JP4880133B2 - 角膜細胞撮影装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、角膜細胞撮影装置に関し、更に詳しくは、1つの対物レンズを2分割して照明光学系及び撮影光学系として使用する角膜細胞撮影装置に於いて、アライメント及び合焦の機能を有するとともに角膜の厚さ方向に於ける撮影位置を調節し得る角膜細胞撮影装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、被検眼に接触することなく、角膜内皮細胞の撮影が可能な角膜細胞撮影装置が開発されている。このような非接触式の装置により、熟練を要することなく角膜細胞の撮影を容易に行うことができるようになっている。しかし、近年、角膜内皮細胞だけでなく、角膜実質部等、角膜の各層を非接触で容易に撮影することができる角膜細胞撮影装置が望まれるに至っている。
【0003】
一方、最近、近視眼を外科的手術によって角膜屈折矯正を行うLASIK(laser in situ keratomileusis)が行われるようになっている。LASIKによる手術では、角膜フラップのすぐ下の細胞がレーザ光によって切除されるので、手術後に角膜実質部内の術部の様子を追跡観察する必要性が生じている。従って、角膜細胞撮影装置には、角膜内皮だけではなく、内皮と上皮との間の角膜実質部も撮影できることが要求されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術によれば、角膜実質部等の撮影をするには接触式の角膜細胞撮影装置を使用しなければならず、非接触の装置では角膜実質部の撮影は困難であった。その理由は、非接触式では撮影に際して被検眼と装置との位置関係を固定することができないからであり、また、内皮以外の層は顕著な層状組織を持たないために反射光が弱く、目的とする層自体を検出することが困難だからである。更に、角膜実質部の各層の像は角膜内皮の反射光と角膜表面の強い散乱反射光との間に位置するため、これを撮影するには角膜の厚さ方向に於ける分離がこれまで以上に要求されるからである。
【0005】
本発明はこのような問題点を解決するために為されたものであり、本発明の目的は、角膜の内皮と上皮の中間の角膜実質部の任意の位置を自動的に素早く撮影することができ、しかも、広い視野に亘り角膜の厚さ方向に於ける分離が良好で、歪みの少ない明瞭な画像を容易に得ることができる角膜細胞撮影装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の角膜細胞撮影装置は、被検眼の前眼部に於ける角膜の厚さ方向に於ける所定位置を撮影するための角膜細胞撮影装置であって、照明用光源からの照明光によって被検眼の前眼部を斜め前方から照射するための照明光学系と、前記照明光により照明されている前眼部に於ける画像を撮影するための撮影光学系と、前記照明光学系の一部を構成する照明部、前記撮影光学系の一部を構成する撮影部、及び該照明部と該撮影部との間を分離するための遮蔽部を有する対物レンズと、被検眼の光軸(Z軸)に垂直なXY平面内に於ける前記照明光学系及び前記撮影光学系のアライメントを行うアライメント手段と、被検眼の光軸(Z軸)方向に於ける前記照明光学系及び前記撮影光学系の合焦を行う合焦手段と、前記照明光学系、前記撮影光学系、前記対物レンズ、前記アライメント手段及び前記合焦手段を載置するXYZ架台と、被検眼に対する前記XYZ架台の位置を調節する移動手段とを備え、前記合焦手段は、合焦用光源及び合焦検出用の光センサを有し、前記合焦用光源による検出用指標の前眼部に於ける反射光を、前記対物レンズの前記照明部及び前記撮影部並びに被検眼を介して前記光センサで検出することにより、前記移動手段を駆動して前記XYZ架台の位置を調節して、被検眼の光軸方向に於ける前記照明光学系及び前記撮影光学系の合焦を行うことを特徴とする。
【0007】
このように、1つの対物レンズを遮蔽部で仕切り、一方を照明光学系の一部とし、もう一方を撮影光学系の一部とすることにより、被検眼の正面から撮影した画像に近い歪みの少ない角膜実質部の画像が得られる。また、本発明では、合焦は、アライメント手段による照明光学系及び撮影光学系のアライメントの後又はアライメントと並行して、対物レンズの照明部及び撮影部並びに被検眼を介して光学的に行われるので、正確な照明光学系及び撮影光学系の合焦を素早く自動的に行うことができ、また、被検眼の目的とする位置での撮影が可能となる。
【0008】
また、上記に加えて、本発明の角膜細胞撮影装置は、前記照明用光源からの照明光をスリット状にしてスキャンさせる可動式の第1のスリットと、前眼部で反射された前記スリット状照明光の照射による撮影光を前記第1のスリットに同期して通過させる可動式の第2のスリットとを有するスリットスキャン手段を更に備え、前記撮影光学系は、前記第2のスリットを通過するスリット状の撮影光による画像をスキャンすることにより、被検眼の前眼部の角膜の厚さ方向に於ける所定位置の画像を所定の領域に亘って撮影する構成を付加することができる。
