端子部分に剪断力がかかり破損するといったトラブルも防ぐことができる。加えて、ユニット接続部80の雄コネクタ81には誘導片82を設けてあるので、端子部分をスムーズに接続させることができる。
なお、本実施の形態では、本体接続部70に可動部材72を設け、ユニット接続部80に当接移動部材としての押圧片84を設けて、雌コネクタ71を移動可能に形成してあったが、本発明においては、逆に、本体接続部70に当接移動部材を設け、ユニット接続部80に可動部材を設けて、雄コネクタ81を左右に移動可能に形成してもよい。
さらに、本実施の形態では、上扉30が筐体1に取り付けられている構成としてあったが、上扉30が交換ユニット2に取り付けられている場合でも、筐体1に本体接続部70を設け、上扉30にユニット接続部80を設け、交換ユニット2を開口上部13に収納設置して上扉30を閉める(ロックする)ことにより、本体接続部70とユニット接続部80が接続されるように形成してもよい。この場合には、交換ユニット2に交換ユニット接続部110を設けなくてもよい。このように形成した場合には、上扉30を開けると交換ユニット2に搭載されているリールユニット20や主基板90の電源が切れるようにすることができるので、ドア開閉による不正行為の防止に役立てることができる。
(第三の実施の形態)
上記した第二の実施の形態のように、本体接続部70及びユニット接続部80をヒンジ19と対向する端部側に設けた場合には、上扉30の重みによって反ヒンジ側が下方に歪み、本体接続部70及びユニット接続部80の高さ位置にズレが生じる場合がある。
そこで、本体接続部70を上下左右に移動可能とした第三の実施の形態について説明する。図13及び図14は、第三の実施の形態を示す図であり、図13は本体接続部70及びユニット接続部80の斜視図、図14は本体接続部70及びユニット接続部80の側断面図である。
なお、ここでは、本体接続部70及びユニット接続部80の構成のみを述べるが、この本体接続部70及びユニット接続部80は、第二の実施の形態における上扉30と筐体1に使用することができるだけでなく、第一の実施の形態における装飾体ユニット6と上扉枠32、あるいは第一の実施の形態の応用例における操作ユニット120と下扉枠140に用いる接続部としても応用できるものである。
(本体接続部70)
本実施の形態における本体接続部70は、図13(A)に示すように、固定側本体(例えば筐体1)の正面側に設けられる所定の取り付け面P(例えば第二の実施の形態における固定板160の正面)に、支持部材75を介して上下にスライド可能に取り付けられた可動部材72を備えている。そして、前記可動部材72には雌コネクタ71が取り付けられている。
可動部材72は、側面視逆L字型の板部材であって、可動部材72の取り付け時において取り付け面Pと摺接する摺動片72Dと、摺動片72Dの上端部から直角に折れ曲がり正面側に突出する張り出し片72Cを有している。また、摺動片72Dの略中央部には、開口部72Eが形成されており、開口部72Eの正面側に雌コネクタ71が取り付けられている。
雌コネクタ71の背面側には、図14(A)に示すように、前記開口部72Eに嵌め込まれる延設部71Bを有し、この延設部71Bにより、摺動片71Dに対して上下方向への移動は制限され横方向(左右方向)には移動可能に取り付けられる。さらに、開口部72Eの側部には、特に図示しないが、延設部71Bを開口部72Eの右側(本体接続部70を正面視したときの右側)に付勢するバネが設けられている。そして、雌コネクタ71は、常態において、開口部72Eの右寄りに位置しているとともに、右側から横方向の力が加えられると、開口部72Eの左寄りに移動するようになっている。
前記支持部材75は、図13(A)に示すように、取り付け面Pに取り付け又は形成された可動部材72を上下動可能に支持する受け部材であって、縦長の溝部が相対向するよう設けられるガイド部75Aと、ガイド部75Aを下端部でつなぐ底部75Bを有している。そして、可動部材72を支持部材75に取り付けると、ガイド部75Aが可動部材72の摺動片72Dの側端部を挟持して可動部材72の横方向への移動を規制するとともに、底部75Bが摺動片72Dの底面を支持し、可動部材72の上下方向の位置を保持する。また、可動部材72の張り出し片72Cはガイド部75Aの上端よりも上側に位置し、この張り出し片72Cに下方向からの力が加えられると、摺動片72Dがガイド部75Aに支持されつつ取り付け面Pに沿って摺動し、可動部材72は上側に移動するようになっている。
ちなみに、取り付け面Pには、特に図示しないが、雌コネクタ71に取り付けられるハーネスが貫通する穴が形成されており、このハーネスは、固定側本体の設置装置又は固定側本体の設置装置が接続されるコネクタ(例えば筐体接続部100)につながっている。
(ユニット接続部80)
ユニット接続部80は、図13(B)に示すように、分離側ユニット(例えば上扉30)の背面側の取り付け面Q(例えば第二の実施の形態における上扉30の裏面)に設けられる雄コネクタ81を有し、雄コネクタ81の上側には、上方に屈曲し突出側上端角部にR面取りが施された鈎状の押し上げ片85が設けられている。また、雄コネクタ81の上下端部には、コネクタ挿入方向に突出する誘導片82が設けられている。
