JP2580464B2 - 角膜内皮細胞撮影装置 - Google Patents

角膜内皮細胞撮影装置

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JP2580464B2
JP2580464B2 JP5102890A JP10289093A JP2580464B2 JP 2580464 B2 JP2580464 B2 JP 2580464B2 JP 5102890 A JP5102890 A JP 5102890A JP 10289093 A JP10289093 A JP 10289093A JP 2580464 B2 JP2580464 B2 JP 2580464B2
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博 飯島
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章夫 森本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、被検眼の角膜に向け
て斜めから照明光を照射するスリット孔を備えている照
明光学系と、前記角膜の角膜内皮細胞からの反射光を受
光して角膜内皮細胞を観察・撮影する観察・撮影光学系
とを備えている角膜内皮細胞撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、角膜内皮細胞撮影装置は被検眼の
角膜に向けて斜めから照明光を照射する照明光学系と、
角膜の角膜内皮細胞からの反射光を受光して角膜内皮細
胞を観察や撮影する観察・撮影光学系とを備えている。
照明光学系は、スリットを設けたスリット板を備え、こ
のスリットからスリット光を射出して被検眼の角膜を斜
めから照射するものである。
【0003】このスリット光の斜めからの照射により角
膜内皮細胞を観察することができるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、角膜を
斜めからスリット光で照射するため、照射される角膜内
皮細胞の範囲は狭く、この狭い範囲でしか角膜内皮細胞
の観察や撮影することができない。このため、角膜内皮
細胞の一部に病変がある場合にその病変を見落としてし
まうという問題があった。
【0005】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、広い範囲で角膜内皮細胞の
観察や撮影することのできる角膜内皮細胞撮影装置を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するため、請求項1では、被検眼の角膜に向けて斜め
からスリット光を照射する照明光学系と、前記角膜の角
膜内皮細胞からの反射光を受光して角膜内皮細胞を撮影
する撮影光学系と、前記被検眼に固視をさせるための固
視標光を前記被検眼に向けて投影する固視標光投影光学
系とを備えている角膜内皮細胞撮影装置において、前記
固視標光の点灯位置を変える固視標点灯位置変更手段
と、前記固視標の点灯位置に対応した角膜の撮影部位を
表示する撮影部位表示手段とを設けたことを特徴とす
る。
【0007】
【作用】この発明は、上記構成により、固視標点灯位置
変更手段によって固視標光の点灯位置を変えることによ
り角膜内皮細胞の撮影部位が変わり、しかも、固視標光
の点灯位置を変えるだけでよいので、広範囲に亘っての
角膜内皮細胞の観察や撮影を迅速に且つ簡単な操作で行
うことができる。また、撮影部位表示手段が固視標の点
灯位置に対応した角膜の撮影部位を表示するので、撮影
する際に撮影部位を確認することができ、所望部位を確
実に撮影することができる。
【0008】
【実施例】以下、この発明に係わる角膜内皮細胞撮影装
置の実施例を図面に基づいて説明する。
【0009】[第1実施例] 図1において、前眼部観察光学系1は、ハーフミラー
2、対物レンズ3、ハーフミラー4、光路切り換えミラ
ー5、CCD(撮像素子)6から大略構成され、O1は
その光軸である。被検眼Eの前眼部は前眼部照明光源7
によって照明される。ハーフミラー2はアライメント指
標光投影手段としてのアライメント光学系8(図2参
照)の一部を構成している。
【0010】アライメント光学系8は、図2に示すよう
に、アライメント用光源9、ピンホール板10、投影レ
ンズ11、絞り12、ハーフミラー13を有する。
【0011】ピンホール板10は投影レンズ11の焦点
に配置され、ピンホール板10を透過したアライメント
指標光は、投影レンズ11により平行光束(アライメン
ト光束K)とされ、ハーフミラー13を介してハーフミ
ラー2に導かれる。その平行光束はハーフミラー2によ
り反射されて角膜Cに導かれるものである。ハーフミラ
ー13は固視標投影光学系14の一部を構成している。
【0012】固視標投影光学系14は、図3(イ)に示
すように、左眼用投影系15と右眼用投影系16とから
なる。
【0013】この左眼用投影系15と右眼用投影系16
とを別々に設けたのは、右眼では、図3(ロ)に示すよ
うに、その被検眼Eの眼球光軸O2とその視軸S1とが右
に約5度傾いており、一方、左眼では、図3(ハ)に示
すように、その眼球光軸O1と視軸S1とが左に約5度傾
いているからである。また、左眼用投影系15と右眼用
投影系16は、各々、固視標光源17、ピンホール板1
8、投影レンズ20を有する。
【0014】固視標光源17は後述する装置本体Hの可
動に連係して、右眼検査のときには右眼用のものが自動
的に点灯され、左眼検査のときには左眼用のものが自動
的に点灯される。
【0015】固視標投影光学系14からの固視標光はハ
ーフミラー13、ハーフミラー2を介して被検眼Eに導
かれる。被検者は固視標光源像を固視し、アライメント
調整はその固視標光源像を固視させつつ行うものであ
る。
【0016】アライメント光束Kは、図4に示すよう
に、角膜Cの表面Tで反射される。そのアライメント光
束Kは角膜頂点Pと角膜曲率中心O3との間の中間位置