【0009】
このように、スリットスキャン手段を設け、照明光を第1のスリットを介して照射するとともに、撮影光も第1のスリットに同期する第2のスリットを介して撮影することにより、角膜の厚さ方向の外乱光の影響を排して、前眼部に於ける画像を広い視野に亘って得ることができるとともに、角膜の厚さ方向の分離が良好な画像を得ることができる。
【0010】
ここで、上記に於いて、前記スリットスキャン手段を、前記第1のスリット及び前記第2のスリットを設けた回転円板により構成するができる。前記スリットスキャン手段を回転円板により構成することにより、容易にスリットの同期スキャンを行うことが可能となる。
【0011】
また、前記合焦手段に於いて前記合焦用光源による前記検出用指標の位置を調整することにより、前記XYZ架台を移動させて、被検眼の角膜の厚さ方向に於ける前記撮影光学系の撮影位置を調整するように構成することが可能である。このような構成により、角膜実質部の厚さ方向に於ける任意の位置での画像を得ることができる。
【0012】
また、前記合焦手段に於いて被検眼の前眼部で反射し前記合焦用のセンサに入射する検出用指標光の検出位置を調整することにより、前記XYZ架台を移動させて、被検眼の角膜の厚さ方向に於ける前記撮影光学系の撮影位置を調整する構成することも可能である。このような構成によっても、角膜実質部の厚さ方向に於ける任意の位置での画像を得ることができる。
【0013】
更に、前記合焦用光源による前記検出用指標の位置を調整し得る前述の構成に於いては、前記合焦用光源による前記検出用指標の位置と、被検眼の角膜の厚さ方向に於ける前記撮影光学系の撮影位置との間の予め求められた関係に基づいて、前記撮影光学系に於いて撮影された部位の角膜の厚さ方向に於ける位置を表示するように構成することができる。即ち、上述のように、合焦用光源による検出用指標の位置に基づいて角膜の厚さ方向に於ける撮影光学系の撮影位置が決まるので、合焦用光源による検出用指標の位置と角膜の厚さ方向に於ける撮影光学系の撮影位置との関係を、例えば、明瞭な層状を為し、反射光が検出し易い角膜内皮を基準として予め求めておけば、撮影光学系で得られる画像が、具体的に角膜の厚さ方向に於いてどの位置で得られたものかを求めることができる。このような角膜の厚さ方向に於ける位置情報は、眼科医療的に非常に有用である。
【0014】
また、前記合焦用センサに於ける出用指標の検出位置を調整し得る前述の構成に於いても、被検眼の前眼部で反射して前記合焦用のセンサに入射する検出用指標光の検出位置と、被検眼の角膜の厚さ方向に於ける前記撮影光学系の撮影位置との間の予め求められた関係に基づいて、前記撮影光学系に於いて撮影された部位の角膜の厚さ方向に於ける位置を表示するように構成することができる。
【0015】
本発明に於いては、前記アライメント手段は、前記対物レンズの中心から一の方向及び該一の方向に直角な他の方向にそれぞれ所定距離だけ離れた位置から被検眼に向けて第1の検出光及び第2の検出光をそれぞれ発する2つのアライメント用光源と、前記XYZ架台の移動により、被検眼に於ける前記第1の検出光の反射光及び前記第2の検出光の反射光を撮影するための、前記対物レンズの前記遮蔽部の被検眼側に設けられたアライメント光撮影手段とを備え、前記アライメント光撮影手段により撮影された前記第1の検出光の反射光が、前記一の方向に直交する方向に於ける所定の検出範囲に入ったことを検出することにより前記一の方向のアライメントを行うとともに、前記アライメント光撮影手段により撮影された前記第2の検出光の反射光が、前記他の方向に直交する方向に於ける所定の検出範囲に入ったことを検出することにより前記他の方向のアライメントを行うように構成することができる。
【0016】
このような構成では、直交する2つの方向に於いてアライメントが検出されるので、正確なXY平面内のアライメントを行うことができる。
【0017】
また、上記では、前記第1の検出光を出射するアライメント用光源と前記第2の検出光を出射するアライメント用光源とを交互に点滅させて、前記一の方向のアライメント及び前記他の方向のアライメントを行うように構成することができる。このように、2つのアライメント用光源を点滅させることにより、2つの方向のアライメントを同時に行うことができ、迅速なXY平面内のアライメントを行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。図1は本発明の一実施形態に係る角膜細胞撮影装置の平面構成を示す模式図であり、図2は図1の光学系の部分のみの斜視図である。本実施形態の角膜細胞撮影装置は、被検眼10の前眼部10aに照明光を斜め前方から照射するための照明光学系1と、照明光で照明されている前眼部10aの部分の画像を撮影するための撮影光学系2と、被検眼10の光軸10b(Z軸)に垂直なXY平面内に於ける照明光学系1及び撮影光学系2のアライメント(位置決め)を制御するためのアライメント光学系5と、被検眼10の光軸10b(Z軸)方向に於ける照明光学系1及び撮影光学系2の合焦(撮影位置合わせ)を制御するための合焦光学系6とを備えている。照明光学系1、撮影光学系2、アライメント光学系5及び合焦光学系6は、何れも固定焦点を有している。
