JP4874989B2 - 可溶性で安定なインスリン含有調合物 - Google Patents

可溶性で安定なインスリン含有調合物 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、インスリン、インスリン類似体、インスリン誘導体、または前述のものの任意の組合せ、およびプロタミンの塩を含む薬学的調合物、かかる調合物を調製する方法、並びにかかる調合物中に含有されるインスリンペプチドの使用が必要である疾患および症状の治療におけるかかる調合物の使用に関する。更に本発明は、インスリン含有調合物にプロタミンの塩を添加することにより、7.0未満のpHにおいて、インスリン含有調合物中のインスリンの安定性および/または溶解度を増大させる方法に関する。
発明の背景
真性糖尿病は、グルコースを利用する能力が、ほぼ完全に失われた代謝障害である。全人口の約2%が糖尿病に罹患している。
1920年代のインスリンの発見以来、真性糖尿病の治療を改良する連続的な進歩をとげてきた。糖尿病患者は、極度なグルコースレベルの回避を助けるために、インスリンを注入により投与するインスリン代償療法をしばしば行う。
真性糖尿病の治療において、多くの種々のインスリン組成物が提案され、使用されており、たとえば、通常のインスリン、セミレンテ(Semilente)(登録商標)インスリン、イソフェンインスリン、インスリン亜鉛懸濁液、プロタミン亜鉛インスリン、およびウルトラレンテ(Ultralente)(登録商標)インスリンが挙げられる。糖尿病患者は、数十年にわたってインスリンで治療されるため、安全性と生活の質を改善するインスリン組成物に対する大きな需要がある。商業的に入手可能なインスリン組成物のあるものは、迅速な作用の発現により特徴づけられ、またある組成物は、比較的遅い発現を示すが、多かれ少なかれ持続性作用を示す。速効性インスリン組成物は、通常インスリンの液剤であり、一方、遅効性インスリン組成物は、亜鉛塩のみの添加により、またはプロタミンの添加により、またはその両方の組み合わせにより沈殿した、結晶性および/または無晶性形態のインスリンを含有する懸濁剤とすることができる。加えて、ある患者は、迅速な作用の発現と持続性作用の両方を示す組成物を使用する。かかる組成物は、プロタミンインスリン結晶を懸濁したインスリン液剤とすることができる。ある患者は、インスリン溶液を懸濁組成物と所望の比で混合することにより、最終組成物を自身で調製する。
ヒトインスリンは、二つのポリペプチド鎖、いわゆるA鎖とB鎖から成り、これらはそれぞれ、21アミノ酸残基および30アミノ酸残基を含む。A鎖とB鎖は、二つのシステインジスルフィド架橋により互いに結合しており、第三のジスルフィド架橋は、A鎖の中にある。その他の多くの種に由来するインスリンは、同様の構造を有するが、対応する位置に同じアミノ酸残基を含んでいなくてもよい。
遺伝子工学の発展により、ヒトインスリンに類似している多種多様なインスリン化合物を容易に調製することが可能になった。これらインスリン類似体では、一または複数のアミノ酸残基が、その塩基配列によりコード可能な他のアミノ酸残基で置換されている。先に説明したヒトインスリンは、51のアミノ酸残基を含むため、多数のインスリン類似体が可能であることは明らかであり、興味深い特性をもつ多種多様な類似体が調製されている。注射用組成物の所定の濃度のヒトインスリン溶液では、インスリン分子は、六量体として結合形態で存在する(Brange et al. Diabetes Care 13, (1990), 923-954)。皮下注射後、血流による吸収速度は、分子のサイズに依存すると考えられ、この六量体形成を妨害または阻害するアミノ酸残基の置換を備えたインスリン類似体は、並外れて迅速な作用の発現をすることが見出されている(Brange et al.: 同上)。これは、糖尿病患者にとって治療上大きな価値がある。
インスリンを含む薬学的組成物の全般的な概説は、Brange et al. in Galenics of Insulin, Springer-Verlag (Berlin, 1987)により提供される。
Scott and Fisher (1936)は、1 mM硫酸プロタミンおよび0.15 mMインスリンを含むpH7.2のインスリンの懸濁剤を開示する。
ヒトインスリンの類似体に基く薬学的組成物は、たとえば、Heinemann et al., Lutterman et al. and Wiefels et al. at the“Frontiers in Insulin Pharmacology”International Symposium in Hamburg, 1992により示される。
US 5 474 978 (Eli Lilly)は、六つのモノマーインスリン類似体からなるヒトインスリン類似体六量体複合体、亜鉛イオン、および少なくとも三分子のフェノール誘導体を含む、迅速作用性の非経口調合物を開示する。
通常、インスリン組成物は、皮下注射により投与される。患者にとって重要なことは、インスリン組成物の作用プロファイルであり、すなわち、注射後の時間の関数としてのグルコース代謝に対するインスリンの作用、たとえば、インスリン作用の開始時間、作用の最大値およびトータル持続期間である。異なった作用プロファイルをもつ種々のインスリン組成物が、患者に必要とされる。このように個々の患者は、大きく異なる作用プロファイルをもつインスリン組成物を同じ日に使用してもよい。所定の時間における所定の患者に必要とされる作用プロファイルは、幾つかの因子、たとえば、その日の時間、および患者が摂取した食事の量と組成に依存する。
また、患者にとって重要なことは、インスリン組成物の化学的安定性であり、とりわけ、Penfill(登録商標)カートリッジを含有するデバイスなどの多使用のペンのような注入デバイスのためのインスリン組成物の化学的安定性であり、このデバイスにおいてインスリン組成物は、全カートリッジが空になるまで保存される。このことは、1.5または3.0 mlカートリッジを含有するデバイスで、1〜2週間以上持続し得る。保存の間に、インスリン構造に共有結合の化学的変化が起こる。これにより、活性が低く潜在的に免疫抗原性を有する分子の形成、たとえば脱アミド産物および高分子量のトランスフォーメーション産物(ダイマー、ポリマー等)の形成という結果に至る。インスリンの化学的安定性に関する総合的研究は、Jens Brange in “Stability of Insulin”, Kluwer Academic Publishers, 1994に記載される。
インスリンおよびインスリン類似体を含む組成物は、従来、種々の添加剤、たとえばリン酸ナトリウム(緩衝剤)、Zn2+(安定剤)、フェノール/m−クレゾール(保存剤および安定剤)、塩化ナトリウム(等張剤および安定剤)、およびグリセロール/マンニトール(等張剤)を用いて調合されている。
インスリンは、わずか約5℃の低い温度で典型的には保存され、これにより、たとえば室温での保存と比較して貯蔵寿命が大幅に改善されるという事実にもかかわらず、インスリン生成物の貯蔵寿命は、時間の経過による可溶性集合体(ダイマーおよびポリマー)の形成により主に危険に晒される。その上、インスリン生成物は、振動の結果、たとえば患者のポケットの中で運ばれたとき、または輸送の間に、不溶性集合体(フィブリル)の形成に晒される。化学的または物理的影響の結果、かかる可溶性および不溶性集合体を形成する傾向を完全に最小限まで減らすことが、インスリン生成物の品質にとって不可欠である。
