JP2005163168A - 熱間鍛造後の焼きならしの省略可能な高温浸炭鋼の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高温浸炭時の粗大粒を防止し、熱間鍛造後の焼きならし省略可能な結晶粒粗大化防止に優れた高温浸炭鋼の製造。
【解決手段】 質量%で、C:0.1〜0.35%、Si:0.05〜0.5%、Mn:0.2〜2.0%を含有し、さらにTi又はNbの1種又は2種を0.1〜0.3%含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼素材を1250℃以上で熱間加工し、TiC又はTiCN又はNb(CN)を固溶させて熱間鍛造前のTiC又はTiCN又はNb(CN)析出物の内10〜100nmの粒子を30個/μm2以上とし、1100℃以下で熱間鍛造して鍛造終了後から500℃までの範囲を2℃/sec以下の冷却速度で冷却し、熱間鍛造後はベイナイト組織が5%以下、残部がフェライト・パーライト組織とし、硬さ200Hv以下、1000℃以上で浸炭した時に結晶粒度が7番以上かつ結晶粒度が3番以上異なる粗大粒が20%未満とする製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 質量%で、C:0.1〜0.35%、Si:0.05〜0.5%、Mn:0.2〜2.0%を含有し、さらにTi又はNbの1種又は2種を0.1〜0.3%含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼素材を1250℃以上で熱間加工し、TiC又はTiCN又はNb(CN)を固溶させて熱間鍛造前のTiC又はTiCN又はNb(CN)析出物の内10〜100nmの粒子を30個/μm2以上とし、1100℃以下で熱間鍛造して鍛造終了後から500℃までの範囲を2℃/sec以下の冷却速度で冷却し、熱間鍛造後はベイナイト組織が5%以下、残部がフェライト・パーライト組織とし、硬さ200Hv以下、1000℃以上で浸炭した時に結晶粒度が7番以上かつ結晶粒度が3番以上異なる粗大粒が20%未満とする製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、熱間鍛造で成形された浸炭部品の素形材用の浸炭鋼に関し、詳細には熱間鍛造後に焼きならしを省略して直接浸炭しても安定した結晶粒度特性が得られる浸炭鋼の製造方法に関する。
熱間鍛造をした浸炭鋼は、冷却時にベイナイト組織が発生し、浸炭時に浸炭粒度が比較的大きくなりかつ混粒が発生し易くなる。そこで一般的には焼きならしを実施して使用されている。ベイナイト組織の発生は硬さの向上につながり、鍛造後の機械加工において被削性を低下させる原因となる。特に浸炭鋼が使用される自動車の歯車の歯切り加工などでは機械加工前の硬さが220HV以下で規定されているところが多い。さらにベイナイト組織の発生により浸炭前の組織がフェライト・パーライト・ベイナイトの3相になると、浸炭後に混粒が発生し易くなることが知られている。
ベイナイト組織の発生を防止するために、熱間鍛造後の冷却時に変態点付近で冷却されるような簡易焼鈍炉を設置しているところも多く、変態点付近で徐冷するため結晶粒度が大きくなり、結果として疲労強度の低下を招き、さらに温度調整のため炉中雰囲気の加熱が実施されており、完全な熱処理省略によるコストの低減に至っていない(例えば、特許文献1参照。)。
従来の技術では、熱間圧延の条件を規定することにより熱間圧延ままで焼きならし処理を省略をしたものと同等の組織を有し、浸炭時に結晶粒が粗大化しない浸炭鋼が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
そこで、歯車、軸受部品、転動部品、シャフト類を、通常、例えばJIS G 4052、JIS G 4104、JIS G 4105、JIS G 4106等に規定されている中炭素の機械構造用合金鋼を使用し、熱間鍛造−焼きならし−切削により所定の形状に加工した後、浸炭焼入れを行う工程で製造する方法がある。この方法は、上記の製造工程における焼きならし工程は900〜950℃程度の温度範囲に加熱して組織を一旦オーステナイト化し、その後の冷却によってフェライト・パーライト組織に調整する方法である。
