JP4887936B2 - 注出口部を有する詰め替え用の包装袋 - Google Patents

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本発明は、注出口部を有する詰め替え用の包装袋に関するものであり、特には内容液の注ぎ出しを安定したものにした注出口部を有する詰め替え用の包装袋に関する。
従来、シャンプー、リンス、食器洗い用洗剤などの液体を、ポンプで適量排出して使用するポンプ式ボトル容器が多用されている。そして、近年では資源の節約からポンプ式のボトル容器の中に内容液がなくなっても容器を廃棄せずに、詰め替え専用の包装袋に充填されている内容液を空になったポンプ式ボトル容器に詰め替え、該ポンプ式ボトル容器を何回も再使用することが行われている。
この詰め替え用の液体内容物を収容する包装袋としては、注出口部にフィルムとは別部材の円筒形状の合成樹脂製小管を挿入したり(例えば、特許文献1参照)、注出口部付近のフィルム自体を膨らませて立体形状とすることで開口面積を確保するものが提案されている。また、包装袋の内方に押圧することを表示する押圧マークを設けたり、包装袋自体に形成したに押圧手段を設けたものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
上記先行技術文献を示す。
特開平5−132069号公報。 特開2000−137318号公報。
しかし、第1の方法においては、軟質の合成樹脂フィルムに合成樹脂製の成形物を取り付けることになり、また、内容物の性状によっては小管の径を適当なものに合わせなければならず、手間、費用、および形状の制約等の問題が残る。
また、第2の方法においては、注出口部の一部より開口させ、内容液を注出する際、内容液の圧力によって注出口部の根元付近が膨らむことによって、開口部が接着された注出口の両端に引っ張られ前後フィルムが疑似密着状態となり、注出口先端まで膨らまず、開口部が閉塞し内容液が注出されない問題がある。
さらに第3の方法においては、押圧マーク表示では詰め替え時の各人の作業方法にとって注ぎ量が一様ではなく、押圧に片手を取られ詰め作業が安定した状態で行うことが困難で、容器の外側に内容液がこぼれてしまうなどの危険がある。
本発明は、注出口部を有する詰め替え用の包装袋に関する以上のような問題に鑑みてなされたもので、別部材を使用することなく、内容液の注出時に注出口部が閉塞したりすることがなく、また、注ぎ出し量が一定で内容液の注ぎ出しが安定した注出口部を有する詰め替え用の包装袋を提供することを課題とする。
本発明の請求項1の発明は、表裏二枚の合成樹脂フィルムの周縁を縦シールおよび横シールしてなる包装袋の上部隅角に、包装袋本体から突出して注出口部が形成され、上部辺の途中には、前記注出口部に沿って切れ込む、包装袋の縦シールと平行なシール部を有す
る括れシールにより周縁がシールされた第1括れ部が形成され、注出口部の第1括れ部と反対側には、包装袋本体の縦シールより注出口部に沿って切れ込む括れシールにより周縁がシールされた第2括れ部が形成され、二つの括れシール部により囲まれた注出路とそれに連なる注出口予定部が形成され、前記包装袋本体には、包装袋本体の外方から内方に向けて窪んだ凹部と、また、該凹部の周辺には包装袋本体の内方から外方に向けて突出した凸部が設けられた詰め替え用の包装袋であって、前記第1括れシール部に設けられた括れシールの周縁が包装袋の縦シールと平行なシール部の内側より垂直に延長した線と、注出口予定部の中心より垂直に延長した線の交点を中心とし、注出口予定部の開口幅を半径とする円の内側に、前記凹部の全部又は一部が形成されていることを特徴とする、注出口部を有する詰め替え用の包装袋である。
このように請求項1記載の発明によれば、表裏二枚の合成樹脂フィルムの周縁を縦シールおよび横シールしてなる包装袋の上部隅角に、包装袋本体から突出して注出口部が形成され、上部辺の途中には、前記注出口部に沿って切れ込む、包装袋の縦シールと平行なシール部を有する括れシールにより周縁がシールされた第1括れ部が形成され、注出口部の第1括れ部と反対側には、包装袋本体の縦シールより注出口部に沿って切れ込む括れシールにより周縁がシールされた第2括れ部が形成され、二つの括れシール部により囲まれた注出路とそれに連なる注出口予定部が形成され、前記包装袋本体には、包装袋本体の外方から内方に向けて窪んだ凹部と、また、該凹部の周辺には包装袋本体の内方から外方に向けて突出した凸部が設けられた詰め替え用の包装袋であって、前記第1括れシール部に設けられた括れシールの周縁が包装袋の縦シールと平行なシール部の内側より垂直に延長した線と、注出口予定部の中心より垂直に延長した線の交点を中心とし、注出口予定部の開口幅を半径とする円の内側に、前記凹部の全部又は一部が形成されているので、注出口の根元部に複数の流路が形成され膨らまず、内容物を注ぐ際に流路を閉塞しにくくなり、注ぎ出るのが安定し、内容物の量が少なくなっても安定して注ぎ出すことができる。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記注出口部には、該注出口部の内方から外方に向けて突出した注出口凸部が設けられ、包装袋本体に設けられた凸部と注出口予定部の中心より垂直に延長した線上で連続して形成されていることを特徴とする、注出口部を有する詰め替え用の包装袋である。
