JP4886965B2 - 軟磁性粉末粒子、軟磁性粉末粒子の製造方法、軟磁性成形体 - Google Patents

軟磁性粉末粒子、軟磁性粉末粒子の製造方法、軟磁性成形体 Download PDF

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Description

本発明は軟磁性粉末粒子、軟磁性粉末粒子の製造方法、軟磁性成形体に関する。本発明は、モータ又は電磁アクチュエータ等に装備される軟磁性コア等の軟磁性成形体において高い比抵抗を実現するのに有利な軟磁性粉末粒子、軟磁性粉末粒子の製造方法に適用できる。
モータまたは電磁アクチュエータ等の機器の更なる小型化、高効率化を実現するために、これらに装備される軟磁性コアには、高い比抵抗、高い透磁率という特性を有する材料が求められている。高い比抵抗が得られれば、渦電流損等の損失を低減させるのに貢献できる。この要求に対し、これまで様々な研究が進められ、種々の軟磁性粉末に関する技術が提案されてきた。その中の1つの方法として、高い透磁率を有する金属粉末上に、高い比抵抗を有する鉄酸化物で形成されたフェライト膜を被覆した粉末が有望視されている。
フェライト膜を形成する工夫としては、スパッタリング法、CVD法等の真空成膜法、あるいは、溶液塗布後にゾルゲル反応を利用する溶液コート法、あるいは、メカノフュージョン法等の乾式の粉末複合化法等が知られている。これらは大がかりな装置を必要とする。
一方、これらに対して大がかりな装置を必要とせず、かつ均質なフェライト膜が得られやすい工夫として、溶液中のFe2+→Fe3+の酸化反応を利用して鉄酸化物であるフェライト膜の作製を可能にするフェライトメッキ法の開発を本発明者等は進めている(特許文献1,2)。
特開平11−1702号公報 特開2003−86415号公報
しかしながら、産業界では、渦電流損失等の損失を低減させるべく、軟磁性成形体の比抵抗を更に高めることが要請されている。上記したフェライト膜を被覆する技術は、軟磁性成形体の内部の粒界を高抵抗化でき、高い透磁率及び高い比抵抗の両立を図るのに有利であり、渦電流損等の損失を低減できる利点が得られるものの、従来のフェライト膜を鉄系粉末粒子を被覆した軟磁性粉末粒子によれば、軟磁性成形体として成形したとき、比抵抗の向上には限界があった。故に、モータ等の機器に使用される軟磁性成形体における渦電流損失等の損失を低減させるため、材料特性(比抵抗、透磁率)の向上には改善の余地があった。
更に特許文献1,2には、鉄系粉末粒子の表面に形成するフェライト膜として、Ni−Znフェライト、Mn−Niフェライトを採用できると記載されているが、フェライト膜を形成する金属成分のモル比にまで言及しているものではない。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、透磁率を確保しつつ、比抵抗を更に高めるのに有利な軟磁性粉末粒子、軟磁性粉末粒子の製造方法、軟磁性成形体を提供することを課題とするにある。
本発明者は、鉄系粉末粒子の表面にフェライトメッキによりフェライト膜を形成した軟磁性粉末粒子に関する技術について長年にわたり鋭意開発を進めている。そして、鉄系粉末粒子の表面に被覆されたNi及びZnを含むフェライトを主要成分とするフェライトメッキにより形成されたフェライト(鉄酸化物)膜において、モル比で、Fe+Ni+Znの合計値=1としたとき、Fe+Ni+Znの合計値に占めるFe,Ni,Znをそれぞれ所定の割合にすれば、透磁率を確保しつつ、比抵抗を更に高めるのに有利な軟磁性粉末粒子が得られることを知見し、試験で確認し、本発明を完成させた。
(1)第1発明に係る軟磁性粉末粒子は、鉄系粉末粒子の表面にフェライトメッキによりフェライト膜が形成されており、フェライト膜は、Ni及びZnを含むフェライトを主要成分としており、Ni及びZnを含むフェライト膜は、モル比で、Fe+Ni+Zn=1としたとき、
Fe/Fe+Ni+Zn=0.4〜0.8、
Ni/Fe+Ni+Zn=0.02〜0.4、
