JP4901414B2 - 液滴吐出ヘッド用回路基板、液滴吐出ヘッド、液体カートリッジ、液滴吐出記録装置、及びライン型液滴吐出記録装置 - Google Patents

液滴吐出ヘッド用回路基板、液滴吐出ヘッド、液体カートリッジ、液滴吐出記録装置、及びライン型液滴吐出記録装置 Download PDF

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Description

本発明は、電気エネルギを吐出エネルギに変換させて液滴を吐出させる液滴吐出ヘッド用回路基板、液滴吐出ヘッド、液体カートリッジ、液滴吐出記録装置、及びライン型液滴吐出記録装置に関するものである。
液滴吐出ヘッドに用いるインクジェット記録方式としては、ヒータからの発熱によりインク液中にバブルを形成して、この圧力によりインクを吐出するバブルジェット(登録商標)方式や、圧電素子のバルクの電気機械変位を用いてインク液を吐出させるコンティニュアス型またはオンデマンド型ピエゾジェット方式が広く商品化されている。
かかるインクジェット記録方式として、近年においては、例えば、表面弾性波(surface acoustic wave)のストリーミング現象を利用した微小流体素子、及び、表面弾性波をインク中に放出しインクを飛翔させる液滴ジェット装置が提案されている。
いずれのインクジェット装置においても、入力する電力として10分の1ワット乃至数ワットを必要とし、マイグレーション(移動)を起こし、断線等を起こし易く、これらを解決するために種々の技術が提案されている(例えば、特許文献1乃至5参照)。
特許文献1では、Al(アルミニウム)などからなる配線パターンを基板上に予め形成し、厚い絶縁膜で覆い、スルーホールを介して発熱抵抗体と接続することによって得られる基板における配線パターンの段差の被覆性、耐ヒロック性および耐ウィスカー性を向上させ、かつ絶縁膜のない部分であるスルーホール部は、発熱抵抗体によってヒロックとウィスカーの成長を抑制し、発熱抵抗体上の保護膜を薄くすることを可能にする技術を開示している。
特許文献2では、インクジェットヘッドにおいて、電極の表面に金属酸化膜または金属窒化膜を形成してあるので、マイグレーションが発生せず、直接インクが接触しても電極部がエッチングされず、効率よく表面弾性波を得ることが可能となる技術を開示している。
特許文献3では、回路基板は、基板の表面部に形成されて熱エネルギを発生するための電気熱変換素子と、この電気熱変換素子に導通するように前記基板の表面部に形成される電極配線と、前記基板の表面部のほぼ全域に形成されて前記電極配線および前記電気熱変換素子を覆う第1保護層とを有しており、前記電極配線の厚みが1500〜3000Aの範囲にあり、前記第1保護層の厚みが前記1対の電極配線の厚みの1.0〜2.0倍の範囲にあり、前記1対の電極配線の断面形状がテーパ角度30〜70°の範囲にあるテーパ形状になっている技術を開示している。
特許文献4は、静電力で変位する振動板と、この振動板に0.2〜2.0μmの空隙を介して対向する個別電極から構成される技術を開示している。振動板の短辺長は150μm以下に形成され、空隙は振動板の長辺に沿って設けられた犠牲層除去孔を用いてドライエッチングを行う犠牲層プロセスによって形成される。インクジェット記録装置のインク滴吐出装置は、アクチュエータからなる第1の基板、吐出室を有する第2の基板、ノズル孔を有する第3の基板の積層構造である。
また、特許文献5は、表面弾性波をインク中に放出しインクを飛翔させる液滴ジェット装置を開示している。さらに、非特許文献1は、表面弾性波(surface acoustic wave)のストリーミング現象を利用した微小流体素子を開示している。
さらに述べれば、特許文献2では、マイグレーションが発生せず、寿命が長くかつ安定性の高い表面弾性波発生手段を有し、使用可能なインクの範囲が広いインクジェットヘッドを提供することを目的とし、電極の表面に金属酸化膜または金属窒化膜を形成して、マイグレーションの発生を抑制し、直接インクが接触しても電極部がエッチングされないようにしている。
一方、この特許文献2では、消費電力を少なくし信頼性の高いインクジェット記録ヘッドを得るために、発熱抵抗体の上層の保護膜を薄くするために、スルーホールを介して発熱抵抗体と接続することによって、得られる基板における配線パターンの段差の被覆性、耐ヒロック性および耐ウィスカー性を向上させ、かつ絶縁膜のない部分であるスルーホール部は、発熱抵抗体によってヒロックとウィスカーの成長を抑制し、発熱抵抗体上の保護膜を薄くすることを可能としている。
また、特許文献3では、インク耐性を向上させ(インク材料の選択範囲を広げる)、かつ保護膜のカバレッジを向上させるため、前記電極配線の厚みが1500〜3000Aの範囲にあり、前記第1保護層の厚みが前記1対の電極配線の厚みの1.0〜2.0倍の範囲にあり、前記1対の電極配線の断面形状がテーパ角度30〜70°の範囲にあるテーパ形状にすることにより、保護膜のカバレッジを向上させている。
特開平9−174841号公報 特開2000−15800公報 特開2004−55845公報 特開2004−106089公報 特開平2−269058号公報 「表面弾性波のストリーミング現象を利用した微小流体素子」、塩川等、電子情報通信学会技術研究報告、US89−51、P41−46
