JPH09195193A - 包装用紙 - Google Patents

包装用紙

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JPH09195193A
JPH09195193A JP820996A JP820996A JPH09195193A JP H09195193 A JPH09195193 A JP H09195193A JP 820996 A JP820996 A JP 820996A JP 820996 A JP820996 A JP 820996A JP H09195193 A JPH09195193 A JP H09195193A
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JP
Japan
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bacterial cellulose
packaging paper
paper
pulp
cellulose
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Application number
JP820996A
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English (en)
Inventor
Makoto Fujita
誠 藤田
Toru Katsura
徹 桂
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 バクテリアセルロースを含有する包装用紙
は、シートの緻密性が高く、また、透明度が高く、さら
に、シート強度が強く、しかも、バリヤー性に優れた包
装用紙の提供。 【解決手段】 原料パルプ中に、バクテリアセルロース
を含有させた包装用紙は、全ての包装用紙特性におい
て、優れた品質のものが得られる。また、原料パルプに
対して、バクテリアセルロースを1〜30重量%含有さ
せた包装用紙は、全ての包装用紙特性において、一層優
れた品質のものが得られる。さらに、バクテリアセルロ
ースが、静置培養バクテリアセルロースを離解させて、
平均粒径が0.1〜10mmとしたもの、もしくは、該
バクテリアセルロースが、通気攪拌培養バクテリアセル
ロースを凝集させて、平均粒径が0.1〜10mmとし
たものを使用した包装用紙は、全ての包装用紙特性にお
いて、尚一層優れた品質のものが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シートの緻密性が高
く、また、透明度が高く、さらに、シート強度が強く、
しかも、バリヤー性に優れた包装用紙に係わるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、このような目的に使用される包装
用紙としては、一般的に、グラシン紙が挙げられるが、
グラシン紙は、化学パルプを高度に粘状叩解して抄造し
た紙に、一般紙と比べて多目の水分をもたせて、強スー
パーカレンダー処理を行った高密度で、半透明の薄葉紙
であり、透明性、耐油性、低透湿性であることから、食
品包装、薬剤の包装、板紙と貼り合わせた経木箱、打ち
抜き成形したケーキやチョコレートなどのカップなど、
広範囲に使用されている。このグラシン紙は、いわゆる
フィルムとは異なり、木材パルプ繊維による網目状絡合
構造からなるため、微細な気孔を有するものである。
【0003】これまで、グラシン紙を製造する場合、グ
ラシン紙に内在する空気とセルロースの界面を減少さ
せ、透明性やバリヤー性を高めるために、種々の方法が
採られている。例えば、グラシン紙製造の原料パルプと
して、広葉樹パルプより針葉樹パルプを使用すること、
クラフトパルプやアルカリパルプでなく、亜硫酸パルプ
を使用すること、およびパルプの叩解を強度に行うこ
と、またスーパーカレンダーによる高密度化を促進する
ため、水分、温度、線圧、カレンダーロールの硬度を高
めるなどの製造条件での工夫がなされている。しかし、