Acta Pharmaceutica Nordica 4(4), 1992, pp. 149-158は、塩化ナトリウム濃度が0〜250 mMの範囲にあるインスリン組成物を開示する。この組成物の大部分は、グリセロールを更に含む組成物を含めて、かなり多量の塩化ナトリウム、すなわち120 mMの濃度にほぼ対応する0.7%の塩化ナトリウムを含有する。
US特許第5,866,538号(Novo Nordisk)は、ヒトインスリンまたはその類似体もしくは誘導体、グリセロールおよび/またはマンニトール、および5−100 mMのハロゲン化物、たとえば塩化ナトリウムを含む、化学的安定性を改良したインスリン組成物を開示する。
US特許第6,174,856号(Novo Nordisk)は、ヒトインスリンまたはその類似体もしくは誘導体、グリシルグリシン、クエン酸塩またはTRISから選択される緩衝剤、および金属イオン、とりわけカルシウムまたはマグネシウムイオンを含む、安定化された水性組成物を開示する。
US特許第6,451,762号(Novo Nordisk)は、ヒトインスリン誘導体の長期作用性水溶性集合体を開示する。
US特許第6,551,992号(Eli Lilly)は、緩衝剤がTRISまたはアルギニンである、集合に対して安定化されたモノマーインスリン類似体調合物を開示する。
US特許第5,747,642号(Eli Lilly)は、モノマーインスリン類似体、亜鉛、プロタミン、およびフェノール誘導体を含む、非経口薬学的調合物を開示する。
US特許第6,465,426号(Eli Lilly)は、亜鉛と複合体化したアシル化インスリンまたはアシル化インスリン類似体、プロタミン、およびフェノール化合物を含む不溶性組成物を開示し、得られる微結晶は、中性プロタミンハーゲドルン(NPH)インスリン結晶形態に類似している。
インスリン含有組成物の化学的および物理的安定性は進歩しているが、インビボ投与時に長期作用性プロファイルを示す、インスリンまたはその類似体もしくは誘導体、または前述のものの混合物の可溶性で安定な調合物に対する要求がなお残っている。
発明の概要
本出願は、プロタミンのある塩をある濃度で含有する調合物により、インスリン、インスリン類似体、インスリン誘導体、または前述のものの混合物の可溶性で安定な製剤が、7.0未満のpHで調合され得ることを開示する。また、本調合物は、7.0未満のpHで物理的および化学的に安定であり、長期作用性のプロファイルを示し、これにより、本調合物は、貯蔵安定性になり、侵襲性(たとえば、注射、皮下注射、筋内、静脈内または注入)並びに非侵襲性(たとえば、鼻、経口、肺、経皮または粘膜経由、たとえば頬)の投与手段に適したものになる。
したがって、本発明は、インスリン、インスリン類似体、インスリン誘導体、または前述のものの混合物、およびプロタミン塩を含む薬学的調合物であって、プロタミン塩が、少なくとも0.25 mMの濃度で存在し、調合物のpHが約7.0未満である薬学的調合物に関する。本発明の薬学的調合物は、以下の構成成分の少なくとも一つを更に含有していてもよい:保存剤、二価金属イオン、たとえば亜鉛、コバルト、マグネシウム、もしくはカルシウム、またはこれらイオンの組合せ、等張剤、緩衝剤、および界面活性剤。
更に本発明は、本発明の薬学的調合物を用いた治療方法であって、調合物中に含有されるインスリンペプチドの投与が必要である疾患、症状または障害を治すのに効果的な量で組成物を投与する方法に関する。一つの態様において、本発明の調合物は、1型および2型糖尿病の治療に使用され得る。
更に本発明は、インスリン含有調合物の物理的および化学的安定性を増大させる方法であって、少なくとも0.25 mMの濃度でプロタミン塩を添加することを含む方法に関する。
また本発明は、本発明の薬学的調合物を製造する方法に関する。
一つの態様において、本発明の調合物を調製する方法は、
a)二価金属イオンを水または緩衝液中に溶解することにより溶液を調製すること;
b)保存剤を水または緩衝液中に溶解することにより溶液を調製すること;
c)等張剤を水または緩衝液中に溶解することにより溶液を調製すること;
d)界面活性剤を水または緩衝液中に溶解することにより溶液を調製すること;
e)インスリン、インスリン類似体、インスリン誘導体、または前述のものの混合物を水または緩衝液中に溶解することにより溶液を調製すること;
f)プロタミン塩を水または緩衝液中に溶解することにより溶液を調製すること;
g)e)の溶液と、a)、b)、c)およびd)の一または複数の溶液とを混合すること;
h)g)の溶液とf)の溶液とを混合すること;および
i)h)の混合液のpHを、7.0未満の所望のpHに調整すること
を含む。
本発明の説明
本発明の薬学的調合物は、インスリンおよびプロタミン塩を含み、プロタミン塩が、少なくとも0.25 mMの濃度で存在し、調合物のpHが約7.0未満である。
本発明の薬学的調合物は、化学的に安定であり、7.0未満のpHで可溶性である。「所定のpHで可溶性である」とは、本発明の調合物に含有されるインスリンが、調合物のpHで完全に溶解することを意味し、本発明の調合物に含有されるインスリンが溶解しているかどうかを決定する方法は、当該技術分野において公知である。
一つの態様において、薬学的調合物は、30,000 gで20分間の遠心分離にかけ、その後、上清のインスリン濃度をRP-HPLCにより決定することができる。この濃度が、製剤をつくるのに本来使用したインスリン濃度と実験誤差の範囲内で等しい場合、インスリンは、本発明の調合物において完全に可溶性である。
別の態様において、本発明の調合物におけるインスリンペプチドの溶解度は、調合物が含有される容器を目視することにより簡単に決定することができる。溶液が視覚的に透明であり、粒状物質が、浮遊していたり容器の側面/底面に沈殿していたりしない場合、インスリンは可溶性である。
もちろん、本発明の調合物におけるインスリンの溶解度は、調合物の組成およびそのpHだけでなく、溶解度の測定前の調合物の保存温度および時間によっても影響を受けることがあることが当業者に理解される(例6参照)。たとえば、45℃の温度で本発明の調合物を保存することは、可溶性が観察されるpH値の範囲を狭くし得るが、45℃で観察される本発明の調合物からのインスリンの沈殿は、調合物の温度を下げることにより逆行させることができる(たとえば、図13および15参照)。このため、たとえば、ある調合物が、pH 5−6の間の所定のpHにおいて4℃で透明な溶液である(すなわち可溶性である)が、45℃で保存すると沈殿しはじめる場合、この調合物をその後4℃で保存すると、この沈殿は再び溶媒和する。
本発明の調合物において、含有されるインスリンは、ヒトインスリン[“ヒトインスリン”は、DSHW Nicol and LF Smith: Nature, (1960) 4736: 483-485に示されるアミノ酸配列を有するインスリンを意味し、これは参照により本明細書に組み込まれる]、ヒトインスリン類似体、ヒトインスリン誘導体、またはその混合物を意味すると理解される「インスリン」から選択することができる。
一つの態様において、インスリンはヒトインスリンである。
別の態様において、インスリンはヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンはヒトインスリンの誘導体である。
