以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1〜図22は本発明に係る補助装置、補助装置を備えた画像読取装置、画像読取装置を備えた画像形成装置の第1の実施の形態を示す図であり、本実施の形態では、画像形成装置として複写機に適用している。なお、画像形成装置としては、複写機以外に、ファクシミリ装置、複写機能とファクシミリ通信機能等を備えた複合機等に適用しても良い。また、画像読取装置としては、ファクシミリ装置やスキャナ装置に適用することができる。
まず、構成を説明する。
図1〜図8において、画像形成装置としての複写機1は、記録媒体にトナー像を形成する画像形成手段2と、この画像形成手段2によって形成された記録媒体上のトナー像を、その記録媒体に定着する定着装置3と、画像形成手段2に記録媒体を給送する記録媒体搬送装置4と、画像形成手段2、定着装置3および記録媒体搬送装置4を収容する装置本体としての第1の装置本体5と、原稿画像を読取る画像読取手段6と、画像読取手段6を収容する装置本体としての第2の装置本体7と、原稿を搬送する開閉体として圧板の機能を有するADF8とを備えており、ADF8は第2の装置本体7にヒンジ機構9(図7、図8参照)を介して開閉自在に搭載されている。
ADF8は、複数の原稿Pを積層して載置可能な原稿載置台10と、原稿載置台10に載置された原稿を1枚ずつ分離して読取位置11に向かって搬送する詳細な説明はしないが、給紙ベルト、リバースローラ、搬送ローラ等からなる原稿搬送手段12と、読取位置11で読取りが終了した原稿を排紙する複数のローラからなる原稿排紙手段13と、原稿排紙手段13によって排紙された原稿を載置する原稿排紙台14とを備え、原稿載置台10および原稿排紙台14はADF筐体15の一部から構成され、原稿搬送手段12および原稿排紙手段13はADF筐体15に内蔵されている。
また、ADF筐体15の幅方向中央部の手前側には把持部8aが設けられており、この把持部8aはADF8の開閉時にユーザによって把持されるようになっている。
なお、把持部8aは、ADF筐体15の幅方向中央部に限らず、幅方向中央部近傍に設けられていても良く、ADF8の重心位置または重心位置の近傍に設けられていても良い。
また、画像読取手段6は、それ自体周知にように、光学系16を収容した第2の装置本体7と、その装置本体7の上部に固定配置されたコンタクトガラス17およびスリットガラス17aとを備えている。
この画像読取手段6にあっては、閉じられた原稿や本等からなる原稿Pをコンタクトガラス17上に原稿を載置して、その原稿PをADF8によって押圧することにより、原稿を読取ることができる。また、ADF8によって自動搬送される原稿はスリットガラス17aの読取位置11で読取られるようになっている。
すなわち、光学系16は、光源18と第1ミラー19とを有する第1走行体20と、第2ミラー21および第3ミラー22を有する第2走行体23と、結像レンズ24と、CCDイメージセンサ25とを備えており、第1走行体20および第2走行体23は、図2に示した位置から右方に移動し、このとき、光源18から出射する光によって原稿を照明し、その反射光を第1ミラー19、第2ミラー21および第3ミラー22の順に反射した後、結像レンズ24を通してCCDイメージセンサ25に入射する。このようにして原稿画像がCCDイメージセンサ25に結像することにより、原稿の画像を画信号として読取る。
また、ADF8によって原稿を読取る場合には、図1中、右方に第1走行体20および第2走行体23を固定した状態で上述した手順で走行する原稿を読取る。
また、画像形成手段2は、ドラム状の感光体からなる第1像担持体26Y、第2像担持体26C、第3像担持体26Mおよび第4像担持体26BKを備えており、これら像担持体には、複数の支持ローラに巻き掛けられた無端ベルトからなる中間転写ベルト27が対向配置されている。
また、第1〜第4像担持体26Y〜26BKは、それぞれ図1における時計方向に回転駆動されるようになっており、中間転写ベルト27は図1中、矢印A方向に回転駆動される。このとき、第1像担持体26Yは、帯電ローラ28によって所定の極性に帯電される。
また、光書き込みユニット29からは、上述した画信号に基づいて光変調されたレーザビームLが出射されるようになっており、第1像担持体26Yの帯電面にそのレーザビームLが照射されることによって第1像担持体26Yに静電潜像が形成され、この静電潜像は現像装置30によってイエロートナー像として可視像化される。
また、一次転写ローラ31には、転写電圧が印加されることによって、第1像担持体26Y上に形成されたトナー像が図1中、矢印A方向に回転する中間転写ベルト27上に一次転写される。
トナー像転写後の第1像担持体26Y上に付着する転写残トナーは、クリーニング装置32によって除去される。本実施の形態の複写機1においては、第1像担持体26Yと、その周囲に配設された帯電ローラ28と、現像装置30と、クリーニング装置32とによって一体的なプロセスカートリッジが構成されている。
また、現像装置30は、粉体状のトナーを収容した現像容器33を有し、そのトナーによって静電潜像が可視像化される。また、現像容器33内のトナー量が減少したとき、トナーボトル34Yから現像容器33にトナーが補給される。
一方、クリーニング装置32は、像担持体26から除去されたトナーを受け入れるクリーニング容器35を備えており、クリーニング容器35内のトナーは、トナー搬送装置によって、図示していない廃トナー容器に搬送される。このように、現像容器30、トナーボトル34Y、クリーニング容器35および廃トナー容器にはトナーが収容されている。
また、上述した動作と同様にして、第2像担持体26C、第3像担持体26Mおよび第4像担持体26BK上にシアントナー像、マゼンタトナー像およびブラックトナー像がそれぞれ形成され、これらのトナー像がイエロートナー像の転写された中間転写ベルト27上に順次重ねて一次転写される。
これらの第2像担持体26C、第3像担持体26M、第4像担持体26BKにトナー像を形成する現像装置の現像容器内のトナー量が減少したときも、各トナーボトル34C、34M、34BKから、その各現像容器にトナーが補給される。
このようにして、中間転写ベルト27上に転写された重ねトナー像は、二次転写ローラ36の作用によって記録媒体に二次転写され、その転写後の中間転写ベルト27上に付着する転写残トナーは、ベルト用のクリーニング装置37により除去される。このクリーニング装置37のクリーニング容器38にもトナーが収容され、そのトナーは図示していない廃トナー容器に搬送される。