このように請求項2記載の発明によれば、注出口部には、注出口部の内方から外方に向けて突出した注出口凸部が設けられ、包装袋本体に設けられた凸部と注出口予定部の中心より垂直に延長した線上で連続して形成されているので、内容物を注ぐ際に流路を閉塞しにくくなり、注ぎ出るのが安定し、内容物の量が少なくなっても安定して注ぎ出すことができる。
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記注出口部には、該注出口部の内方から外方に向けて突出した注出口凸部が設けられ、包装袋本体に設けられた凸部と注出口予定部の中心より垂直に延長した線上に独立して形成されていることを特徴とする、注出口部を有する詰め替え用の包装袋である。
このように請求項3記載の発明によれば、注出口部には、注出口部の内方から外方に向けて突出した注出口凸部が設けられ、包装袋本体に設けられた凸部と注出口予定部の中心より垂直に延長した線上に独立して形成されているので、内容物を注ぐ際に流路を閉塞しにくくなり、注ぎ出るのが安定し、内容物の量が少なくなっても安定して注ぎ出すことができる。
また、請求項4の発明は、請求項1、2又は3の発明において、前記包装袋は、表裏二枚の合成樹脂フィルムの下部に二つ折りされた底部材フィルムが挿入され、底部となる横
シールが船底形状にシールされたスタンディングパウチであることを特徴とする、注出口部を有する詰め替え用の包装袋である。
このように請求項4記載の発明によれば、包装袋の形態が表裏二枚の合成樹脂フィルムの下部に二つ折りされた底部材フィルムが挿入され、底部となる横シールが船底形状にシールされたスタンディングパウチであるので、包装袋は自立する性質を有するようになり、見た目や使い勝手を向上させることができる。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3又は4の発明において、前記注出口予定部の先端にはつまみ部が形成されていることを特徴とする、注出口部を有する詰め替え用の包装袋である。
このように請求項5記載の発明によれば、注出口予定部の先端にはつまみ部が形成されているので、つまみ部を持つことにより容易に注出口予定部の開封作業に取りかかることができる。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4又は5の発明において、前記注出口予定部の切り取り開始部分には傷加工が施されていることを特徴とする、注出口部を有する詰め替え用の包装袋である。
このように請求項6記載の発明によれば、注出口予定部の切り取り開始部分には傷加工が施されているので、注出口予定部の切り取り開始部分を引き裂くと、注出口予定部は曲がったりせずに直線的に真っ直ぐ引き裂くことができる。
このように本発明の注出口部を有する詰め替え用の包装袋は、容器への詰め替え作業において、包装袋が閉塞することなく、内容液を最後まで安定した状態で注ぎ量を一定に保つことができ、途中で作業を中断することがなく、迅速に内容液の注ぎ出しを行うことができる。
本発明を一実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
本発明の注出口部を有する詰め替え用の包装袋は、例えば、図1、図3に示すように、表裏二枚の合成樹脂フィルム(1、2)の周縁が縦シール(11)および横シール(12)され、上部隅角に包装袋本体(13)から突出して注出口部(14)が形成された包装袋である。
そして、充填開口部となる上部辺(12a)の途中には、前記注出口部に沿って切れ込む、包装袋の縦シール(11)と平行なシール部(11a)を有する括れシール(15a)により周縁がシールされた第1括れ部(15)が形成されている。
また、注出口部(14)の第1括れ部(15)と反対側の縦シール辺には、包装袋本体(13)の縦シール(11)より注出口部(14)に沿って切れ込む括れシール(16a)により周縁がシールされた第2括れ部(16)が形成されている。
二つの括れシール(15a、16a)に挟まれて注出路(17)とそれに連なる注出口予定部(18)が形成されている。
