JP4889428B2 - 洗濯乾燥機 - Google Patents

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本発明は、衣類等の被洗浄物を洗濯すると共に、脱水後に乾燥できるようにした洗濯乾燥機に関するものである。
衣類等の被洗浄物を洗濯する洗濯工程(濯ぎ工程を含む)と、洗濯後に行う脱水工程と、脱水後に行う乾燥工程とを単一の機器内で順次行うようにした洗濯乾燥機が従来知られている(例えば、特許文献1)。この洗濯乾燥機の場合、乾燥工程を行うシステムを概略説明すると、図4に示すように衣類等の被洗浄物Aが収容されるドラムBと、このドラムBと連通し前記被洗浄物Aを乾燥させる乾燥用空気が流れる空気循環路Cと、この空気循環路Cの途中に設けたヒートポンプ装置Dと、空気循環路Cの下流側に設けた送風機Eと、空気循環路の上流側に設けたフィルタFとを備え、空気循環路Cを介して空気が循環することにより洗濯・脱水後の被洗浄物Aを乾燥するように構成されている。
上記ヒートポンプ装置Dは、圧縮機Gと2つの熱交換器(放熱器H及び吸熱器I)と、この2つの熱交換器の間に位置する絞り手段Jとが接続管により連結されて冷凍サイクルが形成され、この冷凍サイクル内を冷媒が循環するように構成されている。そして、圧縮機Gにより圧縮された冷媒ガスは高温高圧となって吐出され、放熱器Hでこの放熱器Hを通過する空気との間で熱交換することにより空気を加熱して冷媒自身は冷却され、絞り手段Jにより圧力が低下されることにより液化し、吸熱器Iでこの吸熱器Iを通過する空気との間で熱交換することにより空気を冷却して除湿し、冷媒自身は蒸発し冷媒ガスとなって圧縮機Gに戻る。
被洗浄物Aの乾燥工程においては、前記送風機EによりドラムB内の空気が空気循環路C内に吸い込まれ、この空気は前記のように吸熱器Iを通過する際に熱が奪われて冷却され、空気中に含まれている水分が凝縮することにより除湿され、更に放熱器Hを通過する際に加熱され、高温の乾燥空気となってドラムB内に戻され被洗浄物Aを加熱する。このようにして、空気循環路Cを介して空気の循環が繰り返されることにより、ドラムB内で被洗浄物Aの乾燥工程が行われる。
前記フィルタFは、前記のようにドラムBから空気循環路Cに吸い込まれる空気を通過させ、その際空気中に混入している糸屑等のゴミを分離する。このため、糸屑等のゴミが前記2つの熱交換器(放熱器H及び吸熱器I)のフィン等に付着するのを防ぐことができ、これにより熱交換器としての機能低下を抑えるようにしている。
特開2006−110394
上記従来の洗濯乾燥機においては、空気循環路Cの上流側にフィルタFを設けて糸屑等のゴミを分離するようにしているが、微細なゴミが空気と共にフィルタFを通過して空気循環路Cに進入することがある。このようにして微細なゴミが空気循環路Cに進入すると、前記熱交換器H、Iのフィン等に付着し、その付着量を徐々に増大して熱効率を低下させることになる。
前記熱交換器H、Iは空気循環路C内に配設されているため、フィン等に付着したゴミを除去する作業は容易でなく、現実にはその除去作業は殆ど不可能である。
本発明は、熱交換器のフィンを廃止してゴミの付着を抑えるようにした洗濯乾燥機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、本発明の請求項1は、被洗浄物が収容される回転槽と、この回転槽と連通し前記被洗浄物を乾燥させる空気が流れる空気循環路と、この空気循環路の途中に設けたヒートポンプ装置と、前記空気循環路の下流側に設けた送風機と、前記空気循環路の上流側に設けたフィルタとを備え、前記空気が前記ドラムと前記空気循環経路とを循環することにより前記被洗浄物を乾燥するようにした洗濯乾燥機において、前記空気循環路は、ヒートポンプ装置の少なくとも冷媒管が設置される部分での、空気循環方向に直交する断面形状が矩形であって、前記ヒートポンプ装置の冷媒管は、前記空気循環路の要部の外周に巻き付けることにより、ヒートポンプ装置の熱交換器が、フィンを持たない構成として形成され、前記熱交換器は、空気循環路の内部を通過する空気の流速を低下させるために、その空気循環路の矩形の断面方向における長辺側については互い違いに、かつ、その断面方向における短辺側については全面に亙り、複数配置した熱伝導性の良好な板材からなる圧損部材を設け、前記各板材は、フィン付き熱交換器におけるフィン間隔に比べると少なくともこれよりは広い間隔を各板材どうしの間にあけるのと同時に、各板材の長辺側の端部と前記空気循環路内面との間に前記間隔と同程度の隙間をあけて設置するように構成した、ことを特徴とする。
