本発明の請求項1記載の発明は、空気を加温する加温手段と、前記加温手段により加温された空気を浴室内に送風する加温空気送風手段と、浴室内に水または温水を噴射する噴射手段と微細水滴を発生させ気液分離を行う微細水滴加湿手段とを切り替えて空気の加湿を行なう加湿手段と、前記加湿手段により加湿された空気を浴室内に送風する加湿空気送風手段と、浴室内の温度を検出する浴室内温度検出手段と、前記加温空気送風手段により加温された空気と前記加湿空気送風手段により加湿された空気を浴室内に吹き出す吹出し口と、温度設定と前記浴室内の温度に応じて前記噴射手段の運転から前記微細水滴加湿手段の運転へ切り替えるアルゴリズムとを備えたサウナ装置において、前記アルゴリズムは、前記温度設定に対応させて備えた、前記噴射手段の運転時間を決定する浴室内温度の第一しきい値と、前記第一しきい値よりも高い値であって、前記噴射手段の運転から前記微細水滴加湿手段の運転へ切り替えを決定する浴室内温度の第二しきい値とを有し、前記加湿手段の運転開始時には、前記噴射手段は、前記第一しきい値によって決定された時間の運転をおこない、その後、浴室内の温度が前記第二しきい値を超えたときに前記微細水滴加湿手段による運転へ切り替えることを特徴とするサウナ装置であり、噴射手段の運転から微細水滴加湿手段の運転へ切り替えるアルゴリズムにより、浴室内温度が低いときでもサウナ運転開始時は直接浴室内への噴射による加湿で温風に湿度をもたせることで温度分布を良くし浴室内を早く均一な高温多湿空間とし、所定時間後の微細水滴による加湿ではサウナ空間にあっても目に見えない微細水滴を噴射するため透明感があり、浴室が曇ることなくサウナ空間の適切な状態維持ができ、サウナ入浴をしながら読書やテレビ鑑賞を楽しむなどリラクゼーション効果のあるサウナ空間を楽しむことができるサウナ装置を提供できるという作用を有する。
また、請求項2記載の発明は、装置本体の外側に浴室外の周囲温度を検出する機体外温度検出手段と浴室外の周囲温度を判定する第三しきい値を備え、前記機体外温度検出手段により検出された温度が前記第三しき値より低い場合には前記噴射手段の運転時間を長くすることを特徴とするサウナ装置であり、浴室内の温度が高くかつ機体外の温度が低い場合は、浴室全体がサウナ運転を開始してからまだ十分に暖まってない場合が想定され、浴室の床や壁面からの冷輻射の影響度合いが大きいと判定し、また、浴室内の温度が高くかつ機体外の温度が高い場合は、浴室全体が十分に暖まっている場合や、サウナ運転や暖房運転など浴室の温度を上げる効果の運転を終了してから間がない場合が想定され、浴室の床や壁面からの冷輻射の影響度合いが小さいと判定し、また、浴室内の温度が低くかつ機体外の温度が低い場合は、冬場のサウナ運転の開始時である状態が想定され、浴室の床や壁面からの冷輻射の影響度合いが大きいと判定し、また、浴室内の温度が低くかつ機体外の温度が高い場合は、夏場のサウナ運転の開始時である状態が想定され、浴室の床や壁面からの冷輻射の影響度合いが小さいと判定し、これらの状況に対応させるために、第三しきい値により噴射手段の運転時間調整することで浴室の床や壁面からの冷輻射の影響度合いを浴室内の温度と湿度の調整に加味することができ、浴室の床や壁面からの冷輻射の影響を防止して浴室内の温度および湿度が適切な状態に維持されるよう噴射手段の運転から微細水滴加湿手段の運転へ切り替えることができるサウナ装置を提供できるという作用を有する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1のサウナ装置について図1、図2、図3、図4、図5、図6を参照しながら説明する。
図1は基本構成を示す概念図、図2はサウナ装置の全体動作を示すフローチャート、図3はサウナ運転動作の一例を示すフローチャート、図4、5、6はサウナ運転で実行される各処理の詳細を示すフローチャートである。
