JP6732175B2 - 色彩を有するセルロース要素を用いたすき入れ紙及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、偽造防止効果を必要とするセキュリティ印刷物である銀行券、パスポート、有価証券、身分証明書、カード、通行券等の貴重印刷物の分野、更には、意匠性を有する各種美術品等を含め、紙基材において施されるすき入れに関し、着色したセルロースナノファイバーを粒子状に加工し、水に分散した懸濁液を用いて抄紙工程においてすき入れと同期させることで、反射光下で色彩を有する模様が、透過光下で無彩色のすき入れとして視認可能なすき入れ紙及びその製造方法に関するものである。
近年のスキャナ、プリンター、カラーコピー機等のデジタル機器の進展により、貴重印刷物の精巧な複製物を容易に作製することが可能となっている。そのため、前述したような複製や偽造を防止するため、プリンターやコピー機では再現不可能な様々な偽造防止技術が必要とされている。
この偽造防止技術の一つとして、用紙の粗密や薄厚によって模様を形成して透過光下で視認させる、いわゆる透かし技術が存在する。この透かし技術は、一定量以上の光さえ存在すれば、あらゆる環境下で真偽判別が可能な技術であり、また、知名度も抜群に高いことから、古くから存在する古典的な技術であるにもかかわらず、今なお世界中の銀行券で用いられている。
このような環境下において、古くから知名度の高い前述のようなすき入れ技術に加え、本出願人は、近年注目視されているナノファイバーを用い、繊維の微細性を利用した技術があり、懸濁液化したナノファイバーインキを湿紙及び乾紙を問わず用紙に印刷(付与)することで、ナノファイバーの光透過性が高いことを利用した印刷による透かし技術について開示している(例えば、特許文献1参照)。
また、本出願人は、浸透インキに着色顔料を配合した有色浸透インキを用いて、その色と色相が同じペアインキを利用し、反射光下では等色に観察され、透過光下では浸透インキを付与した箇所が視認可能となる潜像印刷物を開示している(例えば、特許文献2参照)。
この特許文献2に記載の潜像印刷物は、反射光下において、透かし模様を視認不可能とするため、透かし模様を形成する有色浸透インキとその透かし模様を隠蔽するためのカモフラージュ模様を形成するインキを等色にする必要があり、そのために、前述の二つのインキは色相が同じことを必須としているが、色相を同じにしても、実際に視認した模様を等色とする技術は非常に難しく、容易にはできない技術であり、偽造防止効果がより高い技術である。
特許第5652797号公報 特許第5604694号公報
特許文献1記載の技術は、セルロース微小繊維を印刷した印刷物であり、その付与方法は幅広く、湿紙や乾紙は問わず印刷することができ、大掛かりな印刷装置を必要としない技術である。ただし、効果的には透過で模様が見えるが、従来のすき入れ模様と同様であり、視覚的にインパクトのある透かし模様が求められていた。
そこで、特許文献2記載の技術は、表裏で異なる画像を出現させるというインパクトのある技術とするために、有色浸透インキと通常のインキは色相を同じとし、反射光下において、これらのインキで形成された模様を等色関係にすることで、反射光下と透過光下の観察において全く相関の無い模様が視認できる技術であり、二つのインキにより形成された模様を等色とすることが難しく偽造防止効果も高い技術であったが、等色関係を調整するための技術が非常に高度であったため、比較的容易でインパクトのある透かし技術が求められていた。
また、すき入れ模様に色彩を持たせるためには、すき入れ模様を施した後に、すき入れ模様と同位置に印刷を施す方法があるが、その方法では、少なからずすき入れ模様と印刷模様との同期ずれが生じ、すき入れ模様自体に色彩を持たせることは困難であった。
さらに、すき入れ模様に色彩を持たせるために着色材料を用紙製造工程内(湿紙状態)で付与することは困難であり、着色材料自体の表面改質を行う必要性があった。