一方、本願の出願人は、熱間鍛造ままの状態で焼きならしを省略し、焼ならしと同等のミクロ組織、硬さ、結晶粒度特性を有する浸炭鋼を開発している(例えば、特許文献1参照。)。しかし、浸炭温度が1000℃を超えると、この特許文献1に記載の方法の程度であれば、結晶粒粗大化抑制に必要とするピンニング粒子量を確保できないため、結晶粒が粗大化する恐れがあった。
ところで、熱間鍛造は、通常1100〜1300℃の高温域で行われるため、熱間鍛造ままの組織は粗大なフェライト、パーライト、ベイナイト組織が1種又は2種以上混合した、不均一で硬質な組織となる。従って、熱間鍛造ままの状態では硬いため、切削加工が困難である。また、熱間鍛造ままの状態で浸炭処理を行えば、元の組織が粗大で不均一であるため、浸炭加熱時に一部の結晶粒が粗大化して「粗大粒」が発生する。浸炭部品の結晶粒の粗大化は熱処理歪みの大きな原因であり、熱処理歪みが大きければ騒音や振動の原因となる。そこで現状では、熱間鍛造の後に焼きならし処理を行うことによって浸炭前の組織を比較的軟質・均質なフェライト・パーライト組織に整え、軟質化によって切削加工性を改善し、均質化によって浸炭時の結晶粒の粗大化を防止している。近年の省エネルギー化、部品の製造コスト低減の観点から、焼きならし工程の省略が求められているが、上記のような切削加工性、結晶粒の粗大化の問題から、焼きならし工程を省略できないのが現状である。
一方、軸受部品、転動部品の中で高面圧が負荷される部品においては、高深度浸炭が行われている。高深度浸炭は通常、十数時間から数十時間の長時間を要するために、省エネルギーの視点から、浸炭時間の短縮が重要な課題である。浸炭時間短縮のためには、浸炭温度の高温化が有効である。通常の浸炭温度は930℃程度であるが、これに対して1000〜1050℃の温度域で高温浸炭を行うと浸炭時間がおよそ1/4程度に短縮できるため、浸炭温度の高温化のニーズは大きい。しかし、高温浸炭を行うと粗大粒が発生し、転動疲労特性等の必要な材質特性が得られないという問題が発生している。その理由は、浸炭温度の高温化によって結晶粒の成長を抑制している微細なピン止め粒子(AlN等)が凝集・粗大化し、ピン止め粒子の数が減少することによってピン止め効果が減少するためである。前述のように、焼きならしによって浸炭前の組織を均質なフェライト・パーライトに整えれば、通常浸炭の場合は従来鋼でも粗大粒の発生を防止可能であるが、高温浸炭の場合は防止できない。
これに対して、特定量のAl、Nb、Nを含有する鋼の熱間圧延、又は熱間鍛造後のNb(CN)、AlNの析出量を規定し、ピン止め粒子として微細なAlN、Nb(CN)を浸炭加熱時に多量分散させることによって高温浸炭においても粗大粒の発生を防止する技術が知られている。しかしながら、この技術は、熱間鍛造後に焼きならしを施すことが前提であって、切削加工性、及び粗大粒発生防止の制約から、熱間鍛造後に焼きならし処理を行うことが必要であり、熱間鍛造後に切削加工工程が入る場合は焼きならしが省略できない。また、熱間鍛造後に焼きならしを行えば、高温浸炭においても粗大粒の発生を防止できるが、通常の熱鍛ままの状態で高温浸炭を行う場合は防止できない。以上に述べた通り、高温浸炭時の粗大粒の発生を防止し、なおかつ、焼きならしの省略をも可能とする技術は依然として見当たらない。
本発明が解決しようとする課題は、熱間鍛造のままの状態で焼きならし処理を省略して焼きならし処理したものと同等のミクロ組織、硬さ、結晶粒度特性をもつ高温浸炭鋼の製造方法を提供することである。
