JP5325432B2 - 冷間加工品の製造方法 - Google Patents

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本発明は、自動車などの輸送機械や、建設機械その他の産業機械などにおいて、特に浸炭処理して使用される機械部品に適した、冷間加工品の製造方法に関するものである。
自動車のクランクシャフトや歯車には、優れた疲労特性、耐磨耗性および耐ピッチング性が求められる。そのため、クロム鋼、クロム−モリブデン鋼およびニッケル−クロム−モリブデン鋼等を、冷間鍛造に代表される冷間加工と切削により所定の形状に加工後、肌焼きと呼ばれる浸炭処理や浸炭窒化処理を施すことによって、製造されている。
ここで、冷間鍛造は、熱間鍛造に比べて製造コストが低く、製品歩留まりも良好であることに加え、製品の表面性状や寸法精度に優れている。このため、従来は熱間鍛造で製造されていた部品を、冷間鍛造による製造へ切り替えることが指向されている。その結果、近年では、冷間鍛造後に浸炭や浸炭窒化といった表面硬化処理を施して製造される部品が、顕著に増加している。
上記の浸炭処理や浸炭窒化処理において、焼入れ時に熱処理歪が生じると、例えば歯車の場合には、騒音や振動の原因となるだけでなく、形状が狂うために、研磨等の修正工程が必要となり、またシャフト形状部品の場合には曲がりを生じ、これを矯正することが必要となるため、いずれも製造コストが上昇する原因となる。
上記の熱処理歪は、特に高温で処理される浸炭部品で顕著であり、熱処理中にγ粒が局所的に粗大化し、焼入れ性が不安定となるため、マルテンサイト変態時の膨張による応力不均一に起因して生じるとされている。
従来は、浸炭処理におけるγ粒の粗大化を防止するために、熱間圧延後の鋼材中のAlNの析出状態や、NbやTiの炭窒化物などを微細析出させ、かつ析出量や分布等を制御することによって、これら析出物のピン止め効果を活用する手法が一般的である。
例えば、特許文献1および特許文献2には、鋼の熱履歴とAl、Nb、N量を調整し、AlとNb窒化物のピン止め効果によって粗大化を抑制することが提案されている。しかし、AlやNbの窒化物は粗大化しやすく、かつ添加量を厳密に制御しないと効果がでないという問題があった。
また、特許文献3および特許文献4には、Al、Nb、Tiなどの窒化物、炭化物、炭窒化物形成元素の含有量と、各析出物の大きさや分布を圧延条件の規定にて制御する手法が開示されている。しかし、種々のサイズの圧延を行う、実際のラインでは、安定的に製造できないという問題があった。
特許文献5には、鋼中のC、Ti、Moの含有量を所定の範囲に制御することによって、フェライト相中に粒径10nm未満のナノ析出物を分散させることによって、浸炭処理時の粗大化の発生を防止し、熱処理歪を少なくする手法が提案されている。しかしながら、この技術では、靭性が低いことに加えて、浸炭層以外の強度が十分でなく、シャフトや歯車に適用することが困難という問題があった。
特開昭58-45354号公報 特開昭61-261427号公報 特開平11-50191号公報 特開平11-335777号公報 特開2003-321731号公報
本発明は、上記の問題点に鑑み開発されたものであり、浸炭処理を受けた際においても内部の強度および靭性を確保しつつ、熱処理歪の原因となる結晶粒の粗大化を効果的に抑制することができる、冷間加工品の有利な製造方法について提案することを目的とする。
さて、発明者らは、上記の目的を達成すべく、特に冷間鍛造の歪に関して鋭意研究を重ねた結果、以下に述べる知見を得るに到った。
(i)冷間鍛造による部品において、加工による歪量、特にせん断歪が大きい部位でγ粒の粗大化が顕著である。
(ii)最終の冷間鍛造工程に先立って、該最終冷間鍛造後の冷間加工品において最大せん断歪を生ずる部分のせん断歪を減ずる方向に、予歪加工を施すことで結晶粒の粗大化が抑制できる。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