Zn/Fe+Ni+Zn=0.11〜0.48に設定されていることを特徴とするものである。
(2)第2発明に係る軟磁性粉末粒子の製造方法は、鉄系粉末粒子と、鉄イオン及び他の金属イオンを含むフェライトメッキ液とを用意する工程と、フェライトを主要成分とするフェライト膜を鉄系粉末粒子の表面にフェライトメッキ液により形成する工程とを順に実施する軟磁性粉末粒子の製造方法において、
フェライト膜は、Ni及びZnを含むフェライトを主要成分としており、且つ、
フェライトメッキ液の組成は、モル比で、Fe2++Ni2++Zn2+=1としたとき、
Fe2+Fe2++Ni2++Zn2+ =0.4〜0.8、
Ni2+Fe2++Ni2++Zn2+ =0.02〜0.4、
Zn2+Fe2++Ni2++Zn2+ =0.11〜0.48に設定されていることを特徴とするものである。
(3)第3発明に係る軟磁性成形体は、各請求項のうちのいずれか一項に記載の軟磁性粉末粒子の集合体を結合させて形成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、透磁率を確保つしつ、比抵抗を高め、鉄損を低減させるのに有利な軟磁性粉末粒子、軟磁性粉末粒子の製造方法、軟磁性成形体を提供することができる。
本発明に係るNi及びZnを含むフェライト膜は、モル比で次のようにできる。モル比で、Fe/Fe+Ni+Znの下限値としては0.45または0.50を例示することができ、これと組み合わせ得る上限値としては0.79または0.78を例示することができる。但しこれに限定されるものではない。
また、モル比で、Ni/Fe+Ni+Znとしては0.03〜0.4または0.05〜0.4とすることができる。ここで、Ni/Fe+Ni+Znの下限値としては0.03または0.04または0.05を例示することができ、これと組み合わせ得る上限値としては0.39または0.38を例示することができる。但しこれに限定されるものではない。
またモル比で、Zn/Fe+Ni+Znの下限値としては0.12を例示することができ、これと組み合わせ得る上限値としては0.48とする。
本発明に係る軟磁性粉末粒子は、鉄系粉末粒子の表面にフェライトメッキによりフェライト膜が形成されている。フェライト膜は、Ni及びZnを含むフェライトを主要成分とする。
フェライトメッキにより形成されるフェライト膜の厚みが過剰に厚いと、膜生成の時間を必要とし、工業的生産性が低下する。フェライト膜の厚みが過剰に薄いと、所望の比抵抗が得られにくくなる。これらを考慮して、鉄系粉末粒子に形成するフェライト膜の膜厚としては例えば10〜250ナノメートルとすることができ、10〜200ナノメートル、15〜160ナノメートルとすることができる。フェライト膜は、10〜110ナノメートルの範囲のサイズをもつ結晶が密に配列された皮膜構造を有することが好ましい。この場合、フェライト膜の均質化を促進させることができる。
フェライト膜は、鉄系粉末粒子の表面全域に形成されているこが好ましいが、場合によっては、鉄系粉末粒子の表面一部域に形成されていても良い。鉄系粉末粒子は、純鉄(Fe)、鉄−アルミニウム系(Fe−Al)、鉄−シリコン系(Fe−Si)、鉄−シリコン−アルミニウム系(Fe−Si−Al)、鉄ニッケル系(Fe−Ni)、鉄−コバルト系(Fe−Co)、鉄−クロム系(Fe−Cr)のうちの少なくとも1種であることが好ましい。
この場合、高い透磁率を得るのに有利である鉄系粉末粒子としては、炭素は0.1重量%以下とすることができ、殊に0.05重量%以下が好ましい。炭素量が多くなるほど、磁気特性が劣化するためである。鉄系粉末粒子としては、アトマイズで形成したものでも、機械的粉砕で形成したものでも良い。アトマイズとしては水アトマイズでもガスアトマイズでも良い。
鉄系粉末粒子のサイズが過剰に小さいと、満足する磁気特性が得られにくい。鉄系粉末粒子のサイズが過剰に大きいと、鉄系粉末粒子の集合体を加圧するときに圧縮成形性が低下する傾向がある。鉄系粉末粒子のサイズとしては、1000μm以下とすることができ、殊に10〜600μm、20〜300μm、50〜200μmとすることができる。