図1に示すように、本発明の実施の形態1のサウナ装置は、筐体1内部に浴室2内を加温する加温手段3と、浴室2内を加湿する加湿手段4と、加温手段3により加温された空気を浴室内に送風する加温空気送風手段5aと、加湿手段4により加湿された空気を浴室内に送風する加湿空気送風手段5bと、送風の為の吸込み口6および吹出し口7と、加湿手段4で加湿に使用されなかった余剰加湿水を排出する排水手段8と、浴室内の温度を検出する浴室内温度検出手段9と、浴室外の温度を検出する機体外温度検出手段10と、浴室2内の空気を吸引して排気ダクト11を通して屋外に排気する換気ファン12で構成される換気手段13と、加温手段3や加湿手段4、換気手段13などを制御する制御手段14と、運転動作や設定などの指示を行う遠隔操作装置15を備えている。
加温手段3は、熱源としての給湯機16から温水循環回路17を介して温水の循環供給を受ける熱交換器18と、前記熱交換器18に水または温水の供給を断続する加温用熱動弁19が、吸込み口6を通して浴室2内の空気を吸引し、吹出し口7を通して空気を吹出す循環風路20内にあり、加温空気送風手段5aにより通風が行われることにより、循環風路20を通る空気を加温する。
加湿手段4は、浴室内に直接水または温水を噴射することで加湿を行う直接加湿手段4aと、水または温水を噴射する前に微細な水滴にしてから浴室内に加湿を行う微細水滴加湿手段4bから成り、直接加湿手段4aは、後述する給水手段21により供給された水または温水を直接浴室内に噴射手段である噴射ノズル22aにより噴射し、吸込み口6を通して浴室2内の空気を吸引し、吹出し口7を通して空気を吹出す循環風路20を、加温空気送風手段5aにより通風が行われることで加湿を行い、微細水滴加湿手段4bは、後述する給水手段21により供給された水または温水を噴射手段である噴射ノズル22bにより水または温水を噴射し、噴射された水または温水を水破砕手段23である加湿空気送風手段5bに衝突させて破砕することで細かな水滴群にし、水破砕手段23からの水滴群から大粒の水滴を気液分離手段であるエリミネータ24により除去した後に浴室内に放出し、吸込み口6を通して浴室2内の空気を吸引し、吹出し口7を通して空気を吹出す循環風路20を、加温空気送風手段5aにより通風が行われることで加湿を行う。給水手段21は、水または温水などを供給する水等供給手段25と、熱源としての給湯機16から温水循環回路17を介して循環供給されている温水と水等供給手段25からの水または温水との熱交換を行う水熱交換器26と、前記水熱交換器26に水または温水の供給を断続する加湿用熱動弁27が、噴射ノズル22aおよび噴射ノズル22bのそれぞれの噴射ノズルへ分岐された給水管28を介して接続されている。一方の分岐された給水管28aの途中に噴射ノズル22aへの給水を調整する給水調整弁29aが設けられている。また、もう一方の分岐された給水管28bの途中に噴射ノズル22bへの給水を調整する給水調整弁29bが設けられている。また、噴射の温水温度を検知する噴射水温センサ30が水熱交換器から給水管28の分岐するまでの間に設けられている。水等供給手段25からの水または温水と給湯機16から循環供給されている温水と水熱交換器26により熱交換された水または温水が、給水管28を介して流れ、給水調整弁29a、給水調整弁29bにより噴射ノズル22aおよび噴射ノズル22bへの給水が調整される。気液分離手段であるエリミネータ24は樹脂製、金属製、あるいはセラミック製の多孔質物体などで構成されている。
加温空気送風手段5aは、クロスフローファンやシロッコファンなどである。ファンを回転させることで、吸込み口6を通して浴室2内の空気を吸引し、加温手段3および加湿手段4で加温、加湿された空気を吹出し口7を通して浴室2内に吹出す方向に取り付けられており、回転数を後述の制御手段14により制御することで通風量が変化することとなる。
加湿空気送風手段5bは、クロスフローファンやシロッコファンなどである。ファンを回転し噴射ノズル22bにより噴射された水または温水を衝突させることで細かな水滴群にすることとなり、回転数を後述の制御手段14により制御することで細かな水滴群の量が変化することとなる。
排水手段8は、加湿に使用されなかった余剰加湿水や、浴室2内を加湿するのに適さない、すなわち噴射水温センサ30の検出した温度が低い場合、サウナ運転を終えた後筐体1内に残った水または温水を筐体1の外部へ排水管31を介して排出するものである。