しかしながら、上記従来技術の解決策はいずれも保護膜対策によるマイグレーション耐性向上、及び配線パターン形状を変更することによる保護膜の信頼性向上を図るものであり、断線の可能性がある配線パターン自体の信頼性向上のため、配線パターンのレイアウトに規定を設けるという考えには到っていなかった。
そこで、本発明の目的は、これらの保護膜による対策に加えて、断線の可能性がある配線自体の信頼性向上のため、電流供給用の広幅配線パターンを複数本の細幅の分割配線パターンに分割すること、及び個々の分割配線パターンの幅寸法等を所定の範囲に規定することにより、仕上がり寸法バラツキを低減させ、許容電流値を向上させることを可能とした液滴吐出ヘッド用回路基板、液滴吐出ヘッド、液体カートリッジ、液滴吐出記録装置、及びライン型液滴吐出記録装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係る液滴吐出ヘッド用回路基板は、基板と、該基板上に形成され液滴を吐出するために発熱する吐出エネルギ発生素子と、駆動電源からの電力を該吐出エネルギ発生素子に対して供給する配線パターンと、を備えた液滴吐出ヘッド用回路基板であって、一つの前記吐出エネルギ発生素子に接続される配線パターンの少なくとも一部を、前記配線パターンに電流の流れる方向と基板上で直交する方向に複数本に分割した分割配線パターンを有し、前記分割配線パターンのそれぞれには前記駆動電源からの電力が同時に供給されることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、前記吐出エネルギ発生素子を、前記吐出エネルギ発生素子に電流の流れる方向と直交する幅方向に複数個に分割した分割吐出エネルギ発生素子から構成し、一つの前記分割吐出エネルギ発生素子に対して複数本の前記分割配線パターンを接続したことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、基板と、該基板上に形成され液滴を吐出するために発熱する吐出エネルギ発生素子と、駆動電源からの電力を該吐出エネルギ発生素子に対して供給する配線パターンと、を備えた液滴吐出ヘッド用回路基板であって、前記一つのエネルギ変換素子に接続される前記分割配線パターン同士の少なくとも一部を、複数の細幅配線パターン交差させた構造の網目状配線パターンとしたことを特徴とする。

請求項の発明は、請求項1乃至の何れか一項において、前記吐出エネルギ発生素子は、電気熱エネルギ変換素子であることを特徴とする
請求項の発明に係る液滴吐出ヘッドは、請求項1乃至の何れか1項に記載の液滴吐出ヘッド用回路基板を備えていることを特徴とする。
請求項の発明に係る液体カートリッジは、請求項に記載の液滴吐出ヘッドと、この液滴吐出ヘッドに液体を供給するタンクと、を一体化したことを特徴とする。
請求項の発明に係る液滴吐出記録装置は、請求項に記載の液滴吐出ヘッド、又は請求項に記載の液体カートリッジを備えたことを特徴とする。
請求項の発明に係るライン型液滴吐出記録装置は、請求項5に記載の液滴吐出ヘッド、又は請求項6に記載の液体カートリッジを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、幅広配線パターンの少なくとも一部を電流の流れる方向と基板上で直交する方向に分割した複数の細幅の分割配線パターンを使用すると共に、各分割配線パターンの配線幅を所定の範囲に規定することにより、マイグレーション耐性を向上し、かつ仕上がり寸法バラツキを低減させ、許容電流値を向上させ、更に分割配線パターンの配線間隔を規定することにより、絶縁膜をカバレッジ良く形成し、耐インク性を向上させ信頼性の向上を図ることができる。
本発明は、配線パターン幅を狭くした場合に、単位幅当りの許容値が急激に向上することに着眼してなされたものであり、単位幅当りに流れる電流値を上げることが可能となったことによって、従来の単一且つ幅広の配線パターンを細幅の複数本の分割配線パターンに分割し、配線パターンの損耗、部分的な断線に備えることを可能としている。

以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。先ず、本発明の液滴吐出ヘッド用回路基板は、発熱抵抗体が複数設けられたものであればどのような液滴吐出用の回路基板にも適用可能であり、本発明の液滴吐出用回路基板を備えた液滴吐出ヘッド(液滴吐出装置)は、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、これらの複合機などにも適用することができる。
また、本発明の液滴吐出用回路基板は、インク以外の液体、例えば、DNA試料やレジスト、パターン材料などを吐出する液滴吐出ヘッドや液滴吐出装置にも適用することができる。しかしながら、インクジェット記録措置などの液滴吐出ヘッドに備えられている回路基板にとくに好適に適用される。そのため、以下では、本発明の液滴吐出ヘッド用回路基板を、インクジェット記録装置用の液滴吐出ヘッドに適用する場合を一例として説明する。
