JP4887815B2 - 空気調和機の室外ユニット - Google Patents

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本発明は空気調和機の室外ユニットに関するもので、特に室外ユニットの外郭を形成する外箱構成に関するものである。
大能力タイプのルームエアコンの室外ユニットやパッケージエアコンの室外ユニットでは、室外ユニットの横連続設置に対応できるように、送風機の吹き出し口面側から作業ができるように、圧縮機室と圧縮機室の上部に設けられ制御基板を収納する電装部品室とを覆う圧縮機室部前板が設けられている。配管接続部も圧縮機室に収納されているので、設置時の配管接続作業、冷媒追加充填作業また設置状態に応じて室外ユニット制御基板に設けられた種々の設定スイッチの操作を行うには、圧縮機室部前板を外して作業を行うよう
になっており、そのため圧縮機室部前板は、数本のネジを緩めることで簡単に取り外せる構成となっている(例えば、特許文献1参照)。また、係合が容易な構成として、引掛け爪と引掛け穴の構成がある(例えば、特許文献2参照)。
以下に従来の空気調和機の室外ユニットの外箱の構成を、図4、図5を用いて説明する。図4において、室外ユニット90の外箱90aは、周囲を上方に向かって折り曲げたユニットベース100、天面部を覆う天板101、前面部を覆い送風機(図示せず)の吹き出し口102aを設けた吹き出し口部前板102、圧縮機106を内蔵する圧縮機室106aと制御基板(図示せず)を収納する電装部品室104とを覆う断面略L字状の圧縮機室部前板103、右側面を覆う側板105a、105bから構成されている。圧縮機室部前板103は、前面側103aと右側面側103bとで形成され、さらに圧縮機室部前板103の上端及び下端はそれぞれネジ103dで天板101とユニットベース100に締結されている。
図5は、図4における圧縮機室部前板103の右側面側103bのD部と側板105bのE部を拡大した詳細図であり、(a)は要部水平断面図、(b)は要部正面図である。図5に示すように、圧縮機室部前板103の右側面側103b及び左側端部103cの各鉛直部には略L字状の係止爪110が、またこの係止爪110に対応して、吹き出し口部前板102および側板105bの鉛直端部に角形状の係合穴111がそれぞれ複数個設けられている。室外ユニット90を横方向に連続設置する場合に、圧縮機室部前板103が室外ユニット90の手前方向に外せるようするために係止爪110は両端側ともに室外ユニット90の奥行き方向に突出して形成されており、対応する係合穴111は係止爪110に直交するように開口している。
以上の構成により、圧縮機室部前板103は、圧縮機室部前板103の右側面側103b、左側端部103cに設けられた複数個の係止爪110が係合穴111に水平方向に挿入された後、上方にスライドされ、さらに上端、下端をそれぞれ1本のネジ103dで締結することによって吹き出し口部前板102、側板105a、105bに固着できるため、多くのネジを使用する必要がなく、組立時の作業工数を低減できると共にネジ本数が少ないので見栄えもよい。
図6は、他の従来の空気調和機の室外ユニットを示すもので、図4に示された室外ユニットとほぼ同様な外箱構成となっているが、圧縮機室部前板の部分と右側の側板部分とが一体に形成され、しかも右側の側板は1枚で形成され合わせ目が省略されているところが異なる(例えば、特許文献3参照)。
特開平6−123446号公報 実開平5−69535号公報 特開平9−193989号公報
しかしながら上記従来の空気調和機の室外ユニットの外箱構成では、製造現場における圧縮機室部前板103の組立作業時や、設置時に圧縮機室部前板103を開けての作業、例えば室外ユニット90と室内ユニット(図示せず)をつなぐ際の冷媒配管接続、冷媒の追加充填や電線接続などの圧縮機室部前板103を取り外したり、再度室外ユニット90に取り付けたりする際に以下のような課題があった。
圧縮機室部前板103を室外ユニット90に取り付ける際は、側板105a、105b及び吹き出し口部前板102に設けた複数の係合穴111に圧縮機室部前板103の右側面側103b及び左側端部103cに設けた複数の係止爪110を挿入した後、圧縮機室
部前板103を上方にスライドさせ上端、下端をネジ103dで締結するが、圧縮機室部前板103は金属製でしかも大きな表面積を持ち、そのため重量も重くなることから自重により下方へ下がろうとする力が働くため、ネジ穴がずれてしまう。そのため、作業者はネジ穴がずれないように圧縮機室部前板103を押えていなければならず、取り付け、取り外し作業が非常に困難であった。
