JP4895271B2 - 部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムを用いたabs系樹脂及びその製造方法 - Google Patents

部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムを用いたabs系樹脂及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ABS系樹脂の主成分である芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体との混合物に対して優れた溶解性を有し、且つハンドリング性に優れた部分水添ゴム、及びこれを用いた耐熱性、耐候性、耐衝撃性、光沢性等に優れたABS系樹脂及びその製造方法に関する。
従来からABS系樹脂の製造方法としては、乳化重合、塊状重合、塊状‐懸濁重合、溶液重合等が知られている。特に、ゴムラテックスをベースにして、これに芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体を加えてグラフト重合させる乳化重合法は、光沢性、耐衝撃性等の面で優れており、広範囲に使用されている。
最近、分子構造の自由度が大きいアニオン重合ゴムを、芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体との混合物に溶解し、塊状重合または塊状‐懸濁重合もしくは溶液重合する方法により製造される、いわゆるマスABSが注目されている。該製法を用いて製造されたABS系樹脂は、樹脂中に乳化剤等の不純物が少ないため、臭気・変着色の問題が少ない。また該製法は、乳化剤等を含んだ排水の処理等の負担がないためコスト面で有利である。
さらに、上記のマスABSの製造において、使用するゴム成分中の共役ブタジエン単位を部分的に水素添加し、ゴム成分の熱安定性、耐候性を改良させることにより、ABS系樹脂の熱安定性・耐候性を改良する試みが知られている。
しかしながら、部分水添ゴム自体がコールドフローを起こしやすく、ベールの成型性は不十分なレベルにある。また、部分水添ゴムの芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体との混合物に対する溶解性不良によるABS系樹脂の製造効率低下や、物性変動等の問題もある。さらに、得られたABS系樹脂の光沢性、耐衝撃性等は十分なレベルにはない。
例えば、特許文献1には、ポリブタジエン又はスチレン・ブタジエンのブロック共重合体の部分水添物を用いたマスABSが開示されている。
しかし、特許文献1に開示されているポリブタジエンの部分水添物は、芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体とからなる混合物への溶解性が著しく不良で、ハンドリング性に劣り、得られたABS系樹脂の光沢性、耐衝撃性も不十分である。
特許文献2には、ABS系樹脂のリサイクル性を改良のために、部分水添ゴムを使用する方法が開示されているが、この場合にも使用する部分水添ゴムはハンドリング性に劣り、ABS系樹脂の光沢性、耐衝撃性が不良である。
特許文献3には、耐衝撃性スチレン系樹脂の強靭化剤として、部分水添ポリブタジエンゴムが開示されている。しかし、特許文献3に開示されている部分水添ポリブタジエンゴムも、芳香族族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体との混合物への溶解時間が長く、これを用いても満足できる性能を有するABS系樹脂は得られない。
このように、マスABS系樹脂を製造する際に従来知られている部分水添ゴムの用いたると、芳香族族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体との混合物に対するゴム溶解性が著しく低下し、ハンドリング性にも劣るためABS系樹脂の製造効率が低下するという問題や、ABS系樹脂の特徴である光沢性、耐衝撃性が十分でないという問題が発生する。
特許第3168077号公報 特開平5−305613号公報 特開昭64−90208号公報
本発明は、マスABS系樹脂を製造するのに適した部分水添ゴム、これを用いて製造されたABS系樹脂及びその製造方法を提供することにある。
具体的には、芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体との混合物に対する溶解性が高くハンドリング性の良好な部分水添ゴムを提供することにより、製造効率に優れたABS系樹脂の製造法を提供し、さらに、耐衝撃性、光沢性、及び耐変色性等に優れたABS系樹脂を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の結合スチレン含有量、水添率、SV、ML/SV値を有する部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムが、ハンドリング性、芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体との混合物に対する溶解性に優れることを見出した。
さらに、スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムを用いるマスABS系樹脂においては、スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムの分子量分布やそのブロックスチレン部の分子量分布を特定の値以下とすることにより、耐衝撃性、光沢性、各種物性バランスが向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
以下の(1)〜(6)の条件を満たすABS系樹脂製造用部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム。
(1)結合スチレン含有量が、5〜40重量%
(2)ブロックスチレン部の分子量分布が、1.00〜1.50
(3)部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体の分子量分布が、1.00〜1.19
(4)水添率が、5〜38モル%
(5)25℃における5重量%スチレン溶液粘度(SV)が、5〜23cps
(6)ムーニー粘度(ML)の値を25℃における5重量%スチレン溶液粘度(SV)で割ったML/SV値が、3.2以上
さらに、本発明は、このような部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムを利用したABS系樹脂の製造方法、及び、このような部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムを含むABS系樹脂である。
