このような従来の方法では、湿度センサは感湿膜に高分子材料を用いられ抵抗変化や静電容量の変化を利用した電子式湿度センサがよく用いられているが、例えば、サウナ運転を行い、結露に至るような高い湿度空間とした後に一旦運転を終了し、すぐに再度運転を開始した場合において、素子の検知部分が濡れた状態でかつ短時間では乾きにくい為、実際の湿度変化に追従できずに誤検知しやすく、また、サウナ運転のように高い湿度空間に繰り返し晒されるような環境下においてはセンサ寿命が短命化することが知られている、つまり故障しやすいという課題があり、湿度センサを使用することなく温度、湿度が制御され、快適なサウナ空間とするサウナ装置を提供することが要求されている。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、湿度センサを使用することなく浴室内の温度および湿度が適切な状態に維持されるよう制御することができるサウナ装置を提供することを目的としている。
また、室温センサ、湿度センサに基づく制御では限られた範囲で浴室内の状態に応じることは可能だが、季節や設置場所などによる環境条件や、使用者の操作条件などにより浴室の床や壁面の温度が異なり、特に浴室内の温度は高くても床や壁面の温度が低い場合では床や壁面からの冷輻射の影響により人体から熱を奪う為、体感上寒く感じ、さらには、使用者の嗜好や気分、体調などにより個人差がある為、壁面からの冷輻射の影響、および使用者の体感上における個人差に対して適切な制御ができないという課題があり、浴室の床や壁面からの冷輻射の影響を防止して温度、湿度が制御され、快適なサウナ空間とするサウナ装置を提供することが要求される。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、環境条件、あるいは使用者の操作条件など浴室の床や壁面からの冷輻射の影響を防止して浴室内の温度および湿度が適切な状態に維持されるよう制御することができるサウナ装置を提供することを目的としている。
本発明のサウナ装置は上記目的を達成するために、加温用熱動弁の開閉制御により温水の供給が断続される熱交換器を循環風路に配置し空気を加温する加温手段と、前記加温手段により加温された空気を浴室内に送風する加温空気送風手段と、吹出し口と、開閉制御により、給湯器から水熱交換器へ循環供給させる温水の供給を断続する加湿用熱動弁と前記水熱交換器を媒体として温めた温水の給水を調整する給水調整弁と、前記供給調整弁の調整により温水または水を噴射させる噴射手段と、前記噴射手段により噴射させた温水または水を衝突させて破砕することで細かな水滴群にする水破砕手段と、前記水滴群から大粒の水滴を余剰加湿水として分離除去する気液分離手段と、前記気液分離手段で大粒の水滴が除去された微細水滴を放出して空気の加湿をする微細水滴加湿手段と、前記微細水滴加湿手段により加湿された空気を浴室内に送風する加湿空気送風手段と、浴室内温度を検出する浴室内温度検出手段と、前記大粒の水滴からなる余剰加湿水温度を湿球温度として検出する余剰加湿水温度検出手段と、筐体に着接し機体外温度を検出する気体外温度検出手段とを備え、前記加温空気送風手段により加温された空気と前記加湿空気送風手段により加湿された空気を浴室内に前記吹出し口から浴室内に吹出すサウナ装置において、浴室の温度調節は、前記機体外温度、前記浴室内温度に応じて機体外温度が高くなると低くなるように調整される室内温度のしきい値によって加温用熱動弁が閉止されるとともに、前記浴室内温度が高くなると加温送風手段の回転数を低く制御し、浴室の湿度調節は、前記給水調整弁を開とし、前記機体外温度、前記余剰加湿水温度に応じて、前記余剰加湿水温度が高くなると低くなるように調整される室内温度のしきい値によって加湿用熱動弁が閉止されるとともに、前記余剰加湿水温度が高くなると加湿空気送風手段の回転を弱くする制御をして、浴室内の温度が35℃〜45℃、湿度が70%〜95%に入るように制御することを特徴としたものである。
この手段により、湿度センサを使用することなく浴室内の温度および湿度が適切な状態に維持されるよう制御することができるサウナ装置を提供できる。
また、第2の課題解決手段は、浴室内の空気を吸込む吸込み口を備え、加温空気送風手段により浴室内の空気を吸込むことを特徴としたものである。
この手段により、湿度センサを使用することなく浴室内の温度および湿度が適切な状態に維持されるよう制御することができ、省エネ効果のあるサウナ装置を提供できる。
また、第3の課題解決手段は、加湿空気送風手段と加温空気送風手段を兼用した加温加湿空気送風手段を備えたことを特徴としたものである。
この手段により、湿度センサを使用することなく浴室内の温度および湿度が適切な状態に維持されるよう制御することができ、加湿と加温の送風を1つの送風手段で行うことができるサウナ装置を提供できる。
また、第4の課題解決手段は、水または温水を噴射する噴射手段を備え、前記噴射手段により浴室内に水または温水を噴射することを特徴としたものである。
この手段により、湿度センサを使用することなく浴室内の温度および湿度が適切な状態に維持されるよう制御することができ、水滴を浴びながら発汗効果の高いサウナ空間を楽しむ使い方と、サウナ入浴をしながら読書やテレビ鑑賞を楽しむなどリラクゼーション効果のあるサウナ空間を楽しむ使い方を使用者の嗜好に合わせて選択することができるサウナ装置を提供できる。
また、第5の課題解決手段は、装置本体の外側に浴室外の周囲温度を検出する機体外温度検出手段を備え、前記機体外温度検出手段により検出された温度から浴室の床や壁面からの冷輻射の影響度合いを判定し、その影響度合いを浴室内の温度と湿度の調整に反映させることを特徴としたものである。