このため、製造現場や大規模設置工事など多人数で作業をしている場合には、一人が圧縮機室部前板103を押え、もう一人がネジを締結しなければならなかった。又、一人で設置作業する場合、あるいは、一人で作業を行うことが多いサービス時などでは、圧縮機室部前板103の再取り付けが極めて困難で、また多くの時間を費やし、さらに注意不足の場合には、係止爪110と係合穴111が外れてしまい、圧縮機室部前板103が室外ユニット90より落下しキズ付きや変形の原因となっていた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、安価な構成で、見栄えを悪くすることもなく、一人で確実に、しかも簡単に圧縮機室部前板の取り付けができる空気調和機の室外ユニットを提供することを目的とするものである。
上記従来の課題を解決するために、本発明の空気調和機の室外ユニットは、圧縮機を内蔵した圧縮機室と送風機とを有する外箱を備え、前記外箱は、天面に配された天板と、底面に配され周囲を上方に向かって折り曲げたフランジを有するユニットベースと、送風機の風を吹き出す吹き出し口を設けた吹き出し口部前板と、圧縮機室の前部を覆う圧縮機室部前板と、側面部を覆う側板とから構成され、圧縮機室部前板の両側端部に略L字状の係止爪を複数設けるとともに吹き出し口部前板および側板の端部に係止爪に係合する係合穴をそれぞれ複数設け、圧縮機室部前板の下部に内側に向かって突出する凸部を形成し、圧縮機室部前板を吹き出し口部前板と側板との最終取り付け位置にスライドさせた時にユニットベースのフランジ上端部に係止するようにしたもので、圧縮機室部前板を吹き出し口部前板及び側板に取り付ける際、圧縮機室部前板の両側端部に設けた係止爪を吹き出し口部前板及び側板の端部に設けた係合穴に挿入し、圧縮機室部前板を上方の最終取り付け位置までスライドさせると圧縮機室部前板の下部に設けた凸部がユニットベースのフランジ上端部に係止して保持されるため、圧縮機室部前板は下方へずれることがなく、一人で確実に、しかも容易に前記圧縮機室部前板を取り付けることができる。
本発明の空気調和機の室外ユニットは、安価な構成で、見栄えを悪くすることもなく、一人で確実に、しかも簡単に圧縮機室部前板の取り付けができるので、作業効率が非常に良いものである。
第1の発明は、圧縮機を内蔵した圧縮機室と送風機とを有する外箱を備え、前記外箱は、天面に配された天板と、底面に配され周囲を上方に向かって折り曲げたフランジを有するユニットベースと、前記送風機の風を吹き出す吹き出し口を設けた吹き出し口部前板と、前記圧縮機室の前部を覆う圧縮機室部前板と、側面部を覆う側板とから構成され、前記圧縮機室部前板の両側端部に略L字状の係止爪を複数設けるとともに前記吹き出し口部前板および前記側板の端部に前記係止爪に係合する係合穴をそれぞれ複数設け、前記圧縮機室部前板の下部に内側に向かって突出する凸部を形成し、圧縮機室部前板を前記吹き出し口部前板と前記側板との最終取り付け位置にスライドさせた時に前記ユニットベースのフランジ上端部に係止するようにしたもので、圧縮機室部前板を吹き出し口部前板及び側板に取り付ける際、圧縮機室部前板の両側端部に設けた係止爪を吹き出し口部前板及び側板の端部に設けた係合穴に挿入し、圧縮機室部前板を上方の最終取り付け位置までスライド
させると圧縮機室部前板の下部に設けた凸部がユニットベースのフランジ上端部に係止して保持されるため、圧縮機室部前板は下方へずれることがなく、一人で確実に、しかも容易に前記圧縮機室部前板を取り付けることができる。
また、凸部の断面形状を上端から下端に向かって徐々に隆起させたもので、圧縮機室部前板を上方へスライドさせる際、凸部の上端は緩やかな隆起であるためユニットベースの下端をスムーズに乗り越えるとともに、下端は大きく隆起しているため確実に係止して保持することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における空気調和機の室外ユニットの外箱構成を示す分解斜視図で、図2は、同室外ユニットの圧縮機室部前板の取り付け部の要部断面図である。図1、図2において、室外ユニット1の外箱1aは、底部を形成するユニットベース2、天面部を覆う天板3、前面部を覆うとともに内蔵された送風機(図示せず)による風を吹き出す吹き出し口4を有する吹き出し口部前板5、圧縮機(図示せず)を内蔵する圧縮機室6や制御基板(図示せず)を収納する電装部品室7を覆う圧縮機室部前板8、右側面を覆う側板となる右側板9とから構成されている。
