JP4879244B2 - 部品剛性の最適構造作製プログラムおよび情報処理装置 - Google Patents
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以下、従来から行われているコンピュータによるシミュレーションを利用した構造設計の手順について説明する。なお、コンピュータによるシミュレーションは、コンピュータに、公知のCAE(Computer Aided Engineering)プログラムを実行させることにより行われている。
具体的には、設計者が、前記コンピュータに、構造物の「設計情報、物性値情報、拘束条件、荷重条件、推定した弱体部位を指定する座標情報」等の入力データを与える。前記コンピュータは、与えられた入力データを用いて、推定した弱体部位候補に対して集中荷重を加えた有限要素法による構造解析(集中荷重による剛性CAE)を行い、構造物の変位を求め、その求めた変位を示す情報を出力する。
そして、設計者は、前記コンピュータが出力した構造物の変位を示す情報を見て、推定した弱体部位候補が弱体部位であるか否かを判定する。
そして、設計者は、前記の解析結果を見て、必要な剛性強化対策(リブの追加や板厚の増加等)を考え、剛性強化が必要な部位に対して、剛性強化対策を行っていた。
具体的には、上述した従来技術では、設計者自身が選定した弱体部位候補毎に、コンピュータによるシミュレーションを行い、弱体部位候補の検証を行い、構造物の弱体部位を特定している。
そして、構造物には、一般的に、複数の弱体部位があるため、設計者は、複数の弱体部位候補を選定すると共に、その選定した弱体部位毎に、シミュレーションを行わなければならず、作業負担が膨大なものとなっていた。
また、従来技術では、複数の弱体部位が特定された場合、その弱体部位毎に、トポロジ最適化処理(シミュレーション)が行われていたため、設計者にとりその手間が面倒であった。
また、従来技術では、設計者自身が弱体部位と思われる弱体部位候補を選定する必要があるため、剛性強化対策が必要な弱体部位を見落とす可能性があった。
しかし、上記の剛性強化対策は、複数通り考えられ(板厚増加、リブの追加、板厚増加およびリブの追加の組合せ等)、その複数通りある剛性強化対策の中から、所望する対策効果が得られる剛性強化対策を選定することは困難であった。
また、設計者にとり、その複数通りある剛性強化対策の中から最適な剛性強化対策を選定する処理は、負担となっていた。
ここで、前記情報処理装置には、所定の評価範囲毎に、複数の剛性強化対策、および該剛性強化対策毎の対策効果が関連付けられた対策情報を格納したデータベースが記憶されている。
そして、前記部品剛性の最適構造作製プログラムは、前記入力データを用いた前記構造物に対し、等分布荷重を加えた有限要素法による構造解析を実施し、変位量が一番大きい部位を特定して、該部位を弱体部位候補として推定するステップと、前記弱体部位候補に対し、所定の集中荷重を加えた有限要素法による構造解析を実施し、該弱体部位候補の変位量を求めるステップと、該求めた変位が所定基準より大きければ、該弱体部位候補が弱体部位であると判定し、該求めた変位が所定基準より小さければ該弱体部位候補が弱体部位ではないと判定するステップと、さらに、前記弱体部位候補が弱体部位であると判定された場合、該判定した弱体部位の剛性を疑似的に上げた上で、再度、前記推定処理および前記判定処理を行い、次の弱体部位候補の推定および検証を行い、1つまたは複数の弱体部位を選定するステップと、前記入力データを用いて、前記選定した1つまたは複数の弱体部位に対して、重み付けをした有限要素法によるトポロジ最適化処理を行い、前記構造物の剛性強化が必要な剛性強化必要部位を求めるステップと、前記求めた剛性強化必要部位を出力し、設計者に対して、剛性強化対策を行う対策範囲と、該剛性強化対策により得られる対策効果とを含む対策条件の入力を促すと共に、設計者からの前記対策条件の入力を受け付けるステップと、前記データベースに格納された対策情報の中から、前記受け付けた対策条件に含まれる対策範囲と差異が小さい評価範囲に関連付けられ、且つ、前記受け付けた対策条件に含まれる対策効果を満たす剛性強化対策を選定するステップと、前記入力データを用いて、前記設計情報に前記選定した剛性強化対策を施すと共に、該剛性強化対策を施した部分に集中荷重を加えた有限要素法による構造解析を行い、該剛性強化対策を検証するステップとを前記情報処理装置に実行させることを特徴とする。
