JP4899902B2 - 高温浸炭用鋼材 - Google Patents

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Description

本発明は、耐粗粒化特性と被削性に優れる高温浸炭用鋼材に関する。詳しくは、1000℃を超えるような高温で浸炭した場合にも異常粒を生じることがなく、粗粒化の発生を抑止することが可能で、しかも、良好な被削性を有する高温浸炭用鋼材に関する。
以下、本明細書においては、倍率を100倍として光学顕微鏡観察した場合に、視野内で最大頻度をもつ粒度番号の結晶粒から3番以上大きい結晶粒が20%以上の面積を占める状態を「混粒」として、その粒度番号で3番以上大きい各々の結晶粒を「異常粒」といい、また、「異常粒」の存在しない部分を「整粒部」という。
また、本明細書においては、浸炭或いは浸炭を模擬した加熱保持実験で混粒が発生することを単に「粗粒化が生じる」或いは「粗粒化する」といい、粗粒化が生じる最も低い温度を「粗粒化温度」という。
従来、肌焼鋼は930℃前後の浸炭ガス雰囲気中で浸炭処理されてきた。なお、上記930℃前後の浸炭温度においてAlNは比較的安定であるので、従来の肌焼鋼には適量のAlとNが含有されており、このAlとNを浸炭処理の前にAlNとして析出させオーステナイトのピン止め粒子として用いることによって、粗粒化の発生を抑制することが行われてきた。
一方、処理時間の短縮のために、最近では、1000℃を超えるような高温で浸炭処理することが検討されている。これは、例えば1050℃で浸炭すれば、930℃で浸炭する場合に比べて処理時間を1/3〜1/4に短縮することができるからである。
しかしながら、このような高温で浸炭処理する場合には、AlNの一部がマトリックス(素地)に固溶してピン止め効果が低下するため、粗粒化が起こることを避け難い。そして、粗粒化が生じれば、当該部位の焼入れ性が上昇するため、部品の熱処理ひずみが大きくなり、更に、機械的性質の劣化にもつながってしまう。
このため、1000℃を超えるような高温で浸炭した場合にも粗粒化の発生を抑止することが可能な高温浸炭用鋼に対する要望が極めて大きくなっている。
そこで、前記した要望に応えるべく、特許文献1〜3に、微細なAlNやNb(CN)のピン止め作用を利用した種々の高温浸炭用鋼が提案されている。
具体的には、特許文献1に、質量%で、Nb:0.001〜0.10%、Al:0.01〜0.15%及びN:0.01〜0.03%を含むとともに、必要に応じて、V、Ti、Ta、Zr、Te及び希土類元素よりなる群から選択される1種以上並びに/又はPb、Bi及びSeよりなる群から選択される1種以上を含有し、Nの含有量が特定の式を満足し、且つ特定の式で表される熱間加工後の固溶Al量が0.01〜0.10%である「高温浸炭用鋼」が開示されている。
特許文献2に、質量%で、C:0.1〜0.4%、Si:0.02〜1.3%、Mn:0.3〜1.8%、S:0.001〜0.15%、Al:0.015〜0.045%、Nb:0.005〜0.05%、N:0.01〜0.02%を含有し、更に、特定量のCr、Mo、Ni及びVの1種又は2種以上を含有し、P、Ti及びOの含有量を特定量以下に制限するとともに、熱間鍛造後のNbC、NbN及びNb(CN)の析出量を0.005%以上、AlNの析出量を0.01%以下に制限し、加えて、熱間鍛造後の組織中のベイナイト分率、パーライト分率及びフェライト結晶粒度番号をも特定の範囲に規定した「熱間鍛造後の焼準処理が不要な結晶粒粗大化防止特性に優れた高温浸炭部品用素形材」が開示されている。
特許文献3に、質量%で、C:0.1〜0.40%、Si:0.02〜1.3%、Mn:0.3〜1.8%、S:0.001〜0.15%、Al:0.015〜0.04%、Nb:0.005〜0.04%、N:0.006〜0.020%を含有し、更に、特定量のCr、Mo、Ni及びVの1種又は2種以上を含有し、P、Ti及びOの含有量を特定量以下に制限するとともに、熱間圧延後のNb(CN)の析出量を0.005%以上、AlNの析出量を0.005%以下に制限するか、或いは、上記内容に加えて、更に、熱間圧延後の鋼のマトリックス中の直径0.1μm以下のNb(CN)の個数、熱間圧延後のベイナイトの組織分率及び熱間圧延後のフェライト結晶粒度番号のうちの少なくともいずれかを特定の範囲に規定した「浸炭時の粗大粒防止特性に優れた肌焼鋼とその製造方法ならびに浸炭部品用素形材」が開示されている。
特開2001−20038号公報 特開2001−303174号公報 WO99/05333号公報
前述の特許文献1で開示された技術は、温間鍛造や冷間鍛造後の浸炭焼入れ処理時における粗粒化の発生を極力抑制することを目的に、特定量のNb、Al及びNを含有させ、更に、熱間加工後にAlをAlNとして析出させず、固溶Alの状態で適正量含有させ、その後の球状化焼鈍等の熱処理時に微細なAlN、NbC、NbNやNb(CN)を析出させるものである。つまり、適正量のNb、Al及びNを複合して含有させて、微細なAlN、NbC、NbN及びNb(CN)を浸炭の前の熱処理によって予め析出させ、前記析出物のピン止め作用を利用するものである。しかしながら、必ずしも高温浸炭時の粗粒化発生の抑制に対して十分な効果が得られるというものではなかった。
特許文献2で開示された技術は、熱間鍛造後の焼準処理を省略した部品の高温浸炭時の粗粒化発生防止を目的に、Nb、Al、N、Ti及びOの含有量を規定し、熱間鍛造後に、Nb(CN)を一定量以上微細析出させる一方でAlがAlNとして析出することを極力制限し、浸炭の加熱途上で新たにAlN、Nb(CN)を微細に析出させ、ピン止め粒子として微細なAlN及びNb(CN)を用いるものである。しかしながら、前記特許文献1の場合と同様、必ずしも高温浸炭時の粗粒化発生の抑制に対して十分な効果が得られるというものではなかった。
特許文献3で開示された技術は、高温浸炭時の粗粒化発生の防止を目的に、Nb、Al、N、Ti及びOの含有量を規定し、熱間圧延後或いは熱間鍛造後に、Nb(CN)を一定量以上微細析出させる一方でAlがAlNとして析出することを極力制限し、その後の焼鈍過程、焼準過程、或いは浸炭の昇温過程で新たにAlNを微細に析出させ、ピン止め粒子として微細なAlN及びNb(CN)を用いるものである。しかしながら、前記特許文献1や特許文献2の場合と同様、必ずしも高温浸炭時の粗粒化発生の抑制に対して十分な効果が得られるというものではなかった。
また、歯車や軸受などの表面硬化させた機械部品を製造するには、浸炭時の耐粗粒化特性だけでなく、浸炭前に行われる切削加工時における良好な被削性も必要とされる。しかしながら、上記特許文献1〜3はいずれも、切削加工時の被削性に対しても十分な配慮がなされているものでもなかった。