また、記録媒体搬送装置4は中間転写ベルト27の下方に配置されており、この記録媒体搬送装置4は、転写紙または樹脂シートなどからなる記録媒体Sを収容した給紙カセット39と、最上位の記録媒体Sに接触する給紙ローラ40と、レジストローラ対41とを有し、給紙ローラ40の回転によって最上位の記録媒体Sが図1中、矢印B方向に送り出される。送り出された記録媒体Sは、レジストローラ対41の回転によって、所定のタイミングで中間転写ベルト27と、中間転写ベルト27に対向配置された二次転写ローラ36との間に給送される。
この記録媒体が中間転写ベルト27と二次転写ローラ36との間を通過するとき、二次転写ローラ36には転写電圧が印加されることによって中間転写ベルト27上の重ねトナー像が記録媒体に二次転写される。このようにして、画像形成手段2により、記録媒体上にトナー像が形成されるのである。
また、トナー像が形成された記録媒体は定着装置3を通過し、このとき画像形成手段2によって形成された記録媒体上のトナー像がその記録媒体に定着される。
また、定着装置3によって画像が定着された記録媒体は記録媒体排紙手段としての排紙ローラ対42によって記録媒体排紙台43上に排紙される。
この記録媒体排紙台43は、画像形成手段2を収納する第1の装置本体5と画像読取手段6を収納する第2の装置本体7の間に形成されており、本実施の形態では、排紙ローラ対42による記録媒体の排紙方向下流側の第1の装置本体5および第2の装置本体7の間が開放される胴内排紙型の複写機1となっている。
また、排紙ローラ対42の上流側には切換レバー44が設けられており、この切換レバー44は記録媒体の表面の複写が終了したときに、記録媒体の裏面に複写を行うときに、反転通路45側に切換えられるようになっている。
すなわち、記録媒体の後端が排紙ローラ対42に挟持されると、排紙ローラ対42が逆転駆動するとともに、切換レバー44が反転通路45に連通する位置に切換えられ、記録媒体が反転通路45に向かって搬送される。
この反転通路45には反転ローラ対46が設けられており、この反転ローラ対46によって反転通路45を搬送される記録媒体は、二次転写ローラ36側に搬送される。
そして、中間転写ベルト27上に転写された重ねトナー像が二次転写ローラ36の作用によって記録媒体に二次転写され、記録媒体の両面に複写が行われる。
その後、定着装置3によって記録媒体に画像が定着されると、切換レバー44が定着ローラ3を排紙ローラ対42に連通する位置に切換えられ、記録媒体が記録媒体排紙台43に排紙される。
また、第1の装置本体5の右側部には開閉カバー(側部開閉体)47が開閉自在に設けられており、この開閉カバー47は第2の装置本体7に対して側方に突出している。
この開閉カバー47の開放時には、反転通路45が露出するようになっており、反転経路45上で記録媒体のジャムが発生したときに、開閉カバー47を開放して記録媒体を取り出すことができるようになっている。
また、ADF8の下方で、かつ第2の装置本体7の手前側には操作部としての操作パネル50が設けられている。この操作パネル50は複写機1の操作を行うための各種キーや複写機1の状態を表示する表示パネル等を備えており、この操作パネル50は、図4、図5に示すように、基端部50aが第2の装置本体7に取付けられているとともに、先端部50bが下方に傾斜するように延在している。
また、第2の装置本体7は第1の装置本体5に着脱自在となっており、スキャナ装置として使用する場合には、第2の装置本体7およびADF8を第1の装置本体5から取り外し、机や棚等の設置し、第2の装置本体7を配線を介してパーソナルコンピュータやプリンタ装置に接続することにより、読取ったデータの保存やプリントアウトを行うようにしても良い。
一方、ADF筐体15の側面には補助装置51が取付けられており、この補助装置51は、基端部52aがADF筐体15に回動自在に設けられ、ADF8が閉状態のときに、基端部52aから第2の装置本体7の右側部を通して第2の装置本体7の前方に延在する先端部52bを有する補助部材54を備えている。
この補助部材54は基端部52aが第2の装置本体7に回動自在に取付けられた第1アーム部材55と、第1アーム部材55に連結部58で連結された第2アーム部材56と、第2アーム部材56の先端部52aに取付けられ、ユーザが把持可能な把持部材57とを備えている。
図9は第1アーム部材55の基端部52aをADF筐体15に取付けた状態を示す図である。図9において、ADF筐体15の右側部内側には内部ブラケット59が取付けられているとともに、ADF筐体15の右側部外側には外部ブラケット60が取付けられており、内部ブラケット59および外部ブラケット60はネジ61によってADF筐体15に強固に固定されている。
また、外部ブラケット60には固定軸62がカシメまたは溶接等によって取付けられており、第1アーム部材55の基端部52aが固定軸62に回動自在に装着されている。
また、固定軸62にネジ63が装着されており、このネジ63によって第1アーム部材55が固定軸62の軸方向に位置決めされ、固定軸62から抜け出るのを防止するようになっている。
すなわち、第1アーム部材55の基端部52aには挿通孔55aが形成されており、この挿通孔55aに固定軸62を挿通してネジ63を固定軸62に取付けることにより、第1アーム部材55をADF筐体15に取付け、ネジ63を固定軸62から外して第1アーム部材55を固定軸62から取り外すことにより、補助部材54はADF筐体15に着脱自在になっている。
また、第1アーム部材55および第2アーム部材56はADF8の開閉支点(図2中、左右方向)に対して略直交方向に直線状に延在している。
また、図10に示すようにADF筐体15には第2当接部材としてのストッパー部49aが着脱自在に設けられており、このストッパー部49aはADF筐体15の側部から突出している。
また、第1アーム部材55の基端部52aにはストッパー部49bが設けられており、このストッパー部49bは、ADF8が開状態にあるときに、補助部材54が自重によって下方に回動したときに、ストッパー部49aに当接するようになっている。
このようにストッパー部49aはストッパー部49bに当接して、補助部材54が下方に回動するのを規制するようになっており、この規制位置では、把持部材57が操作パネル50の近傍に位置することにより、複写機1の手前側にいるユーザに把持し易い位置となっている。
また、把持部材57は、第2アーム部材56の先端部に一体的に取付けられ、ADF8の開閉支点に対して略直交する方向、すなわち、図1中、前後方向に延在する第1把持部57aと、第1把持部57aの延在方向に対して略直交する方向、すなわち、水平方向に沿って右側に延在する第2把持部57bと、第2把持部57bの延在方向に対して略直交する方向、すなわち、第1把持部57aの延在方向と平行に延在する第3把持部57cとを備えている(図11参照)。
また、把持部材57の延在方向としては、補助部材54をユーザが押圧する操作を行うときの押し方向および引っ張る操作を行うときの引っ張り方向と略直交する方向にする延在させるようにすることが、補助部材54の操作性を向上させる上で好ましい。