図1は従来の一般的なインクジェット記録装置に使用される液滴吐出ヘッド用回路基板の発熱部周辺(電気熱エネルギ変換素子及び配線パターン)を示す平面図(第1及び第2保護層を省略した図)であり、図2は図1の液滴吐出ヘッド用回路基板のA1−A1線に沿った拡大断面図である。
この液滴吐出ヘッド用回路基板100は、Si等から成る基板1と、基板1上に積層された酸化膜2と、酸化膜2上に所定の配置、面積にて形成された発熱抵抗体膜から成る吐出エネルギ発生素子としての電気熱エネルギ変換素子(電気熱変換素子)3と、酸化膜2上に所定のパターンにて形成されると共に電気熱エネルギ変換素子3と図示しない電源回路とを電気的に接続することにより電力を供給する配線パターン4と、電気熱エネルギ変換素子3及び配線パターン4上に積層された絶縁材料から成る第1保護層5と、第1保護層5上に積層された絶縁材料から成る第2保護層6と、を備えている。
各配線パターン4は、幅方向に連続した略一定膜厚の一本の幅広帯状導体膜から構成されている。各配線パターン4の幅方向寸法W1は、例えば10μm以上である。
なお、本実施形態では、配線パターン4として電気熱エネルギ変換素子3と接続される導体膜を一例として示しているが、本発明の配線パターン4の構造は、基板1上に形成される配線パターン一般に適用することができる。
図3は本発明の一実施形態に係る液滴吐出ヘッド用回路基板においてインクを加熱発泡させる発熱部の構成を示す平面図(第1及び第2保護層を省略した図)であり、図4は図3の液滴吐出ヘッド用回路基板のB1−B1に沿った拡大断面図である。
この液滴吐出ヘッド用回路基板は、Si等から成る基板1と、基板1上に積層された酸化膜2と、酸化膜2上に所定の配置、面積にて形成された発熱抵抗体膜から成る電気熱エネルギ変換素子(電気熱変換素子)3と、酸化膜2上に所定のパターンにて形成されると共に電気熱エネルギ変換素子3と図示しない電源回路とを電気的に接続することにより電力を供給する導電材料から成る配線パターン4と、電気熱エネルギ変換素子3及び配線パターン4上に積層された絶縁材料から成る第1保護層5と、第1保護層5上に積層された絶縁材料から成る第2保護層6と、を備えている。
吐出エネルギ発生素子としての電気熱エネルギ変換素子3は、酸化膜2上に形成された電極配線4の2つの端部間に跨って配置されている。
本発明の特徴的な構成は、幅方向寸法W1(例えば、10μm以上)を有した個々の配線パターン4の少なくとも一部を、幅方向に沿って複数に分割した細幅の分割配線パターン4aから構成した点にある。即ち、本発明の配線パターン4は図1の配線パターン4のように全幅に亘って導体膜が連続形成された構成を有してはおらず、狭い幅方向寸法W2を有した分割配線パターン4aを、長手方向に平行に延びる複数のスリットS1(酸化膜2の露出部)を介して平行に複数本配置した構成を備えている。
更に本発明では、各分割配線パターン4aの各幅方向寸法W2を、単位幅許容電流値が増加する領域の線幅(幅寸法)としている点も特徴的である。なお、単位幅許容電流値については後述する。
以上のように、本実施形態は、ノズルからインク液滴を吐出させるためにインクを発泡させるための電気熱エネルギ変換素子3と、電気熱エネルギ変換素子3と図示しない駆動電源とを接続して電力を供給するための配線パターン4と、を備えた液滴吐出ヘッド用回路基板において、配線パターン4の少なくとも一部が、幅方向に沿って複数に分割された細幅の分割配線パターン4aから構成されている点が特徴的である。各分割配線パターン間はスリットS1を介して離隔されている。
なお、配線パターン4の少なくとも一部を幅方向に分割、分離することにより得られる分割配線パターンの本数は4本に限らず、任意の本数に設定可能である。
図5は本発明の他の実施形態に係る液滴吐出ヘッド用回路基板においてインクを加熱発泡させる発熱部の構成を示す平面図(第1及び第2保護層を省略した図)であり、図6は図5の液滴吐出ヘッド用回路基板のB2−B2線に沿った拡大断面図である。
この液滴吐出ヘッド用回路基板は、Si等から成る基板1と、基板1上に積層された酸化膜2と、酸化膜2上に所定の配置、面積にて形成された発熱抵抗体膜から成る電気熱エネルギ変換素子(電気熱変換素子)3と、酸化膜2上に所定のパターンにて形成されると共に電気熱エネルギ変換素子3と電気的に接続された配線パターン4と、電気熱エネルギ変換素子3及び配線パターン4上に積層された第1保護層5と、第1保護層5上に積層された第2保護層6と、を備えている。
吐出エネルギ発生素子としての電気熱エネルギ変換素子3は、酸化膜2上に形成された電極配線4の2つの端部間に跨って配置されている。
本発明の特徴的な構成は、電気熱エネルギ変換素子3を構成する発熱抵抗体膜を幅方向に分割した複数の分割発熱抵抗体膜(分割吐出エネルギ発生素子)3aと、分割発熱抵抗体3a間に形成されるスリットS2から構成すると共に、各分割発熱抵抗体膜3aに対応して配線パターン4についても複数の分割配線パターン4aに分割することによって、各分割発熱抵抗体膜3aを各分割配線パターン4aの端部間に跨って接続している点にある。
各分割配線パターン4aは図3、図4の実施形態におけるような一本の帯状のパターンであってもよいが、この実施形態では各分割配線パターン4aを更に幅W3が小さい線状の分割配線パターン4a’から構成している。
更に本発明では、各分割配線パターン4aの各幅方向寸法W3を、単位幅許容電流値が増加する領域の線幅(幅寸法)としている点も特徴的である。なお、単位幅許容電流値については後述する。