この手段により、浴室の床や壁面からの冷輻射の影響を防止して浴室内の温度および湿度が適切な状態に維持されるよう制御することができるサウナ装置を提供できる。
また、第6の課題解決手段は、第5の課題解決手段において、機体外温度検出手段により検出された温度データはサウナ運転の開始時に取り込み、保持する処理が行われ、保持された温度データを機体外温度データとすることを特徴としたものである。
この手段により、浴室の床や壁面からの冷輻射の影響を防止して浴室内の温度および湿度が適切な状態に維持されるよう制御することができるサウナ装置を提供できる。
また、第7の課題解決手段は、サウナ空間を使用者の好みに応じて変化させるために温度設定切替入力手段と、浴室内の温度と湿度が所定内に入るように制御する制御データを複数の温度設定毎にもったことを特徴としたものである。
この手段により、浴室の床や壁面からの冷輻射の影響を防止し、かつ影響を受ける使用者の嗜好や気分、体調など個人差にも応じることができ、浴室内の温度および湿度が適切な状態に維持されるよう制御することができるサウナ装置を提供できる。
また、第8の課題解決手段は、第7の課題解決手段において、温度設定切替入力手段により、温度設定を切り替えた際には、切り替えた内容に応じて温度設定切替制御を行うことを特徴としたものである。
この手段により、浴室の床や壁面からの冷輻射の影響を防止し、かつ影響を受ける使用者の嗜好や気分、体調など個人差にも応じることができ、設定を切り替えた際には、すばやく切り替えたサウナ空間にすることができ、浴室内の温度および湿度が適切な状態に維持されるよう制御することができるサウナ装置を提供できる。
また、第9の課題解決手段は、サウナ運転開始時は浴室内への加湿を抑え、加温を行うサウナ起動制御を行い、その後、浴室内の温度と湿度が所定内に入るように制御する温度・湿度調節処理を行うことを特徴としたものである。
この手段により、サウナ運転の開始時から浴室の床や壁面からの冷輻射の影響を防止して立ち上がり専用の制御を行うことができ、前記サウナ起動制御終了後、浴室内の温度および湿度が適切な状態に維持されるよう制御することができるサウナ装置を提供できる。
また、第10の課題解決手段は、第9の課題解決手段において、サウナ起動制御を行い、サウナ準備完了となったことを判定するサウナ準備完了判定手段により、サウナ準備完了と判定した際にはサウナ起動制御を終了し、浴室内の温度と湿度が所定内に入るように制御する温度・湿度調節処理を行うことを特徴としたものである。
この手段により、サウナ運転の開始時から浴室の床や壁面からの冷輻射の影響を防止して立ち上がり専用の制御を適切に行うことができ、前記サウナ起動制御終了後、浴室内の温度および湿度が適切な状態に維持されるよう制御することができるサウナ装置を提供できる。
また、第11の課題解決手段は、第9の課題解決手段において、サウナ運転開始時に前回サウナ運転を終了して今回サウナ運転を開始するまでの間隔が一定時間内であるかどうかによりサウナ起動制御の必要、不要の判定を行うサウナ運転間隔判定処理を行うことを特徴としたものである。
この手段により、サウナ運転の開始時から浴室の床や壁面からの冷輻射の影響を防止して立ち上がり専用の制御を必要に応じて行うことができ、浴室内の温度および湿度が適切な状態に維持されるよう制御することができるサウナ装置を提供できる。
また、第12の課題解決手段は、余剰加湿水温度が設定した温度を超えないようにすることを特徴としたものである。
この手段により、簡便に余剰加湿水温度の保護動作を行うことができるサウナ装置を提供できる。
また、第13の課題解決手段は、第12の課題解決手段において、余剰加湿水温度が設定した温度を超えないように、加湿空気送風手段または加温加湿空気送風手段の制御による調整、微細水滴加湿手段と噴射手段のうち少なくとも一方へ給水する給水量の制御による調整のうち、少なくとも一方の制御により調整を行うことを特徴としたものである。
この手段により、簡便に余剰加湿水温度の保護動作を行うことができるサウナ装置を提供できる。
また、第14の課題解決手段は、余剰加湿水温度の上昇速度が設定された値を超えないようにすることを特徴としたものである。
この手段により、正確かつ簡便に余剰加湿水温度の保護動作を行うことができるサウナ装置を提供できる。
本発明によれば湿度センサを使用することなく浴室内の温度と湿度を精度よく適切な状態とするよう制御することができるサウナ装置を提供できる。
また、本発明によれば浴室の床や壁面からの冷輻射の影響を防止して、快適なサウナ空間とするサウナ装置を提供できる。
また、本発明によれば使用者の嗜好や気分、体調にあわせて浴室内の温度と湿度を制御する各人に使い勝手のよいサウナ装置を提供できる。
また、本発明によれば簡便に余剰加湿水温度の保護動作を行うことができるサウナ装置を提供できる。