本実施の形態では、把持部材57を把持するときには、ユーザは第2把持部57bを把持して、補助部材54を押圧したり引っ張ることにより、ADF8を開閉するが、第3把持部57cが第2把持部57bの延在方向に対して略直交する方向で、かつ、第1アーム部材55および第2アーム部材56と平行に延在しているので、第2把持部57bをユーザが把持したときに、または把持部57bに手を押し当てたときに、第1把持部57a、第2把持部57bおよび第3把持部57cによって手を囲むことができ、第2把持部57bから手が滑り落ちないようにして、把持部材57を確実に把持または手を押し当てることができる。
すなわち、車椅子を使用したユーザによっては、指の感覚が麻痺したり、何らかの事故によって指が欠損している等して、第2把持部57bを強い力で掴むことができない可能性がある。
本実施の形態では、第2把持部57bを把持したとき、また、第2把持部57bに手を押し当てたときに、第1把持部57a、第2把持部57bおよび第3把持部57cによって手を囲むことができるため、手の不自由なユーザであっても、第2把持部57bから手が滑り落ちてしまうのを防止しつつ、把持部材57を確実に把持して補助部材54を操作することができるのである。
また、把持部材57を第1アーム部材55および第2アーム部材56の延在方向と略直交方向に延在させるようにしたので、把持部材57を把持したときに、複写機1の正面に対して後方に補助部材54を押す力と、前方に補助部材54を引く力を作用させることができ、補助部材54を操作したときの操作性を向上させることができる。
また、図11、図12に示すように第1把持部57aと第2把持部57bの連結部分はR形状となっており、第2把持部57bを右手で把持したときには、把持部材57に親指をスムーズに掛けることができ、第2把持部57bを左手で把持したときには、把持部材57に小指や薬指をスムーズに掛けることができるようになっている。
また、第2把持部57bには、図12に示すように、指の形状に沿った凹凸部48が設けられており、第2把持部57bを把持したときに、凹凸部48に指を掛けることができるようになっている。
一方、図14に示すように第1アーム部材55および第2アーム部材56は連結部58を境にして折り曲げ可能になっている。図13は、連結部58の構成を示す図である。
図13において、第1アーム部材55内および第2アーム部材56は回動軸66を介して連接部58で回動自在に連結されている。第1アーム部材55内には摺動穴67aが形成されており、この摺動穴67aには固定ピン67bが摺動自在に設けられている。
また、摺動穴67a内にはスプリング67cが設けられており、このスプリング67cは固定ピン67aを第2アーム部材56側に付勢している。また、第2アーム部材56の連結部58側には切欠き部56aが形成されており、スプリング67cに付勢された固定ピン67bが切欠き部56aに係合することにより、第1アーム部材55および第2アーム部材56が直線状態に維持される。
また、把持部材57が第2の装置本体7の側方から突出する開閉カバー47に衝突したり、あるいは、補助部材54の操作時に補助部材54に強い力が加わる等して座屈するような外力が加わった場合には、回動軸66を中心にして第2アーム部材56が第1アーム部材55に対して屈曲する(図14、図15参照)。
このとき、切欠き部56aから固定ピン67bが外れて第2アーム部材56の連結部58側の傾斜部56bが固定ピン67bに接触するため、固定ピン67bがスプリング67cの付勢力に抗して摺動穴67a内に埋没し、第2アーム部材56を容易に屈曲させることができる。
また、補助部材54を屈曲した状態から通常の状態に戻すときには、第2アーム部材56を回動軸66を介して第1アーム部材55に対して直線上になるように回動させると、固定ピン67bがスプリング67cによって押圧されて切欠き部56aに係合することにより、第1アーム部材55および第2アーム部材56の形状が直線状になる。
一方、第2の装置本体7の右側部前方には、保持部材としての受け台68が設けられており、この受け台68は図示しないネジ等によって第2の装置本体7に着脱自在となっている。
この受け台68には把持部材57が第2の装置本体7の前方に位置するように補助部材54が載置されるようになっており、補助部材54は受け台68に載置されることにより、待機位置で保持されるようになっている。なお、本実施の形態では、補助部材54および受け台68が補助装置を構成している。
また、補助部材54が受け台68に載置された待機位置にあるときには、把持部材57は操作パネル50の近傍に位置しており、本実施の形態では、把持部材57は操作パネル50の高さ方向近傍に位置している。
また、補助部材54が受け台68に載置された待機位置にあるときには、図4に示すように把持部材57は操作パネル50の基端部50aと先端部50bの間に位置して先端部50bから突出しないようになっている。
すなわち、補助部材54の把持部材57が操作パネル50の基端部50aと先端部50bの間に位置するように補助部材54の基端部52aから把持部材57までの長さおよびADF筐体15に対する第2の基端部52aの取付け位置が設定されている。
また、補助部材54が受け台68に載置された待機位置にあるときには、図6に示すように、補助部材54は第2の操作パネル50の操作面に沿って配置、すなわち、補助部材54は操作パネル50の傾斜面に沿って傾斜するように、ADF筐体15に対する第2の基端部52aの取付け位置と第2の装置本体7に対するおよび受け台68の取付け位置が設定されている。
また、図7、図16(a)に斜線で示すように、補助部材54が受け台68に載置された待機位置にあるときには、補助部材54は、第2の装置本体7の側方に開閉自在に設けられた開閉カバー47および第2の装置本体7の下面よりも上方に位置しており、待機位置にあるときには開閉カバー47とは干渉しないようになっている。
また、補助部材54と接触する受け台68の上面にはハイトレル(ポリエステル・エラストマー)等の弾性部材68aが取付けられており、補助部材54が自重により回動して受け台68に衝突したときの衝撃を吸収して受け台68や補助部材54が破損するのを防止することができるとともに、衝突音が発生するのを防止することができるようになっている。
また、本実施の形態では、受け台68によって開閉カバー47および第2の装置本体7の下面よりも上方で補助部材54を支持しているので、図15(b)に示すように、開閉カバー47の開放するときに、開閉カバー47が補助部材54に接触するのを防止することができる。
