JP6545116B2 - 偽造防止用紙及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、商品券、入場券、パスポート、有価証券等の偽造防止に関するもので、偽造、改竄等の不正行為が困難な偽造防止用紙に関する。
商品券等の印刷物の偽造防止技術として、透かしが知られている。透かしは、それが施されている紙を透かして見たときに現れる模様であり、模様部分が透けて見える「白透かし」と、模様部分が周辺部に比して黒ずんで見える「黒透かし」とが知られている。これらの透かし模様は通常、湿式抄紙における湿紙の形成段階(ワイヤーパート)において、パルプ繊維などの構成繊維の坪量を部分的に変化させることによって形成される。例えば、ワイヤーパートにおいて、凸型の模様を施した抄紙網を用いた場合には、湿紙における該凸型の模様部分に対応する部分に、周辺部に比して厚みの薄い型付けがなされ、その型付けされた部分が、該湿紙を乾燥して得られる紙における白透かしとなり、また、凹型の模様を施した抄紙網を用いた場合には、湿紙における該凹型の模様部分に対応する部分に、周辺部に比して厚みの厚い型付けがなされ、その型付けされた部分が、該湿紙を乾燥して得られる紙における黒透かしとなる。また、透かし模様の一種として、疑似透かし(ケミカル透かし)などと呼ばれるものが知られている。疑似透かしは、紙等のシートに浸透して光透過率を高める物質、例えば、透明合成樹脂を溶剤に溶解したインキを用いてシートに印刷を施すことによって形成されるものであり、そのインキが付与されてなる印刷部が透かし模様となり、白透かしと同様の視覚効果を有する。
偽造防止用紙に関し、例えば特許文献1には、基材となる用紙に、二酸化チタンなどの粒子状の機能性材料が所定のパターンで付与された偽造防止用紙が記載されている。この機能性材料は、前記用紙を湿式抄紙により製造する際に、その製造中間体である湿紙に対してスプレーによって噴霧されて付与されるもので、該用紙における機能性材料が付与された部分は、該用紙を観察する角度により他の部分とは異なった輝度で観察され、前記パターンを把握することができるとされている。
特開2001−115393号公報
従来の抄紙網を用いた透かし模様の形成方法は、透かし模様を変更する場合に抄紙網の変更を伴うところ、通常、抄紙網の変更作業は簡単ではなく頻繁に行えるものではないため、透かし模様入りの紙を小ロットで多種類製造するような態様には不向きであり、製造コストについても不利である。また、特許文献1記載の透かし模様の形成方法は、粒子状の機能性材料をスプレーで噴霧することによって透かし模様を形成するため、抄紙網を用いる方法の課題は解決し得るが、機能性材料によるスプレーの目詰まり等の不都合が懸念され、改良の余地がある。黒透かしを簡便に形成する方法は未だ提供されていない。
本発明の課題は、いわゆる黒透かしと同様の視覚効果を有し、従来の黒透かし入りの紙に比して効率良く製造し得る偽造防止用紙を提供することに関する。
本発明は、親水性繊維を含有し、透過光で目視観察したときに周辺部に比して黒ずんで見える黒透かし部を有する偽造防止用紙において、前記黒透かし部は、前記親水性繊維の繊維間結合が阻害されている偽造防止用紙である。
また本発明は、前記の本発明の偽造防止用紙の製造方法であって、親水性繊維を用いて湿式抄紙により湿紙を形成し、該湿紙における前記黒透かし部の形成予定部位に繊維間結合阻害剤を付与した後、該湿紙を乾燥する工程を有する偽造防止用紙の製造方法である。
本発明によれば、いわゆる黒透かしと同様の視覚効果を有し、従来の黒透かし入りの紙に比して効率良く製造し得る偽造防止用紙が提供される。本発明の偽造防止用紙は、それが有する黒透かし部が、目視観察する際の角度によって認識できたりできなかったりし、また、認識できる場合でも色の濃さが異なるため、高い偽造防止効果を有し、また使用者に対して、該偽造防止用紙が有する偽造防止性能について高い信頼感、安心感を与えることができる。