本発明の請求項1記載の発明は、加温用熱動弁の開閉制御により温水の供給が断続される熱交換器を循環風路に配置し空気を加温する加温手段と、前記加温手段により加温された空気を浴室内に送風する加温空気送風手段と、吹出し口と、開閉制御により、給湯器から水熱交換器へ循環供給させる温水の供給を断続する加湿用熱動弁と前記水熱交換器を媒体として温めた温水の給水を調整する給水調整弁と、前記供給調整弁の調整により温水または水を噴射させる噴射手段と、前記噴射手段により噴射させた温水または水を衝突させて破砕することで細かな水滴群にする水破砕手段と、前記水滴群から大粒の水滴を分離除去する気液分離手段と、前記気液分離手段で大粒の水滴が除去された微細水滴を放出して空気の加湿をする微細水滴加湿手段と、前記微細水滴加湿手段により加湿された空気を浴室内に送風する加湿空気送風手段と、浴室内温度を検出する浴室内温度検出手段と、前記大粒の水滴からなる余剰加湿水温度を湿球温度として検出する余剰加湿水温度検出手段と、筐体に着接し機体外温度を検出する気体外温度検出手段とを備え、前記加温空気送風手段により加温された空気と前記加湿空気送風手段により加湿された空気を浴室内に前記吹出し口から浴室内に吹出すサウナ装置において、浴室の温度調節は、前記機体外温度、前記浴室内温度に応じて機体外温度が高くなると低くなるように調整される室内温度のしきい値によって加温用熱動弁が閉止されるとともに、前記浴室内温度が高くなると加温送風手段の回転数を低く制御し、浴室の湿度調節は、前記給水調整弁を開とし、前記機体外温度、前記余剰加湿水温度に応じて、前記余剰加湿水温度が高くなると低くなるように調整される室内温度のしきい値によって加湿用熱動弁が閉止されるとともに、前記余剰加湿水温度が高くなると加湿空気送風手段の回転を弱くする制御をして、浴室内の温度が35℃〜45℃、湿度が70%〜95%に入るように制御することを特徴とするサウナ装置であり、浴室内の湿度は、乾湿球湿度計の原理を利用して水の蒸発による気化熱により湿球温度に近い温度となる余剰加湿水温度を検出し、湿度センサを使用することなく浴室内の温度および湿度を精度よく調整することができるサウナ装置を提供できるという作用を有する。
また、請求項2記載の発明は、浴室内の空気を吸込む吸込み口を備え、加温空気送風手段により浴室内の空気を吸込むことを特徴とするサウナ装置であり、浴室内の空気を循環させることで加温加湿された空気の損失が抑えられ、省エネ効果のあるサウナ装置を提供できるという作用を有する。
また、請求項3記載の発明は、加湿空気送風手段と加温空気送風手段を兼用した加温加湿空気送風手段を備えたことを特徴とするサウナ装置であり、加湿と加温の送風を1つの送風手段で行うことができるサウナ装置を提供できるという作用を有する。
また、請求項4記載の発明は、水または温水を噴射する噴射手段を備え、前記噴射手段により浴室内に水または温水を噴射することを特徴とするサウナ装置であり、噴射手段により直接水滴を浴びると体に熱が伝わりやすく発汗しやすくなり、発汗効果の高いサウナ空間を楽しむ使い方ができ、一方微細水滴加湿手段による加湿ではサウナ空間にあっても目に見えない微細水滴を噴射するため透明感があり、サウナ入浴をしながら読書やテレビ鑑賞を楽しむなどリラクゼーション効果のあるサウナ空間を楽しむ使い方ができ、使用者の嗜好に合わせてサウナ空間を選択することが可能な各人に使い勝手のよいサウナ装置を提供できるという作用を有する。
また、請求項5記載の発明は、装置本体の外側に浴室外の周囲温度を検出する機体外温度検出手段を備え、前記機体外温度検出手段により検出された温度から浴室の床や壁面からの冷輻射の影響度合いを判定し、その影響度合いを浴室内の温度と湿度の調整に反映させることを特徴とするサウナ装置であり、浴室内温度が高くかつ機体外温度が低い場合は、浴室全体がサウナ運転を開始してからまだ十分に暖まってない場合が想定され、浴室の床や壁面からの冷輻射の影響度合いが大きいと判定し、また、浴室内温度が高くかつ機体外温度が高い場合は、浴室全体が十分に暖まっている場合や、サウナ運転や暖房運転など浴室の温度を上げる効果の運転を終了してから間がない場合が想定され、浴室の床や壁面からの冷輻射の影響度合いが小さいと判定し、また、浴室内温度が低くかつ機体外温度が低い場合は、冬場のサウナ運転の開始時である状態が想定され、浴室の床や壁面からの冷輻射の影響度合いが大きいと判定し、また、浴室内温度が低くかつ機体外温度が高い場合は、夏場のサウナ運転の開始時である状態が想定され、浴室の床や壁面からの冷輻射の影響度合いが小さいと判定し、浴室の床や壁面からの冷輻射の影響度合いを浴室内の温度と湿度の調整に各々の状態により加味することで、浴室の床や壁面からの冷輻射の影響を防止して浴室内の温度および湿度が適切な状態に維持されるよう制御することができるサウナ装置を提供できるという作用を有する。
また、請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、機体外温度検出手段により検出された温度データはサウナ運転の開始時に取り込み、保持する処理が行われ、保持された温度データを機体外温度データとすることを特徴とするサウナ装置であり、サウナ運転の開始時に取り込んで保持した機体外温度データを用いることで、浴室の床や壁面からの冷輻射の影響度合いを判定する際、判定した結果が容易に切り替らないようハンチングすることを防止することになり、浴室の床や壁面からの冷輻射の影響を防止して浴室内の温度および湿度が適切な状態に維持されるよう制御することができるサウナ装置を提供できるという作用を有する。
また、請求項7記載の発明は、サウナ空間を使用者の好みに応じて変化させるために温度設定切替入力手段と、浴室内の温度と湿度が所定内に入るように制御する制御データを複数の温度設定毎にもったことを特徴とするサウナ装置であり、例えば、使用者がサウナ運転にて入浴している際、暑くなってきたため少し弱めのサウナ空間にしたい場合、温度設定を温度設定切替手段により下げてやることで、温度設定を切り替える前に対して、加温や加湿を弱めるような制御データを参照して指令値を出力することになり、浴室の床や壁面からの冷輻射の影響を防止し、かつ影響を受ける使用者の嗜好や気分、体調など個人差にも応じることができ、浴室内の温度および湿度が適切な状態に維持されるよう制御することができるサウナ装置を提供できるという作用を有する。