即ち、本発明の要旨は、次の通りである。
(1)C:0.1〜0.4質量%、
Si:0.01〜1.2質量%、
Mn:0.01〜2.0質量%、
Al:0.01〜0.05質量%および
N:0.005〜0.02質量%
を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成からなる棒鋼を鋼素材として、複数回の冷間鍛造を施して冷間加工品を製造するに際し、最終の冷間鍛造を据込み加工とし、該最終の冷間鍛造を行うに先立ち、該最終の冷間鍛造後の冷間加工品において最大せん断歪を生ずる部分のせん断歪を減ずる方向への予歪加工として引抜き加工を、該引抜き加工における減面率(%)と前記据込み加工における据込率(%)とに
2×減面率−30≦据込率≦2×減面率+10、
10%≦減面率≦50%及び、
10%≦据込率≦70%
の関係を満足させて施し(但し、該引抜き加工の後に前記据込み加工を行うまでの間に焼鈍を施す場合を除く)、
前記最終の冷間鍛造後の冷間加工品の最大せん断歪を生ずる部分のせん断歪を1.0以下とすることを特徴とする冷間加工品の製造方法。
(2)前記(1)において、前記鋼素材が、さらに
Mo:0.05〜0.5質量%、
Nb:0.05質量%以下、
Ti:0.1〜0.5質量%、
Ni:2.0質量%以下、
Cr:2.0質量%以下、
V:0.1質量%以下、
Cu:1.0質量%以下、
Ca:0.005質量%以下および
B:0.004質量%以下
のうちから選んだ、1種または2種以上を含有する組成になることを特徴とする、耐結晶粒粗大化特性に優れた冷間加工品の製造方法。
本発明の製造方法を用いれば、冷間鍛造時には冷間加工性に優れ、同時に冷間鍛造工程で製造しても、例えば浸炭時に粗大粒の発生を安定的に抑制することができる。これにより、熱処理による歪みや曲がりの発生を防止することができるため、これまで、粗大粒の問題によって冷間加工に供し得なかった、部品を冷間加工に供することが可能になり、さらに冷間加工後の焼鈍を省略することも可能になり、本発明による産業上の効果は極めて顕著である。
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明の冷間加工品の素材について、その成分組成を詳しく説明する。
[成分組成]
浸炭用鋼の用途である歯車やクランクシャフトといった、機械構造部品として必要な特性を確保するために、本発明では成分組成を以下のように限定する。なお、以下、各成分の含有量は、特に指定が無い場合は全て質量%を意味するものとする。
C:0.1〜0.4%
Cは、冷間加工品の強度を高めるために添加する。しかしながら、C量が0.1%未満では必要な強度を確保することができず、一方 0.4%を超えると硬質化し、冷間加工性を確保することが難しくなるだけでなく、切削性や浸炭後の芯部靱性が劣化する。そのため、C量は0.1〜0.4%の範囲に限定する。より好ましくは0.12〜0.4%の範囲である。
Si:0.01〜1.2%
Siは、強度や疲労特性を向上させるために添加するが、0.01%未満ではその効果がない。一方、含有量が1.2%を超えると、その効果が飽和するだけでなく、冷間加工時の変形抵抗が高くなって加工性が低下したり、浸炭時の耐酸化性が低下する。そのため、Si量は0.01〜1.2%に限定する。より好ましくは、0.45%以下の範囲とする。
Mn:0.01〜2.0%
Mnは、有効な脱酸元素であるだけでなく、強度や焼入れ性を向上させるために添加するが、含有量が0.01%未満ではその効果がなく、2.0%を超えて添加すると、その効果は飽和するだけでなく、冷間加工時の変形抵抗が高くなり加工性が低下する。そのため、Mnは0.01〜2.0%に限定する。より好ましくは、1.8%以下の範囲とする。
Al:0.01〜0.05%