そこで、本発明の目的は、1000℃を超える高い温度で浸炭した場合でも粗粒化の発生を確実に抑止することができるとともに被削性に優れる高温浸炭用鋼材を提供することである。
本発明者らは、前記した課題を解決するために、種々の検討を行い、その結果、下記(a)〜(k)の知見を得た。
(a)高温で加熱保持することによって生じる粗粒化は、鋼中に分散するAlNやNb(CN)等の析出粒子による結晶粒界のピン止め力よりも結晶粒成長の駆動力が大きくなった場合に生じる。そして、析出粒子によるピン止め力はその析出粒子の数に依存し、析出粒子数が多いほど大きくなる。一方、結晶粒成長の駆動力は結晶粒径に依存し、結晶粒径が小さいほど大きくなる。
(b)高温で長時間加熱保持する高温浸炭を施す場合、特許文献1のように、鋼中に予めAlNやNb(CN)等の析出粒子を分散させておくと、浸炭の初期段階ではAlNやNb(CN)のピン止め力により結晶粒は微細に維持されるものの、保持時間が長くなると、上記析出物の固溶や凝集が進行してピン止め力が低下し、その結果、結晶粒成長の駆動力がピン止め力に対して相対的に大きくなり粗粒化が進行する。つまり、AlNやNb(CN)だけでは、粗粒化を防止することができない。
(c)特許文献2や特許文献3のように、浸炭の加熱途上で析出物が微細に析出すると、浸炭初期の結晶粒が細かくなって、結晶粒成長の駆動力が大きくなる。このため、高温浸炭時の粗粒化発生の抑制に対して十分な効果が得られるというものではない。
(d)高温浸炭時における粗粒化を防止するためには、浸炭時の結晶粒成長の駆動力に勝るピン止め力を確保するために、AlNやNb(CN)よりもマトリックス中に固溶し難い析出物を析出させておくことが必要である。
(e)上記のAlNやNb(CN)よりもマトリックス中に固溶し難い析出物としては、Ti及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物である〔NbTi(CN)〕、〔NbV(CN)〕及び〔NbTiV(CN)〕を用いるのがよく、こうしたTiやVとNbの複合炭窒化物は、極微量のTiやVを特定量のNb、C及びNとともに複合して含有させることによって生成させることができる。
(f)高温浸炭時における粗粒化を防止するためには、上記(e)で述べたNbとTiやVの複合炭窒化物を浸炭処理する前の段階で特定量以上析出させることが重要である。
(g)AlNは比較的粗大に成長する傾向がある。このため、上記(f)で述べたようにTiやVとNbの複合炭窒化物を浸炭処理する前の段階で特定量以上析出させても、粗大なAlNを核として上記のTiやVとNbの複合炭窒化物が凝集・粗大化してしまうと、粗粒化の防止が達成できない。したがって、高温浸炭時における粗粒化を防止するためには、浸炭処理する前の段階でのAlNの析出量を制限する必要がある。
(h)上記したTiやVとNbの複合炭窒化物である〔NbTi(CN)〕、〔NbV(CN)〕及び〔NbTiV(CN)〕は、その直径に着目すると、[1]20nm以下、[2]20nmを超えて80nm以下及び[3]80nmを超える、の3区分に大別できる。そして、高温浸炭時における粗粒化防止に寄与するのは、上記3区分のうちで、[2]の直径が20nmを超えて80nm以下のものである。すなわち、[3]の直径が80nmを超えるものは、粗大化しているためにピン止め作用が小さい。また、上記NbとTiやVの複合炭窒化物は、AlNやNb(CN)よりもマトリックス中に固溶し難いとはいうものの、[1]の直径が20nm以下のものは、浸炭処理時にマトリックス中にほぼ固溶し、その後に[3]の直径が80nmを超えるものを成長・粗大化する傾向がある。よっていずれも、高温浸炭時における粗粒化防止にあまり寄与しない。
(i)上記(h)で述べた直径が20nmを超えて80nm以下のTiやVとNbの複合炭窒化物が析出している場合であっても、その数が少ない場合には、粗粒化防止の効果が得られない。したがって、高温浸炭時における粗粒化を防止するためには、浸炭処理する前の段階で、上記(f)のTiやVとNbの複合炭窒化物を特定量以上析出させることに加えて、直径が20nmを超えて80nm以下のTiやVとNbの複合炭窒化物を数多く析出させる必要がある。
(j)上記のような炭窒化物及び窒化物の規制を満足したとしても、マトリックスの組織中にベイナイトが15%を超えて存在すると、浸炭時にオ−ステナイト粒が微細化することにより結晶粒成長の駆動力が大きくなるので、1000℃を超える浸炭加熱時の異常粒発生を防止することが困難なことがある。また、硬さの上昇を招くことから被削性が著しく低下する。よって、浸炭前のマトリックスの組織におけるベイナイトの割合を15%以下とする必要がある。そして、良好な被削性を確保するためにはマトリックスの組織を、フェライトとパーライトの混合組織か、前記ベイナイトの割合を15%以下としたフェライト、パーライトとベイナイトの混合組織とする必要がある。
(k)上記(e)で述べたTiやVとNbの複合炭窒化物の析出量が多すぎると、硬さの上昇を招いて被削性が低下する。よって、浸炭前のTiやVとNbの複合炭窒化物を特定量以下に制限することが必要である。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記に示す高温浸炭用鋼材にある。
質量%で、C:0.10〜0.30%、Si:0.01〜2.00%、Mn:0.10〜2.00%、P:0.025%以下、S:0.10%以下、Cr:0.5〜2.5%、Nb:0.030〜0.060%、Ti:0.0010〜0.0030%、V:0.005〜0.015%、Al:0.060%以下及びN:0.0185〜0.0300%を含むとともに、Ni:0.1〜3.0%及びMo:0.02〜1.5%のうちの1種又は2種を含有し、残部はFe及び不純物からなり、浸炭処理前の鋼材中における炭窒化物及び窒化物について、Ti及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物の析出量の合計が質量%で0.010〜0.040%、且つAlNの析出量が質量%で0.015%以下を満たすとともに、直径20nmを超えて80nm以下のTi及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物の個数が合計で、500個/1000μm2以上であり、且つマトリックスの組織が、フェライト・パーライト組織又はベイナイトの割合が15%以下のフェライト・パーライト・ベイナイト組織であることを特徴とする高温浸炭用鋼材。
但し、Ti及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物とは、〔NbTi(CN)〕、〔NbV(CN)〕及び〔NbTiV(CN)〕を指す。
なお、析出物の「直径」とは、長径と短径の算術平均値を指す。