【0019】
また、本実施形態の角膜細胞撮影装置は、前眼部10aに向けられた対物レンズ3を備え、この対物レンズ3は、後述するように、照明光学系1を構成する照明部31と、撮影光学系2を構成する撮影部32と、照明部31と撮影部32との間を分離するための遮蔽部33とを有している。遮蔽部33は、図1に示すように、被検眼10側及びその裏面側の両側に設けられている。更に、本実施形態の角膜細胞撮影装置は回転円板4を備え、この回転円板4には、図5に示すように、照明光をスリット状にするための第1のスリット41と、被検眼10の前眼部10aからの撮影光を第1のスリット41に同期して通過させる第2のスリット42とを有している。また、回転円板4は、駆動モータ43の駆動により、矢印4a(図2)に示す方向に回転している。なお、図2及び図5では、簡単のために第1のスリット41及び第2のスリット42はそれぞれ3つ又は4つづつしか描かれていないが、実際には、回転円板4の全周に亘って等間隔でスリットが60個形成されており、各スリット(第1のスリット41及び第2のスリット42)の幅は100μmに設定され、回転円板4は4000rpmで回転している。なお、第1及び第2のスリットの数、幅及び間隔、並びに回転円板4の回転数は、何れも特に上記に限定されるものではなく、照明光学系1のスリットと撮影光学系2のスリットとが光学的に等価の関係にあればよい。そして、両方のスリットは同じ形状を有していることが好ましい。また、スリットの幅は小さければ小さいほど角膜の厚さ方向の分離が良好となるが、得られる画像は暗いものとなる。
【0020】
本実施形態では、照明光学系1、撮影光学系2、アライメント光学系5、合焦光学系6、対物レンズ3及び回転円板4は、図1に破線で模式的に示すXYZ架台7に載置されている。このXYZ架台7は、後述するように、アライメント光学系5からの信号に基づいて制御回路8の制御の下に本実施形態の装置のXY平面に於けるアライメントを行うとともに、合焦光学系6からの信号に基づいて制御回路8の制御の下にZ軸方向の合焦を行う。
【0021】
本実施形態では、照明光学系1は、図1及び図2に示すように、ストロボ回路11aからの信号に基づいて照明光を発するストロボ放電管11と、照明光を照明視野絞り17を介して回転円板4の第1のスリット41に集光させるための照明レンズ12と、第1のスリット41でスリット状にされた照明光を平行光(アフォーカル)にする照明投映レンズ13と、水平方向のスリット状の照明光を90゜回転させて垂直方向のスリット状照明光にするための第1の照明光反射ミラー14及び第2の照明光反射ミラー15と、第2の照明光反射ミラー15によって反射された垂直方向のスリット状照明光を対物レンズ3の照明部31に入射させる第3の照明光反射ミラー16と、第3の照明光反射ミラー16からのスリット状照明光を被検眼10の前眼部10aに入射させる対物レンズ3の照明部31とによって構成されている。第2の照明光反射ミラー15は、後述する合焦光学系6で使用される赤外光を透過させるために、可視光を反射し赤外光を透過させる赤外透過ミラーにより構成されている。
【0022】
また、本実施形態では、撮影光学系2は、図1及び図2に示すように、照明光学系1からの照明光の照射による画像を捕らえて平行光(アフォーカル)にする対物レンズ3の撮影部32と、この撮影部32からの撮影光をアフォーカルに反射する第3の撮影光反射ミラー26と、第3の撮影光反射ミラー26からの撮影光を90゜回転させて水平方向の撮影光にするための第2の撮影光反射ミラー25及び第1の撮影光反射ミラー24と、アフォーカルな撮影光を回転円板4の第2のスリット42に結像させるための撮影用結像レンズ23と、第2のスリット42通過後の画像を視野絞り27を介して撮影する撮影レンズ22及び撮影用CCDカメラ21とによって構成されている。第2の撮影光反射ミラー25は、前述の第2の照明光反射ミラー15と同様に、後に詳述する合焦光学系6で使用される赤外光を透過させるために、可視光を反射し赤外光を透過させる赤外透過ミラーにより構成されている。
【0023】
本実施形態の角膜細胞撮影装置は、更に、被検眼10の光軸10b(Z軸)に垂直なXY平面内に於ける照明光学系1と、撮影光学系2のアライメントを行うためのアライメント光学系5とを有している。なお、アライメント光学系5は図1では紙面上方に位置するため、一点鎖線で表してある。アライメント光学系5は、図2に示すように、照明光学系1の光軸1bと撮影光学系2の光軸2bとの交点が被検眼の光軸10b上に位置するようにアライメントの動作を行う。
【0024】