に輝点像(虚像)Rを形成するようにしてその表面Tで
反射される。その反射光束は図1に示すハーフミラー2
を介して対物レンズ3に導かれる。
【0017】対物レンズ3に導かれた反射光束は、その
一部がハーフミラー4によって反射され、残りの光束は
ハーフミラー4を通過する。ハーフミラー4により反射
された反射光束は受光手段としてのアライメント検出セ
ンサー100に導かれる。アライメント検出センサー1
00には、例えば、2次元ポジションセンサー(PS
D)が用いられる。
【0018】光路切り換えミラー5は、常時は前眼部観
察光学系1の光路から退避されている。また、光路切り
換えミラー5は、その一面に遮光面5aを有し、その他
面に全反射面5bを有する。ハーフミラー4を通過した
光束は、CCD6に導かれて結像され、CCD6に輝点
像が形成される。ハーフミラー4はアライメントパター
ン投影光学系21からの光束を反射する。
【0019】アライメントパターン投影光学系21は、
アライメントパターン用光源22、アライメントパター
ン板23、投影レンズ24から概略なっている。
【0020】アライメントパターン板23には円環状パ
ターンが形成されている。円環状パターンを形成するパ
ターン形成光束はハーフミラー4によって反射されてC
CD6に導かれ、CCD6に円環状パターン像が形成さ
れる。
【0021】CCD6は、図示を略すモニター装置に接
続され、図5に示すように、モニター装置の画面25に
は、被検眼Eの前眼部像26が表示される。また、円環
状パターン像27が表示される。角膜Cにより反射され
て輝点像R’を形成する光束が円環状パターン像27の
中央に位置するように装置本体Hを上下(Y方向)、左
右(X方向)に振らせてアライメント調整を行い、被検
眼Eの眼球光軸O2と装置光軸O1とを合致させる。ま
た、装置本体Hを被検眼Eに対して前後(Z方向)にず
らして作動距離を設定する。
【0022】前眼部観察光学系1の両側には、照明光学
系28と観察・撮影光学系29とが設けられている。照
明光学系28は被検眼Eの角膜Cに向けて斜め方向から
照明光束を照射する。
【0023】照明光学系28は、観察用の照明光源3
0、集光レンズ31、赤外フィルターF、撮影用の照明
光源32、集光レンズ33、スリット板34、投光レン
ズ35を有する。照明光源30と照明光源32とは集光
レンズ31に関して共役である。
【0024】照明光源30にはハロゲンランプが用いら
れ、照明光源32にはキセノンランプが用いられる。照
明光源30から出射された光束は、集光レンズ31、赤
外フィルターFを経て照明光源32の配設位置で一旦収
束される。この赤外光束は照明光源32から射出された
かのようにして集光レンズ33に導かれる。この集光レ
ンズ33により集光された赤外光束はスリット板34に
導かれる。
【0025】スリット板34には、図6に示すように、
細長い長方形状のスリット36a,36b,36cが形成さ
れており、スリット36aはスリット板34の中心線3
4a上の位置に、スリット36bは中心線34aから少し
右(図1において内側)へずれた位置に、スリット36
cは中心線34aから少し左(図1において外側)へずれ
た位置に形成されている。
【0026】そして、図7に示すように、スリット板3
4を実線で示す位置に移動させるとスリット36aが照
明光学系28の光路内である光軸28aと同位置に挿入
され、スリット板34を鎖線で示す位置に移動させると
スリット36bが光軸28aから少し右(図1において)
へずれた位置の光路内へ挿入され、スリット板34を点
線で示す位置に移動させるとスリット36cが光軸28a
から少し左(図1において)へずれた位置の光路内へ挿
入される。すなわち、スリット板34を矢印で示す上下
方向へ移動させることにより、光軸28aと直交する面
内でスリット36a〜36cの位置が左右方向(図1にお
いて)に対する位置が変わることとなり、スリット板3
4は角膜内皮細胞の撮影位置を変える撮影位置変更手段
として機能する。
【0027】赤外光束はこのスリット36a〜36cのい
ずれかを通過して投光レンズ35に導かれる。なお、装
置と角膜とのアライメントを行なうときには、スリット
36aを使用する。
【0028】35a,35b´,35c´は光路長補正用の
光学部材である。図1は内皮細胞観察時に光路中に35
aを挿入した状態を示す。可視光での撮影時には光学部
材35aは退避して光路長を補正するので平行平面板で
構成されている。赤外光で観察する場合であって、スリ
ット36aを光路に挿入したとき光学部材35aを光路に
挿入させるものである。スリット36b,36cによる可
視光での撮影時にはそれぞれ光学部材35b´,35c´
を光路に挿入させる。
【0029】なお、光学部材35a,35b´,35c´の
挿入場所は図示位置の他にレンズ35と角膜Cとの間で
もよい。
【0030】アライメントが完了した状態では、スリッ
ト板34と角膜Cとは投光レンズ35に関して略共役で
あり、角膜Cにはスリット光束が照射される。このスリ
ット光束は角膜Cをその表面Tから内部に向かって横切
る。
【0031】例えば、図8Aに示すように、スリット3
6aによるスリット光束G1は角膜内皮細胞Nの中央部分
であるS1を照射し、スリット36bによるスリット光束
G2は角膜内皮細胞NのS2部分を照射し、スリット36
cによるスリット光束G3は角膜内皮細胞NのS3部分を
照明する。
【0032】なお、照明光源30、集光レンズ31、赤
外フィルターF、照明光源32、集光レンズ33とから
なる光源部は、図9に示すように配設してもよい。図9
において、37はダイクロイックミラー、38,39は
凹面反射鏡である。ダイクロイックミラー37は集光レ
ンズ31とスリット板34との間に配設され、赤外光を
透過し、可視光を反射する。
【0033】観察撮影光学系29は、図1に示すよう
に、対物レンズ40、ハーフミラー41、マスク42、
リレーレンズ43、ミラー44、変倍レンズ45、合焦