本発明の部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムは、ハンドリング性に優れ、芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体との混合物に対する溶解性にも優れており、これを使用して製造した本発明のABS系樹脂は、光沢性、耐熱性、耐候性、耐衝撃性等にも優れている。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においてABS系樹脂とは、成分として、少なくとも、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物及びブタジエンを含む樹脂をいう。
本発明の部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムは、少なくとも1個のスチレンブロックと、少なくとも1個のブタジエンブロックとを包含するブロック共重合体である。部分水添ゴムの性能、製造のしやすさ及びABS樹脂の性能面から、ジブロックタイプのスチレン・ブタジエンブロック共重合体が好ましい。
条件(1)の結合スチレン含有量について説明する。
本発明の部分水添スチレン・ブタジエン共重合体ゴム中の結合スチレン含有量は5〜40、好ましくは7〜38、更に好ましくは10〜37重量%の範囲である。
結合スチレン含有量が5重量%未満の場合には、部分水添ゴムがコールドフローを起こしやすくなるし、芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体との混合物に対する溶解性も不良となりゴム溶解に長時間を要する。特に結合スチレン量が極度に少ない場合には、部分水添ポリブタジエンと同じように不溶解性となる。
一方、結合スチレン含有量が40重量%を超える場合には、多量の部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムを添加しなければ十分な耐衝撃性を確保できないという問題があるし、部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム自体が粉末状となりベール状の成型物とはなりにくくなる。
結合スチレン含有量は、水添前のスチレン・ブタジエン共重合体、又は水添後の部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムをクロロホルム中に溶解させ、紫外線分光光度計を用いて、262nmのフェニル基の吸収強度より求められる。
条件(2)のブロックスチレン部の分子量分布について説明する。
本発明におけるブロックスチレン部の分子量分布とは、部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム中のブロックスチレン部の重量平均分子量と数平均分子量との比(重量平均分子量/数平均分子量)をいう。
本発明の部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム中のブロックスチレン部の分子量分布は1.00〜1.50であり、好ましくは1.01〜1.50、より好ましくは1.02〜1.40、更に好ましくは1.02〜1.30である。
1.50を超える場合には、得られるABS系樹脂の耐衝撃強度が低下するし、部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム自体のコールドフロー性が不良となる傾向がある。また、1.01未満とすることは製造上困難である。
ブロックスチレン部の分子量分布は、I.M.Kolthoff,etal.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の四酸化オスミウム分解法を用いて水添前のスチレン・ブタジエンブロック共重合体、又は水添後の部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムを分解した後、得られたブロックスチレン部の分子量分布をGPCにより測定することにより求められるし、核磁気共鳴法により求めることもできる。
条件(3)の分子量分布について説明する。
本発明における部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムの分子量分布とは、重量平均分子量と数平均分子量との比(重量平均分子量/数平均分子量)をいう。
分子量分布は1.00〜1.19であることが必要である。
分子量分布が大きすぎると得られるABS系樹脂中のゴム質粒子粒子径分布が広くなり、光沢性、耐衝撃性が低下する。また、分子量分布を1.01未満とすることは製造上困難である。分子量分布は、好ましくは1・01〜1.19で、より好ましくは1.03〜1.14、更に好ましくは1.05〜1.10である。
分子量分布は常法に従ってゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定できる。
条件(4)の水添率について説明する。
本発明の部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムの水添率は5〜38モル%である。
ここで、水添率は、部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムの共役ジエン単位である不飽和1,4結合単位、不飽和1,2結合単位、及び共役ジエン単位が水添された飽和1,4結合単位及び飽和1,2結合単位の量を、それぞれA、B、C、D(モル%)とした場合、以下の式で表される。
水添率(モル%)={(C+D)/(A+B+C+D)}×100
水添率が、5モル%未満では得られるABS系樹脂の耐熱性が低下し、38モル%を越える場合には、芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体との混合物への溶解性が低下し、粉末状になりやすくなり成型性が不良となる。水添率は好ましくは10〜37モル%で、より好ましくは12〜36モル%である。
なお、BについてはB/(A+B+C+D)が0.1〜15モル%、より好ましくは0.2〜13モル%であることが好ましい。不飽和1,2結合単位のモル比Bが多すぎると得られるABS系樹脂の耐熱安定性が劣り、少なすぎるとグラフト反応性が低下し、得られるABS系樹脂の耐衝撃性等が低下する傾向にある。
条件(5)のスチレン溶融粘度(SV)について説明する。
本発明の部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムの25℃における5重量%スチレン溶液粘度(SV)は5〜23cps、好ましくは7〜20、更に好ましくは8〜18cpsである。
5cps未満では、部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム自体がコールドフローを起こし、ハンドリング性が不良となる。
23cpsを越えると、得られるABS系樹脂の光沢性が極端に低下するし、部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムの芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体との混合物に対する溶解性が不良となる傾向にある。
