JP4894122B2 - ペルフルオロアルキルスルホニルハライドの製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フッ素化表面処理剤、レべリング剤、織物や皮革等の親水性及び親油性処理用生成物の製造および医薬、農薬等に利用される有用な合成中間体であるペルフルオロアルキルスルホニルハライドの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ペルフルオロアルキルスルホニルハライドは公知で、その製造法は、▲1▼英国特許第1251874号に記載されており、ヨウ化―2−ペルフルオロアルキルエチルをチオシアン化ナトリウムと反応させ、2−ペルフルオロアルキルエチルチオシアネートとした後、塩素または臭素と反応させることにより製造されている。また、ペルフルオロアルキル基を含まないスルホニルハライドの製造法として、▲2▼チオールと塩素を水中で反応させる方法〔アイ ビイ ダグラス (I.B.Douglass)他、ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサエティー (J.Am.Chem.Soc.)、60号、1486貢、1938年〕や、▲3▼チオールあるいはチオールのアルカリ金属塩を、有機溶媒と水の2相系で、触媒量の4級塩存在下で塩素により塩素化させる方法(特開平6−306043号公報)がある。ただし、前記▲2▼および▲3▼には、ペルフルオロ基を有するスルホニルハライドの場合の製造法についての報告がない。
【0003】
しかしながら、前記▲1▼の製造法には、1)副生成物(塩化−2−ペルフルオロアルキルエチルまたは臭化−2−ペルフルオロアルキルエチル)が生成し、その除去が極めて困難であるため目的物の純度が低い、2)青酸ガスに匹敵する毒性を有するハロゲンシアニドが副生するため、製造上の安全面に問題がある、3)ハロゲンを理論量の17倍以上過剰に使用するため、製造上の安全面に問題がある等の課題があり、工業的見地から好ましいものではなかった。また、前記▲2▼の製造法では、アルキル鎖上の塩素化による副反応が数%程度以上起こり、このため収率は78%以下と低くなる、さらに、▲2▼および▲3▼の製造法は、原料を一括して仕込む製造法であり、中間体のジスルフィドの沈殿を抑えるために大量の有機溶剤を使用する必要があり、工業的見地から好ましい方法ではない等の課題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、大量の溶媒が不要で、ハロゲンシアニドの副生がなく、安全性が高く、短時間で反応が終了し、単離操作が容易で、収率の高いペルフルオロアルキルスルホニルハライドの製造法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、2−ペルフルオロアルキルエタンチオールまたはその溶液を、塩素または臭素の存在下で、反応に不活性で2−ペルフルオロアルキルエタンチオールの一部乃至全部および塩素または臭素の一部乃至全部を溶解させることができる溶媒bと水との混合溶媒中に、連続または断続的に添加して、2−ペルフルオロアルキルエタンチオールを順次クロロスルホニル化またはブロモスルホニル化させることにより、選択的に対応するペルフルオロアルキルスルホニルハライドが製造できること、溶媒量が低減され、ハロゲンシアニドの副生がなく、塩素や臭素の使用量が少ないため製造上の操作の安全性が高いこと、短時間で反応が終了すること、目的物の単離操作が容易であること等を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明は、2−ペルフルオロアルキルエタンチオール、または2−ペルフルオロアルキルエタンチオールを溶媒aに溶解してなる溶液を、塩素または臭素の存在下で、反応に不活性で2−ペルフルオロアルキルエタンチオールの一部乃至全部および塩素または臭素の一部乃至全部を溶解させることができる溶媒bと水との混合溶媒中に、連続または断続的に添加して、2−ペルフルオロアルキルエタンチオールを順次クロロスルホニル化またはブロモスルホニル化させることを特徴とする、ペルフルオロアルキルスルホニルハライドの製造法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の製造法で用いる2−ペルフルオロアルキルエタンチオールは、例えば、特開昭63−174966号公報(特許第1712529号)に記載されているように、ヨウ化―2−ペルフルオロアルキルエチルをチオ尿素と反応させ、次いで得られたチオ尿素の塩(チウロニウム塩)をアルカリ加水分解して製造される。