別の態様において、インスリンは、位置B28がAsp、Glu、Lys、Leu、ValまたはAlaであるヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンは、位置B28がAsp、GluまたはLysであるヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンは、位置B28がAspまたはGluであるヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンは、位置B28がAspであるヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンは、位置B28がGluであるヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンは、位置B29がPro、AspまたはGluであるヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンは、位置B29がProまたはGluであるヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンは、位置B29がProであるヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンは、位置B29がGluであるヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンは、位置B28がAspまたはLysであり、位置B29がLysまたはProであるヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンは、位置B9がAspまたはGluであるヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンは、位置B10がAspまたはGluまたはGlnであるヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンは、位置B10がGluであるヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンは、位置B10がGlnであるヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンは、位置B1がGlyであるヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンは、位置B3がLys、Thr、Ser、AlaまたはGlnであるヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンは、位置B3がLys、Thr、SerまたはAlaであるヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンは、位置B3がLysまたはAlaであるヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンは、位置B3がLysであるヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンは、位置B3がLysであり、位置B29がGluであるヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンは、位置B25が欠失しているヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンは、位置B27が欠失しているヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンは、位置B30が欠失しているヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンは、位置A18がGlnであるヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンは、位置A21がAla、Arg、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Met、Phe、Ser、Thr、Trp、Tyr、ValまたはhSerであるヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンは、位置A21がAla、Arg、Gln、Gly、Ile、Leu、Phe、Ser、Thr、ValまたはhSerであるヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンは、位置A21がAlaまたはGlyであるヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンは、位置A21がGlyであるヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンは、一または複数の親油性置換基を有するヒトインスリンの誘導体またはその類似体である。
別の態様において、インスリンは、位置B29LysにおけるNε-アミノ基が、共有結合のアシル化により疎水性部分で改変されたヒトインスリンの誘導体またはその類似体、たとえば脂肪酸誘導体またはリトコール酸誘導体である。
別の態様において、インスリン誘導体は、B29Nε-ヘキサデカンジオイル-γ-Glu desB30インスリン、B29-Nε-ミリストイル-des(B30)ヒトインスリン、B29-Nε-パルミトイル-des(B30)ヒトインスリン、B29-Nε-ミリストイルヒトインスリン、B29-Nε-パルミトイルヒトインスリン、B28-Nε-ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン、B28-Nε-パルミトイルLysB28ProB29ヒトインスリン、B30-Nε-ミリストイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン、B30-Nε-パルミトイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン、B29-Nε-(N-パルミトイル-γ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン、B29-Nε-(N-リトコリル-γ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン、B29-Nε-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)-des(B30)ヒトインスリン、およびB29-Nε-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンからなる群より選択される。
別の態様において、ヒトインスリンの類似体は、任意の組合せの追加の安定化置換を含む。
別の態様において、ヒトインスリンの類似体は、位置B1、B3、A18およびA21に、任意の組合せの追加の安定化置換を含む。
別の態様において、インスリンは、以下からなる群より選択されるヒトインスリンの類似体である:
B28D
B25H
desB27
B28K,B29P
B3K,B29E
B29E
desB25
B9E/D
B10E/D/Q。
別の態様において、インスリンは、以下からなる群より選択されるヒトインスリンの類似体である:
A21G
A21Q,
A21A,
A21T
A21R
以下の組合せのすべてもA21Q/A/T/Rとすることができる:
A21G, B28K, B29P
A21G, B28D
A21G, B28E
A21G, B3K, B29E
A21G, desB27
A21G, B9E
A21G, B9D
A21G, B10E
A21G, desB25