条件(6)のML/SV値について説明する。
本発明の部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムの、ムーニー粘度(ML)を25℃における5重量%スチレン溶液粘度(SV)で割ったML/SV値は3.2以上となる必要があり、好ましくは3.5〜10.0、更に好ましくは4.0〜9.0である。
3.2未満の場合には、部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムがコールドフローを起こしやすくなる。
次に、本発明の部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムの製法について述べる。
本発明の部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムは、脂環式炭化水素溶媒中でのバッチ重合方式でアニオン重合法によりスチレン・ブタジエンブロック共重合体を得た後に、該共重合体を水添処理して得られる。
スチレン・ブタジエンブロック共重合体を脂環式炭化水素溶媒中でのバッチ重合方式で、アニオン重合法により重合することにより、その分子量分布及びブロックスチレン部の分子量分布を狭くすることができ、その結果、部分水添ブタジエンブロック共重合体ゴム及びそのブロックスチレン部の分子量分布を狭くすることができる。
特許文献1に開示されているn−ヘキサン溶媒を使用した連続式重合法でスチレン・ブタジエンブロック共重合体を製造した場合には、本発明の分子量分布の範囲を満足することは難しい。
脂環式炭化水素溶媒としては、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘプタンなどが挙げられる。
ここで、スチレン・ブタジエンブロック共重合体は、少なくとも1個、好ましくは少なくとも2個の重合体ブロックと、少なくとも1個の水添共重合体ブロックとを包含するブロック共重合体であるが、本発明の要件を満足する範囲で、ブタジエン(1,3−ブタジエン)と共に、2−メチル−1,3−ブタジエン(即ちイソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等を使用しても良いし、スチレンと共に、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン等を使用してもよい。
重合開始剤の例としては、ブタジエン及びスチレンに対してアニオン重合活性を有する脂肪族炭化水素アルカリ金属化合物、芳香族炭化水素アルカリ金属化合物、有機アミノアルカリ金属化合物等の有機アルカリ金属化合物が挙げられる。
アルカリ金属の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウムが挙げられる。好適な有機アルカリ金属化合物の例としては、炭素数1から20の脂肪族および芳香族炭化水素リチウム化合物であり、1分子中に少なくとも1個のリチウムを含む化合物であり、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ペンチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、トリルリチウム等が挙げられる。
ブタジエンとスチレンとを共重合する際に、共重合体に組み込まれるブタジエン(共役ジエン)に起因する不飽和1,2結合単位の量比等の調整をするために、調整剤としてテトラメチルエチレンジアミン等の第3級アミン化合物、又はテトラヒドロフラン等のエーテル化合物を添加することもできる。
重合温度のピークは、好ましくは40℃〜110℃、より好ましくは60〜100℃である。重合温度が高い場合には、重合中にリビング末端の失活反応が起こりスチレン・ブタジエンブロック共重合体の重合分子量分布が広くなるし、温度が低い場合には、スチレン・ブタジエンブロック共重合体の製造効率が低下する。
重合に要する時間は他の条件によって異なるが、通常は4時間以内であり、好ましくは0.3〜3時間である。重合時間が長くなるとリビング末端の失活反応が起こり分子量分布が広くなり、本発明の分子量分布とはならない。
また、単量体重量に対する脂環式炭化水素溶媒重量(脂環式炭化水素溶媒重量/全単量体重量)は、好ましくは3〜10、より好ましくは4〜7である。3未満の場合には、重合リアクター中の粘度が上がり、狭い分子量分布のスチレン・ブタジエンブロック共重合体をえることが困難となるし、10を超える場合には製造効率が低下する。
更に、重合中の攪拌速度は50rpm以上が好ましい。攪拌速度が十分でなければ、狭い分子量分布を到達することが困難となる。
重合圧力は、上記重合温度範囲で単量体及び溶媒を液相に維持するのに充分な圧力の範囲であれば特に限定はない。
更に、重合系内は触媒及びリビングポリマーを不活性化させるような不純物(水、酸素、炭酸ガスなど)が混入しないように留意する必要がある。
上記の方法で製造したスチレン・ブタジエンブロック共重合体を水添することにより、本発明での部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムが得られる。水添触媒は、特に限定はなく、公知の水添触媒を用いることができる。水添触媒の例として次のものが挙げられる。
(1)Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に
担持した担持型不均一系水添触媒、
(2)Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩などの遷移金属塩を
有機アルミニウム等の還元剤とともに用いる、いわゆるチーグラー型水添触媒、及び
(3)Ti、Ru、Rh、Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等の均一系
水添触媒。
具体的な水添触媒としては、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公
報、特公昭63−4841号公報(米国特許第4,501,857号に対応)、特公平1
−37970号公報(米国特許第4,673,714号に対応)、特公平1−53851
号公報、特公平2−9041号公報に記載された水添触媒を使用することができる。好ま
しい水添触媒の例としては、チタノセン化合物、及びチタノセン化合物と還元性有機金属
化合物との混合物が挙げられ、該水添触媒は、不飽和1,2結合単位を不飽和1,4結合単位に先立って選択的に水添できる触媒であり、本発明での部分水添ゴムの製法においては好ましい水添触媒である。
チタノセン化合物としては、特開平8−109219号公報に記載された化合物が使用
できる。具体的には、ビスシクロペンタジエニルチタンジクロライド、モノペンタメチル
シクロペンタジエニルチタントリクロライド等の(置換)シクロペンタジエニル骨格、イ
ンデニル骨格あるいはフルオレニル骨格を有する配位子を少なくとも1つ以上有する化合
物が挙げられる。また、還元性有機金属化合物の例としては、有機リチウム等の有機アル