グラシン紙の強度が低下したり、叩解を進めることによ
り、動力費が増大するが、その割りには、包装用紙に要
求されるような、バリヤー性の高いグラシン紙を得るこ
とはできなかった。
【0004】その他に、適度に叩解したパルプから抄造
したシートに、油脂類、合成樹脂類をエマルジョン、溶
液などの種々な形態で含浸させることにより、空気とセ
ルロースの界面を減少させるとともに、空隙を塞ぐこと
も試みられたが、薬品類による被包装物の汚染、臭いな
どの製品安全性に関する問題が生じる恐れがある。ま
た、操業上では、カレンダーロールその他の装置が、樹
脂類で汚染されるなどのトラブルが生じる問題があっ
た。
【0005】従来技術としては、未糊化の澱粉粒をパル
プ繊維の空隙部分に充填する方法(特公平4−5779
8号公報)が提案されているが、澱粉粒とパルプ繊維と
の結合が著しく悪いなどにより、品質上のみならず、抄
紙白水中に澱粉が流出するなど、操業上および排水処理
上の問題が生じる。
【0006】さらに、最近の技術としては、セルラーゼ
のような加水分解酵素を添加して叩解したパルプを使用
したグラシン紙(特開平6−316899号公報)、お
よび繊維状澱粉を添加したグラシン紙(特開平6−19
2992号公報)などが開示されているが、包装用紙と
しての強度やバリヤー性の点で、十分とは言えないもの
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、包装用
紙中の空気とセルロースの界面を減少させる方法に関し
て、従来とは全く異なる視点から鋭意研究した結果、原
料パルプ中に、バクテリアセルロースを含有させること
により、シートの緻密性が高く、また、透明度が高く、
さらに、シート強度が強く、しかも、バリヤー性に優れ
た包装用紙を製造できることを見出し、本発明を完成さ
せるに至った。
【0008】本発明は、従来技術の問題点を解決し、
(1)シートの緻密性が高く、また、(2)透明度が高
く、さらに、(3)シート強度が強く、しかも(4)バ
リヤー性に優れた包装用紙を提供することを目的とする
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の特性を有する包装
用紙を得るため、本発明者らは鋭意検討した結果、
(1)フィルム形成能が高く、(2)強度が強く、
(3)バリヤー性に優れた素材を紙に添加すれば良いこ
とを見出した。すなわち、本発明は、パルプを主原料と
する包装用紙において、該原料パルプ中に、バクテリア
セルロースを含有することを特徴とする包装用紙であ
る。
【0010】パルプを主原料とする包装用紙において、
再離解性や生分解性などの紙の特性を維持しながら、シ
ートの緻密性を高め、シート強度を上げるためには、高
度に膨潤した(水和した)セルロース物質を使用するこ
とが有効な手段である。また、高度に膨潤したセルロー
ス物質の重合度が高い程、効果が高い。この理由として
は、フィブリル化が進んで高度に膨潤したセルロース物
質は、乾燥することでフィブリル間に水素結合が起こ
り、フィルム化が起こる。セルロース物質がパルプ繊維
のように、太いものであると、繊維間の結合で、シート
が形成されるために、「繊維集合体」としての形態しか
とれないが、フィブリル化が進み、高度に膨潤したセル
ロース物質では、細いフィブリル間結合となり、繊維集
合体からフィルム状へと、シートの形態が変化してゆく
ものと考えられる。
【0011】本発明では、パルプ繊維で構成されたシー
トに、高度に膨潤したセルロース物質を混合することに
より、シート内部にセルロース物質からなるフィルム層
が形成される。シート内にセルロースのフィルム層を形
成することにより、そのフィルムの特性である緻密性と
強度が、紙の特性と複合されて発現することになる。シ
ート内のフィルム層は、セルロース物質の膨潤性が高い
程、フィルム化が進み、また、セルロース物質の重合度
が高い程、高い強度のフィルムが形成される。その結果
として、バリヤー性が高くなる。
【0012】このような特性を満足させるセルロース物
質としては、(1)微細繊維状セルロース、(2)重叩