浴室内温度検出手段9は、吸込み口6近傍に設けられており、浴室内の温度を検出し、機体外温度検出手段10は、筐体1に着接されており、機体外の温度を検出する。
浴室内温度検出手段9、機体外温度検出手段10、噴射水温センサ30は、温度に対して抵抗値が変化するサーミスタやリニア抵抗器及び白金測温抵抗体などの温度センサ、または、2種類の異なる金属線を先端で接合し、両端の温度差に応じて発生する微弱な電圧を利用した熱電対である。
制御手段14は、マイクロコンピュータなどを利用した制御基板により、後述の遠隔操作装置15からの入力情報、加温空気送風手段5a、加湿空気送風手段5bのファン回転数情報、浴室内温度検出手段9、機体外温度検出手段10、噴射水温センサ30からの温度情報を入力とし、その情報に応じて加温空気送風手段5a、換気ファン12、加温用熱動弁19、水破砕手段23、加湿用熱動弁27、給水調整弁29などに対し、リレーの開閉やオンオフ信号、回転数指令信号などを出力することで各々動作させ、加温手段3や加湿手段4、換気手段13などを制御することとなる。
遠隔操作装置15は、浴室2内や台所、脱衣室などに設けられた有線方式または電波や光、その他媒体を利用した無線方式の制御手段14と双方向に通信可能なリモコンで、各操作スイッチの操作により制御手段14に運転モードなどの指令を行うこととなる。遠隔操作装置15には、乾燥運転モードを指令する乾燥運転スイッチ15a、暖房運転モードを指令する暖房運転スイッチ15b、換気運転モードを指令する換気運転スイッチ15c、涼風運転モードを指令する涼風運転スイッチ15d、スプラッシュミストサウナ運転モードおよびマイクロミストサウナおよびミストサウナ自動運転を指令するサウナ運転スイッチ15eなどが設けられている。前記制御手段14は前記遠隔操作装置15の指令に基づいて、乾燥運転スイッチ15aが押されると乾燥運転を実行し、暖房運転スイッチ15bが押されると暖房運転を実行し、換気運転スイッチ15cが押されると換気運転を実行し、涼風運転スイッチ15dが押されると涼風運転を実行し、サウナ運転スイッチ15eが1回押されるとスプラッシュミストサウナ運転を実行し、サウナ運転スイッチ15eが2回押されるとマイクロミストサウナ運転を実行し、サウナ運転スイッチ15eが3回押されるとミストサウナ自動運転を実行するように構成されている。また、暖房運転やサウナ運転など好みの温度設定にできるような温度設定スイッチ15fや、吹出し口から吹出される風の向きを切り替えるための風向切り替えスイッチ15gなどを備えている。
乾燥運転は、前記加温空気送風手段5aを作動させ、加湿用熱動弁27を閉状態に維持するよう作動させ、かつ浴室2内の温度が乾燥用の設定温度範囲に維持されるように、加温用熱動弁19の開閉を制御して熱交換器18に熱媒としての温水を循環供給するとともに、換気ファン12を作動させて、浴室2内の空気の一部を吸引して排気ダクト11を通して屋外に排気させながら、熱交換器18により加温された空気が循環風路20を通して吹出し口7から浴室2内に吹出すようにしている。
暖房運転は、換気ファン12を停止させ、加湿用熱動弁27を閉状態に維持するよう作動させ、かつ加温空気送風手段5aを浴室2内に通風される空気の通風量が暖房用の通風量となるよう作動させるとともに、浴室2内の温度が設定温度に維持されるように、加温用熱動弁19の開閉を制御して熱交換器18に熱媒としての温水を循環供給し、この熱交換器18により加温された空気が循環風路20を通して吹出し口7から浴室2内に吹出すようにしている。
換気運転は、加温空気送風手段5aを停止させ、加温用熱動弁19を閉状態に維持するよう作動させ、かつ加湿用熱動弁27を閉状態に維持するよう作動させるとともに、換気ファン12を作動させ、浴室2内から吸引した空気を排気ダクト11を通して屋外に排気するようにしている。
