JP4894117B2 - 配達位置確認方法およびシステム - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、宅配便や手紙などの配達物の配達履歴の記録・確認・管理を行うための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、配達物の配達履歴を記録する場合、配達物に付けられているバーコードや電子タグなどの配達物識別具を配達の各段階において逐次読取ってコンピュータに記録していくことにより管理している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の手法では、どの営業所の端末を経由したかという程度の情報しか把握できず、最終配達地点の正確な位置や現在の荷物の位置を確認することは困難なものとなっている。このため、受け取り確認の必要がない配達物では、配達物識別具の読取り(バーコードのスキャン等)だけを、配達の目的地とは別の場所で済ませて配達完了としてシステムに登録してしまい、実際の配達が行われないという問題が生じている。
【0004】
上記のような点に鑑み、本発明は、配達物が目的地に配達されたかどうかを確認することが可能な配達位置確認方法およびシステムを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、配達員が携帯する配達員端末と、当該配達員端末とデータ送受信可能とされた管理用コンピュータを用いて、配達員端末に接続された識別情報読取装置により配達物に付加された配達物識別情報を読取り、自身の位置を定期的に特定することにより位置情報を得る位置特定装置から、前記配達物識別情報の読取時の位置情報を前記配達員端末内のメモリに保持し、前記配達物識別情報と位置情報を対応付けて前記管理用コンピュータに送信し、前記管理用コンピュータが、前記受信した位置情報で特定される配達推定位置と、前記配達物識別情報に対応する配達予定位置の誤差を算出し、前記配達推定位置と前記配達予定位置が一致しない場合には、それぞれ異なるマークを地図上に表示し、前記配達推定位置と前記配達予定位置が一致する場合には、一致することを示すマークを地図上に表示するようにしたことを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、配達物の識別情報を読取ると同時にGPS等の位置特定装置により位置を特定するようにしたので、配達物が目的とする位置に到達したかどうかを確認することが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(システム構成)
はじめに、本発明に係る配達位置確認方法を実現するためのシステムについて説明する。図1は本発明に係る配達位置確認システムの一実施形態における構成図である。図1において、1は配達員端末、2は識別情報読取手段、3は演算処理手段、4はGPSユニット、5はメモリ、6は表示手段、7は入力手段、8は通信手段、9は配達物、9aは配達物識別具、10は管理用コンピュータ、11は通信手段、12は演算処理手段、13は表示手段、14は入力手段、15は配達履歴データベース、16は配達物情報データベース、17は地図データベースである。
【0008】
配達員端末1は、配達員各個人が携帯する端末であり、図1に示すような各構成要素2〜8を備えており、PDA等の携帯端末に、GPSユニット、バーコードリーダー等を接続することにより実現される。識別情報読取手段2は、配達物9に付加された配達物識別具9aに記録された識別情報を読み取るためのものであり、配達物識別具9aとしてバーコードを適用した場合は、バーコードリーダーが利用可能であり、配達物識別具9aとしてRFIDを用いた電子タグを適用した場合は、RFIDの読取装置が利用可能である。演算処理手段3は、配達員端末1における演算処理を実行するものであり、CPUに専用のソフトウェアに従った処理を実行させることにより実現される。GPSユニット4は、GPS(Global Positioning System)を利用して自身の位置を特定する装置である。GPSユニット4は、複数の衛星からの信号を受信するアンテナおよび得られた信号に基づき自身が存在する位置(緯度および経度)を特定する機能を有しており、所定の時間ごとに定期的に位置を特定し、特定した位置情報を演算処理手段3に出力する。メモリ5は、GPSユニット4から出力された位置情報のうち、演算処理手段3により保持命令があったものについて、一時的に保持する機能を有する。表示手段6および入力手段7は、配達員が必要な情報の閲覧および入力を行うためのものであり、表示手段6としては液晶ディスプレイ等、入力手段7としては液晶ディスプレイを介したタッチ入力機能で実現される。通信手段8は、管理用コンピュータ10が備える通信手段11とのデータの送受信を行うための無線通信機能を有している。