本実施形態のように、通常の幅寸法(例えば、10μm以上)を有し且つ幅方向に連続した一本の導体膜から成る配線パターン4(図1、図2の配線パターン)の少なくとも一部を、幅方向に複数本に分割して細幅の分割配線パターン4a(4a’)を形成し、更に各分割配線パターンと対応するように電気熱エネルギ変換素子3を複数本に分割した細幅の分割発熱抵抗体膜3aを形成したことにより、仕上がり形状、及び寸法の適否を決定する製造工程の1つであるフォトリソグラフィ工程中にレジスト膜が熱収縮することによる部分細りが抑制され、寸法制御性が向上する。
また、幅広且つ単一の配線パターン4の場合よりも、小幅W2、W3の複数の分割配線パターン(4a、或いは4a’)から構成した方が、断線不良率が下がり、歩留が向上する。
次に、図3、図4、及び図5、図6に示した実施形態に係る液滴吐出ヘッド用回路基板を実機に搭載して使用する際の信頼性向上のために、個々の分割配線パターン4a、或いは4a’の幅寸法W2、W3を一定値(一定値以上)に規定することにより、図1、図2に示した配線パターンと同面積であっても許容電流を増大させることが可能となる。
更に、個々の分割配線パターン4a、或いは4a’の配線間隔(スリットS1の幅寸法)を一定値(一定値以上)に規定し、保護膜5、6のカバレッジを確保することにより、耐インク性を確保し信頼性を維持向上することができる。
これらの効果は全て、配線パターン4自体、又は電気熱エネルギ変換素子3自体のパターン変更のみで実現可能である。
以上のように、従来幅方向に連続した導体膜であった配線パターン4、或いは電気熱エネルギ変換素子3を幅方向に分割して幅の細い複数本の分割配線パターン、或いは分割発熱抵抗体膜から構成することにより、製造工程を増加させることなく、製造歩留の向上、許容電流値の向上、耐インク性の維持(向上)が可能となる。
図7は単位配線幅当りの許容電流値(定められた配線寿命を満たす最大電流値=単位幅許容電流値)が配線パターンの幅寸法(配線幅)に依存する例を示すグラフ図である。以下、本発明によって、単位幅許容電流値を向上し、且つ耐インク性を維持(向上)する具体例について説明する。
図7には、単位配線幅当りの許容電流(定められた配線寿命を満たす最大電流)の配線幅依存の例を示している。図7の横軸の配線幅が5μmを超えると、配線幅当りの許容電流の変化はない。
しかし、個々の分割配線パターンの配線幅が4μm以下(特に2μm以下)の場合には単位配線幅当りの許容電流が大きくなり、例えば、9μmの幅広配線(図1、図2の配線パターン4)の許容電流値と、幅が1μmである分割配線パターンを1μmの配線間隔(スリットS1の幅寸法)で5本配置した場合の許容電流値とを比較すると、1×9:13×5=9:65となり、合計面積が同一であっても複数の分割配線パターンに分割した方が、合計の許容電流値が大きくなることが判明した。このように、配線幅が4μm以下(配線間隔1μm)となる場合に、個々の分割配線パターンについての単位幅許容電流値が向上することが明かとなった。
本実施形態では、配線パターン幅を狭くした場合に、単位幅当りの許容値が急激に向上することに着眼してなされたものであり、単位幅当りに流れる電流値を上げることが可能となったことによって、従来の単一且つ幅広の配線パターンを細幅の複数本の分割配線パターンに分割し、配線パターンの損耗、部分的な断線に対処することを可能としている。
サーマル方式の記録ヘッドを用いる場合、電気熱エネルギ変換素子3の表面に保護層を設けても良い。保護層を設けることで、インクによる浸食、コゲーション(インク成分の焦げ付き)やキャビテーション(気泡収縮時の衝撃による破壊)が直接電気熱エネルギ変換素子3に作用しなくなり、電気熱エネルギ変換素子にダメージを与えることがなくなるので、電気熱エネルギ変換素子の寿命を長くすることができる。
図8は分割配線パターンと保護膜との関係を示す図であり、図4又は図6の部分拡大図に相当している。図9は分割配線パターンの端部間の成膜量が少なくなる状態を示す図4又は図6の部分拡大図である。
分割配線パターン4aの端部間の間隔が十分広い場合は、図8のように、保護層5がその膜厚分にほぼ等しく分割配線パターンの端部間にも成膜される。しかし、図9のように分割配線パターン間隔が狭くなると分割配線パターンの端部間の成膜量が少なくなる。
図10は図9のSt(分割配線パターン端部間の上部の膜厚)とSb(分割配線パターン端部間の下部の膜厚)、分割配線パターン間の配線間隔と成膜膜厚との比(カバレッジ)の関係を示すグラフ図である。カバレッジは分割配線パターン間の配線間隔が1μm以上の場合にはほぼ100%となり図8のような断面形状となる。
分割配線パターン間の配線間隔が1μm以下の場合には図9のようになり、配線間隔が0.7μm以下の場合には図9のCv位置にスリットが現れるようになる。また、インク浸漬をすると配線間隔が0.8μm以下の場合にCv位置が腐食される。耐インク性を保持するには、分割配線パターン間の配線間隔を1μm以上とすることが好ましい。
このように、分割配線パターン間の配線間隔を1μm以上とすることにより、分割配線パターン端部間の保護膜の膜厚を含み基板全体として均一な保護膜5を形成できるようになるため、耐インク性に優れた(耐インク性を確保した)液滴吐出ヘッド用回路基板を提供することができる。
