JP2005068631A - カルボキシル化セルロース系繊維を含むティッシュ製品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 強度、水吸収性、柔軟性にとんだティッシュ製品の製造方法。
【解決手段】 2つ以上の層を有し、少なくとも1つの層はカルボキシル基含有量約6〜60meq/100gのカルボキシル化セルロース系繊維を含むティッシュ製品であり、カルボキシル化セルロースはアルデヒド基含有量1meq/100g未満であり、リサイクル繊維、化学パルプ、TMPからなる層の上に前記パルプにカルボキシル化パルプを配合した層を抄合わせるティッシュ製品の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、カルボキシル化セルロース系繊維を含むティッシュ製品及びティッシュ製品の製造方法に関する。
ティッシュペーパーまたはシートの例えば化粧紙、トイレットティシュ及び紙タオルは一般的な市販の消費者用製品である。こうした製品の重要な物理的特性としては、特に
強度、吸収度、及び柔らかさが挙げられる。
理想的なティッシュ製品は、高い湿潤及び乾燥強度を有する。強度は、湿っている場合を含む使用条件下で、ティッシュ製品並びにティッシュ製品ウェブが、物理的健全性(physical integrity)を維持し、引裂、破裂、及び破砕に耐える能力である。理想的なティッシュ製品、特に紙タオルはまた高い液体吸収度を有する。吸収度は、ティッシュ製品及びティッシュウェブが、水溶液及び分散系を含むある量の液体を吸収する能力の尺度である。理想的には、ティッシュ製品は、ある質量のティッシュ製品を仮定して吸収される液体の総量に対する高い吸収度並びにティッシュ製品が液体を吸収する大きな速度を有しよう。
ティッシュ製品は、水性製紙用完成紙料を形成する工程と、完成紙料をフォーミングワイヤ(forming wire)上に堆積する工程と、完成紙料から水を除去してシートを提供する工程とを含む方法によって製造される紙シートである。水性製紙用完成紙料は、製紙用繊維及び化学薬品の水性スラリーである。木材パルプが製紙用繊維の主要構成分であるが、他の繊維を含めることができる。木材パルプとしては、化学パルプの例えばクラフト及び亜硫酸パルプ;並びに機械パルプの例えば砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ、及びケミサーモメカニカルパルプが挙げられる。パルプ繊維のブレンドがしばしばティッシュ製品を製造するための完成紙料において使用されているが、強化剤(strengthening agent)を一般に含ませて、ティッシュ製品の湿潤及び乾燥強度を増大させる。木材パルプに加えて、完成紙料は、化学薬品、例えば、強化剤及び剥脱剤(debonding agent)を含んで、ティッシュ製品の強度及び柔らかさを向上させる。
適切なティッシュ製品が存在し、また、ティッシュ製品においてかなりの進歩が見られたが、ティッシュ製品のさらなる改良が、特に、増大した強度及びより詳細には増大した湿潤強度を有するティッシュ製品が要望されている。
ティッシュ製品の製造方法においては、最終ティッシュ製品を提供するために、繊維質完成紙料堆積物から有孔支持体(foraminous support)の上に生じる水を取り出して、湿ったシートを乾燥しなければならない。再度、適切な方法が存在し、また、方法の開発においてかなりの進歩が見られたが、改良された方法が特に脱水及び乾燥に関して要望されている。本発明は、こうした要望を満たそうと試みる。
1態様においては、本発明は、2つ以上の層を有するティッシュ製品を提供し、少なくとも1つの層はカルボキシル化セルロース系繊維を含む。カルボキシル化繊維含有層は、約0.5〜約100重量%のカルボキシル化セルロース系繊維を含むことができる。カルボキシル化繊維含有層はまた、様々な他のセルロース系及び合成繊維を含むことができる。1具体例においては、カルボキシル化繊維含有層は、約75重量%のカルボキシル化繊維及び約25重量%の漂白トウヒ属ケミサーモメカニカルパルプ繊維を含む。カルボキシル化繊維含有層はまた、湿潤強度増強剤(wet strength agent)及び他の添加剤の例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)を含むことができる。カルボキシル化セルロース系繊維、他の繊維、湿潤強度増強剤、及び他の付加物を含むティッシュ製品は、従来のセルロース系繊維を用いて製造したティッシュと比較して改良された湿潤強度を有する。
本発明の別の態様においては、ティッシュ製品の製造方法が得られる。本製品を、任意のタイプのティッシュマシンの例えば通気乾燥ティッシュマシン(through-air dried tissue machine)または従来のティッシュマシンで製造することができる。本方法の1具体例においては、本ティッシュ製品は、第1の繊維質完成紙料をフォーミングワイヤの上に堆積して、第1の堆積済み完成紙料を提供することと;第2の繊維質完成紙料を第1の堆積済み完成紙料の上に堆積して、湿ったウェブを提供することと;湿ったウェブから水を取り出して、シートを提供することと;シートを乾燥して、少なくとも2つの層を有するティッシュ製品を提供することと;によって製造される。第1の繊維質完成紙料または第2の繊維質完成紙料のうちの少なくとも1つはカルボキシル化セルロース系繊維を含んで、少なくとも1つの層はカルボキシル化セルロース系繊維を含むようなティッシュ製品を提供する。他の具体例においては、2つを超える繊維質完成紙料を堆積して、2つを超える層を有するティッシュ製品を提供する。
本発明の前述の態様と附随する利益の多くとは、添付図面と合わせて以下の詳細な説明を参照することによってより良く理解されるにつれて、より容易に了解されよう。
1態様においては、本発明は、カルボキシル化セルロース系繊維を含むティッシュ製品を提供する。本発明の別の態様においては、ティッシュ製品の製造方法が得られる。
本発明のティッシュ製品は、カルボキシル化セルロース系繊維を含まない他のティッシュ製品の場合のものよりも優れた有利な特性をこうしたティッシュ製品に与えるカルボキシル化セルロース系繊維を含む。本発明のティッシュ製品は、化粧紙、トイレットティシュ、使い捨てワイプ材(disposable wipe)、ナプキン、ハンカチ、または紙タオルとすることができる。
本発明のティッシュ製品は2つ以上の層を含み、1つ以上のプライを含んでよい。各層をティッシュマシンで製造することができる。層は1つ以上のタイプの繊維を含むことができる。例えば、本発明の代表的なティッシュは、各層中に2つの繊維タイプを有する3層紙タオルシートである。代表的なトイレットティシュは3つの層を有してよく、中央の層は外側の層とは異なる繊維タイプを有する。プライは、加工プロセスの最中に2つ以上のティッシュ(シート)を組み合わせることを意味する。完成品の紙タオル、トイレットティシュ、化粧紙、またはナプキンは1つ以上のプライを含んでよい。本発明のティッシュ製品は少なくとも2つの層を含み、少なくとも1つの層はカルボキシル化セルロース系繊維を含む。
1具体例においては、本ティッシュ製品は、カルボキシル化セルロース系繊維、他のセルロース系繊維、陽イオン性添加剤の例えば湿潤強度増強剤、及び所望により他の強度添加剤を含む層を含む。本発明のティッシュ製品は、カルボキシル化セルロース系繊維を含まないティッシュ製品と比較して、同等または改良された湿潤強度、陽イオン性添加剤相互作用、保水度、バルク、乾燥引張、吸収度、繊維リファイニングエネルギー要件、及びオンマシン脱水を有するものとして特徴付けられる。