すなわち、本発明によれば、設計者が簡単な入力操作を行うだけで、情報処理装置が自動的に構造物の剛性強化対策の選定と、その選定した剛性強化対策の検証を行うため、上述した従来技術と比べて、構造設計の手間が大幅に軽減される。
また、本発明の部品剛性の最適構造作製プログラムによれば、情報処理装置に設計者が入力した対策条件に対応する剛性強化対策を選定する処理を実行させることができる。すなわち、本発明によれば、設計者自身が剛性強化対策を考える必要がなくなるため、構造設計を行う設計者の負担が軽減される。
また、本発明によれば、選定した弱体部位の剛性を疑似的に上げた上で、再度、有限要素法による構造解析を行っているため、疑似的に上げた弱体部位以外の領域に弱体部位があるか否かを検証できるようになる。
すなわち、本発明によれば、構造物に弱体部位が複数ある場合であっても、弱体部位が見落とされる可能性が軽減されるため、精度の高い構造設計が行えるようになる。
そして、前記情報処理装置は、設計者からの各種データの入力を受け付ける入力手段と、所定の評価範囲毎に、複数の剛性強化対策、および該剛性強化対策毎の対策効果が関連付けられた対策情報が格納されたデータベースと、前記入力データおよび前記データベースに格納された対策情報を用いて、前記構造物に対する剛性強化対策を選定すると共に、該選定した剛性強化対策を検証する解析手段とを備え、前記解析手段は、前記入力データを用いた前記構造物に対し、等分布荷重を加えた有限要素法による構造解析を実施し、変位量が一番大きい部位を特定して、該部位を弱体部位候補として推定し、前記弱体部位候補に対し、所定の集中荷重を加えた有限要素法による構造解析を実施して該弱体部位候補の変位量を求め、該求めた変位が所定基準より大きければ、該弱体部位候補が弱体部位であると判定し、該求めた変位が所定基準より小さければ該弱体部位候補が弱体部位ではないと判定し、さらに、前記弱体部位候補が弱体部位であると判定された場合、該判定した弱体部位の剛性を疑似的に上げた上で、再度、前記推定処理および前記判定処理を行い、次の弱体部位候補の推定および検証を行い、1つまたは複数の弱体部位を選定し、前記入力データを用いて、前記選定した1つまたは複数の弱体部位に対して、重み付けをした有限要素法によるトポロジ最適化処理を行い、前記構造物の剛性強化が必要な剛性強化必要部位を求めて、前記求めた剛性強化必要部位を出力し、設計者に対して、剛性強化対策を行う対策範囲と、該剛性強化対策により得られる対策効果とを含む対策条件の入力を促すと共に、設計者からの前記対策条件の入力を受け付け、前記データベースに格納された対策情報の中から、前記受け付けた対策条件に含まれる対策範囲と差異が小さい評価範囲に関連付けられ、且つ、前記受け付けた対策条件に含まれる対策効果を満たす剛性強化対策を選定し、前記入力データを用いて、前記設計情報に前記選定した剛性強化対策を施すと共に、該剛性強化対策を施した部分に集中荷重を加えた有限要素法による構造解析を行い、該剛性強化対策を検証することを特徴とする。
先ず、本実施形態の構造物の設計支援装置の機能構成を図1に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態の設計支援装置の機能ブロック図である。
また、情報処理装置1は、LAN(Local Area Network)等のネットワークNWを介して、CAD装置4に接続されている。
また、情報処理装置1は、前記構造解析により、構造物に弱体部位があれば、さらに、有限要素法によるトポロジ最適化処理を実行し、出力装置3に、その解析結果を出力すると共に、設計者に構造物の剛性の強化対策を促す。
また、情報処理装置1は、構造物の剛性強化が必要な部位(領域)に対する剛性強化対策(板厚アップ、リブ追加等)を選定し、さらに、選定した剛性強化対策により構造物が剛性基準を満たすようになったか否かを検証する。
出力装置3は、液晶ディスプレイ等により構成され、情報処理装置1が出力する画像情報を表示する。