図3は被検眼10から見た対物レンズ3近傍の配置を示している。図3に示すように、アライメント光学系5は、対物レンズ3の鉛直(Y軸)方向下側に設けられたX軸アライメント用光源52と、対物レンズ3の水平(X軸)方向右側に設けられたY軸アライメント用光源51とを有している。X軸アライメント用光源52及びY軸アライメント用光源51は何れも赤外LEDであり、被検眼10に向けて赤外の検出光を発するように構成されている。また、アライメント光学系5は、X軸アライメント用光源52及びY軸アライメント用光源51から発せられて被検眼10で反射された検出光を集光するセルフォック(商標)53を有している。セルフォック53は、その開口部53aに入射する光をその反対側の端部から所定距離の位置に結像する機能を有している。従って、図2に示すように、セルフォック53から出た光は光軸5bに沿って上方へ導かれ、更に反射ミラー54によって反射されて、結像レンズ58によってCCDカメラ55に結像することになる。CCDカメラ55からの画像信号は、制御回路8を介してモニタ9に表示される。
【0025】
アライメント光学系5に於けるX軸方向のアライメントの動作について説明する。図4(a)は、X軸方向に於けるアライメントを行う場合にモニタ9に映し出されるCCDカメラ55による画面を表している。アライメントが確立されていない状態では、モニタ9の画面には、X軸アライメント用光源52(図3)からの赤外検出光のスポット5Xが、例えば同図に示すモニタ9の画面上の位置に映し出される。なお、図4(a)に破線で示す前眼部10aの位置はアライメント確立後であり、アライメントが確立されていない時点では前眼部10aはこの位置にはない。次に、制御回路8は、スポット5Xが矢印5cに示す方向に移動してモニタ9の画面中央の位置の検出範囲56に達するまで(図4(a)の5X’)、XYZ架台7を移動させる。スポット5Xが検出範囲56内に入ると、前眼部10aは図4(a)の破線で示す位置に現れることになり、X軸方向のアライメントは完了する。
【0026】
次に、アライメント光学系5に於けるY軸方向のアライメントの動作について説明する。図4(b)は、Y軸方向に於けるアライメントを行う場合にモニタ9に映し出されるCCDカメラ55による画面を表している。アライメントが確立されていない状態では、モニタ9の画面には、Y軸アライメント用光源51(図3)からの赤外検出光のスポット5Yが、例えば同図に示すモニタ9の画面上の位置に映し出される。なお、図4(a)の場合と同様に、図4(b)に破線で示す前眼部10aの位置はアライメント確立後であって、アライメントが確立されていない時点では前眼部10aはこの位置にはない。次に、制御回路8は、スポット5Yが矢印5dに示す方向に移動してモニタ9の画面中央の位置の検出範囲57に達するまで(図4(b)の5Y’)、XYZ架台7を移動させる。スポット5Yが検出範囲57内に入ると、前眼部10aは図4(b)の破線で示す位置に現れることになり、Y軸方向のアライメントは完了する。
【0027】
なお、X軸及びY軸方向のアライメントを行う時点では、通常、Z軸方向の合焦は未だ行われておらず、また、X軸アライメント用光源52及びY軸アライメント用光源51は対物レンズ3の中心に位置するわけではないので、図4(a)及び(b)に示す画面上では、アライメント終了時点に於いても、スポット5X及び5Yは必ずしも前眼部10aの中心には位置していない。
【0028】
また、上記ではX軸及びY軸方向のアライメントについて別々に説明したが、本実施形態の角膜細胞撮影装置では、実際にはX軸アライメント用光源52及びY軸アライメント用光源51をカメラ55の垂直同期に同期させて交互に点滅させることによってX軸及びY軸方向のアライメントを交互に行い、実質的にX軸及びY軸方向のアライメントを同時に行っている。このようなアライメントの同時実行が可能なのは、XYZ架台7の動作が図4(a)及び(b)に示すX軸及びY軸方向のアライメントの検出動作に比較して非常に遅いからである。
【0029】
加えて、上記では説明の便宜上、図4(a)及び(b)に示すモニタ9の画面に沿って説明したが、実際にはモニタ画面上に表示する必要はなく、制御回路8内でアライメントの処理を完了することができる。
【0030】
本発明の角膜細胞撮影装置では、合焦光学系6は、図1及び図2に示すように、合焦用の光源である赤外LED61と、この赤外LED61からの赤外光を集光するための集光レンズ62と、この赤外光をスリット状にする可動スリット63と、可動スリット63からの赤外光を平行光とするレンズ65と、可動スリット63の位置を調節するモータ64及びエンコーダ64aとを有している。本明細書では、可動スリット63自体又は可動スリット63によるスリット状の像を検出用指標と称する。モータ64は、後述するように、前眼部10aの角膜の厚さ方向に於ける撮影位置を調節するために、エンコーダ64aから与えられる信号によって可動スリット63の位置を調整する。