本ティッシュ製品は、カルボキシル化セルロース系繊維を含む少なくとも1つの層を含む。カルボキシル化繊維を様々な方法によって製造することができる。適切なカルボキシル化繊維は、カルボキシル含有量約5〜60meq/100gのセルロース及び重合度少なくとも約600を有する。適切なカルボキシル化繊維を、WO 01/29309及び米国特許第6,379,494号(Method of Making Carboxylated Cellulosic Fibers in Products of the Methodと称する)において説明されているカルボキシル化方法によって製造することができ、上記の各々を本明細書において参考のためにその全体を引用する。こうした方法においては、カルボキシル化繊維を、2段法によって製造し、すなわち(1)接触セルロース酸化(例えば、接触酸化剤及び第2酸化剤の例えば二酸化塩素)及び(2)酸化セルロース安定化(例えば、還元または酸化)である。この方法をパルプ工場の漂白プラントに組み込んで、カルボキシル化繊維パルプを提供することができる。1具体例においては、トリアセトンアミンエチレングリコールケタール触媒を使用した二酸化塩素による酸化、続いて亜塩素酸ナトリウム及び過酸化水素を用いた酸化的安定化によって、適切なカルボキシル化繊維を製造する。
適切なカルボキシル化繊維を、広葉樹材及び針葉樹材化学パルプから製造することができる。適切なカルボキシル化繊維は、約6meq/100gのセルロースを超え、約60meq/100gのセルロース未満の総カルボキシル含有量を有する。1具体例においては、C6カルボキシル含有量は2meq/100gのセルロースを超える。C6カルボキシル含有量は、グルクロン酸誘導体を提供するための、セルロースのアンヒドログルコース単位のC6でのカルボキシル化度(extent of carboxylation)を指す。適切なカルボキシル化繊維は、約1meq/100gのセルロース未満という低いアルデヒド含有量を有する。適切なカルボキシル化繊維は、プレ酸形態(pre-acid form)で700を超え、ナトリウム塩形態で850を超える重合度を有する。1具体例においては、カルボキシル化繊維は、約75〜約95パーセントの範囲内のISO明るさを有する。1具体例においては、針葉樹材カルボキシル化繊維の粘度は約18mPaを超える。カルボキシル化繊維を、乾燥済みまたは未乾燥形態でティッシュマシンに提供することができる。
市販のパルプリファナーを使用して、希薄水性懸濁液中で水切れ及び強度目標にまでカルボキシル化繊維をリファイニングすることができる。
カルボキシル化繊維に加えて、本発明のティッシュ製品のカルボキシル化繊維含有層は、1つ以上の他のパルプ繊維を含むことができる。適切な他のパルプ繊維としては、例えば、リサイクル繊維、漂白クラフト広葉樹材繊維、漂白クラフト針葉樹材繊維(例えば、北部漂白針葉樹材クラフトパルプ(NBSK))、漂白亜硫酸繊維及び漂白ケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)繊維が挙げられる。1具体例においては、紙タオルとして有用な本ティッシュ製品は、カルボキシル化セルロース系繊維及びBCTMP繊維の組合せを含む層を含む。未漂白パルプ繊維及び非パルプ繊維もまた使用することができる。カルボキシル化繊維に加えて含ませるための他の繊維の選択の判定基準は、製造される最終用途製品に依存しようし、従来技術に精通した人には周知である。
個々のティッシュ製品のカルボキシル化繊維含有量は、本製品の最終用途によって変化しよう。例えば、紙タオルは、繊維の総重量を基準として約0.5〜約100重量%のカルボキシル化繊維を含有することができる層を含んでよく、化粧紙またはトイレットティシュは、繊維の総重量を基準として約10〜約100%のカルボキシル化繊維を含有することができる層を含んでよい。
1具体例においては、本発明のティッシュ製品のカルボキシル化繊維含有層は湿潤強度増強剤を含む。適切な湿潤強度増強剤は、陽イオン性添加剤の例えば陽イオン性デンプン、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、及びポリアクリルアミド−エピクロロヒドリン樹脂である。1具体例においては、湿潤強度増強剤は、ハーキュリーズ、Inc.、ウィルミントン、DE(Hercules, Inc., Wilmington, DE)からカイメン(KYMENE)という名称で市販されているポリアクリルアミド−エピクロロヒドリン樹脂である。湿潤強度増強剤は、ティッシュ製品中に約5〜約50lb/1トンの繊維の量で存在することができる。1具体例においては、湿潤強度増強剤は約10lb/1トンの繊維で存在し;別の具体例においては、約25lb/1トンの繊維;別の具体例においては、約40lb/1トンの繊維で存在する。
紙タオル製品の場合、湿潤強度増強剤は、永久湿潤強度増強剤の例えばポリアクリルアミド−エピクロロヒドリン樹脂である。トイレットティシュ及び化粧紙製品の場合、湿潤強度増強剤は、一時湿潤強度増強剤の例えば陽イオン性デンプンである。
本ティッシュ製品のカルボキシル化繊維含有層はまた、他の強度添加剤を含むことができる。他の適切な強度添加剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)が挙げられる。カルボキシル化繊維含有層は、繊維の総重量を基準として最高約10lb/トンのCMCまでを含むことができる。1具体例においては、カルボキシル化繊維含有層は約4lb/トンのCMCを含み、別の具体例においては、カルボキシル化繊維含有層は約8lb/トンのCMCを含む。
ティッシュ製造方法の最中、ティッシュ製品を製造する際に有用な他の化学薬品を所望により使用することができる。他の有用な化学薬品としては、歩留まり向上剤、軟化剤、界面活性剤、ヤンキーコーティング(Yankee coating)、及び通気ドライヤ放出スプレー(through-air dryer release spray)が挙げられる。
上記に言及したように、本発明のティッシュ製品は、市販のパルプ(例えば、漂白北部針葉樹材クラフトパルプ)から製造したティッシュよりも大きな湿潤引張及び破裂強さ;市販のパルプを用いて製造したティッシュよりも大きな湿潤強度/乾燥強度比(湿潤破裂/乾燥引張、WB/DT比、または湿潤引張/乾燥引張、WB/DT比);市販のパルプから製造したティッシュ製品のもの以上の乾燥引張強さ;及び市販のパルプを用いて製造したティッシュ製品よりも大きな引張り吸収エネルギー(TEA)指数を有するものとして特徴付けられる。
1具体例においては、カルボキシル化繊維を含む本発明のティッシュ製品は、湿潤破裂/乾燥引張比約0.20〜約0.40を有する。
本発明のティッシュ製品の他の層は、例えば、カルボキシル化セルロース系繊維が挙げられる上記に説明した材料のうちの1つ以上を含むことができる。
本発明の別の態様においては、カルボキシル化セルロース系繊維を含むティッシュ製品の製造方法が得られる。1具体例においては、本ティッシュ製品をティッシュマシンで製造する。本方法においては、リファイニングしてよいカルボキシル化繊維を1つ以上の他のパルプ及び強度添加剤(希望に応じて)と組み合わせ、ティッシュマシンヘッドボックスに供給する。カルボキシル化繊維は、多層ティッシュシート中の1つの層を生成するための別個の完成紙料または一緒に混合される幾つかのパルプのうちの1つとすることができる。カルボキシル化繊維は、ティッシュ完成紙料の約0.5パーセント〜100パーセントを占めることができる。カルボキシル化繊維は、多層ティッシュシートの1つ以上の層中に存在することができる。ヘッドボックスの内容物を有孔支持体の上に堆積することによって製造される湿ったウェブまたはシートを、ティッシュマシンの様々な単位操作によって処理して、乾燥ティッシュ未仕上げ大巻取りを製造する。ティッシュ未仕上げ大巻取りを様々な加工装置によってさらに処理して、完成消費者用製品の例えばトイレットティシュ、化粧紙、紙タオルにすることができる。本発明のティッシュ製品を、例えば、従来のマシン、クレープ通気乾燥マシン(creped through-air dried machine)、または非クレープ通気乾燥マシンが挙げられる様々なティッシュマシンで製造することができる。
