JP2011076240A - 車両の企画支援システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、所定の車両諸元値を有する基準車両モデルを用いて車両の企画支援を行うシステムであり、基準車両モデルに対してレンジ内の複数の車両諸元値を作成する車両諸元値作成プログラム26と、作成された車両諸元値を有する複数の車体骨格フレーム部材70,72,74からなる複数の構想車両モデルを作成する構想車両モデル作成プログラム38と、複数の構想車両モデルから強度解析を行う複数の構想車両モデルを選択し、複数の構想車両モデルの解析用車両モデルを作成する解析用車両モデル作成プログラム38と、複数の解析用車両モデルの車体剛性値を算出する車体剛性算出プログラム40と、剛性算出値と記憶されている目標剛性値と比較し、複数の構想車両モデルのいずれかを選択する選択手段と、を有する。
【選択図】図2
Description
このような車両企画において車両強度解析を行う際には、CAE(Computer Aided Engineering)が用いられているが、通常の方法で計算すると、解析に用いる車両モデル等が複雑且つ大規模となるため、また、解析精度を向上させるため、解析に長い時間を要していた。
このような問題点は、車両の諸元値を変更した場合に、この変更された諸元値の剛性性能への影響を開発初期において簡易に把握ことができれば、回避することができる。
このように構成された本発明においては、車両諸元値作成手段が基準車両モデルに対して所定範囲内の複数の車両諸元値を作成し、構想車両モデル作成手段がこれらの車両諸元値を有する複数の車体骨格フレーム部材からなる複数の構想車両モデルを作成し、解析用車両モデル作成手段が複数の構想車両モデルから強度解析を行う複数の構想車両モデルを選択し、これらの複数の構想車両モデルの解析用車両モデルを作成し、車体剛性算出手段が、複数の解析用車両モデルの車体剛性値を算出し、構想車両モデル選択手段が剛性算出値と予め記憶装置に記憶されている目標剛性値と比較し、複数の構想車両モデルのいずれかを選択するので、新車両の開発初期の段階において、車両諸元値の変更による車体剛性性能の、基準車両モデルに対する相対評価が可能となるので、短期間に車両諸元値の剛性性能への影響把握することができ、その結果、従来行われていた開発末期における補強材の追加等の無駄な作業を回避することが出来る。
このように構成された本発明によれば、車体の静剛性である曲げ剛性や捩り剛性、さらに、操安性能と関連の深い低周波領域の動剛性を考慮した車体諸元値を用いて、車体のパッケージ、構造案等を検討することが出来る。
(作用効果)
このように構成された本発明によれば、車両のデザインや居住性に大きく影響する主要な車両諸元値に対する車体剛性性能の傾向を把握して、適正な車両諸元値を選択することが出来る。
このように構成された本発明によれば、実験計画法により強度解析を行う構想車両モデルを選択するので、強度解析を行う構想車両モデルの数を最小化して、車両諸元値に対する車体剛性性能の傾向を把握することが出来る。
このように構成された本発明においては、複数の解析用車両モデルの重量を算出し、さらに、車体剛性値と車体重量を表示して、両者を相対比較することができるので、これらの優劣を判断することができる。
このように構成された本発明によれば、実車との一致度が高く、精度良い曲げ剛性の算出結果を得ることができる。
このように構成された本発明によれば、実車との一致度が高く、精度良い捩り剛性の算出結果を得ることができる。
このように構成された本発明によれば、操安性能と関連の深い低周波数のみの評価で精度良く操安性能の評価を行うことができる。
このように構成された本発明によれば、車両諸元値の変更に伴う車重増加を車体骨格フレーム部材の板厚を薄くすることで軽減化することが出来る。
先ず、図1及び図2により、本実施形態による企画支援システムの基本構成を説明する。図1は本発明の実施形態による企画支援システムの基本構成を示すブロック図であり、図2は本発明の実施形態による車両企画支援システムが使用する企画支援用の各種のプログラム及びデータベースサーバを示すブロック図である。
また、本実施形態による企画支援システムの検証対象は、車体骨格フレーム部材からなる車体構造モデル(構想車両モデル)である(図7等参照)。