また、CAD装置4には、構造解析を行う対象の構造物のCAD情報(例えば、自動車の構成部品の設計情報)が格納されている。そして、CAD装置4は、情報処理装置1からの要求にしたがい、情報処理装置1にCAD情報を出力する。
以下、設計支援装置Aの具体的な構成を説明する。なお、本実施形態のCAD装置4は、公知の技術により実現されるため、詳細な説明は省略する。
制御部10は、情報処理装置1の全体の動作を制御する。また、制御部10は、入力装置2を介して、設計者が入力する各種要求を受け付ける。そして、制御部10は、上記の受け付けた要求にしたがい、データ取得部20、構造解析部30、および出力部40を制御して、設計者からの要求に応じた処理を行う。
また、データ取得部20は、入力装置2を介して、設計者が入力する、解析対象の構造物の「解析条件(物性値情報、拘束条件、荷重条件)」の入力を受け付ける。
出力部40は、構造解析部30から解析結果を取得し、その解析結果を示す画像情報(例えば、図6に示す情報)を生成し、出力装置3に、その生成した画像情報を出力する。
この剛性強化対策データベース45に登録されるデータは、後述するが、例えば、仮想的に想定した解析モデルに対して行うコンピュータシミュレーションにより求められる。
図2は、本実施形態の情報処理装置のハードウェア構成図である。
図示するように、情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)50と、RAM(Random Access Memory)等により構成された主記憶装置51と、I/Oインタフェース52と、ハードディスク等により構成された補助記憶装置53と、ネットワークNWに接続されている装置との間で行うデータ授受の制御を行うネットワークインタフェース54とを有する。
また、補助記憶装置53には、上述した各部(制御部10、データ取得部20、構造解析部30、および出力部40)の機能を実現するためのプログラム(部品剛性の最適構造作製プログラム55)が格納されている。また、補助記憶装置53には、上述した剛性強化対策データベース45が格納されている。
図3は、本実施形態の剛性強化対策データベースのデータ構成を模擬的に例示した図である。
ここで、部品ID451とは、構造物の種類(インパネ、フロントバンパ、リアバンパ等)を識別する情報のことをいう。また、評価範囲452とは、構造物の剛性強化対策を行う対象範囲をいう。
また、剛性適用範囲453とは、剛性適用範囲453に対応付けられた剛性強化対策454が適用される構造物(剛性強化対策前の構造物)の剛性強度の範囲をいう。
そして、図示する例では、強化対策の内容(項目)を示す情報として、「板厚アップ」、「リブ追加」、「板厚アップおよびリブ追加の組合せ」が登録されている。また、「板厚アップ」、「リブ追加」、「板厚アップおよびリブ追加の組合せ」は、それぞれ、複数種類登録されている。
例えば、「板厚アップ」の項目として複数の「板厚寸法の増加対策」が登録されており、それぞれの「板厚寸法の増加対策」毎に、その「板厚アップ」による効果(対策効果)を示す情報が対応付けられている。
また、剛性強化対策を施した場合の「対策効果」として、剛性強化対策を施した後に、その評価範囲に所定の集中荷重を加えた場合における構造物(インパネ)の変位が登録されている。
なお、本実施形態では、剛性強化対策データベース45に格納されるデータの作成方法について特に限定されるものではないが、例えば、図4に例示する「仮想的に想定した解析モデルB」に対して行う有限要素法による構造解析(剛性解析)により求めるようにしてもよい。
すなわち、解析モデルB(評価範囲(L(mm)×W(mm)毎に行う)に対して想定可能な強化対策を順番に行い、強化対策を行った解析モデルWに集中荷重Fを加えた有限要素法による構造解析(剛性解析)を実施し、解析モデルWの変位(z2(mm))を求める。
前記求めた変位(z2(mm))が目標変位(剛性基準)を満たした場合(z2≦a(mm))、その「解析モデルB」および「強化対策、変位(z2(mm))」は、剛性強化対策データベース45に登録する(変位(z2(mm))は対策効果として登録される)。なお、この場合、解析モデルBの評価範囲(L(mm)×W(mm))に、「強化対策、変位(z2(mm))」が強化対策454として、関連付けられる。
図5は、本発明の実施形態の設計支援装置が行う構造物設計支援処理の手順を示したフローチャートである。