レンズ65を出た検出用指標は、赤外透過性の第2の照明光反射ミラー15、第3の照明光反射ミラー16及び対物レンズ3の照明部31を介して被検眼10の前眼部10aに投影される。第2の照明光反射ミラー15、第3の照明光反射ミラー16及び対物レンズ3の照明部31も合焦光学系6を構成している。合焦が確立されている場合には、被検眼10の前眼部10aで反射された検出用指標光は、対物レンズ3の撮影部32により平行光とされ、第3の撮影光反射ミラー26、赤外透過性の第2の撮影光反射ミラー25及び集光レンズ66を介して合焦検出用の光センサ67に到達することになる。対物レンズ3の撮影部32、第3の撮影光反射ミラー26、赤外透過性の第2の撮影光反射ミラー25、集光レンズ66及び光センサ67も合焦光学系6を構成している。
【0031】
本実施形態では、Z軸方向に於ける合焦は、XY平面内のアライメントが完了した後、XYZ架台7を被検眼10の方向へ前進させ、前眼部10aで反射された検出用指標光の所定部分が光センサ67で検出されることにより達成される。即ち、被検眼10から充分に離れた位置では光センサ67では検出用指標光は検出されず、この位置からXYZ架台7を被検眼10の方向へ前進させると、対物レンズ3が徐々に被検眼10に近づき、前眼部10aに検出用指標が入射し、対物レンズ3の撮影部32には、前眼部10aの各部から反射された指標光が到達する。この反射による指標光は後述する図7と同様のパターンを有しているので、光センサ67でこの検出用指標光パターンの例えば角膜内皮からの反射部分を検出することにより、合焦が達成されたと判断することができる。本実施形態では、前述のように撮影光学系2の焦点が固定されているため、XYZ架台7の位置を調節することにより合焦が行われる。なお、上記ではXY平面内のアライメント完了後に合焦が行われるものとして説明したが、XY平面内のアライメントと合焦とを同時に行うこともできる。
【0032】
次に、アライメント及び合焦が確立された後の照明光学系1及び撮影光学系2による前眼部10aの角膜の厚さ方向に於ける所定位置の画像の撮影動作について説明する。上述のように合焦光学系6で合焦が検出されると、ストロボ放電管11のストロボ発光により照明光が発せられ、この照明光は、照明レンズ12を介して回転する回転円板4の第1のスリット41によって水平方向のスリット状にされる。このスリット状の照明光は、照明投映レンズ13によって平行光とされた後、第1の照明光反射ミラー14及び第2の照明光反射ミラー15によって鉛直方向(Y軸方向)のスリット状照明光となる。この照明光は、第3の照明光反射ミラー16及び対物レンズ3の照明部31を介して被検眼10の前眼部10aに斜め前方から照射され、角膜の厚さ方向に於ける所定の撮影位置に結像することになる。
【0033】
図6は被検眼10の前眼部10aの角膜の断面を模式的に表したものである。図6に示すように、角膜は、表層の角膜上皮細胞71と、角膜内皮細胞73とを有し、これらの間には角膜実質部72が存在している。また、角膜上皮細胞71の外側には、涙液層74が存在している。前眼部10aに投影された上述のスリット状の照明光70は、照明光学系1の光軸1bと撮影光学系2の光軸2bとの交点75aに結像し、更に角膜内皮細胞73まで達することになる。このような照明光70の照射により、角膜全体からは、矢印80で示す範囲の反射光が得られる。図7は角膜の各部位に於ける反射光量を示したものである。図6及び図7に示すように、角膜からの反射光には、角膜実質部のうち撮影対象となる撮影部分75からの撮影光77に加えて、涙液層74からの非常に強い反射光76と、撮影光77より強い角膜内皮細胞73からの反射光78とが存在している。撮影光77並びに反射光76及び78を含む反射光は、対物レンズ3の撮影部32(図1及び図2)によって捕らえられることになる。そして、撮影部32によって捕らえられた反射光は、アフォーカルな状態を保ったまま第3の撮影光反射ミラー26、第2の撮影光反射ミラー25及び第1の撮影光反射ミラー24によって反射されて水平方向に画像の向きを変えられ、撮影用結像レンズ23を介して回転円板4の第2のスリット42に投影される。その際、この反射光のうちの撮影光77の部分のみが第2のスリット42を通過し、視野絞り27及び撮影レンズ22を介して撮影用CCDカメラ21によって撮像されることになる。このように、第2のスリット42を介して撮影光77の部分のみ撮影することにより、撮影光77より強い反射光76及び78をカットし、角膜実質部72の撮影したい部分みの画像を鮮明に捕えることが可能となる。更に、後述するように回転円板4の第1のスリット41及び第2のスリット42をスキャンすることにより、図6の矢印79に示す方向に撮影部分75がスキャンされて、視野絞り27に対応する広い視野の角膜実質部の画像が得られることになる。なお、本実施形態では、回転円板4の第1のスリット41及び第2のスリット42の幅を調節することにより、撮影用CCDカメラ21に達する撮影光77の幅を調整することができ、この幅を小さくするほど角膜の厚さ方向の分離が良好となるが、得られる画像は暗いものとなる。