本発明に係る軟磁性粉末粒子の製造方法は、鉄系粉末粒子と、鉄イオン及び他の金属イオンを含むメッキ液とを用意する工程と、Ni及びZnを含むフェライトを主要成分とするフェライト膜を鉄系粉末粒子の表面にフェライトメッキ液により形成するメッキ工程とを順に実施する軟磁性粉末粒子の製造方法において、メッキ液の組成は、モル比で、Fe2++Ni2++Zn2+=1としたとき、
Fe2+Fe2++Ni2++Zn2+ =0.4〜0.8、
Ni2+Fe2++Ni2++Zn2+ =0.02〜0.4、
Zn2+Fe2++Ni2++Zn2+ =0.11〜0.48に設定されていることを特徴とする。
この場合、モル比で、Fe2++Ni2++Zn2+=1としたとき、Fe2+Fe2++Ni2++Zn2+ の下限値としては0.45または0.50を例示することができ、これと組み合わせ得る上限値としては0.79または0.78を例示することができる。但しこれに限定されるものではない。
また、モル比で、Fe2++Ni2++Zn2+=1としたとき、Ni2+Fe2++Ni2++Zn2+ )としては0.03〜0.4、または0.05〜0.4とすることができる。Ni2+Fe2++Ni2++Zn2+ の下限値としては0.03または0.04または0.05を例示することができ、これと組み合わせ得る上限値としては0.39または0.38を例示することができる。但しこれに限定されるものではない。
またZn2+Fe2++Ni2++Zn2+ の下限値としては0.12を例示することができ、これと組み合わせ得る上限値としては0.48とする。
フェライトメッキ液はpH7以上である形態を採用できる。フェライトメッキ反応には一般的にはpH7以上とすることが好ましい。特に、Ni−Znフェライトのフェライトを生成する場合には、フェライト膜に各金属元素が取り込まれやすく、所望のフェライト膜の組成が得られやすいように、フェライトメッキ液のpH値としては8〜10、殊に8〜9とすることができる。なお、フェライトメッキ液のpH値が高すぎると、水酸化物(副生成物)が沈殿して、皮膜形成の妨げとなり易い。フェライトメッキ液のpH値が低すぎると、フェライトメッキ反応が進行せず、皮膜形成されない。
本発明によれば、フェライトメッキ工程に先立ち、鉄系粉末粒子を高温領域に加熱する熱処理を行うことができる。熱処理は、1個の鉄系粉末粒子における結晶粒の数を加熱前に比較して低減させることが好ましい。1個の鉄系粉末粒子の2次元的な切断面で観察したとき、1個の鉄系粉末粒子における結晶粒の数としては、平均で10個以内とすることができ、殊に5個以内、3個以内とすることができる。この場合、鉄系粉末粒子における結晶のサイズが大きくなる。鉄系粉末粒子を単結晶化させることもできる。鉄系粉末粒子における結晶のサイズが大きくなると、透磁率が高くなる傾向がある。熱処理は、還元性雰囲気や真空雰囲気等の非酸化性雰囲気で行うことができる。還元性雰囲気としては水素ガス雰囲気、水素ガス含有雰囲気を例示できる。熱処理における加熱温度としては加熱時間等によっても相違するものの、750〜1350℃程度、850〜1250℃を例示できる。一般的には、加熱温度が高いと、加熱時間は短かく、加熱温度が低いと、加熱時間は長くなる。
軟磁性成形体は、上記した軟磁性粉末粒子の集合体を結合させて形成されている。結合は、上記した軟磁性粉末粒子の集合体を加圧して一体化させて圧粉体とする形態でも良いし、あるいは、上記した軟磁性粉末粒子の集合体を加圧して一体化させて圧粉体とし、圧粉体を加熱して焼結体とする形態でも良い。前者の場合には、一般的には、軟磁性成形体は圧粉体の状態で使用される。後者の場合には、一般的には、軟磁性成形体は焼結体の状態で使用される。軟磁性成形体の密度としては例えば7.0〜7.8g/cm3、7.2〜7.7g/cm3することができる。