なお、図示する処理ステップに先立って、設計支援装置Aを構成する情報処理装置1には、設計対象の構造物の設計情報と、当該構造物の解析条件(物性値情報、拘束条件、荷重条件)とが入力されているものとする。すなわち、情報処理装置1のメモリ(主記憶装置51又は補助記憶装置53)には、前記構造物の設計情報および解析条件が記憶されている。
また、以下の処理ステップの中で用いられる有限要素法は、周知のものと同様である。
例えば、データ取得部20は、出力部40を介して、出力装置3に「構造設計の対象の構造物(部品)の選択を受け付ける選択画面」を表示させて、設計者が選択画面を参照しながら、入力する部品の指定を受け付ける。
なお、ここでは、構造設計対象の部品として「インパネ」の指定を受け付けたものとする。
そして、構造解析部30は、前記求めたインパネの変位のうち、その変位量が一番大きい領域(部位)を特定し、その特定した領域(部位)をインパネの弱体部位候補として推定する。すなわち、本ステップ(S15)において、1カ所の弱体部位候補が推定される。
なお、S15において、構造解析部30は、出力部40に、上記の解析結果(インパネの変位を示す情報、および弱体部位候補を示す情報)を送り、出力部40に解析結果を表示させるようにしてもよい。
例えば、目標値が「a(mm)以内」と定められている場合、構造解析部30は、本ステップで求めた変位(Z2(mm))が目標値(a(mm))以内であるか否かを判定する。
すなわち、構造解析部30は、前記求めた変位(Z(mm))が所定の目標値に達成していれば(変位量が目標値より小さければ)、S10で推定した弱体部位候補が弱体部位ではないと判断し、S40に進む。
なお、S25において、構造解析部30は、出力部40に、本ステップでの解析結果(インパネ100の変位を示す情報)を送り、出力部40に解析結果の表示処理を実行させるようにしてもよい。
例えば、構造解析部30は、出力装置3に図6に示すような解析結果画面110を表示させるようにする。これにより、設計者に、インパネの弱体部位の位置を認識させることができる。
なお、図6では、符号100がインパネを指し、符号101が認定された弱体部位を指している。
S30では、構造解析部30は、S15で推定した弱体部位候補を弱体部位と認定すると共に、前記メモリの所定領域に、当該認定した弱体部位を示す情報を格納(登録)し、S35に進む。
なお、弱体部位を示す情報は、少なくとも、S15で推定した弱体部位候補の位置情報と、S20で求めた変位(弱体部位候補に集中荷重を加えた剛性CAEを行い求めた変位)とが含まれる。
すなわち、S35に続いて行われるS15では、S30で認定した弱体部位の剛性を強くした上で、再び、等分布荷重による剛性CAEが行われる。
このように、S35において、疑似的に弱体部位の剛性アップをさせてから、再び、S15に戻り、インパネの弱体部位候補を推定することにより、剛性アップさせた弱体部位以外の領域が、新たな弱体部位候補として推定されるようになる。
そのため、本実施形態によれば、構造物に弱体部位が複数ある場合であっても、その複数の弱体部位を正確に漏れなく抽出することができる。
すなわち、本実施形態によれば、従来技術のように、設計者が予測した弱体部位毎に、コンピュータによるシミュレーションを行い、その弱体部位の検証を行う必要がない。
S40では、構造解析部40は、S30において認定した弱体部位に対して、所定の重み付けをした有限要素法によるトポロジ最適化処理を行い、インパネの中から剛性強化が必要な部位(剛性強化必要部位)を求める。
すなわち、本実施形態は、複数の弱体部位がある場合に、弱体部位毎にトポロジ最適化処理を行うのではなく(例えば、4個の弱体部位があれば、1箇所ずつ計4回のトポロジ最適化処理を行うのではなく)、全ての弱体部位を一括したトポロジ最適化処理を行って、剛性強化必要部位を求める。
なお、このトポロジ最適化処理は、各弱体部位に、それぞれの変位量(S205で求めた変位量)、それを取り巻く組付けなどから発生する応力、ひずみなどに応じた重み付けを行った上で行われる。
具体的には、例えば、弱体部位毎にそれぞれトポロジ最適化処理を行い、その解析結果を参照し、リブの追加や板厚増加等の強化対策を行ったとすると、弱体部位毎に求めた剛性強化必要部位が重なることがある。そして、それぞれの弱体部位毎に強化対策を行うと、過剰品質となる剛性強化対策を行うことがあった。