また、請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、温度設定切替入力手段により、温度設定を切り替えた際には、切り替えた内容に応じて温度設定切替制御を行うことを特徴とするサウナ装置であり、温度設定を切り替えた際に、切り替えた温度設定の状態に早く近づけるために切り替え後の温度設定の制御データより過剰な制御データを参照して出力することとなり、浴室の床や壁面からの冷輻射の影響を防止し、かつ影響を受ける使用者の嗜好や気分、体調など個人差にも応じることができ、浴室内の温度および湿度が適切な状態に維持されるよう制御することができるサウナ装置を提供できるという作用を有する。
また、請求項9記載の発明は、サウナ運転開始時は浴室内への加湿を抑え、加温を行うサウナ起動制御を行い、その後、浴室内の温度と湿度が所定内に入るように制御する温度・湿度調節処理を行うことを特徴とするサウナ装置であり、例えば、浴室内温度が高くても、浴室全体が完全に温まってなく床や壁面からの冷輻射の影響が大きい場合には、加湿しすぎると人体から熱が奪われ体感上寒く感じる為、浴室全体が完全に温まるまで加湿を行わない、または寒く感じない程度に加湿を弱め、浴室の加温に重点をおいた制御を行うこととなり、サウナ運転の開始時から浴室の床や壁面からの冷輻射の影響を防止して立ち上がり専用の制御を行うことができ、前記サウナ起動制御終了後、浴室内の温度と湿度を精度よく調整する温度・湿度調節処理を行うよう制御することができるサウナ装置を提供できるという作用を有する。
また、請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明において、サウナ起動制御を行い、サウナ準備完了となったことを判定するサウナ準備完了判定手段により、サウナ準備完了と判定した際にはサウナ起動制御を終了し、浴室内の温度と湿度が所定内に入るように制御する温度・湿度調節処理を行うことを特徴とするサウナ装置であり、浴室内温度や機体外温度の条件によりサウナ準備完了であるか否かを判定し、立ち上がり専用の制御時間を適切に終了することとなり、サウナ運転の開始時から浴室の床や壁面からの冷輻射の影響を防止して立ち上がり専用の制御を適切に行うことができ、前記サウナ起動制御終了後、浴室内の温度と湿度を精度よく調整する温度・湿度調節処理を行うよう制御することができるサウナ装置を提供できるという作用を有する。
また、請求項11記載の発明は、請求項9記載の発明において、サウナ運転開始時に前回サウナ運転を終了して今回サウナ運転を開始するまでの間隔が一定時間内であるかどうかによりサウナ起動制御の必要、不要の判定を行うサウナ運転間隔判定処理を行うことを特徴とするサウナ装置であり、サウナ運転を行った間隔が短ければサウナ空間に近い状態と想定されるので、サウナ起動制御を行わず浴室内の温度と湿度を精度よく調整する温度・湿度調節処理を行うよう制御し、間隔が長ければサウナ起動制御を行い、サウナ起動制御終了後に浴室内の温度と湿度を精度よく調整する温度・湿度調節処理を行うよう制御することができるサウナ装置を提供できるという作用を有する。
また、請求項12記載の発明は、余剰加湿水温度が設定した温度を超えないようにすることを特徴とするサウナ装置であり、余剰加湿水温度を浴室内の温度と湿度の制御に用いていることから、余剰加湿水温度が設定した値以上であれば余剰加湿水の温度を下げるような保護制御を兼用できる為、簡便に余剰加湿水温度の保護動作を行うことができるサウナ装置を提供できるという作用を有する。
また、請求項13記載の発明は、請求項12記載の発明において、余剰加湿水温度が設定した温度を超えないように、加湿空気送風手段または加温加湿空気送風手段の制御による調整、微細水滴加湿手段と噴射手段のうち少なくとも一方へ給水する給水量の制御による調整のうち、少なくとも一方の制御により調整を行うことを特徴とするサウナ装置であり、余剰加湿水温度を浴室内の温度と湿度の制御に用いていることから、余剰加湿水温度が設定した値以上であれば余剰加湿水の温度を下げるような保護制御を兼用できる為、簡便に余剰加湿水温度の保護動作を行うことができるサウナ装置を提供できるという作用を有する。
また、請求項14記載の発明は、請求項12または13記載の発明において、余剰加湿水温度の上昇速度が設定された値を超えないようにすることを特徴とするサウナ装置であり、余剰加湿水温度の設定した値に加え、上昇速度を監視することで、上昇速度が速ければ設定値未満であっても余剰加湿水温度が高くなりすぎると判断し、保護動作を行うこととなり、正確かつ簡便に余剰加湿水温度の保護動作を行うことができるサウナ装置を提供できるという作用を有する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1のサウナ装置について図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8を参照しながら説明する。
図1は基本構成を示す概念図、図2はサウナ装置の全体動作を示すフローチャート、図3はサウナ運転動作の一例を示すフローチャート、図4、5、6、7、8はサウナ運転で実行される各処理の詳細を示すフローチャートである。
図1に示すように、本発明の実施の形態1のサウナ装置は、筐体1内部に浴室2内を加温する加温手段3と、浴室2内を加湿する加湿手段4と、加温手段3により加温された空気を浴室内に送風する加温空気送風手段5aと、加湿手段4により加湿された空気を浴室内に送風する加湿空気送風手段5bと、送風の為の吸込み口6および吹出し口7と、加湿手段4で加湿に使用されなかった余剰加湿水を排出する排水手段8と、浴室内の温度を検出する浴室内温度検出手段9と、浴室外の温度を検出する機体外温度検出手段10と、加湿に使用されなかった余剰加湿水の温度を検出する余剰加湿水温度検出手段11と、浴室2内の空気を吸引して排気ダクト12を通して屋外に排気する換気ファン13で構成される換気手段14と、加温手段3や加湿手段4、換気手段14などを制御する制御手段15と、運転動作や設定などの指示を行う遠隔操作装置16を備えている。