【0009】
管理用コンピュータ10は、配達業者の本部に設置されて各配達員からの情報を管理するコンピュータであり、図1に示すような各構成要素11〜17を備えている。通信手段11は、上述のように配達員端末1が備える通信手段8とのデータの送受信を行うための無線通信機能を有している。演算処理手段12は、管理用コンピュータ10における演算処理を実行するものであり、CPUに専用のソフトウェアに従った処理を実行させることにより実現される。表示手段13および入力手段14は、管理担当者が必要な情報の閲覧および入力を行うためのものであり、表示手段6としては液晶ディスプレイ、CRT等、入力手段7としてはキーボード、マウス等の入力機器が適用される。配達履歴データベース15は、どの配達物が、いつ、どこに配達されたかを記録するデータベースである。配達物情報データベース16は、各配達物がどのようなものであるかの詳細を記録したデータベースである。地図データベース17は、当該配達業者が配達可能な全ての地域についての地図情報を記録したデータベースである。なお、図1の例では、配達員端末1と管理コンピュータ10を1台ずつ示したが、実際には、1台の管理コンピュータ10に対して多数台の配達員端末1が管理されている。
【0010】
(処理の流れ)
以下、本発明に係る配達位置確認方法について、図1に示した配達位置確認システムの処理動作と共に説明する。配達作業を行う際には、配達員は配達員端末1の電源を入れ、データの入出力、管理コンピュータとの通信が可能な状態とすると共に、GPSユニットが自身の位置の特定を可能な状態とする。電源が入ると、GPSユニットは衛星から受信した信号を基に自身の位置を定期的に算出する。算出された位置情報は、通信手段を介して管理コンピュータ10に送信し、管理側で各配達員の現在位置を確認するようにしても良い。
【0011】
図2は、本発明に係る配達位置確認方法の概要を示すフローチャートである。配達員は、配達の目的地に到着した際に、識別情報読取手段2により配達物9に付加された配達物識別具9aから配達物の識別情報を読取る(ステップS1)。読取られた識別情報は演算処理手段3に渡される。演算処理手段3では、識別情報を取得すると、GPSユニット4から定期的に送られている位置情報をメモリ5に保持する(ステップS2)。さらに、演算処理手段3は取得した識別情報および保持した位置情報を対応付けて通信手段8から送信する(ステップS3)。管理用コンピュータ10側では、通信手段11が識別情報および位置情報を受信すると、演算処理手段12が識別情報および位置情報を配達履歴データベース15に登録する(ステップS4)。登録された識別情報および位置情報は、表示手段13に表示される(ステップS5)。なお、ステップS4およびステップS5における処理は同時、もしくは逆の順序で行うようにしても良い。
【0012】
ここで、上記ステップS5における識別情報および位置情報の表示手段13への表示の様子について説明する。図3は、上記ステップS5における表示画面の一例を示す図である。図3の例では、配達員コード、荷物コード、配達先住所、配達先TEL、配達先名称(氏名)、配達推定位置、配達予定位置が表示されている。受信した識別情報、位置情報は、それぞれ図3の画面において荷物コード、配達推定位置として表示される。図3の表示画面において配達推定位置、配達予定位置の下方には、「配達予定位置より663mずれています。」というメッセージが表示されている。これは、配達推定位置および配達予定位置に基づいて算出され、算出された両者の誤差が表示されることになる。さらに、その下方には「配達完了登録しますか?」というメッセージが表示され、このメッセージに対応する「YES」「NO」の指示ボタンが用意されている。「YES」の指示ボタンがクリックされると、配達履歴データベース15には、その配達物について配達完了を示す記録が行われることになる。
【0013】
さらに、この表示画面では、図3に示すように地図表示ボタンを用意しておくことができる。この地図表示ボタンは、緯度・経度に対応した地図情報とリンクさせておき、この地図表示ボタンをクリックすることにより、図4に示すような地図表示画面が表示される。この地図表示画面においては、配達先住所を含む地域の地図が表示される。図4に示すように、地図表示画面には、地図上に★、■、●の3種類のマークが表示されている。★は配達予定位置を示し、■は配達推定位置を示し、●は配達予定位置と配達推定位置が一致した位置を示している。また、★から■へ向かう矢印は、その配達物が本来配達されるべき配達予定位置と、実際にその配達物が配達された配達推定位置の関係を示している。すなわち、図4の例では、★で示す2つの配達予定位置にそれぞれ配達される予定の配達物が、■で示す1つの配達推定位置に配達されたことを示している。厳密に言えば、配達したかどうかを確認することはできないので、■の位置で2つの配達物に付加された配達物識別具からの識別情報の読取が行われたことを示している。