本発明は、前述した課題の解決を目的とするものであり、特殊な材料及び接着剤を使用せず、着色材料を強固に用紙に付与することで、すき入れ模様を有色化又は有意情報を付与することが比較的容易にでき、反射光下では有色のすき入れ模様が観察でき、透過光下では、通常(無色)のすき入れ模様が観察できるインパクトのあるすき入れ紙とその製造方法を提供する。
本発明は、紙基材上の少なくとも一部に、紙基材より透過率の高いすき入れ模様と、紙基材を形成している複数のセルロースとは異なる大きさ及び色彩を有するセルロース要素が複数付与されたすき入れ領域が形成され、反射光下では、色彩を有したすき入れ模様が確認され、透過光下では、色彩を消失して無色のすき入れ模様として確認できることを特徴とする色彩を有するセルロース要素を用いたすき入れ紙である。
本発明は、色彩を有するセルロース要素が、木材又は非木材パルプから作製した2nm〜10μmの繊維幅を有するセルロースナノファイバーが複数結合し、平均円形度が0.7以上1.0未満の形状で、少なくとも一つの着色材料を含有した粒子状の着色ナノファイバー複合体、又は繊維長10μm〜500μmの天然セルロース又は再生セルロース繊維を染料により着色した着色微細繊維であることを特徴とする色彩を有するセルロース要素を用いたすき入れ紙である。
本発明は、あらかじめ作製してある色彩を有するセルロース要素と水とを混合させた第1の紙料懸濁液を作製する第1の紙料懸濁液作製工程と、色彩を有するセルロース要素とは異なる繊維と水とを混合した第1の紙料懸濁液とは異なる第2の紙料懸濁液で紙層を形成する工程と、第1の紙料懸濁液を所定の装置を用いて、紙層上の少なくとも一部の領域に付与してすき入れ領域を形成する着色工程と、すき入れ領域と重なるようにすき入れ模様を形成するすき入れ形成工程を備えた色彩を有するセルロース要素を用いたすき入れ紙の製造方法であることを特徴とする。
本発明の色彩を有するセルロース要素を用いたすき入れ紙の製造方法における着色工程は、第1の紙料懸濁液の付与量、付与する装置の各種条件、更には紙層上のどの位置に付与するかを設定する付与量設定工程を有することを特徴とする。
本発明の色彩を有するセルロース要素を用いたすき入れ紙は、従来の抄紙設備を使用でき、従来の透過光下で視認することしかできなかった透かし模様を、色彩を有するセルロース要素を付与した用紙と透かし技術と組み合わせることで、すき入れ模様と、そのすき入れ模様を着色するための印刷領域の同期ずれがなく、効率的かつ容易にすき入れ模様自体に色彩を付与することができる。
また、本発明の色彩を有するセルロース要素を用いたすき入れ紙は、反射光下で色彩のあるすき入れ模様が観察でき、その模様が透過光下では色彩を消失して、本来のすき入れ模様のみが観察できるという、反射光下と透過光下とで色彩の変化を有する、インパクトのある透かし模様を形成できる。
さらに、本発明の色彩を有するセルロース要素を用いたすき入れ紙は、用紙の色とインキの色とを等色調整するといった複雑な色調整をする高度な技術を必要とせず、既存の顔料又は染料を使用して作製した色彩を有するセルロース要素を付与する領域と、透かし模様とを同期させることによって、比較的容易に反射光と透過光とで異なる色彩を付与することができる。
本発明のすき入れ紙を示す平面図である。 着色ナノファイバー複合体の作製過程を説明する図である。 本発明のすき入れ紙の作製方法を説明するフロー図である。 本発明のすき入れ紙の効果を説明する図である。 一般的なすき入れ紙における光の透過の状態を説明する図である。 着色ナノファイバー複合体を用いた本発明のすき入れ紙における光の透過の状態を説明する図である。 一般的なすき入れ紙に印刷インキにより印刷を施した場合における光の透過の状態を説明する図である。 着色微細繊維を用いた本発明のすき入れ紙における光の透過の状態を説明する図である。
本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他の様々な実施の形態が含まれる。