A21G, B25H
A21G, desB30
A21G, B28K, B29P
A21G, B28K, B29P, desB30
A21G, B28D, desB30
A21G, B28E
A21G, B28E, desB30
A21G, B3K, B29E
A21G, B3K, B29E, desB30
A21G, desB27, desB30
A21G, B9E/D
A21G, B9E, desB30
A21G, B9D, desB30
A21G, B10E/D/Q
A21G, B10E, desB30
A21G, B10Q, desB30
A21G, desB25, desB30。
別の態様において、インスリンは、以下からなる群より選択されるヒトインスリンの類似体である:
B1G, A21G
B1G, A21G, B28K, B29P
B1G, A21G, B28D
B1G, A21G, B28E
B1G, A21G, B3K, B29E
B1G, A21G, desB27
B1G, A21G, B9E
B1G, A21G, B9D
B1G, A21G, B10E
B1G, A21G, B10Q
B1G, A21G, desB25
B1G, A21G, B25H
B1G, A21G, desB30
B1G, A21G, B28K, B29P
B1G, A21G, B28K, B29P, desB30
B1G, A21G, B28D, desB30
B1G, A21G, B28E
B1G, A21G, B28E, desB30
B1G, A21G, B3K, B29E
B1G, A21G, B3K, B29E, desB30
B1G, A21G, desB27, desB30
B1G, A21G, B9E/D
B1G, A21G, B9E, desB30
B1G, A21G, B9D, desB30
B1G, A21G, B10E/D/Q
B1G, A21G, B10E, desB30
B1G, A21G, B10Q, desB30
B1G, A21G, desB25, desB30,
B1G, A21G, B25H, desB30。
別の態様において、インスリンは、位置B3およびA18において更に改変された(たとえばB3T、B3S、B3QおよびA18Q)上記3つのリストに由来するヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリンは、以下のとおり更に改変された上記3つのリストに由来するヒトインスリンの類似体である:
B3T, B28D
B3T, desB27。
別の態様において、インスリンは、B30の欠失により更に改変された上記3つのリストに由来するヒトインスリンの類似体である。
別の態様において、インスリン類似体および誘導体は、EP 0 792 290 (Novo Nordisk A/S)、EP 0 214 826およびEP 0 705 275 (Novo Nordisk A/S)、US 5,504,188 (Eli Lilly)、EP 0 368 187 (Aventis)、US特許5,750,497および6,011,007、EP 375437およびEP 383472に開示されるものの中から選択され、かかるインスリンには、以下のものが含まれるがこれらに限定されない:LysB29(Nε-テトラデカノイル)des(B30)ヒトインスリン、LysB29-(Nε-(γ-グルタミル-Nα-リトコリル)des(B30)ヒトインスリン、NεB29-オクタノイルインスリン、インスリングラルギン(glargine)(インスリングラルギンは、Lantus(登録商標)としても公知であり、位置A21のアミノ酸アスパラギンがグリシンに置換され、2つのアルギニンがB-鎖のC-末端に付加されている点でヒトインスリンとは異なる)、インスリングルリジン(glulisine)(インスリングルリジンは、Apidra(登録商標)としても公知であり、位置B3のアミノ酸アスパラギンがリジンに置換され、位置B29のリジンがグルタミン酸に置換されている点でヒトインスリンとは異なる)、LysB28ProB29ヒトインスリン (Humalog(登録商標))、AspB28ヒトインスリン、またはインスリンアスパルト(aspart)(Novolog(登録商標))。
一つの態様において、インスリンは、少なくとも一つのリジン残基を含み、このリジン残基のイプシロンアミノ基に親油性置換基が結合している、ヒトインスリンまたはヒトインスリン類似体の誘導体である。
一つの態様において、親油性置換基が結合しているリジン残基は、インスリンペプチドの位置B28に存在する。
別の態様において、親油性置換基が結合しているリジン残基は、インスリンペプチドの位置B29に存在する。
更に別の態様において、親油性置換基は、少なくとも6つの炭素原子を有するカルボン酸に相当するアシル基である。
別の態様において、親油性置換基は、炭素原子8〜24の長さの鎖を有するカルボン酸に相当する分枝または非分枝のアシル基である。
別の態様において、親油性置換基は、少なくとも6つの炭素原子を有する脂肪酸に相当するアシル基である。
別の態様において、親油性置換基は、6〜24の炭素原子を有する直鎖の飽和カルボン酸に相当するアシル基である。
別の態様において、親油性置換基は、8〜12の炭素原子を有する直鎖の飽和カルボン酸に相当するアシル基である。
別の態様において、親油性置換基は、10〜16の炭素原子を有する直鎖の飽和カルボン酸に相当するアシル基である。
別の態様において、親油性置換基は、10までのオキシエチレン単位、好ましくは5までのオキシエチレン単位を含むオリゴオキシエチレン基である。
別の態様において、親油性置換基は、10までのオキシプロピレン単位、好ましくは5までのオキシプロピレン単位を含むオリゴオキシプロピレン基である。
一つの好ましい態様において、本発明は、B30アミノ酸残基が欠失しているか、またはLys、ArgおよびCys以外の遺伝暗号によりコード可能な任意のアミノ酸残基であり;A21およびB3のアミノ酸残基が、独立して、Lys、ArgおよびCys以外の遺伝暗号によりコード可能な任意のアミノ酸残基であり;PheB1が欠失していてもよく;LysB29のイプシロンアミノ基が、少なくとも6の炭素原子を含む親油性置換基を有し;2-4のZn2+イオンが、各インスリンヘキサマーに結合していてもよく、ただし、B30がThrまたはAlaであり、A21およびB3がいずれもAsnであり、PheB1が欠失していない場合、2-4のZn2+イオンが、インスリン誘導体の各ヘキサマーに結合している、ヒトインスリン誘導体に関する。
別の態様において、本発明は、B30アミノ酸残基が欠失しているか、またはLys、ArgおよびCys以外の遺伝暗号によりコード可能な任意のアミノ酸残基であり;A21およびB3のアミノ酸残基が、独立して、Lys、ArgおよびCys以外の遺伝暗号によりコード可能な任意のアミノ酸残基であり、ただし、B30アミノ酸残基がAlaまたはThrである場合、A21およびB3の残基の少なくとも一つはAsnではなく;PheB1が欠失していてもよく;LysB29のイプシロンアミノ基が、少なくとも6の炭素原子を含む親油性置換基を有する、ヒトインスリン誘導体に関する。
別の態様において、本発明は、B30アミノ酸残基が欠失しているか、またはLys、ArgおよびCys以外の遺伝暗号によりコード可能な任意のアミノ酸残基であり;A21およびB3のアミノ酸残基が、独立して、Lys、ArgおよびCys以外の遺伝暗号によりコード可能な任意のアミノ酸残基であり;PheB1が欠失していてもよく;LysB29のイプシロンアミノ基が、少なくとも6の炭素原子を含む親油性置換基を有し;2-4のZn2+イオンが、各インスリンヘキサマーに結合している、ヒトインスリン誘導体に関する。