本発明の代表的なティッシュ製品(すなわち、3層製品)を製造する際に有用な通気乾燥ティッシュマシンの略図を図1に示す。図1を参照すると、ティッシュマシン100は、上部チャンバ12、中央チャンバ16、及び底部チャンバ14を有する層状ヘッドボックス10を含む。長網20は、ブレストロール101、真空サクションボックス30、及びクーチロール102の上及び周りでループ状になる。3層ティッシュ製品を製造するための代表的な作業においては、第1の製紙用完成紙料を、上部チャンバ12を通してポンプ送圧し、第2の製紙用完成紙料を、中央チャンバ16を通してポンプ送圧し、第3の完成紙料を、底部チャンバ14を通しポンプ送圧してワイヤ20の上に供給し、層40a、40b、及び40cを有する初期ウェブ(embryonic web)40を形成する。脱水は、ワイヤ20及び真空ボックス30を通して起きる。ワイヤが矢印で示す方向に戻る時に、シャワー50は、ワイヤがブレストロール101上を再度通過し始める前にワイヤを清浄化する。ウェブ移動帯域60で、真空トランスファーボックス64の作用によって初期ウェブ40を有孔キャリアファブリック62に移動させる。キャリアファブリック62は、ウェブを移動帯域60から真空脱水ボックス66を通過させ予備ドライヤまたは通気ドライヤ68を通して運び、その後ウェブは押付けロール103の作用によってヤンキードライヤ70に移動する。次に、キャリアファブリック62がシャワー52及び真空脱水ボックス54を通過することでそのループを完了する時に、キャリアファブリック62を清浄化し、脱水する。予備乾燥済み紙ウェブを、スプレ付与装置80によって供給される接着剤によってヤンキードライヤ70の円柱表面に接着固定する。加熱され、乾燥フード90を通って循環する熱風によって、蒸気加熱ヤンキードライヤ70上での乾燥を完了する。ウェブを次にヤンキードライヤ70から離してドクターブレード82によってドライクレープし、その後シート42はヤンキー側層42a、中央層42b、及び逆ヤンキー側層42cを含む。シート42は次にカレンダーロール104と105との間を通過し、シャフト107上に配置されたコア106の上に巻取られて、ロール44を提供する。
上記に説明した方法においては、3層ティッシュ製品の製造を説明する。2層ティッシュ製品及び3つを超える層を有するティッシュ製品をこの方法によって製造することができ、これらが本発明の範囲内にあることは了解されよう。説明した方法に関して、カルボキシル化繊維含有層は層のうちの1つ以上としてよい。例えば、本ティッシュ製品のカルボキシル化繊維含有層は本ティッシュ製品の中央の層または本ティッシュ製品の外側の層の片方若しくは両方としてよい。
代表的な試行においては、NBSK(カルボキシル化繊維または対照)包含率は75パーセントであり;層(空気/コア/ヤンキー)間の坪量分割は33パーセント/34パーセント/33パーセントであり;リール坪量は20.5gsmであり;ヤンキー速度は1100mpmであり;ツインワイヤフォーマー/通気ドライヤワイヤ速度比は1.15であり、これは15パーセントのファブリッククレープを生じた。マシンを操作して、以下の幾つかのマシン変数を制御した;(1)目標NBSKろ水度またはNBSKリファイニングエネルギー入力を実現するためのリファイニングエネルギー入力;及び(2)通気ドライヤエネルギー入力を調節して、通気ドライヤを出るシート固形物を85パーセントを超えるように保った。この試行を、カールスタード、スウェーデンにあるメッツォ・ペーパー・カールスタードAB(Metso Paper Karlstad AB)のパイロット通気乾燥抄紙機で行った。
ロール形態の代表的なティッシュ製品を、上記に説明したティッシュマシンで製造した。抄紙機によって製造した本ティッシュ製品は、高級消費者用紙タオルに典型的なものだった。本ティッシュ製品は、市販のパルプ(NBSK)またはカルボキシル化NBSKパルプ繊維、漂白ケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)、湿潤強度増強剤及び所望によりカルボキシメチルセルロースを含んだ。実験変数は、NBSKまたはカルボキシル化繊維のリファイニングエネルギー入力及び強化剤の添加率を含んだ。
試行条件を図2に表で示す。表において、PA対照は、北部漂白針葉樹材クラフトパルプ(プリンスアルバート、サスカチェワン(Prince Albert, Saskatchewan))を指し;TR962は、カルボキシル化パルプ繊維を指し;TR963は、TR962と同じように乾燥し十分に漂白済みのプリンスアルバート北部漂白針葉樹材クラフトパルプを指し;包含率は、シート中に含まれるPA対照またはTR962若しくはTR963パルプのパーセンテージであり、シート中に含まれるパルプの残りは、セードラ・セルAB(Sodra Cell AB)から市販されている明るさ80及びカナダ標準ろ水度(CSF)525を有する漂白ケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)であり;湿潤強度増強剤は、ハーキュリーズ製のポリアクリルアミド−エピクロロヒドリン樹脂(カイメン SLX)であり;強度添加剤は、メツェー・ケミカル(Mesta Chemical)製のカルボキシメチルセルロース(CMC 7−MT)だった。
本ティッシュ製品及びその特性を図3〜5に要約する。図3は、対照パルプから製造したシートの特性を比較する表である。図4は、460〜480CSF、25lb/トンの湿潤強度増強剤、及び4lb/トンのカルボキシメチルセルロースで、カルボキシル化繊維パルプ及び対照から製造したシートの特性を要約する表である。図5は、53kWh/mtのリファイニングエネルギー入力及び25lb/トンの湿潤強度増強剤で、カルボキシル化繊維パルプ及び対照パルプから製造したシートの特性に、カルボキシメチルセルロースが及ぼす影響を示す表である。
データは、カルボキシル化セルロース系繊維を含むティッシュ製品は、市販のパルプから製造したティッシュ製品と比較して、同一の包含率、同一のNBSKリファイニングエネルギー入力、同一の湿潤強度増強剤添加率、及び同一のCMC添加率で改良されたシート特性を有することを示す。乾燥引張、湿潤引張、及び湿潤破裂強さ(wet burst strength)において改良が観察された。
ティッシュマシンデータは、通気ドライヤは、カルボキシル化セルロース系繊維を含有するティッシュを乾燥するために、市販のパルプから製造したティッシュと比較して、同一の包含率、同一のNBSKリファイニングエネルギー入力、同一の湿潤強度増強剤添加率、及び同一のカルボキシメチルセルロース添加率で同等の総通気乾燥出力を必要とすることを示す。
データはまた、カルボキシル化セルロース系繊維パルプは、対照パルプよりも低い未リファイニングろ水度を有し、同等のリファイニングエネルギー入力で対照パルプよりも低いろ水度にリファイニングするか、またはより低いリファイニングエネルギーを用いて同一のろ水度にリファイニングすることを示す。
カルボキシル化繊維を単一の繊維完成紙料として使用して、ティッシュ手すき紙を製造した。一連の実験において、ティッシュ手すき紙を、3つのカルボキシルレベル(3、7、及び12meq/100gのセルロース)で、北部漂白針葉樹材クラフトパルプから製造したカルボキシル化セルロース系繊維から製造した。こうしたパルプを、3つの異なるレベルのリファインメント(パルプろ過抵抗(PFR)で測定して7、10、及び13sec2)にリファイニングした。パルプろ過抵抗(PFR)は、カナダ標準ろ水度(CSF)と同様に、パルプから生じる水の水切れの尺度である。上述の手すき紙においては、湿潤強度増強剤(カイメン)を3つの異なるレベル(20、35、及び50lb/1トンの繊維)で加えた。ティッシュ製品はまた、カルボキシメチルセルロース(CMC)を強度添加剤として3つの異なるレベル、0、2、及び4lb/1トンの繊維で含んだ。結果を図6に表で示す。