また、「フェライト・パーライト組織」とは、フェライトとパーライトの混合組織を指し、「フェライト・パーライト・ベイナイト組織」とは、フェライト、パーライト及びベイナイトの混合組織を指す。
機械構造部品の素材に本発明の高温浸炭用鋼材を用いれば、1000℃を超える高い温度で浸炭する場合、更には1050℃を超える高い温度で浸炭する場合であっても粗粒化の発生を確実に抑止できるので、浸炭時間の短縮による製造コストの合理化が行える。また、被削性に優れているので、浸炭前の切削加工において製造コストを著しく上昇させることがない。
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。なお、化学成分の含有量の「%」は「質量%」を意味する。
(A)化学組成
C:0.10〜0.30%
Cは、Nとともに、TiやVとNbの複合炭窒化物である〔NbTi(CN)〕、〔NbV(CN)〕及び〔NbTiV(CN)〕を形成して、高温浸炭時における粗粒化を抑制する作用を有する。Cには、浸炭焼入れ後の母材(生地)の強度を上昇させる作用もある。こうした効果を得るには、0.10%以上のC含有量が必要である。しかしながら、Cを過剰に含有すると被削性の低下をきたし、特に、Cの含有量が0.30%を超えると、被削性の劣化が著しくなる。したがって、Cの含有量を0.10〜0.30%とした。望ましいC含有量の範囲は0.15〜0.25%である。
Nb:0.030〜0.060%
Nbは、C及びN、更には、TiやVとともに〔NbTi(CN)〕、〔NbV(CN)〕及び〔NbTiV(CN)〕を形成して、高温浸炭時における粗粒化を抑制する作用を有する。しかしながら、Nbの含有量が0.030%未満の場合には、複合炭窒化物の量と個数が少なくなり、特に、1000℃を超える高温での浸炭では、ピン止め力が低下して粗粒化抑制効果が得られない。一方、0.060%を超えて含有させても、粗粒化抑制効果は飽和するし、被削性が劣化するので、コストが嵩んで経済性を損なうばかりである。したがって、Nbの含有量を0.030〜0.060%とした。なお、Nbの含有量は0.035〜0.050%とすることが好ましい。
Ti:0.0010〜0.0030%
Tiは、高温でも非常に安定な析出物である〔NbTi(CN)〕 や〔NbTiV(CN)〕を形成し、高温浸炭時における粗粒化を抑制する作用を有する。しかしながら、Tiの含有量が0.0010%未満の場合にはその効果が乏しい。一方、Tiの含有量が0.0030%を超えると粗大なTi窒化物を生成し、これを核としてTiやVとNbの複合炭窒化物である〔NbTi(CN)〕及び〔NbTiV(CN)〕が粗大に析出するため、十分な粗粒化抑制効果を確保することができない。したがって、Tiの含有量を0.0010〜0.0030%とした。
V:0.005〜0.015%
Vは、高温でも非常に安定な析出物である〔NbV(CN)〕や〔NbTiV(CN)〕を形成し、高温浸炭時における粗粒化を抑制する作用を有する。しかしながら、Vの含有量が0.005%未満の場合にはその効果が乏しく、十分な粗粒化抑制効果を確保することができない。一方、Vの含有量が0.015%を超えると、粗大なV窒化物を生成し、これを核としてTiやVとNbの複合炭窒化物である〔NbV(CN)〕及び〔NbTiV(CN)〕が粗大に析出するため、十分な粗粒化抑制効果を確保することができない。したがって、Vの含有量を0.005〜0.015%とした。
Al:0.060%以下
Alは、鋼の脱酸作用を有する。しかしながら、その含有量が0.060%を超えると、粗大なAlNが生成し、この粗大なAlNを核としてTiやVとNbの複合炭窒化物が凝集・粗大化するため、粗粒化抑制効果が低下する。したがって、Alの含有量を0.060%以下とした。なお、粗大なAlNの生成防止という点からは、Alの含有量は0.050%以下とすることが好ましい。また、鋼の脱酸作用を確実に得るためには、Alの含有量は0.010%以上とすることが好ましい。
N:0.0185〜0.0300%
Nは、Cとともに、TiやVとNbの複合炭窒化物である〔NbTi(CN)〕、〔NbV(CN)〕及び〔NbTiV(CN)〕を形成して、高温浸炭時における粗粒化を抑制する作用を有する。しかしながら、その含有量が0.0185%未満では、1000℃を超える高温での浸炭の場合には、前記TiやVとNbの複合炭窒化物の析出量が不十分となって粗粒化抑制効果が得られない。一方、Nの含有量が0.0300%を超えると粗大なAlNが生成し、この粗大なAlNを核としてTiやVとNbの複合炭窒化物が凝集・粗大化するため、却って粗粒化抑制効果が低下する。したがって、Nの含有量を0.0185〜0.0300%とした。なお、Nの含有量は0.0185〜0.0250%とすることが好ましい。
上記の理由から、本発明に係る高温浸炭用鋼材の化学組成は、C、Nb、Ti、V、Al及びNを上述した範囲で含むこととした。
なお、本発明に係る高温浸炭用鋼材は、C、Nb、Ti、V、Al及びNを上述した範囲で含んでおりさえすればよいが、上記範囲のC、Nb、Ti、V、Al及びNの他に、下記の範囲のSi、Mn、P、S及びCrとともに、Ni及びMoのうちの1種又は2種を含み、残部はFe及び不純物からなる化学組成の鋼材であることが好ましい。
Si:0.01〜2.00%
Siは、鋼の脱酸に有効な元素であるとともに、強度及び焼入れ性を付与するのに有効な元素である。こうした効果を得るためには、Siを0.01%以上含有させることが好ましい。しかしながら、Siの含有量が2.00%を超えると、硬さの上昇を招いて被削性が劣化することがある。したがって、Siの含有量は0.01〜2.00%とすることが好ましい。
なお、Siは、浸炭焼入れ後の転動疲労寿命を向上させる作用を有するものの、浸炭時の内部酸化を助長する元素であり、このため内部酸化された部位が疲労き裂の起点となることがある。したがって、浸炭ままの熱処理肌で使用する場合には、Siの含有量は低めの0.01〜0.50%とすることが一層好ましい。一方、浸炭後に機械加工によって表層を除去する場合において、その強度を高くしたい場合には、Siの含有量は高めの0.50〜2.00%とすることが一層好ましい。
なお、Siを含有していても、TiやVとNbの複合炭窒化物である〔NbTi(CN)〕、〔NbV(CN)〕及び〔NbTiV(CN)〕による粗粒化抑制効果には影響がない。
Mn:0.10〜2.00%
Mnは、鋼の焼入れ性を向上させる元素であり、浸炭焼入れ後の部品の硬さを高める作用を有する。この作用を発揮させるためには、少なくとも0.10%のMnを含有させることが好ましい。しかしながら、過剰に含有させると浸炭前の硬さが上昇して被削性の低下をきたし、特に、Mnの含有量が2.00%を超えると、浸炭前の硬さ上昇が大きくなって被削性の低下が著しくなることがあるので、Mn含有量の上限は2.00%とすることが好ましい。なお、Mn含有量の一層望ましい範囲は0.30〜1.20%である。