本発明の請求項2は、請求項1の洗濯乾燥機において、前記送風機は、逆回転させることで、循環路内の空気を上流側の回転槽からフィルタに向けて吹き付けて強制的に逆流させ、前記フィルタを清掃するように構成したことを特徴とする。
上記請求項1の発明によれば、前記ヒートポンプ装置の冷媒管を空気循環路の要部の外周に巻き付けて配管することにより熱交換器を形成したので、通常の熱交換器に用いるフィンを廃止することができる。これにより、熱交換器に対するゴミの付着を抑えることができる。また、請求項1の発明によれば、前記冷媒管を巻き付けて形成した熱交換器は、空気循環路の内部に圧損部材を設けたので、通過する空気の流速を低下させることができる。これにより、熱交換器の熱効率を向上させ、従来のフィン/チューブ型熱交換器とほぼ同等の機能を備えることができる。また、請求項1の発明によれば、空気循環路の矩形の断面方向における長辺側については互い違いに、かつ、その断面方向における短辺側については全面に亙り、複数配置した熱伝導性の良好な板材からなる圧損部材を設け、前記各板材は、フィン付き熱交換器におけるフィン間隔に比べると少なくともこれよりは広い間隔を各板材どうしの間にあけるのと同時に、各板材の長辺側の端部と前記空気循環路内面との間に前記間隔と同程度の隙間をあけて設置したので、フィンに比べて間隔が広い分、フィルタを通過したゴミが圧損部材に付着するのを抑制することができる。請求項1の発明によれば、前記圧損部材は、空気循環路の内部に設けた複数の板材であるため、容易に且つ安価に製造することができる。
請求項2の発明によれば、送風機は、逆回転させることで、循環路内の空気を上流側の回転槽からフィルタに向けて吹き付けて強制的に逆流させ、フィルタを清掃するように構成したので、フィルタの清掃作業が自動で可能になるとともに、フィルタの交換回数を削減できる。
次に、本発明に係る洗濯乾燥機の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る洗濯乾燥機の実施形態を示す概略説明図である。本図において、1は外槽であり、この外槽1の内部に円筒状の水槽2が後部を斜め下に向けた傾斜状態に固定されている。水槽2は前部の端面が開口し、後部の端面には底板2aが取り付けられ、この底板2aの下面側中央部に駆動用モータ3が取り付けられている。そして、駆動用モータ3の回転軸3aは水槽2の内部に突出し、この突出端部は円筒状の回転槽4の底部に軸着されており、駆動用モータ3によって回転槽4を水槽2内で中心軸を合致した状態で回転できるようにしてある。
回転槽4は前部の端面が開口し、後部の端面には底板4aが取り付けられ、周側板4bには多数の小孔(図略)が設けられている。この回転槽4内には図示を省略した衣類等の被洗浄物が投入され、後記する洗濯工程、濯ぎ工程、脱水工程、乾燥工程が一連に行われる。
前記外槽1の内部には乾燥工程時に使用する空気循環路5が設けられ、この空気循環路5の上流側端部は前記回転槽4の開口端(及び水槽2の開口端)に連通して接続され、下流側端部は水槽2の底部内に連通して接続されている。これにより、回転槽4の内部から空気循環路5を経由して水槽2の内部に戻る空気の環状回路が形成されている。
空気循環路5の途中にはヒートポンプ装置6が設けられ、このヒートポンプ装置6は圧縮機7と、放熱器8と、吸熱器9と、絞り手段10とから構成されている。そして、これら各部材を管接続することにより冷凍回路が形成され、この冷凍回路を冷媒が循環するようにしてある。
前記放熱器8及び吸熱器9は、通常図4に示されているようにフィンとチューブとを組み合わせた構造のものであるが、本発明の場合は、図2及び図3(a)に示すように前記空気循環路5の外周に沿ってヒートポンプ装置6の冷媒管6aを巻き付けることにより形成したものであって、従来のフィンは全く存在していない。空気循環路5は熱伝導性の良好な材料で形成する。
このような構造の熱交換器(放熱器8及び吸熱器9)は、前記空気循環路5内に圧損部材11が設けられており、この圧損部材11としては、例えば図2及び図3(a)に示すように空気循環路5の内部に所定の間隔をあけて交互に取り付けた複数の板材を用いる。これにより、熱交換器に含まれる空気循環路5の内部にジクザグ状の蛇行路が形成され、この蛇行路を通過する空気は圧損によって流速が低下する。