図1は、本発明の色彩を有するセルロース要素(以下「着色セルロース要素」(8)という。)を用いたすき入れ紙(以下「すき入れ紙」(1)という。)の平面図である。すき入れ紙(1)には、紙基材(2)の少なくとも一部にすき入れ模様(3)が形成されているすき入れ領域(4)を有している。このすき入れ模様(3)を含めたすき入れ領域(4)は、反射光下では、紙基材(2)の色彩とは異なる有色の色彩で視認でき、透過光下では、その反射光下で視認できた色彩が消失し、実質無色となって視認できる。なお、紙基材(2)上には、すき入れ模様(3)以外に、種々の印刷模様や文字等が印刷されていても良い。
本発明の紙基材(2)は、すき入れ模様(3)が形成され、透過光下において、そのすき入れ模様(3)を観察することとなるため、光透過性を有している必要がある。不透明なプラスチックや金属では透過光下での効果は得られない。
本発明のすき入れ紙(1)の効果及び原理については後述するが、透過光下において、すき入れ模様(3)が視認できることとなるため、すき入れ領域(4)は、その他の領域よりも光透過性は高く形成されている。
ここで光透過性とは光の透過する特性(割合)であり、本発明において光透過性が異なるとは、明度差(ΔL)が5以上のことをいう。明度差(ΔL)が5以上の場合、透過光下において肉眼で観察した際、紙基材(2)とすき入れ領域(4)を区分けして視認することが可能となる。なお、明度差(ΔL)は、紙基材(2)を測色計により透過光下における明度(L)の値を測定する、又はスキャナ等で透過画像として取り込んだのち、紙基材(2)の透過画像を画像処理ソフトにより、明度(L)の値を測定した際、紙基材(2)とすき入れ領域(4)の明度差(ΔL)を演算することで算出することが可能である。
本発明における、紙基材(2)を構成する繊維の種類は、特に限定されるものではなく、各種木材を原料とするKPやSP等の化学パルプ、GP、TMPやCTMP等の機械パルプ、古紙再生パルプ等を適宜選択して使用することができる。また、イネ、アバカ、木綿、ケナフ、みつまた、竹、バガスや麦わら等の非木材を使用することもできる。これらの木材又は非木材から得られる繊維を単独で用いても良いし、混合して用いても良い。
すき入れ模様(3)について説明すると、用紙の粗密さや厚薄により模様を形成し、透過光下で模様を視認させるのが、すき入れ技術である。このすき入れ模様は、凹凸形状のロール部材に形成された円網やダンディロールを用いて、用紙に厚薄を施す技術が古くから行われている。円網やダンディロールによって形成された用紙の厚さが薄い部分を透過光下で観察すると、透過光量が高くなって他の部分に比べて白く明るく視認され、用紙の厚みが厚い部分を透過光下で観察すると、透過光量が低くなり他の部分に比べて黒く暗く視認される。円網やダンディロールによって厚薄の差を大きくすれば、より明るい部分と暗い部分の差が生まれ、すき入れ模様のコントラストが高く、鮮明なすき入れ紙を得ることができる。
本発明において、反射光下と透過光下とで色彩を異ならせるための重要な要素として、紙基材(2)に着色セルロース要素(8)が付与されていることである。この着色セルロース要素(8)について、簡単に説明する。
この着色セルロース要素(8)は、セルロースナノファイバー(5)を着色して加工した物である。その作製方法は、図2(a)に示すように、各種木材を原料とするKPやSP等の化学パルプ、GP、TMPやCTMP等の機械パルプ、古紙再生パルプ等、更にイネ、アバカ、木綿、ケナフ、みつまた、竹、バガスや麦わら等の非木材の繊維を、繊維幅(Y)が2nm〜10μm未満のセルロースナノファイバー(5)に加工し、図2(b)に示すように、そのセルロースナノファイバー(5)と水による懸濁液(以下「複合体作製用懸濁液」(6)という。)に染料や着色顔料等の着色材料(7)を混合した後、公知の噴霧乾燥法(スプレードライ)を用いて加工することにより、加工前は、セルロースナノファイバー(5)自体が個々に存在していたのに対して、加工後では、図2(c)に示すように、数本のセルロースナノファイバー(5)が糸毬状に変形し、着色材料(7)を巻き込んだものとなる。本発明では、この着色材料(7)を巻き込んだ糸毬状のセルロースナノファイバー(5)の集合体を、「着色ナノファイバー複合体」(以下「複合体」(8−1)という。)という。