上記の課題を解決するための本発明の手段は、請求項1の発明では、質量%で、C:0.1〜0.35%、Si:0.05〜0.5%、Mn:0.2〜2.0%を含有し、さらにTiまたはNbから選択した1種または2種を0.1〜0.3%含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼素材を熱間圧延時に加熱温度を1度もしくは2度以上にわたって1250℃以上とし、1250℃以上の温度で熱間圧延して鋼材を製造してTiCあるいはTiCNもしくはNb(CN)を固溶させ、熱間鍛造前に析出したTiCあるいはTiCNもしくはNb(CN)の析出物のうち、10〜100nmの粒子が30個/μm2以上において、さらに加熱温度および加工温度を1100℃以下として該鋼材を熱間鍛造し、鍛造終了から500℃までの温度範囲を2℃/sec以下の冷却速度で冷却することにより、熱間鍛造後の組織は5%以下のベイナイト組織と残部のフェライト・パーライト組織からなり、硬さは200Hv以下であり、1000℃以上で浸炭した時のオーステナイト結晶粒度は7番以上でかつ結晶粒度が3番以上異なる粗大粒は20%未満であることを特徴とする熱間鍛造後の焼きならしの省略可能な高温浸炭鋼の製造方法である。
請求項2の発明では、質量%で、C:0.1〜0.35%、Si:0.05〜0.5%、Mn:0.2〜2.0%を含有し、さらにTiまたはNbから選択した1種または2種を0.1〜0.3%含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼素材を熱間圧延時に加熱温度を1度もしくは2度以上にわたって1250℃以上とし、1050℃以上の熱間圧延温度で熱間圧延して鋼材を製造してTiCあるいはTiCNもしくはNb(CN)を固溶させ、熱間鍛造前に析出したTiCあるいはTiCNもしくはNb(CN)の析出物のうち、10〜100nmの粒子が30個/μm2以上において、さらに加熱温度および加工温度を1100℃以下として該鋼材を熱間鍛造し、鍛造終了から500℃までの温度範囲を2℃/sec以下の冷却速度で冷却することにより、熱間鍛造後の組織は5%以下のベイナイト組織と残部のフェライト・パーライト組織からなり、硬さは200Hv以下であり、1000℃以上で浸炭した時のオーステナイト結晶粒度は7番以上でかつ結晶粒度が3番以上異なる粗大粒は20%未満であることを特徴とする熱間鍛造後の焼きならしの省略可能な高温浸炭鋼の製造方法である
請求項3の発明では、請求項1または2の手段の鋼の製造方法において、素材の鋼の化学成分は、さらに質量%で、Ni:0.1〜1.0%、Cr:0.2〜2.0%、Mo:0.03〜0.35%から選択した1種または2種以上を含有していることを特徴とする熱間鍛造後の焼きならしの省略可能な高温浸炭鋼の製造方法である。
本発明における鋼素材の化学成分限定理由を説明する。なお、この説明における%は質量%である。
C:0.1〜0.35%
Cは、機械構造用部品として浸炭処理後の芯部強度を確保するために必要な元素である。0.1%未満では、その効果は十分に得られず、0.35%を超えると芯部の靱性を低下させる。そのためCの含有量を0.1〜0.35%とした。
Cは、機械構造用部品として浸炭処理後の芯部強度を確保するために必要な元素である。0.1%未満では、その効果は十分に得られず、0.35%を超えると芯部の靱性を低下させる。そのためCの含有量を0.1〜0.35%とした。
Si:0.05〜0.5%
Siは、転動疲労中の組織変化の遅延および焼入性に効果のある元素であるが、0.05%未満では脱酸効果が十分でなく、0.5%を超えると加工性を低下させる。そのため含有量を0.05〜0.5%とした。
Siは、転動疲労中の組織変化の遅延および焼入性に効果のある元素であるが、0.05%未満では脱酸効果が十分でなく、0.5%を超えると加工性を低下させる。そのため含有量を0.05〜0.5%とした。
Mn:0.2〜2.0%
Mnは、焼入性を向上させる元素であるが、0.2%未満では脱酸効果が十分でなく、2.0%を超えるとベイナイト組織が発生し加工性、粒度特性が低下する。そのため含有量を0.2〜2%とした。
Mnは、焼入性を向上させる元素であるが、0.2%未満では脱酸効果が十分でなく、2.0%を超えるとベイナイト組織が発生し加工性、粒度特性が低下する。そのため含有量を0.2〜2%とした。
TiまたはNb:選択的に1種又は2種を0.1〜0.3%