【0034】
撮影用CCDカメラ21によって撮像される撮影部分75の角膜の厚さ方向に於ける位置は、合焦光学系6に於ける可動スリット63の位置を調節することにより、以下のように調節することができる。まず、合焦を検出する基準として角膜内皮を用い、角膜内皮を撮影する場合について説明する。この場合、合焦の検出基準と撮影部位とが共に角膜内皮であるので、合焦光学系6の光軸と照明光学系1の光軸とは一致した状態で合焦の検出及び撮影が行われる。即ち、XYZ架台7の被検眼10の方向への前進により、角膜内皮で反射された検出指標光が光センサ67で検出されたときに合焦が検出され、このときには照明光学系1の光軸1bと撮影光学系2の光軸2bとの交点の撮影位置も角膜内皮上に位置し、この状態でストロボ放電管11が発光され、撮影用CCDカメラ21による角膜内皮の撮影が行われることになる。
【0035】
次に、角膜実質部の撮影を行う場合について説明する。角膜実質部の撮影は、可動スリット63の位置を図1に於いて左側(モータ64から遠ざかる方向)へ移動させて行われる。この場合も、上記と同様に角膜内皮を基準として合焦の検出が行われる。可動スリット63を図1に於いて左側へ移動させると、検出指標の投影位置は、第3の照明光反射ミラー16及び対物レンズ3の照明部31を通過した後には、前述の角膜内皮の撮影の場合よりも図1の上側に移動することになる。撮影光学系2の光軸2bと合焦光学系6の撮影部32側の光軸とは必ず一致しているので、検出指標の投影位置の上側への移動により、検出指標の検出位置は照明光学系1の光軸1bと撮影光学系2の光軸2bとの交点の撮影位置より被検眼10の奥側(図1に於いて左側)に位置することになる。従って、このような可動スリット63の位置では、XYZ架台7を被検眼10に向かって(図1の右側から左側へ)前進させると、光センサ67では、前述の角膜内皮の撮影の場合より早い時点で角膜内皮から反射される検出用指標光が検出され、角膜内皮撮影の場合より早い時点で合焦が確立されることになる。換言すれば、XYZ架台7が前述の角膜内皮の撮影位置に近づく前に合焦が確立されることになる。この合焦が確立した時点では、照明光学系1の光軸と撮影光学系2の光軸との交点の撮影位置は角膜内皮には未だ達していないので、この時点でストロボ放電管11を発光させると、撮影用CCDカメラ21は角膜内皮より図6及び図1に於いて右側に位置する角膜実質部を撮影することとなる。
【0036】
本実施形態の角膜細胞撮影装置では、上述の可動スリット63の位置と角膜の厚さ方向に於ける撮影位置との関係は、角膜内皮からの反射光を基準として予め求められており、要求される角膜の厚さ方向に於ける撮影位置に応じて可動スリット63の位置が決定され、エンコーダ64aからモータ64を介してその位置まで可動スリット63が移動される。そして、可動スリット63の位置に対応する撮影画像の角膜の厚さ方向に於ける位置は、モニタ9に表示される画像の例えば下部にスーパーインポーズされて表示される。
【0037】
なお、本実施形態では光源側(赤外LED61)に可動スリットを設けたが、光源側のスリットは固定とし、光センサ67の検出位置を電気的に変更するか、又は光センサ67側に可動スリットを設けても、同様に角膜の厚さ方向に於ける撮影位置を変えることが可能である。また、撮影光学系2側に赤外LED61及び可動スリット63を設け、照明光学系1側に光センサ67を設けた場合にも、同様に合焦を行うことができる。
【0038】
このような前眼部10aの撮像は、スリット41及び42をスキャンしながら行われる。図1に示すように、ストロボ放電管11が発光している間、回転円板4の回転により、第1のスリット41は、照明レンズ12からの照明光を図1の紙面の表面から裏面に複数回横切ることになる。この紙面表面から裏面にスキャンされるスリット状の照明光は、ミラー14,15及び16によってY軸方向のスリット光とされ、対物レンズ3の照明部31を介して角膜の厚さ方向に於ける所定の撮影位置に結像する。前眼部10aでは、この照射光は、図1の紙面上で被検眼10に向かって右側から左側(図1の下側から上側)に向かってスキャンされることになる。次に、このようにスキャンされるスリット状照明光は、対物レンズ3の撮影部32によって捕らえられ、ミラー26,25及び24によって水平方向のスリット状とされ、撮影用結像レンズ23を介して回転円板4に達したときには、図1の紙面の裏面から表面へスキャンされる撮影光となっている。回転円板4の撮影光学系2側では、照明光学系1側の上記第1のスリット41と回転中心に関して反対側にある第2のスリット42が、第1のスリット41に同期して図1の紙面の裏面から表面に向かって移動しているので、裏面から表面にスキャンされる撮影光は、第2のスリット42と相対的に固定された位置を保ったまま移動することになる。従って、スリット状の照射光がスキャンされて移動しても、図6の矢印79に示すように、常に角膜の厚さ方向に於ける同じ位置で画像が撮影用CCDカメラ21に於いて得られことになる。