また、ADF筐体15の右側部前端には、第1当接部材としてのストッパー部材69が設けられており、このストッパー部材69は、インサート成型によって弾性部材を装着させた板金から構成され、ADF筐体15の内面から図中にないネジによって固定されている。なお、弾性部材としては、ハイトレル(ポリエステル・エラストマー)が使用される。
このようにストッパー部材69の外周部を弾性部材から構成することにより、ADF8の開閉時に補助部材54をストッパー部材69に突き当てたときの衝撃を吸収して衝突音が発生するのを防止することができる。また、ADF8の開閉時に周囲の人がストッパー部材69に衝突する事態が発生した場合でも、怪我を防止することができる。
このストッパー部材69は、ADF8が閉状態にあるときに、補助部材54に当接して補助部材54が上方に可動するのを規制するようになっており、把持部材57を把持して補助部材54を上昇させたときに、補助部材54に当接し、補助部材54が基端部52aを支点に回動されると、補助部材54に突き当てられてADF8を開放するようになっている。
また、ストッパー部材69はADF筐体15の右側部先端部に設けられており、ADF筐体15の後端に位置するヒンジ機構9とADF筐体15の前端に位置する把持部8aの間に設けられている。
また、ストッパー部材69は把持部8a寄りに設けられており、把持部材57が第2の装置本体7の前方に位置するように基端部52aから延在しているため、てこの原理によって補助部材54をストッパー部材69に突き当てたときにストッパー部材69に加わる負荷を低減することができるとともに、ADF8の開放時に大きい回転モーメントを発生させることができ、重量のあるADF8を開閉するときの操作力を少なくすることができる。
また、ADF8が開放された状態になると、補助部材54の自重によって補助部材54が基端部52aを支点に回動するが、このとき、補助部材54が受け台68に当接する直前でストッパー部49aがストッパー部49aに衝突して補助部材54がADF8に対して所定角度傾斜した位置で停止するようになっており(図8参照)、補助部材54が水平面に対して略直交する方向まで回動するのを規制することができる。
そして、この補助部材54が受け台68に当接して停止する位置は、把持部材57がADF8からユーザ側に向かった位置になるように補助部材54が傾斜するような角度に設定されるため、ADF8の開放時にユーザが把持部材57に容易に手が届くことができるようになっている。
なお、このときの把持部材57の高さは、床面から高さを1370mm以下になるようにすることが好ましい。何故なら、このような高さにすることにより、車椅子を使用するユーザが把持部材57に確実に手が届くようになるからである。
以上のような補助装置51を有した複写機1にあっては、車椅子を使用したユーザ100が閉じられた原稿や本等を複写するために、ADF8を開放する場合には、図17に示すように補助部材54が設けられた側の複写機1の側方に移動し、図18に示すように把持部材57を把持して補助部材54を上方に移動させる。
このとき、ユーザは第2把持部57bを把持したり、手を押し付けることにより、手が第1把持部57a、第2把持部57bおよび第3把持部57cによって囲まれる。
次いで、補助部材54を押圧すると、補助部材54が基端部52aを支点にして回動を開始し、ストッパー部材69に当接してヒンジ機構9を支点にしてADF8を開放する。
また、ADF8が所定角度回動すると、ヒンジ機構9によってフリーストップ機能が働き、ADF8は所定角度開放された状態を維持する(図19参照)。この状態でコンタクトガラス17に閉じられた原稿や本等を載置して複写を行う。
また、ADF8が開放された状態にあるときに、図7に示すように補助部材54が自重によって基端部52aを中心にして受け台68側に向かって回動する。このとき、第1アーム部材55の基端部52aに設けられたストッパー部49aがADF筐体15に設けられたストッパー部49aに衝突し、第2アーム部材56が受け台68に当接する前に補助部材54が停止する。このとき、把持部材57は操作パネル50の近傍の高さに位置している。
次いで、ADF8を閉じる際には、ストッパー部49bがストッパー部49aに当接した状態にある補助部材54の把持部材57を把持して、図20に示すように補助部材54を引っ張ることにより、ADF8が補助部材54を介して閉塞方向に引っ張られる。
なお、上述したようにヒンジ機構9を介して第2の装置本体7に開閉自在に装着されているが、このヒンジ機構9は、公知のようにADF8の開閉角度が所定角度以上になると、フリーストップする役割を果たしている。
このとき、ADF8がフリーストップ領域Aを外れて自重によって落下するが、このときには、ユーザは第2アーム部材56をストッパー部材69に当接させた状態でADF8を閉じることにより、ADF8が第2の装置本体7の上面に衝突して衝撃が加わったり、衝突音が発生するのを防止することができる。
一方、何らかの理由により、ADF8がコンタクトガラス17面に対して略垂直状態に近い位置まで開放された状態で、ユーザが補助部材54を押圧し続けたときには、基端部52aに強い力が加わって基端部52aが損傷する可能性がある。
また、ADF8をスリーストップ領域Aまで開放した状態からADF8を閉じるときに、補助部材54が受け台68に当接しない位置に補助部材54を位置させてしまった場合、例えば、何らかの理由により把持部材57を受け台68からADF8の後方側に移動させた状態でADF8を開放すると、ADF8を閉じるときに、補助部材54を開閉カバー47に衝突させてしまい、開閉カバー47や補助部材54が損傷するおそれがある。
このように補助部材54に過度な押圧力が加わった場合や、補助部材54が開閉カバー47に衝突した場合には、回動軸66を中心にして第2アーム部材56が第1アーム部材55に対して屈曲し、切欠き部56aが固定ピン67bから外れて第2アーム部材56の連結部58側の傾斜部56bが固定ピン67bに接触する。
このため、固定ピン67bがスプリング67cの付勢力に抗して摺動穴67a内に埋没し、第2アーム部材56を容易に屈曲させることができ、補助部材54や開閉カバー47を保護することができる(図15参照)。
このように本実施の形態では ADF8が閉状態のときに、補助部材54の先端に設けられた把持部材57を把持して補助部材54を上方に回動させると、補助部材54にストッパー部材69が当接することにより、補助部材54によってADF8を開放することができる。このため、車椅子を使用したユーザであっても、補助部材54を把持してADF8を容易に開放することができる。
また、補助部材54の基端部をADF8に回動自在に連結したので、ADF8が開放状態にあるときに、補助部材54の自重によって把持部材57が下方に揺動し、補助部材54のストッパー部49bがストッパー部49aに当接して補助部材54の回動を規制することができるため、把持部材57が低い位置になり、車椅子を使用したユーザが把持部材57を把持して補助部材54を引っ張ることにより、ADF8を容易に閉塞することができる。