【0008】
前記2−ペルフルオロアルキルエタンチオールのなかでも、下記一般式(1)
RfCHCHSH ……(1)
(式中Rf は、炭素原子数2〜20個のペルフルオロアルキル基あるいは炭素原子数2〜20個のペルフルオロアルケニル基を示す。)
で表される化合物が好ましく、その具体例としては、2−ペルフルオロエチルエタンチオール、2−ペルフルオロプロピルエタンチオール、2−ペルフルオロブチルエタンチオール、2−ペルフルオロペンチルエタンチオール、2−ペルフルオロヘキシルチオール、2−ペルフルオロヘプチルエタンチオール、2−ペルフルオロオクチルエタンチオール、2−ペルフルオロノニルエタンチオール、2−ペルフルオロエテンエタンチオール、2−ペルフルオロプロペンエタンチオール、2−ペルフルオロブテンエタンチオール、2−ペルフルオロペンテンエタンチオール、2−ペルフルオロヘキセンチオール、2−ペルフルオロヘプテンエタンチオール、2−ペルフルオロオクテンエタンチオール、2−ペルフルオロノネンエタンチオール等が挙げられる。
【0009】
本発明の製造法では塩素または臭素を使用するが、塩素を用いる場合は、気体、液体のいずれの形でも反応に使用することができる。塩素または臭素は、そのまま、あるいは溶媒(a)に溶解させたものを滴下させて使用しても、全量を溶媒(a)中に溶解させて使用しても良い。塩素または臭素は、2−ペルフルオロアルキルエタンチオールに対して通常2〜20倍モル、好ましくは3〜9倍モルを使用する。
【0010】
また、本発明の製造法では、2−ペルフルオロアルキルエタンチオールは、そのまま、あるいは溶媒aに溶解させて溶液としたものを使用する。ここで用いる溶媒aとしては、2−ペルフルオロアルキルエタンチオールを溶解できるものであればよく、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、パラジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類、ノルマルペンタン、ノルマルヘキサン、ノルマルオクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のカルボン酸エステル類、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸類等が挙げられ、なかでも、ノルマルペンタン、ノルマルヘキサン、ノルマルオクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のカルボン酸エステル類、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸類が好ましく、カルボン酸類、カルボン酸エステル類が特に好ましい。また、この溶媒aに加えて、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N―メチルピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、アセトニトリル等の水に可溶性の溶媒も併せて使用することができる。
【0011】
更に、本発明の製造法で、水と混合して混合溶媒として用いる溶媒bとしては、反応に不活性で、2−ペルフルオロアルキルエタンチオールと、塩素または臭素とを、それぞれ一部乃至全部溶解できるものであればよく、前記溶媒aで例示した溶媒がいずれも挙げられる。これら溶媒bのなかでも好ましいものや特に好ましいものとしても、前記溶媒aで好ましいものや特に好ましいものとして例示した溶媒がいずれも挙げられる。
【0012】
尚、前記溶媒aと溶媒bは、それぞれ単独で用いることができるが、二種以上を併用することもできる。また、溶媒aと溶媒bは、同じものでも異なっていても良い。溶媒a、溶媒b、および、水の使用量は、生産性、操作性が良好となることから、溶媒a、溶媒b、水ともに2−ペルフルオロアルキルエタンチオール100重量部に対して、通常1〜10重量部であり、なかでも1〜5重量部が好ましい。溶媒bと水との混合溶媒中における水の割合は、通常10〜70重量%であり、なかでも30〜50重量%が好ましい。