鉄損等の損失の低減を図るためには、透磁率を維持しつつ比抵抗を高めることが好ましい。軟磁性粉末粒子を成形した軟磁性成形体の比抵抗としては、室温測定で、1800μΩ・cm以上、2000μΩ・cm以上であることが好ましい。殊に鉄損等の損失の低減を図るためには、室温測定で、2500μΩ・cm以上、あるいは、3000μΩ・cm以上、4000μΩ・cm以上とすることができる。あるいは、5000μΩ・cm以上、6000μΩ・cm以上とすることができる。
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。まず、還元熱処理を施した平均粒径100μmの鉄系粉末粒子(ガスアトマイズ,純鉄粉)の集合体を用意した。還元熱処理の条件としては、加熱温度は1000℃、加熱時間は60分、雰囲気は純水素ガス雰囲気とした。1個の鉄系粉末粒子の2次元的な切断面で観察したとき、1個の鉄系粉末粒子における結晶粒の数は平均で10個以内であった。
この鉄系粉末粒子の表面に生成されている自然酸化膜を除去するために酸洗工程を実施した。即ち、鉄系粉末粒子の集合体を、所定の濃度の酸洗溶液(塩酸水溶液,重量%で0.07%)に所定時間(1分間)浸漬し、鉄系粉末粒子の表面の酸洗を行った。
次に、鉄系粉末粒子の表面にフェライト膜を被覆するために、表1(実施例1〜7および比較例1〜3)に示す各条件で、フェライトメッキ液を用いてフェライトメッキ工程を大気圧下において実施した。フェライトメッキは無電解メッキの1種である。フェライトメッキ液としては、十分に溶存酸素を除去した水に、2価金属の塩化物、つまり鉄塩化物(FeCl2 )、ニッケル塩化物(NiCl2 )、亜鉛塩化物(ZnCl2 )を水にそれぞれ溶解して調製した。メッキ液のpHは、自動pHコントローラを用いてアンモニア水により、表1に示す一定値に保持した。フェライトメッキ液の温度は70℃とした。
フェライトメッキ処理した後の鉄系粉末粒子を電子顕微鏡で観察したところ、鉄系粉末粒子の表面の全域には、均質な薄膜状のフェライト膜が被覆されていた。この場合、メッキ反応中に生成する擬集体状の副生成物がフェライト膜に付着していた。そこで、副生成物を取り除くために、フェライトメッキ処理後に水洗工程を実施した。水洗工程から回収した後、フェライト膜を形成した鉄系粉末粒子を乾燥(60℃)した。これにより鉄系粉末粒子の表面にフェライト膜を被覆した軟磁性粉末粒子が得られた。
表1は、実施例及び比較例に係るフェライトメッキの条件、実施例及び比較例に係るフェライト膜の膜特性(組成、膜厚、結晶サイズ)に対して測定した測定結果を示す。フェライト膜の組成はオージェ電子分光法に基づいて測定した。表1から理解できるように、各実施例によれば、Ni−Znフェライト膜を生成するフェライトメッキ液に含まれているFe2,Ni2+,Zn2+についてはモル比で次の(1)〜(3)の条件を満足していた。モル比で、Fe2++Ni2++Zn2+=1としたとき、
(1)Fe2+Fe2++Ni2++Zn2+ =0.4〜0.8
(2)Ni2+Fe2++Ni2++Zn2+ =0.02〜0.4
(3)Zn2+Fe2++Ni2++Zn2+ =0.11〜0.48
なおFe2+、Ni2+、Zn2+はフェライトメッキ液への投入量から計算で求めた。表1から理解できるように、フェライトメッキ液におけるFe2+、Ni2+、Zn2+の量はフェライト膜におけるFe、Ni、Znの量とほぼ整合している。
図1は実施例1のNi−Znフェライト膜の成膜形態の電子顕微鏡写真(TEM)を示す。図2は図1のNi−Znフェライト膜の成膜形態の拡大部分を示す。図3は比較例1のNi−Znフェライト膜の成膜形態の電子顕微鏡写真(TEM)を示す。図1,図2に示されるように、実施例1のNi−Znフェライト膜によれば、均質かつ緻密なフェライト膜が鉄系粉末粒子の表面に被覆されていることがわかる。フェライトメッキ液に含まれているFe2+,Ni2+,Zn2+の割合が適切化されており、Ni−Znフェライト膜におけるFe,Ni,Znの割合が適切化されているためと推察される。比較例1のNi−Znフェライト膜によれば、図3に示すように、粗構造であった。