サーマル方式の記録ヘッドを用いる場合には、電気熱エネルギ変換素子3の表層に保護層を設けても良い。保護層を設けることで、インクによる浸食、コゲーション(インク成分の焦げ付き)やキャビテーション(気泡収縮時の衝撃による破壊)が直接電気熱エネルギ変換素子に作用しなくなり、電気熱エネルギ変換素子にダメージを与えることがなくなるので、電気熱エネルギ変換素子の寿命を長くすることができる。
上述したように、本発明の液滴吐出ヘッド用回路基板は、発熱抵抗体から成る電気熱エネルギ変換素子が複数設けられた液滴吐出ヘッド用の回路基板であればどのようなタイプにも適用可能であるが、特にインクジェット記録装置などの液滴吐出ヘッドを構成する回路基板に特に好適に適用される。
次に、図11は本発明の他の実施形態に係る液滴吐出ヘッド用回路基板の要部構成を示す平面図であり、図12はそのB3−B3断面図である。
この液滴吐出ヘッド用回路基板100は、基板1と、基板1上に形成された酸化膜2と、基板1上に形成され液滴を吐出するために発熱する吐出エネルギ発生素子(電気熱エネルギ変換素子)3と、駆動電源からの電力を該吐出エネルギ発生素子3に対して供給する配線パターン4と、を備え、更に1つのエネルギ変換素子3(或いは、一つの分割吐出エネルギ発生素子3a)に接続される配線パターン4の少なくとも一部を、複数の細幅配線パターン4b、4cを交差させた構造の網目状配線パターンとした構成を備えている。
即ち、配線パターン4の長手方向へ延びる複数の細幅配線パターン4bと、配線パターン4の幅方向へ延びる複数の細幅配線パターン4cを直交させることにより、両細幅配線パターン4b、4cの交点付近に細長い矩形のスリット4d(酸化膜2の露出面)が形成されている。
個々の細幅配線パターン4b、4cの幅は、図7において説明した如く単位幅許容電流値が増加する領域に属する線幅とする。
このように網目状に縦横の細幅配線パターン4b、4cを交差させることによって配線パターン4を部分的に細幅に構成することによっても、配線パターン幅を複数の分割配線パターンから構成し、且つ各分割配線パターンの幅を単位幅許容電流値が増加する領域の線幅(例えば、4μm)とした上記実施形態の場合と同様の効果を得ることができる。即ち、配線パターンを構成する導体膜の単位幅当りに流れる電流値を上げることが可能となったことによって、配線パターンの損耗、部分的な断線に対処することができる。
更に、細幅配線パターン間の幅方向間隔、即ちスリット4dの幅寸法を、1μm以上とすることにより、細幅配線パターン端部間の保護膜の膜厚を含み基板全体として均一な保護膜5を形成できるようになり、耐インク性に優れた(耐インク性を確保した)液滴吐出ヘッド用回路基板を提供することができる。
次に図13は図11の変形例であり、スリット4dの形状を楕円形、或いは長円形とした点が図11の実施形態と異なっている他は、同様である。
要するに縦横の細幅配線パターンの交点付近に形成されるスリット4dの形状はどのような形状であってもよい。
また、各スリット4dの形成位置は図示のように横方向に整列して配列されているが、各スリットと千鳥格子状に位置をずらして配置しても良い。
図14は本発明の液滴吐出ヘッド用回路基板を適用した液滴吐出ヘッドの一部断面斜視図である。図15は図14の一部拡大断面図である。以下では、本発明の液滴吐出ヘッド用回路基板として、インクジェット記録ヘッドに備えられている回路基板を一例として説明する。
基板1上には所定のピッチにて電気熱エネルギ変換素子(電気熱変換素子)3を含んだ発熱部10が設けられ、電気熱エネルギ変換素子3は分割配線パターン4a(4a’)の端部間に位置する発熱抵抗体層によって形成される。
Si等から成る基板1上には酸化膜2が積層され、酸化膜2上に電気熱エネルギ変換素子3、分割配線パターン4aが配置され、各電気熱エネルギ変換素子3及び各分割配線パターン4aの上には第1保護層5、第2保護層6が順次積層配置されている。電気熱エネルギ変換素子3、分割配線パターン4a、保護層5、6は発熱部10を構成している。
また、発熱部10の上方には感光性樹脂等から成る外壁11を配置し、外壁11にはインク滴を吐出させるための吐出口11aが形成される。外壁11と液滴吐出ヘッド用回路基板との間には吐出口11aにインクを供給するためのインク室12が形成され、回路基板100上にはインク室12にインクを供給するためのインク供給口13が形成されている。
この液滴吐出ヘッドの製造に当たっては、まず大面積のSiウェハ上に電気熱エネルギ変換素子3を構成する発熱抵抗体層、配線パターン4及び分割配線パターン4a(4a’)を構成する導体膜などをフォトリソグラフィ技術によってパターニングし、更に各基板1に相当する部位に外壁11を形成することによってインク室12を形成すると共に、外壁11には吐出口11aを形成する。更に、異方性エッチングなどによって回路基板上にインク供給口13を形成した後、Siウェハを切断することによって形成される。
液滴吐出ヘッド用回路基板100を製造する手順としては、まず、基板1としてSi基板を使用し、このSi基板を熱酸化させることにより、膜厚が数μm程度のSiO2膜である酸化膜2を形成する。