涼風運転は、加温用熱動弁19を閉状態に維持するよう作動させ、かつ加湿用熱動弁27を閉状態に維持するよう作動させ、加温空気送風手段5aを作動させるとともに、換気ファン12を作動させて、浴室2内の空気の一部を吸引して排気ダクト11を通して屋外に排気させながら、熱交換器18により加温することなく空気が循環風路20を通して吹出し口7から浴室2内に吹出すようにしている。
サウナ運転は、遠隔操作装置15のサウナ運転スイッチ15eが1回押されるとスプラッシュミストサウナ運転を行い、サウナ運転スイッチ15eが2回押されるとマイクロミストサウナ運転を行い、サウナ運転スイッチ15eが3回押されるとミストサウナ自動運転を行う。
スプラッシュミストサウナ運転は、換気ファン12を停止させ、浴室内温度検出手段9により検出された浴室内温度、機体外温度検出手段10により検出された機体外温度に応じて、また、噴射水温センサ30で検出した温度や浴室の床や壁面からの冷輻射の影響に応じて、加湿用熱動弁27の開閉を制御させ、加湿手段4の給水調整弁29a、給水調整弁29bの開閉を制御させることで噴射ノズル22aおよび噴射ノズル22bから水または温水の噴射が行われ、噴射された水または温水を水破砕手段23である加湿空気送風手段5bに衝突させて破砕し、前記水破砕手段23からの水滴群から大粒の水滴を気液分離手段であるエリミネータ24により除去することで微細水滴を放出し、加温空気送風手段5aを浴室2内に通風される加湿空気の通風量がサウナ運転用の通風量となるよう作動させるとともに、浴室2内の温度が設定温度に維持されるように、加温用熱動弁19の開閉を制御して熱交換器18に熱媒としての温水を循環供給し、この熱交換器18と加湿手段4により加温および加湿された空気が循環風路20を通して吹出し口7から浴室2内に吹出すようにしている。
マイクロミストサウナ運転は、換気ファン12を停止させ、加湿手段4の給水調整弁29aを閉状態を維持するよう動作させ、浴室内温度検出手段9により検出された浴室内温度、機体外温度検出手段10により検出された機体外温度に応じて、また、噴射水温センサ30で検出した温度や浴室の床や壁面からの冷輻射の影響に応じて、加湿用熱動弁27の開閉を制御させ、加湿手段4の給水調整弁29bの開閉を制御させ、前記水破砕手段23からの水滴群から大粒の水滴を気液分離手段24により除去することで目に見えないほどの微細水滴を放出し、加温空気送風手段5aを浴室2内に通風される加湿空気の通風量がサウナ運転用の通風量となるよう作動させるとともに、浴室2内の温度が設定温度に維持されるように、加温用熱動弁19の開閉を制御して熱交換器18に熱媒としての温水を循環供給し、この熱交換器18と加湿手段4により加温および加湿された空気が循環風路20を通して吹出し口7から浴室2内に吹出すようにしている。
ミストサウナ自動運転は、運転開始から前記スプラッシュミストサウナ運転を所定時間動作後、あるいは前記浴室内温度と前記機体外温度に応じて前記マイクロミストサウナ運転を行うようにしている。
サウナ装置の全体動作について、図2のフローチャートを参照しながら説明する。図2に示すように、前記遠隔操作装置15からの指令に基づいて、乾燥運転、暖房運転、換気運転、涼風運転、サウナ運転の各々の運転を開始する。ステップS001において、前記遠隔操作装置15にて乾燥運転スイッチ15aが押されたかを判定し、押された場合にはステップS002にて乾燥運転処理を行う。ステップS003において、前記遠隔操作装置15にて暖房運転スイッチ15bが押されたかを判定し、押された場合にはステップS004にて暖房運転処理を行う。ステップS005において、前記遠隔操作装置15にて換気運転スイッチ15cが押されたかを判定し、押された場合にはステップS006にて換気運転処理を行う。ステップS007において、前記遠隔操作装置15にて涼風運転スイッチ15dが押されたかを判定し、押された場合にはステップS008にて涼風運転処理を行う。ステップS009において、前記遠隔操作装置15にてサウナ運転スイッチ15eが押されたかを判定し、押された場合にはステップS010にてサウナ運転処理を行う。