この結果、車椅子を使用したユーザがADF8の開閉作業を容易に行うことができ、複写機1の使用性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、ヒンジ機構9をADF8の後端に設けるとともに、ADF8の前端にADF8を把持する把持部8aを設け、ストッパー部材69をADF8の側部の前端寄りに設けたので、てこの原理によって補助部材54をストッパー部材69に突き当てたときに、ストッパー部材69に加わる負荷を低減することができる。
また、本実施の形態では、補助部材54がストッパー部材69に当接したときに、把持部材57が第2の装置本体7の前方に位置するように補助部材54の延在方向長さを設定したので、ADF8の開放時に大きい回転モーメントを発生させることができ、重量のあるADF8を開閉するときの操作力を少なくすることができる。
また、本実施の形態では、ストッパー部材69の外周部に弾性部材を装着したので、補助部材54がストッパー部材69に当接したときの衝撃を吸収して衝突音が発生するのを防止することができる。また、ADF8の開閉時に周囲の人がストッパー部材69に接触した場合に、怪我をするのを防止することができる。
また、本実施の形態では、第2の装置本体7に、把持部材57が第2の装置本体57の前方に位置するように補助部材54を待機位置で保持する受け台68を設け、この受け台68を開閉カバー47よりも上方で補助部材54を保持するような位置に設けたので、補助部材54と開閉カバー47が干渉するのを防止して、開閉カバー47の開閉に支障を来すのを防止することができる。
また、本実施の形態では、補助部材54が接触する受け台68の接触面に弾性部材68aを装着したので、補助部材54が受け台68に当接したときの衝撃を吸収して衝突音が発生するのを防止することができるとともに、受け台68が損傷するのを防止することができる。
また、把持部材57を把持してADF8を開閉する場合には、指の感覚が麻痺したり、何らかの事故によって指が欠損している等して、把持部材57を強い力で掴むことがでない可能性があるが、本実施の形態では、第2把持部57bを把持したとき、また、第2把持部57bに手を押し当てたときに、第1把持部57a、第2把持部57bおよび第3把持部57cによって手を囲むようにして、第3把持部57bに手を引っ掛けることができる。
このため、手の不自由なユーザであっても、第2把持部57bから手が滑り落ちてしまうのを防止しつつ、把持部材57を確実に把持して補助部材54を操作することができる。この結果、把持部材57を確実に把持してADF8の開閉作業を容易に行うことができ、補助部材54の使用性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、第2把持部57bを略水平方向に延在させたので、手の不自由なユーザであっても、拳または手のひらで第2把持部57bを上下方向に押圧したり、引っ張ることによってADF8を開閉することができ、補助部材54の操作性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、第1把持部57aと第2把持部57bの連結部分をR形状にしたので、第2把持部57bを右手で把持したときには、第2把持部57bに親指をスムーズに掛けることができ、第2把持部57bを左手で把持したときには、第2把持部57bに小指や薬指をスムーズに掛けることができる。このため、手の不自由なユーザであっても補助部材54を確実に操作することができる。
また、本実施の形態では、第2把持部57bの表面に凹凸部48を形成したので、第2把持部57bに指を容易に引っ掛けることができ、補助部材54の操作性をより一層向上させることができる。
また、本実施の形態では、ADF8の閉塞時に補助部材54が受け台68に載置された待機位置にあるときに、把持部材57が操作パネル50の基端部50aと先端部50bとの間の位置するように補助部材54の長さが設定したので、すなわち、把持部材57が操作パネル50の先端部50bから前方に突出しないようにすることができるので、車椅子を使用したユーザが操作パネル50の手前側に位置したときに、補助部材54が邪魔になるのを防止することができる。
このため、車椅子を使用したユーザは操作パネル50の手前に移動して把持部材57を把持してADF8を開放した後、操作パネル50を操作することができ、ADF8の開放操作と操作パネル50の操作性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、ADF8の閉塞時に補助部材54が受け台68に載置された待機位置にあるときに、操作パネル50の操作面の傾斜に沿って補助部材54を配置したので、ADF8を閉じた状態で操作パネル50を操作するときに、補助部材54が邪魔になることがなく、操作パネル50の操作性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、ADF8の閉塞時に補助部材54が受け台68に載置された待機位置にあるときに、補助部材54を第2の装置本体7の側方に開閉自在に設けられた開閉カバー47よりも上方に位置させたので、開閉カバー47を開閉する際に、補助部材54が開閉カバー47と干渉するのを防止することができ、開閉カバー47の開閉操作の操作性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、開閉体をADF8から構成したので、ADF8によって連続して原稿を自動的に読取る場合には、車椅子を使用したユーザは、複写機1の正面で作業を行い、閉じられた原稿や本等を読取る場合には、把持部材57を把持してADF8を開放することができる。このため、読取対象に応じた操作を確実に実行することができ、使用性をより一層向上させることができる複写機1を提供することができる。
また、本実施の形態の複写機1は、排紙ローラ対42による記録媒体の排紙方向下流側の第1の装置本体5および第2の装置本体7の間を開放することにより、記録媒体排紙台43を形成し、補助部材54を開閉カバー47の上方のADF筐体15の右側部に設置するとともに、把持部材57を第2の装置本体7の下面よりも上方に位置させるようにしたので、所謂、胴内排紙型の複写機1において、記録媒体を記録媒体排紙台43に排紙するときに、記録媒体が補助装置52と干渉するのを防止することができるとともに、記録媒体排紙台43から記録媒体を取り出すときに補助部材54が邪魔になるのを防止することができる。
また、本実施の形態では、第2の装置本体7を第1の装置本体5に対して着脱自在にしたので、第2の装置本体7をADF8と共に第1の装置本体5から取り外して、棚等の高所に設置してスキャナ装置として使用する場合であっても、把持部材57を複写機1の低い位置で把持してADF8の開閉作業を行うことができる。
