以下、添付の図面を参照しながら、本発明に係る実施の一形態について説明する。
まず、本実施の形態に係る不動産仲介支援システムの全体構成について説明する。ここでは、宅地建物取引のうち、特に宅地建物(分譲マンション等の建物の一部を含む)売買の代理業を営む不動産仲介業者が運営する不動産売買仲介サイトへの適用例を挙げる。なお、以下においては、このような宅地建物を不動産物件と呼び、その売買の代行を営む不動産仲介業者を不動産売買仲介業者と呼ぶ。
図1に示すように、本実施の形態に係る不動産仲介業務支援システムは、インターネット等の通信網30を介して相互に接続された複数の情報処理装置10,20A,...,20Zを有している。これらの情報処理装置10,20A,...,20Zは、CPUが、ハードディスク等の外部記憶装置からメモリにプログラムをロードし、これを実行可能な通常のコンピュータとしてのハードウエア構成(外部記憶装置、メモリ、CPU、キーボード等の入力装置、ディスプレイ等の出力装置、ネットワークインターフェース、等)を備えている。
さて、複数の情報処理装置10,20A,...,20Zのうち、少なくとも1台の情報処理装置10は、システム運営者が保守する端末であり、ネットワーク30上のWebブラウザからのリクエストに応じて不動産仲介業務支援サービスまたはブログ運営支援サービスを提供するWebサーバとして機能する。
この情報処理装置(以下、Webサーバ)10は、インストールされた所定のプログラム(Webサーバプログラム、Webログ(ブログ)システムプログラム、不動産仲介業務支援プログラム、マッププログラム等)の実行により、上述のWebサーバとしての機能を実現する。すなわち、Webサーバ10は、不動産仲介業務支援サービスおよびブログ運営支援サービスの提供に必要な後述のデータが格納されたデータ記憶部100、クライアント端末上のWebブラウザからのリクエストに応じてWebドキュメントを返信するWebサーバ処理部110、およびWebサーバ処理部110からの指示に応じてブログ用のWebページ等を生成するアプリケーション部120、を実現する。ここで、アプリケーション部120には、ブログ運営支援サービスの提供処理を実行するブログ処理部121、不動産仲介業務サービスの提供処理を実行する支援処理部122、および住宅地図の生成処理を実行する地図処理部123、が含まれる。
一方、その他の情報処理装置(以下、クライアント端末)20A,...,20Zのなかには、不動産仲介業務支援サービスの提供を受ける不動産売買仲介業者の端末、ブログ運営支援サービスの提供を受けて不動産仲介業務支援サービスの一端に携わるユーザ(以下、ブロガー)の端末、および、不動産物件の購入を検討中のユーザ(以下、購入希望者)の端末が含まれている。これらのクライアント端末20A,...,20Zは、インストールされた所定のプログラム(Webブラウザプログラム等)の実行により上記サービスの提供を要求するWebクライアントとしての機能を実現する。ここで用いられるWebブラウザは、ユーザが指定するWebドキュメントの送信をWebサーバ10等に要求し、返信されたWebドキュメントが表すWebページをディスプレイに表示する通常のWebブラウザであれば、その種類を問われない。
なお、以上の機能構成を実現する各プログラムは、光ディスク等の記憶媒体からハードディスクにインストールされたものであってもよいし、ネットワークを介してハードディスクにインストールされたものであってもよい。
つぎに、Webサーバ10のデータ記憶部100に格納されたデータについて説明する。 データ記憶部100には、不動産仲介業務支援サービスおよびブログ運営支援サービスの提供に必要な情報として、ユーザ管理データベース101、ブログデータベース102、住宅地図データベース103、およびWebデータ104が格納されている。これらのデータの詳細は、以下の通りである。
ユーザ管理データベース101は、例えば、不動産仲介業務支援サービスの提供に必要なデータが格納される複数のテーブル(ユーザ情報管理テーブル、不動産物件管理テーブル)を有する。
ユーザ情報管理テーブルには、例えば図2(A)に示すように、不動産仲介業務支援サービスの提供を受ける不動産売買仲介業者(以下、登録会員)ごとに、登録会員に割り当てられたアカウント情報(ユーザID、パスワード)10111、および、登録会員に関するデータ(ユーザ情報)10112が登録される。ここで用いるユーザ情報10112には、登録会員の名称情報(氏名、屋号等)10112Aおよび連絡先情報(住所、電話番号等)10112Bが含まれるが、必要に応じて他のデータを含めてもよい。
不動産物件管理テーブルには、例えば図2(B)に示すように、登録会員が取り扱う不動産物件ごとに、不動産物件に割り当てられた物件ID10121、登録会員のユーザID10122、不動産物件に関するデータ(不動産物件情報)10123、登録会員のWebページのURL(uniform Resource Locator)10124が登録される。
ここで用いる不動産物件情報10123には、購入希望者に不動産売買仲介業者が通常提供する基本項目データのような、購入希望者が不動産物件の購入の検討に必要とするデータであれば、どのようなデータが含まれていてもよい。例えば、所在地住所、種別(中古および新築の別等)、交通機関に関する情報(最寄り駅、最寄り駅からの交通手段および所要時間)、販売価格、建物情報(マンションであれば、方位、総フロア数、総戸数、所在階、建物構造、占有面積、管理業者名、管理費、修繕積立費等)、設備条件(駐車場、浴室、トイレ、バルコニーの有無および形態等)、不動産物件を取り扱う登録会員の連絡先情報(電話番号、電子メールアドレス)が含まれていることが好ましい。
なお、ここで示したテーブルは一例であり、必要に応じて他のテーブルをユーザ管理データベース101に含めてもよい。例えば、登録会員が自己の不動産物件のPR記事として採用した投稿の数に応じて、システム運営者が課金する場合には、ユーザ管理データベース101にさらに課金データ管理テーブルを設けて、その課金データ管理テーブルに、各登録会員のユーザIDおよび所定の期間(例えば一ヶ月)ごとの課金額が登録されるようにしてもよい。
ブログデータベース102は、例えば、ブログ運営支援サービスの提供に必要なデータが格納される複数のテーブル(ブロガー管理テーブル、テンプレート管理テーブル、ブログ管理テーブル、エントリ管理テーブル)を有する。