カリ金属化合物、有機マグネシウム化合物、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物
、有機亜鉛化合物が挙げられる。
水添反応は、通常0〜200℃、好ましくは30〜150℃の温度範囲で実施する。水添反応に使用される水素の圧力は、通常0.1〜15MPa、好ましくは0.2〜10MPa、更に好ましくは0.3〜5MPaである。また、水添反応時間は通常3分〜10時間、好ましくは10分〜5時間である。水添反応は、バッチプロセス、連続プロセス、それらの組み合わせのいずれでも用いることができる。
上記の水添反応により部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムの溶液が得られた後、必要に応じて溶液から触媒残査を除去し、部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムを溶液から分離させる。溶媒を分離する方法の例としては、水添後の反応液にアセトンまたはアルコール等の部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムに対する貧溶媒となる極性溶媒を加え、部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムを沈澱させて回収する方法、反応液を撹拌下熱湯中に投入しスチームストリッピングにより溶媒を除去して回収する方法、及び部分水添ゴムスチレン・ブタジエンブロック共重合体溶液を直接加熱して溶媒を留去する方法等が挙げられる。
次に、本発明の部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムを使用したABS系樹脂の製造方法について述べる。
本発明においては、部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムを、少なくとも芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体とを含む混合物に、好ましくは全単量体と部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムとの合計重量を100として2〜50重量%の濃度で溶解し、ラジカル開始剤の存在下に撹拌下で重合を行う。
この範囲以下の部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムの使用量では、十分な耐衝撃性が得られにくい。一方、この範囲以上の使用量では、部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム溶液の粘度が高くなりすぎて、部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムの分散粒子径の制御が困難となる。
また、重合途中に単量体の一部または重合体の一部あるいは単量体と重合体の混合物の一部を追加したり、さらに、重合後に重合体の一部を追加することなどにより部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム成分を希釈することも可能である。その場合、最終的に得られるABS系樹脂中の部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム成分は2〜40重量%であることが好ましい。
部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム成分の含有量が少なすぎると耐衝撃性が劣り、多すぎると引張強度、剛性、光沢性が劣る。部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム成分の含有量は5〜30重量%がより好ましい。
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、ビニルナフタレンのほか、α‐メチルスチレン、α‐エチルスチレンのような側鎖アルキル置換スチレン;パラメチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレンのようなビニルトルエン;オルトまたはパラ‐t‐ブチルスチレンのような核置換スチレン;モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、トリブロモスチレン、テトラブロモスチレンのようなハロゲン化スチレン;パラ‐ヒドロキシスチレン;オルト‐メトキシスチレン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。
これらのうち、スチレン、α‐メチルスチレン、パラメチルスチレンが好ましい。
また、シアン化ビニル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、及びそれらの誘導体等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。
芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体の比率は50〜90重量部対50〜10重量部が好ましく、より好ましくは60〜85重量部対40〜15重量部である。
本発明において芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体との混合単量体に、更に共重合可能な他の単量体を用いることも可能である。このような他の単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらのメチル、エチル、プロピル、ブチルなどのエステル、酢酸ビニル、無水マレイン酸、N‐メチルマレイミド,N‐フェニルマレイミドなどが挙げられ、その使用量は単量体全体に対して0〜30重量%であることが好ましい。
ラジカル開始剤としては、従来からスチレン系の樹脂の製造に用いられる公知の全てのラジカル開始剤を用いることができ、ペルオキシケタール類、ジアルキルペルオキシド類、ジアシルペルオキシド類、ペルオキシジカーボネート類、ペルオキシエステル類、ケトンペルオキシド類、ヒドロペルオキシド類などが挙げられる。
これらは、単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。
具体的には、ベンゾイルペルオキシド、t‐ブチルペルオキシネオデカノエート、1,1‐ビス(t‐ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1‐ビス(t‐ブチルペルオキシ)‐3,3,5‐トリメチルシクロヘキサン、t‐ブチルペルオキシベンゾエート、ジ‐t‐ブチルペルオキシドなどが好適に用いられる。
ゴム質粒子の平均分散粒子径は、0.1〜0.7μmであることが好ましい。平均分散粒子径が小さすぎると、ABS系樹脂の耐衝撃性が劣り、大きすぎると光沢性が劣る傾向にある。より好ましくは0.2〜0.6μmである。