表1にように、実施例1〜実施例7に係るフェライト膜の膜厚は10〜200ナノメートルの範囲内であった。実施例1〜実施例7に係るフェライト膜は、10〜100ナノメートルの範囲のサイズをもつ結晶が密に配列された均質性が高い皮膜構造を有するものであった。
また、表1から理解できるように、鉄系粉末粒子の表面に形成されたNi−Znフェライト膜の組成については、モル比で、Fe+Ni+Zn=1としたとき、実施例1〜実施例7はモル比で次の(1A)〜(3A)の条件を満足していた。
(1A)…Fe/Fe+Ni+Zn=0.4〜0.8
(2A)…Ni/Fe+Ni+Zn=0.02〜0.4
(3A)…Zn/Fe+Ni+Zn=0.11〜0.48
なお、上記した(1)〜(3)の範囲、(1A)〜(3A)の範囲から外れた値について、表1において*を付して示す。
次に、フェライト膜を被覆した鉄系粉末粒子で形成されている軟磁性粉末粒子の集合体を用い、その集合体を互いに結合させて圧粉体を形成する結合工程を実施した。この場合、軟磁性粉末粒子の集合体を成形型の成形キャビティ内に充填し、150℃において900MPaで温間成形することにより、圧粉体である軟磁性成形体(φ20×4mmの円柱)を得た。この軟磁性成形体の密度は7.4〜7.7g/cm3の範囲であった。上記のようにして得られた圧粉体で形成されている軟磁性成形体の試験片について、比抵抗および透磁率を測定し、軟磁性成形体の特性を評価した。
比抵抗については、圧粉体の状態で室温にて4端子法に基づいて室温にて測定した。即ち、圧粉体である軟磁性成形体から直方体(4mm×12mm×3mm)の試験片をワイヤカット法により取り出した。次に、サンドペーパにより試験片の全面を研磨した。次に、電流端子としてリード線を、4mm×3mmの面に半田付けした。電圧端子として、4mm×12mmの面に一定荷重(300g)で針を接触させた(端子間距離:3mm)。デジタルマルチメータにより室温にて電圧を測定し、試験片の比抵抗を算出した。
透磁率については、圧粉体の状態で室温にて測定した。即ち、圧粉体である軟磁性成形体からリング状(外径φ20、内径φ14、厚さ4mm)の試験片をワイヤカット法により取り出した。次に、リング状の試験片に励磁2次コイルとして径0.18mmのエナメル線を50ターン巻き付けた。更にリング状の試験片にサーチ1次コイルとして径0.36mmのエナメル線を200ターン巻き付けた。そして直流磁化自動記憶装置によりB−H曲線を測定し、試験片の透磁率を算出した。
透磁率及び比抵抗についての測定結果を表1および図4に示す。表1および図4に示すように、比較例1〜比較例3に係る軟磁性粉末粒子を結合させて形成した軟磁性成形体によれば、透磁率は良好であったものの、比抵抗は低めであり、具体的には1100〜1600μΩ・cmであり、2000μΩ・cm未満であった。
これに対して、表1および図4に示すように、実施例1〜実施例7に係る軟磁性粉末粒子を結合させて形成した軟磁性成形体によれば、比抵抗は高めであり、具体的には4000μΩ・cm以上であり、具体的には4000〜7800μΩ・cmであり、良好であった。これにより軟磁性成形体の鉄損等の損失を低下させるのに有利となる。殊に、実施例1によれば、7800μΩ・cmと高い比抵抗が得られた。
Figure 0004886965
更に説明を加えると、実施例1と比較例3とは同系のNi−Znフェライト膜を鉄系粉末粒子に被覆させているものの、実施例1によれば、比較例3の7倍以上(7800/1100≒7.09)の高い比抵抗が得られた。また、実施例1と比較例1とは同系のNi−Znフェライト膜を鉄系粉末粒子に被覆させているものの、実施例1によれば、比較例1の4倍以上(7800/1600≒4.85)の高い比抵抗が得られた。また、実施例2と比較例3とは同系のNi−Znフェライト膜を鉄系粉末粒子に被覆させているものの、実施例2によれば、比較例3の3倍以上(4100/1100≒3.72)の高い比抵抗が得られた。
実施例2と比較例1とは同系のNi−Znフェライト膜を鉄系粉末粒子に被覆させているものの、実施例2によれば、比較例1の2倍以上(4100/1600≒2.56)の高い比抵抗が得られた。