ブロガー管理テーブルには、例えば図3(A)に示すように、ブログ運営支援サービスの提供を受けるブロガー(以下、登録ブロガー)ごとに、登録ブロガーに割り当てられたアカウント情報(ブロガーID、パスワード)10211、および登録ブロガーに関するデータ(ブロガー情報)10212が格納される。ここで用いるブロガー情報10212には、例えば、登録ブロガーの名称情報10212Aおよび連絡先情報(住所、電話番号等)10212Bが含まれるが、必要に応じて、ニックネームなどの他の情報が含まれてもよい。
テンプレート管理テーブルには、例えば図3(B)に示すように、ブログ掲載用のWebページを自動生成するためのルールがHTML等で記述されたテンプレートごとに、テンプレートID10221およびテンプレートデータ10222が登録されている。
ブログ管理テーブルには、例えば図3(C)に示すように、登録ブロガーにより開設されたブログ(以下、登録ブログ)ごとに、登録ブログに割り当てられたブログID10231、登録ブロガーのブロガーID10232、およびブログ設定情報(ブログ掲載用のWebドキュメントを生成する際に用いられるテンプレートデータのテンプレートID、標準で用いる文字の書式データ(フォント、サイズ、色)等)10233が格納されている。
カテゴリ管理テーブルには、登録ブログへの投稿記事が属するカテゴリごとに、カテゴリに割り当てられたカテゴリID、およびカテゴリに関するデータ(カテゴリ名等)が登録されている。本実施の形態においては、カテゴリのひとつとして、登録会員の不動産物件に関する記事が属する「不動産物件調査」が準備されている。
エントリ管理テーブルには、例えば図3(D)に示すように、いずれかの登録ブログに投稿された記事ごとに、記事に割り当てられたエントリID10241、投稿先の登録ブログのブログID10242、記事データ10243、記事が属する登録カテゴリのカテゴリID10244、記事タイトルデータ10245、投稿日時10246、公開範囲を表す公開設定情報10247、および既定のルールにしたがって記事データから抽出されたダイジェストデータ10248が登録されている。本実施の形態においては、記事単位で公開範囲を設定しているが、登録ブログ単位で公開範囲を設定する場合には、ブログ管理テーブルの各レコードに、公開範囲を示す公開設定情報がさらに登録されるようにすればよい。
なお、ここで示したテーブルは一例であり、必要に応じて他のテーブルがブログデータベース102に含められてもよい。例えば、登録ブログの閲覧者にコメント機能を提供する場合には、ブログデータベース102にさらにコメント管理テーブルを設けて、このコメント管理テーブルに、いずれかの記事に追加されたコメントごとに、コメントID、追加先記事のエントリID、コメントデータが登録されるようにすればよい。
住宅地図データベース103には、例えば図2(C)に示すように、互いに関連付けられた以下のオブジェクト1031〜1033により構成される。
各メッシュオブジェクト1031は、属性として、メッシュIDおよび縮尺等のメッシュ属性情報を有しており、地図構造物オブジェクト1032に対して関連付けがなされている。そして、各地図要素オブジェクト1032は、属性として、地図要素ID、位置情報(所在地住所、メッシュ内における座標情報)および要素種別(不動産物件、公共施設等)等の地図要素データを有している。このような地図要素オブジェクトのうち、要素種別属性値として「不動産物件」を有する地図要素オブジェクトは、不動産物件オブジェクト1033に対して関連付けがなされている。この不動産オブジェクト1033は、属性として、登録会員が取り扱う不動産物件の不動産物件IDおよびアイコンデータを有している。
なお、ここで示した各オブジェクト1031〜1033の属性は一例であり、必要に応じて、その他の属性が各オブジェクト1031〜1033に付加されてもよい。例えば、不動産物件情報および登録会員のWebページのURLを、不動産物件管理テーブルに登録せずに不動産物件オブジェクトの属性としてもよい。
Webデータ104には、静的な各種Webページをクライアント端末上に表示させるためのWebドキュメントが含まれる。このようなWebページの具体例として、不動産物件売買仲介支援サービスにおいて用いられるWebページ(新規会員登録フォーム、会員ログインフォーム、登録会員専用ページ)、およびブログ運営支援サービスにおいて用いられるWebページ(新規ブロガー登録フォーム、ブロガーログインフォーム、ブログ管理ページ)が挙げられる。
新規会員登録フォームおよび新規ブロガー登録フォームには、例えば図4(A)に示すように、サービス提供を希望するユーザのユーザ情報またはブロガー情報の入力を受け付ける複数の入力フィールド401、およびそれらのデータの送信指示を受け付ける登録ボタン402、キャンセルボタン403が配置されている。なお、図4(A)には、ユーザ情報またはブロガー情報に名称情報および連絡先情報が含まれる場合に用いられる登録フォームのレイアウト例を示してある。
会員ログインフォームおよびブロガーログインページには、例えば図4(B)に示すように、サービス提供を求めるユーザのアカウント情報の入力を受け付ける入力フィールド411、認証リクエストの送信指示を受け付けるログインボタン412、およびキャンセルボタン413が配置される。
会員専用ページのトップページには、不動産物件売買仲介支援サービスに含まれる各種サービスの提供指示を受け付けるボタンが配置されている。これらのボタンのなかには、例えば、不動産物件登録フォームへのジャンプ指示を受け付ける物件登録ボタンが含まれている。この不動産物件登録フォームには、例えば図4(C)に示すように、登録会員が取り扱う不動産物件の不動産物件情報の入力を受け付ける複数のフィールド421、登録会員のWebページのURLの入力を受け付ける入力フィールド422、不動産物件情報およびURLの送信指示を受け付ける登録ボタン423、およびキャンセルボタン424が配置されている。なお、図4(C)には、前述の情報を不動産物件情報として受け付ける場合に用いられる物件登録フォームのレイアウト例を示してある。
ブログ管理ページのトップページには、ブログ運営支援サービスに含まれる各種サービスの提供指示を受け付けるボタンが配置されている。これらのボタンのなかには、例えば、ブログ開設ページへのジャンプ指示を受け付ける設定ボタン、ブログ編集ページへのジャンプ指示を受け付ける編集ボタンが含まれている。
