JP3268057B2 - 偽造防止用紙 - Google Patents

偽造防止用紙

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バクテリアセルロース
の小塊を含有させることにより、紙層強度を損なうこと
なく鑑別性を向上させた偽造防止用紙に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】紙幣、小切手、株券など各種有価証券類
には、不正に変造、偽造できないように各種の偽造防止
策がとられているが、カラコピー技術やカラースキャナ
ーによる色再現技術の進歩に伴って、それらが容易に偽
造される危険性が増してきている。そこで、有価証券類
に用いる紙に対する偽造防止技術が、重要になってき
た。
【0003】紙に対する偽造防止技術には、特公昭56
−016328号公報、特開昭61−019304号公
報等に開示されているような、紙料中に少量の着色繊維
やフォトクロミック繊維等の特殊繊維を混入させて紙を
製造する技術、特公平3−47360号公報、特開昭6
3−270897号公報等に開示されているように、着
色あるいは印刷された水溶性高分子フィルムや紙の断片
を紙に抄き込む技術、特開昭63−182497号公
報、特開昭63−216795号公報等に開示されてい
るような安全細線を紙層中に挿入する技術等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】着色繊維を混抄する方
法は古典的な方法であるが、繊維の有り無しで用紙を鑑
別するため、肉眼では判定が不十分である、偽造され易
い等の欠点がある。また、水溶性フィルムや紙の断片を
抄き込む方法では、その部分の紙層強度が弱くなるた
め、印刷やその後の加工時に紙が部分的に剥離する問題
を生じる。一方、安全細線を紙層に挿入する方法にも、
局部的な紙層強度低下を生じる他、抄紙時に特殊な装置
を必要とする等の問題がある。
【0005】本発明は、紙層へ何等かの識別物を含有さ
せた偽造防止用紙において、紙層強度を変化させること
なく鑑別性を付与する技術に関するものである。すなわ
ち、本発明の目的は紙層強度を損なうことなく、鑑別性
を向上させた偽造防止用紙を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、紙層に含有させる識別物の種類について検討した結
果、バクテリアセルロースの小塊を含有させることによ
り、目的とした偽造防止用紙の得られることが明らかに
なった。バクテリアセルロースは、培養条件によって顆
粒状、フィルム状、ブロック状等種々の形状のものが得
られること、組成がパルプ繊維と同一のセルロースであ
るために水素結合によりパルプ繊維と容易に接着するこ
と等が関与している。
【0007】本発明のバクテリアセルロースとは、微生
物により生産された、セルロース、セルロースを主鎖と
したヘテロ多糖、β−1,3、β−1,2等のグルカ
ン、のいずれか或はそれらの混合物である。なお、ヘテ
ロ多糖の場合のセルロース以外の構成成分は、マンノー
ス、フラクトース、ガラクトース、キシロース、アラビ
ノース、ラムノース、グルクロン酸等の6炭糖、5炭糖
及び有機酸等である。
【0008】バクテリアセルロースを生産する微生物
は、とくに限定されないが、アセトバクター・アセチ・
サブスピーシス・キシリナム(Acetobactor acetisubsp
xylinum) ATCC 10821或は同パストウリアン
(A.pasteurium)、同ランセンス(A.rancens)、サルシナ
・ベントリクリ(Sarcina ventriculi)、バクテリウム・
キシロイデス(Bacterium xyloides)、シュードモナス属
細菌、アグロバクテリウム属細菌等で、バクテリアセル
ロースを生産するものを利用することができる。なお、
培養方法としては静置培養、通気攪はん培養のいずれを
使用しても構わない。
【0009】 静置培養で得られるバクテリアセルロー
スは、ゲル状の膜であるため任意の形状の小塊に調整
後、紙料に添加する。また、通気攪はん培養で得られる
バクテリアセルロースはゲル状の粒子であるため、培養
条件の調節により所定の大きさの小塊としたものを紙料
に添加することが出来る。小塊の大きさは、肉眼での識
別性を考慮すると平均直径が0.5mm以上であること
必要である。必要に応じて、ゲルをプレス等で脱水し
た後添加すること、さらには一度乾燥したゲルを再膨潤
させたものを添加することも可能である。
【0010】バクテリアセルロース小塊を紙にそのまま
抄き込むと、局部的に光の透過率が異なるシートが得ら
れ、透かしに類似した偽造防止効果が期待出来る。ま
た、予め着色処理を施したバクテリアセルロース小塊を
添加すれば、さらに鑑別性が優れたシートを得ることが
出来る。着色処理には、通常の着色染料や顔料の他に蛍
光染料、サーモクロミック顔料、フォトクロミック顔
料、磁性顔料等の特殊染料や顔料、炭酸カルシウム、二
酸化チタン等の白色顔料等を使用することが出来る。
【0011】着色処理の方法としては、水中でのゲルに
対する染色、顔料定着処理の他、乾燥したフィルム状の
バクテリアセルロースへ印刷も可能である。ただし、乾
燥したバクテリアセルロースは水中に浸漬して十分に膨
潤させた後、紙料に添加することが必要である。
【0012】本発明の偽造防止用紙には、通常抄紙で用
いられる、染料、填料、サイズ剤、定着剤、乾燥紙力増
強剤などを必要に応じて含有するものである。さらに、
紙表面にサイズプレス等により、澱粉やポリビニルアル
コールなどを塗布することも可能である。製造には、長