【0039】
図8は、第2のスリット42を通過した後のスリット状の撮影光を、視野絞り27を介して撮影用CCDカメラ21から見た様子を示している。視野絞り27には縦0.65mm×横0.5mmの窓部27aが設けてあり、この窓部27aを、矢印28に示すように、複数のスリット状の撮影光29が下から上へ通過する。ストロボ放電管11の発光は撮影用CCDカメラ21の垂直同期信号に同期して行われ、このストロボ発光期間中に、上述のようにスリット41及び42のスキャンが複数回行われるので、撮影用CCDカメラ21には、複数回のスキャンによる画像信号が蓄積されることになる。次に、撮影用CCDカメラ21に蓄積された窓部27aに対応する画像は、画像メモリ20に転送される。次に、画像メモリ20内の画像が、制御回路8を介してモニタ9に表示されることになる。なお、上記では1回のストロボ発光につきスリットスキャンを複数回行う場合について説明したが、本願発明は1回のストロボ発光につき1回のスリットスキャンを行う場合にも適用することができる。1回のストロボ発光につき1回のスリットスキャンを行う場合、十分な光量の照明光の確保が可能であれば、本実施形態のように複数回のスリットスキャンによる画像を重ねたものより鮮明な画像が得られるという利点がある。
【0040】
上記では回転円板4に設けたスリットによりスリットスキャンを行う角膜細胞撮影装置について説明したが、本発明は、回転円板4及びスリットのない通常の角膜細胞撮影装置にも適用することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の角膜細胞撮影装置は、照明光学系の一部を構成する照明部と、撮影光学系の一部を構成する撮影部との間を遮蔽部により分離した対物レンズを使用することにより、被検眼の正面から撮影した画像に近い歪みの少ない角膜の画像が得られる。また、本発明では、合焦は、対物レンズの照明部及び撮影部並びに被検眼を介して光学的に行われるので、正確な照明光学系及び撮影光学系の合焦を行うことができ、目的とする角膜の厚さ方向の位置での角膜実質部の撮影を広い視野に亘って行うことができる。
【0042】
また、合焦用の光源による検出用指標の位置、又は検出用指標光の検出位置を調整することができるので、撮影光学系による角膜の厚さ方向に於ける撮影位置を調整することができる。
【0043】
更に、本発明に於いては、アライメント手段は、対物レンズの中心から直角の2方向にそれぞれ所定距離だけ離れた位置から被検眼に向けて2つの検出光を出射してその反射光を検出するので、正確なXY平面内のアライメントを行うことができる。
【0044】
更に、対物レンズを照明部と撮影部とに分離する遮蔽部にアライメント手段を配置したことにより、照明光学系及び撮影光学系の邪魔になることなく、正確なアライメントを自動で行うことができる。
【0045】
加えて、本発明の角膜細胞撮影装置では、スリットスキャン手段を設けて、照明光を第1のスリットを介して照射するとともに反射光の撮影も第1のスリットに同期する第2のスリットを介して行うことにより、眼球表面、上皮、内皮等からの強い反射光の影響を排して、角膜の厚さ方向に於ける所望の位置を撮影することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る角膜細胞撮影装置の平面構成を示す模式図である。
【図2】図1の光学系の部分のみの斜視図である。
【図3】被検眼から見た対物レンズ近傍の配置を示している。
【図4】(a)は、X軸方向に於けるアライメントを行う場合のモニタに映し出されるCCDカメラによる画面を表す平面図であり、(b)は、Y軸方向に於けるアライメントを行う場合のモニタに映し出されるCCDカメラによる画面を表す平面図である。
【図5】照明光をスリット状にするための第1のスリットと、被検眼の前眼部からの反射光を第1のスリットに同期して通過させる第2のスリットを有する回転円板4の平面図であるる。
【図6】前眼部の角膜を模式的に表した断面図である。
【図7】角膜の厚さ方向に於ける反射光の光量分布を表す図である。
【図8】第1のスリットを通過した後のスリット状の撮影光を視野絞りを介して撮影用CCDカメラから見た様子を示す平面図である。
【符号の説明】
1 照明光学系
2 撮影光学系
3 対物レンズ
4 回転円板
5 アライメント光学系
6 合焦光学系
7 XYZ架台
8 制御回路
9 モニタ
10 被検眼
10a 前眼部
10b 被検眼の光軸
11 ストロボ放電管
11a ストロボ回路
21 撮影用CCDカメラ
27 視野絞り
31 照明部
32 撮影部
33 遮蔽部
41 第1のスリット
42 第2のスリット
51 X軸アライメント用光源
52 Y軸アライメント用光源
53a 開口部
54 反射ミラー
55 CCDカメラ
5X スポット
5Y スポット
56 検出範囲