【0013】
2−ペルフルオロアルキルエタンチオール、または2−ペルフルオロアルキルエタンチオールを溶媒aに溶解してなる溶液(以下、2−ペルフルオロアルキルエタンチオールまたはその溶液と略記する。)の添加方法としては、連続または断続的添加が必須であり、なかでも連続添加、例えば2−ペルフルオロアルキルエタンチオールまたはその溶液の滴下等が好ましい。この連続または断続的添加により中間体のジスルフィドの濃度を常に低く抑えることができ、沈殿を防止できるし、塩素や臭素の使用量を少なくすることができ、反応時間も短くなる。2−ペルフルオロアルキルエタンチオールまたはその溶液の添加速度としては、溶媒bと水との混合溶媒1kgに対して2−ペルフルオロアルキルエタンチオールの添加量が20〜200ミリモル(mmol)/分となる範囲が好ましく、なかでも40〜150ミリモル/分となる範囲が好ましい。また、2−ペルフルオロアルキルエタンチオールまたはその溶液の断続的添加の場合の添加間隔と添加回数としては、30秒〜10分間の間隔で3〜60回の添加が挙げられるが、なかでも1〜5分間の間隔で5〜50回の添加が好ましい。
【0014】
クロロスルホニル化またはブロモスルホニル化反応の反応温度は、通常0〜100℃、好ましくは10〜50℃であり、反応雰囲気は、空気雰囲気下または不活性ガス雰囲気下が挙げられ、いずれでも良い。2−ペルフルオロアルキルエタンチオールまたはその溶液を、前記混合溶媒中に、連続または断続的に添加する場合の温度は、通常10〜60℃、好ましくは20〜40℃であり、添加開始から終了までの時間は、通常10分〜9.5時間、好ましくは10分〜5.5時間である。2−ペルフルオロアルキルエタンチオールまたはその溶液の添加により開始されるクロロスルホニル化またはブロモスルホニル化反応は、2−ペルフルオロアルキルエタンチオールまたはその溶液の添加終了後、必要に応じて更に5分〜2時間、好ましくは5分〜1時間攪拌して終了させることができる。反応時間は、用いられる2−ペルフルオロアルキルエタンチオールの反応性に応じて選ばれるが、2−ペルフルオロアルキルエタンチオールまたはその溶液の添加時間と、その後必要に応じて行う攪拌時間との合計で、通常30分〜10時間、好ましくは30分〜6時間、特に好ましくは30分〜4時間である。
【0015】
反応終了後の処理方法としては、例えば、反応液に塩素または臭素を分解させることのできる処理剤(亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤あるいはそれらの水溶液)を加え、過剰なハロゲンを分解した後、析出した固体をろ過し、洗浄液(上記還元剤の水溶液、イオン交換水)で洗浄する方法が挙げられる。また、必要に応じて、溶媒を蒸留等で除去した後に、生成したスルホニルハライドの物性に応じて、減圧蒸留、再結晶、クロマトグラフィー精製等の手段により単離する方法を採用することもできる。
【0016】
【実施例】
以下に、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0017】
実施例1
攪拌装置、ガス導入管、滴下ロートおよび還流冷却器を付した200mlの四ツ口フラスコに、酢酸エチル27gおよびイオン交換水20gを加えて混合溶媒とし、更に滴下ロートに、2−ペルフルオロオクチルエタンチオール19.2g(40mmol)を酢酸エチル9gに溶解させた2−ペルフルオロオクチルエタンチオールの酢酸エチル溶液を加えた。20℃のウォーターバス中、撹拌下で、前記2−ペルフルオロオクチルエタンチオールの酢酸エチル溶液を滴下(滴下時間:20分間)と塩素10.2g(144mmol)の吹き込み(吹き込み時間:30分間)を行い、塩素の吹き込み終了後、更に20分間攪拌して反応を終了させた。この際の2−ペルフルオロオクチルエタンチオールの酢酸エチル溶液の滴下速度は2mmol/分(酢酸エチルとイオン交換水との混合溶媒1kgに対して43mmol/分)であった。
【0018】
次いで、反応液に飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液50mlを加えて過剰に吹き込んだ塩素を分解させた後、生じた沈殿をろ過し、飽和亜硫酸水素ナトリウム50mlおよびイオン交換水50mlで2回洗浄した。洗浄後、133Paの減圧下、室温で3時間乾燥して、目的のペルフルオロオクチルエチルスルホニルクロリド21.5g(収率:98%)を得た。