次に、サウナ運転処理について、図3のフローチャートを参照しながら説明する。前記遠隔操作装置15のサウナ運転スイッチ15eの押された回数によりスプラッシュミストサウナ運転、マイクロミストサウナ運転、ミストサウナ自動運転を行う。図3に示すように、ステップS011において、スプラッシュミストサウナ運転かを判定し、合致した場合にはステップS012にてスプラッシュミストサウナ運転処理を行う。ステップS013において、マイクロミストサウナ運転かを判定し、合致した場合にはステップS014にてマイクロミストサウナ運転処理を行う。ステップS015において、ミストサウナ自動運転かを判定し、合致した場合にはステップS016にてミストサウナ自動運転処理を行う。
次に、スプラッシュミストサウナ運転処理、マイクロミストサウナ運転処理について、図4、図5、表1、表2を参照しながら説明する。図4は浴室の温度調節についてのフローチャートであり、図5は浴室の湿度調節についてのフローチャートであり、表1は浴室の温度調節に関しての制御データであり、表1に示すように、運転モード、温度設定、機体外温度、浴室内温度に応じて加温用熱動弁19と加温空気送風手段5aの制御データが割り振られており、また、表2は浴室の湿度調節に関しての制御データであり、表2に示すように、運転モード、温度設定、機体外温度、浴室内温度に応じて給水調整弁29a、給水調整弁29b、加湿用熱動弁27、水破砕手段23(加湿空気送風手段5b)の制御データが割り振られている。
スプラッシュミストサウナ運転処理、マイクロミストサウナ運転処理の内容は図4に示す浴室内の温度調節制御と図5に示す浴室内の湿度調節制御であり、現在の運転がスプラッシュミストサウナ運転かマイクロミスト運転かの運転モード、前記温度設定スイッチ15fによる温度設定、浴室内温度、機体外温度に応じて、表1に示す浴室の温度調節に関しての制御データや表2に示す浴室の湿度調節に関しての制御データを参照して、制御時間や加温用熱動弁19、加湿用熱動弁27、給水調整弁29a、給水調整弁29b、加温空気送風手段5a、水破砕手段23の出力について開閉やオンオフなどの処理を行う。
浴室の温度調節制御について表1の温度調節制御データと図4のフローチャートを参照しながら動作を説明する。図4に示すように、ステップS017において、温度調節制御をできる状態にあるか否かの判定を行い、できない場合例えば浴室内の温度が上がりすぎている過昇状態や立ち上げ時で浴室が全く暖まっていない状態には温度調節制御を行わず、温度調節制御ができる状態と判定した際にはステップS018において、温度調節制御開始待ち処理を行う。温度調節制御開始待ち処理は温度調節制御に入る前の前処理であり、温度調節制御開始待ち処理を所定時間行う為の温度調節制御開始待ちタイマを開始させ、浴室内の加温を促進させるか否かの判定を行う浴室内温度しきい値の決定および制御データ参照などの準備を行う。また、前記温度調節制御開始待ち処理の間、ステップS019において、ミストサウナ運転終了の判別を行い、終了の場合は温度調節制御のフローを終了し、続行の場合はステップS020において、前記温度調節制御開始待ちタイマを監視し、動作中の間は温度調節制御開始待ち処理を続行し、カウントアップした際には、ステップS021において、浴室内温度が温度調節制御開始待ち処理で決定した浴室内温度しきい値T0未満であれば浴室内を加温する必要があると判定し、ステップ022の加温促進制御を行い、浴室内温度しきい値T0以上であれば浴室内は十分暖まっていると判定してステップS023の加温抑制制御を行う。
加温促進制御では表1の運転モード、温度設定、浴室内温度、機体外温度に応じて、制御時間や加温用熱動弁19、加温空気送風手段5aの出力について開閉やオンオフが定義されている制御データから加温用熱動弁19はB1、加温空気送風手段5aはJ1を参照し加温を促進する。表1中の制御時間X1は加温促進制御を行ってもなんらかの要因で浴室内温度が上がりきらない場合でも浴室内の加温を促進しすぎることのないよう加温抑制制御へ移行する為に設けられたタイマであり、制御時間Z1は制御時間Z1がカウント中の間は加温促進制御を行い、制御時間Z1がカウントアップした際には浴室内温度がT1以上であれば浴室内が暖まっていると判定し、ステップS023の加温抑制制御へ移行するという内容であり、制御時間X1≧制御時間Z1となっている。