レンズ46、光路切り換えミラー5等から大略構成され
ている。
【0034】光路切り換えミラー5は、アライメントの
作業状態では前眼部観察光学系1の光路から退避され、
XY方向のアライメントが完了すると光路に挿入される
ものである。アライメントが完了した状態では、マスク
42と角膜Cとは対物レンズ40に関してほぼ共役であ
る。
【0035】マスク42には、図10に示すように、ス
リット36a〜36cのそれぞれに対応した3つのマスク
パターン42a〜42cが形成されている。マスクパター
ン42aは中心線42d上の位置に、マスクパターン42
bは中心線42dから少し左(図1において外側)へずれ
た位置に、マスクパターン42cは中心線42dから少し
右(図1において内側)へずれた位置に形成されてい
る。
【0036】このマスク42はスリット板34と連動し
て移動するものであり、スリット36aが照明光学系2
8の光路に挿入されるとマスクパターン42aが観察撮
影光学系29の光路に挿入される。同様にスリット36
b,36cが光路に挿入されるとマスクパターン42b,4
2cが光路に挿入される。すなわち、マスク42が上下
方向に移動することにより、観察撮影光学系29の光路
に挿入したり、該光路から退避したりするものである。
【0037】スリット光束は角膜Cにおいて散乱反射さ
れる。その散乱反射の状態を図11に示す。スリット光
束の一部は空気と角膜Cとの境界面である角膜表面Tに
おいてまず反射される。その角膜表面Tからの散乱反射
光束Lの光量が最も多い。角膜内皮細胞Nからの散乱反
射光束Mの光量は相対的に小さい。角膜実質M’からの
反射光束L’の光量が最も小さい。散乱反射光束Mは対
物レンズ40により集光されて光路長補正部材40aを
経て、ハーフミラー41に導かれる。
【0038】光路長補正部材40aは、図1に示したよ
うに、赤外照明光での観察時であってスリット36aが
光路に挿入されたときに観察撮影光学系29の光路へ挿
入される。また、スリット36b,36cが光路に挿入さ
れた撮影時には光路長補正部材40b,40cが光路に挿
入される。スリット36aによる可視光での撮影時には
光路長補正部材40aはその光路から退避される。光路
長補正部材40aは平行平面板が使用される。なお、後
述する光路長補正部材43a,43b´,43c´もこの光
路長補正部材40a,40b´,40c´と同様の動きと形
状を有し、その挿入場所は図1に示した位置の他、対物
レンズ40の手前(角膜C側)や、ハーフミラー41と
マスク42との間、合焦レンズ46と光路切り換えミラ
ー5との間でも同様の効果を得ることができる。
【0039】スリット36aによる散乱反射光束の一部
はハーフミラー41により反射されて合焦状態検出セン
サーとしてのラインセンサー47に導かれる。また、そ
のハーフミラー41を通過した散乱反射光束はマスク4
2に導かれ、角膜内皮細胞Nを含めて角膜断面像がマス
ク42の配設位置に形成される。
【0040】マスク42は角膜内皮細胞像を形成する以
外の余分の反射光束を遮光する役割を果たす。角膜内皮
細胞像を形成するスリット36aによる散乱反射光束
は、光路長補正部材43a、リレーレンズ43、ミラー
44、変倍レンズ45、合焦レンズ46を介して光路切
り換えミラー5に導かれ、光路切り換えミラー5により
反射された後、CCD6に結像される。画面25には角
膜内皮細胞像48が図12の(A)に示すように表示さ
れる。なお、図12において、49はマスク42によっ
て遮光されないとしたら角膜表面Tからの反射光束によ
り形成される光像であり、50は角膜実質M’からの散
乱反射光束による光像である。
【0041】角膜Cの断面方向に対してラインセンサー
47は、図13(ロ)に示すように配置されており、ス
リット36aのときの散乱反射光束の強度分布は図13
(イ)に示すようなものとなる。図13(イ)におい
て、符号Uは角膜Cの表面Tにおいて散乱反射された散
乱反射光束によるピークである。符号Vは角膜Cの内皮
細胞部分のピークである。そのピークUは光像49に対
応し、ピークVは光像48に対応する。
【0042】スリット36aのときのラインセンサー4
7の各番地の素子の出力は、図1に示すように、合焦判
断回路101に入力される。合焦判断回路101は図1
3(イ)に示すように、ピークU及びピークVを含む信
号全てを記憶して演算処理することにより、そのピーク
Vの番地を判断する。そして、合焦判断回路101はそ
のピークVの番地Lがラインセンサー47の中心番地Q
に一致するか否かを判断し、一致していると判断すると
Hレベルの合焦信号を出力する。
【0043】装置本体Hを被検眼Eの前眼部に向かって
離反接近させる(装置光学系をZ方向に移動させる)と
ピークVの番地Lが移動する。装置本体HはピークVの
番地Lが中心番地Qに一致するとき、角膜内皮細胞が合
焦されるように設計されている。合焦判断回路101は
ピークVの番地Lが中心番地Qと一致したときに合焦信
号を出力し、これによって、発光駆動回路102が照明
光源32を発光させ、被検眼Eが可視光で照明され、撮
影が自動的に行われる。この場合、補正レンズ35a,4
0a,43aが光路から退避されている。
【0044】この撮影が行なわれると直ちにスリット板
34が鎖線位置(図7参照)へ移動し、スリット36b
が照明光学系28の光路に挿入される。これと連動して
マスク42が移動し、スリット36bに対応するマスク
パターン42bが観察撮影光学系29の光路内に挿入さ
れる。そして、補正レンズ35b,40b,43bが挿入さ
れ、照明光源32が再度発光し、被検眼が照明されて2
回目の撮影が行なわれる。
【0045】続いて、この2回目の撮影が行なわれる
と、直ちにスリット板34が点線位置へ移動し、スリッ
ト36cが照明光学系28の光路内に挿入され、これに
連動してマスク42が移動して、スリット36cに対応
したマスクパターン42cが観察撮影光学系29の光路
内に挿入され、補正レンズ35b´,40b´,43b´と
入れ替わって図示を略す補正レンズ35c´,40c´,4