Alは、脱酸剤として有用であり、また強度及び延性を向上させる効果もあるため、0.05%を上限として添加する。ただし、0.01%未満の添加ではその効果は少なく、一方0.05%を超える添加はAlNが加熱時に十分溶体化しないため、結晶粒の粗大化を促す。そのため、Alは0.01〜0.05質量%の範囲に限定する。
N:0.005〜0.02%
Nは、AlNを析出させるために必要な元素であり、そのためには0.005%以上が必要である。一方、0.02%を超えると、析出するAlNの凝集がその核発生よりも優先するため、粗大なAlNが析出してしまい、かえってγ粒の粗大化抑制効果が低下する。また、鋼の清浄度を低下し、ブローホール発生の原因ともなる。したがって、Nは0.005〜0.02%とする。より好ましくは、0.007〜0.018%とする。
さらに、本発明では、以下に述べる元素を適宜含有させることができる。
Mo:0.05〜0.5%
Moは、鋼に強度、焼入れ性を与えるのに極めて有効な元素であるが、0.05%未満ではその効果は不十分であり、一方、添加量が0.5%を超えると、鋼の硬さが上昇し冷間鍛造性が劣化する。したがって、Moは0.05〜0.5%の範囲とする。
Nb:0.05%以下
Nbは、析出により粒成長をピンニングする効果があり、好ましくは0.005%以上で添加するが、0.05%を超えて添加してもその効果は飽和するため、0.05%以下とする。
Ti:0.1〜0.5%
Tiは、Ti系炭化物やを析出させ、ピンニング効果を向上させる上で有用な元素である。しかしながら、含有量が0.1%未満では析出物量が少なすぎて粗大粒の抑制に必要なピンニング効果が得られず、一方0.5%を超えると析出物が粗大化し、上記したピンニング効果が低下する。そのため、Tiは0.1〜0.5%の範囲に限定する。
Ni:2.0%以下
Niは、Mo同様に、鋼に強度および焼入れ性を与えるのに有効な元素であり、好ましくは0.2%以上で添加するが、含有量が2.0%を超えると、鋼の硬さが上昇し冷間鍛造性が劣化する。したがって、Niは2.0%以下の範囲とする。
Cr:2.0%以下
Crは、NiやMoと同様に、鋼に強度および焼入れ性を与えるのに有効な元素であり、好ましくは0.2%以上で添加するが、含有量が2.0%を超えると炭化物を安定化させて残留炭化物の生成を促進し、粒界強度を低下させ、また疲労強度の低下も招く。また、鋼の硬さが上昇し冷間鍛造性が劣化する。したがって、Crは2.0%以下の範囲とする。
V:0.1%以下
Vは、鋼に強度を与えるとともに、鋼中のC、Nと結びついてV(C,N)を形成し、結晶粒の粗大化抑制に有効に寄与する元素であり、好ましくは各々0.02%以上で添加するが、0.1%を超えると、鋼が硬くなって冷間鍛造性を劣化させる。そのため、Vは0.1%以下の範囲に限定する。より好ましくは、0.08%以下である。
Cu:1.0%以下
Cuは、固溶強化および析出強化によって強度を向上させる有用元素であり、また焼入性の向上にも有効に寄与するため、好ましくは0.2%以上で添加するが、含有量が1.0%を超えると熱間加工時に割れが発生し易くなり製造が困難となるため、1.0%以下に限定した。
Ca:0.005%以下
Caは、介在物を球状化し、疲労特性を改善する有用元素であるが、含有量が0.005%を超えて添加すると介在物が粗大化し疲労特性を劣化させる傾向にある。そのため、0.005%以下に限定した。より好ましくは0.001〜0.004%とする。
B:0.004%以下
Bは、粒界強化により疲労特性を改善するだけでなく、強度を向上させる有用元素であるが、0.004%を超えて添加してもその効果は飽和する。そのため、0.004%以下に限定した。より好ましくは0.0003%以上とする。
次に、本発明では、複数回の冷間加工を施して冷間加工品を製造するに際し、最終の冷間加工を行うに先立ち、該最終冷間加工後の冷間加工品において最大せん断歪を生ずる部分のせん断歪を減ずる方向に、予歪加工を施すことによって、該冷間加工品に例えば浸炭処理を施した際の結晶粒の粗大化を抑制することができる。
