JPH09137400A - 板 紙 - Google Patents

板 紙

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JPH09137400A
JPH09137400A JP29992895A JP29992895A JPH09137400A JP H09137400 A JPH09137400 A JP H09137400A JP 29992895 A JP29992895 A JP 29992895A JP 29992895 A JP29992895 A JP 29992895A JP H09137400 A JPH09137400 A JP H09137400A
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JP
Japan
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paperboard
pulp
layer
bacterial cellulose
paper
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Application number
JP29992895A
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English (en)
Inventor
Makoto Fujita
誠 藤田
Toru Katsura
徹 桂
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛直度が高く、且つ優れた表面強度、層間強
度を有し、しかも紙粉の発生が著しく抑制された板紙を
提供することである。 【解決手段】 パルプを主原料とする湿紙の紙層を2層
以上合わせて製造する板紙において、該板紙の少なくと
も1層中に、バクテリアセルロースを含有することを構
成とする板紙。 【効果】 本発明のバクテリアセルロースを含有するこ
とを特徴とする板紙は、剛直度が高く、且つ優れた表面
強度、層間強度を有し、しかも紙粉の発生が著しく抑制
されたものである。その効果は、バクテリアセルロース
が極めて細いセルロースフィブリルから構成され、且
つ、その組成が、パルプ繊維と同一のセルロースである
ために、パルプ繊維との絡み合いが良好であり、パルプ
繊維と強固に接着することなどにより、剛直度が高く、
優れた表面強度、層間強度を有し、しかも紙粉の発生が
著しく抑制された板紙が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は板紙に関し、更に詳しく
は、剛直度が高く、且つ優れた表面強度、層間強度を有
し、しかも紙粉の発生が著しく抑制された板紙に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】板紙は、シートとしては、例えば物を包
装する際の下敷き及び上敷きなどに使用されるが、各種
の箱に加工して、内容物を充填する目的で使用される場
合も多い。従来より、板紙に要求される重要な特性とし
ては、高い剛直度(腰の強さ)及び表面強度、層間強度
などが強く、特に、紙粉の発生の少ないことが要求され
る。板紙をシートとして使用される場合は勿論である
が、特に加工されて使用する場合、例えば、箱に加工
し、内容物を充填したときなど、内容物に対して紙粉が
付着するという問題もあり、又、紙粉の発生は、作業性
を著しく低下させるものであり、これらの改良は常にユ
ーザーより強く要望されているものである。
【0003】板紙の剛直度を高める方法としては、
(1)紙層の厚さを厚くする、(2)剛直度の高いパル
プを使用する、(3)パルプの叩解度を調節する、など
の方法があるが、これらの方法では剛直度の向上に限界
があり、表面性など他の重要特性が悪化するなどの問題
を生じることもある。又、板紙の表面強度を増す方法と
して、(1)強度の強い化学パルプの配合量を増やす、
(2)紙に澱粉やポリアクリルアミドなどの紙力増強剤
を内添あるいは外添するなどがある。しかし、これらの
方法では、表面強度向上に限界があり、又薬品の外添で
は、新たに薬品を紙に塗布する装置を必要とする問題が
ある。
【0004】又、上記の板紙としての種々の特性の他