結果は、市販のNBSKパルプと比較して、カルボキシル化繊維を含む手すき紙のティッシュ手すき紙特性の改良を示す。典型的な市販のNBSKパルプは、カルボキシルレベル約3〜約4meq/100gのセルロースを有する。データは、カルボキシル化パルプを含む手すき紙は、市販のパルプから製造した手すき紙よりも高い湿潤破裂強さ及び湿潤破裂強さ/乾燥引張強さ比を有することを示す。
また手すき紙を、カルボキシル化パルプ繊維を含ませて製造し、北部漂白針葉樹材クラフトパルプ対照(プリンスアルバートNBSK)を使用して製造した手すき紙と比較した。リファイニングの影響、並びに強化剤の量を決定した。カルボキシル化パルプを含む手すき紙は、市販のパルプから製造した対照手すき紙と比較して、より高い湿潤破裂強さ及び湿潤破裂強さ/乾燥引張強さ比を有する。カルボキシル化繊維を含む手すき紙は、より低いリファインメントで対照よりもわずかに高く、かつ、より高いリファインメントで対照よりもわずかに低い乾燥引張強さを有した。結果を図7〜10に示す。
図7は、2つの代表的なカルボキシル化繊維の場合のパルプろ過抵抗(PFR)対パルプPFIミル回転(PFI revs)を、対照と比較して示すグラフである。全ての手すき紙の場合に、パルプろ過装置の回転と共にパルプろ過抵抗は増大する。
図8は、全ての試料の場合に同一の湿潤強度増強剤添加率を用いて、代表的なティッシュ(手すき紙)の場合の湿潤破裂対パルプろ過抵抗を、対照と比較して示すグラフである。湿潤破裂強さを、トゥイング・アルバート・インスツルメントCo.、フィラデルフィア、ペンシルベニア(Thwing Albert Instrument Co., Philadelphia, Pennsylvania)が製造したトゥイング・アルバート モデル1300−177(Thwing Albert Model 1300-177)湿潤破裂試験機で測定した。パルプろ過抵抗の増大と共に湿潤破裂は増大する。カルボキシル化繊維を含む手すき紙は、対照手すき紙と比較して、かなり大きな湿潤破裂をパルプろ過抵抗の関数として示した。
図9は、本発明の代表的なティッシュ製品(手すき紙)の場合の乾燥引張強さ対パルプろ過抵抗を、対照と比較して示すグラフである。全ての手すき紙の場合に、パルプろ過抵抗の増大と共に乾燥引張は増大する。乾燥引張の最大の増大は5〜約10sec2に見られる。
図10は、全ての試料の場合に同一の湿潤強度増強剤添加率を用いて、本発明の代表的なティッシュ製品(手すき紙)の場合の湿潤破裂/乾燥引張強さ比対パルプろ過速度を、対照と比較するグラフである。パルプろ過抵抗の増大と共に湿潤破裂/乾燥引張比はわずかに増大した。カルボキシル化繊維を含有する手すき紙の場合の湿潤破裂/乾燥引張比は、対照手すき紙の場合よりもかなり大きかった。
本発明の代表的なティッシュ製品(手すき紙)及び市販のパルプから製造した手すき紙(対照)の組成及び特性を、図11A及び11Bに要約する。表において、PAパイロット乾燥は、カナダ紙パ技術協会(the Paper and Pulp Research Institute of Canada)(ポワントクレール、ケベック(Point-Claire, Quebec))で乾燥した十分に漂白済みの未乾燥北部漂白針葉樹材クラフトパルプを指し;プリンスアルバートは、ウェヤーハウザーのプリンスアルバート、サスカチェワンのパルプ工場で工業的に製造されている北部漂白針葉樹材パルプを指し;カルボキシル化は、カナダ紙パ技術協会(ポワントクレール、ケベック)で乾燥したカルボキシル化セルロース系繊維パルプを指し;CSFは、カナダ標準ろ水度(PFRの代わりとなる水切れの尺度である)を指し;BSWTは、坪量(gsm)を指し;WB/DTは、湿潤破裂/乾燥引張比を指し;WRVは、保水度を指す。
対照手すき紙は、NBSK対照パルプ(プリンスアルバート)または第2のNBSK対照パルプ(PAパイロット乾燥)(本発明の手すき紙において使用するカルボキシル化繊維と同じように乾燥した)を含んだ。こうした手すき紙の場合、CSFは375、475、または575mlであり、カイメンは10、25、または40lb/トンで含まれ、CMCは0、4、または8lb/トンで含まれた。カルボキシル化繊維を含む手すき紙は、市販のNBSKパルプから製造した手すき紙のものと比較して、任意の水切れ(CSF)で、改良された湿潤破裂強さ、引張強さ、及び湿潤破裂/乾燥引張比を有した。
低密度で低坪量のティッシュ手すき紙も、イーシャー−ウイスリファナー(Esher-Wyss refiner)を使用してリファイニングされたこうしたパルプから製造され、様々な量の湿潤強度増強剤(カイメン)及びカルボキシメチルセルロース(CMC)を含んだ。図12〜14は、手すき紙データの回帰分析に基づき、こうした手すき紙の実際の及び予測性能を比較し、様々なろ水度で、湿潤破裂強さ、乾燥引張強さ、及び湿潤破裂/乾燥引張強さ対湿潤強度増強剤量を比較する。
本発明の製品は、湿潤強度増強剤(例えば、カイメン)をより有効に利用して、ティッシュにおけるより高い湿潤強度を生じる。図12A及び12Bは、様々なカイメン添加率で、カルボキシル化繊維を用いて製造した手すき紙の実際の及び予測湿潤破裂強さと対照パルプを用いて製造した手すき紙のものとを比較するグラフである。NBSKのリファイニングは各グラフにつき変化し、両方の実施例においてCMC添加率は0lb/トンである。カルボキシル化繊維を含有する手すき紙の湿潤破裂強さは、全てのカイメン添加率で対照よりも高い。図12Aは、CSF=475にリファイニングしたパルプの場合の湿潤破裂対湿潤強度増強剤添加を示し、図12Bは、CSF=375にリファイニングしたパルプの場合の湿潤破裂対湿潤強度増強剤添加を示す。破線の曲線は、カルボキシル化パルプを含有するティッシュの場合の予測曲線であり、(+)の点は、カルボキシル化繊維パルプを含有するティッシュの場合の実際の点であり、実線の曲線は、非カルボキシル化繊維パルプを含む対照ティッシュの場合の予測曲線であり、(◆)の点は、非カルボキシル化繊維を含有する対照ティッシュの場合の実際の点である。カルボキシル化繊維パルプから製造した手すき紙は、工業的に有用な湿潤強度添加範囲内で、対照パルプよりも大きな湿潤破裂強さを有する。
本発明の好ましい目的は、ティッシュの乾燥強度を増大させることなく、より高い湿潤強度を有するティッシュを製造することであると思われる。図13A及び13Bは、様々なカイメン添加率で、カルボキシル化繊維を用いて製造した手すき紙の実際の及び予測乾燥引張強さと対照パルプを用いて製造した手すき紙のものとを比較するグラフである。NBSKのリファイニングは各グラフにつき変化し、両方の実施例においてCMC添加率は0lb/トンである。2つの手すき紙の乾燥引張強さは、最高約25lbのカイメン/トンまで同等である。従って、従来技術に精通した人であれば、2つの手すき紙の乾燥強度は、カイメン包含の通常工業的に変化しうる範囲内で同等であることは認識できよう。図13Aは、CSF=475にリファイニングしたパルプの場合の乾燥引張対湿潤強度増強剤添加を示し、図13Bは、CSF=375にリファイニングしたパルプの場合の乾燥引張対湿潤強度増強剤添加を示す。破線の曲線は、カルボキシル化パルプを含有するティッシュの場合の予測曲線であり、(+)の点は、カルボキシル化繊維パルプを含有するティッシュの場合の実際の点であり、実線の曲線は、非カルボキシル化繊維パルプを含む対照ティッシュの場合の予測曲線であり、(◆)の点は、非カルボキシル化繊維を含有する対照ティッシュの場合の実際の点である。カルボキシル化繊維パルプから製造した手すき紙は、工業的に有用な湿潤強度添加範囲内で、対照パルプと同等の乾燥引張強さを有する。