前記押し上げ片85は、分離側ユニットの装着時に、鈎部が前記可動部材72の張り出し片72C下側と接触することにより、可動部材72を上方に押し上げる働きをするものである。
(コネクタ接続の詳細)
本体接続部70及びユニット接続部80は、押し上げ片85が可動部材72を最高位置まで押し上げたときに、ちょうど誘導片82が雌コネクタ81の凹部81Aに入るような寸法に形成されている。また、図14(A)に示すように、本体接続部70及びユニット接続部80の接合時に、押し上げ片85のR部分のいずれかの部分が張り出し片72Cの下縁部と接触可能な高さ位置となるよう固定位置を調整してある。
そして、接続前の状態においては、本体接続部70は、図14(A)に示すように、可動部材72が支持部材75において最下位置にあり、雌コネクタ71は摺動片72Dの開口部72Eの右側寄りに位置している。
そして、固定側本体に対して分離側ユニットを所定の方向(前後方向又は左右方向)に回動させ、分離側ユニットが定位置となるすこし手前において、図14(A)に示すように、押し上げ片85のR部分が張り出し片72Cの下縁部と接触する。
さらに分離側ユニットを定位置方向に回動させると、押し上げ片85が張り出し片72Cを押し上げ、可動部材72が支持部材75に沿って上昇移動し雌コネクタ71の位置も上昇する。そして、ユニット接続部80の誘導片82が雌コネクタ71の凹部71Aに入り込み、誘導片82は凹部71Aの内部に進入しつつ、凹部71Aの内壁をバネの付勢方向に反して押圧する。これにより、雌コネクタ71は、開口部72Eの左寄りに移動する。
その後、分離側ユニットを定位置に位置させた(例えば上扉30を閉塞する)ときには、図14(B)に示すように、雌コネクタ71に雄コネクタ71が完全に嵌り込んで、固定側本体の設置装置と分離側ユニットの搭載装置とが電気的に接続される。
このように、本実施の形態においては、本体接続部70の雌コネクタ71を、上下方向及び横方向に移動可能に形成したので、本体接続部70とユニット接続部80の固定位置に、多少、高さ方向又は左右方向の誤差があっても、あるいは分離側ユニットの歪み(例えば上扉30の反ヒンジ側の下降)により本体接続部70とユニット接続部80の取り付け位置にズレが生じても、それを吸収することができ、確実にコネクタ接続を行うことができる。
なお、本実施の形態においては、本体接続部70を可動とし、ユニット接続部80との接続がスムーズに行われるように形成してあったが、逆にユニット接続部80を可動としてもよい。すなわち、ユニット接続部80を、雌コネクタ及び可動部材及び支持部材を有する構造にし、本体接続部70を、雄コネクタ及び誘導片及び押し上げ片を有する構造としてもよい。
以上のように、本発明によれば、固定側本体に分離側ユニットを装着する過程において、本体コネクタとユニットコネクタが接続されるようになっているので、固定側本体の設置装置と分離側ユニットの搭載装置との電気的接続を簡易に行うことができる。また、本体コネクタ又はユニットコネクタのいずれか一方を、分離側ユニットの回動に伴うコネクタの位置変動に応じて移動可能に形成してあるので、コネクタ部分の破損を防ぐことができるとともに、本体コネクタ及びユニットコネクタの取り付け位置の位置ズレを吸収することができる。
さらに、少なくとも分離側ユニットが定位置に設置されたときには本体コネクタとユニットコネクタが接続しているように形成されているため、本体コネクタ及びユニットコネクタの接続によって、固定側本体と分離側ユニットとの固定が補強されるという付随的効果も奏するものである。
本発明の第一の実施の形態であって、スロットマシンの外観斜視図である。 本発明の第一の実施の形態であって、前扉を開いたスロットマシンの斜視図である。 本発明の第一の実施の形態であって、装飾体ユニットの正面図である。 本発明の第一の実施の形態であって、装飾体ユニットを取り外した上扉の斜視図である。 本発明の第一の実施の形態であって、本体接続部の斜視図である。 本発明の第一の実施の形態であって、ユニット接続部の斜視図である。 本発明の第一の実施の形態であって、装飾体ユニットの上扉への取り付けを示す断面図である。 本発明の第一の実施の形態の応用例であって、下扉の分解斜視図である。 本発明の第二の実施の形態であって、スロットマシンの分解斜視図である。 本発明の第二の実施の形態であって、本体接続部の斜視図である。 本発明の第二の実施の形態であって、ユニット接続部の斜視図である。 本発明の第二の実施の形態であって、本体接続部とユニット接続部の接続を示す断面図である。 本発明の第三の実施の形態であって、本体接続部とユニット接続部を示す斜視図である。 本発明の第三の実施の形態であって、本体接続部とユニット接続部の接続を示す断面図である。
符号の説明
S スロットマシン(遊技機)
1 筐体(固定側本体) 2 交換ユニット