一つの態様において、本発明の調合物は、約0.25 mM〜約5.0 mMの濃度でインスリンを含有する。
別の態様において、本発明の調合物は、約0.25 mM〜約4.0 mMの濃度でインスリンを含有する。
更に別の態様において、本発明の調合物は、約0.25 mM〜約3.0 mMの濃度でインスリンを含有する。
更に別の態様において、本発明の調合物は、約0.3 mM〜約1.5 mMの濃度でインスリンを含有する。
更に別の態様において、本発明の調合物は、約0.4 mM以上、0.8 mM以上、または1.3 mM以上の濃度でインスリンを含有する。
本発明の調合物において、含まれるプロタミン塩は、硫酸プロタミン以外のプロタミン塩とすることができ、かかる塩には、プロタミンの酢酸塩、臭化物、塩化物、カプロン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、HCO3、プロピオン酸塩、乳酸塩、ギ酸塩(formiate)、硝酸塩、クエン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、酒石酸塩、または過塩素酸塩、または任意の二つのプロタミン塩の混合物が含まれるが、これらに限定されない。本明細書で使用される「プロタミン」は、塩のように核酸と結合して精子細胞中に存在する強塩基性タンパク質のグループの総称である。通常、インスリンと共に使用されるプロタミンは、たとえば、サケ(サルミン)、ニジマス(イリジン(iridine))、ニシン(クルペイン)、チョウザメ(スツリン)、またはスペインサバ(spanish mackerel)またはマグロ(チニン(thynnine))から得られ、多種多様なプロタミンの塩が、商業的に入手可能である。もちろん、特定のプロタミンのペプチド組成は、プロタミンを得た魚の科、属または種に大きく依存し得ることが理解される。プロタミンは、4つの主要な構成成分、すなわち約21-22個がアルギニンである約30−32残基を含有する単一鎖のペプチドを通常含有する。4つの主要な構成成分の各々についてN−末端はプロリンであり、その配列に他のアミノ基は存在しないため、特定の塩によるプロタミンの化学的修飾は、この状況で均一である(homogenous)ことが予測される。
一つの態様において、本発明で使用されるプロタミン塩は、サケ由来である。
別の態様において、本発明で使用されるプロタミン塩は、ニシン由来である。
別の態様において、本発明で使用されるプロタミン塩は、ニジマス由来である。
別の態様において、本発明で使用されるプロタミン塩は、マグロ由来である。
別の態様において、プロタミン塩は、プロタミンのプロピオン酸塩、乳酸塩、ギ酸塩(formiate)、硝酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、カプロン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩からなる群より選択される。
別の態様において、プロタミン塩は、プロタミンのプロピオン酸塩、乳酸塩、ギ酸塩(formiate)、硝酸塩および酢酸塩からなる群より選択される。
別の態様において、プロタミン塩は、プロタミンの酢酸塩から選択される。
更なる態様において、本発明の調合物に含まれるプロタミン塩が、2つの異なる塩の混合物である場合、一方の塩は酢酸塩で、もう一方の塩は、プロタミンのプロピオン酸塩、乳酸塩、ギ酸塩(formiate)および硝酸塩からなる群より選択される。本発明の調合物に含まれるプロタミン塩が、2つの異なる塩の混合物である場合、2つの異なる塩の間のモル比を0.1:1〜1:1としてもよいことが理解される。
一つの態様において、本発明の調合物におけるインスリンに対するプロタミン塩のモル比は、約0.5〜約100である。
別の態様において、本発明の調合物におけるインスリンに対するプロタミン塩のモル比は、約0.5〜約10である。
別の態様において、本発明の調合物におけるインスリンに対するプロタミン塩のモル比は、約0.5〜5である。
別の態様において、本発明の調合物におけるインスリンに対するプロタミン塩のモル比は、約1〜3である。
本発明の別の態様において、調合物は、約7.0未満のpHを有し、pHに関して使用される「約」の用語は、記載される値から+または−0.1のpH単位を意味する。
本発明の更なる態様において、調合物は、約4.0〜約6.5の範囲のpHを有する。
本発明の更なる態様において、調合物は、約4.5〜約6.0の範囲のpHを有する。
本発明の更なる態様において、調合物は、約5.0〜約6.0の範囲のpHを有する。
本発明の更なる態様において、調合物は、約5.0〜約5.6の範囲のpHを有する。
本発明の調合物では経時的にごく僅かなpH移動しか起こらないことが観察されたという点(データ示さず)、並びにこれらの変動は、調合物のpHを測定する際に通常観察される典型的なpHメーター間の変動であるという点で、本発明の調合物のpHは非常に安定であることが観察された。
本発明の別の態様において、調合物は、インスリンおよびプロタミン塩に加えて、以下の構成成分の少なくとも一つを含有する:保存剤、亜鉛などの二価金属イオン、および等張剤。
本発明の別の態様において、調合物は、インスリンおよびプロタミン塩に加えて、以下の構成成分の少なくとも二つを含有する:保存剤、亜鉛などの二価金属イオン、および等張剤。
本発明の別の態様において、調合物は、インスリンおよびプロタミン塩に加えて、以下の構成成分の三つすべてを含有する:保存剤、亜鉛などの二価金属イオン、および等張剤。
本発明の別の態様において、調合物は、二価金属イオンを含有しない。
薬学的に許容可能な保存剤が本発明の調合物に含まれる場合、保存剤は、フェノール、m−クレゾール、p-ヒドロキシ安息香酸メチル、p-ヒドロキシ安息香酸プロピル、2-フェノキシエタノール、p-ヒドロキシ安息香酸ブチル、2-フェニルエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、およびチメロサール、またはこれらの混合物からなる群より選択される。これら具体的な保存剤の各々が、本発明の択一的な態様を構成する。本発明の好ましい態様において、保存剤は、フェノールまたはm−クレゾールである。本発明の別の好ましい態様において、保存剤はフェノールである。本発明の別の好ましい態様において、保存剤はm−クレゾールである。
本発明の更なる態様において、保存剤は、約0.1 mg/ml〜約50 mg/mlの濃度、より好ましくは約0.1 mg/ml〜約25 mg/mlの濃度、最も好ましくは約0.1 mg/ml〜約10 mg/mlの濃度で存在する。
薬学的組成物における保存剤の使用は、当業者に周知である。便宜的には、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, 1995が参照される。
二価金属イオンが本発明の調合物に含まれる場合、二価金属イオンは、カルシウム、マグネシウム、または亜鉛、またはこれらの組合せであり得る。
一つの態様において、二価金属イオンは亜鉛である。
別の態様において、本発明の調合物における亜鉛の濃度は、インスリンに対して3 Zn2+のモル比未満である。
別の態様において、本発明の調合物における亜鉛の濃度は、インスリンに対して2 Zn2+のモル比未満である。
別の態様において、本発明の調合物における亜鉛の濃度は、インスリンに対して1 Zn2+のモル比未満である。