この複合体(8−1)は、平均粒子径(X)が、約0.1μm〜30μmで、平均円形度が0.7〜1未満である。噴霧乾燥法により粒子状となった複合体(8−1)は、紙層を形成するために、通常の繊維と水を混合した懸濁液(以下「第2の紙料懸濁液」(9−2)という。)に、着色セルロース要素(8)と水を混合した懸濁液(以下「第1の紙料懸濁液」(9−1)という。)を混合した場合でも、セルロースナノファイバー(5)同士の結合が壊れて、個々のセルロースナノファイバー(5)及び着色材料(7)に分解されることはなく、一度複合体(8−1)となったセルロースナノファイバー(5)は、紙層内においても粒子状を維持する。
複合体(8−1)は、着色材料(7)を包含することで、抄紙機上における湿紙状態においても、着色材料(7)が繊維間を抜け落ちてしまうようなこともなく、確実に着色材料(7)を繊維に固着させることができるため、付与が困難であった着色材料(7)の表面改質という役割をセルロースナノファイバー(5)が実質上行っているものである。
また、着色セルロース要素(8)の別の形態としては、天然セルロース繊維又は再生セルロース繊維を染料により着色した物である。天然セルロース繊維は、各種木材を原料とするKPやSP等の化学パルプ、GP、TMPやCTMP等の機械パルプ、古紙再生パルプ等、更にイネ、アバカ、木綿、ケナフ、みつまた、竹、バガスや麦わら等の非木材の繊維である。また、再生セルロース繊維は、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨンやアセテート等である。これら天然セルロース繊維又は再生セルロース繊維を、繊維長(Y)が約10μm〜500μmの微細繊維に加工し、コンゴーレッド等の直接染料を用いて染色したものである。本発明では、この染色した繊維を、「着色微細繊維」(8−2)という。
なお、前述した複合体(8−1)は、平均粒子径(X)が、約0.1μm〜30μmとなっているが、複合体(8−1)は、固体化した物体であり、第2の紙料懸濁液(9−2)内及び紙層内においても同じ大きさ(粒子径)を維持しているが、着色微細繊維(8−2)については、柔軟性を有しており、直線状ではなく曲率を有している。したがって、仮に繊維長が500μmであっても、第2の紙料懸濁液(9−2)内及び紙層内においては、その長さのままではなく、実際は短い。よって、複合体(8−1)の平均粒子径(X)の約0.1μm〜30μmと、着色微細繊維(8−2)の繊維長が約10μm〜500μmというのは、作製された紙の状態では、ほぼ同じとなる。
本発明では、前述した複合体(8−1)又は着色微細繊維(8−2)のどちらを着色セルロース要素(8)として使用しても良い。
次に、前述した着色セルロース要素(8)をあらかじめ作製(Step0)した上でのすき入れ紙(1)の作製方法を図3の作製フローに基づき説明する。
まず、Step1(第1の紙料懸濁液作製工程)として、あらかじめ作製した着色セルロース要素(8)と水を、通常の紙を製造する時に繊維と水を混合させた第2の紙料懸濁液(9−2)を作製する要領と同様に混合させ、第1の紙料懸濁液(9−1)を作製するが、水と着色セルロース要素(8)を用いて混合させる際には、超音波処理を行うとより水に分散しやすくなる。なお、着色セルロース要素(8)と水の混合割合については、通常の紙を製造する場合と同じで、特に限定するものではないが、水が多すぎると、後述する着色工程において、紙の色彩の濃度を高めるために多量の第1の紙料懸濁液(9−1)を付与する必要があり、付与部分の湿紙水分が高くなってしまい、逆に少なすぎると、後述する着色工程において紙の色彩の調整が困難となるため、着色セルロース要素(8)と水とは、着色セルロース要素(8)の濃度1%〜3%程度が好ましい。
次に、Step2(紙層形成工程)として、通常の紙を製造するために作製した紙料懸濁液である第2の紙料懸濁液(9−2)を抄紙機のワイヤ等に散布させて紙層を形成させる。その際に、湿紙水分を40%〜90%程度に調整する。