ブログ開設ページには、例えば図5(A)に示すように、新規に開設されるブログのブログ設定情報の入力を受け付ける入力フィールド501、ブログ設定情報の送信指示を受け付ける開設ボタン502、およびキャンセルボタン503が配置されている。なお、入力フィールド501のうち、テンプレート入力用の入力フィールドには、ブログデータベース102のテンプレート管理テーブルに登録されたいずれかのテンプレートIDが入力されるように、そのようなテンプレートIDを選択項目とするメニューを表示させるためのボタンが設けられる。
また、ブログ編集ページには、例えば図5(B)に示すように、新規投稿する記事が属するカテゴリの入力を受け付ける入力フィールド511、新規投稿する記事のタイトルの入力を受け付ける入力フィールド512、新規投稿する記事の内容の入力を受け付ける入力フィールド513、それらのデータの送信指示を受け付ける投稿ボタン514、およびキャンセルボタン515が配置されている。
つぎに、Webサーバ10が実行する処理について説明する。前述したように、Webサーバ10は、不動産売買仲介業者からのリクエストに応じて不動産仲介業務支援サービスを提供し、ブロガーからのリクエストに応じてブログ運営支援サービスを提供する。ここで、不動産仲介業務支援サービスには、新規会員登録サービス、不動産物件公開サービス、およびブログ承認サービスが含まれ、ブログ運営支援サービスには、新規ブロガー登録サービスおよびブログレンタルサービスが含まれる。以下、それぞれのサービスの提供処理について分説する。
(1)新規会員登録サービス
不動産仲介業務の支援を受けようとする不動産売買仲介業者(登録希望者)は、事前に会員登録を行う必要がある。図6は、新規会員の登録を受け付けるサービスを不動産売買仲介業者に提供するための処理のフローチャートである。ここでは、クライアント端末20Pの不動産売買仲介業者が登録を希望する場合を例にとり説明する。
クライアント端末20Pは、入力装置を介して、システム運営者のWebページに配置された所定のハイパーリンクの選択を登録希望者から受け付けると、そのハイパーリンクが示すWebドキュメントの送信リクエストをWebサーバ10に送信する。Webサーバ10では、Webサーバ処理部110が、このリクエストに応じて、新規会員登録フォームのWebドキュメントをデータ記憶部100から読み出し、このWebドキュメントをクライアント端末20Pに返信する。これにより、クライアント端末20Pのディスプレイ上には新規会員登録フォーム(図4(A))が表示される(S601)。
登録希望者が、入力装置を用いて、表示された新規会員登録フォーム上の各入力フィールド401にユーザ情報(名称情報、連絡先情報)を入力し、さらに登録ボタン402をクリックすると、クライアント端末20Pは、それらのデータ(ユーザ情報)を含む新規登録リクエストを作成し、これを、Webドキュメント内で指定された宛先(Webサーバ10)に送信する。
Webサーバ10において、Webサーバ処理部110は、この新規登録リクエストを受け付けると(S602)、それに応じて、アプリケーション部120に新規登録処理の実行を指示するとともに、受信したユーザ情報を渡す。この指示に応じて、アプリケーション部120では、支援処理部122が、ユーザ管理データベース101のユーザ情報管理テーブルに未登録のアカウント情報(ユーザID、パスワード)を、所定の作成ルールにしたがって生成する(S603)。さらに、ユーザ管理データベース101のユーザ情報管理テーブルに新規レコードを生成し、この新規レコードに、生成したアカウント情報、および、渡されたユーザ情報を保存する(S604)。
このようにして登録希望者が新規会員として登録されると、支援処理部122は、S602で生成したアカウント情報と会員ログインフォームのWebドキュメントのURLとを含むWebドキュメントを生成する。そして、Webサーバ処理部110が、このWebドキュメントをクライアント端末20Pに返信する(S605)。これにより、クライアント端末20Pのディスプレイ上には、新規会員に与えられたアカウント情報と会員ログインフォームのWebドキュメントのURLとが表示される。
以後、新規会員は、通知されたアカウント情報および会員ログインフォームを用いて、不動産仲介業務支援サービスに含まれる他のサービス(不動産物件公開サービス、ブログ承認サービス)の提供を受けることができる。
(2)新規ブロガー登録サービス
ブログ運営支援サービスの提供を受けようとするユーザ(ブログ登録希望者)は、新規ブロガー登録サービスを受けることにより、事前にブロガー登録を行う必要がある。具体的には、ブログ登録希望者は、上述の新規会員登録処理とほぼ同様な処理(図6参照)により、新規ブロガーとして登録され、以後、通知されたアカウント情報およびブロガーログインフォームを利用して、ブログ運営支援サービスに含まれるすべてのサービスの提供を受けることができる。
ただし、この場合には、新規会員の登録の場合とは異なり、S501において、ブログ登録希望者のクライアント端末に、Webサーバ10から新規ブロガー登録フォームのWebドキュメントが返信される。そして、S504において、ブログデータベース102のブロガー管理テーブルに新規レコードが生成されて、この新規レコードに、新規のアカウント情報、および、ブロガーのブロガー情報が保存される。
これにより、ブログ登録希望者は、新規ブロガーとして登録され、以後、自己のアカウント情報を利用して以下のブログレンタルサービスの提供を受けることができる。
なお、本実施の形態においては、すべてのブログ登録希望者を新規ブロガーとして登録しているが、不動産売買仲介業者とは異なる目線からの、信頼性ある情報の提供が得られるように、例えば、上述のブロガー情報に加えて、審査に利用する所定情報の入力をブログ登録希望者に求め、その情報があらかじめ定めた審査基準を満たした場合にのみ、新規ブロガーとして登録されるようにしてもよい。
(3)不動産物件公開サービス
不動産物件公開サービスを受けようとする登録会員は、事前に、自己の取り扱う不動産物件を公開対象物件として登録する必要がある。図7および図8は、不動産物件情報の公開を請け負うサービスを不動産売買仲介業者に提供するための処理のフローチャートである。ここでは、登録会員が、自身のクライアント端末20Pを用いて不動産物件公開サービスの提供を受ける場合を例にとって説明する。