ここで、図7に示す解析結果確認画面120について説明する。
図示する解析結果確認画面120には、インパネ100の剛性強化必要部位102を示した情報と、「対策範囲(剛性強化対策を行う範囲)および対策効果(希望効果)」の入力を促す入力受付情報111とが含まれている。
なお、S45において、設計者から受け付ける「対策効果(希望効果)」は特に限定されるものではないが、説明の便宜上、「最大(Max)」および「最小(Min)」のいずれかを受け付ける場合を例にする。
このように、解析結果確認画面120を表示することにより、設計者に剛性強化必要部位を認識させると共に、剛性強化対策を行うことを促すことができる。
例えば、設計者は、入力装置2を操作して、解析結果確認画面120上のカーソル112により「剛性強化の対策範囲」を指定して、情報処理装置1に入力する。また、例えば、設計者は、入力装置2を操作し、入力受付情報111に提示された対策効果の中から、希望する対策効果を選択して、情報処理装置1に入力する。
S50では、構造解析部30は、S20で求めた「変位」と、S45において受け付けた「対策範囲」および「対策効果(希望効果)」と、剛性強化対策データベース45(図3参照)とを用いて、剛性強化対策の形状を選定すると共に、構造物(ここでは「インパネ」)の設計情報に、選定した剛性強化対策を反映させる。
また、構造解析部50は、前記抽出したデータの中から、S45で受け付けた「対策範囲」に対応する「評価範囲452」と、S20で求めた「変位」が入る「剛性適用範囲453」とに関連付けられている「強化対策453」を選択する(例えば、図3の破線460で囲む強化対策を選択する)。
なお、S45で受け付けた「対策範囲」に対応する「評価範囲452」とは、S45で受け付けた「対策範囲」に一番近い値の「評価範囲452」のことをいう(例えば、「対策範囲」との差異(「対策範囲」−「評価範囲」)の絶対値が最小の「評価範囲452」のことをいう)。
また、S20で求めた「変位」が入る「剛性適用範囲453」とは、例えば、S20で求めた「変位が「2b(mm):bは0以外の整数」」である場合、「剛性適用範囲453が、「b(mm)〜3b(mm)」のようなケースをいう。
そして、構造解析部30は、構造物(ここでは「インパネ」)の設計情報に、選択した強化対策を施し、S55の処理に進む。
すなわち、本実施形態によれば、設計者が簡単な入力操作を行うだけで、設計支援装置Aが自動的に構造物の剛性強化対策を実行するため、構造物の構造設計の手間が軽減される。
すなわち、本実施形態では、従来技術にように作業者自身が弱体部位を推定する必要がないため、弱体部位の見落としが防止され、精度の高い構造設計が実現される。
したがって、本実施形態によれば、設計者が、設計支援装置Aに「評価範囲」および「剛性強化対策の対策効果」を入力するだけで剛性強化対策が求められる。すなわち、本実施形態によれば、設計者自身が剛性強化対策を考える必要がなくなるため、設計者の作業負担が軽減される。
このように構成することにより、図5のS45において、設計者からコストに関する条件(例えば、一番低いコスト)を受け付けるようにすれば、S50において、設計者が望むコストに関する条件を満たす強化対策が選定されるようになる。すなわち、設計者に大きな作業負担をかけることなく、コストを考慮した剛性強化対策が行えるようになる。
B…解析モデル
1…情報処理装置
2…入力装置
3…出力装置
4…CAD装置
10…制御部
20…データ取得部
30…構造解析部
40…出力部
45…剛性強化対策DB
50…CPU
51…主記憶装置
52…I/Oインタフェース
53…補助記憶装置
54…NWインタフェース
55…部品剛性の最適構造作製プログラム
Claims (2)
- 構造物の設計情報、物性値情報、拘束条件、および荷重条件を含む入力データを用いた有限要素法による構造解析を行い、該構造物の構造設計を支援する処理を情報処理装置に実行させる部品剛性の最適構造作製プログラムであって、
前記情報処理装置には、所定の評価範囲毎に、複数の剛性強化対策、および該剛性強化対策毎の対策効果が関連付けられた対策情報を格納したデータベースが記憶されていて、