そして包装袋本体(13)には、包装袋本体(13)の外方から内方に向けて窪んだ凹部(21)と、また、この凹部の周辺には包装袋本体(13)の内方から外方に向けて突
出した凸部(22)が形成されている。
さらに、第1括れ部(15)に設けられた括れシール(15a)の周縁が包装袋の縦シール(11)と平行なシール部の内側より垂直に延長した線(l)と、注出口予定部(18)の中心より垂直に延長した線(m)の交点(K)を中心として注出口予定部(18)の開口幅(a)を半径とする円(n)の内側に、凹部(21)の全部又は一部を有するように形成されている。
注出口部(14)に、注出口部の内方から外方に向けて突出した注出口凸部(23)を形成し、包装袋本体に形成された凸部(22)と注出口予定部(18)の中心より垂直に延長した線(m)上で連続して形成しても良い。
また、注出口部(14)に、注出口部の内方から外方に向けて突出した注出口凸部(23)を形成し、包装袋本体に形成された凸部(22)と注出口予定部(18)の中心より垂直に延長した線(m)上に独立して形成しても良い。
前述のように包装袋本体の注出路(17)近傍に形成される凸部(22)と凹部(21)は、注出路の幅方向の垂直二等分線(a)上に形成されているので、注出口部付近の膨らみを押さえ、内容液の圧力によって開口部が閉塞することを防ぐことができる。
凹部(21)の形状は、円形であっても多角形であっても構わない。凹部(21)とその周辺に形成される凸部(22)の最大高低差(b)は1mm以上とする。その理由は凹部(21)が内容液の圧力によって外方に突出しないよう成形を保持するためである。但し、高低差が8mmを超えると、注出路(17)の根元が膨らみ開口部が閉塞する危険がある。
包装袋本体(13)の形状は、底部に底部材フィルムである折り込みテープ(3)を挿入して横シールを船底形状に形成させた自立性を有するスタンディングパウチとしても良い(図1、図3参照)。
また開口し易いように、注出口予定部の先端につまみ部(19)を形成させることができる。直線カット性を上げるため切り取り開始部分などにレーザーなどで傷加工を施したり、直線カット性に優れた延伸ナイロン基材を用いても構わない。
本発明の注出口部を有する詰め替え用の包装袋(10)は、以上のような構造からなるので、容器への詰め替え作業において、包装袋が閉塞することなく、内容液を最後までした状態で注ぎ量を一定に保つことができる。また、注ぎ出し作業を途中で中断させることなく迅速に内容液の注ぎ出しを行うことができる。
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
合成樹脂フィルム(1、2)、及び底部材フィルム(3)として、厚さ15μmのナイロンフィルムと厚さ130μmの直鎖低密度ポリエチレンフィルムを貼り合わせた複合フィルム(Ny(15μm)/L−LDPE(130μm))を準備した。
包装袋本体、底部材フィルムとも上記複合フィルムを用いて、袋のサイズが幅120mm×高さ180mmの包装袋であるスタンディングパウチを製袋し、充填開口部となる上部辺(12a)の途中に下方に向けて切れ込む包装袋の縦シール(11)と平行なシール部(11a)を有する括れシール(15a)により周縁がシールされた略三角形状の第1
括れ部(15)を設けた。
ついで、第1括れ部(15)の反対側の縦シール辺に、包装袋本体の縦シールより第1括れ部(15)方向に切れ込む括れシール(16a)により周縁がシールされた略三角形状の第2括れ部(16)を設けた。
二つの括れシール(15a、16a)に挟まれた部分は最小幅15mmの注出路(17)とそれに連なる注出口予定部(18)で、注出路(17)と注出口予定部(18)で注出口部(14)を形成している。
第1括れ部(15)に設けられた括れシール(15a)の周縁が包装袋の縦シール(11)と平行なシール部の内側より垂直に延長した線(l)と、注出口予定部(18)の中心より垂直に延長した線(m)の交点(K)を中心として半径5mm、最大深さ1.0mmの半球状の外方から内方に向けて窪んだ凹部(21)を形成し、その凹部の周縁に交点(K)を中心とする半径15mmで最大高さ1.0mmの環状の内方から外方に向けて突出した凸部(22)を形成した。
また、注出路(17)には、先端の注出口予定部(18)から包装袋本体に向けて注出路の幅方向の二等分線上に、注出口部の内方から外方に向けて突出した最大高さ1.0mmの雫状の注出口凸部(23)を形成した。なお、凸部(22)と注出口凸部(23)とはその端縁同士で互いに連結されている。
このようにしてスタンディングパウチ形式の実施例1の注出口部を有する詰め替え用の包装袋(10)を作製した(図3参照)。