ゴム質粒子の平均分散粒子径は、ゴム質粒子が形成される相転時に適度な撹拌条件とすることにより容易に制御できるが、特に、部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムの溶液粘度、相転時のグラフト率、マトリクスを形成する樹脂相の粘度、撹拌回転数等が重要である。
相転時のグラフト率は、部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムの構造のほか、ラジカル開始剤の種類、量、重合温度等の影響を受け、マトリクスを形成する樹脂相の粘度は、ラジカル開始剤の種類、量、重合温度と連鎖移動剤の種類、量等の影響を受ける。撹拌の回転数は装置によるところが大きいが、ゴム質粒子径を小さくするためには撹拌回転数を高くし、ゴム質粒子径を大きくするためには撹拌回転数を低くすることによって制御される。
ここで、ゴム質粒子の平均分散粒子径は、超薄切片法により得られたABS系樹脂の電子顕微鏡写真を撮影し、写真中のゴム質粒子200〜500個の粒子径を測定して、重量平均したものである。すなわち、平均粒子径=ΣnD/ΣnD(ただし、nは粒子径Dのゴム質粒子の個数)である。
本発明においては、ゴム質粒子を形成した後、更に重合を行ってABS系樹脂を製造する。ここで、更に行う重合としては、塊状重合、塊状−懸濁重合、溶液重合が好ましい。
塊状重合方法の場合は、上記のゴム質粒子が形成された後、ひき続いて重合を継続し、最終的に芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体との混合単量体が所望の反応率となるまで重合操作を継続する。その際、重合反応の前半においては、上述のゴム質粒子の粒子径を制御するための適度な撹拌が必要であり、一方、重合反応の後半においては、系内の粘度が高くなるため過度の撹拌は生成したゴム質粒子が破壊される恐れがあるので、重合反応熱の除去の為に必要な最低限の撹拌とすることが好ましい。
塊状‐懸濁重合の場合は、ゴム質粒子が形成される重合反応の前半は塊状重合でおこなわれ、次いで反応混合物を懸濁安定剤及び/又は界面活性剤の存在下に水性媒体中に撹拌下に分散させ、重合反応の後半を懸濁重合で完結させる。
また、塊状重合または塊状‐懸濁重合において、重合開始時または途中に希釈溶剤を加えて重合系の粘度を下げる方法、すなわち、溶液重合とすることも可能である。希釈溶剤の例としては、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等がある。さらに、好ましくは、重合終了後、未反応単量体、溶剤等の揮発分を除去するため、また必要に応じてゴム部の架橋を促進させるため、公知の方法、例えば加熱下での脱揮装置、ベント押出機等を用いる方法により後処理される。
本発明において、芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体との混合単量体の重合転化率が30%の時点における部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムに対するグラフトコポリマーの割合が20〜60重量%となるようにグラフト性をコントロールすることが好ましく、更に好ましくは、30〜55重量%である。グラフトコポリマーの割合が少なすぎると、ゴム質粒子の粒子径を目標内にコントロールすることが困難となり、また、たとえ撹拌の回転数をコントロールして目標の粒子径が得られたとしても、得られたABS系樹脂の耐衝撃性が劣ったものとなる。一方、グラフトコポリマーの割合が多すぎると、ゴム質粒子が硬くなって得られたABS系樹脂の耐衝撃性が劣ったものとなり、また、ABS系樹脂の流れ性が低下して加工上好ましくない。
本発明の方法において、得られるABS系樹脂のゲル含有量(トルエン不溶部の含有量)を5〜75重量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは10〜50重量%の範囲である。ゲル含有量が少なすぎると樹脂の耐衝撃性が劣り、多すぎると樹脂の流れ性が低下して加工上好ましくない。また、ABS系樹脂中のゲルのトルエン中での膨潤指数(スウエリングインデックス)は7〜15の範囲が好ましい。膨潤指数が小さすぎると耐衝撃性が劣り、大きすぎると耐衝撃性が低下し光沢性も悪化する。
本発明においては、公知の連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては、例えばα‐メチルスチレンダイマー、n‐ドデシルメルカプタン、t‐ドデシルメルカプタン、1‐フェニルブテン‐2‐フルオレン、ジペンテン、クロロホルムなどのメルカプタン類、テルペン類、ハロゲン化合物などがある。
更に、本発明において得られるABS系樹脂のマトリクス樹脂部の分子量は、重量平均分子量で10万〜40万が好ましい。また、樹脂中に残存するスチレンオリゴマーの量は1重量%以下が好ましく、特に、耐熱変形温度が高いものが要求される用途では0.5重量%以下がより好ましい。
本発明においては、ABS系樹脂に公知の酸化防止剤、紫外線防止剤等の安定剤を必要量添加できる。
酸化防止剤としては、例えばオクタデシル‐3‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6‐ジ‐t‐ブチル‐4‐メチルフェノール、2‐(1‐メチルシクロヘキシル)‐4,6‐ジメチルフェノール、2,2’‐メチレンビス(4‐エチル‐6‐t‐ブチルフェノール)、4,4’‐チオビス(6‐t‐ブチル‐3‐メチルフェノール)、2,4‐ビス[(オクチルチオ)メチル]‐o‐クレゾール、トリエチレングリコール‐ビス[3‐(3‐t‐ブチル‐5‐メチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、ジラウリルチオジプロピオネートなどが挙げられ、その添加量は好ましくは樹脂100重量部あたり0.01〜5重量部、より好ましくは0.1〜2重量部である。
紫外線安定剤としては、例えば、2‐(5‐メチル‐2‐ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐2‐ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどのトリアゾール系;ビス(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)セバケートなどのヒンダードアミン系;その他にp‐t‐ブチルフェニルサリシレート、2,2’‐ジヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。好ましくはトリアゾール系、ヒンダードアミン系の単独又は併用系である。これらの紫外線安定剤の添加量は、好ましくは樹脂100重量部あたり0.01〜5重量部、より好ましくは0.05〜2重量部である。
更に、ABS系樹脂は、必要に応じて難燃剤及び難燃助剤を配合し、難燃処方を施すことが可能である。