薬学的に許容可能な等張剤が本発明の調合物に含まれる場合、等張剤は、グリセロール、マンニトール、プロピレングリコール、ジメチルスルホン、メチルスルホニルメタン、トレハロース、スクロース、ソルビトール、サッカロースおよび/またはラクトース、またはこれらの混合物から選択され得る。本発明の好ましい態様において、等張剤はグリセロールである。
本発明の更なる態様において、等張剤は、約0.5%〜約3%の濃度、より好ましくは約1%〜約2%の濃度、最も好ましくは約1.6%の濃度で存在する。
薬学的組成物における等張剤の使用は、当業者に周知である。便宜的には、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, 1995が参照される。
本発明の別の態様において、本発明の調合物に緩衝剤が含まれていてもよい。
緩衝剤が本発明の調合物に含まれる場合、緩衝剤は、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸塩、グリシルグリシン、ヒスチジン、グリシン、リジン、アルギニン、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、およびトリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、またはこれらの混合物からなる群より選択される。これらの具体的な緩衝剤の各々は、本発明の択一的な態様を構成する。本発明の好ましい態様において、緩衝剤は、グリシルグリシン、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、またはこれらの混合物である。もちろん、酢酸プロタミンが、本発明の調合物に含まれるプロタミン塩である場合、酢酸プロタミンは、緩衝剤として機能できることが理解される。たとえば、1.0 mM酢酸プロタミンが、本発明の調合物に添加された場合、酢酸塩の濃度は約20 mMである。
本発明の更なる態様において、調合物は、高分子量ポリマーまたは低分子量化合物の群より選択される安定剤を更に含んでいてもよく、かかる安定剤には、ポリエチレングリコール(たとえばPEG 3350)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、種々の塩(たとえば塩化ナトリウム)、L-グリシン、L-ヒスチジン、イミダゾール、アルギニン、リジン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、トレオニン、およびこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。これら具体的な安定剤の各々は、本発明の択一的な態様を構成する。本発明の好ましい態様において、安定剤は、L-ヒスチジン、イミダゾール、およびアルギニンからなる群より選択される。
本発明の更なる態様において、高分子量ポリマーは、0.1 mg/ml〜50 mg/mlの濃度で存在する。本発明の更なる態様において、高分子量ポリマーは、0.1 mg/ml〜5 mg/mlの濃度で存在する。本発明の更なる態様において、高分子量ポリマーは、5 mg/ml〜10 mg/mlの濃度で存在する。本発明の更なる態様において、高分子量ポリマーは、0 mg/ml〜20 mg/mlの濃度で存在する。本発明の更なる態様において、高分子量ポリマーは、20 mg/ml〜30 mg/mlの濃度で存在する。本発明の更なる態様において、高分子量ポリマーは、30 mg/ml〜50 mg/mlの濃度で存在する。
本発明の更なる態様において、低分子量化合物は、0.1 mg/ml〜50 mg/mlの濃度で存在する。本発明の更なる態様において、低分子量化合物は、0.1 mg/ml〜5 mg/mlの濃度で存在する。
本発明の更なる態様において、低分子量化合物は、5 mg/ml〜10 mg/mlの濃度で存在する。本発明の更なる態様において、低分子量化合物は、10 mg/ml〜20 mg/mlの濃度で存在する。本発明の更なる態様において、低分子量化合物は、20 mg/ml〜30 mg/mlの濃度で存在する。本発明の更なる態様において、低分子量化合物は、30 mg/ml〜50 mg/mlの濃度で存在する。
薬学的組成物における安定剤の使用は、当業者に周知である。便宜的には、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, 1995が参照される。
本発明の更なる態様において、本発明の調合物は、界面活性剤を更に含んでいてもよく、界面活性剤は、以下のものから選択され得る:洗剤、エトキシ化ヒマシ油、ポリグリコール化(polyglycolyzed)グリセリド、アセチル化モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート、たとえばポリソルベート-20、ブロック共重合体、たとえばポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドブロック共重合体、たとえばポロキサマー(poloxamers)、ポロキサマー188およびポロキサマー407、Brij(登録商標)35、Brij(登録商標)56、Brij(登録商標)72、Brij(登録商標)76、Brij(登録商標)92V、Brij(登録商標)97、Brij(登録商標)58P、Cremophor(登録商標)EL、デカエチレングリコールモノドデシルエーテル、N-デカノイル-N-メチルグルカミン、n-ドデカノイル-N-メチルグルカミド、アルキル-ポリグルコシド、エトキシ化ヒマシ油、ヘプタエチレングリコールモノデシルエーテル、ヘプタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ヘプタエチレングリコールモノテトラデシルエーテル、ヘキサエチレングリコールモノドデシルエーテル、ヘキサエチレングリコールモノヘキサデシルエーテル、ヘキサエチレングリコールモノオクタデシルエーテル、ヘキサエチレングリコールモノテトラデシルエーテル、Igepal CA-630、Igepal CA-630、メチル-6-O-(N-ヘプチルカルバモイル)-ベータ-D-グルコピラノシド、ノナエチレングリコールモノドデシルエーテル、N-ノナノイル-N-メチルグルカミン、N-ノナノイル-N-メチルグルカミン、オクタエチレングリコールモノデシルエーテル、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、オクタエチレングリコールモノヘキサデシルエーテル、オクタエチレングリコールモノオクタデシルエーテル、オクタエチレングリコールモノテトラデシルエーテル、オクチル-β-D-グルコピラノシド、ペンタエチレングリコールモノデシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノヘキサデシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノオクタデシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノオクチルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールエーテルW-1、ポリオキシエチレン10トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン100ステアレート、ポリオキシエチレン20イソヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレン20オレイルエーテル、ポリオキシエチレン40ステアレート、ポリオキシエチレン50ステアレート、ポリオキシエチレン8ステアレート、ポリオキシエチレンビス(イミダゾリルカルボニル)、ポリオキシエチレン25プロピレングリコールステアレート、キラヤ皮(Quillaja