P:0.025%以下
Pは、鋼を脆化させ、特に、その含有量が0.025%を超えると、浸炭硬化層が脆化して疲労強度等の低下を招くことがあるので、P含有量は0.025%以下とすることが好ましい。なお、Pの含有量は0.015%以下とすることが一層好ましい。
S:0.10%以下
Sは、その含有量が0.10%を超えると、浸炭硬化層が脆化して疲労強度等の低下をきたすことがあるので、S含有量は0.10%以下とすることが好ましい。なお、Sには被削性を高める作用があり、この効果はSを0.02%以上含有させることで発揮されるので、前記上限規定の下で、0.02%以上のSを含有させてもよい。
Cr:0.5〜2.5%
Crは、Mnと同様に鋼の焼入れ性を向上させる元素であり、浸炭焼入れ後の部品の硬さを高める作用を有する。この作用を発揮させるためには、少なくとも0.5%のCrを含有させることが好ましい。しかしながら、2.5%を超えて含有させると、被削性が低下することがあるので、Cr含有量の上限は2.5%とすることが好ましい。なお、Cr含有量の一層望ましい範囲は0.7〜2.0%である。
Ni:0.1〜3.0%及びMo:0.02〜1.5%のうちの1種又は2種
Ni及びMoは、いずれも焼入れ性を向上させるのに有効な元素である。このため、部品の大きさ、形状や浸炭後の焼入れ方法に応じて、0.1%以上のNi及び0.02%以上のMoのうちの1種又は2種を含有させることが好ましい。しかしながら、これらの元素を過剰に含有させるとコストが大幅に上昇してしまうので、上記元素を含有させる場合には、その上限をNiについては3.0%、また、Moについては1.5%とすることが好ましい。
上記の理由から、本発明に係る高温浸炭用鋼材の化学組成は、上述した範囲のC、Si、Mn、P、S、Cr、Nb、Ti、V、Al及びNを含むとともに、Ni及びMoの1種又は2種を含有し、残部はFe及び不純物からなることとした。
(B)浸炭処理前の鋼材中における炭窒化物及び窒化物
(B−1)Ti及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物及びAlN
高温浸炭時における粗粒化を防止するためには、浸炭時の結晶粒成長の駆動力に勝るピン止め力を確保するために、析出物を微細分散させておくことが必要である。
しかしながら、従来、浸炭時の結晶粒成長を抑制するために用いられているAlNやNb(CN)では、1000℃を超えるような高温での保持時間が長くなると、固溶や凝集が進行するためピン止め力が低下し、その結果、結晶粒成長の駆動力がピン止め力に対して相対的に大きくなって粗粒化が進んでしまう。
したがって、AlNやNb(CN)よりもマトリックス中に固溶し難いTi及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物である〔NbTi(CN)〕、〔NbV(CN)〕及び〔NbTiV(CN)〕を浸炭処理する前の段階で鋼材中に、特に、質量%で、その析出量の合計が0.010%以上となるように、析出させておく必要がある。しかしながら、その析出量の合計が0.040%を超えると、硬さの上昇を招き被削性が低下する。よって、浸炭前のTi及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物である〔NbTi(CN)〕、〔NbV(CN)〕及び〔NbTiV(CN)〕を、質量%で、その析出量の合計が0.040%以下となるように、制限することが必要である。
なお、浸炭処理前にAlNが析出しているとAlNは比較的粗大に浸炭時に成長する傾向があり、AlNが多量に、特に、質量%で、0.015%を超えて析出していると、その粗大なAlNを核として、前記のTiやVとNbの複合炭窒化物が浸炭時に凝集・粗大化しやすい。そして、前記のTiやVとNbの複合炭窒化物が粗大化した場合には、後述するように、高温浸炭時における粗粒化防止に寄与しない。したがって、浸炭処理前の鋼材中におけるAlNの析出量は、質量%で、0.015%以下とする必要がある。
上記の理由から、本発明においては、浸炭処理前の鋼材中における炭窒化物及び窒化物について、Ti及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物の析出量の合計が、質量%で、0.010〜0.040%、且つAlNの析出量が、質量%で、0.015%以下を満たすこととした。
(B−2)Ti及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物の寸法と個数
Ti及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物である〔NbTi(CN)〕、〔NbV(CN)〕及び〔NbTiV(CN)〕は、たとえ前記(B−1)項で述べたとおりの析出量の合計が質量%で、0.010%以上となるようにした場合であっても、その寸法と個数が特定の範囲から外れている場合には、高温浸炭時における粗粒化防止にあまり寄与しない。
すなわち、上記したTiやVとNbの複合炭窒化物である〔NbTi(CN)〕、〔NbV(CN)〕及び〔NbTiV(CN)〕は、AlNやNb(CN)よりもマトリックス中に固溶し難いとはいうものの、その直径に着目して、
[1]20nm以下、
[2]20nmを超えて80nm以下、
[3]80nmを超える、
の3区分に大別した場合、[3]の直径が80nmを超えるものは、粗大化しているためにピン止め作用が小さい。また、[1]の直径が20nm以下のものは、浸炭処理時にマトリックス中にほぼ固溶し、その後に[3]の直径が80nmを超えるものを成長・粗大化する傾向がある。
よって、上記[1]と[3]のいずれの場合も、高温浸炭時における粗粒化防止にあまり寄与しない。
このため、TiやVとNbの複合炭窒化物である〔NbTi(CN)〕、〔NbV(CN)〕及び〔NbTiV(CN)〕は、1000℃を超えるような高温でもマトリックスに固溶せず、しかもピン止め効果を発揮するように、その直径が20nmを超えて80nm以下のものを析出させておく必要がある。
なお、上記の直径が20nmを超えて80nm以下のTiやVとNbの複合炭窒化物が析出している場合であっても、その数が少なく、特に、その個数が合計で、500個/1000μm2を下回る場合には、粗粒化防止の効果が得難くなる。
上記の理由から、本発明においては、直径20nmを超えて80nm以下のTi及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物の個数が合計で、500個/1000μm2以上であることとした。