なお、本実施の形態では、第1の装置本体5の側面の一方を開口するように記録媒体排紙台43を設け、記録媒体の排紙方向と原稿の排紙方向を逆方向にしているが、図21、図22に示すように、第1の装置本体5の側面の他方を開口するように記録媒体排紙台43を設け、記録媒体の排紙方向と原稿の排紙方向を同一方向にするようにしても良い。
このようにすれば、ADF8によって原稿を搬送して記録媒体に画像を複写する場合に、原稿の取り出し方向と記録媒体の取り出し方向を同一方向にすることができるので、車椅子を使用したユーザが同じ位置で原稿と記録媒体を取り出すことができ、原稿と記録媒体の取り出し作業の作業性を向上させることができる。
図23〜図25は本発明に係る補助装置、補助装置を備えた画像読取装置、画像読取装置を備えた画像形成装置の第2の実施の形態を示す図である。なお、本実施の形態では、第1アーム部材55と第2アーム部材56を連結する連結部の構成が第1の実施の形態と異なるだけで、その他の構成は第1の実施の形態と同様である。したがって、第1の実施の形態と同様の構成には同一番号を付して説明を省略する。
図23〜図25において、第1アーム部材55および第2アーム部材56は回動軸71を介して回動自在に連結されており、第1アーム部材55および第2アーム部材56はこの回動軸71に固定されたネジ72によって回動軸71の軸方向に移動することが規制されている。
また、第2アーム部材56の背面は格子状になっており、第1アーム部材55の背面には板金ブラケット73が取付けられ、第1アーム部材55の背面は板金ブラケット73によって閉塞されている。
また、第1アーム部材55内には弾性機能を有し、モールド品から構成されるクリック部材74が設けられており、このクリック部材74は、コの字に形成されたコの字部74aと、第2アーム部材56の切欠き部56bに嵌合可能なクリック部74bと、クリック部材74をネジ75によって第2アーム部材に固定するための取付け板74cを備えている。
本実施の形態にあっては、クリック部74aがクリック部材74の弾性力によって切欠き部56aに係合することにより、第1アーム部材55および第2アーム部材56が直線状態に維持される。
また、把持部材57が第2の装置本体7の側方から突出する開閉カバー47に衝突したり、あるいは、補助部材54の操作時に補助部材54に強い力が加わる等して座屈するような外力が加わった場合には、回動軸71を中心にして第2アーム部材56が第1アーム部材55に対して屈曲する。
このとき、コの字部74aが撓んで切欠き部56aがクリック部74bから外れて第2アーム部材56の連結部58側の傾斜部56bがクリップ部74bに接触するため、コの字部74aがさらに圧縮して第2アーム部材56を容易に屈曲させることができる。
また、補助部材54を屈曲した状態から通常の状態に戻すときには、第2アーム部材56を回動軸71を介して第1アーム部材55に対して直線上になるように回動させると、コの字部74aが元の状態になるように変形し、クリック部74bが切欠き部56aに係合することにより、第1アーム部材55および第2アーム部材56の形状が直線状になる。
本実施の形態では、一体成形されたクリック部材74によって第2アーム部材56を屈曲させるようにしているため、第1の実施の形態のように、スプリング67cと固定ピン67aによって第2アーム部材56を屈曲させる構造に比べて、部品点数を少なくすることができる。
また、本実施の形態のクリック部材74は、コの字部74aが撓むように構成されているため、限られたスペースの中で撓み長さを長くとることが可能となり、応力が増大するのを防止することができる。
図26、図27は本発明に係る補助装置、補助装置を備えた画像読取装置、画像読取装置を備えた画像形成装置の第3の実施の形態を示す図である。なお、本実施の形態では、第1アーム部材55と第2アーム部材56が屈曲したときに自動的に元に戻す構成が第1の実施の形態と異なるだけで、その他の構成は第1の実施の形態と同様である。したがって、第1の実施の形態と同様の構成には同一番号を付して説明を省略する。
図26において、第1アーム部材55の取付け部81a、81bにはスプリング83a、83bの一端部が取付けられているとともに、第2アーム部材56の取付け部82a、82bにはスプリング83a、83bの他端部が取付けられており、このスプリング83a、83bは回動軸66を挟んで対向している。
このような構成を有する補助部材54では、第2アーム部材56が第1アーム部材55に対して一方に、例えば、図25(b)に示すように下方に折れ曲がったときに、第2アーム部材56がスプリング83aに引っ張られて第1アーム部材55および第2アーム部材56が直線状に復帰する。
また、第2アーム部材56が第1アーム部材55に対して他方に、例えば、上方に折れ曲がったときに、第2アーム部材56がスプリング83bに引っ張られて第1アーム部材55および第2アーム部材56が直線状に復帰する。
本実施の形態では、スプリング83a、83bによって第2アーム部材56を元の位置に復帰させることができるので、補助部材54を元の位置に復帰させる作業を不要にできる。このため、握力が弱い車椅子を使用したユーザにとって余計な労力を使わずに第2アーム部材56を元の位置に復帰させることができる。
なお、図27に示すように、第1アーム部材55に係止片84を設け、第2アーム部材56を係止片84に係止させることにより、第2アーム部材56が図27中、上方に屈曲するのを規制する場合には、スプリング83aを1つだけ設けるようにしても良い。
図28〜図30は本発明に係る補助装置、補助装置を備えた画像読取装置、画像読取装置を備えた画像形成装置の第4の実施の形態を示す図である。なお、本実施の形態では、第1アーム部材55の基端部52aの構成が第1の実施の形態と異なるだけで、その他の構成は第1の実施の形態と同様である。したがって、第1の実施の形態と同様の構成には同一番号を付して説明を省略する。
図27、図28において、第1アーム部材55の基端部52a内には貫通孔55bおよび貫通孔55bよりも内径の小さい挿通孔55cが形成されており、挿通孔55cが外部ブラケット60にカシメまたは溶接等によって固定された固定軸91に回動自在に取付けられている。
また、貫通孔55bの内周部と固定軸91の間には一定の隙間が形成されており、第1アーム部材55の基端部52aは固定軸91に対して上下方向に揺動可能になっている。
また、固定軸91の一端部には円盤92に取付けられているとともに、固定軸91の他端部には補強板93が取付けられており、この円盤92と補強板93の間にはスプリング94が介装されている。
このスプリング94は、補強板92を加圧することにより、補助部材54をヒンジ機構9によるADF8の開放支点に対して略直交する方向になるように補助部材54の姿勢を保つ機能を果たしている。