3c´が挿入され、照明光源32が再度発光し、被検眼
が照明されて3回目の撮影が行なわれる。
【0046】ところで、これらスリット板34やマスク
42の移動は後述する制御装置104およびソレノイド
111,112によって行なわれるものである。各補正
レンズの入れ替えもその制御装置やソレノイドによって
行なわれる。
【0047】図12のB,Cがスリット36b,36cで撮
影した角膜内皮像である。スリット36aで撮影した図
12のAに示す角膜内皮像は、図8Aに示すS1部分で
あり、スリット36b,36cで撮影した図12のB,Cに
示す角膜内皮像は、図8Aに示すS2,S3部分である。
【0048】このように、広い範囲S1〜S3の角膜内皮
細胞像を撮影できるので、角膜内皮細胞の一部に病変が
あってもその病変を撮影することができ、病変を見落と
してしまうということは防止されることとなる。
【0049】前眼部観察光学系1、照明光学系28、観
察撮影光学系29は図14に示すように装置本体ケース
52内に収納されている。
【0050】図14において、53は電源が内蔵された
ベースである。ベース53の上部には架台54がコント
ロールレバー54aの操作により前後左右動可能に設け
られている。コントロールレバー54aには撮影スイッ
チ54bが設けられ、手動撮影モードのときに用いられ
る。架台54の上部にはモータ55、支柱56が設けら
れている。
【0051】モータ55と支柱56とは図示を略すピニ
オン・ラック結合され、支柱56はモータ55によって
上下動される。支柱56の上端にはテーブル57が設け
られている。
【0052】テーブル57には支柱58、モータ59が
設けられている。支柱58の上端にはテーブル60が摺
動可能に設けられている。テーブル60の後端には、図
15に示すように、ラック61が設けられている。モー
タ59の出力軸にはピニオン62が設けられ、ピニオン
62はラック61に噛み合わされている。また、テーブ
ル60の上部にはモータ63と支柱64とが設けられて
いる。モータ63の出力軸にはピニオン65が設けられ
ている。装置本体ケース52は支柱64の上部に摺動可
能に設けられている。装置本体ケース52の側部にはラ
ック66が設けられている。ラック66はピニオン65
と噛合されている。そして、装置本体ケース52は支柱
56の上下動によって上下動する。
【0053】200は信号の処理やモータ59,63お
よびソレノイド等の制御を行なう制御部である。この制
御部200の構成を図16に示す。
【0054】モータ55は被検眼Eに対する装置本体H
のY方向のアライメントを自動的に行うために用いら
れ、モータ59は被検眼Eに対する装置本体HのX方向
のアライメントを自動的に行うために用いられ、モータ
63は被検眼Eに対する装置本体HのZ方向のアライメ
ントを自動的に行うために用いられ、これらは自動撮影
モードで作動可能となる。すなわち、モータ55,59,
63は受光手段の受光出力に基づき装置本体Hを駆動す
る駆動手段を構成している。
【0055】この自動撮影モードでは、前眼部観察光学
系1により画面25に表示された前眼部像26を見なが
ら、コントロールレバー54aを操作して、輝点像R’
を鮮明に見ることができ、かつ、輝点像R’が所定の円
環状サークル27に近づくように架台54を概略操作す
る。これにより、輝点像R’を形成する散乱反射光束が
アライメント検出センサー100に導かれる。
【0056】アライメント検出センサー100によりそ
の輝点像R’のX方向位置情報とY方向位置情報とが検
出される。そのX方向位置情報とY方向位置情報とは、
図16に示すXYアライメント判断回路103に入力さ
れる。
【0057】このアライメント判断回路103は、その
XY方向位置情報に基づいて装置光学系の光軸O1と被
検眼Eの光軸O2とのXY方向のずれ量を判断し、この
ずれ量をゼロなる方向に装置光学系が移動するように制
御装置104がドライバ105を介してモータ55,5
9を駆動制御する。
【0058】そして、XYアライメント判断回路103
がX方向のアライメントとY方向のアライメントとが完
了したと判断すると、制御装置104は図示しないミラ
ー駆動回路を制御してミラー5を前眼部観察光学系1の
光路に挿入させる。
【0059】テーブル60はこのモータ59によりX方
向に摺動され、テーブル57はモータ55によりY方向
に可動され、アライメント検出センサー100に基づき
自動的に装置光学系の光軸O1と被検眼Eの光軸O2との
位置合わせが行われる。
【0060】一方、モータ63は一次元ラインセンサー
47により検出されたピークVの番地Lと中心番地Qと
が一致するように制御装置104によりドライバ106
を介して駆動制御される。このモータ63の制御により
装置本体ケース52はZ方向に可動する。これにより、
被検眼Eに対する装置光学系のアライメントが自動的に
完了され、XYZ方向のアライメントが完了すると発光
駆動回路102が制御されてキセノンランプ32が発光
され、これにより角膜内皮細胞Nのスリット36aによ
る撮影が行われる。
【0061】図16において、110は各ソレノイド1
11〜115を駆動させるドライバであり、ソレノイド
111はスリット板34を移動させるものであり、ソレ
ノイド112はマスク42を移動させるものである。こ
の実施例では、スリット板34とマスク42はそれぞれ
別個なソレノイドで移動させているが、1つのソレノイ
ドで機械的に連動するように構成してもよい。
【0062】ソレノイド113〜115は補正レンズ3
5a,35b´,35c´,40a,40b´,40c´,43a,4
3b´,43c´の光路への挿入や該光路からの退避を行
なうものである。これらソレノイド111〜115は制
御装置104によって制御される。また、制御装置10
4は図示しないドライバを介して固視標光源17,アラ
イメントパターン用光源22,ハロゲンランプ30等の
点灯を制御する。
【0063】120はCCD6によって撮像される角膜