本発明の偽造防止用紙は、親水性繊維を用いて湿式抄紙により製造されるもので、親水性繊維を含有する。本発明の偽造防止用紙を製造するための湿式抄紙は、常法に従って行うことができる。本発明で用いる親水性繊維としては、湿式抄紙で通常用いられるもの、即ち、水素結合を主体とする繊維間結合によって繊維どうしが結合し得るものを特に制限なく用いることができ、例えば、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の木材パルプ;他、麻、竹、藁、ケナフ、三椏、楮、木綿等の非木材パルプ;カチオン化パルプ、マーセル化パルプ等の変性パルプ;レーヨン等の再生セルロース繊維等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明の偽造防止用紙における親水性繊維の含有量は、偽造防止用紙の全質量に対して、好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上である。
本発明の偽造防止用紙は、親水性繊維以外の他の成分を含んでいても良い。この他の成分としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂からなる合成繊維;澱粉、ポリアクリルアミド、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン等の紙力増強剤又は定着剤;サイズ剤、填料、濾水歩留り向上剤、耐水化剤、定着剤、消泡剤、スライムコントロール剤等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の偽造防止用紙は、透過光で目視観察したときに周辺部に比して黒ずんで見える黒透かし部を有している。本発明に係る黒透かし部は、視覚的効果としては、従来の公知の方法、即ち、湿式抄紙のワイヤーパートにおいて凹型の模様を施した抄紙網を用いる方法によって形成された「黒透かし」と基本的に同じである。従来の黒透かしは、斯かる抄紙網における凹型の模様部分に対応した部分であり、周辺部に比して繊維量が多く厚みが厚い。一方で、構成繊維の繊維間結合(水素結合)については、従来の黒透かしとその周辺部とで実質的に違いは無い。
これに対し、本発明の偽造防止用紙においては、黒透かし部では、構成繊維(親水性繊維)の繊維間結合(水素結合)が阻害されているが、黒透かし部以外の部分では、構成繊維の繊維間結合は阻害されていない。本発明の偽造防止用紙による黒透かし部の視覚的効果は、斯かる繊維間結合の違いに起因するものであり、この点で、繊維量(厚み)の違いに起因する視覚的効果を奏する従来の黒透かし入りの紙と異なる。本発明の偽造防止用紙には、繊維量(坪量)が均一である形態が含まれるところ、斯かる形態においては、黒透かし部とその周辺部とで繊維量は同じであるが、黒透かし部は選択的に繊維間結合が阻害されているため、透過光で目視観察したときに周辺部に比して黒ずんで見える。尚、本発明において黒透かし部の平面視形状は特に限定されず、例えば図形、文字、記号あるいはこれらの組み合わせを選択可能であり、また、黒透かし部の配置パターンについても任意に設定可能である。
繊維間結合が阻害されている黒透かし部が、繊維間結合が阻害されていない周辺部に比して黒ずんで見える理由は定かではないが、黒透かし部は、構成繊維(親水性繊維)の繊維間結合が阻害されているために周辺部に比して嵩が増しており、その結果、光透過率が低下して黒ずんで見えると推察される。黒透かし部の周辺部は、繊維間結合が阻害されていないので嵩が黒透かし部に比べて小さく、そのため、黒透かし部よりも光透過率が高く、それ故明るく白っぽく見える。