ユニットベース2は、周囲を上方に向かって折り曲げたフランジ2aが設けられている。圧縮機室部前板8は、前面に位置する前面部8aと右側部8bとで断面略L字状に形成され、前面部8aには、ほぼ全幅に渡ってデザイン性を向上させるための内側に突出するビード10が複数形成され、そのビード10の最下部は、圧縮機室部前板8を最終取り付け位置にスライドさせた時にユニットベース2のフランジ2a上端部に係止するように内側に向かって突出する凸部11として形成している。また、圧縮機室部前板8の左端部8cと右側部8bの端部のそれぞれに、後方に突出した略L字状の係止爪12が複数個設けられ、吹き出し口部前板5および右側板9のそれぞれの鉛直端部の係止爪12に対応する位置に角形状の係合穴13が設けられている。
圧縮機室部前板8の室外ユニット1への取り付けは、圧縮機室部前板8の係止爪12を吹き出し口部前板5と右側板9の係合穴13に挿入する。その後圧縮機室部前板8を上方にスライドさせることにより、凸部11がユニットベース2のフランジ2aを乗り越えた後、フランジ2aの上端に係止する。これにより、圧縮機室部前板8が保持されるので下方にずれないように押えておく必要がなく、ネジ14で圧縮機室部前板8の上端、下端を天板3ユニットベース2にそれぞれネジ止めすることで圧縮機室部前板8の取り付けは完了する。
以上のように、本実施の形態によれば、一人でも簡単に、しかも確実に圧縮機室部前板8を取り付けることができるものである。
なお、本実施の形態は、圧縮機室部前板8の下部に形成した凸部11を圧縮機室部前板8全幅に渡ってビード状に形成しているので、圧縮機室部前板8の下部の強度が格段に向上するとともに、圧縮機室部前板8はビードの全幅に渡って係止されるため、外力が加わったり多少の変形があったりした場合でも下方へずれ落ちることがないものであるが、特に凸部11の形状や長さは限定するものではなく、フランジ2aの上端部に確実に係止できる形態であればよい。
(実施の形態2)
図3は、本発明の第2の実施の形態における空気調和機の室外ユニットの要部断面図である。なお、上記実施の形態と同一部分については同一符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態は、凸部11の断面形状を上端から下端に向かって徐々に隆起させているので、圧縮機室部前板8を上方へスライドさせる際、凸部11の上端は緩やかな隆起であるためユニットベースの下端をスムーズに乗り越えるとともに、下端は大きく隆起しているため確実にユニットベース2のフランジ2a上端に係止して保持することができる。
以上のように、本発明に係る空気調和機の室外ユニットは、安価な構成で、見栄えを悪くすることもなく、一人で確実に、しかも簡単に圧縮機室部前板の取り付けができるので、作業効率が非常に良く、設置時、サービス時に着脱を要する板金製の扉、蓋などを有する各種機器、装置にも適用できるものである。
本発明の実施の形態1における空気調和機の室外ユニットの展開斜視図 同室外ユニットの要部断面図 本発明の実施の形態2における空気調和機の室外ユニットの要部断面図 従来の空気調和機の室外ユニットの展開斜視図 (a)図4のD、E部の横断面図、(b)同D、E部の正面図 従来の他の例を示す空気調和機の室外ユニットの斜視図
1 室外ユニット
1a 外箱
2 ユニットベース
2a フランジ
3 天板
4 吹き出し口
5 吹き出し口部前板
6 圧縮機室
8 圧縮機室部前板
9 側板
11 凸部
12 係止爪
13 係合穴

Claims (1)

  1. 圧縮機を内蔵した圧縮機室と送風機とを有する外箱を備え、前記外箱は、天面に配された天板と、底面に配され周囲を上方に向かって折り曲げたフランジを有するユニットベースと、前記送風機の風を吹き出す吹き出し口を設けた吹き出し口部前板と、前記圧縮機室の前部を覆う圧縮機室部前板と、側面部を覆う側板とから構成され、前記圧縮機室部前板の両側端部に略L字状の係止爪を複数設けるとともに前記吹き出し口部前板および前記側板の端部に前記係止爪に係合する係合穴をそれぞれ複数設け、前記圧縮機室部前板を前記吹き出し口部前板と前記側板との最終取り付け位置にスライドさせた時に前記ユニットベースのフランジ上端部に係止するよう内側に向かって突出する凸部を圧縮機室部前板の下部に形成し、前記凸部の断面形状は上端から下端に向かって徐々に隆起させたことを特徴とする空気調和機の室外ユニット。
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