図14A及び14Bは、カイメン添加率に対して、カルボキシル化繊維を用いて製造した手すき紙の実際の及び予測湿潤破裂/乾燥引張強さ比と対照パルプを用いて製造した手すき紙のものとを比較するグラフである。NBSKのリファイニングは各グラフにつき変化し、両方の実施例においてCMC添加率は0lb/トンである。この湿潤破裂強さ/乾燥引張強さ比は、図12A〜13Bのデータを組み合わせたものである。本発明の製品は、全てのカイメン添加率でこの比の実質的な改良を示す。図14Aは、CSF=475にリファイニングしたパルプの場合の湿潤破裂/乾燥引張対湿潤強度増強剤添加を示し、図14Bは、CSF=375にリファイニングしたパルプの場合の湿潤破裂/乾燥引張対湿潤強度増強剤添加を示す。破線の曲線は、カルボキシル化パルプを含有するティッシュの場合の予測曲線であり、(+)の点は、カルボキシル化繊維パルプを含有するティッシュの場合の実際の点であり、実線の曲線は、非カルボキシル化繊維パルプを含む対照ティッシュの場合の予測曲線であり、(◆)の点は、非カルボキシル化繊維を含有する対照ティッシュの場合の実際の点である。カルボキシル化繊維パルプから製造した手すき紙は、工業的に有用な湿潤強度添加範囲内で、対照パルプよりも大きな湿潤破裂/乾燥引張比を有する。
本発明の代表的なティッシュ製品を図15A及び15Bに示す。図15Aは、第1の層202及び第2の層204を有する代表的な2層ティッシュ製品(200)を示す。図15Bは、第1の層212、第2の層214及び第3の層216を有する代表的な3層ティッシュ製品(210)を示す。
本明細書において言及するパラメータを決定するために使用する方法を下記に説明する。
坪量決定方法
紙の幾つかのシートの面積を線測定(lineal measurement)から決定し、秤量によって質量を決定する。質量対面積の比が坪量(すなわち、g/m2)である。紙の多くの物理的性質の例えば破裂、引裂、引張、バルク、及び厚さの値を読み、関連する個々の坪量に関して特定する。試料紙のシートを選択し、切断して、総試料目標面積5,000cm2を得る。各試料から、2つのシートを無作為に選択する。選択したシートの各辺を測定する。任意の2つの向かい合う縁部の長さが1mmを超えて異なる場合、各辺は十分に平行ではないので、試料を再度切断しなければならない。向かい合う辺の測定値を平均し、0.25mmの位まで記録する。各標本を天びんで秤量し、重量を記録する。各標本につき坪量(basis weight)(または坪量(grammage))(g/m2)を次の通り計算する:
[式中、M=標本の質量(g)であり;L=試料標本の平均長さ(mm)であり;W=試料標本の平均幅(mm)である。]
坪量を決定するための関連方法としては、ISO 536:1995(E)、紙及び板紙、坪量の決定;及びTAPPI T 410 om−98、紙及び板紙の坪量(重量/単位面積)(ISO 536: 1995 (E), Paper and Board, Determination of Grammage; and TAPPI T 410 om-98, Grammage of Paper and Paperboard (Weight per Unit Area))が挙げられる。
引張強さ決定方法
この方法を使用して、以下の紙の3つの切断特性を決定する:指定の幅の標本において引張破損を引き起こすために必要な力(切断荷重または引張強さ);標本の破損時伸び(引張られた長さ(strained length)と最初の長さとの間の差、比として表す);及び破損させるために標本によって単位面積当りに吸収させたエネルギー(引張り吸収エネルギーまたはTEA)。試験をインストロン 4422万能試験システム(Instron 4422 Universal Testing System)で実行する。クロスヘッドは、均一な予め定められた速度で移動する。弾性率(ヤング率)もまたこの方法を用いて決定することができる。比引張強さ及び/または裂断長を測定する場合、試料の坪量が必要である。
紙製品における紙の引張り特性は一般に、印刷及び様々な面内応力がシートに作用するような他の加工作業の最中の潜在的な切断に対する耐性を示す。伸びは、紙が所望の輪郭に一致する能力を示し、これは、印刷機及び他のプロセスにおいて繰り返し起きる。引張り吸収エネルギー(TEA)は紙がいかにそれぞれの応力に耐えるかの指標であり、従って耐久性の尺度である。引張り特性は、最初のパルプの特性(材木種、パルプ化のタイプ及び条件、漂白度)及び製紙の最中のそれに続く処理(リファイニング度、添加剤のタイプ及び量、リサイクル材料の量)に依存する。引張強さは、パルプ製造において重要であり、というのは、その強度特性は、そのパルプから製造される紙の強度特性に影響を与えるからである。
全ての試料を、23+/−1℃及び50+/−2%の相対湿度でコンディショニングし、試験すべきである。標本を幅25mm(約1インチ)及び長さ約250mmに切断し、試験方向(縦方向または幅方向)は長さ寸法(long dimension)と平行である。手すき紙標本を幅15mm×長さ125〜145mmに切断すべきである。標本長さは、試験スパンプラス各クランプにつき締付領域約25mmを得るのに十分でなければならない。試験される材料に適切なロードセルを選択する。大部分の試験の場合、試験範囲1〜50kgを有する50kgタイプのロードセルを使用する。非常に強力な等級(合わせ板紙及びコンテナーボード)を試験する場合、5〜250lb(100kg)を試験するための容量を有する“CT”タイプのロードセルを使用する。手すき紙の場合、試験範囲0.5〜25kgを有する25kgロードセルが適切である。装置フレームに特有でロードセルに特有な必要な試験方法を特定することで、インストロン装置を準備する。他に、技術者の手引き書及びインストロンのマニュアルを使用して、方法を作り出すかまたは修正することができる。グリップスパンを180mmで設定し、ジョグをリモートに設定し、底部クランプに鋼定規を位置させる。コントロールパネルのGLリセットを起動してスパンを再度ゼロにする。標本及び試験方向(すなわち、MDまたはCD)にラベルを付ける。弾性率の決定の場合、各試験条片の厚さを条片の長手方向に3つの位置で測定する。平均条片厚さをmm単位で記録する。
校正の場合、適切なロードセル及びそのコネクタケーブルを正しいインストロンフレームに接続する。次に電子校正方法でインストロン装置を校正する。
試料測定値を得るために、適切な試験方法を選択し、特定の命令及び入力のためのプログラムプロンプトに従う。使用する標準的な速度は25.4mm/分(約1インチ/分)であり、締付圧力は65psiで一定のままとすべきである。薄葉紙の場合、一度に最高10枚までの標本を上部顎に挿入して、両方の顎を締付けた時に下部顎と垂直に整列していることを確実にする。クランプは、正確に試験するためには標本の長さに対して(及び引く方向に対して)垂直でなければならない。一旦標本を下部顎に締付けたら、方法プロンプトに従い、コンピュータに試験を開始させる。ソフトウェア計算を検証するために、第1の試料のREPファイル及びグラフを印刷する。グラフの伸び及び最大荷重値を使用して、引張、伸び、及び裂断長を計算する。曲線の弾性域に接する直線を描き、傾きを計算することで、弾性率を計算することができる。10枚の標本/試料を試験する。
切断荷重(B)をkN/m単位で計算するために、以下の式を使用する:
[式中、f=破損時荷重(kg)であり、w=標本幅(mm)である。]
比引張強さ(T)をNm/g単位で計算するために、以下の式を使用する:
[式中、g=坪量のための条項(g/m2)である。]
裂断長(L)をkm単位で計算するために、以下の式を使用する:
伸び(ε)を%単位で計算するために、以下の式を使用する:
[式中、s=初期(未引張)スパン(mm)であり;sf=破損時スパン(mm)である。]
引張り吸収エネルギー(TEA)(J/m2)は、破損するまで標本に応力をかけた際になされた仕事であり、ゼロから最大ひずみまでの引張ひずみの範囲にわたって引張応力の積分をすることで測定する。TEAを、エネルギー/試験標本の単位面積(試験スパン×幅)として表す。TEAの計算を収集ソフトウェアによって実行する。TEAを標本坪量(g/m2)で割ることで、TEA指数(J/g)を得る。以下の式を使用し、応力/ひずみ曲線の弾性域の傾きから、弾性率(E)(GPa)を計算する:
[式中、L1=曲線の弾性域にある2つの荷重のより低い方(kg)であり;L2=2つの荷重のより高い方(kg)であり;E1=L1での標本伸び(mm)であり;E2=L2での標本伸び(mm)であり;T=平均標本厚さ(mm)である。]