次に、Step3(着色工程)として第1の紙料懸濁液(9−1)を紙層に付与して、紙に色彩を持たせる。なお、Step3における着色は、Step0においてセルロースナノファイバー(5)を着色材料(7)と混合して着色したもの又は微細繊維に染料を用いて着色したものとは異なり、形成された紙層に色彩を持たせるという着色である。Step2において適度な湿紙水分に調整した状態で、Step0で作製しておいた第1の紙料懸濁液(9−1)を湿紙に付与する。付与する方法としては、フレキソ印刷装置、IJP装置、エアブラシ装置等を使用して付与することができる。本実施の形態では、一例としてエアブラシ装置を用いた方法で説明する。
Step3では、まず湿紙にどの程度の着色を施すか、第1の紙料懸濁液(9−1)の付与量、付与する装置の各種条件、更には、湿紙上のどの位置に付与するか等を設定する(Step3-1)。例えば、エアブラシ装置を使用した場合は、エアの吹付圧力が弱すぎると適度に散布できず、強すぎると基材表面を崩してしまうので、吹付圧力0.2MPa〜0.4MPa程度が好ましい。また、第1の紙料懸濁液(9−1)を付与する位置は、すき入れ模様(3)と重なる位置にしなければならないため、あらかじめ、すき入れ模様(3)が形成される位置を把握しておく必要がある。
湿紙に付与するための各種条件等の設定ができた状態で、その条件に基づき実際に第1の紙料懸濁液(9−1)を湿紙上に付与する(Step3-2)。この時、エアブラシ装置ノズル口径は、Step0で作製した着色セルロース要素(8)の大きさ、具体的には、複合体(8−1)の粒子径又は着色微細繊維(8−2)の繊維長によって、ノズル口径をその都度選択し、湿紙に付与する。
最後に、Step4(すき入れ形成工程)として、湿紙に第1の紙料懸濁液(9−1)を付与したすき入れ領域(4)と重なるように、すき入れ模様(3)を形成する。すき入れ模様(3)を形成する方法は、公知の長網抄紙機上での形成や円網抄紙機上での形成等、特に限定はないが、第1の紙料懸濁液(9−1)を付与することを考慮すると、長網抄紙機によって連続的に行った方が効率的であり、好ましい。すき入れ模様(3)が形成された湿紙は、最終的には、含水率を5%〜8%程度に乾燥させて、本発明の着色セルロース要素(8)を用いたすき入れ紙(1)が完成する。
本発明のすき入れ紙(1)の効果について、図4を用いて説明する。図4(a)は、すき入れ紙(1)を反射光下で観察した場合を示し、図4(b)は、すき入れ紙(1)を透過光下で観察した場合を示す。図4(a)に示すように、観察者(11)が紙基材(2)に対して光源(10)からの入射光を反射する側で観察すると、すき入れ領域(4)は、複合体(8−1)又は着色微細繊維(8−2)自体を着色した色彩をもって観察されることとなるため、すき入れ模様(3)も同時に色彩を有したすき入れ模様(3)として観察できる。
また、図4(b)に示すように、観察者(11)の視点が、光源(10)との間に紙基材(2)を有するように観察すると、複合体(8−1)又は着色微細繊維(8−2)が付与されているすき入れ領域(4)の透過光量が、その他の紙基材(2)の透過光量よりも高くなり、反射光下で視認できた色彩を失い、一般的に視認されているような無色のすき入れ模様(3)として観察できる。
次に、本発明において、反射光下では、色彩を有したすき入れ模様(3)が、透過光下では無色のすき入れ模様(3)として観察できるかという原理について説明する。
一般的な用紙については、図5のX領域のように、紙層を形成する繊維同士の間には空隙が多く存在する。したがって、光源(10)から用紙に入射される光(12)は、繊維同士の間の空隙で散乱し、用紙を光源にかざしても、用紙を通過してくる透過光量(13)は入射光量(12)よりも減少する(図中の矢印)ため、明るく見えることはない。
一方、一般的なすき入れ模様(3)は、前述したように、厚みの薄いところと厚いところを形成するものであるが、すき入れ模様(3)が形成されているところについては、図5のY領域のように、紙層の厚みが薄くなる。よって、用紙を光源にかざした場合、入射光量(12)に対してもあまり光量は減少しない透過光量(13')のまま通過するため、すき入れ模様(3)以外のところと比べ、明るく(白く)視認される。