加温促進制御を行っている間、ステップS024において、ミストサウナ運転終了の判別を行い、終了の際には温度調節制御のフローを終了し、続行の場合はステップS025において、前記制御時間Z1を監視し、制御時間Z1がカウント中の間は加温促進制御を続行し、制御時間Z1がカウントアップした際には、ステップS026において、浴室内温度が温度制御開始待ち処理で決定した浴室内温度しきい値T1未満であれば浴室内温度が低く加温を促進する必要があると判定して加温促進制御を続行し、ステップS027において、前記制御時間X1を監視し、制御時間X1がカウント中の間は加温促進制御を続行し、制御時間X1がカウントアップした際には、ステップS023の加温抑制制御へ移行する。またステップS026において、浴室内温度しきい値T1以上であれば浴室内は十分暖まっていると判定してステップS023の加温抑制制御を行う。
加温抑制制御では表1の運転モード、温度設定、浴室内温度、機体外温度に応じて、制御時間や加温用熱動弁19、加温空気送風手段5aの出力について開閉やオンオフが定義されている制御データから加温用熱動弁19はB2、加温空気送風手段5aはJ2を参照し加温を抑制する。表1中の制御時間X2は加温抑制制御を行ってもなんらかの要因で浴室内温度が下がりきらない場合でも浴室内の加温を抑制しすぎることのないよう加温促進制御へ移行する為に設けられたタイマであり、制御時間Z2は制御時間Z2がカウント中の間は加温抑制制御を行い、制御時間Z2がカウントアップした際には浴室内温度がT2未満であれば浴室内が冷えてきていると判定し、ステップS022の加温促進制御へ移行するという内容であり、制御時間X2≧制御時間Z2となっている。
加温抑制制御を行っている間、ステップS028において、ミストサウナ運転終了の判別を行い、終了の際には温度調節制御のフローを終了し、続行の場合はステップS029において、前記制御時間Z2を監視し、制御時間Z2がカウント中の間は加温抑制制御を続行し、制御時間Z2がカウントアップした際には、ステップS030において、浴室内温度が温度調節制御開始待ち処理で決定した浴室内温度しきい値T2以上であれば浴室内温度が高く加温を抑制する必要があると判定して加温抑制制御を続行し、ステップS031において、前記制御時間X2を監視し、制御時間X2がカウント中の間は加温抑制制御を続行し、制御時間X2がカウントアップした際には、ステップS022の加温促進制御へ移行する。またステップS030において、浴室内温度しきい値T2未満であれば浴室内は冷えていると判定してステップS022の加温抑制制御を行う。
浴室の湿度調節制御について表2の湿度調節制御データと図5のフローチャートを参照しながら動作を説明する。図5に示すように、ステップS032において、湿度調節制御をできる状態にあるか否かの判定を行い、できない場合例えば噴射される温水の温度が低い状態や、浴室内の温度が低く温水を噴射すると肌寒く感じるような状態には湿度調節制御を行わず、温度調節制御ができる状態と判定した際にはステップS033において、湿度調節制御開始待ち処理を行う。湿度調節制御開始待ち処理は湿度調節制御に入る前の前処理であり、湿度調節制御開始待ち処理を所定時間行う為の湿度調節制御開始待ちタイマを開始させ、浴室内の加湿を促進させるか否かの判定を行う浴室内温度しきい値の決定など制御データ参照などの準備を行う。また、前記湿度調節制御開始待ち処理の間、ステップS034において、ミストサウナ運転終了の判別を行い、終了の場合は湿度調節制御のフローを終了し、続行の場合はステップS035において、前記湿度調節制御開始待ちタイマを監視し、動作中の間は湿度調節制御開始待ち処理を続行し、カウントアップした際には、ステップS036において、浴室内温度が湿度調節制御開始待ち処理で決定した浴室内温度しきい値T3未満であれば浴室内を加湿する必要があると判定し、ステップ037の加湿促進制御を行い、浴室内温度しきい値T3以上であれば浴室内は十分暖まっていると判定してステップS038の加湿抑制制御を行う。