さらに、企画支援プログラム22には、構想車両モデルのための、目標剛性値入力受付プログラム48が含まれている。
具体的には、図4に示すように、基準車両モデルの諸元値は、検証対象である車体構造モデルの主要諸元であるホイールベース、車高、車幅、全長等を示す長さ(寸法)、及び他の諸元の設計値であり、これら諸元値が、コンピュータ2の画面上で入力される。
板厚として、基準車両モデルの設計値(1.4mm)と選択可能板厚(0.9mm等)が入力される。
さらに、剛性目標値として、基準車両モデルの剛性値に対する比率で表した目標値である、曲げ剛性(+10%〜−10%)、捩り剛性(+5%〜−5%)、動剛性(+10%〜−10%)が入力される。
具体的に説明すると、主要な諸元のうち、車高とホイールべースについて、車格、居住性、デザイン等から求められる候補をリストアップし、構想車両モデルとする。車高の諸元値が4通り、ホイールべースの諸元値が3通りとすると、12通りの構想車両モデルが設定される。
図7に示したように、この構想車両モデル76は、図6に示すように、車体骨格フレームである、車体インナパネル70、車体アウタパネル72、車体プラットフォーム74等から構成されている。
この複数の構想車両モデルは、設計者が、種々のデータや経験等に基づき、選択する。
また、実験計画法により、複数の構想車両モデルを選択するようにしても良い。実験計画法を用いる場合には、先ず、主要諸元である車高とホイールべースについて、車格、居住性、デザイン等から候補となる値をリストアップし、次に、直交表により、検証因子(車高、ホイールべース)及び水準(車高の種々の長さ、ホイールべースの種々の長さ)を決め、この直交表により剛性の傾向を検証して、最終的には、強度推定が可能な最小限の数の構想車両モデルに絞り込む。このようにして、解析する必要のある構想車両モデルの数を最少化することができる。
図5には、このようにして選択された構想車両モデル1〜6及び基準車両モデルが示されている。
さらに、この周波数応答曲線より、低周波領域の特定周波数のコンプライアンス値により「低周波数領域における動剛性」としてもよく、特に、周波数応答曲線から、0Hzのコンプライアンス値を推定(図11の破線)し、この推定した0Hzにおけるコンプライアンス値(=単位加振に対する変位量=剛性の逆数)を「低周波領域における動剛性[N/mm]と定義してもよい。
ここで、S6で算出された剛性算出値は、図2に示す「剛性算出値データ52」に格納され、さらに、S7で算出された重量算出値は、同様に、「重量算出値データ54」に格納される。
ここで、図12には、「基準車両モデルの曲げ変位量」と「基準車両モデルの曲げ変位量から求まる目標曲げ変位量の範囲」が示され、図13には、「基準車両モデルの捩れ角変位量」と「基準車両モデルの捩れ角変位量から求まる目標捩れ角変位量の範囲」が示されており、算出された剛性値がこれらの目標範囲内か否かを判定する。
なお、図12、図13に示された目標範囲は、全範囲に亘って一定であるが、車両前端からの位置毎に異なる目標範囲、例えば、0から100mmの範囲は0〜+3%、100〜200mmは−2%〜+5%等と設定しても良い。さらに、部位に応じて異なる目標範囲、例えば、サイドシル部は0〜+3%、フロントサイドフレーム部は−2%〜+5%等と設定しても良い。
さらに、各構想車両モデルに対し、諸元値変更と板厚最適化を実施したことによる基準車両モデルに対する重量変化を把握することが出来る。
本実施形態においては、構想車両モデルの車両諸元値生成プログラム26が基準車両モデルに対してレンジ(変更許容範囲)内の複数の車両諸元値を作成し、構想車両モデル作成プログラム38がこれらの車両諸元値を有する複数の車体骨格フレーム部材(車体インナーパネル70、車体アウターパネル72、プラットホーム74等)からなる12個の構想車両モデルを作成し、更に、解析用車両モデル生成プログラム38が12個の構想車両モデルから強度解析を行う複数の構想車両モデル1〜6を選択し、これらの複数の構想車両モデルの解析用車両モデルを作成し、剛性算出用プログラム40が、複数の解析用車両モデル1〜6の車体剛性値(静剛性である「曲げ剛性」及び「捩り剛性」並びに「低周波領域における動剛性」)を算出し、剛性算出値と予め目標剛性値データ58内に記憶されている目標剛性値と比較し、複数の構想車両モデル1〜6のいずれかを選択するので、新車両の開発初期の段階において、車両諸元値の変更による車体剛性性能の、基準車両モデルに対する相対評価が可能となるので、短期間に車両諸元値の剛性性能への影響把握することができ、その結果、従来行われていた開発末期における補強材の追加等の無駄な作業を回避することが出来る。