このように、本発明に係る黒透かし部は、構成繊維である親水性繊維の繊維間結合が阻害されており、これに起因して周辺部に比して、厚みが厚く、不透明度が高く、且つ密度が低いという特性を有する。本発明に係る黒透かし部が備えるこれら3つの特性のうち、周辺部に比して厚み厚い点及び不透明度が高い点は、周辺部に比して繊維量の多い従来の黒透かしも備え得る特性であるが、周辺部に比して低密度である点は、従来の黒透かしには通常見られない特性である。
本発明に係る黒透かし部は、偽造防止用紙を製造する際の湿式抄紙において、構成繊維である親水性繊維の繊維間結合を意図的に阻害することで形成することができる。より具体的には湿式抄紙において、親水性繊維の繊維間結合を阻害する作用を有する物質(繊維間結合阻害剤)を使用する。繊維間結合阻害剤としては、有機溶媒、又は分子内に疎水基と親水基とを持つ界面活性剤を用いることができ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
繊維間結合阻害剤として使用可能な有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノールなどの極性溶媒やヘキサン、トルエンなどの非極性溶媒が挙げられる。これらの有機溶媒の中でも特に極性溶媒は、湿紙段階における湿紙内へ浸透しやすいため、本発明で好ましく用いられる。また、繊維間結合阻害剤として使用可能な界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼン系、脂肪酸系、高級アルコール系、アルファオレフィン系、ノルマルパラフィン系、アルキルフェノール系、アミノ酸系、ベタイン系、アミンオキシド系、第四級アンモニウム塩系等が挙げられる。これらの界面活性剤の中でも特に脂肪酸系は、密度の低下効果が高いため、本発明で好ましく用いられる。
繊維間結合阻害剤の使用量は、繊維間結合剤や親水性繊維の種類等に応じて適宜調整すれば良く特に限定されないが、繊維間結合阻害剤として有機溶媒又は界面活性剤を使用する場合は、親水性繊維100質量部に対して、好ましくは0.01〜5.0質量部、さらに好ましくは0.1〜1.0質量部である。
本発明に係る黒透かし部には視覚効果剤が含有されていても良い。ここでいう視覚効果剤は、黒透かし部の観察者の視覚に訴える物質を意味し、具体的には例えば、蛍光物質、赤外線反射物質、赤外線吸収物質、燐光物質、応力発光物質、フォトクロミック物質、サーモクロミック物質、パール顔料、染料、顔料等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。前記応力発光物質は、外部から加えられた力を受けて発光する性質を有する物質であり、例えば特開2015−193967号公報に記載されているものを用いることができる。黒透かし部に視覚効果剤が含有されている、即ち、黒透かし部に存する繊維に視覚効果剤が付着していると、そのような視覚効果処理が施された黒透かし部を透過光で目視観察したときに、該黒透かし部の形態自体による主要像に加えてさらに、蛍光像(蛍光物質を使用した場合の像)や赤外反射像(赤外線反射物質を使用した場合の像)や赤外線吸収像(赤外線吸収物質を使用した場合の像)などの、視覚効果剤による副次的な像が観察されるようになるため、黒透かし部における視覚効果がより一層向上する。黒透かし部における視覚効果剤の含有量は特に制限されないが、多すぎると、黒透かし部による主要像の視覚効果が損なわれるおそれがあるため、その点に留意する。
本発明の偽造防止用紙は、公知の湿式抄紙法に準じて製造することができ、具体的には、親水性繊維を用いて常法に従って湿紙を形成し、該湿紙における黒透かし部の形成予定部位に繊維間結合阻害剤を付与した後、該湿紙を乾燥する工程を経て製造される。本発明者らの知見によれば、繊維間結合阻害剤の付与対象物は、湿紙を乾燥して得られた紙ではなく、湿紙の方が好ましい。繊維間結合阻害剤を付与する際には、繊維間結合阻害剤を水等の適当な溶媒に溶解又は分散させ、その繊維間結合阻害剤を含む液を付与しても良い。尚、本発明に係る黒透かし部は繊維間結合阻害剤を用いて形成されるものであるから、繊維間結合阻害剤が付与される前の湿紙は、黒透かし部を有しておらず、通常は、厚み、不透明度及び密度が湿紙全体にわたって均一である。
