JP4879621B2 - 水中離解性に優れた使い捨て清掃具用の板紙 - Google Patents
水中離解性に優れた使い捨て清掃具用の板紙 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4879621B2 JP4879621B2 JP2006086681A JP2006086681A JP4879621B2 JP 4879621 B2 JP4879621 B2 JP 4879621B2 JP 2006086681 A JP2006086681 A JP 2006086681A JP 2006086681 A JP2006086681 A JP 2006086681A JP 4879621 B2 JP4879621 B2 JP 4879621B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- paperboard
- paper
- strength
- disposable cleaning
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Non-Flushing Toilets (AREA)
- Cleaning Implements For Floors, Carpets, Furniture, Walls, And The Like (AREA)
- Paper (AREA)
Description
プと大同小異であったり、加工が面倒であったりなどの問題点があり、決して満足の得られるものではなかった。また、厚紙を用いたヘラは、拭い取り作業には好適な強度を備えていて使い勝手は良いものの、水解性が全く無いために、使用後に放流水中に不用意に投棄すると配管内に詰まってトラブルの原因になり、また、汚れたヘラの後処理はなにかと面倒であった。
本発明の請求項1に係る水中離解性に優れた使い捨て清掃用の板紙は、使用時には高い強度を保つが、水中では強度を失い、一定水流によって容易に崩壊する。したがって、汚れの拭い取が容易でありながら、使用後に放流水中などに投棄しても配管内に詰まってトラブルの原因になるおそれも少なく、取り扱いが至便で後処理も容易な板紙を提供できるに至った。
こうすることにより、使用時には高い強度を保つが、水中ではまず容易に崩壊し易い坪
量にまで剥離し、一定水流によってシート状から繊維状に崩壊するからである。
層間剥離強度が0.38MPaを下回ると、各種製品の製造時の抜き加工工程で罫線部などの薄肉厚部に層間剥離が生じるおそれがあり、逆に0.90MPaを上回ると水中での層間強度が高くなるため、離解しにくくなるからである。
層間剥離強度を0.38〜0.90MPaとするためには、多層抄き板紙における各層の付け量や原料の種類、配合率、原料パルプの濾水度、また、多層抄き板紙製造時における脱水条件、プレス条件などにより調整することができる。
密度が0.4g/cm3 を下回ると、密度が低すぎるために使い捨て清掃具として紙剛性が弱く、汚れを拭い取る強度が不十分であり、また作業中から繊維状に崩壊がはじまり、十分な清掃ができないという問題を生じる。逆に0.8g/cm3 を越えると、水の浸透が悪くなり、離解性が悪くなるからである。
そこで、本発明では、濾水度が450〜750mlであることが望ましく、550〜700mlとすることがより望ましい。
450mlを下回ると叩解が進みすぎて、パルプ繊維同士の絡み付きが強くなり、離解し難くなり、逆に、750mlを上回るとパルプ繊維の絡み合いが極めて少なくなるため、抄紙時に断紙トラブルが発生するほか、使い捨て清掃具として作業中から繊維状に崩壊がはじまり、十分な清掃ができないという問題を生じる。
40mmよりも下回ると、水が滲み込みにくく、層間剥離し難くなるからである。
多層抄き板紙のクレム吸水度を40mm以上とするためには、各層の付け量や原料の種類、配合率、原料パルプの濾水度、密度、また、多層抄き板紙製造時における脱水条件、プレス条件などにより調整することができる。
何故なら、古紙が含まれると、古紙由来のサイズ剤や紙力増強剤が混入するため、離解性を悪化させる原因となるからである。ただし、使用する古紙が無サイズ、紙力増強剤無添加の場合にはこの限りでない。
すなわち、パルプ繊維が太く、長い針葉樹クラフトパルプを70〜100%配合することにより、清掃作業中は適度な強度を有しつつ、清掃作業後に放流水中に投棄すると素早く解れやすい性質となる。
坪量としては、170〜800g/m2 が望ましく、300〜700g/m2 とすることがより望ましい。
170g/m2 を下回ると紙剛性が弱く、汚れを拭い取る強度が不十分であり、逆に800g/m2 を上回ると紙内部までに水が浸透するのに時間がかかり、層間剥離しにくく、かつ、離解しにくくなるからである。
更に詳しくは、例えば、使い捨て清掃具としては、上記により得られた水中離解性に優れた板紙を、複数枚重ねるか若しくは折り畳むなどして保持具に挟持することで、清掃具とすることができる。また、前記水中離解性に優れた板紙自身を折り畳むなどして平面状に作製した若しくは筒状などの立体状に作製した清掃具とすることもできる。
針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)100%からなるスラリーを、抄造後離解した際のカナディアンスタンダードフリーネス(CSF)が630mlになるように調節した原料を使用した。
これらを円網多層抄紙機にて、各層の付け量を65g/m2 として、7層構造で抄き合わせ、450g/m2 の多層抄き板紙を抄紙した。
原料パルプ配合比率を表1の示す値に調整したことを除くその他の点は実施例1と同様
にして得た多層抄き板紙。
多層抄きとする層数、各層の付け量を表1の示す値に調整したことを除くその他の点は実施例1と同様にして得た多層抄き板紙。