加温手段3は、熱源としての給湯機17から温水循環回路18を介して温水の循環供給を受ける熱交換器19と、前記熱交換器19に水または温水の供給を断続する加温用熱動弁20が、吸込み口6を通して浴室2内の空気を吸引し、吹出し口7を通して空気を吹出す循環風路21内にあり、加温空気送風手段5aにより通風が行われることにより、循環風路21を通る空気を加温する。
加湿手段4は、浴室内に直接水または温水を噴射することで加湿を行う直接加湿手段4aと、水または温水を噴射する前に微細な水滴にしてから浴室内に加湿を行う微細水滴加湿手段4bから成り、直接加湿手段4aは、後述する給水手段22により供給された水または温水を直接浴室内に噴射手段である噴射ノズル23aにより噴射し、吸込み口6を通して浴室2内の空気を吸引し、吹出し口7を通して空気を吹出す循環風路21を、加温空気送風手段5aにより通風が行われることで加湿を行い、微細水滴加湿手段4bは、後述する給水手段22により供給された水または温水を噴射手段である噴射ノズル23bにより水または温水を噴射し、噴射された水または温水を水破砕手段24である加湿空気送風手段5bに衝突させて破砕することで細かな水滴群にし、水破砕手段24からの水滴群から大粒の水滴を気液分離手段であるエリミネータ25により分離除去した後に浴室内に放出し、吸込み口6を通して浴室2内の空気を吸引し、吹出し口7を通して空気を吹出す循環風路21を、加温空気送風手段5aにより通風が行われることで加湿を行う。給水手段22は、水または温水などを供給する水等供給手段26と、熱源としての給湯機17から温水循環回路18を介して循環供給されている温水と水等供給手段26からの水または温水との熱交換を行う水熱交換器27と、前記水熱交換器27に水または温水の供給を断続する加湿用熱動弁28が、噴射ノズル23aおよび噴射ノズル23bのそれぞれの噴射ノズルへ分岐された給水管29を介して接続されている。給水管29の分岐された一方の途中には、噴射ノズル23aへの給水を調整する給水調整弁30aが設けられている。また、もう一方へ分岐されたの途中には、噴射ノズル23bへの給水を調整する給水調整弁30bが設けられている。また、噴射の温水温度を検知する噴射水温センサ31が水熱交換器から給水管29の分岐するまでの間に設けられている。水等供給手段26からの水または温水と給湯機17から循環供給されている温水と水熱交換器27により熱交換された水または温水が、給水管29を介して流れ、給水調整弁30a、給水調整弁30bにより噴射ノズル23aおよび噴射ノズル23bへの給水が調整される。エリミネータ25は樹脂製、金属製、あるいはセラミック製の多孔質物体などで構成されている。
加温空気送風手段5aは、クロスフローファンやシロッコファンなどである。ファンを回転させることで、吸込み口6を通して浴室2内の空気を吸引し、加温手段3および加湿手段4で加温、加湿された空気を吹出し口7を通して浴室2内に吹出す方向に取り付けられており、回転数を後述の制御手段15により制御することで通風量が変化することとなる。
加湿空気送風手段5bは、クロスフローファンやシロッコファンなどである。ファンを回転し噴射ノズル23bにより噴射された水または温水を衝突させることで細かな水滴群にすることとなり、回転数を後述の制御手段15により制御することで細かな水滴群の量が変化することとなる。
排水手段8は、加湿に使用されなかった余剰加湿水や、浴室2内を加湿するのに適さない、すなわち噴射温度センサ31の検出した温度が低い場合、サウナ運転を終えた後筐体1内に残った水または温水を筐体1の外部へ排水管32を介して排出するものである。
浴室内温度検出手段9は、吸込み口6近傍に設けられており、浴室内の温度を検出し、機体外温度検出手段10は、筐体1に着接されており、機体外の温度を検出し、余剰加湿水温度検出手段11は、排水手段8の排水管32に着接されており、余剰加湿水の温度を検出する。
浴室内温度検出手段9、機体外温度検出手段10、余剰加湿水温度検出手段11、噴射水温センサ31は、温度に対して抵抗値が変化するサーミスタやリニア抵抗器及び白金測温抵抗体などの温度センサ、または、2種類の異なる金属線を先端で接合し、両端の温度差に応じて発生する微弱な電圧を利用した熱電対である。
制御手段15は、マイクロコンピュータなどを利用した制御基板により、後述の遠隔操作装置16からの入力情報、加温空気送風手段5a、加湿空気送風手段5bの回転数情報、浴室内温度検出手段9、機体外温度検出手段10、余剰加湿水温度検出手段11からの温度情報を入力とし、その情報に応じて加温空気送風手段5a、換気ファン13、加温用熱動弁20、水破砕手段24、加湿用熱動弁28、給水調整弁30aおよび30bなどに対し、リレーの開閉やオンオフ信号、回転数指令信号などを出力することで各々動作させ、加温手段3や加湿手段4、換気手段14などを制御することとなる。