クライアント端末20Pは、入力装置を介して、登録会員より、登録会員ログインフォームのURLが示すWebドキュメントへのアクセス指示を受け付けると、そのWebドキュメントの送信リクエストをWebサーバ10に送信する。Webサーバ10では、Webサーバ処理部110が、このリクエストに応じて、データ記憶部100から登録会員ログインフォームのWebドキュメントを読み出し、それをクライアント端末20Pに返信する。これにより、クライアント端末20P上のディスプレイ上には登録会員ログインフォーム(図4(B))が表示される(S701)。
登録会員が、入力装置を使って、表示された会員登録ログインフォームの各入力フィールド411に、自身に与えられたアカウント情報を入力し、さらにログインボタン412をクリックすると、クライアント端末20Pは、アカウント情報を含む認証リクエストを作成し、これを、Webドキュメント内で指定された宛先(Webサーバ10)に送信する(S702)。
Webサーバ10において、Webサーバ処理部110は、この認証リクエストを受け付けると、アプリケーション部120に認証実行を指示するとともに、受信したアカウント情報を渡す。この指示に応じて、アプリケーション部120では、支援処理部122が、渡されたアカウント情報を、ユーザ管理データベース101に登録されたアカウント情報10111のなかから検索する(S703)。
その結果、該当するアカウント情報が存在していなければ(S704で認証失敗)、Webサーバ処理部110は、例えば、再ログインを促すメッセージを含むWebドキュメントを返信する(S708)。これにより、クライアント端末20Pのディスプレイ上には、そのメッセージが表示される。
一方、該当するアカウント情報が存在していれば(S704で認証成功)、Webサーバ処理部110は、セッションIDを発行し、このセッションIDとアカウント情報のユーザIDとを対応付けて一時保存する。そして、Webサーバ処理部110は、そのセッションIDをクライアント端末20Pに返信するとともに、会員専用ページのトップページのWebドキュメントをデータ記憶部100から読み出し、このWebドキュメントをクライアント端末20Pに返信する(S705)。これにより、クライアント端末20Pでは、セッションIDが一時保存され、さらにディスプレイ上に会員専用ページのトップページが表示される。なお、このセッションIDは、Webサーバ10が認証処理を介さずに以降の一連のリクエストを処理するため、クライアント端末20Pから以降に発せられるリクエストに付加されるが、ここでは、そのことは特に記載しない。
ここで、登録会員は、表示されたトップページ上のボタンを選択することにより、Webサーバ10が提供する不動産仲介業務支援サービスに含まれる各種サービスの提供を受けることができる。
ここで、例えば、登録会員が、入力装置を用いて、トップページ上の物件登録ボタンをクリックすると、クライアント端末20Pは、不動産物件登録フォームの送信リクエストをWebサーバ10に送信する。このリクエストに応じて、Webサーバ処理部110が、不動産物件物件登録フォームのWebドキュメントを、データ記憶部100から読み出してクライアント端末20Pに返信すると、クライアント端末20Pのディスプレイ上に不動産物件登録フォーム(図4(C)参照)が表示される。登録会員が、入力装置を使って、表示された不動産物件登録フォームの各入力フィールド421,422に必要データを入力して、登録ボタン423をクリックすると、クライアント端末20Pは、それらのデータ(不動産物件情報、登録会員のWebページのURL)を含む物件登録リクエストを作成し、これを、Webドキュメント内で指定された宛先(Webサーバ10)に送信する。
Webサーバ10において、Webサーバ処理部110は、このリクエストを受け付けると(S706)、それに応じて、アプリケーション部120に物件登録を指示し、受信した不動産物件情報およびURLを渡す。この指示に応じて、アプリケーション部120では、支援処理部122が、ユーザ管理データベース101の不動産物件管理テーブルに未登録の物件IDを、所定のルールにしたがって生成する。さらに、ユーザ管理データベース101の不動産物件管理テーブルに新規レコードを生成し、この新規レコードに、生成した物件ID、渡された不動産物件情報およびURLを保存する(S707)。
このようにして、登録会員の取り扱い不動産物件が支援対象として登録されると、以後、登録会員は、その不動産物件について不動産物件公開サービスを受けることができる。これにより、登録された不動産物件の不動産物件情報およびURLは、不動産仲介業務支援サービスの一環として、システム運営者のWebページに掲載され、購入希望者等の第三者による自由な閲覧が可能となる。
例えば、購入希望者が、自己のクライアント端末20Qのディスプレイ上にシステム運営者のWebページを表示させ、入力装置を用いて、表示エリアを選択し、住宅地図の表示を指示すると、クライアント端末20Qは、その表示エリアに対応するメッシュIDを含む住宅地図送信リクエストをWebサーバ10に送信する。
Webサーバ10では、Webサーバ処理部110が、このリクエストを受け付けると(S801)、それに応じて、アプリケーション部120に住宅地図ページの生成を指示し、受信したメッシュIDを渡す。この指示に応じて、アプリケーション部120では、地図処理部123が、渡されたメッシュIDを属性値として有するメッシュオブジェクト1031の他の属性値(メッシュ属性情報)と、このメッシュオブジェクト1031に関連付けられた地図要素オブジェクト1032の属性値とを住宅地図データベース103から読み出し、それらの属性値に基づき住宅地図画像を生成する。この住宅地図画像には、不動産物件オブジェクトに関連付けられた地図要素オブジェクトの属性「座標情報」の値が示す位置(不動産物件の所在地に対応する位置)に、不動産物件情報掲載ページの表示指示を受け付けるアイコンが配置される。さらに、地図処理部123は、この住宅地図画像およびそれを表示させるためのWebページのWebドキュメントを生成する(S802)。
Webサーバ処理部110が、このWebドキュメントをクライアント端末20Qに返信すると、クライアント端末20Qのディスプレイ上には、図12(A)に示すように、購入希望者が指定したエリアの住宅地図1035が掲載されたWebページが表示される。購入希望者が、入力装置を用いて、表示された住宅地図1035内のいずれかの不動産物件に対応するアイコン1036をクリックすると、クライアント端末20Qは、その不動産物件の物件IDを含む不動産物件情報送信リクエストをWebサーバ10に送信する。