このような本来のすき入れ模様(3)における入射光量(12)に対する透過光量(13')の関係を前提とし、本発明のすき入れ紙(1)において、透過光下ですき入れ模様(3)の色彩が消失する原理について図6及び図7を用いて説明する。
まず、図6は本発明のすき入れ紙(1)の一部断面図である。図6では、着色セルロース要素(8)として複合体(8−1)を用いており、紙基材(2)の一部にすき入れ模様(3)が形成されている。すき入れ模様(3)が形成されているすき入れ領域(4)には、複合体(8−1)が付与されている。複合体(8−1)は、すき入れ模様(3)を形成する前に、湿紙状態において付与されていることから、その上にすき入れ模様(3)を形成すると、すき入れ模様(3)の凹凸により、完全ではないが、複合体(8−1)は凹部から凸部へと押し出され、凸部内に複合体(8−1)が多く存在することとなる。
この状態のすき入れ紙(1)に対する光源(10)からの入射光(12)と紙基材(2)を通過した透過光(13')の関係は、すき入れ模様(3)が形成されていることから、前述のとおり、すき入れ模様(3)が形成されていない領域よりも透過光量(13')は高い。ただし、複合体(8)は、複数集結した粒子状において着色材料(7)を含有している。
通常、着色材料(7)を含有した印刷インキ等を紙基材(2)に印刷(付与)した場合は、図7に示すように、印刷インキ等に含有されている着色材料(7)は、紙基材(2)表面にほぼ隙間なく付与されることとなるため、入射光(12)に対して通過する光を遮断することとなり、透過光量(13)は、印刷されていない領域に比べて低くなる。
すき入れ模様(3)については、通常は透過光量(13')が高くなるが、印刷インキ等で模様を印刷(特にベタ刷り)した場合、着色材料(7)が光を遮断してしまうため、印刷を施していないすき入れ模様(3)と比べて透過光量(13)は高くならない。したがって、すき入れ模様(3)上に印刷インキ等で印刷を施しても、反射光下で確認できるすき入れ模様(3)の色彩は、透過光下においても同様の色彩として観察できてしまう。
本発明における複合体(8−1)は、着色材料(7)を含有しているため、反射光下では色彩を有してすき入れ模様(3)が確認できるが、図7で説明したような通常の印刷インキ等による着色材料(7)とは、付与されている量が大幅に少なくなっている。飽くまでも、複合体(8−1)では、セルロースナノファイバー(5)の塊内に含有される程度である。もともとすき入れ模様(3)は、透過光量(13')が高いため、明るく(白く)見える特徴を有していることから、複合体(8−1)が含有している着色材料(7)程度の割合では、すき入れ模様(3)の透過光の明るさに負け、色彩を認識することができなくなってしまう。したがって、反射光下では、色彩を有したすき入れ模様(3)が、透過光下では、色彩を消失したすき入れ模様(3)として確認できることとなる。
ただし、複合体(8)を作製する際に着色材料(7)を多く入れすぎたり、第1の紙料懸濁液(9−1)を作製する際に複合体(8−1)を多く入れすぎたり、更には、湿紙上に複合体(8−1)を付与する際に多く付与しすぎたりしてしまうと、着色材料(7)が入射光(12)を遮断してしまい、印刷インキ等を印刷した状態と同様、色彩が消失しなくなってしまうこともある。したがって、着色材料(7)の混合割合、第1の紙料懸濁液(9−1)において複合体(8−1)と水との割合及び湿紙上に付与する複合体(8−1)の付与量は、すき入れ模様(3)の透過光量(13')を落とさない程度にする必要がある。なお、各割合については、作製するすき入れ紙(1)の材質、色及び着色材料(7)の特性や色等により、適宜設定すれば良い。
また、図8は、複合体(8−1)の代わりに着色微細繊維(8−2)を用いている。着色微細繊維(8−2)は、すき入れ模様(3)を形成する前に、湿紙状態において付与されていることから、その上にすき入れ模様(3)を形成すると、すき入れ模様(3)の凹凸により、完全ではないが、着色微細繊維(8−2)は凹部から凸部へと押し出され、凸部内に着色微細繊維(8−2)が多く存在することとなる。