遠隔操作装置16は、浴室2内や台所、脱衣室などに設けられた有線方式または電波や光、その他媒体を利用した無線方式の制御手段15と双方向に通信可能なリモコンで、各操作スイッチの操作により制御手段15に運転モードの指令を行うこととなる。遠隔操作操作装置16には、乾燥運転モードを指令する乾燥運転スイッチ16a、暖房運転モードを指令する暖房運転スイッチ16b、換気運転モードを指令する換気運転スイッチ16c、涼風運転モードを指令する涼風運転スイッチ16d、ミストサウナ運転モードおよびクリアミストサウナを指令するサウナ運転スイッチ16eなどが設けられている。前記制御手段15は前記遠隔操作操作装置16の指令に基づいて、乾燥運転スイッチ16aが押されると乾燥運転を実行し、暖房運転スイッチ16bが押されると暖房運転を実行し、換気運転スイッチ16cが押されると換気運転を実行し、涼風運転スイッチ16dが押されると涼風運転を実行し、サウナ運転スイッチ16eが1回押されるとミストサウナ運転を実行し、サウナ運転スイッチ16eが2回押されるとクリアミストサウナ運転を実行するように構成されている。また、暖房運転やサウナ運転など好みの温度設定にできるような温度設定スイッチ16fや、吹出し口から吹出される風の向きを切り替えるための風向切り替えスイッチ16gなどを備えている。
乾燥運転は、前記加温空気送風手段5aを作動させ、加湿用熱動弁28を閉状態に維持するよう作動させ、かつ浴室2内の温度が乾燥用の設定温度範囲に維持されるように、加温用熱動弁20の開閉を制御して熱交換器19に熱媒としての温水を循環供給するとともに、換気ファン13を作動させて、浴室2内の空気の一部を吸引して排気ダクト12を通して屋外に排気させながら、熱交換器19により加温された空気が循環風路21を通して吹出し口7から浴室2内に吹出すようにしている。
暖房運転は、換気ファン13を停止させ、加湿用熱動弁28を閉状態に維持するよう作動させ、かつ加温空気送風手段5aを浴室2内に通風される空気の通風量が暖房用の通風量となるよう作動させるとともに、浴室2内の温度が設定温度に維持されるように、加温用熱動弁20の開閉を制御して熱交換器19に熱媒としての温水を循環供給し、この熱交換器19により加温された空気が循環風路21を通して吹出し口7から浴室2内に吹出すようにしている。
換気運転は、加温空気送風手段5aを停止させ、加温用熱動弁20を閉状態に維持するよう作動させ、かつ加湿用熱動弁28を閉状態に維持するよう作動させるとともに、換気ファン13を作動させ、浴室2内から吸引した空気を排気ダクト12を通して屋外に排気するようにしている。
涼風運転は、加温用熱動弁20を閉状態に維持するよう作動させ、かつ加湿用熱動弁28を閉状態に維持するよう作動させ、加温空気送風手段5aを作動させるとともに、換気ファン13を作動させて、浴室2内の空気の一部を吸引して排気ダクト12を通して屋外に排気させながら、熱交換器19により加温することなく空気が循環風路21を通して吹出し口7から浴室2内に吹出すようにしている。
サウナ運転は、遠隔操作装置16のサウナ運転スイッチ16eが1回押されるとミストサウナ運転を行い、サウナ運転スイッチ16eが2回押されるとクリアミストサウナ運転を行う。
ミストサウナ運転は、換気ファン13を停止させ、浴室内温度検出手段9により検出された浴室内温度、機体外温度検出手段10により検出された機体外温度、余剰加湿水温度検出手段11により検出された余剰加湿水温度に応じて、また、噴射温度センサ31で検出した温度や浴室の床や壁面からの冷輻射の影響に応じて、加湿用熱動弁28の開閉を制御させ、加湿手段4の給水調整弁30a、給水調整弁30bの開閉を制御させることで噴射ノズル23aおよび噴射ノズル23bから水または温水の噴射が行われ、噴射された水または温水を水破砕手段24である加湿空気送風手段5bに衝突させて破砕し、前記水破砕手段24からの水滴群から大粒の水滴を気液分離手段であるエリミネータ25により除去することで微細水滴を放出し、加温空気送風手段5aを浴室2内に通風される加湿空気の通風量がサウナ運転用の通風量となるよう作動させるとともに、浴室2内の温度が設定温度に維持されるように、加温用熱動弁20の開閉を制御して熱交換器19に熱媒としての温水を循環供給し、この熱交換器19と加湿手段4により加温および加湿された空気が循環風路21を通して吹出し口7から浴室2内に吹出すようにしている。
クリアミストサウナ運転は、換気ファン13を停止させ、加湿手段4の給水調整弁30aを閉状態を維持するよう動作させ、浴室内温度検出手段9により検出された浴室内温度、機体外温度検出手段10により検出された機体外温度、余剰加湿水温度検出手段11により検出された余剰加湿水温度に応じて、また、噴射水温センサ31で検出した温度や浴室の床や壁面からの冷輻射の影響に応じて、加湿用熱動弁28の開閉を制御させ、加湿手段4の給水調整弁30bの開閉を制御させ、前記水破砕手段24からの水滴群から大粒の水滴をエリミネータ25により除去することで目に見えないほどの微細水滴を放出し、加温空気送風手段5aを浴室2内に通風される加湿空気の通風量がサウナ運転用の通風量となるよう作動させるとともに、浴室2内の温度が設定温度に維持されるように、加温用熱動弁20の開閉を制御して熱交換器19に熱媒としての温水を循環供給し、この熱交換器19と加湿手段4により加温および加湿された空気が循環風路21を通して吹出し口7から浴室2内に吹出すようにしている。
サウナ装置の全体動作について、図2のフローチャートを参照しながら説明する。図2に示すように、前記遠隔操作装置16からの指令に基づいて、乾燥運転、暖房運転、換気運転、涼風運転、サウナ運転の各々の運転を開始する。ステップS001において、前記遠隔操作装置16にて乾燥運転スイッチ16aが押されたかを判定し、押された場合にはステップS002にて乾燥運転処理を行う。ステップS001において、前記遠隔操作装置16にて乾燥運転スイッチ16aが押されたかを判定し、押された場合にはステップS002にて乾燥運転処理を行う。ステップS003において、前記遠隔操作装置16にて暖房運転スイッチ16bが押されたかを判定し、押された場合にはステップS004にて暖房運転処理を行う。ステップS005において、前記遠隔操作装置16にて換気運転スイッチ16cが押されたかを判定し、押された場合にはステップS006にて換気運転処理を行う。ステップS007において、前記遠隔操作装置16にて涼風運転スイッチ16dが押されたかを判定し、押された場合にはステップS008にて涼風運転処理を行う。ステップS009において、前記遠隔操作装置16にてサウナ運転スイッチ16eが押されたかを判定し、押された場合にはステップS010にてサウナ運転処理を行う。