引張り特性を決定するための関連方法としては、ISO 1924−2:1994−(E)、紙及び板紙、引張り特性の決定、パート2:定率伸び方法;及びTAPPI T 494 om−96、紙及び板紙の引張切断特性(装置の定率伸びを使用して)(ISO 1924-2: 1994-(E) Paper and Board, Determination of Tensile Properties, Part 2: Constant Rate of Elongation Method; and TAPPI T 494 om-96, Tensile Breaking Properties of Paper and Paperboard (Using Constant Rate of Elongation Apparatus))が挙げられる。
厚さ決定方法
この方法を使用して、指定の時間適用される指定の荷重を使用し、モータ駆動マイクロメータの使用によって、紙及び板紙の単一シート厚さを決定する。この方法は、見掛けの厚さを測定するためのIPCソフトプラテン技術を使用するのに適している。この技術は、軟質ネオプレンゴムで被覆した圧力面を有するマイクロメータを用いる。これは、ラテックスが表面不規則性に一致する能力が理由となって、厚さの読みを低くする効果を有する。これは、粗いまたは不規則な表面を有する材料の例えばライナーボード及び波形中間体(corrugated medium)を測定する場合に有用である。
厚さは、特性の例えば構造(バルク)、こわさ、不透明度、及び折りに影響を与えるので、紙にとって重要な特性である。厚さの変動はまた、重要なマシン変数を監視するために非常に有用である。
試料を、23+/−1℃及び50+/−2%の相対湿度でコンディショニングし、試験する。
試料は、最小20及び最高50までの読みを得るのに十分なものであるべきである。プラテンの表面を、無塵紙を用いて清浄化し、マイクロメータの読みをゼロに調節する。単一の標本を厚味計の開口部中に挿入し、圧力面を閉じ、読みを安定化させる。50回の試験/試料(例えば、10枚のシートの各々に関して5回の読み/シート)を実行する。各試料の後に、装置のゼロがドリフトしていないことを確認する。ドリフトしている場合、プラテンを清浄化し、必要に応じて再度調節する。
単一シート厚さをmm(0.001mmの位まで)単位またはミル(1,000分の1インチ)単位で報告する。
風乾バルク(cm3/g)を計算するために、以下の式を使用する:
[式中、A=厚さ(mm)であり、B=風乾坪量(g/m2)である。]
風乾(“見掛け”)密度(kg/m3)を計算するために、以下の式を使用する:
[式中、A=厚さ(mm)、及びB=風乾坪量(g/m2)である。]
厚さを決定するための関連方法としては、TAPPI T 411 om−97、紙、板紙、及びはり合わせ板紙の厚さ(thickness)(厚さ(Caliper));TAPPI T 511 pm−92、紙及び板紙の厚さ(ソフトプラテン方法);及びISO 534:1988(E)、紙及び板紙、厚さ及び見掛け嵩密度または見掛けシート密度の決定(TAPPI T 411 om-97, Thickness (Caliper) of Paper, Paperboard, and Combined Board; TAPPI T 511 pm-92, Thickness of Paper, Paperboard (Soft Platen Method); and ISO 534: 1988(E) Paper and Board, Determination of Thickness and Apparent Bulk Density or Apparent Sheet Density)が挙げられる。
カナダ標準ろ水度決定方法
カナダ標準ろ水度(CSF)試験方法を使用して、リファイニングの最中のパルプの水切れ特性の変化を評価する。加えて、この方法を使用して、水を放出する際に抄紙機のウェットエンドで希薄パルプ懸濁液がどのようにふるまうかを前もって示すものとしてヘッドボックス紙料を監視する。ろ水度はリファイニング度に大きく依存し、従ってパルプバルク及び強度特性のかなり良好な指標である。この方法は、単独でまたは他の試験方法(PFI、エッシャー−ウイス、ヴァレービーター(Escher-Wyss, Valley Beater)を使用した実験室リファイニング)と一緒に使用できる全てのタイプのパルプに適している。この方法はISO 5267−2の修正に基づく。この方法においては、標準的な試験機中で0.3%濃度で3絶乾(OD)gのパルプから排出する水の体積を把握し、測定する。排出する量は、主に存在するデブリ(すなわち、微細繊維)の量に、また、より少ない程度ではあるが繊維のフィブリル化度、可撓性、及び圧縮率に依存する。
乾物含有量20%以上を有するパルプを、少なくとも4時間でかつ48時間未満、脱イオン水中に浸漬する。パルプを次に、方法WM I−5263、パルプの離解、において説明されているように離解する。リファイニングされていないパルプの場合、24〜30ODgに相当するものを、標準的な離解機中で5分間(15,000回転)、2450〜2900mLの脱イオン水中で離解する。全ての試料を、作製(例えば、離解、リファイニング)直後に試験する。リファイニングしたパルプのCSFは時間と共に変化し得る。試験される試料の絶乾濃度は0.3%+/−0.02%とすべきである。チャンバ並びに従来の底部オリフィス及び第2の側方オリフィスを有する漏斗を含む試験装置を使用し、メスシリンダーを漏斗の側方オリフィスの下に置いて、放出物を集める。1000mLのビーカーを底部オリフィスの下に置いて、全ての放出物を集める。希釈した試料を十分に混合し、3.00ODgに相当するものを1000mLのメスシリンダー中に取り出す。この量を試料の濃度測定値から計算する:
取り出した試料の量(g)=3.00g(100)/%濃度。メスシリンダー内容物を1000mLの印にまで希釈することで、試料を0.30%濃度に調節する。内容物をろ水度試験器の上部チャンバ中に注ぐ。チャンバの上部蓋を閉じ、締付け、チャンバの上部蓋の空気コックを閉じる。底部蓋を開け、上部の空気コックを開ける。側方オリフィスからの放出が完全に停止したら、適切なメスシリンダー中に総体積を集める。この放出物の体積を、100mL未満の値の場合には1mLの位まで、100mLと250mLとの間の値の場合には2mLの位まで、及び250mLを超える値の場合には500mLの位まで読み取る。ろ水度(CSF)を、整数のmL(whole mL)の位まで報告する。
パルプのろ水度を決定するための関連方法は、TAPPI T 227 om−94、パルプのろ水度;及びISO 5267−2:1980、パルプ、水切れ性の決定、パート2:“カナダ標準”ろ水度方法(TAPPI T 227 om-94 Freeness of Pulp; and ISO 5267-2: 1980 Pulps, Determination of Drainability, Part 2: "Canadian Standard" Freeness Method)において説明されている。
保水度決定方法
保水度(WRV)は、抄紙機上での脱水挙動に関してパルプの性能を評価する際に有用なツールとなることができる。個々の用途に関するこの方法の有用性は、紙料のタイプ、添加剤、マシン形状、及び他のファクターに依存して変化することがある。この方法は、遠心力の標準的な値、遠心分離の時間、及び簡易な準備を提供するので、結果を標準的な値で比較することができる。この方法で測定したWRVは、重力の900倍に等しい遠心力に30分間(最大速度に達するために2分間)さらした後に、パルプ試料によって保持される水の量である。パルプの坪量は1400g/m2(OD)である。この方法はTAPPI UM−256の修正である。試験を実行するために、デジタルrpmメータを有し自由揺動ヘッドを有する実験室用遠心分離機(IECモデルHN−SIIまたは同等物)が必要である。