本実施の形態では、補助部材54に外力が加わった場合には、第1アーム部材55が固定軸91に対して傾くが、円盤92が貫通孔55bの内周面に当接するので、補助部材54が極端に傾いてしまうのを防止することができる。
また、この第1アーム部材55が傾いた状態にあるときに、スプリング94によって補強体92を加圧するので、第1アーム部材55を自動的に元の姿勢に復帰させることができる。
なお、貫通孔55bを図30に示すように、第1アーム部材55の延在方向と平行するように長穴に形成するようにすれば、第1アーム部材55が複写機1の手前から奥側の傾きに対して変化させ、複写機1の上下方向に移動するのを規制することができ、補助部材54の操作性を向上させることができる。
図31〜図40は本発明に係る補助装置、補助装置を備えた画像読取装置、画像読取装置を備えた画像形成装置の第5の実施の形態を示す図である。なお、本実施の形態では、第1アーム部材55の基端部52aに緩衝部材を設けた点が第1の実施の形態と異なるだけで、その他の構成は第1の実施の形態と同様である。したがって、第1の実施の形態と同様の構成には同一番号を付して説明を省略する。
図31、図32において、第1アーム部材55の基端部52aには、緩衝部材としてのオイルタイプのディスクダンパ101が設けられており、このディスクダンパ101は固定軸62に取付けられている。
このディスクダンパ101にはフランジ部101aが設けられており、このフランジ部101aはネジ103によって第1アーム部材55のブラケット102に固定されている。
また、ブラケット102は軸受104aによって固定軸62に位置決めされているとともに、第1アーム部材55の基端部52aは軸受104bによって固定軸62に位置決めされており、第1アーム部材55が軸受104a、104bによって固定軸62に対して軸方向に支持されることにより、ディスクダンパ101にラジアル荷重がかからないようになっている。
このディスクダンパ101は、固定軸62を介してADF筐体15に取付けられるとともに、ブラケット102を介して第1アーム部材55の基端部52aに取付けられ、内部のオイル抵抗によって第1アーム部材55をADF8に対して付勢するようになっている。
具体的には、ディスクダンパ101はADF8の開閉時に補助部材54が受け台68に向かって回動する方向と反対の方向に回動するのを付勢する第1の付勢力を有しており(図33参照)、ADF8が補助部材54に対して閉塞方向に移動するときに、ADF8はディスクダンパ101によって付勢されることになる。
次に、ダンパ機能について説明する。
ADF8はヒンジ機構9を介して第2の装置本体7に開閉自在に装着されているが、このヒンジ機構9は、ADF8の開閉角度が所定角度以上になると、フリーストップする役割を果たしている(図19参照)。
ADF8が開放状態にあると、図34〜図36に示すように、補助部材54が自重によって基端部52aを中心に回動してストッパー部49bがストッパー部49aに当接するまで補助部材54が回動する。
次いで、ADF8を閉じるために、車椅子を使用したユーザが把持部材57を把持して補助部材54を引っ張ると、ADF8がヒンジ機構9を支点にして回動する。
このとき、ADF8がフリーストップ領域Aから外れると、図37に示すように、ADF8は自重で落下する。このとき、ディスクダンパ101が設けられていない場合には、第2の装置本体7の上面と接触するため、「バタン」という衝突音が発生し、騒音となってしまう。
本実施の形態では、補助部材54を引っ張ることにより、補助部材54の第2アーム部材56が受け台68に当接する位置まで移動すると、第2アーム部材56を受け台68に当接する。この状態で補助部材54を引っ張ると、ADF8がスリーストップ領域Aから外れてADF8が自重によって落下する。
このとき、ディスクダンパ101によって補助部材54が受け台68に向かって回動する方向と反対の方向に回動するのを付勢するので、ADF8がフリーストップ領域Aから外れて自重によって落下するときに、補助部材54の基端部52aに設けられたディスクダンパ101がADF8を付勢することにより図38に示すように、ADF8が自重によって急速に閉じられてしまうのを防止することができ、ADF8の閉塞時に衝突音が発生するのを防止することができる。
なお、本実施の形態では、緩衝手段をディスクダンパ101から構成しているが、図39に示すようにギアタイプのディスクダンパを設けても良い。
具体的には、第1アーム部材55にアームギヤ105を固定し、ADF筐体15にギアタイプのオイルダンパ106を設け、オイルダンパ106をアームギヤ105に噛合する。
このオイルダンパ106は補助部材54が受け台68に向かって回動する方向と反対の方向に回動するのを付勢する第1の付勢力を有している。したがって、上述したディスクダンパ101と同様の機能により、ADF8が自重によって急速に閉じられてしまうのを防止することができ、ADF8の閉塞時に衝突音が発生するのを防止することができる。
また、本実施の形態のディスクダンパ101やオイルダンパ106は、補助部材54が受け台68に向かって回動する方向と反対の方向に回動するのを付勢する第1の付勢力を有してのみであるが、ADF8の開閉時に補助部材54が受け台68側に向かって回動する方向に付勢する第2の付勢力を設定するようにしても良い。
すなわち、図40に示すように、第1アーム部材55の基端部52aには、緩衝部材としてのオイルタイプのディスクダンパ117を設けられており、このディスクダンパ117は固定軸62に取付けられている。
このディスクダンパ117には図示しないフランジ部が設けられており、このフランジ部は図示しないネジによって第1アーム部材55の所定個所に固定されており、内部のオイル抵抗によって第1アーム部材55をADF8に対して付勢するようになっている。
具体的には、ディスクダンパ117は、補助部材54が受け台68側に向かって回動する方向に付勢する第2の付勢力を有しており、ディスクダンパ101の第1の付勢力はディスクダンパ117の第2の付勢力よりも大きい付勢力に設定されている。
このようにすれば、補助部材54はADF8に比べて軽量であるため、補助部材54が自重によって受け台68に当接するまで移動するときに、ディスクダンパ117によって小さい付勢力で補助部材54が受け台68に移動する方向に付勢することにより、補助部材54が受け台68に当接するときに衝突音が発生するのを防止することができる。また、このようにすれば、受け台68の上面に弾性部材68aを設ける必要がなくなり、受け台68の製造コストを低減することができる。