また、表1に示すように、参考例1(実施例3は欠番)に係るフェライトメッキ液及びフェライト膜はNi,Znを含んでおらず、マグネタイト(Fe34)で形成されている。即ち、参考例1に係るフェライト膜はマグネタイト実質的に100%で形成されている。
このようにマグネタイトで形成したフェライト膜を鉄系粉末粒子に被覆した軟磁性粉末粒子を用い、この軟磁性粉末粒子を結合させた圧粉体である参考例1に係る軟磁性成形体によれば、透磁率を高くしつつ、4600μΩ・cmと高い比抵抗が得られた。表1から理解できるように、この参考例1によれば、フェライトメッキ液は鉄塩化物(FeCl2 )を含むものの、ニッケル塩化物(NiCl2 )及び亜鉛塩化物(ZnCl2 )を含んでおらず、Fe2+,Ni2+,Zn2+については、モル比で次のようであった。
Fe2+Fe2++Ni2++Zn2+ =1.00
Ni2+Fe2++Ni2++Zn2+ =0.00
Zn2+Fe2++Ni2++Zn2+ =0.00
参考例1について、鉄塩化物(FeCl2 )を含むフェライトメッキ液を用いるフェライトメッキで鉄系粉末粒子の表面に形成されたマグネタイト(Fe34)で構成された膜の組成については、表1に示すようにモル比で次のようであった。
Fe/Fe+Ni+Zn=1.00
Ni/Fe+Ni+Zn=0.00
Zn/Fe+Ni+Zn=0.00
Figure 0004886965
さて、図5はFe23−NiO−ZnOの三元系のバルク材料(1400℃焼成)の組成と比抵抗との関係を示すグラフ(文献)である。図5の等高線は当該バルク材料の比抵抗の値(Ω・cm)を示す。
表2は、上記した実施例1〜7(実施例3は欠番)、参考例1に係るフェライト膜、比較例1〜3に係るフェライト膜について、Fe23−NiO−ZnO系として換算したときを表示する。ここで、実施例1によれば、表1に示すように、Fe+Ni+Zn=1としたとき、Feは0.69を占め、Niは0.12を占め、Znは0.19を占める。Fe原子を2個有するFe23としてFeを換算するため、(0.69/2)+0.12+0.19=0.345+0.12+0.19=0.655=Mが成立する。
従って、実施例1によれば、Fe23換算では、Fe23は、0.345/M=0.345/0.655≒0.53となる。即ち、実施例1によれば、FeをFe23として換算すると、Fe23はモル%で約53%を占める。NiO換算で、NiOはモル%で、0.12/0.65×100%≒18%となる。ZnO換算では、ZnOはモル%で、0.19/0.65×100%≒29%となる。
上記したようにFe23−NiO−ZnO系として換算したとき、図5において、実施例1の組成を(1)として、実施例2の組成を(2)として、参考例1の組成を(3)として、実施例4の組成を(4)として、実施例5の組成を(5)として、実施例6の組成を(6)として、実施例7の組成を(7)として示す。また、図5において、比較例1の組成を(比1)として、比較例2の組成を(比2)として、比較例3の組成を(比3)として示す。
図5において、点X1は、簡易的には、モル%でFe23が30%、NiOが10%、ZnOが60%の組成を示す。点X2は、簡易的には、モル%でFe23が70%、NiOが10%、ZnOが20%の組成を示す。点X3は、簡易的には、モル%でFe23が30%、NiOが50%、ZnOが20%の組成を示す。
ここで、計算によれば、モル比で、Fe+Ni+Zn=1としたとき、基本的には、点X1は、Feが0.46、Niが0.08、Znが0.46の組成を示す。また点X2は、Feが0.82、Niが0.06、Znが0.12の組成を示す。また点X3は、Feが0.46、Niが0.38、Znが0.16の組成を示す。
点X1,点X2,点X3を頂角とする上記した三角形で示される組成範囲は、基本的には、モル比で、Fe+Ni+Zn=1としたとき、次の条件にほぼ相応していると考えられる。
Fe/Fe+Ni+Zn=0.4〜0.8