ここで、冷間加工として据え込み加工を行う場合に、本発明の前記予歪加工について具体的に説明する。通常は、図1に示すように、棒鋼1に据え込み加工を行って得られた冷間加工品2を浸炭処理に供している。本発明では、最終の据え込み加工後の冷間加工品2において、最大せん断歪を生ずる部分のせん断歪を減ずる方向に予歪を与えるために、図2に示すように、最終の据え込み加工の前に、予歪加工として引き抜きを行い、その後、最終の据え込み加工を行って得た、冷間加工品2を浸炭処理に供する。
上述のとおり、予歪加工を施してから最終の冷間加工を行って得た冷間加工品は、その後に浸炭処理を施した際に、結晶粒の粗大化は抑制されるのである。この機構は完全には解明されていないが、発明者らは次のような要因を想定している。
すなわち、浸炭前に局所的にせん断変形を顕著に受け、不均一にせん断歪が多く蓄積されていると、近接している結晶粒との間の方位差が大きくなり、かつ粒界に高い歪エネルギーが導入されるため、粒界面から核生成したフェライト粒の不均一が生じやすい。その結果、γ粒の核生成も不均一になり、局所的なγ粒の粗大化が発生すると考えられる。
ここで、例えば浸炭処理に供する冷間加工品における、せん断歪は1.0以下とする。これは、せん断歪が1.0を超える部位では、γ粒の粗大化が発生しやすいためであり、好ましくは0.8以下であることが結晶粒の粗大化抑制には有利である。
お、歪の各成分は有限要素法によって求めることができる。
[実施例1]
JIS SCr415 相当鋼(C:0.17%,Si:0.25%,Mn:0.85%,P:0.02%,S:0.01%, Al:0.03%, Cr:1.15%, Nb:0.02%、N:0.011%、残部Feおよび不可避的不純物)の鋼材を圧延して105mmφの素材を得た後、650℃で5h保持後に放冷する軟化熱処理をN雰囲気中で施した。その後、40〜100mmφの棒鋼を切り出し、表1に示す減面率に従って引抜き加工を施した後、圧延方向と平行に40mmφ×60mm高さの試験片を切り出したのち、70%圧下率の据え込み加工を行って冷間加工品を作製した。次いで、この冷間加工品に浸炭相当処理を施した。浸炭相当処理としては、930℃まで6℃/minで加熱(2.5h加熱)、7h均熱後、0.67℃/minで850℃まで冷却し20min保持した後に水冷処理を行った。
これらのサンプルについて、据え込み方向と平行な断面(L断面)の光学顕微鏡組織観察を行った。エッチングにはピクリン酸と界面活性剤の混合液を用いた。旧γ粒は、400倍で100視野観察した。その結果を表1に併記する。なお、旧γ粒の観察において、JISG0551に準じた粒度番号が3以下の粗大粒が1つでも観察された場合には、結晶粗大化特性に劣ると判定し×と表記した。
また、γ粒粗大化におよぼす歪の影響を定量的に把握するために、上記据え込み加工後の試験片における歪分布解析を実施した。解析方法及び解析条件として、静的陰解法(Abaqus Standardt)を用いて、試験片の半径方向1/2、長手方向1/2、全体の1/4モデルについて2次元のFEM解析を行い、粗大粒が発生する位置のせん断歪を求めた。図3に、FEM解析の一例を示す。
表1に示すように、本発明に従う条件の下に得られた冷間加工品では、浸炭相当処理後の旧γ粒径が粗大化していないことがわかる。また、この際、粗大粒が発生する位置における、FEM解析によって求めたせん断歪量は、冷間据込時の加工量(据込率:%)に対して適当な量(減面率:%)の冷間引抜き加工が予め行われた時に1.0以下まで軽減される。この場合、浸炭処理後に結晶粒の粗大化は生じていないことが分かる。なお、表1に示した結果について、冷間据込率及び引抜減面率と、浸炭後の結晶粒粗大化の有無との関係を示すグラフを図4に示す。