Webサーバ10において、Webサーバ処理部110は、このリクエストに応じて、アプリケーション部120に物件情報表示ページの生成を指示し、受信した物件IDを渡す。この指示に応じて、アプリケーション部120では、支援処理部122が、渡された物件IDに対応する不動産物件情報およびURLをユーザ管理データベース101の不動産物件管理テーブルから読み出して、図12(B)に示すように、その不動産物件情報1037が掲載され、かつ、そのURLをジャンプ先とするハイパーリンク1038が埋め込まれた物件情報掲載ページのWebドキュメントを生成する。Webサーバ処理部110が、このWebドキュメントをクライアント端末20Qに返信すると、クライアント端末20Qのディスプレイ上には物件情報掲載ページが表示される(S804)。
この不動産物件情報掲載ページには、購入希望者が選択したアイコンに対応する不動産物件の不動産物件情報が掲載され、かつ、それを取り扱う不動産売買仲介業者のWebペーへのハイパーリンクが埋め込まれている。すなわち、購入希望者は、優良と考えるエリアの住宅地図を参照中に、その住宅地図上のアイコンをクリックするだけで、そのアイコンの位置に対応する住所の不動産物件の不動産物件情報を取得することができる。購入希望者は、この不動産物件情報を参照することにより、購入検討中の不動産物件についてその概要を知ることができ、さらに詳細な情報の説明が必要であると考えるならば、リンク先のWebページを表示させて、その不動産物件についての問い合わせ先を知ることができる。
このように、本実施の形態に係る物件情報公開サービスによれば、システム運営者の物件情報掲載ページに登録会員のWebページへのリンクが埋め込まれるため、登録会員のWebページに直接到達しない購入希望者を、システム運営者の物件情報掲載ページを介して自身のWebページに導くことができるため、登録会員は、自身のWebページのみで不動産物件情報を掲載しているよりも、より効率的かつより確実に、契約成立の前提となる見込み客の獲得をすすめることができる。
(4)ブログレンタルサービス
図9および図10は、登録会員の不動産物件およびその周辺環境に関する記事の投稿を条件としてブログスペースをレンタルするサービスを登録ブロガーに提供するための処理のフローチャートである。ここでは、クライアント端末20Rの登録ブロガーにブログスペースをレンタルする場合を例にとり説明する。
登録ブロガーが、入力装置を介してブログ用ログインページへのアクセス指示を自己のクライアント端末20Rに与えると、クライアント端末20Rは、この指示に応じて、ブロガーログインフォームの送信リクエストをWebサーバ10に送信する。Webサーバ10では、Webサーバ処理部110が、これに応じて、データ記憶部100からブロガーログインフォームのWebドキュメントを読み出し、それをクライアント端末20Rに返信する。これにより、クライアント端末20R上のディスプレイ上にはブロガーログインフォーム(図4(B))が表示される(S901)。
登録ブロガーが、入力装置を使って、表示されたブロガーログインフォームの各入力フィールド411に、自身に与えられたアカウント情報を入力し、ログインボタン412をクリックすると、クライアント端末20Rは、アカウント情報を含む認証リクエストを作成し、これを、Webドキュメント内で指定された宛先(Webサーバ10)に送信する(S902)。
Webサーバ10において、Webサーバ処理部110は、この認証リクエストを受け付けると、アプリケーション部120に認証処理の実行を指示するとともに、受信したアカウント情報を渡す。この指示に応じて、アプリケーション部120では、ブログ処理部121が、渡されたアカウント情報を、ブログデータベース102のブロガー管理テーブルに登録されたアカウント情報10211のなかから検索する(S903)。
その結果、該当するアカウント情報が存在していなければ(S904で認証失敗)、Webサーバ処理部110は、例えば、再ログインを促すメッセージを含むWebドキュメントを返信する(S908)。これにより、クライアント端末20Rのディスプレイ上には、そのメッセージが表示される。
一方、該当するアカウント情報が存在していれば(S904で認証成功)、Webサーバ処理部110は、セッションIDを発行し、このセッションIDとアカウント情報のブロガーIDとを対応付けて一時保存する。そして、Webサーバ処理部110は、そのセッションIDをクライアント端末20Rに返信するとともに、ブログ管理ページのトップページのWebドキュメントをデータ記憶部100から読み出して、このWebドキュメントをクライアント端末20Rに返信する(S905)。これにより、クライアント端末20Rにおいては、セッションIDが一時保存され、さらに、そのディスプレイにはブログ管理ページのトップページが表示される。なお、このセッションIDは、Webサーバ10が認証処理を介さずに以降の一連のリクエストを処理するため、クライアント端末20Rから以降に発せられるリクエストに付加されるが、ここでは、そのことは特に記載しない。
ここで、登録ブロガーが、入力装置を用いて、ブログ管理ページのトップページ上の設定ボタンをクリックすると、クライアント端末20Qは、ブログ開設ページの送信リクエストをWebサーバ10に送信する。Webサーバ10では、Webサーバ処理部110が、このリクエストを受け付けると、それに応じて、ブログ開設ページのWebドキュメントをデータ記憶部100から読み出し、このWebドキュメントを返信する。これにより、クライアント端末20Rのディスプレイ上にはブログ開設ページ(図5(A))が表示される。
その後、登録ブロガーが、入力装置を使って、表示されたブログ開設ページの入力フィールド501にブログ設定情報(ここでは、テンプレートの指定、通常用いる文字の書式の指定)を入力してから開設ボタン502をクリックすると、クライアント端末20Rは、そのブログ設定情報を含むブログ開設リクエストを作成し、これを、Webドキュメント内で指定された宛先(Webサーバ10)に送信する。