既に述べたように、析出物の「直径」とは、長径と短径の算術平均値を指す。
(C)マトリックスの組織
本発明に係る高温浸炭用鋼材の浸炭前のマトリックスの組織は、フェライト・パーライト組織又はベイナイトの割合が15%以下のフェライト・パーライト・ベイナイト組織である。
マトリックスの組織を、フェライトとパーライトの混合組織か、ベイナイトの割合を抑制したフェライト、パーライトとベイナイトの混合組織とすることによって、良好な被削性を確保することができる。
すなわち、マトリックスのフェライト・パーライト・ベイナイト組織中にベイナイトが15%を超えて存在すると、硬さの上昇を招くことから被削性が著しく低下する。しかも、浸炭時にオ−ステナイト粒が微細化することにより結晶粒成長の駆動力が大きくなるので、1000℃を超える浸炭加熱時の粗粒化を防止することが困難なことがある。
よって、浸炭前のマトリックスの組織であるフェライト・パーライト・ベイナイト組織におけるベイナイトの割合は15%以下とする必要がある。
なお、上記浸炭前のマトリックスの組織におけるベイナイトの割合は、10%以下であることがより一層好ましい。最も望ましい浸炭前のマトリックスの組織はベイナイトが0%の組織、すなわち、フェライト・パーライト組織である。
なお、「フェライト・パーライト組織」がフェライトとパーライトの混合組織を指し、また、「フェライト・パーライト・ベイナイト組織」がフェライト、パーライト及びベイナイトの混合組織を指すことは既に述べたとおりである。
本発明に係る高温浸炭用鋼材は、例えば、次に述べるような方法で製造することができる。
先ず、鋼塊や鋳片を、
・加熱温度:1270℃以上、
・加熱時間:30分以上、
の条件で加熱した後、分塊圧延して鋼片に仕上げる。
次いで、上記鋼片を、
・加熱温度:950℃以上、
・鍛造仕上げ温度:850℃以上、
の条件で熱間鍛造する。
次いで、上記の熱間鍛造材を、
・昇温速度:15℃/min以上、
・加熱温度:850〜1100℃、
・加熱温度から700℃の平均冷却速度:60〜500℃/min、
・700〜550℃の平均冷却速度:3〜10℃/min、
の条件で焼準処理する。
また、前記のようにして分塊圧延した後、更に、
・加熱温度:1200℃以上、
・加熱時間:30分以上、
の条件で加熱した後、熱間圧延して棒鋼や線材に仕上げ、次いで、この棒鋼や線材に、先に述べたのと同じようにして、熱間鍛造と焼準処理を行うという方法で製造するのもよい。
例えば、上記のようにして得た高温浸炭用鋼材を部品形状に切削加工した後に、高温浸炭処理を施すことで、所望の浸炭部品を製造することができる。
なお、上記のようにして製造する場合、本発明の高温浸炭用鋼材の炭窒化物や窒化物を得るために最も重要であるのは、分塊圧延条件と、焼準処理時の昇温速度及び冷却速度である。
分塊圧延を行うに際して、加熱温度を1270℃以上及び加熱時間を30分以上とするのがよいのは、前記温度や時間を下回ると、鋼塊や鋳片の段階で存在する大型の炭窒化物が、浸炭の直前においてもそのまま残存し、直径20nmを超えて80nm以下のTi及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物の個数の合計が、500個/1000μm2未満と減ってしまうためである。
本発明の高温浸炭用鋼材は、浸炭処理時のひずみ抑制、前履歴の不均一組織解消のために850〜1100℃の温度域で焼準処理を行って製造するのが望ましい。
焼準処理の温度が850℃未満では、オ−ステナイトとフェライトの2相域での処理となるため、焼準処理の目的である残留応力除去が不十分で、また、前履歴である熱間鍛造時の不均一組織を解消する効果が十分得られない。1100℃を超える温度で焼準処理を行っても、実質的に何ら効果はない。よって、850〜1100℃で焼準処理を行うのがよい。
分塊圧延後の熱履歴、すなわち熱間圧延や熱間鍛造の冷却過程で、Ti及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物は微量ながら析出し、焼準処理前の状態ではこの微量な複合炭窒化物が鋼材中に存在する。また、焼準処理時の昇温速度が遅い場合には、Ti及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物が昇温過程で微量ながら析出する。そして、焼準処理時の昇温速度が遅いと、微量ながら焼準処理前に存在していた複合炭窒化物や、昇温過程で微量ながら析出した複合炭窒化物は成長し、850〜1100℃程度の焼準処理温度域で保持してもマトリックスには十分に固溶しきれず、そのため、焼準処理時の冷却過程で新たに微細析出する複合炭窒化物の数が少なくなり、結果的に、浸炭処理前の鋼材中において、直径20nmを超えて80nm以下のTi及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物の個数の合計を、500個/1000μm2以上析出させることが困難となってしまう。よって、焼準処理時の昇温速度は15℃/min以上とするのがよい。
焼準処理の加熱温度から700℃の平均冷却速度を60〜500℃/minとするのがよいのは、60℃/min未満では、脱炭が進行しやすくなり、続く700℃〜550℃の冷却過程で表層部において、Ti及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物である〔NbTi(CN)〕、〔NbV(CN)〕及び〔NbTiV(CN)〕の析出量の合計が、質量%で、0.010%未満と少なくなってしまうためである。一方、500℃/minを超える場合では、過冷されたオーステナイトが、オーステナイトから変態したフェライト及びパーライトとともにその後の冷却過程で存在することとなって、700〜550℃の冷却過程で析出する複合炭窒化物の分散状況が不均一になり、安定して、鋼材中に、直径20nmを超えて80nm以下のTi及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物の個数の合計を、500個/1000μm2以上とすることが困難となり、また、上記複合炭窒化物の析出量の合計が、質量%で、0.010%未満となってしまうためである。
更に、上記冷却に続く700〜550℃の平均冷却速度を3〜10℃/minとするのがよいのは、3℃/min未満では、浸炭処理前の鋼材中におけるAlNの析出量が、質量%で、0.015%を超えたり、浸炭前のTi及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物である〔NbTi(CN)〕、〔NbV(CN)〕及び〔NbTiV(CN)〕の析出量の合計が、質量%で、0.040%を超えてしまうためである。一方、10℃/minを超える場合では、浸炭処理前の鋼材中におけるTi及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物である〔NbTi(CN)〕、〔NbV(CN)〕及び〔NbTiV(CN)〕の析出量の合計が、質量%で、0.010%未満となったり、更にはベイナイト分率が15%を超えてしまうからである。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明する。