パルプの濃度は、希薄形態である場合、0.1%の位まで正確に知られていなければならない。乾燥済みパルプは浸漬すべきである。0.709ODgのパルプに相当するものを秤量し、乾燥している場合には最低4時間小さな容器中で脱イオン水に浸漬する。予め乾燥した場合、浸漬したパルプを引裂いて“豆粒”サイズの断片(3〜7mm)にし、容器中に入れ、脱イオン水を充填する。パルプ及び水の混合物を約30秒間ブレンドし、スラリーを注意深く遠心分離管中に注ぎ、均一なパッドが形成されたことを確認し、上澄み水を除去する。2600+/−20rpmで30分間遠心分離する。遠心分離後、管からパッドを除去し、パッドを0.001gの位まで秤量する。パッドを乾燥するために、オーブン中に入れ、105+/−3℃で少なくとも12時間、しかし72時間を超えない時間乾燥する。乾燥したパッドを0.001gの位まで秤量する。
保水度(WRV)を、gの水/gの繊維単位で、以下の式を使用して計算する:
[式中、W=遠心分離後のパッドの質量(g)であり、D=パッドの乾燥質量(g)である。]
パルプろ過抵抗決定方法
パルプろ過抵抗(PFR)は、水切れに対するパルプの抵抗の尺度である。PFRは、様々なレベルのリファイニングでパルプの脱水する能力を判断するための重要なツールである。これは、抄紙機の予備ドライヤ温度及びマシン速度に直接影響を及ぼす。試験は、PFRノズル中のスクリーンを通し、100mLのスラリーを3回タイミングを調節してろ過することからなる。このスクリーンは、手すき紙ワイヤとして使用されるものと同じモノフィラメント材料で製造されている。PFR測定を実行する方法は米国特許第5,228,954号において説明されている。
PFRは、カナダ標準ろ水度(CSF)と同様に、パルプスラリーのろ水度を測定する方法である。PFRは、繊維の水切れ特性に関して繊維を特徴付ける優れた方法であると考えられている。推定のためにCSFを以下の式でPFRに関連させてよい:
[式中、PFRは秒単位であり、CSFはミリリットル単位である。]
この関係は誤差を免れないので、推定のためにのみ使用するべきである。PFRを測定するより正確方法は次の通り。
0.1%濃度のスラリーのアリコートを3回連続してプロポーショナーから放出し、プロポーショナーの放出物に接続したスクリーンを通してろ過することによって、PFRを測定する。各アリコートを集めるために必要な時間を記録し、各ろ過の間ではスクリーンを除去も清浄化もしない。
プロポーショナー(スペシャル・マシナリ・コーポレーション、546 エステアベニュー、シンシナティ、OH 45232(Special Machinery Corporation, 546 Este Avenue, Cincinnati, OH 45232)から得たものであり、図面#C−PP−318である)はPFRアタッチメント(スペシャル・マシナリ・コーポレーションから得たものであり、図面#4A−PP−103、部品#8である)を備える。PFRアタッチメントに、清浄なスクリーン(手すき紙製造のために使用するもの(アップルトンワイヤ84×76M(Appleton Wire 84 × 76M))と同じタイプのスクリーンの1−1/8インチの打抜き円を使用し、試験機中にシート側を“上にして”装填する)を装填する。
離解済みパルプの0.10%濃度のスラリーをプロポーショナー中、体積19リットルで作製し、PFRアタッチメントを所定の位置に置く。100mLのメスフラスコをPFRアタッチメントの出口の下に位置決めする。プロポーショナー出口弁を開け、タイマーを始動し、100mLをメスフラスコ中に集めたら直ちに弁を閉じ、タイマーを停止する(弁を閉じた後、さらなる液体が恐らくフラスコ中に排出されよう)。0.10秒の位まで時間を記録し、“A”と記す。
ろ液を破棄し、フラスコを元の位置に戻し、さらに100mLのアリコートを同じ手順で集め、各ろ過の間ではスクリーンを除去も清浄化もしない。この時間間隔を“B”として記録する。
再度、ろ液を破棄し、フラスコを元の位置に戻し、さらに100mLのアリコートを同じ手順で集め、各ろ過の間ではスクリーンを除去も清浄化もしない。この時間間隔を“C”として記録する。
次にPFRを、以下の式を使用して計算する:
[式中、A、B、及びCは記録された時間間隔であり、Eは、75°Fで観察されると思われる値に対してPFRを補正するために使用する温度の関数であり:
ここで、Tは、最後のアリコートを採取した後にプロポーショナー中で°Fの位まで測定したスラリー温度である。]
手すき紙製造及び湿潤破裂試験方法
手すき紙製造.約30〜31gのパルプを、PFIリファナー中で570±5mLのカナダ標準ろ水度にリファイニングした。合計2000mLの水中の19g(乾燥量基準)のリファイニング済みパルプを英国式離解機(British disintegrator)中に入れた。2.28gの12.5%カイメン 557H溶液を加え、スラリーを10分間離解した。得られた離解済みパルプスラリーを19Lに希釈して、0.1%濃度のスラリーを形成した。このスラリーのろ水度を、液体スラリー水頭高さ36インチを使用し、84×76ワイヤ/インチを含む直径1.0インチの円形手すき紙用フォーミングワイヤを通して、300mLのろ過水を通過させるのに要した時間で測定した。フォーミングワイヤは、オールバニー・インターナショナル、435、シックスストリート、メナシャ、Wis、54952(Albany International, 435 Sixth St., Menasha, Wis, 54952)から得た。
湿潤破裂試験方法.12インチ×12インチのデッケルボックスを使用して、上記に説明したフォーミングワイヤ上に、坪量約26g/m2で密度約240kg/r3の手すき紙を形成した。5枚のシートを各パルプにつき形成した。シートはウェットプレスしなかった。手すき紙の脱水を成し遂げるために、依然としてフォーミングワイヤ上にあるシートを、真空スリット上を通過させた。シートを蒸気加熱円筒型ドライヤ上で乾燥し、オーブン中で1時間、105℃でキュアした。シートの湿潤破裂強さを、トゥイング・アルバート・インスツルメントCo.、フィラデルフィア、Pa.、19154(Thwing Albert Instrument Co., Philadelphia, Pa., 19154)が製造したトゥイング・アルバート モデル1300−177(Thwing Albert Model 1300-177)湿潤破裂試験機で測定した。8回の測定を各パルプにつき行い、平均値を計算し、湿潤破裂強さとして採用した。
本発明の好適な具体例を示し、説明してきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明に様々な変更を行い得ることは了解されよう。
本発明のティッシュ製品を製造する際に有用な通気乾燥ティッシュマシンの略図である。 本発明の代表的なティッシュ製品(シート)の組成及び針葉樹材パルプリファイニング条件を、対照シートと比較して要約する表である。 対照パルプから製造したシートの特性を比較する表である。 460〜480CSF、25lb/トンの湿潤強度増強剤、及び4lb/トンのカルボキシメチルセルロースで、カルボキシル化繊維パルプ及び対照から製造したシートの特性を要約する表である。 一定のリファイニングエネルギー入力及び25lb/トンの湿潤強度増強剤で、カルボキシル化繊維パルプ及び対照パルプから製造したシートの特性に、カルボキシメチルセルロースが及ぼす影響を示す表である。 3つの異なるカルボキシル含有量(4、10、及び16meq/100g)、3つの異なるリファイニング条件(7、10、及び13sec2PFR)、3つの異なる湿潤強度増強剤添加率(20、35、及び50lb/トン)、及び3つの異なるカルボキシメチルセルロース添加率(0、2、及び4lb/トン)を有するパルプから製造した本発明の代表的なティッシュ製品(手すき紙)の組成及び特性を要約する表である。 2つの代表的なカルボキシル化繊維の場合のパルプろ過抵抗(PFR)対パルプPFIミル回転(PFI revs)を、対照と比較して示すグラフである。 