前記部品剛性の最適構造作製プログラムは、
前記入力データを用いた前記構造物に対し、等分布荷重を加えた有限要素法による構造解析を実施し、変位量が一番大きい部位を特定して、該部位を弱体部位候補として推定するステップと、
前記弱体部位候補に対し、所定の集中荷重を加えた有限要素法による構造解析を実施し、該弱体部位候補の変位量を求めるステップと、
該求めた変位が所定基準より大きければ、該弱体部位候補が弱体部位であると判定し、該求めた変位が所定基準より小さければ該弱体部位候補が弱体部位ではないと判定するステップと、
さらに、前記弱体部位候補が弱体部位であると判定された場合、該判定した弱体部位の剛性を疑似的に上げた上で、再度、前記推定処理および前記判定処理を行い、次の弱体部位候補の推定および検証を行い、1つまたは複数の弱体部位を選定するステップと、
前記入力データを用いて、前記選定した1つまたは複数の弱体部位に対して、重み付けをした有限要素法によるトポロジ最適化処理を行い、前記構造物の剛性強化が必要な剛性強化必要部位を求めるステップと、
前記求めた剛性強化必要部位を出力し、設計者に対して、剛性強化対策を行う対策範囲と、該剛性強化対策により得られる対策効果とを含む対策条件の入力を促すと共に、設計者からの前記対策条件の入力を受け付けるステップと、
前記データベースに格納された対策情報の中から、前記受け付けた対策条件に含まれる対策範囲と差異が小さい評価範囲に関連付けられ、且つ、前記受け付けた対策条件に含まれる対策効果を満たす剛性強化対策を選定するステップと、
前記入力データを用いて、前記設計情報に前記選定した剛性強化対策を施すと共に、該剛性強化対策を施した部分に集中荷重を加えた有限要素法による構造解析を行い、該剛性強化対策を検証するステップとを前記情報処理装置に実行させることを特徴とする部品剛性の最適構造作製プログラム。 - 構造物の設計情報、物性値情報、拘束条件、および荷重条件を含む入力データを用いた有限要素法による構造解析を行い、構造物の構造設計を支援する情報処理装置であって、
設計者からの各種データの入力を受け付ける入力手段と、
所定の評価範囲毎に、複数の剛性強化対策、および該剛性強化対策毎の対策効果が関連付けられた対策情報が格納されたデータベースと、
前記入力データおよび前記データベースに格納された対策情報を用いて、前記構造物に対する剛性強化対策を選定すると共に、該選定した剛性強化対策を検証する解析手段とを備え、
前記解析手段は、
前記入力データを用いた前記構造物に対し、等分布荷重を加えた有限要素法による構造解析を実施し、変位量が一番大きい部位を特定して、該部位を弱体部位候補として推定し、
前記弱体部位候補に対し、所定の集中荷重を加えた有限要素法による構造解析を実施して該弱体部位候補の変位量を求め、
該求めた変位が所定基準より大きければ、該弱体部位候補が弱体部位であると判定し、該求めた変位が所定基準より小さければ該弱体部位候補が弱体部位ではないと判定し、
さらに、前記弱体部位候補が弱体部位であると判定された場合、該判定した弱体部位の剛性を疑似的に上げた上で、再度、前記推定処理および前記判定処理を行い、次の弱体部位候補の推定および検証を行い、1つまたは複数の弱体部位を選定し、
前記入力データを用いて、前記選定した1つまたは複数の弱体部位に対して、重み付けをした有限要素法によるトポロジ最適化処理を行い、前記構造物の剛性強化が必要な剛性強化必要部位を求めて、
前記求めた剛性強化必要部位を出力し、設計者に対して、剛性強化対策を行う対策範囲と、該剛性強化対策により得られる対策効果とを含む対策条件の入力を促すと共に、設計者からの前記対策条件の入力を受け付け、
前記データベースに格納された対策情報の中から、前記受け付けた対策条件に含まれる対策範囲と差異が小さい評価範囲に関連付けられ、且つ、前記受け付けた対策条件に含まれる対策効果を満たす剛性強化対策を選定し、
前記入力データを用いて、前記設計情報に前記選定した剛性強化対策を施すと共に、該剛性強化対策を施した部分に集中荷重を加えた有限要素法による構造解析を行い、該剛性強化対策を検証することを特徴とする情報処理装置。
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