難燃剤としては、種々のタイプがあるが、従来公知の全ての難燃剤を用いることができ、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤等が有効である。例えば、デカブロモジフェニルオキシド、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAのオリゴマー、トリス‐(2,3‐ジブロモプロピル‐1)イソシアヌレート、リン酸アンモニウム、赤リン、トリクレジルホスフェートなどが挙げられる。
難燃助剤としては、例えば三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ、三塩化アンチモン、五塩化アンチモン、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、酸化ジルコニウムなどが挙げられる。
難燃剤は好ましくは樹脂100重量部あたり5〜40重量部用いられ、難燃助剤は好ましくは樹脂100重量部あたり2〜20重量部用いられる。
更に、必要に応じて通常用いられる種々の添加剤、例えば、ポリジメチルシロキサン、流動パラフィンなどの内部潤滑剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤、各種の充填剤などを配合することが可能である。
本発明で得られるABS系樹脂に、他の種々の樹脂を加えることが可能である。他の樹脂としては、GP−ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、AS樹脂、他のABS系樹脂、AES樹脂、スチレン‐メタクリレート樹脂、MBS樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂、スチレン‐ブタジエンブロック共重合体樹脂、メタクリル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ナイロン樹脂、PBTなどのポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が用いられる。これらの樹脂を加えることによって、耐熱性、剛性、耐衝撃性などが付与され、その用途に応じてブレンドして使用される。
本発明で得られるABS系樹脂は、従来公知の方法で成形加工され、使用される。OA機器のキャビネット、ハウジング等や自動車の内装部品、その他多岐に使用できるが、特に自動車用途での耐熱用途、農機具用途等にも好適にである。
以下に若干の実施例を示し、本発明の具体的な実施態様を示すが、これは本発明の趣旨をより具体的に説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。
(1)部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムの特性の評価
実施列および比較例における測定および評価は次のようにして行った。
1.スチレン・ブタジエンブロック共重合体の結合スチレン含有量の測定
結合スチレン含有量は、水添前のスチレン・ブタジエンブロック共重合体を検体として、紫外分光光度計(UV‐2450;島津製作所製)を用いて測定した。
2.ブロックスチレン部の分離
ブロツクスチレン部は、I.M.Kolthoff,etal.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の四酸化オスミウム分解法により水添前のスチレン・ブタジエンブロック共重合体を分解後、得られたブロックスチレン部を回収した。
3.部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム及びブロックスチレン部の分子量分布の測定
GPC(装置はWATERS社製であり、カラムはデュポン社製のZORBAX PSM1000−S2本とPSM60−Sを1本の計3本を組み合わせた。溶媒はテトラヒドロフランを使用し、測定条件は、温度35℃、流速0.7ml/分、試料濃度0.1重量%、注入量50μlである。)のクロマトグラフを測定した。また、分子量が既知の市販の標準単分散ポリスチレンを用いて作成した検量線を使用し、得られたGPCクロマトグラムから、重量平均分子量、数平均分子量を求めて、分子量分布値を得た。
4.部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムの水添率の測定
部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムの不飽和結合単位量及び飽和結合単位量は、核磁気共鳴装置(DPX‐400;ドイツ国BRUKER社製)を用いて測定した。
5.部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムのスチレン溶液粘度の測定
部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム5gをスチレン95gに溶解し、測定温度25℃にて、キャノンフェンスケタイプの粘度計で測定した。
6.部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムのムーニー粘度の測定
L型ローターを使用し、100℃で余熱1分、駆動後4分後のトルクであるML1+4(100℃)を測定した。
7.部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムの芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体との混合物に対する溶解性の測定
1cm角サイズにした1gの部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム2個(合計2g)を、スチレン32.3g、アクリロニトリル5.7gの混合物に入れ、25℃で縦式往復振とう機(200rpm)にて振とうさせ、部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムが完全に溶解するまでの時間を測定した。
8.部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムのコールドフロー性の測定
縦4cm、横4cm、高さ5cmのベール状部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムに1kgの荷重をのせ、23℃で100分放置し、放置後の部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムの高さ(H)(mm)を測定した。以下の式でコールドフロー性を評価した。この値が大きいほど、部分水添ゴムは、コールドフローをしやすい。
コールドフロー性(%)=(50−H)×100/50
9.部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムの成型性の測定
部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム100gを、110℃に設定した間隔3mmの6インチロールに3分間かけ、部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムのまとまり状態を評価した。以下の基準で成型性を評価した。