代表的なティッシュ(手すき紙)の場合の湿潤破裂対パルプろ過抵抗を、対照と比較して示すグラフである。 本発明の代表的なティッシュ製品(手すき紙)の場合の引張強さ対パルプろ過抵抗を、対照と比較して示すグラフである。 本発明の代表的なティッシュ製品(手すき紙)の場合の湿潤破裂/乾燥引張強さ比対パルプろ過速度を、対照と比較するグラフである。 図11Aは、3つの異なるリファイニング条件(375、475、及び575CSF)、3つの異なる湿潤強度添加率(0、4、及び8lb/トン)、及び3つの異なるカルボキシメチルセルロース添加率(0、4、及び8lb/トン)で、本発明の代表的なティッシュ製品(手すき紙)の組成及び特性を、対照ティッシュ製品と比較して要約する表である。 図11Bは、3つの異なるリファイニング条件(375、475、及び575CSF)、3つの異なる湿潤強度添加率(0、4、及び8lb/トン)、及び3つの異なるカルボキシメチルセルロース添加率(0、4、及び8lb/トン)で、本発明の代表的なティッシュ製品(手すき紙)の組成及び特性を、対照ティッシュ製品と比較して要約する表である。 本発明の代表的なティッシュ製品の場合の実際の及び予測湿潤破裂対加えた湿潤強度増強剤(カイメン)量を、カルボキシル化セルロース系繊維を含まないティッシュ製品と比較するグラフであり;予測曲線は、組み合わせ回帰モデル(combined regression model)に基づき;破線の曲線は、カルボキシル化パルプを含有するティッシュの場合の予測曲線であり、(+)の点は、カルボキシル化繊維パルプを含有するティッシュの場合の実際の点であり、実線の曲線は、非カルボキシル化繊維パルプを含む対照ティッシュの場合の予測曲線であり、(◆)の点は、非カルボキシル化繊維を含有する対照ティッシュの場合の実際の点である。図12Aは、CSF=475にリファイニングしたパルプの場合の湿潤破裂対湿潤強度増強剤添加を示す。図12Bは、CSF=375にリファイニングしたパルプの場合の湿潤破裂対湿潤強度増強剤添加を示す。 本発明の代表的なティッシュ製品の場合の実際の及び予測乾燥引張対加えた湿潤強度増強剤(カイメン)量を、カルボキシル化セルロース系繊維を含まないティッシュ製品と比較するグラフであり;予測曲線は、組み合わせ回帰モデルに基づき;破線の曲線は、カルボキシル化パルプを含有するティッシュの場合の予測曲線であり、(+)の点は、カルボキシル化繊維パルプを含有するティッシュの場合の実際の点であり、実線の曲線は、非カルボキシル化繊維パルプを含む対照ティッシュの場合の予測曲線であり、(◆)の点は、非カルボキシル化繊維を含有する対照ティッシュの場合の実際の点である。図13Aは、CSF=475にリファイニングしたパルプの場合の乾燥引張対湿潤強度増強剤添加を示す。図13Bは、CSF=375にリファイニングしたパルプの場合の乾燥引張対湿潤強度増強剤添加を示す。 本発明の代表的なティッシュ製品の場合の実際の及び予測湿潤破裂/乾燥引張比対加えた湿潤強度増強剤(カイメン)量を、カルボキシル化セルロース系繊維を含まないティッシュ製品と比較するグラフであり;予測曲線は、組み合わせ回帰モデルに基づき;破線の曲線は、カルボキシル化パルプを含有するティッシュの場合の予測曲線であり、(+)の点は、カルボキシル化繊維パルプを含有するティッシュの場合の実際の点であり、実線の曲線は、非カルボキシル化繊維パルプを含む対照ティッシュの場合の予測曲線であり、(◆)の点は、非カルボキシル化繊維を含有する対照ティッシュの場合の実際の点である。図14Aは、CSF=475にリファイニングしたパルプの場合の湿潤破裂/乾燥引張対湿潤強度増強剤添加を示す。図14Bは、CSF=375にリファイニングしたパルプの場合の湿潤破裂/乾燥引張対湿潤強度増強剤添加を示す。 図15Aは、2つの層を有する本発明の代表的なティッシュ製品を示す。図15Bは、3つの層を有する本発明の代表的なティッシュ製品を示す。
符号の説明
10 層状ヘッドボックス
12 上部チャンバ
14 底部チャンバ
16 中央チャンバ
20 長網
30 真空サクションボックス
40 初期ウェブ
40a 層
40b 層
40c 層
42 シート
42a ヤンキー側層
42b 中央層
42c 逆ヤンキー側層
44 ロール
50 シャワー
52 シャワー
54 真空脱水ボックス
60 ウェブ移動帯域
62 有孔キャリアファブリック
64 真空トランスファーボックス
66 真空脱水ボックス
68 予備ドライヤまたは通気ドライヤ
70 ヤンキードライヤ
80 スプレ付与装置
82 ドクターブレード
90 乾燥フード
100 ティッシュマシン
101 ブレストロール
102 クーチロール
103 押付けロール
104 カレンダーロール
105 カレンダーロール
106 コア
107 シャフト
200 代表的な2層ティッシュ製品
202 第1の層
204 第2の層
210 代表的な3層ティッシュ製品
212 第1の層
214 第2の層
216 第3の層

Claims (10)

  1. ティッシュ製品の製造方法であって:
    (a)第1の繊維質完成紙料をフォーミングワイヤの上に堆積して、第1の堆積済み完成紙料を提供することと;
    (b)第2の繊維質完成紙料を前記第1の堆積済み完成紙料の上に堆積して、湿ったウェブを提供し、前記第1の繊維質完成紙料または前記第2の繊維質完成紙料のうちの少なくとも1つはカルボキシル化セルロース系繊維を含むことと;
    (c)前記湿ったウェブから水を取り出して、シートを提供することと;
    (d)前記シートを乾燥して、少なくとも2つの層を有する前記ティッシュ製品を提供し、少なくとも1つの層はカルボキシル化セルロース系繊維を含むことと;
    を含む方法。
  2. 前記カルボキシル化セルロース系繊維はカルボキシル含有量約6〜約60meq/100gのセルロースを有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記カルボキシル化セルロース系繊維はアルデヒド含有量約1meq/100gのセルロース未満を有する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1の繊維質完成紙料または第2の繊維質完成紙料は非カルボキシル化繊維を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記非カルボキシル化繊維は、リサイクル繊維、漂白クラフト広葉樹材パルプ繊維、漂白クラフト針葉樹材パルプ繊維、漂白亜硫酸パルプ繊維、または漂白ケミサーモメカニカルパルプ繊維のうちの少なくとも1つである、請求項4に記載の方法。
  6. 前記第1の繊維質完成紙料または第2の繊維質完成紙料は湿潤強度増強剤を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記湿潤強度増強剤はポリアクリルアミド−エピクロロヒドリン樹脂を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記強度増強剤は陽イオン性デンプンを含む、請求項6に記載の方法。
  9. 前記第1の繊維質完成紙料または第2の繊維質完成紙料はカルボキシメチルセルロースを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 第3の繊維質完成紙料を第2の堆積済み繊維質完成紙料の上に堆積して、前記第1の繊維質完成紙料、前記第2の繊維質完成紙料、または前記第3の繊維質完成紙料のうちの少なくとも1つはカルボキシル化セルロース系繊維を含み、少なくとも3つの層を有する前記ティッシュ製品を提供し、少なくとも1つの層はカルボキシル化セルロース系繊維を含むことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
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