この状態のすき入れ紙(1)に対する光源(10)からの入射光(12)と紙基材(2)を通過した透過光(13)の関係は、前述した複合体(8−1)を用いた場合と同様、すき入れ模様(3)が形成されていることから、前述のとおり、すき入れ模様(3)が形成されていない領域よりも透過光量(13')は高い。したがって、複合体(8−1)を用いた場合と原理は同じであることから詳細の説明は省略する。
着色微細繊維(8−2)を作製する際も、着色材料(7)を多く入れすぎたり、第1の紙料懸濁液(9−1)を作製する際に着色微細繊維(8−2)を多く入れすぎたり、更には、湿紙上に着色微細繊維(8−2)を付与する際に多く付与しすぎたりしてしまうと、入射光(12)を着色材料(7)が遮断してしまい、印刷インキ等を印刷した状態と同様、色彩が消失しなくなってしまうこともある。したがって、着色材料(7)の混合割合、第1の紙料懸濁液(9−1)において着色微細繊維(8−2)と水との割合及び湿紙上に付与する着色微細繊維(8−2)の付与量は、すき入れ模様(3)の透過光量(13')を落とさない程度にする必要がある。なお、各割合については、作製するすき入れ紙(1)の材質、色及び着色材料(7)の特性や色等により、適宜設定すれば良い。
以下、本発明におけるすき入れ紙(1)について、実施例を用いて詳細に説明するが、以下の実施例に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された技術的な範疇であれば、適宜、変更が可能なことは言うまでもない。
本実施例1は、着色セルロース要素(8)として複合体(8−1)を用いた場合である。使用する繊維はLBKPを使用し、その繊維と水とを混合した固形分濃度2%の複合体作製用懸濁液(6)をグラインダ法にて、繊維幅が約2nm〜10μmのセルロースナノファイバー(5)を作製した。作製したセルロースナノファイバー(5)は水状の懸濁液の状態であり、固形分濃度は2%である。作製したセルロースナノファイバー(5)に赤色のパルプ用染料(アゾ系カチオン性直接染料)をセルロースナノファイバー(5)の固形分に対して5%添加して10分撹拌し、色むらがなくなったところで着色セルロースナノファイバーが作製できた。
次に、着色セルロースナノファイバーをスプレードライ装置により噴霧乾燥し、水分率8%で、平均粒子径D50が約13.1μmで、平均円形度が0.87の複合体(8−1)を作製した。D50とはメディアン径とも呼び、粒子径を2つに分けたとき、大きい側と小さい側が等量となる径、又は値のことを言う。なお、スプレードライ装置での処理条件は、噴霧方式が二流体ノズル噴霧方式、エア圧0.5MPa、入口温度150℃及び出口温度を74℃、試料供給量2.83kg/hで行った。
噴霧乾燥した複合体(8−1)を水に分散させ、固形分濃度3%の第1の紙料懸濁液(9−1)を作製した。その第1の紙料懸濁液(9−1)をエアブラシ装置の液体用カートリッジに入れ、エアブラシ装置の吹付圧力を0.3MPa、エアブラシノズル口径0.5mmで使用した。
複合体(8−1)が付与される側のすき入れ紙(1)は上質紙を使用し、通常の上質紙を製造するように、繊維と水を混合した第2の紙料懸濁液(9−2)を抄紙機に流して、抄紙機上での製造過程(湿紙状態)において、含水率78%程度に調整し、エアブラシノズルを湿紙から150mm程度離したところで固定し、エアブラシ装置にて複合体(8−1)を含んだ第1の紙料懸濁液(9−1)を噴霧して湿紙に付与した。
湿紙に複合体(8−1)を付与したすき入れ領域(4)と、ダンディロールにより形成するすき入れ模様(3)の位置が同期するように調整し、複合体(8−1)を付与して形成した着色されたすき入れ領域(4)にすき入れ模様を形成した。
最後に、複合体(8−1)により着色されたすき入れ領域(4)にすき入れ模様(3)が形成された湿紙を、含水率8%に乾燥し、本発明のすき入れ紙(1)が作製できた。