A:シート状にまとまる
B:一部シート状にはなるが、捻ると粉々になる
C:粉末状であり、シート状にまとまらない
(2)水添反応に用いる水添触媒の調整
窒素置換した反応容器に乾燥、精製したシクロヘキサン2リットルを仕込み、ビス(η‐シクロペンタジエニル)‐ジ‐p‐トリルチタニウム40ミリモルと分子量が約1,000の1,2‐ポリブタジエン(1,2‐ビニル結合量約85%)150グラムとを溶解した後、n‐ブチルリチウム60ミリモルを含むシクロヘキサン溶液を添加して、室温で5分反応させ、直ちにn‐ブタノール40ミリモルを添加して攪拌することにより、水添触媒を得た。
[実施例1]
(部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム(ポリマー1)の調製)
内容積が10リットルの攪拌装置及びジャケット付き槽型反応器を用いて、共重合を以下の方法で行った。150ppmのテトラヒドロフランを含む精製シクロヘキサン6300ml、1,3−ブタジエン680gを仕込み、100rpmで混合攪拌し温度70℃に調整した。20重量%のn‐ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液(n‐ブチルリチウム0.8g)の添加し、ブタジエンの重合を開始した。ブタジエンが完全に重合してから、スチレン120gを添加し、スチレンを完全に重合させた。重合終了後、得られた共重合体に水添触媒を共重合体の重量に対してチタンとして100重量ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水添反応を行った。反応終了後にメタノールを添加し、次に安定剤としてオクタデシル‐3‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオネートを重合体の重量に対して0.3重量%添加した。更に、得られた部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム溶液を攪拌下熱湯中に投下して、スチームストリッピングにより溶媒を除去しクラム状の部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム(ポリマー1)を得、乾燥処理を行った。
(ABS系樹脂の製造)
内容積10リットルの、撹拌翼とジャケットを備えた重合槽を用い、ポリマー1を16重量部、スチレン63重量部、アクリロニトリル21重量部、トルエン20重量部、トリエチレングリコール‐ビス[3‐(3‐t‐ブチル‐5‐メチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.05重量部を加え、回転数50rpmで4時間攪拌した。その後ベンゾイルペルオキシド0.05重量部、α‐メチルスチレンダイマー0.10重量部を加え、窒素雰囲気下で、回転数40rpmで撹拌しながら90℃で重合を開始した。4時間経過後110℃で2時間、135℃×2時間、150℃×2時間、170℃×2時間と順次昇温して重合を継続し、最終的に250℃で45分間加熱して脱揮し、押出機を通してABS系樹脂のペレットを得た。
得られたABS系樹脂を射出成形して試験片を作成し、物性評価を行った。
なお、光沢性の評価は角度20°のグロス、耐衝撃性は室温におけるアイゾッド衝撃値、耐熱性は加熱プレスを用い310℃×10分の熱劣化後のアイゾッド衝撃値保持率、耐変色性はサンシャインウエザオメータ63℃×100時間後の変色で◎優、○良、×劣で表した。
[実施例2]
ポリマー1の製造方法に準拠し、表1の特性を有する部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムを調製し、実施例1と同様にしてABS系樹脂の試験片を製造した。
[実施例3、4]
ポリマー1の製造方法に準拠し、更に、テトラメチルエチレンジアミンを全モノマー100重量部に対して、0.03重量部添加して、不飽和1,2結合単位量を上げ、表1の特性を有する部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムを調製した。そして、実施例1と同様にしてABS系樹脂の試験片を製造した。
[実施例5]
シクロヘキサン6300ml、1,3−ブタジエン600gとスチレン200gを同時に仕込み、温度65℃に調整後、n‐ブチルリチウム0.8gを添加して重合をさせた以外はポリマー1と同様にして、部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムを調製した。そして、実施例1と同様にしてABS系樹脂の試験片を製造した。
[比較例1]
ポリマー1の製造方法に準じ、結合スチレン含有量が2重量%の部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムを調製した以外は実施例1と同様にしてABS系樹脂の試験片を製造した。
部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムは、コールドフローを起こし、ゴムの溶解性も不良であった。また、ABS系樹脂にも、大きなゴムの粒子が存在しており光沢性が不良であった。
[比較例2]
ポリマー1の製造方法に準じ、結合スチレン含有量が45重量%の部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムを調製した以外は実施例1と同様にしてABS系樹脂の試験片を製造した。
部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムは、粉々となり成型性が不良であるし、得られたABS樹脂の耐衝撃性も不良であった。
[比較例3]
ポリマー1の製造方法に準じ、スチレン溶液粘度が30cpsの部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムを調製した以外は実施例1と同様にしてABS系樹脂の試験片を製造した。
得られたABS樹脂の光沢性は不良であった。
[比較例4]
ポリマー1の製造方法に準じ、水添率が3%の部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムを調製した以外は実施例1と同様にしてABS系樹脂の試験片を製造した。
部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムは、耐熱性、耐候性が不十分であった。
[比較例5]
ポリマー1の製造方法に準じ、水添率が55%の部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムを製造した以外は実施例1と同様にしてABS系樹脂の試験片を製造した。
部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムは、ゴムの溶解性が不良であるし、粉々になりやすく成型性も不良であった。また、ABS系樹脂の重合においても、大きなゴムの粒子が存在しており光沢性が不良であった。