57 検出範囲
61 赤外LED
63 可動スリット
64 モータ
64a エンコーダ
67 光センサ
71 角膜上皮細胞
72 角膜実質部
73 角膜内皮細胞
74 涙液層
77 撮影光

Claims (9)

  1. 被検眼の前眼部に於ける角膜の厚さ方向に於ける所定位置を撮影するための角膜細胞撮影装置であって、
    照明用光源からの照明光によって被検眼の前眼部を斜め前方から照射するための照明光学系と、
    前記照明光により照明されている前眼部に於ける画像を撮影するための撮影光学系と、
    前記照明光学系の一部を構成する照明部、前記撮影光学系の一部を構成する撮影部、及び該照明部と該撮影部との間を分離するための遮蔽部を有する対物レンズと、
    被検眼の光軸(Z軸)に垂直なXY平面内に於ける前記照明光学系及び前記撮影光学系のアライメントを行うアライメント手段と、
    被検眼の光軸(Z軸)方向に於ける前記照明光学系及び前記撮影光学系の合焦を行う合焦手段と、
    前記照明光学系、前記撮影光学系、前記対物レンズ、前記アライメント手段及び前記合焦手段を載置するXYZ架台と、
    被検眼に対する前記XYZ架台の位置を調節する移動手段と
    を備え、
    前記合焦手段は、合焦用光源及び合焦検出用の光センサを有し、前記合焦用光源による検出用指標の前眼部に於ける反射光を、前記対物レンズの前記照明部及び前記撮影部並びに被検眼を介して前記光センサで検出することにより、前記移動手段を駆動して前記XYZ架台の位置を調節して、被検眼の光軸方向に於ける前記照明光学系及び前記撮影光学系の合焦を行う角膜細胞撮影装置。
  2. 前記照明用光源からの照明光をスリット状にしてスキャンさせる可動式の第1のスリットと、前眼部で反射された前記スリット状照明光の照射による撮影光を前記第1のスリットに同期して通過させる可動式の第2のスリットとを有するスリットスキャン手段を更に備え、
    前記撮影光学系は、前記第2のスリットを通過するスリット状の撮影光による画像をスキャンすることにより、被検眼の前眼部の角膜の厚さ方向に於ける所定位置の画像を所定の領域に亘って撮影することを特徴とする請求項1に記載の角膜細胞撮影装置。
  3. 前記スリットスキャン手段は、前記第1のスリット及び前記第2のスリットを設けた回転円板により構成されている請求項2記載の角膜細胞撮影装置。
  4. 前記合焦手段に於いて前記合焦用光源による前記検出用指標の位置を調整することにより、前記XYZ架台を移動させて、被検眼の角膜の厚さ方向に於ける前記撮影光学系の撮影位置を調整する請求項1乃至3の何れかに記載の角膜細胞撮影装置。
  5. 前記合焦手段に於いて被検眼の前眼部で反射し前記合焦用のセンサに入射する検出用指標光の検出位置を調整することにより、前記XYZ架台を移動させて、被検眼の角膜の厚さ方向に於ける前記撮影光学系の撮影位置を調整する請求項1乃至3の何れかに記載の角膜細胞撮影装置。
  6. 前記合焦用光源による前記検出用指標の位置と、被検眼の角膜の厚さ方向に於ける前記撮影光学系の撮影位置との間の予め求められた関係に基づいて、前記撮影光学系に於いて撮影された部位の角膜の厚さ方向に於ける位置を表示する請求項4記載の角膜細胞撮影装置。
  7. 被検眼の前眼部で反射して前記合焦用のセンサに入射する検出用指標光の検出位置と、被検眼の角膜の厚さ方向に於ける前記撮影光学系の撮影位置との間の予め求められた関係に基づいて、前記撮影光学系に於いて撮影された部位の角膜の厚さ方向に於ける位置を表示する請求項5記載の角膜細胞撮影装置。
  8. 前記アライメント手段は、
    前記対物レンズの中心から一の方向及び該一の方向に直角な他の方向にそれぞれ所定距離だけ離れた位置から被検眼に向けて第1の検出光及び第2の検出光をそれぞれ発する2つのアライメント用光源と、
    前記XYZ架台の移動により、被検眼に於ける前記第1の検出光の反射光及び前記第2の検出光の反射光を撮影するための、前記対物レンズの前記遮蔽部の被検眼側に設けられたアライメント光撮影手段と
    を備え、
    前記アライメント光撮影手段により撮影された前記第1の検出光の反射光が、前記一の方向に直交する方向に於ける所定の検出範囲に入ったことを検出することにより前記一の方向のアライメントを行うとともに、
    前記アライメント光撮影手段により撮影された前記第2の検出光の反射光が、前記他の方向に直交する方向に於ける所定の検出範囲に入ったことを検出することにより前記他の方向のアライメントを行う
    請求項1乃至7の何れかに記載の角膜細胞撮影装置。
  9. 前記第1の検出光を発するアライメント用光源と前記第2の検出光を発するアライメント用光源とを交互に点滅させて、前記一の方向のアライメント及び前記他の方向のアライメントを行う請求項8記載の角膜細胞撮影装置。
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