すなわち、図4から、2つの線分に挟まれた領域において、結晶粒の粗大化の無いことがわかる。この領域は、図4に示すとおり、
2×減面率−30≦据込率≦2×減面率+10、
10%≦減面率≦50%及び、
10%≦据込率≦70%
で規定される。
[実施例2]
表2および3に示す成分組成からなる鋼材を圧延して82mmφの棒素材を得た後、700℃で5h保持後に放冷する熱処理をN雰囲気中で施した。その後、67mmφの棒材を切り出し、減面率40%となるように、引抜き加工後、圧延方向と平行に40mmφ×60mm高さの試験片を切り出し、70%圧下率の据え込み加工を行った。また、この際、冷間鍛造割れの有無を評価し、割れが発生したものについては×と標記した。冷間鍛造後の試験片には、浸炭相当処理を施した。浸炭相当処理としては、930℃まで6℃/minで加熱(2.5h加熱)、7h均熱後、0.67℃/minで850℃まで冷却し20min保持した後に油冷処理を行った。
これらのサンプルについて据え込み方向と平行な断面(L断面)の光学顕微鏡組織観察を行った。エッチングにはピクリン酸と界面活性剤の混合液を用いた。旧γ粒は、400倍で100視野観察し、JIS G0551に準じた粒度番号が3以下の粗大粒が1つでも観察された場合には、結晶粗大化特性に劣ると判定し、表2および3の結晶粒粗大化有無の欄に×と表記した。
評価結果を表2および3に示すように、本発明に従う条件の下に得られた冷間加工品では、浸炭相当処理後の旧γ粒径が粗大化しておらず、また、冷間鍛造性も優れていることが分かる。一方、本発明範囲外の比較鋼では、旧γ粒の粗大化が発生するか、あるいは冷間鍛造性が劣っている。
通常の据え込み加工を示す図である。 本発明に従う冷間加工の手順の一例を示す図である。 組織の光学顕微鏡写真とFEM解析結果を示す図である。 冷間据込率および引抜減面率と、浸炭後の結晶粒粗大化の有無との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 棒鋼
2 冷間加工品

Claims (2)

  1. C:0.1〜0.4質量%、
    Si:0.01〜1.2質量%、
    Mn:0.01〜2.0質量%、
    Al:0.01〜0.05質量%および
    N:0.005〜0.02質量%
    を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成からなる棒鋼を鋼素材として、複数回の冷間鍛造を施して冷間加工品を製造するに際し、最終の冷間鍛造を据込み加工とし、該最終の冷間鍛造を行うに先立ち、該最終の冷間鍛造後の冷間加工品において最大せん断歪を生ずる部分のせん断歪を減ずる方向への予歪加工として引抜き加工を、該引抜き加工における減面率(%)と前記据込み加工における据込率(%)とに
    2×減面率−30≦据込率≦2×減面率+10、
    10%≦減面率≦50%及び、
    10%≦据込率≦70%
    の関係を満足させて施し(但し、該引抜き加工の後に前記据込み加工を行うまでの間に焼鈍を施す場合を除く)、
    前記最終の冷間鍛造後の冷間加工品の最大せん断歪を生ずる部分のせん断歪を1.0以下とすることを特徴とする冷間加工品の製造方法。
  2. 請求項1において、前記鋼素材が、さらに
    Mo:0.05〜0.5質量%、
    Nb:0.05質量%以下、
    Ti:0.1〜0.5質量%、
    Ni:2.0質量%以下、
    Cr:2.0質量%以下、
    V:0.1質量%以下、
    Cu:1.0質量%以下、
    Ca:0.005質量%以下および
    B:0.004質量%以下
    のうちから選んだ、1種または2種以上を含有する組成になることを特徴とする冷間加工品の製造方法。
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