加湿促進制御では表2の運転モード、温度設定、浴室内温度、機体外温度に応じて、制御時間や加湿用熱動弁27、給水調整弁29a、給水調整弁29b、水破砕手段23(加湿空気送風手段5b)の出力について開閉やオンオフが定義されている制御データから加湿用熱動弁27はBB1、給水調整弁29aはKB1、給水調整弁29bはKB3、水破砕手段23はS1を参照し加湿を促進する。表2中の制御時間X3は加湿促進制御を行ってもなんらかの要因で浴室内温度が上がりきらない場合でも浴室内の加湿を促進しすぎることのないよう加湿抑制制御へ移行する為に設けられたタイマであり、制御時間Z3は制御時間Z3がカウント中の間は加湿促進制御を行い、制御時間Z3がカウントアップした際には浴室内温度がT4以上であれば浴室内が暖まっていると判定し、ステップS038の加湿抑制制御へ移行するという内容であり、制御時間X3≧制御時間Z3となっている。
加湿促進制御を行っている間、ステップS039において、ミストサウナ運転終了の判別を行い、終了の場合は湿度調節制御のフローを終了し、続行の場合はステップS040において、前記制御時間Z3を監視し、制御時間Z3がカウント中の間は加湿促進制御を続行し、制御時間Z3がカウントアップした際には、ステップS041において、浴室内温度が湿度調節制御開始待ち処理で決定した浴室内温度しきい値T4未満であれば浴室内温度が低く加湿を促進する必要があると判定して加湿促進制御を続行し、ステップS042において、前記制御時間X3を監視し、制御時間X3がカウント中の間は加湿促進制御を続行し、制御時間X3がカウントアップした際には、ステップS038の加湿抑制制御へ移行する。またステップS041において、浴室内温度しきい値T4以上であれば浴室内は十分暖まっていると判定してステップS038の加湿抑制制御を行う。
加湿抑制制御では表2の運転モード、温度設定、浴室内温度、機体外温度に応じて、制御時間や加湿用熱動弁27、給水調整弁29a、給水調整弁29b、水破砕手段23(加湿空気送風手段5b)の出力について開閉やオンオフが定義されている制御データから加湿用熱動弁27はBB2、給水調整弁29aはKB2、給水調整弁29bはKB4、水破砕手段23はS2を参照し加湿を抑制する。表2中の制御時間X4は加湿抑制制御を行ってもなんらかの要因で浴室内温度が下がりきらない場合でも浴室内の加湿を抑制しすぎることのないよう加湿促進制御へ移行する為に設けられたタイマであり、制御時間Z4は制御時間Z4がカウント中の間は加湿抑制制御を行い、制御時間Z4がカウントアップした際には浴室内温度がT5未満であれば浴室内が冷えてきていると判定し、ステップS037の加湿促進制御へ移行するという内容であり、制御時間X4≧制御時間Z4となっている。
加湿抑制制御を行っている間、ステップS043において、ミストサウナ運転終了の判別を行い、終了の場合は湿度調節制御のフローを終了し、続行の場合はステップS044において、前記制御時間Z4を監視し、制御時間Z4がカウント中の間は加湿抑制制御を続行し、制御時間Z4がカウントアップした際には、ステップS045において、浴室内温度が湿度調節制御開始待ち処理で決定した浴室内温度しきい値T5以上であれば浴室内温度が高く加湿を抑制する必要があると判定して加湿抑制制御を続行し、ステップS046において、前記制御時間X4を監視し、制御時間X4がカウント中の間は加湿抑制制御を続行し、制御時間X4がカウントアップした際には、ステップS037の加湿促進制御へ移行する。またステップS045において、浴室内温度しきい値T5未満であれば浴室内は冷えていると判定してステップS037の加湿抑制制御を行う。
次に、ミストサウナ自動運転処理について、表3の運転処理切り替え制御データと図6のフローチャートを参照しながら説明する。表3に示すように、温度設定と浴室内温度と機体外温度に応じて、ミストサウナ運転開始からスプラッシュサウナ運転処理を行う所定時間W1とマイクロミストサウナ運転処理へ切り替える温度しきい値Y1が割り振られており、図6に示すように、ミストサウナ自動運転を開始するとステップS047において、スプラッシュミストサウナ運転処理を表3で決定した所定時間W1行い、所定時間W1経過後、ステップS048において、マイクロミストサウナ運転に切り替えるかを温度しきい値Y1で判定を行い、温度しきい値Y1以上でミストサウナ運転処理を切り替える判定となった際にはステップS049において、マイクロミストサウナ運転処理に切り替わる。