内皮細胞像を記憶する記憶装置、121はCCD6によ
って撮像される角膜内皮細胞像を表示するモニタであ
る。
【0064】上記実施例では、スリット36a〜36cに
よって撮影された角膜内皮像はそれぞれ別個な3画像と
して記録するが、その3画像を画像処理して一枚の画像
に部分S1〜S3(図8参照)の全体の角膜内皮細胞像を
写した状態となるように画像合成してもよい。
【0065】なお、第1実施例では、スリット板34を
上下方向に移動させて各スリット36a〜36cを光路に
挿入させることにより左右方向(図1において)に対す
るスリット36a〜36cの位置を変えているが、スリッ
ト板34に1つのスリット36aだけ設け、このスリッ
ト板34を左右方向に少し移動させることによりスリッ
ト36aを左右方向に移動させるように構成してもよい
ことは勿論である。この場合、マスク42はスリット板
34と連動して同様に移動させる。
【0066】[第2実施例] 図17は、第2実施例を示したものである。この第2実
施例では、第1実施例のスリット板34の代わりにスリ
ット板134を使用して、一度にそれぞれ異なる3つの
位置の角膜内皮細胞像を撮影するようにしたものであ
る。
【0067】スリット板134は、図18に示すよう
に、細長い長方形状の3つのスリット136a,136b,
136cが形成されている。スリット136aは光軸28
a上の位置に、スリット136bは光軸28aから少し右
(図1において内側)へずれた位置に、スリット136
cは光軸28aから少し左(図1において外側)へずれた
位置に形成されている。そして、これらスリット136
a,136b,136cにはλ1,λ2,λ3の波長の光を透過さ
せるフィルタ137a,137b,137cが設けられてい
る。
【0068】スリット板134に導かれた光束の内λ1,
λ2,λ3の波長の光がスリット136a,136b,136c
のフィルタ137a,137b,137cを透過して投光レ
ンズ35に導かれ、この投光レンズ35により、角膜C
にはスリット光束が照射される。
【0069】そして、図8Bに示すように、スリット1
36aによるスリット光束G4は角膜内皮細胞Nの中央部
分であるS4を照射し、スリット136bによるスリット
光束G5は角膜内皮細胞NのS5部分を照射し、スリット
136cによるスリット光束G6は角膜内皮細胞NのS6
部分を照明する。
【0070】スリット136aによる散乱反射光束の一
部はハーフミラー41により反射されて合焦状態検出セ
ンサーとしてのラインセンサー47に導かれる。ライン
センサー47の前には波長分割フィルタ47aが配置さ
れており、スリット136aからのスリット光束G4であ
る波長λ1のみの光束を透過させる。また、そのハーフ
ミラー41を通過した散乱反射光束はマスク142に導
かれ、角膜内皮細胞Nを含めて角膜断面像がマスク14
2の配設位置に形成される。
【0071】マスク142には、図19に示すように、
スリット136a〜136cのそれぞれに対応した3つの
スリット状のマスクパターン142a〜142cが形成さ
れている。マスクパターン142aは光軸29a上の位置
に、マスクパターン142bは光軸29aから少し左(図
1において外側)へずれた位置に、マスクパターン14
2cは光軸29aから少し右(図1において内側)へずれ
た位置に形成されている。これらマスクパターン142
a〜142cには波長λ1,λ2,λ3の光を透過させるフィ
ルタFa〜Fcが設けられている。
【0072】マスク142はマスク42と同様に角膜内
皮細胞像を形成する以外の余分の反射光束を遮光する役
割を果たす。
【0073】角膜内皮細胞像を形成するスリット136
a〜136cによる散乱反射光束は、リレーレンズ43、
ミラー44、変倍レンズ45、合焦レンズ46を介して
光路切り換えミラー5に導かれ、光路切り換えミラー5
により反射された後、CCD6に結像される。そして、
スリット136a〜136cのスリット光束G4,G5,G6
による角膜内皮細胞像が画面25に図20に示すように
表示される。図20において、48aが図8に示すS4部
分の角膜内皮細胞像であり、48bがS5部分の角膜内皮
細胞像であり、48cがS6部分の角膜内皮細胞像であ
る。
【0074】このように、3つの位置S4〜S6の角膜内
皮細胞像48a〜48cが同時に表示される。
【0075】図21は、他の実施例を示したものであ
り、この実施例ではスリット板134の代わりにダイク
ロイックミラー234を使用したものである。このダイ
クロイックミラー234には、図21に示すように、3
つのスリット状のダイクロイックミラー部234a〜2
34cが形成され、ダイクロイックミラー部234aは波
長λ1の光を反射させ他の波長の光を透過するものであ
り、ダイクロイックミラー部234bは波長λ2の光を反
射させ他の波長の光を透過するものであり、ダイクロイ
ックミラー部234cは波長λ3の光を反射させ他の波長
の光を透過するものである。
【0076】これら、ダイクロイックミラー部234a
〜234cによって、スリット136a〜136cによる
スリット光束G4〜G6と同じスリット光束を得るもので
ある。なお、このダイクロイックミラー部234a〜2
34c以外の部分234dでは光を反射しないようになっ
ている。
【0077】図22は、他の例のスリット板334を示
したものであり、このスリット板334には2つのスリ
ット336a,336bが設けられ、スリット336aには
波長λ1の光を透過させるフィルタ337aが、スリット
336bには波長λ2の光を透過させるフィルタ337b
が設けられている。
【0078】図23は、スリット板334で撮影する場
合に使用するマスク342を示す。このマスク342に
は、スリット336a,336bに対応したスリット状の
マスクパターン342a,342bが設けられており、マ
スクパターン342a,342bには波長λ1,λ2の光を透
過するフィルタ352a,352bが設けられている。そ
して、図24にはスリット板334およびマスク342