[比較例6]
連続重合法により部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムを調製した。内容積10リットルの撹拌翼とジャケットを備えた重合槽を、2基連結して用い、1基目の底部より、150ppmのテトラヒドロフランを含む濃度15重量%の1,3‐ブタジエンのシクロヘキサン溶液を毎分200ミリリットルの速度で、同時に1,3‐ブタジエン100重量部当り0、15重量部のn―ブチルリチウムを連続的にフィードした。回転数150rpm、重合温度90℃で混合撹拌して重合をおこない、さらにオーバーフローしたリビングポリマー溶液を2基目の底部に導入した。また、2基目の底部より、1基目のブタジエン100重量部当り、48重量部のスチレンを20重量%のシクロヘキサン溶液として加え、重合温度90℃で混合撹拌して重合をおこないリビングブロックポリマー溶液を得た。さらに、スタテイックミキサーにて当量のメタノールと混合して失活させた後、ポリマー1と同様に部分水添を行った。
上記部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムを用い、実施例1と同様にしてABS系樹脂の試験片を得た。
連続重合法による部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムは、ブロックスチレン部の分子量分布、及び部分水添ゴムの分子量分布が広いものであった。また、ABS系樹脂中のゴムの粒子径分布も広くなり、大きなゴム質粒子がABS系樹脂に存在しており、ABS系樹脂の光沢性、耐衝撃性も不良である。
[比較例7]
ポリマー1の製造方法において、シクロヘキサンに替え、n−ヘキサンを使用した以外は、実施例1と同様にしてABS系樹脂の試験片を製造した。
n−ヘキサン系を使用して製造した部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムは、スチレンブロック部の芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体との混合物に対する溶解性が不良となるためにスチレンブロック部の分子量分布が広く、満足な物性を有するABS系樹脂は得られなかった。
[比較例8]
内容積が10リットルの攪拌装置及びジャケット付き槽型反応器を用いて、共重合を以下の方法で行った。150ppmのテトラヒドロフランを含む精製シクロヘキサン6300ml、1,3−ブタジエン680gを仕込み、100rpmで混合攪拌し温度70℃に調整した。20重量%のn−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液(n−ブチルリチウム3.2g)を添加し、ブタジエンの重合を開始した。ブタジエンが完全に重合してから、スチレン120gを添加し、スチレンを完全に重合させた。その後、四塩化珪素4.25gを加え、カップリングさせた。得られた共重合体を、ポリマー1と同様に部分水添処理した。
上記部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムを用い、実施例1と同様にしてABS系樹脂の試験片を得た。
得られた部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムは、分子量分布が広く、満足な物性を有するABS系樹脂は得られなかった。
[比較例9]
ポリマー1の製造方法に準じ、結合スチレン含有量が6重量%の部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムを調製した以外は実施例1と同様にしてABS系樹脂の試験片を製造した。
部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムは、ML/SVが低く、コールドフローを起こしやすいものであった。
実施例1〜5、比較例1〜9で用いた部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム、及び、得られたABS系樹脂の物性を表1示す。
Figure 0004895271
本発明のABS系樹脂は、OA機器のキャビネット、ハウジング等や自動車の内装部品、その他多岐に使用できる。特に自動車用途や農機具用途等の耐熱・耐候性が要求される分野に好適に使用できる。

Claims (8)

  1. 以下の(1)〜(6)の条件を満たすABS系樹脂製造用部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム。
    (1)結合スチレン含有量が、15〜40重量%
    (2)ブロックスチレン部の分子量分布が、1.00〜1.50
    (3)部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体の分子量分布が、1.00〜1.19
    (4)水添率が、5〜38モル%
    (5)25℃における5重量%スチレン溶液粘度(SV)が、5〜23cps
    (6)ムーニー粘度(ML)の値を25℃における5重量%スチレン溶液粘度(SV)で割ったML/SV値が、3.2〜10.0
  2. 前記ML/SV値が、4.0〜9.0である請求項1に記載のABS系樹脂製造用部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム。
  3. 前記部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムの分子量分布が、1.03〜1.15である請求項1または2に記載のABS系樹脂製造用部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム。
  4. 少なくとも芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体とを含む混合物に、請求項1〜3いずれか1項に記載の部分水添スチレン・ブタジエン共重合体ゴムを溶解し、ラジカル重合開始剤の存在下で重合を行ってゴム質粒子を形成した後、更に重合を行うABS系樹脂の製造方法。
  5. 前記ゴム質粒子形成後に更に行う重合が、塊状重合、塊状−懸濁重又は溶液重合のいずれかである請求項4に記載のABS系樹脂の製造方法。
  6. 請求項1〜3いずれか1項に記載の部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムを含むABS系樹脂。
  7. 前記部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムが、平均分散粒子径0.1〜0.7μmで分散した請求項6に記載のABS系樹脂。
  8. 前記部分水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴムの含有量が、5〜30重量%である請求項6又は7に記載のABS系樹脂。
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