解パルプ、(3)バクテリアセルロースなどが挙げられ
る。しかしながら、例えば、特開昭56−100801
号公報、特開昭59−120638号公報および特開平
6−136681号公報などに開示されているような微
細繊維状セルロース物質や、重叩解パルプでは、過酷な
機械的処理のために、フィブリルが痛められ、損傷が甚
だしい故に、フィルム形成能を高めようとすると、強度
は著しく低下する。それ故、十分な強度とバリヤー性を
併せて発揮することができない。一方、バクテリアセル
ロースは、非常に細いフィブリルから構成され、高重合
度であるため、高度に膨潤していて、フィルム形成能が
大きく、乾燥後のフィルム強度が著しく強い。しかも、
フィブリルの損傷がないので、極めて優れた強度とバリ
ヤー性を発揮することができるものである。
【0013】バクテリアセルロースは、培養条件によっ
て顆粒状、フィルム状、ブロック状など、種々の形状の
ものが得られ、それらを離解することにより、微細なフ
ィブリル状となること、また、組成がパルプ繊維と同一
のセルロースであるために、パルプ繊維と容易に水素結
合を形成することなどが、本発明における包装用紙とし
ての種々の重要特性を満足させる主因となっている。本
発明において、包装用紙にバクテリアセルロースを適用
することの最大のポイントは、上述のとおり、バクテリ
アセルロースは、極めて細いために、高度に膨潤してい
て、フィルム形成能が大きく、また、高重合度であり、
さらに、脱水・乾燥後のフィルム強度が著しく強く、し
かも、フィブリルの損傷がないので、極めて優れたバリ
アー性と強度を発揮することに外ならないが、これま
で、微細に分散したバクテリアセルロースを紙の原料と
して用いた場合、高度に膨潤(水和)しているために、
抄造する際に、ワイヤー濾水性、プレス搾水性が悪化す
るなどの問題が生じがちであった。
【0014】本発明は、パルプを主原料とする包装用紙
において、該原料パルプ中に、バクテリアセルロースを
含有させれば、包装用紙としての種々の重要特性を満足
させ得る品質のものが得られるが、特筆すべきは、これ
を実操業上、なんら障害なく、工業製品として、提供し
得ることである。
【0015】本発明において、好ましい実施態様として
は、平均粒径0.1〜10mmに離解した静置培養バク
テリアセルロース離解物、もしくは、平均粒径0.1〜
10mmに凝集した通気攪拌培養バクテリアセルロース
凝集物を、原料パルプに配合することである。このよう
に、静置培養バクテリアセルロース離解物、もしくは、
通気攪拌培養バクテリアセルロース凝集物を配合するこ
とによって、抄造時のワイヤー濾水性、プレス搾水性お
よび乾燥収縮性が著しく改良される。この理由について
は、パルプスラリー中に、分散している静置培養バクテ
リアセルロース離解物、もしくは、通気攪拌培養バクテ
リアセルロース凝集物は、抄紙機のワイヤー上で、シェ
イキング、脱水、それに続くプレスでの搾水など、一連
の湿紙形成の過程において、湿紙中で適度な分散状態で
散在しているものと考えられる。したがって、湿紙形成
時点ではバクテリアセルロースは、フィルムを形成せ
ず、それ故、濾水性、搾水性はなんの障害もなく行われ
るものと考えられる。その後の乾燥工程において、湿紙
中で分散状態で存在する静置培養バクテリアセルロース
離解物、もしくは、通気攪拌培養バクテリアセルロース
凝集物が、湿紙中のパルプと渾然一体となって、いわば
面状に存在するようになり、その結果として、シート中
に、大きなフィルムを形成することができ、バリヤー性
(例えば、肉汁などに対する抵抗性)が著しく向上する
ものと推定される。本発明における包装用紙は、そのま
ま使用しても、包装用紙としての重要特性を満足する品
質のものであるが、包装されるべき内容物の種類(例え
ば、肉類、魚類など)や目的によって、さらに表面処理
や表面加工を行うことも可能であって、その素材として
も極めて有用なものである。
【0016】本発明における静置培養バクテリアセルロ
ース離解物から、所定の大きさの離解物を得る方法は、
静置培養バクテリアセルロースを、水中に0.2%濃度