濾水度を表1の示す値に調整したことを除くその他の点は実施例1と同様にして得た多層抄き板紙。
原料パルプ配合比率、多層抄きとする層数、各層の付け量を表1の示す値に調整したことを除くその他の点は実施例1と同様にして得た多層抄き板紙。
1層抄きとしたことを除くその他の点は実施例1と同様にして得た多層抄き板紙。
濾水度を表1の示す値に調整したことを除くその他の点は実施例1と同様にして得た多層抄き板紙。
通常コートボール600g/m2 を用いて、実施例1と同一の方法でサンプルを作製した。
TAPPI UM522に準じて、Z軸方向の層間強度を測定した。
JIS−P8141 紙及び板紙―吸水度試験方法―クレム法に準じて、縦200mm、横15mmに調整した試料の下端を鉛直に水の中に浸せきし、10分間に水が上昇した高さを測定した。
ここで、表1中の「原料パルプの配合比率」とは、JIS−P8120に記載の「紙、板紙及びパルプ繊維組成試験方法」に準拠して測定した繊維比率の値である。
なお、層剥離は以下の手順で行う。まず、各試料から得た各サンプルを室温の水に約1時間浸漬する。水に浸漬した各サンプルを、角を起点として10mmΦ程度の丸棒に巻き付けた後、丸棒を転がして各サンプルをしごく。この操作を各サンプルの四隅の全ての角を起点に繰り返し、各方向からサンプルにしごきの力を加える。これにより、各サンプルの層間の一部が剥離してくるので、これを利用して、表層、中層、及び裏層に分離して層剥離を行う。
「付け量(g/m2 )」とは、上述した層剥離を行い、各層のそれぞれの米坪をJIS−P8124に記載の「紙及び板紙―坪量測定方法」に準拠して測定した値である。
また、「濾水度(cc)」は、上述した層剥離後の試料を約3cm2 の大きさに裁断して約25gの重さの試験片とし、この試験片を1リットルの水に24時間浸漬した後、JIS−P8220に準拠して標準離解機で15分間離解処理し、試験片が完全に離解していることを目視で確認した後、JIS−P8121に準拠してカナダ標準濾水度試験機にて測定した濾水度の値である。
結果を表1に示す。
各実施例で得られた紙片について、JIS−P4501「トイレットペーパー 4.5ほぐれやすさ」の方法に順じて評価した。但し、JISと異なるポイントとしては、
試料サイズ:30×50mmサイズ(JISでは114×114mm角)
回転数: 550rpmに上昇するまでにかかった時間(JISでは540rpm)
である。
※1:層間剥離するまでの時間
※2:回転数が550rpmまでに上昇するまでの時間(離解しないものは1200秒まで測定)
水洗トイレの水たまり部分(水深さ80mm)に、各実施例で得た紙片を入れて何回目のフラッシュで流れるか評価した。
試料サイズ:150×30mm
○印:1〜3回で流れる
△印:4〜6回で流れる
×印:7回以上でも流れない
また、実施例4、5、9、12は、水洗性評価にもある通り、4〜6回のフラッシュで流れることが分かった。
実施例4、5、9、12は、水洗トイレに流すことができるが、層間強度が高い、及び/又はクレム吸水度が低いことにより、水洗性評価がやや低くなった。
Claims (2)
- 使い捨て清掃具に用いられる、少なくとも2層以上からなる多層抄き板紙において、一層当りの付け量が25〜130g/m2 であり、層間強度(ТAPPI UM522)が0.38〜0.90MPa、密度が0.4〜0.8g/cm 3 、JIS−P8220に準拠して標準離解機にて試料を離解処理した後、JIS−P8121に準拠してカナダ標準濾水度試験機にて測定した濾水度が450〜750mlであることを特徴とする水中離解性に優れた使い捨て清掃具用の板紙。
- クレム吸水度が40mm以上となることを特徴とする請求項1に記載の水中離解性に優れた使い捨て清掃具用の板紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006086681A JP4879621B2 (ja) | 2006-03-27 | 2006-03-27 | 水中離解性に優れた使い捨て清掃具用の板紙 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006086681A JP4879621B2 (ja) | 2006-03-27 | 2006-03-27 | 水中離解性に優れた使い捨て清掃具用の板紙 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007262596A JP2007262596A (ja) | 2007-10-11 |
JP4879621B2 true JP4879621B2 (ja) | 2012-02-22 |
Family
ID=38635849
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006086681A Expired - Fee Related JP4879621B2 (ja) | 2006-03-27 | 2006-03-27 | 水中離解性に優れた使い捨て清掃具用の板紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4879621B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7060429B2 (ja) | 2018-03-30 | 2022-04-26 | 大王製紙株式会社 | 清掃物品及び清掃具 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SE404327B (sv) * | 1975-04-14 | 1978-10-02 | Mo Och Domsjoe Ab | Mjukpapper med hog absorptionsformaga for bade vatten och fett, innefattande ett forsta pappersskikt framstellt av uteslutande kemisk eller halvkemisk massa och ett andra pappersskikt framstellt av uteslutande .... |