本実施例2は、着色セルロース要素(8)として着色微細繊維(8−2)を用いた場合である。使用する繊維はLBKPを使用し、赤色のパルプ用染料(アゾ系カチオン性直接染料)によりLBKP繊維を染色する。染色したLBKP繊維を乾燥後、凍結粉砕機(日本分析工業製)により繊維長が約10μm〜500μmの着色微細繊維(8−2)を作製した。
着色微細繊維(8−2)を水に分散させ、固形分濃度3%の第1の紙料懸濁液(9−1)を作製した。その第1の紙料懸濁液(9−1)をエアブラシ装置の液体用カートリッジに入れ、エアブラシ装置の吹付圧力を0.3MPa、エアブラシノズル口径0.5mmで使用した。
着色微細繊維(8−2)が付与される側のすき入れ紙(1)は上質紙を使用し、通常の上質紙を製造するように、繊維と水を混合した第2の紙料懸濁液(9−2)を抄紙機に流して、抄紙機上での製造過程(湿紙状態)において、含水率78%程度に調整し、エアブラシノズルを湿紙から150mm程度離したところで固定し、エアブラシ装置にて着色微細繊維(8−2)を含む第1の紙料懸濁液(9−1)を噴霧して湿紙に付与した。
湿紙に着色微細繊維(8−2)を付与したすき入れ領域(4)と、ダンディロールにより形成するすき入れ模様(3)の位置が同期するように調整し、着色微細繊維(8−2)を付与して形成した着色されたすき入れ領域(4)にすき入れ模様(3)を形成した。
最後に、着色微細繊維(8−2)により着色されたすき入れ領域(4)にすき入れ模様(3)が形成された湿紙を、含水率8%に乾燥し、本発明のすき入れ紙(1)が作製できた。
1 すき入れ紙
2 紙基材
3 すき入れ模様
4 すき入れ領域
5 セルロースナノファイバー
6 複合体作製用懸濁液
7 着色材料
8 色彩を有するセルロース要素(着色セルロース要素)
8−1 着色ナノファイバー複合体(複合体)
8−2 着色微細繊維
9 紙料懸濁液
9−1 第1の紙料懸濁液
9−2 第2の紙料懸濁液
10 光源
11 観察者
12 入射光(量)
13、13' 透過光(量)

Claims (3)

  1. 紙基材上の少なくとも一部に、前記紙基材より透過率の高いすき入れ模様と、前記紙基材を形成している複数のセルロースとは異なる色彩を有するセルロース要素が複数付与されたすき入れ領域が形成され、
    前記色彩を有するセルロース要素は、
    i)木材又は非木材パルプから作製した2nm〜10μmの繊維幅を有するセルロースナノファイバーが複数結合し、平均円形度が0.7以上1.0未満の形状で、少なくとも一つの着色材料を含有した粒子状の着色ナノファイバー複合体、又は、
    ii)繊維長10μm〜500μmの天然セルロース又は再生セルロース繊維を染料により着色した着色微細繊維であり、
    反射光下では、前記すき入れ領域の前記色彩を有するセルロース要素の色彩が確認され、透過光下では、前記色彩を有するセルロース要素の色彩は、前記すき入れ模様以外の部分よりも透過光量が高いことにより白く明るく視認されることで、前記すき入れ模様上の前記色彩を有するセルロース要素の色彩が消失して確認できることを特徴とする色彩を有するセルロース要素を用いたすき入れ紙。
  2. あらかじめ作製してある請求項1記載の前記色彩を有するセルロース要素と水とを混合させた紙料懸濁液を作製する第1の紙料懸濁液作製工程と、
    前記色彩を有するセルロース要素とは異なる繊維と水とを混合した前記第1の紙料懸濁液とは異なる第2の紙料懸濁液で紙層を形成する工程と、
    前記第1の紙料懸濁液を所定の装置を用いて、前記紙層上の少なくとも一部の領域に付与してすき入れ領域を形成する着色工程と、
    前記すき入れ領域と重なるようにすき入れ模様を形成するすき入れ形成工程を備えた色彩を有するセルロース要素を用いたすき入れ紙の製造方法。
  3. 前記着色工程は、前記第1の紙料懸濁液の付与量、付与する装置の各種条件、更には前記紙層上のどの位置に付与するかを設定する付与量設定工程を有することを特徴とする請求項記載の色彩を有するセルロース要素を用いたすき入れ紙の製造方法。
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