2 コンピュータ
4 データベースサーバ
8 CPU
10 ROM
12 RAM
14 記憶部
16 入力部
18 表示部
20 通信部
22 企画支援プログラム
24 基準車両モデルの車両諸元値、レンジ入力プログラム
26 構想車両モデルの車両諸元値生成プログラム
28 基準車両モデル生成プログラム
30 剛性算出用プログラム
32 重量算出用プログラム
34 3D形状(3次元形状)作成用プログラム
36 板厚適性化用プログラム
38 構想車両モデル生成プログラム
40 剛性算出用プログラム
42 重量算出用プログラム
44 3D形状(3次元形状)作成用プログラム
46 板厚適性化用プログラム
48 目標剛性値入力受付プログラム
50 基準車両モデルの車両諸元値、レンジデータ
52 剛性算出値データ
54 重量算出値データ
56 3D形状データ
58 目標剛性値データ
70 車体インナパネル
72 車体アウタパネル
74 車体プラットフォーム
76 構想車両モデル
78 解析用車両モデル
80 前端部
82 後端部
84 サイドシル
86 前側サスペンション取付部
88 後側サスペンションの取付部
Claims (9)
- 所定の車両諸元値を有する基準車両モデルを用いて車両の企画支援を行う車両の企画支援システムであって、
上記基準車両モデルに対して所定範囲内の複数の車両諸元値を作成する車両諸元値作成手段と、
上記車両諸元値作成手段により作成された車両諸元値を有する複数の車体骨格フレーム部材からなる複数の構想車両モデルを作成する構想車両モデル作成手段と、
上記複数の構想車両モデルから強度解析を行う複数の構想車両モデルを選択し、これらの複数の構想車両モデルの解析用車両モデルを作成する解析用車両モデル作成手段と、
上記複数の解析用車両モデルの車体剛性値を算出する車体剛性算出手段と、
上記剛性算出値と予め記憶装置に記憶されている目標剛性値と比較し、複数の構想車両モデルのいずれかを選択する構想車両モデル選択手段と、
を有することを特徴とする車両の企画支援システム。 - 上記車体剛性算出手段が、静剛性である曲げ剛性及び捩り剛性、並びに、所定周波数以下の低周波領域における動剛性を算出する請求項1に記載の車両の企画支援システム。
- 上記車両諸元値は、ホイールベースに関する車両諸元値及び車高に関する車両諸元値を所定値毎に変更したものである請求項1に記載の車両の企画支援システム。
- 上記強度解析を行う複数の構想車両モデルが実験計画法により選択される請求項1に記載の車両の企画支援システム。
- 更に、上記複数の解析用車両モデルの車体重量を算出する車体重量算出手段と、上記複数の解析用車両モデルの算出された車体剛性値及び車体重量を表示する表示装置と、を有する請求項1に記載の車両の企画支援システム。
- 上記車体剛性算出手段は、曲げ剛性を算出するとき、第1所定部位を拘束したうえで、第2所定部位に拘束反力、第3所定部位に曲げ荷重を入力した場合の測定部位における変位量を算出する請求項2に記載の車両の企画支援システム。
- 上記車体剛性算出手段は、捩れ剛性を算出するとき、第1所定部位を拘束したうえで、第2所定部位にトルク負荷を入力した場合の測定部位における捩れ角量を算出する請求項2に記載の車両の企画支援システム。
- 上記車体剛性算出手段は、所定周波数以下の低周波数領域の動剛性を算出するとき、上記所定周波数以下の低周波数の振動を上記解析用車両モデルへ入力した場合の所定部位の最大変位量を算出する請求項2に記載の車両の企画支援システム。
- 更に、上記諸元値の変更による解析用車両モデルの重量の増加に基づき、上記車体骨格フレーム部材の板厚適正化を行う板圧適正化手段を有する請求項5に記載の車両の企画支援システム。
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