bark)由来のサポニン、Span(登録商標)20、Span(登録商標)40、Span(登録商標)60、Span(登録商標)65、Span(登録商標)80、Span(登録商標)85、Tergitol、Type 15-S-12、Tergitol、Type 15-S-30、Tergitol、Type 15-S-5、Tergitol、Type 15-S-7、Tergitol、Type 15-S-9、Tergitol、Type NP-10、Tergitol、Type NP-4、Tergitol、Type NP-40、Tergitol、Type NP-7、Tergitol、Type NP-9、テトラデシル-β-D-マルトシド、テトラエチレングリコールモノデシルエーテル、テトラエチレングリコールモノドデシルエーテル、テトラエチレングリコールモノテトラデシルエーテル、トリエチレングリコールモノデシルエーテル、トリエチレングリコールモノドデシルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキサデシルエーテル、トリエチレングリコールモノオクチルエーテル、トリエチレングリコールモノテトラデシルエーテル、Triton CF-21、Triton CF-32、Triton DF-12、Triton DF-16、Triton GR-5M、Triton QS-15、Triton QS-44、Triton X-100、Triton X-102、Triton X-15、Triton X-151、Triton X-200、Triton X-207、Triton(登録商標)X-100、Triton(登録商標)X-114、Triton(登録商標)X-165溶液、Triton(登録商標)X-305溶液、Triton(登録商標)X-405、Triton(登録商標)X-45、Triton(登録商標)X-705-70、TWEEN(登録商標)20、TWEEN(登録商標)40、TWEEN(登録商標)60、TWEEN(登録商標)6、TWEEN(登録商標)65、TWEEN(登録商標)80、TWEEN(登録商標)81、TWEEN(登録商標)85、チロキサポール、グリセロール、コール酸またはその誘導体、レシチン、アルコールおよびリン脂質、グリセロールリン脂質(レシチン、ケファリン、ホスファチジルセリン)、グリセロール糖脂質(ガラクトピラノシド)、スフィンゴリン脂質(スフィンゴミエリン)、およびスフィンゴ糖脂質(セラミド、ガングリオシド)、DSS(ドキュセートナトリウム、ドキュセートカルシウム、ドキュセートカリウム、SDS(ドデシル硫酸ナトリウムまたはラウリル硫酸ナトリウム)、ジパルミトイルホスファチジン酸、カプリル酸ナトリウム、胆汁酸およびその塩およびグリシンまたはタウリンコンジュゲート、ウルソデオキシコール酸、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、N-ヘキサデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホネート、陰イオン(アルキル-アリール-スルホネート)一価界面活性剤、パルミトイルリゾホスファチジル-L-セリン、リゾリン脂質(たとえば、エタノールアミン、コリン、セリンまたはトレオニンの1-アシル-sn-グリセロ-3-ホスフェートエステル)、リゾホスファチジルおよびホスファチジルコリンのアルキル、アルコキシル(アルキルエステル)、アルコキシ(アルキルエーテル)-誘導体、たとえば、リゾホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリンのラウロイルおよびミリストイル誘導体、および極性ヘッドグループの改変体、すなわちコリン、エタノールアミン、ホスファチジン酸、セリン、トレオニン、グリセロール、イノシトール、および正電荷のDODAC、DOTMA、DCP、BISHOP、リゾホスファチジルセリンおよびリゾホスファチジルトレオニン、双性イオン性界面活性剤(たとえば、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニオ-1-プロパンスルホネート、3-コラミド-1-プロピルジメチルアンモニオ-1-プロパンスルホネート、ドデシルホスホコリン、ミリストイルリゾホスファチジルコリン、鶏卵リゾレシチン)、陽イオン界面活性剤(第四アンモニウム塩基)(たとえば、セチル-トリメチルアンモニウムブロマイド、セチルピリジニウムクロライド)、非イオン界面活性剤、ポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドブロック共重合体(Pluronics/Tetronics、Triton X-100、ドデシル-β-D-グルコピラノシド)またはポリマー界面活性剤(TWEEN(登録商標)40、TWEEN(登録商標)80、Brij-35)、フシジン酸誘導体(たとえば、タウロ-ジヒドロフシジン酸ナトリウムなど)、長鎖脂肪酸およびその塩C6-C12(たとえば、オレイン酸およびカプリル酸)、アシルカルニチンおよび誘導体、リジン、アルギニンまたはヒスチジンのNα-アシル化誘導体、またはリジンまたはアルギニンの側鎖アシル化誘導体、リジン、アルギニンまたはヒスチジンと中性または酸性アミノ酸との任意の組合せを含むジペプチドのNα-アシル化誘導体、中性アミノ酸と二つの荷電アミノ酸との任意の組合せを含むトリペプチドのNα-アシル化誘導体、またはイミダゾール誘導体の群から選択され得る界面活性剤、またはこれらの混合物。これら具体的な界面活性剤の各々は、本発明の択一的な態様を構成する。本発明の好ましい態様において、界面活性剤は、ポロキサマー188またはTWEEN(登録商標)20である。本発明の別の好ましい態様において、界面活性剤はポロキサマー188である。本発明の別の好ましい態様において、界面活性剤はTWEEN(登録商標)20である。
本発明の更なる態様において、界面活性剤は、200 ppm未満の量、より好ましくは100 ppm未満の量、最も好ましくは50 ppm未満の量で存在する。
薬学的組成物における界面活性剤の使用は、当業者に周知である。便宜的には、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, 1995が参照される。
本発明の調合物は、慣用的な技術により、たとえばRemington’s Pharmaceutical Sciences, 1985またはRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, 1995に記載されるとおり調製することができ、かかる医薬産業の慣用的な技術には、成分を適切に溶解し混合して所望の最終産物を得ることが含まれる。
また本発明は、本発明の調合物を作成する方法に関する。
一つの態様において、本発明の調合物を調製する方法は、
a)二価金属イオンを水または緩衝液中に溶解することにより溶液を調製すること;
b)保存剤を水または緩衝液中に溶解することにより溶液を調製すること;
c)等張剤を水または緩衝液中に溶解することにより溶液を調製すること;
d)界面活性剤を水または緩衝液中に溶解することにより溶液を調製すること;