に分散した後、離解機などを用いて、適当な条件で分散
させることにより行う。また、通気攪拌培養バクテリア
セルロース凝集物は、通気攪拌培養バクテリアセルロー
スを、水中に0.2%濃度に分散した後、ゆっくりと攪
拌しながらカチオン性ポリアクリルアマイドを添加し
て、作製するのがよいが、この他、種々の作製法があ
り、特に限定はない。これらの離解物または凝集物の平
均粒径を測定する方法は、染色法を用いて行う。すなわ
ち、上記のとおり、水中に0.2%濃度に分散した静置
培養バクテリアセルロース離解物、もしくは、通気攪拌
培養バクテリアセルロース凝集物を、染料(トルイジン
ブルー)で染色した後、濾紙の上にのせ、水を吸い取
り、乾燥させる。これを、画像解析装置により測定し、
円相当径を算出して求めた。
【0017】本発明の包装用紙においては、請求項1の
構成によっても、包装用紙としての重要特性を満足する
品質のものが得られるが、さらに効果を高めるために、
請求項2のように、該木材パルプに対して、バクテリア
セルロースを1〜30重量%含有させることが、より効
果的である。さらに好ましくは、1〜20重量%含有さ
せることが良い。1重量%未満であると、包装用紙とし
ての重要特性を満足する品質のものが得られない。ま
た、30重量%を超えると、濾水性の点で問題が生じ、
抄速を低下させる必要が生じる。本発明のさらに好まし
い構成である請求項3のように、バクテリアセルロース
が、静置培養バクテリアセルロースであって、該バクテ
リアセルロースを離解させて、平均粒径が0.1〜10
mmとしたものを使用することが、一層効果的である。
また、請求項4のように、バクテリアセルロースが、通
気攪拌培養バクテリアセルロースであって、該バクテリ
アセルロースを凝集させて、平均粒径が0.1〜10m
mとしたものを使用することが、一層効果的である。さ
らに、これらの二種類のバクテリアセルロースを、併用
することも可能である。なお、静置培養バクテリアセル
ロース離解物および通気攪拌培養バクテリアセルロース
凝集物とも、平均粒径が0.1mm未満であると、十分
なバリヤー性が得られず、抄紙機ワイヤー上での濾水性
も悪化する。また、平均粒径が10mmを超えると、乾
燥が不均一となり、満足する品質のものが得られない。
【0018】本発明のバクテリアセルロースとは、微生
物により生産された、セルロース、セルロースを主鎖と
したヘテロ多糖、β−1,3、β−1,2等のグルカ
ン、のいずれか或はそれらの混合物である。なお、ヘテ
ロ多糖の場合のセルロース以外の構成成分は、マンノー
ス、フラクトース、ガラクトース、キシロース、アラビ
ノース、ラムノース、グルクロン酸等の6炭糖、5炭糖
及び有機酸等である。
【0019】バクテリアセルロースを生産する微生物
は、とくに限定されないが、アセトバクター・アセチ・
サブスピーシス・キシリナム(Acetobactor acetisubsp
xylinum) ATCC 10821或は同パストウリアン
(A.pasteurium)、同ランセンス(A.rancens)、サルシナ
・ベントリクリ(Sarcina ventriculi)、バクテリウム・
キシロイデス(Bacterium xyloides)、シュードモナス属
細菌、アグロバクテリウム属細菌等で、バクテリアセル
ロースを生産するものを利用することができる。なお、
培養方法としては、静置培養で作られたものの他に、例
えば特開昭62−175190号公報(発明の名称、網
状セルロース生成物及び微生物によるその製造方法)、
特公平5−68235号公報(発明の名称、微生物によ
るセルロース性物質の製造方法)などに記載された通気
攪拌培養で作られたものなど、何れも使用することがで
きる。
【0020】静置培養で得られるバクテリアセルロース
は、ゲル状の膜であるため、離解した後、紙料に添加す
る。又、通気攪拌培養で得られるバクテリアセルロース
は、ゲル状の粒子であるため、軽度の離解処理、あるい
は、静置培養と同様に離解処理した後、紙料に添加する
ことができる。バクテリアセルロースの離解には、回転
式の離解機、ミキサー、ホモジナイザー、ビーター、リ