湿式抄紙の実施に使用される湿式抄紙機は通常、繊維の分散液(スラリー)を抄紙網(ワイヤー)上で湿紙に形成するワイヤーパート部と、該抄紙網上の湿紙をフェルト等の移送手段に転移させて搾水するプレスパート部と、湿紙を加熱乾燥するドライヤーパート部とを含んで構成されているところ、繊維間結合阻害剤の付与は、例えば、ワイヤーパート部で抄紙網上の湿紙に対して行うことができる。その際、抄紙網上の湿紙は、通常、ワイヤーパート部に設置されているサクションボックス等の吸引手段によって所定の含水率になるまで脱水されるので、その吸引手段による脱水が完了した後に、湿紙に繊維間結合阻害剤を付与することができる。
本発明においては、繊維間結合阻害剤の付与方法は特に限定されず、黒透かし部の形成予定部位に高精度で繊維間結合阻害剤を付与し得る方法であれば良く、例えば、スプレーによる噴霧、インクジェット方式による付与が挙げられる。インクジェット方式は、周知の通り、記録ヘッドに設けられたノズルからインクの液滴を吐出させ、記録媒体にインクを付着させて画像を記録する印刷方式であり、本発明においては、インクを繊維間結合阻害剤に、記録媒体を湿紙にそれぞれ代えて利用することができる。湿紙に対する繊維間結合阻害剤の付与をインクジェット方式で行うことの利点として、凹型の模様を施した抄紙網を用いる従来の方法に比して透かし模様の変更が容易である点が挙げられるところ、斯かる利点により、例えば有価証券用途において複数の偽造防止用紙に券面ナンバーとして連続番号を順次付与するような、いわゆるバリアブル印刷(データ可変印刷)を行う場合に、その券面ナンバーを、本発明に係る黒透かし部(構成繊維の繊維間結合の阻害部)で効率良く形成することが可能となり、それによって、偽造防止効果に一層優れた偽造防止用紙が得られる。このような券面ナンバーを従来のように印刷によって付与しても、本発明に係る黒透かし部のような視覚的効果は到底奏されない。即ち、湿紙に対しインクジェット方式によって繊維間結合阻害剤を付与して得られた本発明の偽造防止用紙は、バリアブル印刷用途に特に有用であり、しかも偽造防止効果にも優れる。また、湿紙に対する繊維間結合阻害剤の付与をインクジェット方式で行うことの別の利点として、高精度で繊維間結合阻害剤を付与できるため、繊維間結合阻害剤の使用量を低減でき、製造コストの低下を図り得る点が挙げられる。
また、スプレー噴霧を応用した繊維間結合阻害剤の付与方法として、塗料が透過する透過部(開口部)を有する中空円筒状の回転体と、該回転体の中空部に配置されたスプレー等の噴霧手段とを備えた、繊維間結合阻害剤付与装置を用いる方法が挙げられる。この繊維間結合阻害剤付与装置を用いる方法においては、繊維間結合阻害剤の付与対象物である湿紙を、回転体の外周面に接触させつつ移動させ、その移動中の湿紙に対して、該回転体の内部側から噴霧手段によって繊維間結合阻害剤を噴霧する。噴霧された繊維間結合阻害剤のうち、回転体に設けられた透過部を通った分のみが湿紙に付着し、透過部を通らなかった分は湿紙に付着しないので、透過部の形状及び配置パターンを黒透かし部のそれに対応させることで、繊維間結合阻害剤を精度良く付与することが可能となる。繊維間結合阻害剤付与装置を用いた方法は、特開昭61−78469号公報記載のプリント加工方法に準じて行うこともできる。