に、層間強度の改良を目的として、板紙製造時、ウェッ
トパートにおいて、層間に澱粉やポリビニルアルコール
の分散スラリーあるいはそれらの溶解液をスプレーする
ことも行われている。また、最近では、パルプを主原料
とする湿紙の紙層を2層以上合わせて製造する板紙にお
いて、特定の微細繊維状セルロース物質を配合した技術
も特開平7−229082号公報に開示されている。し
かしながら、この方法においても、強度向上は、未だ十
分であるとは言えない。
【0005】このように、板紙としての種々の重要特性
を満足させる技術は、未だ見い出されていないのが実状
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の板紙
の上記問題点を解決し、剛直度が高く、且つ優れた表面
強度、層間強度を有し、しかも紙粉の発生が著しく抑制
された板紙を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく、板紙に関して、従来とは全く異なる視
点から、バクテリアセルロースに注目して、鋭意研究し
た結果、本発明に至ったものである。即ち、本発明に係
わる板紙は、パルプを主原料とする湿紙の紙層を2層以
上合わせて製造する板紙において、該板紙中にバクテリ
アセルロースを含有することを特徴とするものである。
【0008】バクテリアセルロースは、培養条件によっ
て顆粒状、フィルム状、ブロック状など、種々の形状の
ものが得られ、それらを離解することにより微細なフィ
ブリル状となること、また、組成がパルプ繊維と同一の
セルロースであるために、水素結合によりパルプ繊維と
容易に接着することなどが、本発明における板紙として
の種々の重要特性を満足させるのに関与している。特に
バクテリアセルロースを板紙に適用することの利点は、
バクテリアセルロースフィブリルは、既に従来技術の所
で述べた微細繊維状セルロース物質に比べて遥かに細い
故に、パルプ繊維、あるいは、100メッシュを通過す
るような微細繊維などとの絡み合いが極めて良好である
ため、層間強度の向上や紙粉発生防止への寄与が大きい
と考えられる。さらに、古紙に由来する劣化繊維、微細
繊維などによる悪影響を減少させることができる。それ
故、環境に優しい板紙の提供が可能である。
【0009】本発明における板紙は、パルプを主原料と
する湿紙の紙層を2層以上合わせて製造する板紙におい
て、該板紙の少なくとも1層中に、該層のパルプに対し
て、バクテリアセルロースを含有させることによって、
剛直度が高く、且つ優れた表面強度、層間強度を有し、
しかも紙粉の発生が著しく抑制された板紙の提供を可能
にしたことにある。
【0010】本発明の板紙においては、上記の構成によ
っても、上記の板紙特性を満足する品質のものが得られ
るが、さらに効果を高めるために、2層以上の全ての層
にバクテリアセルロースを含有させることも可能であ
る。
【0011】本発明における板紙の少なくとも1層中
に、含有させるバクテリアセルロースの量は、通常、パ
ルプ(乾燥重量)100重量部に対して0.1重量%〜
10重量%であり、好ましくは、パルプ(乾燥重量)1
00重量部に対して0.5重量%〜7重量%であり、さ
らに好ましくは、パルプ(乾燥重量)100重量部に対
して1重量%〜5重量%である。
【0012】前述の通り、本発明の請求項1及び2に記
載された構成の板紙は、前述の板紙特性を十分満足させ
る品質のものであるが、本発明者らはさらに、本発明の
請求項3または4に記載された構成の板紙が、特定の板
紙特性を極めて効果的に向上させるのに役立つことを見
い出した。
【0013】即ち、本発明の請求項3に記載された通り
の、パルプを主原料とする湿紙の紙層を3層以上合わせ
て製造する板紙において、該板紙の最外層の少なくとも
1層中に、該層のパルプに対して、バクテリアセルロー
スを、1重量%〜7重量%含有することを特徴とする板
紙は、剛直度の高い板紙を得るのに最適であり、しか
も、表面強度の極めて高い板紙が得られることが解っ
た。
【0014】更に、本発明の請求項4に記載された通り
の、パルプを主原料とする湿紙の紙層を3層以上合わせ
て製造する板紙において、 該板紙の最外層以外の少な
くとも1層以上の内層に、該層のパルプに対して、バク
テリアセルロースを1重量%〜7重量%含有することを
特徴とする板紙は、紙粉の発生が著しく良く抑制された
板紙を得るのに最適であり、しかも、層間強度の極めて
高い板紙が得られることが解った。
【0015】また、これまで板紙製造において、100
メッシュ通過微細繊維分が多い原料を使用する場合に
は、例えば箱型に折り曲げる際、折り曲げ特性などの加
工特性に難点があったが、バクテリアセルロースを含有
させることによって、パルプ繊維間の接着が極めて良好
となるために、加工適性は甚だしく改良されることが判
明した。
【0016】本発明のバクテリアセルロースとは、微生
物により生産された、セルロース、セルロースを主鎖と
したヘテロ多糖、β−1,3、β−1,2等のグルカ
ン、のいずれか或はそれらの混合物である。なお、ヘテ
ロ多糖の場合のセルロース以外の構成成分は、マンノー
ス、フラクトース、ガラクトース、キシロース、アラビ
ノース、ラムノース、グルクロン酸等の6炭糖、5炭糖
及び有機酸等である。
【0017】バクテリアセルロースを生産する微生物
は、とくに限定されないが、アセトバクター・アセチ・
サブスピーシス・キシリナム(Acetobactor acetisubsp
xylinum) ATCC 10821或は同パストウリアン
(A.pasteurium)、同ランセンス(A.rancens)、サルシナ
・ベントリクリ(Sarcina ventriculi)、バクテリウム・
キシロイデス(Bacterium xyloides)、シュードモナス属
細菌、アグロバクテリウム属細菌等で、バクテリアセル
ロースを生産するものを利用することができる。なお、
培養方法としては、静置培養で作られたものの他に、例
えば特開昭62−175190号公報(発明の名称、網
状セルロース生成物及び微生物によるその製造方法)、
特公平5‐68235号公報(発明の名称、微生物によ
るセルロース性物質の製造方法)に記載された通気攪拌
培養で作られたものなど、何れも使用することができ
る。
【0018】静置培養で得られるバクテリアセルロース
は、ゲル状の膜であるため、離解した後、紙料に添加す
る。又、通気攪拌培養で得られるバクテリアセルロース
は、ゲル状の微細粒子であるため、軽度の離解処理或は
静置培養と同様の離解処理した後、紙料に添加すること
ができる。バクテリアセルロースの離解には、回転式の
離解機、ミキサー、ホモジナイザー、ビーター、リファ
イナーなどの、機械的剪断力を作用させる装置を用いる
ことができる。
【0019】本発明における板紙には、通常抄紙で用い
られる、染料、填料、サイズ剤、定着剤、乾燥紙力増強
剤などを必要に応じて含有するものである。さらに、紙
表面にサイズプレスなどにより、澱粉やポリビニルアル
コールなどを塗布することも可能である。製造には、長
網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、オント
ップ抄紙機、多チャンネルヘッドボックスを備えた抄紙
機、ワイヤー上に複数のヘッドボックスを有する抄紙機
などを単独または複数、あるいは数種組み合わせて多層
シートとして製造される。
【0020】また、本発明における板紙には、用途に応
じて、表面に種々の機能性塗工層を設けることも可能で
ある。塗工層の機能として、表面強度向上、印刷適性向
上、溌水性付与のための澱粉、ポリビニルアルコール、
ポリアクリルアミドおよびこれらの変性物等の高分子バ
インダーを主成分とした塗工層のみならず、感圧記録
性、感熱記録性、磁気記録性、熱転写記録性、電子写真
記録性を持たせるための塗工層を設けることも可能であ
る。
【0021】これら塗工層を設けるための塗工方式とし
ては、ブレード、エアナイフ、ロッド、メータリングバ
ー、カーテン、ダイ、リップ、スライドホッパー、コン
マ、マイクログラビア、ゲートロール、パドル、グラビ
アロール、リバースロール等の塗工方式が挙げられる。
また、塗工層の塗工は、抄紙機に付設してオンマシン形
式で塗工する方式、抄紙機と独立して、オフマシン形式
で塗工する方式のいずれの方式を採ることも可能であ
る。更に、溶融樹脂を押し出して塗工することも可能で
ある。
【0022】本発明における板紙は、シートとして、そ
のまま使用してもよいが、各種の形状、用途に適した加
工を施した各種の箱などに用いられる。特に、内容物を
清潔に保つ必要のある、例えば医薬品、化粧品および食
料品などの用途に好適である。
【0023】
【作用】本発明における、バクテリアセルロースを含有
する板紙は、剛直度が高く、且つ優れた表面強度、層間
強度を有し、しかも紙粉の発生が著しく抑制されたもの
である。
【0024】本発明においては、剛直度(タテ方向)、
表面強度(マックス)、層間強度及び紙粉の発生は、以
下の方法により求めた。 剛直度 JIS P8125 表面強度 JIS P8129 層間強度 JIS P8139 <紙粉評価>紙粉発生評価は,以下の機能を有する装置
により評価した。紙粉発生を評価する切り口を、10〜
15mmの厚みになるまで紙を重ねる。重ねた紙が動か
ないように抑える。黒い布を具備した面を一定圧、一定
速度で一定回数、紙の切り口に押しつける。本実施例の
評価では、一定圧:300g/cm2 一定速度:一往復(500mm)を1秒、一定回数:1
00往復とした。その後、黒い布に付着した紙粉の状態
を目視判定し、グレード付けをした。 グレード1…紙粉の付着殆どなし グレード2…紙粉の付着僅かあり グレード3…紙粉の付着ややあり グレード4…紙粉の付着あり グレード5…紙粉の付着かなりあり なお、実用上は、最低限度グレード3である。
【0025】
【実施例】以下では、本発明を実施例により詳細に説明
する。なお、本発明は実施例に限定されるものではな
い。以下における部、%は、すべて絶乾重量によるもの
である。また、塗工量を示す値は断わりのないかぎり乾
燥後の重量である。
【0026】バクテリアセルロース調製例 シュークロース50g/l、酵母エキス5g/l、硫安
5g/l、リン酸水素カリウム(KH2PO4)3g/
l、硫酸マグネシウム(MgSO4 7H2O)0.5g
/lからなる組成の培地(pH5.0)50lを容量2
00lの培養タンクに張り込み、120℃で20分間蒸
気殺菌して培養液を作製した。次いで、この培養液に酵
母エキス5g/l、ペプトン3g/l、マンニトール2
5g/lからなる組成の斜面寒天培地(pH6.0)で
30℃、3日間生育させたアセトバクター・アセチ・サ
ブスピーシス・キシリナム(ATCC 10821)を
接種し、30℃で培養した。
【0027】上記条件で30日間培養したところ、培養
液の上層に白色のバクテリアセルロース性多糖類を含む
ゲル状の膜が形成された。このセルロース性多糖類のゲ
ル状膜を水洗後、乾燥重量の200倍の水を加え、高速
ホモジナイザーを用いて15000rpmで10分間処
理し、バクテリアセルロースの0.5%離解物懸濁液を
調製した。
【0028】実施例1および比較例1 ビーターによりカナダ標準濾水度430mlまで叩解し
たNBKP70部とLBKP30部よりなるパルプスラ
リーを調製した。このパルプスラリー中に、パルプ10
0部に対して前記調製例のバクテリアセルロースを5%
含有させ、さらに、ロジンサイズ0.5%、硫酸バンド
2%、タルク5%を加えて、上層用の配合パルプスラリ
ーを調製した。これとは別に、上記の上層用の配合パル
プスラリーからバクテリアセルロースを除いた上層用の
配合パルプスラリーを調製した。これら上層用および下
層用の配合パルプスラリーを、それぞれ長網抄紙機・円
網抄紙機によって、各々坪量100g/m2 で2層を抄
き合わせした後、プレスにより搾水し、多筒式ドライヤ
ーで乾燥した後、塗工量が片面で1.5g/m2 になる
ように、酸化澱粉液でサイズプレスし、その後のマシン
カレンダーにより、プレス圧を変化させて、同一緊度の
板紙を得た。また、比較例1として、上記下層用の配
合パルプスラリーを、上層用の配合パルプスラリーとし
て用いた外は、実施例1と同様にして、板紙を製造し
た。
【0029】実施例2〜5および比較例2 実施例1における上層用の配合パルプスラリーと、全く
同じ配合パルプスラリーを、下層用の配合パルプスラリ
ーとして用いた外は、実施例1と同様にして、板紙を製
造した。ただし、上層、下層とも、バクテリアセルロー
スを0.05%含有させたもの(実施例2)、0.1%
含有させたもの(実施例3)、同様に5%含有させたも
の(実施例4)、同様に10%含有させたもの(実施例
5)を、各実施例2〜5の板紙として製造した。また、
比較例2として、上層、下層とも、バクテリアセルロー
スを含有させずに、比較例1と同様にして、板紙を製造
した。ただし、この際、下層の表面に、酢酸エステル化
ポテト澱粉(松谷化学工業社製)の1%スラリーを3.
0g/m2 スプレーし、このスプレーした側に、上層の
湿紙を重ね合わせて搾水した後、比較例1と同様にし
て、板紙を得た。
【0030】実施例6〜9および比較例3、4 3層構造の板紙を円網抄紙機で製造した。この際、中層
は、実施例1における下層と同様にして、バクテリアセ
ルロースを含有しないものを製造し、上層および下層
は、実施例2〜5と同様にして、バクテリアセルロース
を含有したものを製造した。ただし、上層、下層とも、
バクテリアセルロースを0.05%含有させたもの(実
施例6)、0.5%含有させたもの(実施例7)、同様
に2%含有させたもの(実施例8)、同様に7%含有さ
せたもの(実施例9)を、各実施例6〜9の板紙として
製造した。また、比較例3として、前記の比較例1と同
様に、バクテリアセルロースを含有しないもの、ただし
3層構造としたものを製造した。さらに、比較例4は、
実施例6〜9と同様に製造した。ただし、上層および下
層に含有させたバクテリアセルロースの代わりに、アニ
オン性アクリルアマイド系紙力増強剤(星光化学社製)
をパルプ100部に対して0.5%含有させた外は、実
施例6〜9と同様に製造した。
【0031】実施例10〜13および比較例5 実施例6〜9と同様に3層構造の板紙を製造した。ただ
し、上層および下層には、バクテリアセルロースを含有
させない前記の比較例1と同様にして製造したが、中層
は、前記の実施例1の上層と同様にして製造した。しか
し、この際、バクテリアセルロースを0.05%含有さ
せたもの(実施例10)、同様に1%含有させたもの
(実施例11)、同様に3%含有させたもの(実施例1
2)、同様に7%含有させたもの(実施例13)を、各
実施例10〜13の板紙として製造した。また、比較例
5として、実施例10〜13と同様に製造した。ただ
し、中層に含有させたバクテリアセルロースの代わり
に、アニオン性アクリルアマイド系紙力増強剤(星光化
学社製)をパルプ100部に対して0.5%含有させた
外は、実施例10〜13と同様に製造した。
【0032】実施例14、15および比較例6 実施例10〜13と同様に3層構造の板紙を製造した。
ただし、中層のパルプ配合は、ビーターによりカナダ標
準濾水度430mlまで叩解したNBKP70部とLB
KP30部よりなるパルプスラリー70重量%と、新聞
古紙パルプに由来する100メッシュ通過分100%の
もの、30重量%を攪拌混合して調製した。この混合パ
ルプスラリー中に、パルプ100部に対して、バクテリ
アセルロースを3%添加した外は実施例10〜13と同
様にして板紙を製造した(実施例14)。また、上記パ
ルプスラリー30重量%と、新聞古紙パルプに由来する
100メッシュ通過分100%のもの、70重量%を攪
拌混合して調製した。この混合パルプスラリー中に、パ
ルプ100部に対して、バクテリアセルロースを5%含
有させた外は、実施例10〜13と同様にして板紙を製
造した(実施例15)。さらに、比較例6として、実施
例15から、バクテリアセルロースを除いた以外は、実
施例15と同様にして板紙を製造した。
【0033】このようにして製造された各板紙につい
て、板紙特性試験を行った。得られた結果を表1に示
す。なお、バクテリアセルロースはBCと表示した。
【0034】
【表1】
【0035】表中の*1は、上層にのみ酢酸エステル化
ポテト澱粉の1%スラリーを3.0g/m2スプレーし
たもの。表中の*2は、上層および下層に、アクリルア
マイド系紙力増強剤をパルプ100部に対して0.5%
含有させたもの。表中の*3は、中層に、アクリルアマ
イド系紙力増強剤をパルプ100部に対して0.5%含
有させたもの。
【0036】表1の結果から、本発明の構成による板紙
は、以下のとおり、優れた板紙特性が得られることが解
る。
【0037】(1)2層構造の板紙において、上層のみ
に、バクテリアセルロースを5%含有させたものは、上
層、下層ともバクテリアセルロースを含有させないもの
と比べて、優れた板紙特性示すことは、表1の結果から
明らかである(実施例1と比較例1)。 (2)2層構造の板紙において、上層及び下層に、バク
テリアセルロースを、それぞれ0.05%、0.1%、
5%、10%含有させたものは、優れた板紙特性が得ら
れることが解る。さらに、バクテリアセルロースを0.
1%〜10%含有させたものは、操業性を維持しつつ、
優れた板紙特性が得られることが解る。しかしながら、
上層にのみ、酢酸エステル化ポテト澱粉の1%スラリー
を3.0g/m2 スプレーしたものは、劣った板紙特性
しか得られないことが解る(比較例2)。なお、実施例
5と同様にして行ったものであるが、バクテリアセルロ
ースを、11%含有させたものは、配合パルプスラリー
の濾水度が低すぎて、良く抄紙できなかった。
【0038】(3)3層構造の板紙において、上層、下
層とも、バクテリアセルロースを、0.05%含有させ
たもの(実施例6)、同様に0.1%含有させたもの
(実施例7)、同様に2%含有させたもの(実施例
8)、同様に7%含有させたもの(実施例9)は、バク
テリアセルロースの含有量が増加するほど、優れた板紙
特性が得られることが解る。板紙特性としては、特に、
剛直度および表面強度において、優れた品質のものが得
られる。前記の比較例1と同様ではあるが、3層構造と
も、いずれもバクテリアセルロースを含有させないもの
は、極めて劣った板紙特性しか得られないことが解る
(比較例3)。また、実施例7〜9と同様に製造したも
のではあるが、上層および下層に含有させたバクテリア
セルロースの代わりに、アニオン性アクリルアマイド系
紙力増強剤を、パルプ100部に対して0.5%含有さ
せたものは、実施例7〜9と比較して、劣った板紙特性
しか得られないことが解る(比較例4)。
【0039】(4)3層構造の板紙において、上層およ
び下層には、バクテリアセルロースを含有させずに、中
層のみに、バクテリアセルロースを0.05%含有させ
たもの(実施例10)、同様に1%含有させたもの(実
施例11)、同様に3%含有させたもの(実施例1
2)、同様に7%含有させたもの(実施例13)は、バ
クテリアセルロースの含有量が増加するほど、優れた板
紙特性が得られることが解る。板紙特性としては、特
に、層間強度が強く、紙粉の発生の著しく抑制された優
れた品質の板紙が得られる。また、実施例10〜13と
同様ではあるが、中層に含有させたバクテリアセルロー
スの代わりに、アニオン性アクリルアマイド系紙力増強
剤を、パルプ100部に対して0.5%含有させたもの
は、実施例10〜13と比較して、劣った板紙特性しか
得られないことが解る(比較例5)。
【0040】(5)3層構造の板紙において、実施例1
0〜13と同様ではあるが、中層のパルプ配合として、
ビーターによりカナダ標準濾水度430mlまで叩解し
たNBKP70部とLBKP30部よりなるパルプスラ
リー70重量%と、新聞古紙パルプに由来する100メ
ッシュ通過分100%のもの、30重量%を攪拌混合し
て調製し、この混合パルプスラリー中に、パルプ100
部に対してバクテリアセルロースを3%添加した外は、
実施例10〜13と同様にして、板紙を製造したもの
は、中層に新聞古紙パルプが混在しているにも拘らず、
層間強度が強く、紙粉の発生が良く抑制された優れた品
質の板紙が得られることが解る(実施例14)。また、
上記のNBKP70部とLBKP30部よりなるパルプ
スラリー30重量%と、新聞古紙パルプ由来する100
メッシュ通過分100%のもの、70重量%を攪拌混合
して調製し、この混合パルプスラリー中に、パルプ10