表3のデータについて説明する。温度設定が高、中、低の3段階設けてあり、使用者が嗜好や体調によって遠隔操作装置15に設けられた温度設定スイッチ15fを押下した時に、浴室内温度、機体外温度に応じて、スプラッシュミストサウナ運転時間W1とマイクロミストサウナ運転処理へ切り替える浴室内温度のしきい値Y1が決定される。また、浴室の床や壁面からの冷輻射の影響度合いを、機体外温度に応じて運転時間を異ならせることで対応するものとなっている。一例として、温度設定が高であった場合、浴室内温度が高く、機体外温度が高いなら、あまり間をおかずにサウナ運転をした場合など、ほぼサウナ空間ができていると想定し、直接浴室内への噴射による加湿で温風に湿度をもたせることで温度分布を良くしたスプラッシュミストサウナ運転の運転時間は短くてよく、また、浴室内温度が低く、機体外温度が低いなら、浴室内が暖まっていないと想定し、スプラッシュミストサウナ運転時間が長くなるようなデータの割り振りとなっている。温度設定中、低についても同様でマイクロミストサウナ運転処理へ切り替える温度のしきい値が順に低くなるデータの割り振りとなっている。
上記のようなサウナ装置にて運転することにより、湿度センサを使用することなく浴室内の温度と湿度を適切な状態とするよう制御することができ、また、浴室の床や壁面からの冷輻射の影響を防止して快適なサウナ空間とすることができ、さらに、使い勝手の面で、使用者の嗜好や気分、体調にあわせて浴室内の温度と湿度を制御できる。また、余剰加湿水温度の保護について温度・湿度調節処理と兼用できる為、簡便に行うことができる。
なお、温度調節制御、湿度調節制御では表1、表2に一例として、温度設定を3段階、機体外温度、浴室内温度を各2段階に切り分けた制御データとしたが、何段階に切り分けたものであってもよく、その作用効果に差異は生じない。
なお、表1、表2の加温用熱動弁19、給水調整弁29a、給水調整弁29bについて開閉のデータとしたが、給水量が調節できれば流量調整弁などで流量調整する方法を用いてもよく、その作用効果に差異は生じない。
また、本実施の形態において、浴室内温度検出手段9は筐体1内にある構成となっているが、浴室内温度を検出できれば筐体1内でなくてもよく、その作用効果に差異は生じない。
また、本実施の形態において、機体外温度検出手段10は筐体1に着接されているとしたが、浴室内温度と機体外温度から浴室内の温度、湿度を検出できれば浴室2の外壁に着接されていてもよく、その作用効果に差異は生じない。
また、本実施の形態において、機体外温度検出手段10が浴室2の外壁に着接されている場合、浴室2の外壁の材質は例えば不飽和ポリエステル樹脂、ガラス繊維、炭酸カルシウムを原料とするガラス繊維強化ポリエステル(FRP)などであってもよく、また、人造大理石、ステレンス、鋳物ホ−ロ−など外壁の材質に応じて温度勾配を考慮したデータや設定を設ければよく、その作用効果に差異は生じない。
また、本実施の形態において、機体外温度検出手段10が浴室2の外壁に着接されていて、浴室2の外壁が屋外にある場合や暖房など空調機器の影響を受ける場合、浴室内温度と機体外温度の関係(温度勾配)が変化するだけであり、機体外温度検出手段周辺の影響度合いを設置状態に合わせた設定を設ければよく、その作用効果に差異は生じない。
(実施の形態2)
また、本実施の形態1において、加温空気送風手段5aと加湿空気送風手段5bを別個に設けた構成としたが、加温空気送風手段5aと水破砕手段23としての加湿空気送風手段5bを兼用し、加温加湿空気送風手段5cとした図7のような構成としてもよい。実施の形態1での作用効果に加え、送風手段が1つでよいため、装置の小型化を実現できるという効果がある。