前述したように黒透かし部に視覚効果剤を含有させる場合、湿紙における黒透かし部の形成予定部位に対して、繊維間結合阻害剤を付与するのと同時に、視覚効果剤を付与することが好ましく、特に、繊維間結合阻害剤と視覚効果剤との混合物を黒透かし部の形成予定部位に付与することが好ましい。このように繊維間結合阻害剤と視覚効果剤とを同時に湿紙に付与することで、そうして形成された黒透かし部を透過光で目視観察したときに、黒透かし部による主要像と視覚効果剤による副次的な像とが完全に一致し得るようになり、これにより偽造防止効果がより一層向上し得る。即ち、黒透かし部による主要像と視覚効果剤による副次的な像とが完全に一致するような黒透かし部は、これを観察する際に、その観察に使用する光源を適宜変更しつつ、黒透かし部による主要像と視覚効果剤による副次的な像とを撮影し、その画像を照合することで、真贋判定を行うことが可能であり、高い偽造防止効果を奏し得る。従来の抄紙網を用いた黒透かし部の形成方法では、黒透かし部による主要像に視覚効果剤による副次的な像を付加することは困難であり、また、抄紙工程後の後工程で印刷などの公知の視覚効果剤付与手段を用いて副次的な像の付加を行っても、黒透かし部による主要像と視覚効果剤による副次的な像とを完全に一致させることは困難であり、両像の位置にズレが生じるなどして、真贋判定に使用できないおそれがある。
本発明の偽造防止用紙は、単層構造でも良く、2層以上の紙層が積層された多層構造でも良い。多層構造の偽造防止用紙は、2層以上の紙層が湿潤状態で抄き合わされて構成されていても良く、その場合、黒透かし部は、抄き合わされた多層構造において厚み方向に隣接する2層の紙層の界面に形成される場合がある。即ち、常法に従って単層又は多層構造の湿紙を製造し、その湿紙の片面に繊維間結合阻害剤を付与した後、その湿紙における繊維間結合阻害剤が付与された面に、別途製造した別の単層又は多層構造の湿紙を重ね合わせた場合、斯かる工程を経て得られた多層構造の偽造防止用紙における黒透かし部(繊維間結合阻害剤の付与部)は、抄き合わされた多層構造において厚み方向に隣接する2層の紙層の界面に形成されている。
本発明の偽造防止用紙には、公知の偽造防止用紙と同様に、偽造防止機能を有する部材を含有させても良い。斯かる部材としては、例えば、紫外線の照射で蛍光発色する顔料、真珠顔料、これらの顔料が練り込まれた合成繊維、帯状のスレッド等が挙げられる。

Claims (7)

  1. 親水性繊維を含有し、透過光で目視観察したときに周辺部に比して黒ずんで見える黒透かし部を有する偽造防止用紙において、
    前記黒透かし部は、前記親水性繊維の繊維間結合が阻害されており、該黒透かし部の周辺部に比して、厚みが厚く且つ密度が低く、
    前記黒透かし部とその周辺部とで、坪量としての繊維量が均一である偽造防止用紙。
  2. 前記偽造防止用紙は、偽造防止用紙(ただし、賦型紙を除く)である請求項1に記載の偽造防止用紙。
  3. 2層以上の紙層が積層された多層構造を有し、該多層構造において厚み方向に隣接する2層の紙層の界面に前記黒透かし部が形成されている請求項1又は2に記載の偽造防止用紙。
  4. 前記黒透かし部に視覚効果剤が含有されている請求項1〜3の何れか一項に記載の偽造防止用紙。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の偽造防止用紙の製造方法であって、
    親水性繊維を用いて湿式抄紙により湿紙を形成し、該湿紙における前記黒透かし部の形成予定部位に繊維間結合阻害剤(ただし、蛍光物質、赤外線反射物質、赤外線吸収物質、燐光物質、応力発光物質、フォトクロミック物質、サーモクロミック物質、パール顔料、染料、顔料を除く)を付与した後、該湿紙を乾燥する工程を有し、
    前記繊維間結合阻害剤が有機溶媒又は界面活性剤である偽造防止用紙の製造方法。
  6. 前記湿紙に対する繊維間結合阻害剤の付与がインクジェット方式によって行われる請求項5に記載の偽造防止用紙の製造方法。
  7. 前記黒透かし部の形成予定部位に、繊維間結合阻害剤と視覚効果剤との混合物を付与する請求項5又は6に記載の偽造防止用紙の製造方法。
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