熱交換器の空気循環路5内に設ける圧損部材11は上記のものに限定されず、例えば図3(b)のように多数の通孔を形成したパンチング板11A、又は図3(c)のように複数のスリット孔を形成したスリット板11B等を用いることができる。このパンチング板11A又はスリット板11Bの場合には、前記の板材と同様に空気循環路5内に交互に取り付けてジクザグ状の蛇行路を形成するほかに、図示は省略したが所定の間隔をあけて仕切板として取り付け、通孔又はスリット孔を空気が通過するように構成しても良い。前記圧損部材11、パンチング板11A、スリット板11Bはいずれも熱伝導性の良好な材料で形成することが好ましい。
前記絞り手段10としては例えばキャピラリーチューブや絞り弁等を用いることができ、放熱器8と吸熱器9との間に位置させて前記冷媒管6aに接続して設けられる。
前記空気循環路5の上流側にはフィルタ12が設けられ、乾燥工程時に回転槽4からの空気を通過させると共に、この空気内に混入している糸屑等のゴミを捉えて分離する作用をなす。このフィルタ12としては、例えば合成樹脂等で成形された細かい網目状のもの、又は繊維質を絡めて形成したもの等を使用することができる。
又、空気循環路5の下流側には送風機13が設けられ、この送風機13はモータ(図略)によって正逆回転可能に形成されており、正回転時には空気が空気循環路5の上流側から下流側に向かって流れ、逆回転時には下流側から上流側に向かって流れるようにしてある。
図1において、14は給水管であって、その一端は水道の蛇口等の水源(図略)に接続されると共に他端は前記水槽2に接続され、洗濯工程及び濯ぎ工程時に水槽2内に所要量の水を供給する。15は排水管であって、その一端は水槽2の底部に接続されると共に他端はフロアの排水口(図略)に接続されており、洗濯工程及び濯ぎ工程後に回転槽4内の汚水を水槽2から排水管15により外部に排水する。
このように構成された洗濯乾燥機において、先ず開閉蓋(図略)を開けて回転槽4内に図示を省略した被洗浄物を投入し、前記給水管14から水槽2内に必要量の水を給水すると、その給水の大部分は回転槽4の周側板4bの小孔から回転槽4内に浸入する。そして、回転槽4内に必要量の洗剤を投入した後、スイッチ(図略)をオンにすれば洗濯工程が開始する。この洗濯工程は、前記駆動用モータ3が作動して回転槽4を軸回転させることにより行われる。
洗濯工程終了後、前記排水管15の電磁弁(図略)を開くと、回転槽4内の洗濯汚水が水槽2を介して排水される。この後、排水管15の電磁弁を閉じて給水管14から水槽2内に必要量の水を給水し、前記駆動用モータ3を再度作動して回転槽4を軸回転させることにより濯ぎ工程を行う。この濯ぎ工程は、通常複数回繰り返して行われる。
濯ぎ工程終了後、排水管15の電磁弁を再度開いて回転槽4内の汚水を排水し、前記駆動用モータ3により回転槽4を軸回転させることにより脱水工程を行う。この脱水工程では、回転槽4を洗濯時よりも高速回転させ、遠心力によって被洗浄物から水分を飛散させる。被洗浄物から飛散した水分は、水槽2を介して排水管15から排水される。
脱水工程終了後、前記ヒートポンプ装置6を作動させると共に、送風機13を正回転させることにより乾燥工程を行う。送風機13の正回転によって回転槽4内の湿った空気が空気循環路5に入り、前記フィルタ12を通って下流側に流れる。この湿った空気は、前記吸熱器9を通過する際に冷却されて空気中の水分が凝縮する。ここで生じた凝縮水は、空気循環路5から前記排水管15に接続したドレン管(図略)を介して排水する。吸熱器9は、前記のように空気循環路5内に圧損部材11が設けられているため、通過する空気の流速を低下させることができ、これにより熱交換器としての熱効率を向上させ、従来のフィン/チューブ型熱交換器とほぼ同等の機能を発揮することができる。
吸熱器9で除湿された空気は、前記放熱器8を通過する際に加熱されて高温の乾燥空気となり、前記送風機13により水槽2内に流入し、前記小孔を通って回転槽4内に戻される。この高温乾燥空気によって回転槽4内の被洗浄物が加熱される。放熱器8も、前記のように空気循環路5内に圧損部材11が設けられているため、通過する空気の流速を低下させることができ、これにより熱交換器としての熱効率を向上させ、従来のフィン/チューブ型熱交換器とほぼ同等の機能を発揮することができる。このようにして空気の循環を繰り返し行うことで被洗浄物を乾燥させることができる。この乾燥工程時に、回転槽4を回転しながら行うと乾燥効率を高めることが可能となる。