TiまたはNbは、本発明において重要な元素である。鋼中に微細に分散した析出物が冷却時の変態においてフェライトの生成核となり、より多くのフェライトを生成させて結晶粒を微細化し、かつ、フェライトの生成によりベイナイト組織の発生を抑えて硬さを低下させる。さらに、浸炭時には微細に分散した析出物の働きによりオーステナイト結晶粒の粗大化を防止する。TiまたはNbの選択的に1種又は2種の含有量が0.1%未満の場合には所望の効果が得られず、0.3%を超えると析出物が過剰となり、加工性や強度の低下を招く。そのためTiまたはNbは選択的に1種又は2種を0.1〜0.3%とした。なお、請求項として記載していないが、TiまたはNbは鋼中のfree−Nを固定してBの焼入性への効果を向上させるので、さらにBを添加した場合にはTiを0.025%以上含有していることが必要である。
TiまたはNbは、本発明において重要な元素である。鋼中に微細に分散した析出物が冷却時の変態においてフェライトの生成核となり、より多くのフェライトを生成させて結晶粒を微細化し、かつ、フェライトの生成によりベイナイト組織の発生を抑えて硬さを低下させる。さらに、浸炭時には微細に分散した析出物の働きによりオーステナイト結晶粒の粗大化を防止する。TiまたはNbの選択的に1種又は2種の含有量が0.1%未満の場合には所望の効果が得られず、0.3%を超えると析出物が過剰となり、加工性や強度の低下を招く。そのためTiまたはNbは選択的に1種又は2種を0.1〜0.3%とした。なお、請求項として記載していないが、TiまたはNbは鋼中のfree−Nを固定してBの焼入性への効果を向上させるので、さらにBを添加した場合にはTiを0.025%以上含有していることが必要である。
Ni:0.1〜1.0%、Cr:0.2〜2.0%、Mo:0.03〜0.35%から選択した1種または2種以上
Ni、Cr、Moの元素は、焼入性を向上させる元素であるが、多すぎるとベイナイト組織が発生し、加工性、粒度特性が低下する。逆に少なすぎればその効果が十分に期待できない。そこでNi:0.1〜1.0%、Cr:0.2〜2.0%以下、Mo:0.03〜0.35%とし、そのうち1種または2種以上を要求される用途に応じて選択して使用する。
Ni、Cr、Moの元素は、焼入性を向上させる元素であるが、多すぎるとベイナイト組織が発生し、加工性、粒度特性が低下する。逆に少なすぎればその効果が十分に期待できない。そこでNi:0.1〜1.0%、Cr:0.2〜2.0%以下、Mo:0.03〜0.35%とし、そのうち1種または2種以上を要求される用途に応じて選択して使用する。
N:不純物として、〜0.015%、好ましくは〜0.008%
Nは、0.015%を超えて含有するとTiNが増加し、被削性が低減される。そこで、このN含有量を0.015%以下とした。しかしながら、疲労強度、寿命の要求される場合においては、TiNが少ない方が好ましいので、特に、0.008%以下が望まれる。
Nは、0.015%を超えて含有するとTiNが増加し、被削性が低減される。そこで、このN含有量を0.015%以下とした。しかしながら、疲労強度、寿命の要求される場合においては、TiNが少ない方が好ましいので、特に、0.008%以下が望まれる。
本発明は、上記したように請求項として記載していないが、請求項1または2の鋼において、さらに、Bを0.0005〜0.005%を必要により適宜に添加することができる。この場合、Bは微量の添加により焼入性を向上させる元素であり、0.0005%未満ではその効果が十分得られず、0.005%を超えると逆に焼入性を低下させる。そのため0.0005〜0.005%を要求される用途に応じて適宜使用しても良い。
本発明において、熱間圧延して鋼材を製造するに先立ち、鋳造後凝固した鋼素材の加熱温度を1度もしくは2度以上にわたって1250℃以上に加熱する理由は、鋳造後の冷却中や熱間加熱温度にまで昇温する途中の1250℃未満の温度域で析出し成長した100nm超のTiCあるいはTiCNもしくはNb(CN)を熱間圧延時の加熱中に鋼材中に溶け込ませて熱間鍛造前のTiCあるいはTiCNもしくはNb(CN)からなる析出物のうち、10〜100nmの粒子からなる析出物を30個/μm2以上とするためであり、これはその後に行う1100℃以下の熱間鍛造温度、例えば1050℃や1100℃に先立って、1250℃以上の熱間圧延温度において大量のTiCあるいはTiCNもしくはNb(CN)を十分に固溶させておくためである。