次に、酸化膜2上の所定の位置に、スパッタリングにより電気熱エネルギ変換素子3となる発熱抵抗体層を50nm程度の厚みで形成する。電気熱エネルギ変換素子3を構成する発熱抵抗体として本実施の形態ではTaNを用いているが、HfB2やTaSiNなどを使用してもよい。次に、フォトリソグラフィ技術等によって発熱抵抗体膜に対してエッチングを行い、所定パターンの電気熱エネルギ変換素子3を形成する。
次いで、スパッタリングによって、配線パターン4、分割配線パターン4aとなる導体膜としてのAl層を200nm程度の膜厚に成膜する。本実施の形態では、配線パターン4、分割配線パターン4aの材料としてAlを用いているが、Al−Si、Al−CuまたはAl−Si−Cuなどの合金を用いてもよい。
次に、フォトリソグラフィ技術などによってAl膜を所定のパターンを有した配線パターン4、及び分割配線パターン4aとする。具体的には、ドライエッチング法などで導体膜のエッチングを行い、残された部分が配線パターン4、及び分割配線パターン4aとなる。
続いて、P−SiNから成る第1保護層5をCVD法により成膜する。この第1保護層5の膜厚は300nm程度として成膜した。なお、第1保護層5として酸化シリコンを用いることも可能である。
次に、第2保護層6として、Taをスパッタリングにより形成するが、その膜厚を230nmにして成膜した。このTaに代えてTaNやTaSiNなどを第2保護層6として採用してもよい。最後に、第2保護層6であるTaの不要な部分を削除するため、再度フォトリソ法などによってパターニングした後、ドライエッチング法により除去する。
この回路基板100には、電気熱エネルギ変換素子3を駆動するために電気的信号の受け渡しを行う電気配線が実装技術によって接続される。つまり、この回路基板100には、電気熱エネルギ変換素子3に電流をスイッチングさせるパワートランジスタ及びこのパワートランジスタを制御するためのCMOSロジック回路などが駆動手段として半導体技術を利用して形成され、配線パターン4、分割配線パターン4aを介して電気熱エネルギ変換素子3に接続している。
本実施の形態では、インク供給口13を挟んで相互に平行な2列の吐出口11aを相互に半ピッチずらして、いわゆる千鳥状に配列しており、各列の吐出口11aに対応するインク室12の間隔を600dpiのピッチでそれぞれ配列させている。
各々のインク室12の内底部には所定のピッチにて発熱部10が設けられ、それぞれ吐出口11aから所定量のインク滴を吐出できるようにしている。
本発明による液滴吐出用基板を搭載する実際のインクジェット記録装置に関連する例として、インクカートリッジ、インクジェット記録装置を図16、図17及び図18に示して以下で簡単に説明する。
図16は本発明に係るインクカートリッジを示す概略斜視図である。このインクカートリッジ14は、インク吐出口11等を有する上記各実施の形態のいずれかのインクジェットヘッド15と、このインクジェットヘッド15に対してインクを供給するインクタンク16とを一体化したものである。
このようにインクタンク一体型のヘッドの場合、インクジェットヘッド15の歩留まり不良は直ちにインクカートリッジ全体の不良に繋がるので、上述したようにインクジェットヘッド15の高熱による吐出不良を低減することで、インクカートリッジ14の製造不良が減少し、歩留まりが向上し、ヘッド一体型インクカートリッジの低コスト化を図れる。
図17は本発明に係るインクジェットヘッドを搭載したインクジェット記録装置の一例を示す概略斜視図である。このインクジェット記録装置17は、この内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ18、このキャリッジ18に搭載した本発明を実施したインクジェット記録ヘッド15、この記録ヘッド15にインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部19(図18参照)等を収納している。
印字機構部19は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド20と従ガイドロッド21とでキャリッジ18を主走査方向(図18で紙面垂直方向)に摺動自在に保持する。
このキャリッジ18にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する本発明に係るインクジェットヘッドからなるヘッド15を複数のインク吐出口(ノズル)を主走査方向と交差する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。また、キャリッジ18には記録ヘッド15に各色のインクを供給するための各インクカートリッジを交換可能に装着している。
インクカートリッジは、上方に大気と連通する大気口(図示せず)、下方にはインクジェットヘッド15へインクを供給する供給口(図示せず)を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインクジェットヘッド15へ供給されるインクを僅かな負圧に維持している。また、記録ヘッドと15してここでは各色のヘッドを用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。