【0019】
実施例2
ウォーターバスの温度を20℃から30℃に変更した以外は実施例1と同様にして、目的のペルフルオロオクチルエチルスルホニルクロリド21g(収率:96%)を得た。
【0020】
実施例3
攪拌装置、ガス導入管、滴下ロートおよび還流冷却器を付した200mlの四ツ口フラスコに、酢酸ブチル27gおよびイオン交換水20gを加えて混合溶媒とし、更に滴下ロートに、2−ペルフルオロオクチルエタンチオール19.2g(40mmol)を酢酸エチル9gに溶解させた2−ペルフルオロオクチルエタンチオールの酢酸エチル溶液を加えた。20℃のウォーターバス中、撹拌下で、前記2−ペルフルオロオクチルエタンチオールの酢酸エチル溶液を滴下(滴下時間:20分間)と塩素12.8g(180mmol)の吹き込み(吹き込み時間:24分間)を行い、塩素の吹き込み終了後、更に20分間攪拌して反応を終了させた。この際の2−ペルフルオロオクチルエタンチオールの酢酸エチル溶液の滴下速度は2mmol/分(酢酸エチルとイオン交換水との混合溶媒1kgに対して43mmol/分)であった。
【0021】
次いで、得られた反応液を用いた以外は実施例1と同様にして、目的のペルフルオロオクチルエチルスルホニルクロリド20.6g(収率:94%)を得た。
【0022】
実施例4
攪拌装置、ガス導入管、滴下ロートおよび還流冷却器を付した200mlの四ツ口フラスコに、ノルマルヘキサン27gおよびイオン交換水20gを加えて混合溶媒とし、更に滴下ロートに、2−ペルフルオロオクチルエタンチオール19.2g(40mmol)を酢酸エチル9gに溶解させた2−ペルフルオロオクチルエタンチオールの酢酸エチル溶液を加えた。20℃のウォーターバス中、撹拌下で、前記2−ペルフルオロオクチルエタンチオールの酢酸エチル溶液を滴下(滴下時間:20分間)と塩素17g(240mmol)の吹き込み(吹き込み時間:32分間)を行い、塩素の吹き込み終了後、更に20分間攪拌して反応を終了させた。この際の2−ペルフルオロオクチルエタンチオールの酢酸エチル溶液の滴下速度は2mmol/分(酢酸エチルとイオン交換水との混合溶媒1kgに対して43mmol/分)であった。
【0023】
次いで、得られた反応液を用いた以外は実施例1と同様にして、目的のペルフルオロオクチルエチルスルホニルクロリド20.4g(収率:93%)を得た。
【0024】
実施例5
攪拌装置、ガス導入管、滴下ロートおよび還流冷却器を付した200mlの四ツ口フラスコに、酢酸27gおよびイオン交換水20gを加えて混合溶媒とし、更に滴下ロートに、2−ペルフルオロオクチルエタンチオール19.2g(40mmol)を酢酸エチル9gに溶解させた2−ペルフルオロオクチルエタンチオールの酢酸エチル溶液を加えた。20℃のウォーターバス中、撹拌下で、前記2−ペルフルオロオクチルエタンチオールの酢酸エチル溶液を滴下(滴下時間:20分間)と塩素10.2g(144mmol)の吹き込み(吹き込み時間:30分間)を行い、塩素の吹き込み終了後、更に20分間攪拌して反応を終了させた。この際の2−ペルフルオロオクチルエタンチオールの酢酸エチル溶液の滴下速度は2mmol/分(酢酸エチルとイオン交換水との混合溶媒1kgに対して43mmol/分)であった。
【0025】
次いで、得られた反応液を用いた以外は実施例1と同様にして、目的のペルフルオロオクチルエチルスルホニルクロリド20.1g(収率:92%)を得た。
【0026】
実施例6
攪拌装置、ガス導入管、滴下ロートおよび還流冷却器を付した200mlの四ツ口フラスコに、酢酸エチル27g、イオン交換水20gおよび臭素23g(144mmol)を加えて臭素含有の混合溶媒とし、更に滴下ロートに、2−ペルフルオロオクチルエタンチオール19.2g(40mmol)を酢酸エチル9gに溶解させた2−ペルフルオロオクチルエタンチオールの酢酸エチル溶液を加えた。20℃のウォーターバス中、撹拌下で、前記2−ペルフルオロオクチルエタンチオールの酢酸エチル溶液の滴下を20分間かけて行い、更に20分間攪拌して反応を終了させた。この際の2−ペルフルオロオクチルエタンチオールの酢酸エチル溶液の滴下速度は2mmol/分(酢酸エチルとイオン交換水との混合溶媒1kgに対して43mmol/分)であった。
【0027】
次いで、得られた反応液を用いた以外は実施例1と同様にして、目的のペルフルオロオクチルエチルスルホニルクブロミド22.7g(収率:96%)を得た。