を使用して撮影した角膜内皮細胞像を示す。
【0079】[第3実施例] 図25は第3実施例を示したものである。この第3実施
例では、固視標の点灯位置を変えて被検眼Eの向きを変
えさせ、これにより角膜内皮細胞のそれぞれ異なる部位
を撮影するようにしたものである。
【0080】図25において、434は1つのスリット
36aを形成したスリット板、442はスリット36aに
対応したマスクパターン42aが形成されたマスク板で
ある。
【0081】図26はアライメント光学系408を示し
たものであり、409は赤外光を発するアライメント用
光源、410はピンホール板、412はハーフミラー、
411はピンホール板410に焦点を一致させるよう配
置された投影レンズである。
【0082】414は固視標光投影光学系で、これは固
視標用光源(固視標点灯位置変更手段)417と、この
光源417から発した固視標光を被検眼に投影する投影
レンズ411とから構成されている。
【0083】固視標用光源417は、この例では図27
に示すように複数の発光ダイオード418,418,…が
放射状に配列して構成されており、任意の箇所の発光ダ
イオードを選択的に点灯させることにより、被験者の視
線方向を変えることができ、これにより、角膜内皮細胞
像のそれぞれ異なる位置を撮影するものである。
【0084】このように、発光ダイオード418…を選
択して点灯させるだけでよいので、広範囲に亘っての角
膜内皮細胞の観察や撮影を迅速に且つ簡単な操作で行う
ことができる。
【0085】なお、固視標用光源としては、図28(a)
に示すように発光ダイオードを二次元に正方配列して構
成してもよいし、図28(b)に示すように発光ダイオー
ドを同心円状に配列して構成してもよい。また、図28
(c)に示すように単一の発光ダイオードを移動可能に設
けて構成してもよい。
【0086】[第4実施例] 図29は第4実施例を示したものである。この第4実施
例では前眼部と角膜内皮細胞とを別個なCCD6,50
6によって撮影し、1つの画面に前眼部像と角膜内皮細
胞像を表示するようにしたものであり、CCD6によっ
て前眼部を撮影し、CCD506によって角膜内皮細胞
を撮影する。500はアライメント検出用の受光センサ
である。
【0087】図30は第3実施例のアライメント光学系
408と同じ構成であり、517は固視標光源である。
【0088】固視標用光源517は、図31に示すよう
に5個の発光ダイオード517a〜517eを十字状に配
列して構成したものであり、被験者の視線方向を左右上
下に変えるようにしたものである。
【0089】図32は第4実施例の画像処理系の構成を
示したブロック図である。図32において、521はア
ライメント検出センサー500が出力するアライメント
信号と基準信号発生回路522から基準信号とを比較す
る比較器で、この比較器521はアライメント信号が基
準信号以上になるとハイレベルの信号を出力する。つま
り、アライメントが完了したとき比較器521はハイレ
ベルのアライメント完了信号を出力する。
【0090】523は比較器521から出力されるアラ
イメント完了信号と合焦判断回路101から出力される
合焦信号とが入力されるとハイレベルの作動指令信号を
出力するアンド回路、524は前記作動指令信号によっ
て撮影信号J1,J2と撮影用トリガパルスJ3を出力する
撮影用トリガパルス発生回路である。撮影用トリガパル
ス発生回路524は、撮影信号J1,撮影用トリガパルス
J3,撮影信号J2をこの順番で順次出力していくもので
ある。撮影用トリガパルスJ3は発光駆動回路102を
作動させて撮影光源32を発光させる。
【0091】527,528はCCD6,506よって撮
影した前眼部像,角膜内皮細胞像を記憶するフレームメ
モリで、撮影信号J1,J2が入力されるとその時点の画
像を記憶保持するようになっている。529はフレーム
メモリ527,528に記憶された前眼部像と角膜内皮
細胞像とを図33および図34に示すように合成してD
/A変換器531を介してモニタ25に表示したり記憶
装置530に記憶させたりする他に、記憶装置530に
記憶されている画像の合成処理等を行ったりする画像処
理装置(画像合成手段)である。そして、モニタ25が
角膜の撮影部位を表示する撮影部位表示手段として機能
する。
【0092】532は画像切換回路で、これはアライメ
ント検出センサー500から出力されるアライメント信
号が所定以下のとき、すなわちアライメント完了前のと
きには、図33に示すように、前眼部像26の拡大表示
に角膜内皮細胞像を子画面として表示してアライメント
を行い易くし、アライメント信号が所定以上となったと
き、すなわちアライメントが完了したときは、図34に
示すように、角膜内皮細胞像48aの表示に前眼部像2
6を子画面として表示させて観察し易いようにするもの
である。
【0093】次に、第4実施例の動作について図35の
フロー図を参照しながら説明する。
【0094】先ず、固指標用光源517の発光ダイオー
ド517aを発光させるとともに、アライメント光学系
408のアライメント用光源409を点灯させる。発光
ダイオード517aの発光により被検眼Eを真正面に向
けさせる。そして、アライメント用光源409の点灯に
よるアライメント光束Kにより、CCD6には図36
(a)に示すように円環状パターン像27と輝点像R´と
被検眼Eの前眼部像26とがそれぞれ結像される。
【0095】一方、CCD506には被検眼Eが真正面
を向いていることにより光軸O1近辺の角膜内皮細胞像
が結像される。これら画像はフレームメモリ527,5
28を介して画像合成処理装置529に入力する。
【0096】アライメント完了前はアライメント検出セ
ンサー500から出力されるアライメント信号が所定以
下なので、画像合成処理装置529は図33に示すよう
に画像合成してモニタ25に表示させる。検者はこのモ
ニタ25を見ながら円環状パターン像27の中央に輝点
像R´がくるように装置本体Hを上下(Y方向)、左右