ここで、キャリッジ18は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド20に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド21に摺動自在に載置している。キャリッジ18を副走査方向に移動走査するための副走査モータ44が設けてある。
そして、このキャリッジ18を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ22で回転駆動される駆動プーリ23と従動プーリ24との間にタイミングベルト25を張装し、このタイミングベルト25をキャリッジ18に固定しており、主走査モータ22の正逆回転によりキャリッジ18が往復駆動される。
また、キャリッジ18の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、記録ヘッド15の吐出不良を回復するための回復装置26を配置している。回復装置26はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。
キャリッジ18は、印字待機中には、この回復装置26側に移動されてキャッピング手段(図示せず)で記録ヘッド15をキャッピングし、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段で記録ヘッド15の吐出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段(図示せず)で吐出口(図示せず)からインクとともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段(図示せず)により除去され、吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(図示せず)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
このように、このインクジェット記録装置においては本発明を実施したインクジェットヘッドを搭載しているので、高熱によるインク滴吐出不良がなく、安定したインク滴吐出特性が得られて、画像品質が向上する。本発明に用いられる記録液は色材として、顔料、染料のいずれでも用いることができ、混合して用いることもできる。
図18は本発明による液滴吐出装置を搭載しているインクジェット記録装置の一例を示す概略側面図である。このインクジェット記録装置17では、本体の下方部に前方側から多数枚の用紙27を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい。)28を抜き差し自在に装着することができる。
また、用紙27を手差しで給紙するための手差しトレイ29を開倒することができ、給紙カセット28或いは手差しトレイ29から給送される用紙27を取り込み、記録ヘッド15を含む印字機構部19によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ30に排紙する。
一方、給紙カセット28にセットした用紙27を記録ヘッド15の下方側に搬送するために、給紙カセット28から用紙27を分離給装する給紙ローラ31及びフリクションパッド32と、用紙27を案内するガイド部材33と、給紙された用紙27を反転させて搬送する搬送ローラ34と、この搬送ローラ34の周面に押し付けられる搬送コロ35及び搬送ローラ34からの用紙27の送り出し角度を規定する先端コロ36とを設けている。搬送ローラ34は副走査モータ(図示せず)によってギヤ列を介して回転駆動される。
そして、主ガイドロッド20及び従ガイドロッド21上を移動するキャリッジ18の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ34から送り出された用紙27を記録ヘッド15の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材37を設けている。
この印写受け部材37の用紙搬送方向下流側には、用紙27を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ38、拍車39を設け、さらに用紙27を排紙トレイ30に送り出す排紙ローラ40及び拍車41と、排紙経路を形成するガイド部材42、43とを配設している。
記録時には、キャリッジ18を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド15を駆動することにより、停止している用紙27にインクを吐出して1行分を記録し、用紙27を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または、用紙27の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙27を排紙する。
本発明による液滴吐出ヘッドを使用した液滴吐出装置は、液滴吐出特性の変動を抑止しているため高信頼性が得られる。また、長尺化された液滴吐出ヘッドを用いるライン型の液滴吐出装置においても、液滴吐出特性の変動を抑止しているため高信頼性が得られる。