次に、サウナ運転処理について、図3のフローチャートを参照しながら説明する。図3に示すように、ステップS011において、機体外温度のデータを取り込みおよび保持し、浴室の床や壁面からの冷輻射の影響度合いを判断する機体外温度処理を行い、ステップS012において、サウナ運転を行った間隔により浴室全体が完全に温まるまで加湿を行わない、または寒く感じない程度に加湿を弱め、浴室の加温に重点をおいたサウナ起動制御の必要、不要を判断するサウナ運転間隔判定処理を行い、ステップS013において、サウナ準備が完了し、温度と湿度の調整を行う制御への移行を判定するサウナ準備完了判定処理を行い、ステップS014において、浴室内温度および機体外温度処理後の機体外温度に基づいて、浴室の温度と湿度が所定内、概ね温度が35℃〜45℃、湿度が70%〜95%に入るように調整を行う温度・湿度調節処理を行い、ステップS015において、サウナ運転の終了かを判定し、終了でないなら温度・湿度調節処理を行い、サウナ運転終了まで温度・湿度調節処理を継続する。
次に、機体外温度処理について、図4のフローチャートを参照しながら説明する。図4に示すように、ステップS016において、機体外温度データを一定時間保持するタイマがカウント中であるかを判定し、カウント中であるなら機体外温度データの取り込みはせずに機体外温度処理を終了する。カウント中でないなら、ステップS017において、機体外温度データを取り込み、その機体外温度データを一定時間保持するためのタイマのカウントを開始し、機体外温度処理を終了する。
次に、サウナ運転間隔判定処理について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。図5に示すように、ステップS018において、前回のサウナ運転終了からの経過時間がT1未満、例えば30分未満であるかを判定し、30分以上であれば、浴室全体が冷えていると判定し、サウナ起動制御を行い、30分未満である場合にはサウナ空間に近い状態と判定してサウナ起動制御は行なわずに終了する。
次に、サウナ起動制御処理について、図6のフローチャートを参照しながら説明する。図6に示すように、ステップS020において、加温用熱動弁20、加湿用熱動弁28を開状態に維持し、給水調整弁30aを閉状態に維持し、給水調整弁30bを開状態に維持し、加温空気送風手段5aを停止させ、水破砕手段24を停止させる出力処理を行い、加湿を使用者が寒く感じない程度に抑え、浴室を加温するサウナ起動制御処理を行う制御時間、例えば20分のタイマのカウントを開始する。次にステップS021において、制御時間の残り時間T2以上、例えば残り時間が10分以上あり、かつ噴射水温センサ31で検出した噴射水温がT3以上、例えば55℃以上であるなら、制御時間を短縮すべく制御時間を、例えば10分のタイマに切り替え、カウントを開始する制御時間更新処理を行い、噴射水温が55℃未満であった場合には、制御時間更新処理は行わず、次のステップS023において、タイマのカウントが終了するまでステップS021、S022、S023を繰り返す。
次に、サウナ準備完了判定処理について、図7のフローチャートを参照しながら説明する。図7に示すように、ステップS024において、浴室内温度検出手段9により検出された浴室内温度がT4以上、例えば30℃以上、かつ機体外温度検出手段10により検出された機体外温度がT5以上、例えば5℃以上、かつ噴射水温センサ31で検出された噴射水温がT6以上、例えば60℃以上であるなら、サウナ準備完了であると判定し、サウナ準備完了判定処理を終了する。
次に、温度・湿度調節処理について、図8のフローチャートを参照しながら説明する。図8に示すように、ステップS025において、前記遠隔操作装置16の温度設定スイッチ16fにより温度設定変更があるかを判定し、温度設定変更がなければ浴室内の温度と湿度を制御すべく、浴室内温度、機体外温度、余剰加湿水温度に応じて、ステップS026にて加温用熱動弁20、加湿用熱動弁28、給水調整弁30a、給水調整弁30b、加温空気送風手段5a、水破砕手段24の出力について開閉やオンオフなどを制御する制御データ参照処理を行う。また、温度設定変更があれば、ステップS027において変更した温度設定の状態に早く近づけるための温度設定切替処理を行う。
前記制御データ参照処理にて参照される制御データについて表1、表2を参照しながら説明する。説明は前記ミストサウナ運転の場合で行う。表1は浴室の温度調節に関しての制御データであり、表1に示すように、機体外温度、浴室内温度に応じて加温用熱動弁20と加温空気送風手段5aの制御データが割り振られており、また、表2は浴室の湿度調節に関しての制御データであり、表2に示すように、機体外温度、余剰加湿水温度に応じて給水調整弁30a、給水調整弁30b、加湿用熱動弁28、水破砕手段24の制御データが割り振られている。表1に浴室の温度調節に関しての制御データを示し、表2に浴室の湿度調節に関しての制御データを示す。