Webサーバ10においては、Webサーバ処理部110が、このブログ開設リクエストを受け付けると(S906)、それに応じて、アプリケーション部120に新規ブログ開設処理の実行を指示するとともに、受信したブログ設定情報を渡す。この指示に応じて、アプリケーション部120では、ブログ処理部121が、ブログデータベース102のブログ管理テーブル内に新規レコードを生成し、このレコードに、未登録のブログID、セッションIDに対応付けて保持しているブロガーID、渡されたブログ設定情報を登録する。
このようにして新規ブログが開設されると、以後、登録ブロガーは、この新規ブログ上に自由に記事を投稿可能となる。例えば、登録ブログに記事を投稿すべく、登録ブロガーが、ブログ管理ページのトップページ上の編集ボタンをクリックすると、クライアント端末20Rは、ブログ編集ページの送信リクエストをWebサーバ10に送信する。
Webサーバ10では、Webサーバ処理部110が、このリクエストに応じて、ブログ編集ページのWebドキュメントをデータ記憶部100から読み出して、このWebドキュメントを返信する(S1001)。これにより、クライアント端末20Rのディスプレイ上にはブログ編集ページ(図5(B))が表示される。
ここで、登録会員が取り扱う不動産物件に関する記事を投稿する場合、登録ブロガーは、そのような記事についての投稿ルールにしたがって、まず、入力フィールド511でカテゴリ「不動産物件調査」を選択し、さらに、不動産物件IDを含むタイトルを入力フィールド512に入力する。
ただし、入力フィールド513には、不動産物件およびその周辺環境を実際に調査した結果を記事フィールド内に自らの言葉で自由に記述することができる。このため、登録ブロガーは、登録会員が取り扱う不動産物件について、近隣住民、主婦、学生など、不動産物件の売買に利害関係を持たない第三者としてのさまざまな視点、すなわち、より消費者に近い視点から自由な記事の書き込みを行うことになる。例えば、不動産物件の設備に関する客観的な記事が書き込まれるだけでなく、「xxx区にあるかっこいい建物です。歩いて5分のところにスポーツクラブが建設予定です。」「かわいい庭があります。」というような主観的な記事が書き込まれることが期待される。つまり、「かっこいい」「かわいい」など、実際の見聞きで得られた印象を表すために日常使い慣れた直情的な言い回しである一方、不動産物件仲介業者のセールストークには通常用いられない語り口調の表現によって、不動産物件仲介業者の不動産物件およびその近隣環境に関する情報が記述されることが期待される。また、近隣の現存施設に関する記事だけでなく、近隣に建設予定のスポーツクラブに関する記事など、地域的に配布されるチラシや口コミ等によってのみ得られるような、その地域内に居住していない不動産物件仲介業者のセールストークには含まれにくいローカルな話題も盛り込まれることになる。
このような記事の内容に現実感を盛り込むべく、不動産物件に関する記事についての投稿ルールに、不動産物件の撮影画像およびその周辺環境の撮影写真を記事とともに掲載するというルールを付加してもよい。
その後、登録ブロガーが、入力装置を用いて投稿ボタン514をクリックすると、クライアント端末20Rは、各入力フィールド内の入力データ(カテゴリID、タイトル、記事データ)およびブログIDを含む投稿リクエストをWebサーバ10に送信する。
Webサーバ10において、Webサーバ処理部110は、この投稿リクエストを受け付けると(S1002)、それに応じて、アプリケーション部120にエントリ登録処理の実行を指示するとともに、受信したデータを渡す。この指示に応じて、アプリケーション部120では、ブログ処理部121が、渡されたカテゴリIDがカテゴリ「不動産物件調査」のカテゴリIDに該当するか否か、すなわち、登録会員の扱う不動産物件に関する記事の投稿であるか否かチェックする(S1003)。
その結果、カテゴリ「不動産物件調査」のカテゴリIDに該当しなければ(登録会員の扱う不動産物件に関する記事の投稿でなければ)、ブログ処理部121は、セッションIDに対応付けて保持しているブロガーIDに対応付けられたブログID10232を、ブログデータベース102のブログ管理テーブルから読み出す。
さらに、ブログデータベース102のエントリ管理テーブル内に新規レコードを生成し、このレコードに、未登録のエントリID、読み出したブログID、渡されたデータ(記事データ、カテゴリID、記事タイトルデータ)、現在の時刻(投稿時刻)、一般ユーザ全体を公開範囲とする旨を示す公開設定情報を保存する(S1006)。これにより、登録会員の不動産物件とは無関係な記事は、自由な閲覧が可能な記事として投稿される。
一方、カテゴリ「不動産物件調査」のカテゴリIDに該当すれば(登録会員の扱う不動産物件に関する記事の投稿であれば)、ブログ処理部121は、セッションIDに対応付けて保持しているブロガーIDに対応付けられたブログID10232およびブログ設定情報10233を、ブログデータベース102のブログ管理テーブルから読み出すとともに、渡されたタイトルに含まれる不動産物件IDに対応付けられたユーザIDを、ユーザ管理データベース101の不動産物件管理テーブルから読み出す。
そして、ブログ処理部121は、渡された記事データから、あらかじめ定めたルールにしたがってダイジェストデータを抽出する。一般に、ブログに書き込みを行うユーザは、記事の主題に関して、とくに強調したい部分を目立たせるため、通常用いる書式とは別の書式をその部分に用いたり、その部分の前後に絵文字を配置したりすることがある。そこで、本実施の形態においては、読み出したブログ設定情報に含まれる書式データが示す書式以外の書式の文字列と、あらかじめ定めた絵文字を含めてその前後の所定の文字数の文字列とを、渡された記事データから、ダイジェストデータとして抽出する(S1004)。
さらに、ブログ処理部121は、ブログデータベース102のエントリ管理テーブル内に新規レコードを生成し、このレコードに、未登録のエントリID、読み出したブログID、渡されたデータ(記事データ、カテゴリID、記事タイトルデータ)、現在の時刻(投稿時刻)、取り出したユーザIDの登録会員のみが公開範囲である旨を示す公開設定情報、抽出したダイジェストデータを格納する(S1005)。これにより、登録会員の不動産物件についての記事が、その登録会員のみに公開される記事として投稿される。