ファイナーなどの、機械的剪断力を作用させる装置を用
いることができる。
【0021】本発明における包装用紙には、必要に応じ
て、澱粉、澱粉誘導体、あるいは、ポリアクリルアマイ
ドなどの紙力増強剤を含有させてもよい。また、通常の
抄紙で使用される添加剤、例えばサイズ剤、定着剤など
を必要に応じて含ませることができる。さらに、紙表面
にサイズプレスなどにより、澱粉やポリビニルアルコー
ルなどを塗布することも可能である。その製造には、長
網抄紙機、オントップ抄紙機、ツインワイヤー抄紙機な
どが使用される。
【0022】
【作用】本発明における、バクテリアセルロースを含有
する包装用紙は、パルプを主体とする紙状シート内に、
高度に膨潤しているバクテリアセルロースを混合するこ
とによって、紙シート内にバクテリアセルロースで形成
されるフィルム状の層を設けることが可能となり、シー
トの緻密性、透明度が高く、しかも強度が高く、さらに
は、包装用紙として重要な特性であるバリヤー性に優れ
るという高品質の包装用紙を得ることができる。
【0023】本発明においては、裂断長、不透明度、通
気度、水引き、ボコツキおよび透明ムラは、以下の方法
により求めた。 (1)裂断長……JIS P8113 (2)不透明度…JIS P8138 (3)通気度…コールターポロメーターII(Coul
ter Porome−terII,米国)を用い、乾
燥状態で測定した。透過気体は空気、加圧力は4気圧、
測定値単位はcc/min/cm2である。 (4)水引きは、水引き状態を目視判定して、以下のと
おり、グレード付けを行った。 グレード1…水引き状態極めて良好 グレード2…水引き状態かなり良好 グレード3…水引き状態良好 グレード4…水引き状態不良 グレード5…水引き状態極めて不良 実用上は、最低限度グレード3である。 (5)ボコツキは、ボコツキ状態を目視判定して、以下
のとおり、グレード付けを行った。 グレード1…ボコツキ状態極めて良好 グレード2…ボコツキ状態かなり良好 グレード3…ボコツキ状態良好 グレード4…ボコツキ状態不良 グレード5…ボコツキ状態極めて不良 実用上は、最低限度グレード3である。 (6)透明ムラは、透明ムラ状態を目視判定して、以下
のとおり、グレード付けを行った。 グレード1…透明ムラ状態極めて良好 グレード2…透明ムラ状態かなり良好 グレード3…透明ムラ状態良好 グレード4…透明ムラ状態不良 グレード5…透明ムラ状態極めて不良 実用上は、最低限度グレード3である。
【0024】
【実施例】以下では、本発明を実施例により詳細に説明
する。なお、本発明は実施例に限定されるものではな
い。以下における部、%は、すべて絶乾重量によるもの
である。
【0025】通気攪拌培養バクテリアセルロース凝集物
調製例 シュークロース5%、リン酸1カリウム0.3%、硫酸
マグネシウム(7水塩)0.05%、カザミノ酸(Di
fco社製)0.8%、pH5の組成の培地400ml
を500ml容フラスコに張り込み、120℃30分間
殺菌した。上記の組成の培地に寒天2%を加えた斜面寒
天培地で30℃6日間生育させたアセタバクター・アセ
チ・サブスパーシス・キシリナムATCC10821を
上記の殺菌した培地に接種し30℃2日間振とう培養し
種母とした。上記培地のそれぞれ単独に酵母エキス(D
ifco社製)0.50%を加え、pH4に調整した培
地350mlをガラス製の気泡塔(全容量500ml)
に無菌的に入れ、また、50mlの種母をあわせて入
れ、通気1/10VVmにて、攪拌しつつ30℃で2週
間培養したところ、0.05mmの粒状のペレットが得
られた。
【0026】静置培養バクテリアセルロース離解物調製
例 シュークロース50g/l、酵母エキス5g/l、硫安
5g/l、リン酸水素カリウム(KH2PO4)3g/
l、硫酸マグネシウム(MgSO4 7H2O)0.5g
/lからなる組成の培地(pH5.0)50mlを容量
200mlの三角フラスコに張り込み、120℃で20
分間蒸気殺菌して培養液を作製した。次いで、この培養
液に酵母エキス5g/l、ペプトン3g/l、マンニト
ール25g/lからなる組成の斜面寒天培地(pH6.