(実施例1)
転炉溶製後に連続鋳造して、表1に示す化学組成を有する鋼イの鋳片を作製した。なお、この鋼イは、化学組成が本発明で規定する条件を満足する鋼である。
Figure 0004899902
上記鋼イの鋳片を、表2に示す種々の条件で加熱して分塊圧延し、180mm×180mmの鋼片とした。
次いで、上記の各鋼片を、加熱温度を1240℃、加熱時間を40分として加熱した後熱間圧延して、直径が65mmの棒鋼を製造した。
このようにして得た直径65mmの棒鋼を長さ97.5mmに切断した後1200℃に加熱し、表2に示す種々の条件で、据込みによる熱間鍛造とその後の焼準処理を行い、直径が約130mmで長さが約24mmの素材を作製した。
Figure 0004899902
上記の直径が約130mmで長さが約24mmの各素材について、そのR/2部(但し、「R」は素材の半径を表す。)から棒状試料(直径20mmで長さ20mm)を切り出し、電解抽出分離分析法でTi及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物である〔NbTi(CN)〕、〔NbV(CN)〕及び〔NbTiV(CN)〕の析出量の合計及びAlNの析出量を求めた。
ここで、電解抽出分離分析法は、下記〈1〉〜〈4〉の条件で行った。
〈1〉電解液として、所謂「10%AA−メタノール溶液」である「10%アセチルアセトン−1%塩化テトラメチルアンモニウム−メタノール溶液」を使用し、定電位(−100mV vs SCE(飽和カロメル電極))又は定電流(20mA/cm2)によって、鋼約0.5gを電解する。
〈2〉電解後、孔径が0.2μmのニュークリポアフィルターで電解残渣(電解液中で凝集した前記の複合炭窒化物及びAlN)を吸引濾過して回収する。
〈3〉上記〈2〉によって回収した電解残渣を混酸(硫酸1、リン酸1、水1)で分解し、純水で定容してから、ICP(高周波誘導結合プラズマ)発光分光分析法又は原子吸光分析法でNb、Ti、V及びAlの定量分析を行う。
〈4〉各元素について、上記〈3〉で求めた電解量を鋼材中の含有量(質量%)に換算し、前記複合炭窒化物の合計の析出量を上記のNb、Ti及びVの換算含有量の合計で、また、AlNの析出量を上記のAlの換算含有量で示す。
また、各素材のR/2部について、抽出レプリカ法にて析出物を採取して透過電子顕微鏡(TEM)による観察に供した。
TEMにはエネルギー分散型X線検出器(EDS)を装備したものを用い、EDSによる元素分析から複合炭窒化物中に含有するNb、Ti、Vの複合形態及び形状を確認し、複合炭窒化物である〔NbTi(CN)〕、〔NbV(CN)〕及び〔NbTiV(CN)〕の個数は次のようにして求めた。
すなわち、直径が80nm以下のものについて、倍率が100000倍の10視野で計数し、1000μm2当りの個数に換算した。この際、直径が20nm以下のものについては計数の対象から除外した。
更に、各素材のR/2部から、直径20mmの円筒状の試験片を切り出し、
(1)鏡面研磨して、ナイタールで腐食した後、光学顕微鏡でマトリックスの組織の観察を行うとともにベイナイトの割合を算出、
し、また、
(2)粗粒化温度を調査する試験(以下、「粗粒化試験」という。)、
に供した。
粗粒化試験は、高温浸炭のヒートパターンを模擬し、Ar雰囲気中で試験片を960〜1100℃で2時間保持することによって行った。なお、加熱保持後は水冷した。
このようにして得た各試験片の縦断面を鏡面研磨し、界面活性剤を添加したピクリン酸飽和水溶液で腐食した後、倍率を100倍として光学顕微鏡で観察してオーステナイト結晶粒度を測定し、異常粒が存在する混粒の発生状況、整粒部粒度及び粗粒化温度を調査した。
なお、既に述べたように、本明細書における「混粒」、「異常粒」、「整粒部」及び「粗粒化温度」は、倍率を100倍として光学顕微鏡観察した場合における次の定義に基づくものを指す。また、混粒が発生することを「粗粒化が生じる」或いは「粗粒化する」ということも既に述べたとおりである。
「混粒」:視野内で最大頻度をもつ粒度番号の結晶粒から3番以上大きい結晶粒が20%以上の面積を占める状態、
「異常粒」:上記の粒度番号で3番以上大きい各々の結晶粒、
「整粒部」:異常粒の存在しない部分、
「粗粒化温度」:混粒が発生する最も低い温度。
次に、上記の直径が約130mmで長さが約24mmの各素材について、その長さ方向に深さ20mmの穴を開け、ドリル刃先の摩耗により加工不能となるまでの穴の数を被削性の指標とし、300個以上であれば被削性に優れていると判断した。
加工条件は、JIS G 4403(2006)に規定される高速度工具鋼SKH51の直径10mmのドリルを使用し、水溶性の潤滑剤を用いて、送り0.20mm/rev、回転数980rpmの条件で行った。
表3に、上記の試験結果をまとめて示す。なお、表3中に斜字体で表記したオーステナイト粒度番号に対応する温度が「粗粒化温度」であり、その温度を超えた加熱温度でのオーステナイト結晶粒度は測定しなかったので「−」で示した。上記斜字体で表記したオーステナイト粒度番号は、異常粒が生じて混粒となった場合の整粒部における粒度番号を示す。
Figure 0004899902
表3から明らかなように、本発明で規定する条件を満足する試験番号1、試験番号2及び試験番号6の場合、目標の粗粒化特性と被削性が得られている。特に、上記試験番号の粗粒化温度はいずれも1080℃以上と高く、このため、1000℃を超える高い温度で浸炭する場合にも粗粒化の発生が抑止されることが明らかである。
これに対して、化学組成が本発明で規定する条件を満足する鋼である鋼イを用いた場合であっても、浸炭処理前の鋼材中における炭窒化物及び窒化物、具体的には、Ti及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物である〔NbTi(CN)〕、〔NbV(CN)〕及び〔NbTiV(CN)〕及びAlNが発明で規定する条件から外れた試験番号3〜5及び試験番号7〜10の場合、粗粒化温度は高々1000℃であって本発明の目標に達していない。更に、試験番号9及び10は、目標の被削性も得られていない。