JPH09137400A (ja) * | 1995-11-17 | 1997-05-27 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | 板 紙 |
JP2001098496A (ja) * | 1999-09-30 | 2001-04-10 | Oji Paper Co Ltd | 嵩高板紙 |
JP4048030B2 (ja) * | 2001-02-20 | 2008-02-13 | 大王製紙株式会社 | 水解性物品 |
JP2004068219A (ja) * | 2002-08-08 | 2004-03-04 | Oji Paper Co Ltd | アルンドドナックスパルプを用いた嵩高板紙 |
JP4347709B2 (ja) * | 2004-01-26 | 2009-10-21 | 大王製紙株式会社 | クッション紙 |
JP4746286B2 (ja) * | 2004-07-02 | 2011-08-10 | 大王製紙株式会社 | 水解性物品 |
JP4759251B2 (ja) * | 2004-11-22 | 2011-08-31 | 大王製紙株式会社 | コースター紙及びその原紙 |
-
2006
- 2006-03-27 JP JP2006086681A patent/JP4879621B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007262596A (ja) | 2007-10-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4694691B2 (ja) | 紙または板紙の積層体および積層体を製造する方法 | |
RU2670867C1 (ru) | Санитарно-гигиеническая бумага, содержащая волокнистые полуфабрикаты, происходящие из мискантуса, и способ ее производства | |
TW200912093A (en) | Wiping products with controlled lint properties | |
JP4776989B2 (ja) | 洗浄便座用トイレットロール | |
JP2009091690A (ja) | 紙袋用紙およびその製造方法 | |
JP2005068631A (ja) | カルボキシル化セルロース系繊維を含むティッシュ製品の製造方法 | |
JP4533806B2 (ja) | 水解性衛生紙 | |
JP2009161900A (ja) | 水解性衛生紙 | |
JP2007075523A (ja) | 水解性衛生紙 | |
JP4879622B2 (ja) | 水中離解性に優れた使い捨て清掃具用の板紙 | |
JP4879621B2 (ja) | 水中離解性に優れた使い捨て清掃具用の板紙 | |
JP6394511B2 (ja) | 紙製基材 | |
JP4119930B2 (ja) | マドラー用紙 | |
JP4253331B2 (ja) | 多層抄き板紙及び紙製容器 | |
JP6754417B2 (ja) | 食器用塗工紙 | |
JPH07216781A (ja) | 拭い用紙 | |
US20130186580A1 (en) | Hardwood pulp fiber-containing structures and methods for making same | |
JP4355283B2 (ja) | 食器用紙からなる撹拌用スティック及びスプーン | |
JP2004124314A (ja) | 衛生用紙 | |
JP2000170100A (ja) | 水分散性包装用紙及び包装紙 | |
JP2006168283A5 (ja) | ||
JP4533945B2 (ja) | 床材用含浸原紙及び床材用含浸紙 | |
JPH0291300A (ja) | 湿潤強度に優れ且つ水に分散可能な家庭用薄葉紙の製造方法 | |
JP2010144286A (ja) | 液体容器用紙基材 | |
JP7285359B2 (ja) | 食器用塗工紙及び紙製食器 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090223 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110210 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110222 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110420 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20111115 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20111130 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4879621 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141209 Year of fee payment: 3 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |