JPH06248594A - 低密度高平滑紙 - Google Patents

低密度高平滑紙

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JPH06248594A
JPH06248594A JP3507693A JP3507693A JPH06248594A JP H06248594 A JPH06248594 A JP H06248594A JP 3507693 A JP3507693 A JP 3507693A JP 3507693 A JP3507693 A JP 3507693A JP H06248594 A JPH06248594 A JP H06248594A
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JP
Japan
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paper
smoothness
pulp
low
rigidity
Prior art date
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JP3507693A
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English (en)
Inventor
Toru Katsura
徹 桂
Kenichi Okafuro
兼一 岡風呂
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低密度で剛直度と平滑性の優れた紙を提供す
ることである。 【構成】 バクテリアセルロース及び保水度1.1〜
1.5の広葉樹パルプから構成される低密度高平滑紙。
バクテリアセルロース(A)と、広葉樹パルプ(B)の
重量比(A/B)が1/99〜1/1である場合に、と
くに優れた紙が得られる。 【効果】 得られる紙が低密度で剛直度と平滑性に優れ
ているため、印字、印刷装置での作業性と印字品質に優
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低密度で剛直度と平滑
性の優れた紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、紙の規格は坪量で規定されている
が、印刷用紙や情報用紙の特性としては厚さの方が重要
であることが多い。とくに、印刷機やプリンターなどの
自動化に伴って、機械に紙を供給する際の作業性や機械
内での走行性の向上が求められる場合には、十分な剛直
度が必要なこともあり、機械や装置に合った厚さの紙を
供給することが先ず求められる。その際、当然のことで
はあるが、平滑性のような本来の用途の印刷や印字に関
連した品質特性は、変化しないかむしろ向上することが
期待される。
【0003】上記の紙の厚さに対する要求を満たすた
め、叩解の程度を減少させたり、プレスの線圧を軽くす
るなどの技術的対応が先ずとられる。しかし、それに伴
ってプレスロール汚れの発生、平滑性の低下、剛直度の
低下などが生じるため、対策には限界があった。やむを
得ず規格以上の坪量で紙を製造することが行われてきた
が、最近は木材資源保護の観点からその見直しが求めら
れている。
【0004】一方、紙の製造方法を改良して積極的に低
密度な紙を製造することも試みられている。それらに
は、特開昭59−43199号公報に開示されているよ
うに湿潤時に圧縮処理して潰した繊維を含有させる方
法、特開昭51−132822号公報に開示されている
ような発泡性の微小球状体をパルプに添加する方法、特
公昭55−47385号公報、特開昭58−24000
号公報、特開昭58−197400号公報などに開示さ
れているような、軽度に叩解したパルプと叩解を進めた
パルプを混合使用する方法等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、剛直度
と平滑性の優れた紙を製造するために種々の方法を検討
した。その結果、圧縮処理して潰した繊維を含有させる
方法や発泡性の微小球状体を紙に含有させる方法では、
低密度な紙は得られるものの、十分な剛直度と平滑性を
有する紙は得られないことが明らかになった。また、軽
度に叩解したパルプと叩解を進めたパルプを混合使用す
る公知の方法も、剛直で平滑性の優れた紙を製造するに
は不十分であった。すなわち、本発明の目的は、剛直度
と平滑性の優れた低密度高平滑紙を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、種々の方法について検討を試みた結果、軽度に叩解
した広葉樹パルプにバクテリアセルロースを混合して使
用することにより、目的とした剛直で平滑な紙が得られ
ることを見い出した。さらに、この方法が、製造工程の
大幅な変更を伴わずに実施できる点、及び木材資源の保
護につながる点で好ましいことも明らかになった。そこ
で、広葉樹パルプの叩解程度や、バクテリアセルロース
と広葉樹パルプの混合比率を最適化するための詳細な実
験を行った。
【0007】以上の検討の結果、バクテリアセルロース
と保水度が1.1〜1.5の広葉樹パルプを混合した場
合に、剛直度と平滑性の優れた紙の得られることが明ら
かになった。また、バクテリアセルロース(A)と保水
度が1.1〜1.5の広葉樹パルプ(B)の重量比(A
/B)が1/99〜1/1の範囲である場合に、特に好
ましいことも明らかになった。
【0008】本発明のバクテリアセルロースとは、微生
物により生産された、セルロース、セルロースを主鎖と
したヘテロ多糖、β−1,3、β−1,2等のグルカ
ン、のいずれか或はそれらの混合物であり、機械的剪断
力により水中に分散あるいは離解して用いる。なお、ヘ
テロ多糖の場合のセルロース以外の構成成分は、マンノ
ース、フラクトース、ガラクトース、キシロース、アラ
ビノース、ラムノース、グルクロン酸等の6炭糖、5炭
糖及び有機酸等である。
【0009】バクテリアセルロースを生産する微生物
は、とくに限定されないが、アセトバクター・アセチ・
サブスピーシス・キシリナム(Acetobactor acetisubsp
xylinum) ATCC 10821或は同パストウリアン
(A.pasteurium)、同ランセンス(A.rancens)、サルシナ
・ベントリクリ(Sarcina ventriculi)、バクテリウム・
キシロイデス(Bacterium xyloides)、シュードモナス属
細菌、アグロバクテリウム属細菌等で、バクテリアセル
ロースを生産するものを利用することができる。なお、
培養方法としては静置培養、通気攪はん培養のいずれを
使用しても構わない。
【0010】本発明では、叩解度の指標として、保水度
を取り上げた。測定の容易さの点からは濾水度が好まし
いが、濾水度はパルプの繊維形態や化学組成の影響も受
け易いため、繊維の柔軟性を規定する方法としては不適
当と考えた。
【0011】保水度は、TAPPI標準法UM256に
準拠して測定した値であり、所定の条件で遠心分離後、
湿潤パルプに保持されている水分の重量(W)を、パル
プ乾燥重量に対する比(W/P)として表した。ただ
し、本発明では遠心分離条件として、温度21±3℃、
3000g(g=重力加速度)、15分間とした。
【0012】本発明の広葉樹パルプの保水度は、1.1
〜1.5の範囲が好ましい。保水度が1.1未満の場合
は、繊維の柔軟性が不足するために十分な結合強度が得
られず、剛直度、平滑性とも低くなり、1.5を越える
場合は、厚さが減少し(密度が高くなり)、平滑性も低
下するため好ましくない。
【0013】本発明で、広葉樹パルプの保水度を調節す
るための手段としては、通常パルプの叩解に用いられる
設備、すなわちビーター、コニカルリファイナー、ディ
スクリファイナーなどを使用することが出来る。なお、
広葉樹パルプとしては、クラフトパルプ、サルファイト
パルプ、などを、単独で或は組み合わせて使用すること
が出来る。10%以下の針葉樹パルプを含有することも
差し支えない。
【0014】バクテリアセルロース(A)と広葉樹パル
プ(B)の重量比は、1/99〜1/1であることが好
ましい。含有比率1/99未満では、剛直度や平滑性の
改良効果が減少し、1/1を越えると湿紙乾燥時の収縮
が大きくなるために平滑性が悪化する。
【0015】本発明の紙には、通常抄紙で用いられる、
染料、填料、サイズ剤、定着剤、乾燥紙力増強剤などを
必要に応じて含有するものである。さらに、紙表面にサ
イズプレス等により、澱粉やポリビニルアルコールなど
を塗布することも可能である。また、用途に応じて表面
に塗工層を設けることも可能である。なお、その際の塗
工装置としては、エアナイフコーター、グラビアコータ
ー、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコータ
ーなどが用いられる。
【0016】本発明による低密度で剛直度と平滑性の優
れた紙は、未塗工の状態で使用する印刷用紙、電子写真
用転写紙、熱転写受像紙等に、あるいは印刷用塗工紙、
感熱記録紙、インクジェット用紙、磁気記録紙、等の原
紙として使用される。
【0017】
【作用】本発明の、バクテリアセルロース及び保水度が
1.1〜1.5の広葉樹パルプから構成される紙は、低
密度で剛直度と平滑性が優れている。
【0018】
【実施例】以下では、本発明を実施例により詳細に説明
する。なお、本発明は実施例に限定されるものではな
い。以下における部、%はすべて重量によるものであ
る。また、塗工量を示す値は断わりのないかぎり乾燥後
の重量である。
【0019】バクテリアセルロースの調製例 シュークロース5g/dl、酵母エキス0.5g/d
l、硫安0.5g/dl、リン酸水素カリウム0.3g
/dl硫酸マグネシウム(MgSO4 7H2O)0.0
5g/dlからなる組成の培地(pH5.0)50ml
を容量200mlの三角フラスコに張り込み、120℃
で20分間蒸気殺菌して培養液を作製した。次いで、こ
の培養液に酵母エキス0.5g/dl、ペプトン0.3
g/dl、マンニトール2.5g/dlからなる組成の
試験管斜面寒天培地(pH6.0)で30℃、3日間生
育させたアセトバクター・アセチ・サブスピーシス・キ
シリナム(ATCC 10821)を1白金耳ずつ接種
し、30℃で培養した。
【0020】上記条件で30日間培養したところ、培養
液の上層に白色のバクテリアセルロース性多糖類を含む
ゲル状の膜が形成された。このゲル状の膜を水洗後、乾
燥重量の100倍の水を加え、エキセルオートホモジナ
イザー(日本精機社製)を用いて15000rpmで1
0分間処理し、バクテリアセルロースの1.0%懸濁液
を調製した。
【0021】実施例1 調整例のバクテリアセルロース(A)とダブルディスク
リファイナーで保水度を1.1、1.3および1.5の
3水準に変化させて叩解した広葉樹クラフトパルプ(LBK
P)(B)をそれぞれ重量比(A/B)で10/90にな
るように混合し、3種類の配合のパルプを調製した。
【0022】次いで、それぞれのパルプ100部に対
し、軽質炭酸カルシウム(TP121、奥多摩工業社
製)を7部、アルキルケテンダイマーサイズ剤(SPK
−903、荒川化学社製)を0.07部、両性でんぷん
(ケイト3210、王子ナショナル社製)を0.7部添
加した紙料を用いて、長網抄紙機により坪量64g/m
2の紙を製造した。多筒式ドライヤーで乾燥後の上質紙
は、酸化澱粉の3%水溶液でサイズプレス処理し乾燥
後、40kg/cm、4ニップの条件でマシンカレンダ
ー処理を行った。これらの試料を、LBKPの保水度が
小さいものから順に、試料1−2、1−3および1−4
とする。
【0023】比較例1 実施例1において、LBKPの保水度を1.0および
1.6の2水準に変化させる以外は、すべて同一の方法
で紙を得た。これらの試料を、それぞれ試料1−1およ
び1−5とする。