【0014】
ステップS5における配達物の識別情報および位置情報の表示は、図5に示すような表形式で行うことも可能である。図5においては、表示項目として、荷物コード、配達員、配達予定位置X、配達予定位置Y、配達推定位置X、配達推定位置Y、誤差が採用されている。これらの項目のうち、荷物コード、配達員については、図3で示したものと同一である。配達予定位置、配達推定位置については、ここでは緯度・経度以外の所定の基準で表示されている。位置情報としては、配達予定位置と配達推定位置がどの程度離れているかを算出できるものであれば、図5に示すように、緯度・経度以外のものを用いることができる。誤差は、配達予定位置と配達推定位置の間の距離を示すものである。誤差については、あらかじめ許容値を設定しておき、誤差が許容値以上となった場合には、配達エラーとして反転表示(図5の例では、図示の都合上網掛けで示す)を行う。図5の例では、表示されている5つの荷物のうち、上3つは正しく配達されたと判断され、下2つは正しく配達されていないと判断されたことを示している。本発明では、図3から図5に示したように、配達予定位置と配達推定位置を比較して表示するため、配達物が目的地に到達したかどうかを配達業者側で確認することができる。そのため、配達員が、配達をしていないのに、配達したかのような報告をした場合でも、その不正を発見することが可能となる。
【0015】
(応用例)
続いて、本発明に係る配達位置確認方法の応用例について説明する。図6は、応用例を実現するための配達位置確認システムの構成を示す図である。図6において、図1と同一のものについては同一符号を付してある。図6に示す配達位置確認システムは、図1に示した管理用コンピュータ10にWWWサーバ20が接続された構成となっている。WWWサーバ20はネットワーク回線30に接続され、WWWブラウザソフトウェアを搭載した依頼者端末40からアクセス可能となっている。依頼者端末40としては、WWWブラウザを利用可能でWWWサーバから受信する情報が表示可能な画面を有するものであれば良く、この条件を満たせば、パーソナルコンピュータに限定されず、PDA、携帯電話、PHS等のモバイル端末であっても良い。実際には、インターネット利用の際には、利用者端末と、WWWサーバ20は直接データのやりとりをするのではなく、依頼者が契約しているプロバイダー等の業者を介して行うのであるが、本発明で説明する内容に関わるデータは、プロバイダー側のサーバーコンピュータで滞留することはないので、本明細書においては、便宜上、図1に示すように依頼者端末とWWWサーバが直接データのやりとりを行う形式で示している。
【0016】
続いて、図7に示すフローチャートに従って、配達位置確認方法の応用例を具体的に説明する。まず、依頼者端末40においてWWWブラウザを起動し、URLを指定してWWWサーバ20にアクセスする(ステップS11)。続いて、依頼者は、配達物の依頼時に入手した自身の配達物の識別情報(荷物コード)を入力する(ステップS12)。WWWサーバ20は、入力された識別情報について管理用コンピュータ10の配達履歴データベースおよび配達物情報データベースにアクセスして必要な情報を入手し、依頼者端末40に提示する(ステップS13)。依頼者端末40の画面には、図8に示すような画面が表示される。図3の配達業者用の確認画面と、図8の依頼者確認画面を比較するとわかるように、依頼者端末40で閲覧可能な情報は限定されたものとなっている。依頼者画面には、不必要な情報、あるいは業者側が見せたくない情報は除かれ、代わりに依頼者が知りたい情報を付加している。例えば、依頼者確認画面では、配達員コード、配達予定位置、配達推定位置の情報は表示されない。逆に、依頼者が最も知りたい情報である「いつ、どこに届いたか」に関する情報が表示される。図8の例では、「8/30PM2:00に、東京都新宿区X X X付近に、お届け致しました。」というメッセージが表示されているが、この時点で配達されていない場合には、「ただいま、配達中です。」等のメッセージが表示される。
【0017】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、位置特定手段として、GPSを利用したが、PHS等の他の位置特定手段を用いても良い。PHSにより位置を特定する場合、上記図1に示したGPSユニット4の代わりにPHSユニットが用いられる。このPHSユニットはPHS基地局のアンテナとのデータの送受信を可能としており、PHS基地局で受信した情報を基に、通信会社が運営している位置情報センターで各端末の位置の把握をすることができる。このような位置情報センターから位置情報を受信することにより、管理用コンピュータ10では、各配達員の位置が常時把握できる。このように、位置特定手段としてPHSを利用した場合には、配達員端末1は自身の位置情報を取得せず、管理用コンピュータ10が直接取得することになる。この場合、識別情報読取手段2により配達物の識別情報を取得すると、通信手段8および通信手段11を介して、配達員コードと配達物の識別情報が管理用コンピュータ10側に送信される。管理用コンピュータ10では、演算処理手段12が、PHSを利用して把握している配達員の位置情報と、通信手段8および通信手段11を介して取得した配達物識別情報とを配達員コードを基に対応付けて、上記ステップS4・S5と同様に、配達履歴データベース15に登録すると共に、表示手段13に表示される。