乾燥工程において、被洗浄物の乾燥が進むに連れて糸屑等のゴミが回転槽4内で浮遊する傾向が強くなる。そして、この糸屑等のゴミは空気に混入して空気循環路5に流入するが、前記フィルタ12により捕捉されて分離される。このため、糸屑等のゴミが前記吸熱器9や放熱器8の圧損部材11に付着するのを抑えることができる。又、フィルタ12をすり抜けた微細なゴミが圧損部材11に付着することが予想されるが、従来の熱交換器におけるフィンに比べれば圧損部材11の間隔が広いためゴミの付着量を少量に抑えることが可能である。
上記乾燥工程の回数が増えるに連れて、フィルタ12に捕捉される糸屑等のゴミの量が徐々に増大する。ゴミの付着量が増大すると、フィルタ12が目詰まりして濾過機能が低下し、且つ空気循環路5への空気流入量が減少する。このような現象が生じると、回転槽4に戻す高温乾燥空気の量が減少して乾燥効率の低下を招くことになる。
そこで、洗濯乾燥機の使用後に前記送風機13を逆回転させ、空気循環路5内の空気を上流側に向けて強制的に逆流させ、フィルタ12に吹き付けて付着している糸屑等のゴミを吹き飛ばして排除する。これにより、フィルタ12の清掃作業を自動的に行うことができ、且つフィルタ12の交換回数を減らすことが可能となる。
この場合、フィルタ12から吹き飛ばされた糸屑等のゴミが回転槽4内に戻らないようにすることが好ましい。このため、例えばフィルタ12より上流側にゴミの収集手段(図略)を着脱自在に設けるようにする。又、フィルタ12に付着する糸屑等のゴミ量を検知するセンサ(図略)を設けるようにすると良い。
本発明は、洗濯乾燥機に利用することができ、ヒートポンプ装置の冷媒管を空気循環路の要部の外周に巻き付けることにより熱交換器を構成し、これにより熱交換器のフィンを廃止することでゴミの付着を抑えるようにした洗濯乾燥機を提供することができる。
本発明に係る洗濯乾燥機の実施形態を示す概略説明図である。 本発明に係る洗濯乾燥機の実施形態における熱交換器を示す概略断面図である。 (a)は本発明に係る洗濯乾燥機の実施形態における熱交換器を示す概略透視斜視図、(b)及び(c)はそれぞれ熱交換器における圧損部材の他の実施形態を示す平面図である。 従来の洗濯乾燥機を示す概略説明図である。
1 外槽
2 水槽
3 駆動用モータ
4 回転槽
5 空気循環路
6 ヒートポンプ装置
6a 冷媒管
7 圧縮機
8 放熱器
9 吸熱器
10 絞り手段
11 圧損部材
12 フィルタ
13 送風機
14 給水管
15 排水管

Claims (2)

  1. 被洗浄物が収容される回転槽と、この回転槽と連通し前記被洗浄物を乾燥させる空気が流れる空気循環路と、この空気循環路の途中に設けたヒートポンプ装置と、前記空気循環路の下流側に設けた送風機と、前記空気循環路の上流側に設けたフィルタとを備え、前記空気が前記ドラムと前記空気循環経路とを循環することにより前記被洗浄物を乾燥するようにした洗濯乾燥機において、
    前記空気循環路は、ヒートポンプ装置の少なくとも冷媒管が設置される部分での、空気循環方向に直交する断面形状が矩形であって、
    前記ヒートポンプ装置の冷媒管は、前記空気循環路の要部の外周に巻き付けることにより、ヒートポンプ装置の熱交換器が、フィンを持たない構成として形成され
    前記熱交換器は、空気循環路の内部を通過する空気の流速を低下させるために、その空気循環路の矩形の断面方向における長辺側については互い違いに、かつ、その断面方向における短辺側については全面に亙り、複数配置した熱伝導性の良好な板材からなる圧損部材を設け、
    前記各板材は、フィン付き熱交換器におけるフィン間隔に比べると少なくともこれよりは広い間隔を各板材どうしの間にあけるのと同時に、各板材の長辺側の端部と前記空気循環路内面との間に前記間隔と同程度の隙間をあけて設置するように構成した、
    ことを特徴とする洗濯乾燥機。
  2. 前記送風機は、逆回転させることで、循環路内の空気を上流側の回転槽からフィルタに向けて吹き付けて強制的に逆流させ、前記フィルタを清掃するように構成した、
    ことを特徴とする請求項1に記載の洗濯乾燥機。
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