【0028】
実施例7
2−ペルフルオロオクチルエタンチオール19.2g(40mmol)の代わりに、2−ペルフルオロヘキシルエタンチオール15.2g(40mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして、目的のペルフルオロヘキシルエチルスルホニルクロリド17.5g(収率:98%)を得た。
【0029】
実施例8
2−ペルフルオロオクチルエタンチオール19.2g(40mmol)の代わりに、2−ペルフルオロアルキルエタンチオール20g(アルキル基の炭素原子数が6のもの:52.6モル%、アルキル基の炭素原子数が8のもの:40.7モル%、アルキル基の炭素原子数が10のもの:6.7モル%の混合物)を用い、塩素の吹き込み(吹き込み時間:30分間)終了後、反応終了までの撹拌時間を20分間から30分間に変更した以外は実施例1と同様にして、目的のペルフルオロアルキルエチルスルホニルクロリド(アルキル基の炭素原子数が6のもの:52.6モル%、アルキル基の炭素原子数が8のもの:40.7モル%、アルキル基の炭素原子数が10のもの:6.7モル%の混合物)22.2g(収率:96%)を得た。
【0030】
比較例1
攪拌装置、ガス導入管、滴下ロートおよび還流冷却器を付した200mlの四ツ口フラスコに、イオン交換水20gを加え、更に滴下ロートに、2−ペルフルオロオクチルエタンチオール19.2g(40mmol)を加えた。20℃のウォーターバス中、撹拌下で、前記2−ペルフルオロオクチルエタンチオールを滴下(滴下時間:20分間)と塩素10.2g(144mmol)の吹き込み(吹き込み時間:30分間)を行い、塩素の吹き込み終了後、更に20分間攪拌して反応を終了させた。この際の2−ペルフルオロオクチルエタンチオールの酢酸エチル溶液の滴下速度は2mmol/分(酢酸エチルとイオン交換水との混合溶媒1kgに対して43mmol/分)であった。
【0031】
次いで、反応液に飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液50mlを加えて過剰に吹き込んだ塩素を分解させた後、ガスクロマトグラフィーで分析した。分析の結果、2−ペルフルオロオクチルエタンチオールの転化率は57%であったが、目的のペルフルオロオクチルエチルスルホニルクロリドは全く生成せず、2−ペルフルオロオクチルエタンチオールがカップリングしたペルフルオロオクチルエチルジスルフィドが選択的に生成した。
【0032】
比較例2
攪拌装置、ガス導入管、滴下ロートおよび還流冷却器を付した200mlの四ツ口フラスコに、酢酸エチル27g、イオン交換水20gおよび2−ペルフルオロオクチルエタンチオール19.2g(40mmol)を加えた。20℃のウォーターバス中、撹拌下で、塩素10.2g(144mmol)の吹き込み(吹き込み時間:30分間)を行い、塩素の吹き込み終了後、更に20分間攪拌して反応を終了させた。
【0033】
次いで、反応液に飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液50mlを加えて過剰に吹き込んだ塩素を分解させた後、ガスクロマトグラフィーで分析した。分析の結果、2−ペルフルオロオクチルエタンチオールの転化率は90%であったが、目的のペルフルオロオクチルエチルスルホニルクロリドの収率はわずかに4%であった。残りは2−ペルフルオロオクチルエタンチオールがカップリングしたペルフルオロオクチルエチルジスルフィドであった。
【0034】
比較例3
酢酸エチルを使用しないようにした以外は比較例2と同様にして反応を終了させた。
【0035】
次いで、反応液に飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液50mlを加えて過剰に吹き込んだ塩素を分解させた後、ガスクロマトグラフィーで分析した。分析の結果、2−ペルフルオロオクチルエタンチオールの転化率は85%であったが、目的のペルフルオロオクチルエチルスルホニルクロリドの収率はわずかに3%であった。残りは2−ペルフルオロオクチルエタンチオールがカップリングしたペルフルオロオクチルエチルジスルフィドであった。
【0036】
【発明の効果】