以下の二つの実施例は比較例としての実施例である。
実施例1と同じ構成の複合フィルムを用いて、注出口部の注出路に実施例1と同じ寸法形状の注出口凸部を形成させたスタンディングパウチ形式の包装袋を作製し、実施例2の注出口を有する詰め替え用の包装袋とした(包装袋本体に凸部や凹部は形成されていない)。
実施例1と同じ構成の複合フィルムを用いて、同じ寸法の凸部や凹部、注出口凸部を設けないスタンディングパウチ形式の包装袋を作製し、実施例3の注出口を有する詰め替え用の包装袋とした。但し、交点(K)を中心に半径15mmの円を描き、押圧マークとした。
このようにして作製した実施例1〜実施例3の包装袋に水300ミリリットルを充填密封し、注出口部より開封して注出口が下を向くように包装袋を傾け、内容物である水を自由落下させて排出するのに要する時間を測定した。その結果を表1に示す。なお、実施例3については押圧マークを指で押さえて行った。(N=5)
Figure 0004887936
表1からわかるように、凸部と凹部を組み合わせた形状とすることで内容液の残存量が少なくなっても安定した注ぎ出しのできる包装袋となる。
本発明の注出口を有する詰め替え用の包装袋の一実施例を示す、平面説明図である。 図1のA−A’線断面説明図である。 本発明の注出口を有する詰め替え用の包装袋の別の実施例を示す、平面説明図である。 (a)図3のB−B’線断面説明図である。(b)図3のC−C’線断面説明図である。
符号の説明
1‥‥合成樹脂フィルム(表側)
2‥‥合成樹脂フィルム(裏側)
3‥‥底部材フィルム、折り込みテープ
10‥‥注出口部を有する詰め替え用の包装袋
11‥‥縦シール
11a‥縦シールと平行なシール部
12‥‥横シール
12a‥上部辺
13‥‥包装袋本体
14‥‥注出口部
15‥‥第1括れ部
15a‥括れシール
16‥‥第2括れ部
16a‥括れシール
17‥‥注出路
18‥‥注出口予定部
19‥‥つまみ部
21‥‥凹部
22‥‥凸部
23‥‥注出口凸部
a‥‥注出口予定部の開口幅
l‥‥縦シールと平行なシール部の内側に垂直に延長した線
m‥‥注出口予定部の中心より垂直に延長した線
n‥‥aを半径とする円
K‥‥線lと線mの交点

Claims (6)

  1. 表裏二枚の合成樹脂フィルムの周縁を縦シールおよび横シールしてなる包装袋の上部隅角に包装袋本体から突出して注出口部が形成され、
    上部辺の途中には、前記注出口部に沿って切れ込む、包装袋の縦シールと平行なシール部を有する括れシールにより周縁がシールされた第1括れ部が形成され、
    注出口部の第1括れ部と反対側には、包装袋本体の縦シールより注出口部に沿って切れ込む括れシールにより周縁がシールされた第2括れ部が形成され、
    二つの括れシール部により囲まれた注出路とそれに連なる注出口予定部が形成され、
    前記包装袋本体には、包装袋本体の外方から内方に向けて窪んだ凹部と、また、該凹部の周辺には包装袋本体の内方から外方に向けて突出した凸部が形成された詰め替え用の包装袋であって、
    前記第1括れ部に設けられた括れシールの周縁が包装袋の縦シールと平行なシール部の内側より垂直に延長した線と、注出口予定部の中心より垂直に延長した線の交点を中心とし、注出口予定部の開口幅を半径とする円の内側に、前記凹部の全部又は一部が形成されていることを特徴とする、注出口部を有する詰め替え用の包装袋。
  2. 前記注出口部には、該注出口部の内方から外方に向けて突出した注出口凸部が設けられ、包装袋本体に設けられた凸部と注出口予定部の中心より垂直に延長した線上で連続して形成されていることを特徴とする、請求項1記載の注出口部を有する詰め替え用の包装袋。
  3. 前記注出口部には、該注出口部の内方から外方に向けて突出した注出口凸部が設けられ、包装袋本体に設けられた凸部と注出口予定部の中心より垂直に延長した線上に独立して形成されていることを特徴とする、請求項1記載の注出口部を有する詰め替え用の包装袋。
  4. 前記包装袋は、表裏二枚の合成樹脂フィルムの下部に二つ折りされた底部材フィルムが挿入され、底部となる横シールが船底形状にシールされたスタンディングパウチであることを特徴とする、請求項1、2又は3記載の注出口部を有する詰め替え用の包装袋。
  5. 前記注出口予定部の先端にはつまみ部が形成されていることを特徴とする、請求項1、2、3又は4記載の注出口部を有する詰め替え用の包装袋。
  6. 前記注出口予定部の切り取り開始部分には傷加工が施されていることを特徴とする、請求項1、2、3、4又は5記載の注出口部を有する詰め替え用の包装袋。
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