すなわち、試験番号3〜5の場合、目標の被削性は確保できているものの、直径20nmを超えて80nm以下のTi及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物の個数が合計で500個/1000μm2未満であるため、粗粒化温度は、試験番号3及び試験番号4の場合が980℃という極めて低い温度で、また、試験番号5の場合が1000℃という低い温度であった。
試験番号7の場合、目標の被削性は確保できているものの、浸炭処理前の鋼材中におけるTi及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物の析出量の合計が、質量%で、0.010%未満であるため、粗粒化温度は1000℃という低い温度であった。
試験番号8の場合、目標の被削性は確保できているものの、浸炭処理前の鋼材中におけるTi及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物である〔NbTi(CN)〕、〔NbV(CN)〕及び〔NbTiV(CN)〕の析出量の合計が、質量%で、0.010%未満で、しかも、直径20nmを超えて80nm以下のTi及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物の個数が合計で500個/1000μm2未満であるため、粗粒化温度は1000℃という低い温度であった。
試験番号9の場合、浸炭処理前の鋼材中におけるAlNの析出量が、質量%で、0.010%を超えるため、粗粒化温度は1000℃であった。また、被削性は、浸炭処理前の鋼材中におけるTi及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物の析出量の合計が、質量%で、0.040%を超えていたため、目標性能を満足していない。
試験番号10の場合、浸炭処理前の鋼材中におけるTi及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物の析出量の合計が、質量%で、0.010%未満で、マトリックスのフェライト・パーライト・ベイナイト組織におけるベイナイトの割合が15%を超えている。このため、粗粒化温度は960℃と低く、被削性も悪い。
(実施例2)
転炉溶製後に連続鋳造して、表4に示す化学組成を有する鋼A1〜A12及び鋼B1〜B9の鋳片を作製した。表4中の鋼A1〜A12は、化学組成が本発明で規定する範囲内にある鋼である。一方、鋼B1〜B9は、化学組成が本発明で規定する条件から外れた比較例の鋼である。
なお、鋼A1は基本鋼である。この鋼A1に対して、鋼A2及び鋼A3ではNb含有量を、鋼A4及び鋼A5ではTi含有量を、鋼A6及びA7鋼ではV含有量を、鋼A8ではAl含有量を、また、鋼A9及び鋼A10ではN含有量を、それぞれ、単独に変化させた。鋼A11は、鋼A1に対し、Moを非添加としNiを単独添加した。鋼A12では、鋼A1に対し、NiとMoを複合添加した。
一方、鋼A1に対して、鋼B1はNb含有量を低めに、鋼B2はNb含有量を高めに、鋼B3はTi含有量を低めに、鋼B4はTi含有量を高めに、鋼B5はV含有量を低めに、鋼B6はV含有量を高めに、鋼B7はAl含有量を高めに、鋼B8はN含有量を低めに、また、鋼B9はN含有量を高めに変化させた。
Figure 0004899902
上記の各鋳片に、1300℃で50分保持の加熱(溶体化処理)を行った後、分塊圧延して180mm×180mmの鋼片を作製した。
次いで、上記の各鋼片を、加熱温度を1270℃、加熱時間を35分として加熱した後熱間圧延して、直径が65mmの棒鋼を製造した。
このようにして得た直径65mmの棒鋼を長さ97.5mmに切断した後、据込みによる熱間鍛造を加熱温度1200℃、仕上げ温度950℃で行い、その後下記の条件で焼準処理を行って、直径が約130mmで長さが約24mmの素材を作製した。
・昇温速度:20℃/min、
・加熱温度:950℃、
・加熱温度から700℃の平均冷却速度:62℃/min、
・700〜550℃の平均冷却速度:3℃/min。
上記の直径が約130mmで長さが約24mmの各素材について、そのR/2部から棒状試料(直径20mmで長さ20mm)を切り出し、電解抽出分離分析法でTi及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物である〔NbTi(CN)〕、〔NbV(CN)〕及び〔NbTiV(CN)〕の析出量の合計及びAlNの析出量を求めた。
ここで、電解抽出分離分析法は、下記〈1〉〜〈4〉の条件で行った。
〈1〉電解液として、所謂「10%AA−メタノール溶液」である「10%アセチルアセトン−1%塩化テトラメチルアンモニウム−メタノール溶液」を使用し、定電位(−100mV vs SCE(飽和カロメル電極))又は定電流(20mA/cm2)によって、鋼約0.5gを電解する。
〈2〉電解後、孔径が0.2μmのニュークリポアフィルターで電解残渣(電解液中で凝集した前記の複合炭窒化物及びAlN)を吸引濾過して回収する。
〈3〉上記〈2〉によって回収した電解残渣を混酸(硫酸1、リン酸1、水1)で分解し、純水で定容してから、ICP(高周波誘導結合プラズマ)発光分光分析法又は原子吸光分析法でNb、Ti、V及びAlの定量分析を行う。
〈4〉各元素について、上記〈3〉で求めた電解量を鋼材中の含有量(質量%)に換算し、前記複合炭窒化物の合計の析出量を上記のNb、Ti及びVの換算含有量の合計で、また、AlNの析出量を上記のAlの換算含有量で示す。
また、各素材のR/2部について、抽出レプリカ法にて析出物を採取して透過電子顕微鏡(TEM)による観察に供した。
TEMにはエネルギー分散型X線検出器(EDS)を装備したものを用い、EDSによる元素分析から複合炭窒化物中に含有するNb、Ti、Vの複合形態及び形状を確認した。
なお、複合炭窒化物である〔NbTi(CN)〕、〔NbV(CN)〕及び〔NbTiV(CN)〕の個数は前記の実施例1の場合と同様に、次のようにして求めた。
すなわち、直径が80nm以下のものについて、倍率が100000倍の10視野で計数し、1000μm2当りの個数に換算した。この際、直径が20nm以下のものについては計数の対象から除外した。
更に、各素材のR/2部から、直径20mmの円筒状の試験片を切り出し、
(1)鏡面研磨して、ナイタールで腐食した後、光学顕微鏡でマトリックスの組織の観察を行うとともにベイナイトの割合を算出、
し、また、
(2)粗粒化試験、
に供した。
粗粒化試験は、高温浸炭のヒートパターンを模擬し、Ar雰囲気中で試験片を960〜1100℃で2時間保持することによって行った。なお、加熱保持後は水冷した。
このようにして得た各試験片の縦断面を鏡面研磨し、界面活性剤を添加したピクリン酸飽和水溶液で腐食した後、倍率を100倍として光学顕微鏡で観察してオーステナイト結晶粒度を測定し、異常粒が存在する混粒の発生状況、整粒部粒度及び粗粒化温度を調査した。