(X方向)に振らせてアライメント調整を行う。円環状
パターン像27の中央に輝点像R´がくると、比較器5
21からアライメント完了信号が出力されるとともに画
像切換回路532によりモニタ25の画像が図34に示
すように切り換わる。そして、装置本体Hを被検眼Eに
対して前後(Z方向)にずらして作動距離を設定する。
【0097】作動距離が設定されると、合焦判断回路1
01から合焦信号が出力され、比較器521からアライ
メント完了信号が出力されているのでアンド回路523
から作動指令信号が出力される。この作動指令信号によ
り撮影用トリガパルス発生回路524は撮影信号J1を
出力する(ステップ1)。そして、ステップ2では撮影
信号J1の出力した時点の画像がフレームメモリ527
に記録保持される。すなわち、角膜内皮細胞像48aの
表示に前眼部像26を子画面として表示させる。
【0098】ステップ3では、撮影用トリガパルス発生
回路524が撮影用トリガパルスJ3を出力して発光駆
動回路102を作動させる。発光駆動回路102の作動
により照明光源32が発光されるとともに、発光ダイオ
ード517aおよびアライメント光源409等を消灯さ
せる。
【0099】次いで、撮影用トリガパルス発生回路52
4が撮影信号J2を出力する(ステップ4)。この撮影
信号J2の出力した時点の画像がフレームメモリ528
に記録保持され、角膜内皮細胞像48aが静止画像とし
てモニタ25に表示されることとなる。
【0100】そして、モニタ25に表示されている画像
が記憶装置530に記憶される。すなわち、角膜内皮細
胞像48aとともに前眼部像26が記憶される。
【0101】前眼部像26には、円環状パターン像27
と輝点像R´をも撮影されているが、被検眼Eが真正面
を向いているので、瞳孔Eaの中心部に前眼部観察光学
系1の光軸O1が位置し、図36(a)に示すように、被
検眼Eの瞳孔像Ea´の中央部に円環状パターン像27
および輝点像R´が位置する。
【0102】そして、この状態のとき、観察・撮影光学
系29の光軸29aが角膜頂点Pと一致し、角膜頂点P
近傍の角膜内皮細胞が撮影されることとなる。この角膜
頂点P近傍は、図33に示すようにモニタ25で観察さ
れる前眼部像26の瞳孔像Ea´の中心部であり、角膜
頂点Pと円環状パターン像27の位置とが一致する。
【0103】次ぎに、固指標用光源517の発光ダイオ
ード517bを発光させて被検眼Eを図29においてX
方向(検者からみて右方向)に向けさせると(このとき
角膜C上における位置P1が前眼部観察光学系1の光軸
O1と一致するとする)、CCD6には図36(b)に示
すように瞳孔像Ea´の左側に円環状パターン像27お
よび輝点像R´が結像され、前眼部像26が図37(a)
に示すようにモニタ25に表示される。アライメントが
完了すると、図37(b)に示すように画像が切り換わっ
てモニタ25に表示され、角膜内皮細胞が撮影される。
そして、図37の(b)の画像が記憶装置に記憶される。
【0104】この撮影のときには観察・撮影光学系29
の光軸29aが角膜Cの位置P1と一致するので、その位
置P1近傍の角膜内皮細胞48bが撮影されることとな
る。位置P1は検者から見て角膜頂点Pから左側であ
り、図37(a)に示すようにモニタ25で観察される前
眼部像26の瞳孔像Ea´の左側となり、円環状パター
ン像27の位置と角膜Cの位置P1とが一致することと
なる。
【0105】同様に、被検眼Eを左や上下に向けさせる
と、図36の(c)(d)(e)に示すように、CCD6には
瞳孔像Ea´の左側,下側,上側に円環状パターン像27
および輝点像R´が結像され、角膜頂点Pを基準にして
左側,下側,上側位置の角膜内皮細胞像48c〜48e(図
示せず)がCCD506によって撮影される。そして、
角膜内皮細胞像48c〜48eとともに円環状パターン像
27および輝点像R´を写した前眼部像26がモニタ2
5に表示され記憶装置530に記憶されることとなる。
【0106】そして、瞳孔像Ea´における円環状パタ
ーン像27および輝点像R´の位置が角膜内皮細胞の撮
影位置を示すので、角膜内皮細胞像48a〜48eが角膜
どの部位を撮影した角膜内皮細胞であるかが分かり、特
定部位の経時変化を観察する場合等に特に便利なものと
なる。
【0107】そして、図示しないキーボードの操作によ
り画像処理装置529は、記憶装置530に記憶された
角膜内皮細胞像48a〜48eを合成して図38に示すよ
うにパノラマ画像を作成するとともにモニタ25に表示
して記憶装置530に記憶する。なお、必要な際には、
キーボードを操作して記憶装置530に記憶された所望
の画像を読み出してモニタ25に表示して観察すればよ
い。
【0108】第4実施例では、異なる5つの位置の角膜
内皮細胞像48a〜48eを撮影しているが、これに限ら
ず例えば8つの位置を撮影してパノラマ画像を合成する
ようにしてもよい。また、円環状パターン像27および
輝点像R´によって撮影した角膜内皮細胞像48a〜4
8eの位置を示すようにしているが、これに限るもので
はなく、例えば、角膜頂点Pの中心を基準にして上下左
右中央等の文字を角膜内皮細胞像48a〜48eの画像に
記すようにして、その中心からどの方向にずれた位置を
撮影したかを示すようにしてもよい。このような構成に
することにより、第1,第2実施例にも適用することが
できる。
【0109】図39は固視標を移動させて被検眼Eの向
きを変えるようにしたものである。図39において、5
40は固視標光源、541は拡散板、542はピンホー
ル板で光軸O1と直交する方向に上下左右に移動可能と
なっている。このピンホール板542を移動させること
により被検眼Eの向きを変えるものである。
【0110】
【発明の効果】この発明によれば、固視標点灯位置変更
手段によって固視標光の点灯位置を変えることにより角
膜内皮細胞の撮影部位が変わり、しかも、固視標光の点
灯位置 を変えるだけでよいので、広範囲に亘っての角膜
内皮細胞の撮影を迅速に且つ簡単な操作で行うことがで