網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、オント
ップ抄紙機等が用いられ、単層あるいは多層シートとし
て製造される。
【0013】また、本発明の偽造防止用紙には、用途に
応じて表面に種々の機能性塗工層を設けることも可能で
ある。なお、その際の塗工装置としては、エアナイフコ
ーター、グラビアコーター、カーテンコーター、ダイコ
ーター、ブレードコーターなどが用いられる。
【0014】本発明の偽造防止用紙は、小切手、株券、
商品券等の用紙としてあるいは表面に感熱、磁気等の機
能性塗工層を設けたカード、切符類の用紙として使用さ
れる。
【0015】
【作用】本発明のバクテリアセルロースの小塊を含有す
る偽造防止用紙は、紙層強度と鑑別性に優れている。
【0016】
【実施例】以下では、本発明を実施例により詳細に説明
する。なお、本発明は実施例に限定されるものではな
い。以下における部、%はすべて重量によるものであ
る。また、塗工量を示す値は断わりのないかぎり乾燥後
の重量である。
【0017】バクテリアセルロースの調製例 シュークロース5g/dl、酵母エキス0.5g/d
l、硫安0.5g/dl、リン酸水素カリウム0.3g
/dl硫酸マグネシウム(MgSO4 7H2O)0.0
5g/dlからなる組成の培地(pH5.0)50ml
を容量200mlの三角フラスコに張り込み、120℃
で20分間蒸気殺菌して培養液を作製した。次いで、こ
の培養液に酵母エキス0.5g/dl、ペプトン0.3
g/dl、マンニトール2.5g/dlからなる組成の
試験管斜面寒天培地(pH6.0)で30℃、3日間生
育させたアセトバクター・アセチ・サブスピーシス・キ
シリナム(ATCC 10821)を1白金耳ずつ接種
し、30℃で培養した。
【0018】上記条件で15日間培養したところ、培養
液の上層に白色のバクテリアセルロース性多糖類を0.
5%含む厚さ5mmのゲル状の膜が形成された。このゲ
ル状の膜を水洗後、ロールプレスで脱水して厚さ1mm
の膜とし、直径2.5mmの円形のバクテリアセルロー
ス小塊を打ち抜いた。
【0019】実施例1 広葉樹クラフトパルプと針葉樹クラフトパルプを8:2
に混合したものをリファイナー(DDR)でろ水度35
0mlまで叩解したパルプ100部に対し、軽質炭酸カ
ルシウム(TP121、奥多摩工業社製)を5部、アル
キルケテンダイマーサイズ剤(SPK−903、荒川化
学社製)を0.07部、両性でんぷん(ケイト321
0、王子ナショナル社製)を0.7部添加した紙料に、
調製例のバクテリアセルロース小塊を乾燥重量で0.0
1部添加した。この原料を用いて、長網抄紙機により坪
量84g/m2の紙を製造した。多筒式ドライヤーで乾
燥後の紙は、酸化澱粉の3%水溶液でサイズプレス処理
して乾燥後、マシンカレンダー処理を行った。この紙を
試料1とする。
【0020】実施例2 バクテリアセルロースの小塊として、調製例に記載の水
洗後のゲル状の膜をコンゴーレッドの1%水溶液に24
時間浸漬して染色後、プレスにより脱水し、打ち抜き調
製したものを用いる以外は、実施例1と同一の方法で紙
を得た。この紙を試料2とする。
【0021】実施例3 調製例のバクテリアセルロース小塊を二酸化チタンの3
0%水溶液中で24時間攪はんし、水洗後プレスで脱水
したものを紙料に添加する以外は、実施例1と同一の方
法で紙を得た。この紙を試料3とする。
【0022】比較例1 実施例1において、バクテリアセルロース小塊の代わり
にコンゴーレッドで染色した針葉樹クラフトパルプ繊維
を0.01部添加する以外は、すべて同一の方法で紙を
得た。この紙を試料4とする。
【0023】比較例2 実施例1で、バクテリアセルロース小塊の代わりに、赤
色に着色した厚さ25ミクロンのフィルム状PVAの円
盤(直径2.5mm)を添加する以外は、すべて同一の
方法で紙を得た。この紙を試料5とする。以上の試料に
ついての紙層強度の測定結果と鑑別性の評価結果を、ま
とめて表1に示す。
【0024】表1の結合強度は、TAPPI試験法UM
403に準じて測定した値であり、330g・cm/i
2以上であれば印刷等の加工工程に耐えうる紙層強度
を有していると判断出来る。鑑別性は、他の紙との識別
容易性を視覚評価した結果であり、Aが最もよくCが劣
っていることを表す。偽造防止用紙としてはB以上、好
ましくはAが必要である。
【0025】
【表1】
【0026】表1の試料1〜3と試料4、5の比較か
ら、従来技術で製造した場合に比べて、バクテリアセル
ロースの小塊を添加した場合、良好な紙層強度と鑑別性
を有する偽造防止用紙の得られることが明らかである。
試料1と試料2、3の比較から、着色したバクテリアセ
ルロース小塊を添加した場合にそれらの効果がとくに優
れていることも明らかである。
【0027】
【発明の効果】本発明の偽造防止用紙、すなわちバクテ
リアセルロースの小塊を含有することを特徴とする偽造
防止用紙は、優れた紙層強度と鑑別性を有している。そ
の効果は、染料、顔料等により着色したバクテリアセル
ロース小塊を含有させた場合にとくに顕著である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バクテリアセルロースの小塊を含有する
    ことを特徴とする偽造防止用紙。
  2. 【請求項2】 バクテリアセルロースの小塊が染料、顔
    料等により着色されていることを特徴とする請求項1記
    載の偽造防止用紙。
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