さらに、熱間鍛造前のTiCあるいはTiCNもしくはNb(CN)からなる析出物のうち、10〜100nmの粒子からなる析出物を30個/μm2以上とするのは、浸炭処理前のTiCまたはTiCNは、浸炭温度の1000℃において、結晶粒の粗大化を抑制するためには、鋼材または鍛造部品中に30個/μm2以上のTiCあるいはTiCNもしくはNb(CN)の析出物が必要であることがわかったことによる。
また、熱間鍛造後の1100℃以下の熱間鍛造温度からの冷却条件の限定理由を述べると、熱間鍛造終了後、例えば1050℃〜500℃の温度範囲を2℃/sec以下の冷却条件で冷却するものであるが、冷却速度が2℃/secを超えるような過冷却ではベイナイト組織が発生する。そこで、冷却速度は2℃/sec以下とする。かくして、析出するTiCあるいはTiCNもしくはNb(CN)を適正化する。
さらに、TiCあるいはTiCNもしくはNb(CN)からなるピンニング粒子を10〜100nmに限定した理由を述べる。先ず、熱間圧延時の加熱前に析出していた粒子のうち、熱間圧延加熱時に固溶しなかった粒子の中には凝集・合体により成長し100nmを超えてピンニング効果を失うものが出てくるものがある。一方、1250℃以上の熱間加熱時に固溶し、熱間加工の最中およびその後の加工品の冷却時において析出したTiCあるいはTiCNもしくはNb(CN)からなる粒子は、粒子径が小さく、ピンニング効果を有する。以上の点から、浸炭時に結晶粒度粗大化抑制に寄与する粒子量を規定するだけでは不十分であり、その粒子径を10〜100nmに限定する必要がある。ただし、10nm未満の析出物については、電子顕微鏡で観察しても、その組成分析が困難なため、ピンニングには寄与するものの、請求範囲並びに個数にカウントから除外した。
本発明は、上記の手段とすることで、熱間鍛造後の焼きならしを省略できるにもかかわらず、1000℃以上の高温での浸炭後においてもTiCあるいはTiCNもしくはNb(CN)からなるピンニング効果により、目的とする結晶粒度が7番以上でかつ結晶粒度3番以上異なる粗大粒が20%未満である浸炭鋼を得ることができた。
以下に本発明の最良の実施の形態を表1および表2を参照して説明する。
表1に示す化学組成を有する100kg鋼塊を真空溶解炉にて溶製し、1260℃に加熱して表2に示す熱間加工温度および鍛造加熱温度でφ20mmの棒鋼材に鍛造した。さらに機械加工によりφ8mm×12mmの試験片を切り出し、加工フォーマスターによる熱間鍛造テストを実施した。
表1に示す化学組成を有する100kg鋼塊を真空溶解炉にて溶製し、1260℃に加熱して表2に示す熱間加工温度および鍛造加熱温度でφ20mmの棒鋼材に鍛造した。さらに機械加工によりφ8mm×12mmの試験片を切り出し、加工フォーマスターによる熱間鍛造テストを実施した。
熱間鍛造テストは、高周波加熱により室温から15secかけて表2に示すそれぞれのNo.における鍛造加熱温度に加熱し、60sec保持した後、それぞれのNo.における鍛造加熱温度マイナス100℃で高さ70%になるまで圧縮を行い、その後0.7℃/secの冷却速度にて室温まで冷却した。
圧縮したテストピースについて、電子顕微鏡観察用の試料を抽出レプリカにて作製し、析出物の形態及び量を調査をした。なお、10nm未満の析出物については、その組成分析が困難なため、個数のカウントから除外した。
さらに、圧縮したテストピースについて、1000℃、1050℃にてそれぞれ6時間保持した後、水焼入れを行いオーステナイト結晶粒度を調査し、その結果を表2に示す。
表2に見られるとおり、本発明の方法における鋼を発明鋼とするとき、発明鋼は熱間圧延による熱間加工温度を1260℃とし、鍛造加熱温度を1100℃以上のそれぞれのNo.における温度とし、鍛造終了後〜500℃の温度範囲を2℃/sec以下の範囲のそれぞれの冷却速度で冷却した。以上において、熱間加工後のTiCあるいはTiCNもしくはNb(CN)の析出物のうち、10〜100nmの粒子はいずれも30個/μm2以上であり、かつ熱間鍛造後の組織において、ベイナイト組織が5%以下であり、残部がフェライト・パーライト組織からなるものであり、1000℃以上で浸炭した後のオーステナイト結晶粒度は擬似浸炭後の結晶粒度に見られるとおりいずれも7番以上であり、混粒の発生も認められず、目的の結晶粒度が得られていることが確認された。