なお、既に述べたように、本明細書における「混粒」、「異常粒」、「整粒部」及び「粗粒化温度」は、倍率を100倍として光学顕微鏡観察した場合における次の定義に基づくものを指す。また、混粒が発生することを「粗粒化が生じる」或いは「粗粒化する」ということも既に述べたとおりである。
「混粒」:視野内で最大頻度をもつ粒度番号の結晶粒から3番以上大きい結晶粒が20%以上の面積を占める状態、
「異常粒」:上記の粒度番号で3番以上大きい各々の結晶粒、
「整粒部」:異常粒の存在しない部分、
「粗粒化温度」:混粒が発生する最も低い温度。
次に、上記の直径が約130mmで長さが約24mmの各素材について、その長さ方向に深さ20mmの穴を開け、ドリル刃先の摩耗により加工不能となるまでの穴の数を被削性の指標とし、300個以上であれば被削性に優れていると判断した。
加工条件は、JIS G 4403(2006)に規定される高速度工具鋼SKH51の直径10mmのドリルを使用し、水溶性の潤滑剤を用いて、送り0.20mm/rev、回転数980rpmの条件で行った。
表5に、上記の試験結果をまとめて示す。なお、表5中に斜字体で表記したオーステナイト粒度番号に対応する温度が「粗粒化温度」であり、その温度を超えた加熱温度でのオーステナイト結晶粒度は測定しなかったので「−」で示した。上記斜字体で表記したオーステナイト粒度番号は、異常粒が生じて混粒となった場合の整粒部における粒度番号を示す。
Figure 0004899902
表5から明らかなように、本発明で規定する条件を満たす試験番号11〜22の場合、目標の粗粒化特性と被削性が得られている。特に、上記試験番号の粗粒化温度はいずれも1060℃以上と高く、このため、1000℃を大幅に超える高い温度で浸炭する場合にも粗粒化の発生が抑止されることが明らかである。
これに対して、本発明で規定する条件から外れた比較例の試験番号23及び試験番号25〜31の場合、目標の被削性は確保できているものの、粗粒化温度は高々1000℃であって本発明の目標に達していない。また、試験番号24の場合、粗粒化温度は1100℃より高いが、目標とする被削性が得られていない。
具体的には、試験番号23、試験番号25、試験番号27及び試験番号30は、それぞれ、鋼B1、鋼B3、鋼B5及び鋼B8におけるNb、Ti、V及びNの含有量が本発明で規定する値よりも低いため、いずれも、浸炭処理前の鋼材中におけるTi及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物である〔NbTi(CN)〕、〔NbV(CN)〕及び〔NbTiV(CN)〕の析出量の合計が、質量%で、0.010%を下回り、しかも直径20nmを超えて80nm以下のTi及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物の個数が合計で500個/1000μm2未満であるため、粗粒化温度が低い。
試験番号24は、鋼B2におけるNbの含有量が本発明で規定する値よりも高いため、浸炭処理前の鋼材中におけるTi及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物である〔NbTi(CN)〕、〔NbV(CN)〕及び〔NbTiV(CN)〕の析出量の合計が、質量%で、0.040%を超えており、粗粒化特性は良好であるにもかかわらず、目標とする被削性が得られていない。
試験番号26は、鋼B4におけるTiの含有量が本発明で規定する値よりも高いため、また、試験番号28は、鋼B6におけるVの含有量が本発明で規定する値よりも高いため、それぞれ、粗大なTi窒化物(TiN)及びV窒化物(VN)を生成し、これを核として粗大なTi及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物である〔NbTi(CN)〕、〔NbV(CN)〕及び〔NbTiV(CN)〕が析出する。このため、浸炭処理前の鋼材中における直径20nmを超えて80nm以下の前記複合炭窒化物の個数の合計は500個/1000μm2未満であって、粗粒化温度が低い。
試験番号29は、鋼B7におけるAlの含有量が本発明で規定する値よりも高いため、また、 試験番号31は、鋼B9におけるNの含有量が本発明で規定する値よりも高いため、いずれも、浸炭処理前の鋼材中におけるAlNの析出量が0.015%を超え、また、粗大なAlNの生成に伴い、直径20nmを超えて80nm以下のTi及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物である〔NbTi(CN)〕、〔NbV(CN)〕及び〔NbTiV(CN)〕の個数が合計で500個/1000μm2未満であるため、粗粒化温度が低い。
本発明の高温浸炭用鋼材の粗粒化温度は1000℃を大幅に超える高い温度であるので、機械構造部品の素材に本発明の高温浸炭用鋼材を用いれば、1000℃を超える高い温度、更には1050℃を超える高い温度で浸炭する場合にも粗粒化の発生を確実に抑止でき、浸炭時間の短縮による製造コストの合理化が行える。また、本発明の高温浸炭用鋼材は被削性に優れているので、製造コストの著しい上昇を招くことがない。

Claims (1)

  1. 質量%で、C:0.10〜0.30%、Si:0.01〜2.00%、Mn:0.10〜2.00%、P:0.025%以下、S:0.10%以下、Cr:0.5〜2.5%、Nb:0.030〜0.060%、Ti:0.0010〜0.0030%、V:0.005〜0.015%、Al:0.060%以下及びN:0.0185〜0.0300%を含むとともに、Ni:0.1〜3.0%及びMo:0.02〜1.5%のうちの1種又は2種を含有し、残部はFe及び不純物からなり、浸炭処理前の鋼材中における炭窒化物及び窒化物について、Ti及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物の析出量の合計が質量%で0.010〜0.040%、且つAlNの析出量が質量%で0.015%以下を満たすとともに、直径20nmを超えて80nm以下のTi及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物の個数が合計で、500個/1000μm2以上であり、且つマトリックスの組織が、フェライト・パーライト組織又はベイナイトの割合が15%以下のフェライト・パーライト・ベイナイト組織であることを特徴とする高温浸炭用鋼材。
    但し、Ti及びVのうちの1種以上とNbの複合炭窒化物とは、〔NbTi(CN)〕、〔NbV(CN)〕及び〔NbTiV(CN)〕を指す。
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