【0018】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、配達物の配達位置の確認のため、配達物に付加された配達物識別情報を読取り、自身の位置を定期的に特定することにより位置情報を得る位置特定装置から配達物識別情報の読取時の位置情報を保持し、配達物識別情報と位置情報を対応付けて出力するようにしたので、配達物が目的とする位置に到達したかどうかを確認することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る配達位置確認システムの構成図である。
【図2】本発明に係る配達位置確認方法の概要を示すフローチャートである。
【図3】配達業者側の確認画面の様子を示す図である。
【図4】配達位置を地図上で確認するための画面の様子を示す図である。
【図5】配達位置を表形式で確認するための画面の様子を示す図である。
【図6】本発明に係る配達位置確認システムの応用例を示す構成図である。
【図7】本発明に係る配達位置確認方法の応用例の概要を示すフローチャートである。
【図8】依頼者側の確認画面の様子を示す図である。
【符号の説明】
1・・・配達員端末
2・・・識別情報読取手段
3・・・演算処理手段
4・・・GPSユニット
5・・・メモリ
6・・・表示手段
7・・・入力手段
8・・・通信手段
9・・・配達物
9a・・・配達物識別具
10・・・管理用コンピュータ
11・・・通信手段
12・・・演算処理手段
13・・・表示手段
14・・・入力手段
15・・・配達履歴データベース
16・・・配達物情報データベース
17・・・地図データベース
20・・・WWWサーバ
30・・・ネットワーク回線
40・・・依頼者端末
Claims (4)
- 配達員が携帯する配達員端末と、当該配達員端末とデータ送受信可能とされた管理用コンピュータを用いた配達位置確認方法であって、
配達員端末に接続された識別情報読取装置により配達物に付加された配達物識別情報を読取る段階と、
自身の位置を定期的に特定することにより位置情報を得る位置特定装置から、前記配達物識別情報の読取時の位置情報を前記配達員端末内のメモリに保持する段階と、
前記配達物識別情報と位置情報を対応付けて前記管理用コンピュータに送信する段階と、
前記管理用コンピュータが、前記受信した位置情報で特定される配達推定位置と、前記配達物識別情報に対応する配達予定位置の誤差を算出し、前記配達推定位置と前記配達予定位置が一致しない場合には、それぞれ異なるマークを地図上に表示し、前記配達推定位置と前記配達予定位置が一致する場合には、一致することを示すマークを地図上に表示する表示段階と、
を有することを特徴とする配達位置確認方法。 - 前記表示段階において、前記管理用コンピュータが、前記配達推定位置と、前記配達予定位置が一致しない場合に、前記配達予定位置を示すマークから、前記配達推定位置を示すマークに向かう矢印を表示することを特徴とする請求項1に記載の配達位置確認方法。
- 配達員が携帯する配達員端末と、当該配達員端末とデータ送受信可能とされた管理用コンピュータを有する配達位置確認システムであって、
前記配達員端末は、
配達物に付加された配達物識別情報を読取る識別情報読取手段と、
自身が存在する位置を特定する位置特定手段と、
前記配達物識別情報と、当該配達物識別情報の読取時の位置情報を対応付けて前記管理用コンピュータ送信する位置情報送信手段と、を有し、
前記管理用コンピュータは、
前記配達員端末から、前記配達物識別情報と位置情報を受信する受信手段と、
前記受信した位置情報で特定される配達推定位置と、前記配達物識別情報に対応する配達予定位置の誤差を算出する演算処理手段と、
前記配達推定位置と前記配達予定位置が一致しない場合には、それぞれ異なるマークを地図上に表示し、前記配達推定位置と前記配達予定位置が一致する場合には、一致することを示すマークを地図上に表示手段と、
を有することを特徴とする配達位置確認システム。 - 前記表示手段は、前記配達推定位置と、前記配達予定位置が一致しない場合に、前記配達予定位置を示すマークから、前記配達推定位置を示すマークに向かう矢印を表示することを特徴とする請求項3に記載の配達位置システム。
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