0)で30℃、3日間生育させたアセトバクター・アセ
チ・サブスピーシス・キシリナム(ATCC 1082
1)を接種し、30℃で培養した。
【0027】上記条件で30日間培養したところ、培養
液の上層に白色のバクテリアセルロース性多糖類を含む
ゲル状の膜が形成された。このセルロース性多糖類のゲ
ル状膜を水洗後、乾燥重量の200倍の水を加え、所望
の平均粒径を持つバクテリアセルロース離解物を得るた
めに、高速ホモジナイザー(日本精機社製)を用いて1
5000rpmで、時間を変えて処理し、平均粒径が異
なるバクテリアセルロース離解物の懸濁液を調製した。
【0028】実施例1〜13 針葉樹クラフトパルプ(NBKP)をダブルディスクリ
ファイナーでカナダ標準濾水度100mlCSFまで叩
解した。このパルプスラリー100部に対して、表1に
記載されたとおりの、通気攪拌培養バクテリアセルロー
ス凝集物および静置培養バクテリアセルロース離解物を
用い、それぞれのバクテリアセルロース量および平均粒
径に調製されたバクテリアセルロースを配合した紙料を
調製した。なお、通気攪拌培養バクテリアセルロース凝
集物は、段落0016に記載されたカチオン性ポリアク
リルアマイド添加法で行った。この際、カチオン性ポリ
アクリルアマイドはバクテリアセルロース100部に対
して、1%添加し、添加時の攪拌強度(回転数)を調節
することによって、所望の平均粒径を持つバクテリアセ
ルロース凝集物を得た。また、静置培養バクテリアセル
ロース離解物は、段落0016に記載された方法で行
い、ホモジナイザーを用いて、所望の平均粒径を持つバ
クテリアセルロース離解物を得た。
【0029】それぞれの紙料から、Tappi Sta
ndard手抄き機により、坪量30g/m2 の各実施
例13種類の包装用紙を作製した。これら13種類の手
抄き試料を、105℃で乾燥し、20℃、85%RH中
で調湿後、100Kgf/cmにて、カレンダー処理を
行った。このようにして得られた13種類の包装用紙を
20℃、65%RHで調湿後、裂断長、不透明度、通気
度、水引き、ボコツキおよび透明ムラについて試験した
結果を表2に示す。
【0030】比較例1〜3 実施例1からバクテリアセルロースを除いた以外は、実
施例1と同様にして作製した試料を、比較例1とした。
バクテリアセルロースの代わりに、特開昭59−120
638号公報に記載されているような高圧ホモジナイザ
ーを用いて作製された微細繊維状セルロースを10%添
加した以外は、実施例1と同様にして作製した試料を、
比較例2とした。カナダ標準濾水度50mlCSFまで
叩解したものを比較例3用のパルプとし、この際、バク
テリアセルロースを添加しないこと以外は、実施例1と
同様にして作製した試料を、比較例3とした。このよう
にして得られた3種類の比較用の包装用紙について、試
験した結果を表2に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】表中、バクテリアセルロースは、BCと表
示した。微細繊維状セルロースは、MFCと表示した。 *1はバクテリアセルロースを使用しないもの。 *2はバクテリアセルロースの代わりに、微細繊維状セ
ルロースを10%添加したもの。 *3はバクテリアセルロースを使用せず、カナダ標準濾
水度50mlまで叩解したパルプを使用したもの。
【0034】表1および表2の結果から、通気攪拌培養
バクテリアセルロース凝集物および静置培養バクテリア
セルロース離解物の平均粒径が、3.0mmとした場
合、バクテリアセルロース配合量の増加に伴って、裂断
長(引張強度)は、明らかに向上することが解る。さら
に、バクテリアセルロース配合量の増加に伴って、透明
度の増大(不透明度の減少)および通気性の減少が認め
られ、包装用紙としての重要特性であるバリヤー性が、
顕著に向上することが解る。また、目視判定による透明
ムラも良好であって、特に実施例2〜7は、透明ムラの
ほとんどない極めて優れた品質の包装用紙が得られるこ
とが解る。水引きおよびボコツキについては、バクテリ
アセルロース配合量が35%(実施例7)になると、若
干劣る傾向が見られるものの、実用上は支障のないもの
が得られることが解る。特に、実施例1〜6について
は、極めて、ないしは、かなり良好なグレードのものが
得られることが解る。
【0035】バクテリアセルロース配合量を10%と
し、バクテリアセルロース平均粒径を0.05〜12.