きる。また、固視標点灯位置変更手段によって固視標光
の点灯位置を変えると、撮影部位表示手段が固視標の点
灯位置に対応した角膜の撮影部位を表示する。このた
め、撮影する際に撮影部位を確認することができ、所望
部位を確実に撮影することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる角膜内皮細胞撮影装置の第1
実施例を示す光学系の配置を示した平面図である。
【図2】第1実施例のアライメント光学系の配置を示す
光学配置図である。
【図3】第1実施例の固視標投影光学系の配置を示す光
学配置図である。
【図4】この発明に係わるアライメント指標光束の反射
状態を示した説明図である。
【図5】前眼部像の表示状態を示した説明図である。
【図6】スリット板を示した正面図である。
【図7】照明光学系を示した側面図である。
【図8】角膜内皮細胞の撮影箇所を示した説明図であ
る。
【図9】照明光学系の光源部の他の例を示す図である。
【図10】マスクの構成を示した正面図である。
【図11】角膜におけるスリット光束の反射状態を示し
た説明図である。
【図12】撮像された角膜内皮細胞像を示した図であ
る。
【図13】角膜内皮細胞像とラインセンサーに受光され
る光量との関係を示す図である。
【図14】この発明に係わる角膜内皮細胞観察撮影装置
の全体構成を示す側面図である。
【図15】この発明に係わる角膜内皮細胞観察撮影装置
を部分的に示す平面図である。
【図16】この発明に係わる制御系の構成を示したブロ
ック図である。
【図17】第2実施例の光学系の配置を示した平面図で
ある。
【図18】スリット板を示した正面図である。
【図19】マスクを示した正面図である。
【図20】撮像された角膜内皮細胞像を示した図であ
る。
【図21】ダイクロイックミラーを示した正面図であ
る。
【図22】第2実施例の他の例のスリット板を示した正
面図である。
【図23】第2実施例の他の例のマスクを示した正面図
である。
【図24】撮像された角膜内皮細胞像を示した図であ
る。
【図25】第3実施例の光学系の配置を示した平面図で
ある。
【図26】第3実施例のアライメント光学系の配置を示
す光学配置図である。
【図27】第3実施例の固視標光源を示した正面図であ
る。
【図28】第3実施例の固視標光源の他の例を示した正
面図である。
【図29】第4実施例の光学系の配置を示した平面図で
ある。
【図30】第4実施例のアライメント光学系の配置を示
す光学配置図である。
【図31】第4実施例の固視標光源を示した正面図であ
る。
【図32】第4実施例の画像処理系の構成を示したブロ
ック図である。
【図33】モニタに表示される画像を示した説明図であ
る。
【図34】モニタに表示される画像を示した説明図であ
る。
【図35】撮影順序を示したフロー図である。
【図36】CCDに結像される前眼部像を示した説明図
である。
【図37】(a)は前眼部像を拡大表示した画像を示した
説明図である。 (b)は角膜内皮細胞像を拡大表示した画像を示した説明
図である。
【図38】パノラマ画像を示した説明図である。
【図39】他の例の固視標光源を示した光学配置図であ
る。
【符号の説明】
E 被検眼 C 角膜 6 CCD 28 照明光学系 29 観察撮影光学系 34 スリット板 36a〜36c スリット 136 スリット板 136a〜136c スリット 417 固視標用光源 529 画像処理装置(画像合成手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森本 章夫 東京都板橋区蓮沼町75番1号株式会社ト プコン内 (72)発明者 西尾 幸治 東京都板橋区蓮沼町75番1号株式会社ト プコン内 (56)参考文献 特開 平1−207033(JP,A) 実開 昭60−7803(JP,U) 実開 昭63−38502(JP,U) 特公 平4−5453(JP,B2) 「眼科検査法ハンドブック」(昭60− 7−1)医学書院P.426−427

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検眼の角膜に向けて斜めからスリット光
    を照射する照明光学系と、前記角膜の角膜内皮細胞から
    の反射光を受光して角膜内皮細胞を撮影する撮影光学系
    と、前記被検眼に固視をさせるための固視標光を前記被
    検眼に向けて投影する固視標光投影光学系とを備えてい
    る角膜内皮細胞撮影装置において、 前記固視標光の点灯位置を変える固視標点灯位置変更手
    段と、前記固視標の点灯位置に対応した角膜の撮影部位を表示
    する撮影部位表示手段と を設けたことを特徴とする角膜
    内皮細胞撮影装置。
  2. 【請求項2】前記撮影部位表示手段は、撮影された角膜
    内皮細胞像と、この角膜内皮細胞像に対応した撮影部位
    とを表示することを特徴とする請求項1の角膜内皮細胞
    撮影装置。
  3. 【請求項3】 前記固視標光投影光学系は、所定の形状に
    配列された複数の点状光源を有し、かつ、前記固視標点
    灯位置変更手段は、該複数の点状光源のうちの任意の光
    源を選択的に点灯させることにより、前記固視標光の点
    灯位置を変更することを特徴とする請求項1に記載の角
    膜内皮細胞撮影装置。
  4. 【請求項4】 前記固視標光投影光学系は、単一の点状光
    源を有し、且つ前記固視標点灯位置変更手段は、該点状
    光源を上下左右に移動させることにより、前記固視標光
    の点灯位置を変更することを特徴とする請求項1に記載
    の角膜内皮細胞撮影装置。
  5. 【請求項5】 前記撮影光学系で撮影されたそれぞれ異な
    る部位の角膜内皮細胞像の画像を合成してパノラマ画像
    を作成する画像合成手段を設けたことを特徴とする請求
    項1ないし請求項4に記載の角膜内皮細胞撮影装置。
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