また、補助部材54よりも重量を有するADF8が閉塞する方向に移動する場合には、ディスクダンパ101によって大きな付勢力でADF8が閉塞する方向に移動するのを付勢することにより、ADF8の閉塞時に衝突音が発生するのを防止することができる。
図41〜図44は本発明に係る補助装置、補助装置を備えた画像読取装置、画像読取装置を備えた画像形成装置の第6の実施の形態を示す図である。なお、本実施の形態では、受け台68を廃止した点が第1の実施の形態と異なるだけで、その他の構成は第1の実施の形態と同様である。したがって、第1の実施の形態と同様の構成には同一番号を付して説明を省略する。
図41〜図44において、補助部材54が待機位置にあるときには、補助部材54は鉛直方向に延在した状態で把持部材57がADF8の下方に位置している。
このとき、第1の実施の形態に比べて把持部材57の待機位置がさらに下方に位置しているため、車椅子を使用したユーザは低い位置で把持部材57を把持することができる。
次いで、補助部材54を押圧すると、補助部材54が基端部52aを支点にして回動を開始し、ストッパー部材69に当接してヒンジ機構9を支点にしてADF8を開放する。
また、ADF8が所定角度回動すると、ヒンジ機構9によってフリーストップ機能が働き、ADF8は所定角度開放された状態を維持する。この状態でコンタクトガラス17に閉じられた原稿や本等を載置して複写を行う。
また、ADF8が開放された状態にあるときに、補助部材54が自重によって基端部52aを中心にして下方に回動する。このとき、第1アーム部材55の基端部52aに設けられたストッパー部49aがADF筐体15に設けられたストッパー部49aに衝突して補助部材54が所定角度だけ傾斜位置で停止する。このとき、把持部材57は操作パネル50の近傍の高さに位置している。
次いで、ADF8を閉じる際には、ストッパー部49bがストッパー部49aに当接した状態にある補助部材54の把持部材57を把持して、補助部材54を引っ張ることにより、ADF8が補助部材54を介して閉塞方向に引っ張られる。
このとき、ADF8がフリーストップ領域Aを外れて自重によって落下するが、このときには、ユーザは第2アーム部材56をストッパー部材69に当接させた状態でADF8を閉じることにより、ADF8が第2の装置本体7の上面に衝突して衝撃が加わったり、衝突音が発生するのを防止することができる。
本実施の形態では、補助部材54の基端部をADF8に回動自在に連結したので、ADF8が開放状態にあるときに、補助部材54の自重によって把持部材57が下方に揺動し、補助部材54のストッパー部49bがストッパー部49aに当接して補助部材54の回動を規制することができるため、把持部材57が低い位置になり、車椅子を使用したユーザが把持部材57を把持して補助部材54を引っ張ることにより、ADF8を容易に閉塞することができる。
この結果、車椅子を使用したユーザがADF8の開閉作業を容易に行うことができ、複写機1の使用性を向上させることができる。また、このようにすれば、受け台68を不要にして複写機1の製造コストを低減することができる。
なお、上記各実施の形態では、第2把持部57bを第1把持部57aの延在方向に対して略直交する右方向に延在させているが、図45、図46に示すように、第2把持部57bを、第1把持部57aの延在方向に対して略直交する鉛直方向の上方向に延在させるようにしても良い。すなわち、第2把持部57bを、補助部材54の回転軸方向に対して略直交方向に延在するようにしても良い。
このようにすれば、第2把持部57bが上下方向に延在するようになるため、第2把持部57bを把持したときに力が入り易くなる。したがって、少ない握力で第2把持部57bを把持することができるようになり、手が不自由なユーザであっても、拳または手のひらで第2把持部57bを上下方向に押圧したり、引っ張ることによってADF8を開閉することができ、補助部材54の操作性を向上させることができる。
また、図47に示すように、把持部材120を拳や手のひらよりも大きい四角形状に形成しても良い。具体的には、把持部材120を、第2アーム部材56の先端部に一体的に取付けられ、ADF8の開閉支点に対して略直交する方向、すなわち、図1中、前後方向に延在する第1把持部120aと、第1把持部120aの延在方向に対して略直交する方向、すなわち、水平方向に沿って右側に延在する第2把持部120bと、第2把持部120bの延在方向に対して略直交する方向、すなわち、第1把持部120aの延在方向と平行に延在する第3把持部120cと、第3把持部120cの延在方向に対して略直交する方向、すなわち、第2把持部120bと平行に延在する第4把持部120dとから構成しても良い。
このように構成した場合であっても、手が麻痺していたり、指が欠損する等して把持部材120を強い保持することができないユーザであっても、把持部材120に拳や手のひらを挿入して、把持部材120に拳や手のひらを引っ掛けることによって補助部材54を操作することができ、補助部材54の操作性を向上させることができる。
また、図48に示すように、把持部材120の第2把持部120bを第1把持部120a延在方向に対して略直交する鉛直方向の上方向に延在させるようにしても良い。
また、把持部材120を四角形状にするのに代えて、図49に示すように、拳や手のひらよりも大きい開口部121aを有する把持部材121から構成しても良い。
このようにしても、手が麻痺していたり、指が欠損する等して把持部を強い保持することができないユーザであっても、開口部121aに拳や手のひらを挿入して、把持部材121に拳や手のひらを引っ掛けることによって補助部材54を操作することができ、補助部材54の操作性を向上させることができる。
また、上記各実施の形態では、ADF8の開放時に補助部材54をストッパー部材69に当接させて小さな操作力がADF8の開放を行うことができるようにしているが、ストッパー部材69を廃止しても良い。この場合、把持部材57を把持して補助部材54を押圧することにより、補助部材54を介してADF8を開放すれば良い。
また、上記各実施の形態では、受け台68を第2の装置本体7の右側部に設け、この受け台68によって補助部材54を支持するようにしているが、これに限らず、図50に示すように、補助部材54が装着されている側の第2の装置本体7の側面を、ADF8よりも側方に延在させることにより、第2の装置本体7の上面によって補助部材54を支持しても良い。
このようにすれば、受け台68を不要にして複写機1の製造コストを低減することができる。
また、上記各実施の形態では、補助装置51をADF筐体15の右側部に設けるようにしているが、図51に示すように、左側部に設けるようにしても良い。この場合には、特に、車椅子を使用した左利きのユーザ100によって使用性が高いものとなる。
なお、上記各実施の形態では、開閉体としてADF8を用いているが、開閉体としては、原稿の自動搬送機能を有していない圧板を用いても良いことは勿論である。