本発明の製造法は、選択的に対応するペルフルオロアルキルスルホニルハライドが製造でき、大量の溶媒が不要で、ハロゲンシアニドの副生がなく、ハロゲンの使用量が少ないため製造上の操作の安全性が高く、目的物の単離操作が容易であるため、工業的見地から極めて優れた製造方法である。

Claims (8)

  1. 2−ペルフルオロアルキルエタンチオール、または2−ペルフルオロアルキルエタンチオールを溶媒aに溶解してなる溶液の連続または断続的添加と、塩素または臭素の導入とを、反応に不活性で2−ペルフルオロアルキルエタンチオールの一部乃至全部および塩素または臭素の一部乃至全部を溶解させることができる溶媒bと水との混合溶媒中に行いながら、2−ペルフルオロアルキルエタンチオールを順次クロロスルホニル化またはブロモスルホニル化させるペルフルオロアルキルスルホニルハライドの製造法であって、溶媒aおよび溶媒bは、同じものでもまたは異なっていても良く、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸およびノルマルヘキサンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、ペルフルオロアルキルスルホニルハライドの製造法。
  2. 2−ペルフルオロアルキルエタンチオールまたは2−ペルフルオロアルキルエタンチオールを溶媒aに溶解してなる溶液の溶媒bと水との混合溶媒中への滴下と、塩素または臭素の導入とを行いながら、2−ペルフルオロアルキルエタンチオールを順次クロロスルホニル化またはブロモスルホニル化させる、請求項1記載のペルフルオロアルキルスルホニルハライドの製造法。
  3. 2−ペルフルオロアルキルエタンチオールが、下記一般式(1)
    RfCH CH SH ・・・・・・(1)
    (式中Rf は、炭素原子数2〜20個のペルフルオロアルキル基あるいは炭素原子数2〜20個のペルフルオロアルケニル基を示す。)で表される化合物である、請求項1記載のペルフルオロアルキルスルホニルハライドの製造法。
  4. 溶媒aが、カルボン酸および/またはカルボン酸エステルであり、溶媒bがカルボン酸および/またはカルボン酸エステルである、請求項1記載のペルフルオロアルキルスルホニルハライドの製造法。
  5. 2−ペルフルオロアルキルエタンチオールに対して2〜20倍モルの塩素または臭素と、2−ペルフルオロアルキルエタンチオール1重量部に対して1〜10重量部の溶媒bと、1〜10重量部の水とを用い、反応温度0〜100℃、反応時間30分〜10時間の条件で、2−ペルフルオロアルキルエタンチオールをクロロスルホニル化またはブロモスルホニル化させる、請求項1記載のペルフルオロアルキルスルホニルハライドの製造法。
  6. 溶媒aが、カルボン酸および/またはカルボン酸エステルであり、溶媒bがカルボン酸および/またはカルボン酸エステルである、請求項4記載のペルフルオロアルキルスルホニルハライドの製造法。
  7. 2−ペルフルオロアルキルエタンチオールに対して3〜9倍モルの塩素または臭素と、2−ペルフルオロアルキルエタンチオール1重量部に対して1〜5重量部の溶媒bと、1〜5重量部の水とを用い、反応温度10〜50℃、反応時間30分〜5時間、2−ペルフルオロアルキルエタンチオールまたはその溶液の添加時間10分〜5.5時間の条件で、2−ペルフルオロアルキルエタンチオールをクロロスルホニル化またはブロモスルホニル化させる、請求項1記載のペルフルオロアルキルスルホニルハライドの製造法。
  8. 2−ペルフルオロアルキルエタンチオール、または2−ペルフルオロアルキルエタンチオールを溶媒aに溶解してなる溶液の溶媒bと水との混合溶媒中への滴下と、塩素または臭素の導入とを行いながら、2−ペルフルオロアルキルエタンチオールを順次クロロスルホニル化またはブロモスルホニル化させるペルフルオロアルキルスルホニルハライドの製造法であって、2−ペルフルオロアルキルエタンチオールが、下記一般式(1)
    RfCH CH SH ・・・・・・(1)
    (式中Rf は、炭素原子数2〜20個のペルフルオロアルキル基あるいは炭素原子数2〜20個のペルフルオロアルケニル基を示す。)で表される化合物であり、溶媒aがカルボン酸および/またはカルボン酸エステルで、溶媒bがカルボン酸および/またはカルボン酸エステルである、請求項7記載のペルフルオロアルキルスルホニルハライドの製造法。
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