このように、本実施の形態に係るブログレンタルサービスによれば、登録会員が自由に記事を投稿できるブログスペースを、登録会員の取り扱う不動産物件およびその周辺環境についての記事を投稿することを条件として登録ブロガーにレンタルするため、登録会員は、登録ブロガーに、個々の不動産物件について、より購入希望者に近い視点からさまざまなデータを絶えず収集してもらい、かつ、不動産物件仲介業者の立場だけでは眼にとまらない、実際の見聞きにより得られた評価および近隣情報を、購入希望者の興味をそそる率直な言葉で投稿してもらうことができる。つまり、登録会員は、膨大な数の不動産物件について、基本項目データ以外の最新のデータ(口コミ情報等)の収集に労力を費やしたり、セールストークの作成に頭を悩ませなくても、登録ブロガーに、それらの業務を代行してもらうことができる。このため、登録会員の営業コストを削減することができる。
なお、ここでは、登録ブロガーからの投稿をすべてエントリ管理テーブルに登録しているが、必ずしも、このようにする必要はない。例えば、ブログ処理部121が、あらかじめ定めた不適切な文字列が記事データに含まれていないかチェックし、そのような文字列が含まれていない場合のみ、エントリ管理テーブルに新規レコードを登録するようにしてもよい。また、記事の内容がエントリ管理テーブルに登録するにふさわしい内容か否かの最終判断の入力をシステム運営者に求め、システム運営者からの許可を受け付けた場合にのみ、エントリ管理テーブルに新規レコードが登録されるようにしてもよい。
(5)ブログ承認サービス
上述したように、ブログに投稿された記事のうち、登録会員の不動産物件に関する記事はただちに公開される訳ではない。本実施の形態では、そのような未公開記事のなかから、見込み客の獲得に有用な記事のみを公開すべく、登録会員の不動産物件に関する投稿記事は、すべて、登録会員による公開承認を待って公開される。図11は、そのような未公開記事の公開承認を受け付けるサービスを登録会員に提供するための処理のフローチャートである。ここでは、クライアント端末の登録会員が、自身の不動産物件情報に関する未公開記事の公開を承認する場合を例にとり説明する。
登録会員が、入力装置を用いて、エントリ一覧ページへのアクセス指示を自己のクライアント端末20Pに与えると、クライアント端末20Pは、この指示に応じて、登録会員のユーザIDを含む、エントリ一覧ページの送信リクエストをWebサーバ10に送信する。Webサーバ10においては、Webサーバ処理部110が、このリクエストに応じて、アプリケーション部120にエントリ抽出処理の実行を指示するとともに、受信したユーザIDを渡す。この指示に応じて、アプリケーション部120は、渡されたユーザIDに対応する不動産物件IDを不動産物件管理テーブルで検索する。
その結果得られた不動産物権IDのそれぞれについて、該当するIDを含む記事タイトルと、渡されたユーザIDを含む公開設定情報との双方に対応付けられた、エントリID、ブログID、投稿日時およびダイジェストデータを、エントリ管理テーブル1034から読み出す。そして、不動産物件IDごとに、ブログID、エントリIDおよびダイジェストデータを投稿日時順に表示するWebページを生成し、Webサーバ処理部110が、このWebドキュメントをクライアント端末20Pに返信する(S1101)。これにより、クライアント端末20Pのディスプレイ上には、図13(A)に示すように、登録会員が取り扱う不動産物件の不動産物件ID1040毎に、この不動産物件に関する記事のエントリID1042およびダイジェストデータ1043と、その記事が投稿されたブログのブログID1042および投稿日時1041との一覧が表示される。ここで、登録会員は、それぞれの記事のダイジェストデータを参照することにより、登録ブロガーが、不動産物件について特に強調したいと考える部分、すなわち、不動産物件のセールストークとして有効な表現を一見して把握することができる。このため、登録会員は、複数の記事のなかから、自身の不動産物件のセールスポイントが記述されているとして公開すべき記事の候補を効率的に選定することができる。
例えば、登録会員が、この一覧のなかから、いずれか一組のIDを選択すると、クライアント端末20Pは、それらのIDを含むブログ掲載ページの送信リクエストをWebサーバ10に送信する。Webサーバ10においては、Webサーバ処理部110が、このリクエストを受け付けると(S1102)、それに応じて、ブログ掲載ページの生成をアプリケーション部120に指示し、受信した一組のIDを渡す。
この指示に応じて、アプリケーション部120は、渡されたエントリIDに対応付けられた記事データを、ブログデータベース102のエントリ管理データテーブルから読み出す。あわせて、渡されたブログIDに対応付けられたブログ設定情報を、ブログデータベース102のブログ管理テーブルから読み出し、このブログ設定情報に含まれるテンプレートIDに対応付けられたテンプレートデータを、ブログデータベース102のテンプレート管理テーブルから読み出す。そして、読み出したテンプレートデータを用いて、読み出した記事データを掲載するブログ掲載ページのドキュメントを生成する。その後、Webサーバ処理部110が、このWebドキュメントを返信する(S1103)。これにより、クライアント端末20Pのディスプレイ上には、登録会員の取り扱う不動産物件の記事のうち、一般に公開されていない記事が掲載されたブログ掲載ページが表示される。このブログ掲載ページには、一般に対する公開の許可指示を受け付ける公開ボタンが配置されている。
登録会員は、これを参照することにより、自己の不動産物件に関する記事に、セールストークとして最適な表現が用いられていることが確認できた場合には、公開ボタンをクリックすればよい。これにより、クライアント端末20Pが、その記事のエントリIDを含む公開許可リクエストをWebサーバ10に送信する。Webサーバ10では、Webサーバ処理部110が、このリクエストを受け付けると(S1104)、それに応じて、アプリケーション部120に記事公開を指示し、受信したエントリIDを渡す。アプリケーション部120は、この指示に応じて、渡されたエントリIDに対応付けられてエントリ管理テーブルに登録されている公開設定情報を、一般ユーザ全体を公開範囲とする情報に更新する。