3 前扉 4 電源ユニット
5 ホッパーユニット 6 装飾体ユニット(分離側ユニット)
11 開口部 12 中板
13 開口上部 14 開口下部
15 底板 16 側板
17 天板 18 裏板
19 ヒンジ 20 リールユニット
21 支持枠 23 回転リール
30 上扉(分離側ユニット) 31 上パネル
32 上扉枠(固定側本体) 35 スピーカ装置
39 上扉ヒンジ
40 下扉 41 操作部
42 メダル投入口 43 ベットスイッチ
44 スタートスイッチ 45 ストップスイッチ
46 メダル皿 47 下パネル
48 メダルセレクター 49 下扉ヒンジ
50 固定手段 51 フック
52 係合孔 53 引掛け片
54 支持片
60 本体ベース 61 電飾体
62 スピーカボックス 63 正面カバー
64 回転灯ユニット 65 バックライトユニット
70 本体接続部 71 雌コネクタ(本体コネクタ)
71A 凹部 71B 係合部
72 可動部材 72A 有孔屈曲片
72B バネ掛け部 72C 張り出し片
72D 摺動片 72E 開口部
73 張り出し片 74 バネ
75 支持部材 75A ガイド部
75B 底部
80 ユニット接続部 81 雄コネクタ(ユニットコネクタ)
82 誘導片 83 押し上げ片
84 押圧片 85 押し上げ片
90 主基板
100 筐体接続部 110 交換ユニット接続部
120 操作ユニット(分離側ユニット) 121 下パネル
130 下パネル表示部
140 下扉枠(固定側本体) 141 切り欠き部
142 前面板
150 固定手段 151,152 フック
153,154 係合孔 160 固定板
P,Q 取り付け面

Claims (4)

  1. 遊技場に据え置かれる固定側本体と、前記固定側本体の正面側に、係合部を介して回動自在に支持され、かつ着脱自在に取り付けられる分離側ユニットとを少なくとも有する遊技機であって、前記固定側本体には複数機種に共通して使用可能な非交換部材を配置し、前記分離側ユニットには機種毎に対応する交換部材を配置した遊技機において、
    前記固定側本体の正面側には本体コネクタを設け、前記分離側ユニットの背面側にはユニットコネクタを設け、
    前記本体コネクタ及び前記ユニットコネクタは、前記分離側ユニットを前記固定側本体の定位置に固定したときに、前記本体コネクタと前記ユニットコネクタとが接合可能となるよう配置され、
    前記本体コネクタ又は前記ユニットコネクタのいずれか一方は、前記固定側本体又は分離側ユニットのコネクタ取り付け面と平行な方向に移動可能に支持された可動部材に固定され、前記可動部材は、接合相手のコネクタ側に向かって張り出す張り出し片を備え
    前記分離側ユニット又は前記固定側本体、もしくは前記分離側コネクタ又は前記本体側コネクタには、前記分離側ユニットの定位置への設置行程において前記張り出し片に当接し、前記可動部材を移動可能とする当接移動部材が設けられ、
    前記固定側本体に支持された前記分離側ユニットを定位置となる方向に回動させることにより、前記当接移動部材が前記張り出し片と接触し、前記分離側ユニットの回動に伴い、前記当接移動部材が前記張り出し片を押圧することにより、前記可動部材が初期位置から離れる方向に移動し、前記本体コネクタと前記ユニットコネクタとが接続可能な適位置となり、さらに前記分離側ユニットを回動させることにより、接続可能な適位置となった前記本体コネクタと前記ユニットコネクタとが接続されるとともに、前記当接移動部材の押圧力が低下して前記可動部材がコネクタの接続状態を保ったまま初期位置の方向に移動し、前記本体コネクタと前記ユニットコネクタとが接続されることによって、前記固定側本体の非交換部材及び前記分離側ユニットの交換部材の間の電気的接続が完了することを特徴とする遊技機。
  2. 正面側が開口する筐体と、前記筐体の開口部を正面側から塞ぐ前扉とを少なくとも備え、前記前扉には、種々の演出装置を搭載可能な演出用装飾体ユニットを着脱自在に取り付けて成り、
    前記前扉を前記固定側本体とし、前記演出用装飾体ユニットを前記分離側ユニットとしたことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 正面側が開口する筐体と、前記筐体の開口部を正面側から塞ぐ前扉とを少なくとも備え、前記前扉は、前記筐体に対して着脱自在に形成され、
    前記筐体を前記固定側本体とし、前記前扉を前記分離側ユニットとしたことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  4. 遊技機を作動させるための操作部を有し、この操作部を備える操作ユニットを前記固定側本体に着脱自在に形成し、
    前記操作ユニットを前記分離側ユニットとしたことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
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