これに対し、組成は発明このNo.2と同様でも、熱間加工温度が1200℃のものは10〜100nmの粒子は20個/μm2と本発明で規定する個数以下であり、その結晶粒度も6.1番で本発明を満足するものでなかった。同じく組成は発明このNo.2と同様でも、冷却速度が10℃/secと本発明より高いものは、結晶粒度が4.2番と本発明を満足するものでなかった。さらに同じく組成は発明このNo.2と同様でも、熱間鍛造温度が1200℃と本発明より高いものは、浸炭が行えなかった。
以下に本発明の最良の実施の形態を表1及び表3を参照して説明する。
表1のNo.2に示す化学組成を有する100kg鋼塊を真空溶解炉にて溶製し、表3に示す熱間加熱温度に加熱してから表3の熱間加工温度および鍛造加熱温度でφ20mmの棒鋼材に鍛造した。熱間鍛造テスト、析出物の形態および量を調査、オーステナイト結晶粒度の調査については表3の条件の下で第一の実施の形態に準じて行った。熱間温度は鋼塊を1260℃で一旦加熱した後、炉の雰囲気温度を表3の熱間加工温度に設定し直して鋼塊をその温度にし、それを炉から取り出して加工した。
表1のNo.2に示す化学組成を有する100kg鋼塊を真空溶解炉にて溶製し、表3に示す熱間加熱温度に加熱してから表3の熱間加工温度および鍛造加熱温度でφ20mmの棒鋼材に鍛造した。熱間鍛造テスト、析出物の形態および量を調査、オーステナイト結晶粒度の調査については表3の条件の下で第一の実施の形態に準じて行った。熱間温度は鋼塊を1260℃で一旦加熱した後、炉の雰囲気温度を表3の熱間加工温度に設定し直して鋼塊をその温度にし、それを炉から取り出して加工した。
ここで熱間加熱温度と熱間加工温度の違いを説明する。実際の操業においては次の3種類の場合があり得る。第1の例は、鋳片や圧延前の素材を加熱炉で加熱後、分塊圧延機や棒鋼圧延機等にかけるまでの間に時間を要し、1250℃以上に加熱したにもかかわらず1050℃以上1250℃未満の圧延開始温度で加工される場合である。第2の例は、鋳片を分解圧延するための温度調節のためにする1250℃以上にする加熱と、これを一旦室温まで冷却したり高温のまま輸送して熱間圧延のため1050℃以上1250℃未満の温度に再度加熱等によって、2回以上の加熱を施す場合である。第3の例は、分塊圧延や棒鋼圧延において、ソーキング等と熱間加工のためそれぞれの目的のために前者を1250℃以上、後者を1050℃以上1250℃未満の温度になるよう連続して加熱を施す場合である。これらは何れの場合においても一旦1250℃以上に加熱してTiC等を固溶させているので熱間加工温度が1250℃未満であるにもかかわらず、第1の実施の形態と同等の効果が得られる。以上のとおり、鋼材を加熱する温度と熱間加工を開始する温度は必ずしも同一の温度とは限らず、本願においては前者を熱間加熱温度、後者を熱間加工温度と称している。
なお上述した何れの例においても、前者の温度と後者の温度を何れも1250℃以上にする場合は第1の実施の形態に相当する。
なお上述した何れの例においても、前者の温度と後者の温度を何れも1250℃以上にする場合は第1の実施の形態に相当する。
表3に見られるとおり、本発明の方法における鋼を発明鋼とするとき、発明鋼は熱間圧延による熱間加工温度を1260℃とし、熱間加工温度を1050℃以上とすると、第1の実施の形態と同様に疑似浸炭後の結晶粒が微細かつ混粒の発生が認められず良好である。一方、加熱温度を1200℃と低くすると鋳造後冷却中の1250℃未満での温度や熱間加熱温度にまで昇温する途中の1250℃未満での温度域で析出したTiC等の固溶が不十分となったため10〜100nmの粒子が20個/μm2しか析出せず、疑似浸炭後の結晶粒も粒度番号が6.1にまで粗大化し、一部に混粒が認められた。
以上から、同じ化学組成の鋼材でも、粗大粒の発生を抑制できる場合もあれば、できない場合もあり、化学組成を制限するのみでは粗大粒を防止することはできない。化学組成以外の要因として、熱間加工後の鋼材の炭窒化物の析出状態が重要であることがわかる。
さらに、浸炭時に結晶粒の粗大化を防止するには、ピン止め粒子として微細なTiCあるいはTiCNもしくはNb(CN)を浸炭加熱時に多量に分散させることがポイントであることがわかる。