Ni/Fe+Ni+Zn=0.02〜0.4
Zn/Fe+Ni+Zn=0.11〜0.48
上記した比較例1〜比較例3は、点X1,点X2,点X3を頂角とする三角形で示される組成範囲から外れており、透磁率を高く維持しつつも、高い比抵抗が得られない。これに対して上記した実施例1〜実施例7は、点X1,点X2,点X3を頂角とする上記した三角形で示される組成範囲中に納まっている。この三角形で示される組成範囲であれば、透磁率を高く維持しつつ、高い比抵抗が得られる。
本発明は、例えば、回転式モータ、リニアモータ等のモータに搭載されるロータコア、ステータコア、電磁弁等に搭載されるヨークに利用することができる。
実施例1の軟磁性粉末粒子の全体の電子顕微鏡写真を示す図である。 実施例1の軟磁性粉末粒子の一部の電子顕微鏡写真を拡大して示す図である。 比較例1の軟磁性粉末粒子の全体の電子顕微鏡写真を示す図である。 実施例及び比較例の軟磁性粉末粒子の集合体を結合させた軟磁性成形体について測定した透磁率と比抵抗との関係を示すグラフである。 NiO−ZnO−Fe23系の組成と比抵抗との関係を示すグラフである。

Claims (8)

  1. 鉄系粉末粒子の表面にフェライトメッキによりフェライト膜が形成されており、
    前記フェライト膜は、Ni及びZnを含むフェライトを主要成分としており、
    Ni及びZnを含む前記フェライト膜は、モル比で、Fe+Ni+Zn=1としたとき、
    Fe/Fe+Ni+Zn=0.4〜0.8、
    Ni/Fe+Ni+Zn=0.02〜0.4、
    Zn/Fe+Ni+Zn=0.11〜0.48に設定されていることを特徴とする軟磁性粉末粒子。
  2. 請求項1において、比抵抗は2000μΩ・cm以上であることを特徴とする軟磁性粉末粒子。
  3. 請求項1または請求項2において、前記フェライト膜の膜厚は10〜200ナノメートルであることを特徴とする軟磁性粉末粒子。
  4. 請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項において、前記フェライト膜は、10〜110ナノメートルの範囲のサイズをもつ結晶が密に配列された皮膜構造を有することを特徴とする軟磁性粉末粒子。
  5. 請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項において、前記鉄系粉末粒子は、純鉄(Fe)、鉄−アルミニウム系(Fe−Al)、鉄−シリコン系(Fe−Si)、鉄−シリコン−アルミニウム系(Fe−Si−Al)、鉄ニッケル系(Fe−Ni)、鉄−コバルト系(Fe−Co)、鉄−クロム系(Fe−Cr)のうちの少なくとも1種であることを特徴とする軟磁性粉末粒子。
  6. 鉄系粉末粒子と、鉄イオン及び他の金属イオンを含むフェライトメッキ液とを用意する工程と、
    フェライトを主要成分とするフェライト膜を鉄系粉末粒子の表面にフェライトメッキ液により形成する工程とを順に実施する軟磁性粉末粒子の製造方法において、
    前記フェライト膜は、Ni及びZnを含むフェライトを主要成分としており、且つ、
    前記フェライトメッキ液の組成は、モル比で、Fe2++Ni2++Zn2+=1としたとき、
    Fe2+Fe2++Ni2++Zn2+ =0.4〜0.8、
    Ni2+Fe2++Ni2++Zn2+ =0.02〜0.4、
    Zn2+Fe2++Ni2++Zn2+ =0.11〜0.48に設定されていることを特徴とする軟磁性粉末粒子の製造方法。
  7. 請求項6において、フェライトメッキ液はpH7以上であることを特徴とする軟磁性粉末粒子の製造方法。
  8. 請求項1〜請求項のうちのいずれか一項に記載の軟磁性粉末粒子、又は請求項6〜請求項7のうちのいずれか一項に記載の軟磁性粉末粒子の製造方法により製造された軟磁性粉末粒子の集合体を結合させて形成されていることを特徴とする軟磁性成形体。
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