【0024】実施例1で、広葉樹クラフトパルプの代わ
りに、保水度1.3まで叩解した針葉樹クラフトパルプ
を使用する以外は、すべて同一の方法で試料を得た。こ
の試料を試料1−6とする。以上の試料について、測定
した剛直度と平滑度の結果をまとめて表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】なお、表1と表2のA/Bは、バクテリア
セルロース(A)と広葉樹パルプ(B)の重量比であ
り、密度はカレンダー後のシート密度(g/cm3)を
表す。剛直度はJIS P 8143に従って測定した
クラークこわさの値であり、電子写真複写機やプリンタ
ーで良好な走行性を得るには、坪量が64g/m2の紙
の場合、縦方向で55.0cm3/100以上、さらに
好ましくは60cm3/100以上が必要である。平滑
度は英国標準法6563に準拠し、測定圧10kg/c
2、圧板として硬い材質使用の条件でパーカープリン
トサーフ(ローレンツエン社製)により測定した平滑度
であり、値(μm)の小さい方が平滑である。良好な印
刷、印字適性を得るには、5.5μm以下、さらに好ま
しくは5.0μm以下であることが求められている。
【0027】表1の結果から、広葉樹パルプの保水度が
1.1〜1.5の場合に、良好な平滑性がと剛直度を有
する紙の得られることが明らかである。保水度が1.1
未満あるいは1.6を越える場合には、剛直度と平滑性
の両者が優れた紙は得られていない。また、広葉樹パル
プの代わりに針葉樹パルプを用いた場合には、目的とし
た剛直度と平滑性の得られないことが判る。
【0028】実施例2 実施例1で、LBKPの保水度を1.3とし、バクテリ
アセルロース(A)とLBKP(B)の重量比(A/
B)を、0.5/99.5、1/99、1/1及び2/
1の4水準に変化させる以外は、すべて同一の方法で紙
を製造した。これらの試料を、重量比の小さいものから
順に、試料2−2、2−3、2−4及び2−5とする。
【0029】比較例2 実施例2において、バクテリアセルロースを添加しない
以外は、すべて同一の方法で紙を得た。この試料を試料
2−1とする。以上の結果をまとめて表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】表2から、バクテリアセルロースを含有し
ない場合は、十分な剛直度と平滑性を有する紙が得られ
ないことが判る。また、バクテリアセルロース(A)と
広葉樹パルプ(B)の重量比が1/99〜1/1の場合
に、剛直度と平滑性が特に優れた紙の得られることが判
る。1/99未満の場合は、平滑度と剛直度が若干低く
なり、1/1を超える場合は、密度が高くなり、剛直度
が低下すると共に平滑性も低下する傾向が認められる。
【0032】
【発明の効果】以上から、本発明の低密度高平滑紙、す
なわちバクテリアセルロースと保水度が1.1〜1.5
の広葉樹パルプから構成される紙は、優れた剛直度と平
滑性を有するとともに、電子写真複写機等での走行性、
軽印刷機での印刷適性、顔料塗工後の平滑性なども良好
であった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バクテリアセルロース及び保水度が1.
    1〜1.5の広葉樹パルプから構成される低密度高平滑
    紙。
  2. 【請求項2】 バクテリアセルロース(A)と広葉樹パ
    ルプの重量比(A/B)が1/99〜1/1であること
    を特徴とする請求項1記載の低密度高平滑紙。
JP3507693A 1993-02-24 1993-02-24 低密度高平滑紙 Pending JPH06248594A (ja)

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JP3507693A JPH06248594A (ja) 1993-02-24 1993-02-24 低密度高平滑紙

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JP3507693A JPH06248594A (ja) 1993-02-24 1993-02-24 低密度高平滑紙

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JPH06248594A true JPH06248594A (ja) 1994-09-06

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JP3507693A Pending JPH06248594A (ja) 1993-02-24 1993-02-24 低密度高平滑紙

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JP (1) JPH06248594A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6720041B2 (en) 1998-11-20 2004-04-13 Canon Kabushiki Kaisha Recording medium, and method for producing image using the same
JP2010235802A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Agri Bioindustry:Kk 導電性材料用支持体

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6720041B2 (en) 1998-11-20 2004-04-13 Canon Kabushiki Kaisha Recording medium, and method for producing image using the same
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