さらに、アプリケーション部120は、渡されたエントリIDに対応付けられた記事データおよびタイトルデータをエントリ管理テーブルから読み出し、タイトルデータに含まれる物件IDの不動産物件を取り扱う不動産売買仲介業者のWebページのURLをユーザ管理データベース101の不動産物件管理テーブルから読み出し、このURLのWebページへのハイパーリンクを記事データに設定する。そして、この記事データで、エントリ管理テーブルの対応記事データを更新する(S1105)。これにより、図13(B)に示すように、登録会員が一般公開を承認した記事1046には、登録会員のWebページへのハイパーリンク1045が確実に埋め込まれ、その結果、その記事を参照した、より多くの購入希望者等の一般ユーザを見込み客として登録会員のWebページに導くことができる。
このように、本実施の形態に係るブログ承認サービスによれば、ブログに投稿された記事のうち、登録会員の不動産物件に関する記事はただちに公開されず、登録会員の承認をまって公開される。このため、登録会員は、自己の不動産物件に関する未公開記事のなかから、見込み客の獲得に有用な記事のみを選択的に公開させることができる。
以上述べたように、本実施の形態に係るWebサーバが提供するサービスによれば、ブロガーに、自由に使えるブログが、不動産物件およびその周辺環境に関する記事の投稿を条件としてレンタルされるため、より購入希望者に近い視点から見つけだされる、不動産物件のセールスポイントを含む記事、すなわち、購入希望者により効果的にアピールできるセールストークを含む記事を、例えば、その不動産物件の近隣居住等の登録ブロガーから収集することができる。さらに、不動産売買仲介業者は、豊富な情報の提供が必要とされる個々の不動産物件について、データ収集やセールストーク作成に労力を費やさなくても、そのような記事の一覧から、自己の営業に効果的な表現が掲載された記事を選択的に一般に公開させることができるため、より効率的かつより確実に見込み客を獲得することができる。
また、記事の一覧のなかには、ブロガーが通常用いる書式とは異なる書式が用いられている文字列や、絵文字を含みその前後所定の数の文字列などの、ブロガーが強調したいと考えている可能性の高い文字列が、記事ダイジェストとして提示されるため、不動産売買仲介業者は、自身が取り扱う不動産物件のプロモーションとして最適な書き込みがなされた記事を公開候補として効率的に選定することができる。
また、住宅地図上のアイコンの選択により、そのアイコンの位置に対応する住所の不動産物件の不動産物件情報が表示されるため、購入希望者は、優良と考えるエリアの住宅地図内で周辺環境等を検討しながら、その住宅地図上のアイコンを選択するだけで、そのアイコンの位置に対応する住所の不動産物件についての概要を知ることができる。そして、不動産物件情報の掲載ページには、不動産売買仲介業者のWebページへのリンクが埋め込まれているため、不動産物件に関心を示す購入希望者を、不動産売買仲介業者のWebページへと導くことができる。このように、興味のある不動産物件を自発的に見つけだした見込み客を自発的に不動産売買仲介業者のWebページに導くことができるため、見込み客獲得に要する営業コストを削減することができる。
一方、上述のような登録ブログには、登録会員の不動産物件について、より購入希望者に近い立場から、不動産物件仲介業者の立場だけでは眼にとまらない不動産物件の評価およびその近隣情報が主観的な言葉で語られている。購入希望者が不動産物件探しに通常の検索エンジンを利用する場合、より豊富な情報を得るために、不動産物件の客観的な設備条件や近隣の現存施設とは関係なく、不動産物件に対する主観的な希望もキーワードに含めることがある。このような検索が行われた場合、不動産物件に関するWebページのなかでも、購入希望者の主観的な希望に合致する表現を含んだブログ、すなわち登録ブロガーのブログが、購入希望者の目にとまりやすいように優先的にヒットする。このため、購入希望者は、不動産売買仲介業者のWebページ上で提供される情報からだけでは見つけることが困難であった不動産物件も容易に見つけることができる。そして、このブログ内の公開記事には、不動産売買仲介業者のWebページへのリンクが埋め込まれているため、検索エンジンのキーワード検索等によりブログに到達した購入希望者のうち、その不動産物件についてより詳細な情報を得たいと考える者を、不動産売買仲介業者のWebページへと導くことができる。したがって、不動産売買仲介業者は、自身のWebページに直接到達しなかった購入希望者も見込み客として獲得することができる。このため、契約成立のチャンスが増大する。また、登録会員の口頭説明前の購入希望者がすでに登録ブロガーのブログから豊富な情報を入手していることから、登録会員は不動産物件の売買契約の締結までの購入希望者とのやり取りをスムーズに進行させることができる。
なお、本実施の形態においては、不動産仲介業務支援サービスの提供に対する対価、および、不動産物件に関する調査および記事の投稿に対する対価を支払っていないが、そのような対価をシステム運営者および登録ブロガーに支払うようにしてもよい。例えば、システム運営者は、不動産物件が登録されるごと、または、不動産物件に関する未公開の記事の一般公開が承認されるごとに、登録会員にシステム使用料を課金するようにしてもよい。また、登録ブロガーには、その投稿記事の一般公開が承認されるごとに、登録会員のシステム使用料の一部を対価として支払うようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、一般公開が承認された記事に、登録会員のWebページのハイパーリンクが自動的に埋め込まれるようにしているが、例えば、登録ブロガーが、ブログ編集ページで生成する記事に登録会員のWebページのハイパーリンクを埋め込むようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、1つの不動産物件を取り扱う登録会員が複数存在する場合を排除しないが、1つの不動産物件を取り扱う登録会員を1人に限定してもよい。このようにすれば、1つの不動産物件について複数の登録会員が競合する事態が排除されるため、登録会員の見込み客獲得の機会を増大させることができる。
また、本実施の形態においては、登録物件を限定していないが、登録ブロガーの調査効率を向上させるため、登録物件を、例えば分譲マンション1棟に限定してもよい。
30:通信網、10:Webサーバ、20A,....,20Z:クライアント端末、100:データ記憶部、101:ユーザ管理データベース、102:ブログデータベース、103:住宅地図データベース、104:Webデータ、110:Webサーバ処理部、120:アプリケーション部、121:ブログ処理部、122:支援処理部、123:地図処理部