0部に対してバクテリアセルロースを5%含有させた外
は、実施例10〜13と同様にして板紙を製造したもの
は、中層に新聞古紙パルプに由来する100メッシュ通
過分100%のものが、混在しているにも拘らず、層間
強度が強く、紙粉の発生が著しく抑制された優れた品質
の板紙が得られることが解る(実施例15)。さらに、
比較例6として、実施例15から、バクテリアセルロー
スを除いた以外は、実施例15と同様にして板紙を製造
したものは、極めて劣った板紙特性しか得られないこと
が解る(比較例6)。
【0041】(6)上記3層構造の板紙において、実施
例14および15と同様であるが、中層のパルプ配合と
して、新聞古紙パルプの代わりに、メカニカルパルプ
(GP)に由来する100メッシュ通過分100%のも
のを使用した場合も、実施例14および15と同様、優
れた品質の板紙が得られた。
【0042】
【発明の効果】本発明の板紙、即ち、バクテリアセルロ
ースを含有することを特徴とする板紙は、剛直度が高
く、且つ優れた表面強度、層間強度を有し、しかも紙粉
の発生が著しく抑制されたものである。その効果は、バ
クテリアセルロースが極めて細いセルロースフィブリル
から構成され、且つ、その組成が、パルプ繊維と同一の
セルロースであるために、パルプ繊維との絡み合いが良
好であり、パルプ繊維と強固に接着することなどによ
り、剛直度が高く、優れた表面強度、層間強度を有し、
しかも紙粉の発生が著しく抑制された板紙が得られる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルプを主原料とする湿紙の紙層を2層
    以上合わせて製造する板紙において、該板紙の少なくと
    も1層中に、バクテリアセルロースを含有することを特
    徴とする板紙。
  2. 【請求項2】 該板紙の少なくとも1層中に、該層のパ
    ルプに対して、バクテリアセルロースを0.1重量%〜
    10重量%含有することを特徴とする請求項1記載の板
    紙。
  3. 【請求項3】 パルプを主原料とする湿紙の紙層を3層
    以上合わせて製造する板紙において、該板紙の最外層の
    少なくとも1層中に、該層のパルプに対して、バクテリ
    アセルロースを1重量%〜7重量%含有することを特徴
    とする請求項1または2記載の板紙。
  4. 【請求項4】 パルプを主原料とする湿紙の紙層を3層
    以上合わせて製造する板紙において、該板紙の最外層以
    外の少なくとも1層以上の内層に、該層のパルプに対し
    て、バクテリアセルロースを1重量%〜7重量%含有す
    ることを特徴とする請求項1、2または3記載の板紙。
  5. 【請求項5】 パルプを主原料とする湿紙の紙層を2層
    以上合わせて製造する板紙において、少なくとも1層以
    上に、該パルプとして、100メッシュ通過微細繊維分
    が30重量%〜70重量%である層を、少なくとも1層
    以上有することを特徴とする請求項1、2、3または4
    記載の板紙。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007262597A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Toppan Printing Co Ltd 水中離解性に優れた使い捨て清掃具用の板紙
JP2007262596A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Toppan Printing Co Ltd 水中離解性に優れた使い捨て清掃具用の板紙

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