一例として、温度設定が中、浴室内温度が37℃未満、機体外温度が10℃未満、余剰加湿水温度が34℃未満で温度・湿度調節処理に入った場合について説明を加えると、表1より加温用熱動弁20が開、加温空気送風手段5aへの回転数指令値が1700r/min、表2より給水調整弁30a、給水調整弁30b、加湿用熱動弁28が開、水破砕手段24が強という制御データが参照されることになる。表1、表2より例にあげた条件では浴室の加温、加湿がともに促進するデータであり、運転時間の経過にともない浴室の加温、加湿が進行し、浴室内温度、余剰加湿水温度が上昇した際には、順に加温、加湿を弱めるようなデータが参照されるようになっている。
前記温度設定切替処理にて参照される制御データについて表3を参照しながら説明する。表3は温度・調節処理中に温度設定が切り替えられた際に行われる温度設定切替処理に関しての制御データであり、表3に示すように、加温用熱動弁20、加湿用熱動弁28、水破砕手段24の制御データが割り振られている。また、浴室の床や壁面からの冷輻射の影響度合いを、機体外温度に応じて制御時間が異ならせることで対応するものとなっている。表3に温度設定切替処理に関しての制御データを示す。
温度設定を上げた場合には、浴室の加温、加湿が促進するように加温用熱動弁20、加湿用熱動弁28が開、水破砕手段24が強というデータが参照され、温度設定を下げた場合には、浴室の加温、加湿を弱めるように加温用熱動弁20、加湿用熱動弁28が開、水破砕手段24が弱というデータが参照されるようになっている。
余剰加湿水温度保護について表2を参照しながら説明する。余剰加湿水は排水手段8により排水されるが浴室内の排水口に排水されるよう施工される場合があるため、前記温度・湿度調節制御の表2にて余剰加湿水温度が設定した温度である46℃以上であれば給水調整弁30a、給水調整弁30b、加湿用熱動弁28を閉、水破砕手段24を停止し、余剰加湿水温度が減少する制御データが参照され、新たに余剰加湿水温度の保護制御を用意することなく、温度・湿度調節処理と兼用される。
前記クリアミスト運転の場合においては、常に給水調整弁30aを閉状態に維持し、前記直接加湿手段4aからの加湿が行われないようにし、その他は前記ミストサウナ運転と同様に図3、4、5、6、7、8を用いた説明で述べた各処理が行われる。
上記のようなサウナ装置にて運転することにより、湿度センサを使用することなく浴室内の温度と湿度を適切な状態とするよう制御することができ、また、浴室の床や壁面からの冷輻射の影響を防止して快適なサウナ空間とすることができ、さらに、使い勝手の面で、使用者の嗜好や気分、体調にあわせて浴室内の温度と湿度を制御できる。また、余剰加湿水温度の保護について温度・湿度調節処理と兼用できる為、簡便に行うことができる。
なお、前記サウナ運転間隔判定処理では前回のサウナ運転終了からの経過時間によりサウナ起動制御処理の必要、不要を判定したが、浴室全体が完全に温まるまで加湿を行わない、または寒く感じない程度に加湿を弱め、浴室の加温に重点をおいたサウナ起動制御の必要、不要を判定できれば、判定条件はこの限りではなく、その作用効果に差異は生じない。
なお、前記サウナ起動制御処理では噴射水温により起動制御の時間を変化させることとしたが、より早くサウナ運転の準備完了に近づく制御であれば、処理内容はこの限りではなく、その作用効果に差異は生じない。
なお、前記サウナ準備完了判定処理では浴室内温度、機体外温度、噴射水温の条件でサウナ準備完了であることを判定したが、サウナ準備完了であることが判定できれば、判定条件はこの限りではなく、その作用効果に差異は生じない。
なお、前記温度・調節処理では表1、表2に一例として、温度設定、機体外温度、浴室内温度、余剰加湿水温度を各3段階の制御データとしたが、何段階に切り分けたものであってもよく、その作用効果に差異は生じない。
なお、余剰加湿水温度保護は設定した値で判定を行うものであったが、余剰加湿水温度の上昇速度で判定するものや設定した値との組合せで判定するものであってもよく、その作用効果に差異は生じない。
また、本実施の形態において、サウナ運転でミストサウナ運転とクリアミストサウナ運転を行う為に、前記加湿手段4を直接加湿手段4a、微細水滴加湿手段4b両方備えたが、サウナ運転をミストサウナ運転のみとした図9のような加湿手段4が直接加湿手段4aのみとし、噴射手段23である噴射ノズル23aより噴射された温水または水の一部を回収して筐体1の外部へ排水管32を介して排出する排水手段8を備え、排水される温度を余剰加湿水温度として検出する構成であってもよく、その作用効果に差異は生じない。
また、本実施の形態において、サウナ運転でミストサウナ運転とクリアミストサウナ運転を行う為に、前記加湿手段4を直接加湿手段4a、微細水滴加湿手段4b両方備えたが、サウナ運転をクリアミストサウナ運転のみとした図10のような加湿手段4が微細水滴加湿手段4bのみの構成であってもよく、その作用効果に差異は生じない。
また、本実施の形態において、浴室内温度検出手段9、余剰加湿水温度検出手段11は筐体1内にある構成となっているが、それぞれ浴室内温度、余剰加湿水温度を検出できればよく、その作用効果に差異は生じない。
また、本実施の形態において、機体外温度検出手段10は筐体1に着接されているとしたが、機体外温度を検出できれば浴室2の外壁に着接されていてもよく、その作用効果に差異は生じない。
(実施の形態2)
また、本実施の形態1において、加温空気送風手段5aと加湿空気送風手段5bを別個に設けた構成としたが、加温空気送風手段5aと水破砕手段24としての加湿空気送風手段5bを兼用し、加温加湿空気送風手段5cとした図11のような構成としてもよい。実施の形態1での作用効果に加え、送風手段が1つでよいため、装置の小型化を実現できるという効果がある。