なお、前述したように本発明に係る液滴吐出装置は、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、これらの複合機などにも適用することができる。また、インク以外の液体、例えばDNA試料やレジスト、パターン材料などを吐出する液滴吐出ヘッドや液滴吐出装置にも適用することができる。
従来の一般的なインクジェット記録装置に使用される液滴吐出ヘッド用回路基板の発熱部周辺を示す平面図(第1及び第2保護層を省略した図)である。 図1の液滴吐出ヘッド用回路基板のA1−A1線に沿った拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係る液滴吐出ヘッド用回路基板においてインクを加熱発泡させる発熱部の構成を示す平面図(第1及び第2保護層を省略した図)である。 図3の液滴吐出ヘッド用回路基板のB1−B1に沿った拡大断面図である。 本発明の他の実施形態に係る液滴吐出ヘッド用回路基板においてインクを加熱発泡させる発熱部の構成を示す平面図(第1及び第2保護層を省略した図)である。 図5の液滴吐出ヘッド用回路基板のB2−B2線に沿った拡大断面図である。 単位配線幅当りの許容電流(定められた配線寿命を満たす最大電流)の配線幅依存の例をグラフで示す図である。 分割配線パターンと保護膜との関係を示す図であり、図4又は図6の部分拡大図に相当している図である。 分割配線パターンの端部間の成膜量が少なくなる状態を示す図4又は図6の部分拡大図である。 図9のSt(側面上部の側面膜厚)とSb(側面下部の側面膜厚)、配線間隔と成膜膜厚との比(カバレッジ)の関係をグラフで示す図である。 本発明の他の実施形態に係る液滴吐出ヘッド用回路基板の要部構成を示す平面図である。 図11のB3−B3断面図である。 図11の変形例に係る液滴吐出ヘッド用回路基板の要部平面図である。 本発明の液滴吐出ヘッド用回路基板を適用した液滴吐出ヘッドの一部断面斜視図である。 図14の部分断面を示す拡大図である。 本発明に係るインクカートリッジを示す概略斜視図である。 本発明に係るインクジェットヘッドを搭載したインクジェット記録装置の一例を示す概略斜視図である。 本発明による液滴吐出装置を搭載しているインクジェット記録装置の一例を示す概略側面図である。
符号の説明
1 基板
2 酸化膜
3 電気熱エネルギ変換素子(発熱抵抗体層)
3a 分割吐出エネルギ発生素子
4 配線パターン
4a 分割配線パターン
10 発熱部
14 液体(インク)カートリッジ
15 液体吐出装置(記録ヘッド、インクジェットヘッド)
17 インクジェット記録装置

Claims (8)

  1. 基板と、該基板上に形成され液滴を吐出するために発熱する吐出エネルギ発生素子と、駆動電源からの電力を該吐出エネルギ発生素子に対して供給する配線パターンと、を備えた液滴吐出ヘッド用回路基板であって、
    一つの前記吐出エネルギ発生素子に接続される配線パターンの少なくとも一部を、前記配線パターンに電流の流れる方向と基板上で直交する方向に複数本に分割した分割配線パターンを有し、前記分割配線パターンのそれぞれには前記駆動電源からの電力が同時に供給されることを特徴とする液滴吐出ヘッド用回路基板。
  2. 前記吐出エネルギ発生素子を、前記吐出エネルギ発生素子に電流の流れる方向と直交する幅方向に複数個に分割した分割吐出エネルギ発生素子から構成し、一つの前記分割吐出エネルギ発生素子に対して複数本の前記分割配線パターンを接続したことを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド用回路基板。
  3. 基板と、該基板上に形成され液滴を吐出するために発熱する吐出エネルギ発生素子と、駆動電源からの電力を該吐出エネルギ発生素子に対して供給する配線パターンと、を備えた液滴吐出ヘッド用回路基板であって、
    前記一つの吐出エネルギ変換素子、若しくは一つの分割吐出エネルギ発生素子に接続される前記分割配線パターン同士の少なくとも一部を、複数の細幅配線パターン交差させた構造の網目状配線パターンとしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の液滴吐出ヘッド用回路基板。
  4. 前記吐出エネルギ発生素子は、電気熱エネルギ変換素子であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッド用回路基板。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の液滴吐出ヘッド用回路基板を備えていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  6. 請求項5に記載の液滴吐出ヘッドと、この液滴吐出ヘッドに液体を供給するタンクと、を一体化したことを特徴とする液体カートリッジ。
  7. 請求項5に記載の液滴吐出ヘッド、又は請求項6に記載の液体カートリッジを備えたことを特徴とする液滴吐出記録装置。
  8. 長尺化した請求項5に記載の液滴吐出ヘッド、又は請求項6に記載の液体カートリッジを備えたことを特徴とするライン型液滴吐出記録装置。
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