熱間加工後の鋼材に、一定量以上のTiCあるいはTiCNもしくはNb(CN)をあらかじめ微細析出させるためには、熱間加工の加熱温度を極力高温にしてTiCあるいはTiCNもしくはNb(CN)を一旦マトリックス中に固溶させ、熱間鍛造後の冷却時にTiCあるいはTiCNもしくはNb(CN)を析出させることによってTiCあるいはTiCNもしくはNb(CN)を一定量以上、微細分散させることができる。
上記のように炭窒化物の規制を満足したとしても、冷却速度を規定しない限り、熱間鍛造後の鋼材にベイナイト組織が一定量すなわち5%以上混入すると、浸炭加熱時の粗大粒発生の原因となるのみならず、硬さが増加することによって浸炭前の切削加工が困難となる。
熱間加工後のTiCまたはTiCNの析出量の限定理由は、浸炭処理前のTi炭化物もしくはTi炭窒化物の数と結晶粒粗大化温度の関係を調査した結果、浸炭温度1000℃以上において結晶粒の粗大化を抑制するためには、鋼材または鍛造部品中に30個/μm2以上の析出物が必要であることが判明した。すなわち、鍛造部品中に析出物が30個/μm2以上となったときに、結晶粒の粗大化の抑制作用が発揮され、表2および表3では、40個/μm2以上で粗大化防止が有効に発揮されていることがわかった。
Claims (3)
- 質量%で、C:0.1〜0.35%、Si:0.05〜0.5%、Mn:0.2〜2.0%を含有し、さらにTiまたはNbから選択した1種または2種を0.1〜0.3%含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼素材を熱間圧延時に加熱温度を1度もしくは2度以上にわたって1250℃以上とし、1250℃以上の温度で熱間圧延して鋼材を製造してTiCあるいはTiCNもしくはNb(CN)を固溶させ、熱間鍛造前に析出したTiCあるいはTiCNもしくはNb(CN)の析出物のうち、10〜100nmの粒子が30個/μm2以上において、さらに加熱温度および加工温度を1100℃以下として該鋼材を熱間鍛造し、鍛造終了から500℃までの温度範囲を2℃/sec以下の冷却速度で冷却することにより、熱間鍛造後の組織は5%以下のベイナイト組織と残部のフェライト・パーライト組織からなり、硬さは200Hv以下であり、1000℃以上で浸炭した時のオーステナイト結晶粒度は7番以上でかつ結晶粒度が3番以上異なる粗大粒は20%未満であることを特徴とする熱間鍛造後の焼きならしの省略可能な高温浸炭鋼の製造方法。
- 質量%で、C:0.1〜0.35%、Si:0.05〜0.5%、Mn:0.2〜2.0%を含有し、さらにTiまたはNbから選択した1種または2種を0.1〜0.3%含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼素材を熱間圧延時に加熱温度を1度もしくは2度以上にわたって1250℃以上とし、1050℃以上の熱間圧延温度で熱間圧延して鋼材を製造してTiCあるいはTiCNもしくはNb(CN)を固溶させ、熱間鍛造前に析出したTiCあるいはTiCNもしくはNb(CN)の析出物のうち、10〜100nmの粒子が30個/μm2以上において、さらに加熱温度および加工温度を1100℃以下として該鋼材を熱間鍛造し、鍛造終了から500℃までの温度範囲を2℃/sec以下の冷却速度で冷却することにより、熱間鍛造後の組織は5%以下のベイナイト組織と残部のフェライト・パーライト組織からなり、硬さは200Hv以下であり、1000℃以上で浸炭した時のオーステナイト結晶粒度は7番以上でかつ結晶粒度が3番以上異なる粗大粒は20%未満であることを特徴とする熱間鍛造後の焼きならしの省略可能な高温浸炭鋼の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の鋼の製造方法において、素材の鋼の化学成分は、さらに質量%で、Ni:0.1〜1.0%、Cr:0.2〜2.0%、Mo:0.03〜0.35%から選択した1種または2種以上を含有していることを特徴とする熱間鍛造後の焼きならしの省略可能な高温浸炭鋼の製造方法。
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