0mmまで変化させた系では、いずれも裂断長は高く、
また、いずれも透明度の優れたものが得られることが解
る。通気性は、平均粒径の減少に伴って、僅かに通気性
が増大する傾向が見られるものの、いずれも総体的に通
気性が小さく、極めて良好なバリヤー性を示すことが解
る。また、水引きは、いずれも極めて良好なグレードで
あり、透明ムラも、ほとんどない極めて良好なグレード
のものが得られることが解る。ボコツキについては、実
施例9〜12は、かなり、ないしは、極めて良好なグレ
ードであって、平均粒径を0.05mmの実施例8で
も、実用上は支障のない良好なものが得られることが解
る。バクテリアセルロースの種類として、静置培養バク
テリアセルロース離解物を用いた場合でも(実施例1
3)、通気攪拌培養バクテリアセルロース凝集物と遜色
のない包装用紙としての優れた各特性を示すことが解
る。
【0036】一方、バクテリアセルロースを配合しない
比較例1は、著しく裂断長が低く、水引きおよびボコツ
キは良好であるものの、透明度は劣り、しかも通気性が
著しく劣るなど、包装用紙としての重要特性であるバリ
ヤー性において、極めて劣る品質のものしか得られない
ことが解る。また、バクテリアセルロースの代わりに、
微細繊維状セルロース(MFC)を10%配合した比較
例2は、水引きは良いものの、ボコツキが悪く、品質
上、問題があることが解る。バクテリアセルロースを配
合せずに、カナダ標準濾水度を50mlCSFにまで重
叩解したパルプを用いた比較例3は、裂断長は極めて低
く、その他の特性値も悪く、包装用紙としての特性にお
いて、著しく劣る品質のものしか得られないことが解
る。
【0037】
【発明の効果】以上のことから、本発明の包装用紙、す
なわち、パルプを主原料とする包装用紙において、該原
料パルプ中に、バクテリアセルロースを含有させた包装
用紙は、全ての包装用紙特性において、優れた品質のも
のが得られることが解る。また、原料パルプに対して、
バクテリアセルロースを1〜30重量%含有させた包装
用紙は、全ての包装用紙特性において、一層優れた品質
のものが得られることが解る。さらに、バクテリアセル
ロースが、静置培養バクテリアセルロースを離解させ
て、平均粒径が0.1〜10mmとしたもの、もしく
は、該バクテリアセルロースが、通気攪拌培養バクテリ
アセルロースを凝集させて、平均粒径が0.1〜10m
mとしたものを使用した包装用紙は、全ての包装用紙特
性において、尚一層優れた品質のものが得られることが
解る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルプを主原料とする包装用紙におい
    て、該原料パルプ中に、バクテリアセルロースを含有す
    ることを特徴とする包装用紙。
  2. 【請求項2】 該原料パルプに対して、バクテリアセル
    ロースを1〜30重量%含有することを特徴とする請求
    項1記載の包装用紙。
  3. 【請求項3】 該バクテリアセルロースが、静置培養バ
    クテリアセルロースを離解させて、平均粒径が0.1〜
    10mmとしたものであることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の包装用紙。
  4. 【請求項4】 該バクテリアセルロースが、通気攪拌培
    養バクテリアセルロースを凝集させて、平均粒径が0.
    1〜10mmとしたものであることを特徴とする請求項
    1または2記載の包装用紙。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005194648A (ja) * 2004-01-05 2005-07-21 Teijin Techno Products Ltd バクテリアセルロースが付着されたパルプ
JP2019073817A (ja) * 2017-10-13 2019-05-16 株式会社トーヨ セルロースナノファイバー含有シートおよびその製造方法
CN112522999A (zh) * 2020-11-17 2021-03-19 江阴市新艺彩印包装有限公司 一种高韧性、防磨的纸质包装材料及其制备工艺

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