e)インスリン、インスリン類似体、インスリン誘導体、または前述のものの混合物を水または緩衝液中に溶解することにより溶液を調製すること;
f)プロタミン塩を水または緩衝液中に溶解することにより溶液を調製すること;
g)e)の溶液と、a)、b)、c)およびd)の一または複数の溶液とを混合すること;
h)g)の溶液とf)の溶液とを混合すること;および
i)h)の混合液のpHを、7.0未満の所望のpHに調整すること
を含む。
別の態様において、水または緩衝液中に、インスリン、インスリン類似体、もしくはインスリン誘導体、またはこれらの混合物、および必要に応じて保存剤、等張剤および/または二価金属イオンを含有する、pH約6.5〜約7.5、好ましくはおよそ中性pHの溶液を、プロタミン塩の溶液と混合し、その後、混合溶液のpHを、7.0未満の所望の最終pHに調整することができる。
本発明の調合物が、プロタミン塩の混合物、たとえば図10に示されるカプロン酸塩/酢酸塩の混合物を含有する場合、上記混合物で使用されるプロタミン塩の溶液は、各塩を別々に溶解した後、それら溶液を混合することにより、あるいはそれらの塩を水または緩衝液中に一緒に溶解することにより調製することができる。
もちろん、最終調合物が、混合終了時に同じ平衡状態に達する限り、最終調合物の構成成分は、上述の順序以外の順序で混合されてもよいことが理解される。
更に本発明は、本発明の薬学的調合物を用いた治療方法であって、調合物中に含有されるインスリンペプチドの投与が必要である疾患、症状または障害を治すのに効果的な量で組成物を投与する方法に関する。
一つの態様において、本発明の調合物は、1型および2型糖尿病の治療に使用され得る。
本発明の調合物の用量、投与ルート、および1日あたりの投与回数は、治療目的、患者の疾患の性質および原因、患者が摂取する他の医薬または薬物、患者の性別および体重、運動のレベルおよび食事の習慣などの因子、並びに医師に公知の他の因子を考慮して医師により決定される。
広い範囲において、本発明の調合物で患者に投与されるインスリンの1日量は、約0.1ユニットのインスリン/体重kg〜約1ユニットのインスリン/体重kgである。
別の態様において、本発明の調合物で患者に投与されるインスリンの1日量は、約0.2ユニットのインスリン/体重kg〜約0.6ユニットのインスリン/体重kgである。もちろん、糖尿病の治療に通常の技術を有する医師であれば、糖尿病患者を治療するのに使用されるインスリンの濃度範囲が、たとえば、治療される患者が1型糖尿病の小児であるか、強いインスリン抵抗性の2型糖尿病の成人であるかに依存して変化し得ることを理解している。また、糖尿病の治療に通常の技術を有する医師であれば、本発明の調合物を投与するための治療的に最も有利な方法を選択することもできる。
一つの態様において、調合物は、非経口的に投与されてもよく、典型的な非経口投与ルートは、皮下および筋内である。別の態様において、調合物は、非経口的に投与されてもよく、そのルートは皮下である。
別の態様において、調合物は、鼻、舌下、肺または眼ルートにより投与され得る。別の態様において、調合物は、鼻ルートにより投与され得る。別の態様において、調合物は、肺ルートにより投与され得る。
一つの態様において、本発明の調合物は、インスリンポンプと共に使用される。インスリンポンプは、プレ充填され(prefill)、使い捨てであってもよいし、インスリン調合物が、取り外し可能な貯蔵所から供給されてもよい。インスリンポンプは、皮膚に取り付けられていてもよいし、持ち運んでもよく、ポンプの貯蔵コンパートメントから患者へのインスリン製剤の通路は、多少、蛇行していてもよい。インスリンポンプの非限定的な例は、US 5,957,895、US 5,858,001、US 4,468,221、US 4,468,221、US 5,957,895、US 5,858,001、US 6,074,369、US 5,858,001、US 5,527,288、およびUS 6,074,369に開示される。
別の態様において、本発明の調合物は、ペンのような注入デバイスと共に使用され、これは、プレ充填され(prefill)、使い捨てであってもよいし、インスリン調合物が、取り外し可能な貯蔵所から供給されてもよい。ペンのような注入デバイスの非限定的な例は、FlexPen(登録商標)、InnoLet(登録商標)、InDuoTM、Innovo(登録商標)である。
更なる態様において、本発明の調合物は、水性インスリン調合物の肺投与のためのデバイスと共に使用され、その非限定的な例は、AerX(登録商標)デバイスである。
更に本発明は、本発明の薬学的調合物を別の治療形態と組み合わせた患者の治療に関する。
本発明の一つの側面において、本発明の薬学的調合物を用いた患者の治療を、食事および/または運動と組み合わせる。
本発明の別の側面において、本発明の薬学的調合物を、任意の適切な比率で、一または複数のその他の有効成分と組み合わせて投与し、ここで、本発明の薬学的調合物と一または複数のその他の有効成分に関して使用される「と組み合わせて(in combination with)」の用語は、一または複数のその他の有効成分が、本発明の調合物の中に含められてもよいし、本発明の調合物とは別の調合物に含有されてもよいことを意味する。その他の有効成分は、たとえば、抗肥満剤、抗糖尿病剤、抗高血圧剤、糖尿病から発症するかまたは糖尿病と関連のある合併症の治療剤、および肥満から発症するかまたは肥満と関連のある合併症および障害の治療剤から選択され得る。
したがって、本発明の更なる側面において本発明の薬学的調合物は、一または複数の抗肥満剤または食欲調節剤と組み合わせて投与されてもよい。
かかる薬剤は、以下からなる群より選択され得る:CART(コカインアンフェタミン調節転写産物)アゴニスト、NPY(神経ペプチドY)アンタゴニスト、MC4(メラノコルチン4)アゴニスト、MC3(メラノコルチン3)アゴニスト、オレキシンアンタゴニスト、TNF(腫瘍壊死因子)アゴニスト、CRF(コルチコトロピン放出因子)アゴニスト、CRF BP(コルチコトロピン放出因子結合タンパク質)アンタゴニスト、ウロコルチンアゴニスト、β3アドレナリン作用性アゴニスト、たとえばCL-316243、AJ-9677、GW-0604、LY362884、LY377267またはAZ-40140、MSH(メラノサイト刺激ホルモン)アゴニスト、MCH(メラノサイト凝集ホルモン)アンタゴニスト、CCK(コレシストキニン)アゴニスト、セロトニン再取込みインヒビター、たとえば、フルオキセチン、セロキサート(seroxat)、またはシタロプラム(citalopram)、セロトニンおよびノルアドレナリン再取込みインヒビター、混合されたセロトニンとノルアドレナリン作用性化合物、5HT(セロトニン)アゴニスト、ボンベシンアゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、成長ホルモン、成長因子、たとえば、プロラクチンまたは胎盤性ラクトゲン、成長ホルモン放出化合物、TRH(チロトロピン放出ホルモン)アゴニスト、UCP 2または3(アンカップリングタンパク質2または3)モジュレーター、レプチンアゴニスト、DAアゴニスト(ブロモクリプチン、ドプレキシン(doprexin))、リパーゼ/アミラーゼインヒビター、PPAR(ペルオキシソーム増殖因子活性化レセプター)モジュレーター、RXR(レチノイドXレセプター)モジュレーター、TRβアゴニスト、AGRP(アグーチ関連タンパク質)インヒビター、H3ヒスタミンアンタゴニスト、オピオイドアンタゴニスト(たとえばナルトレキソン)、エクセンジン(exendin)-4、GLP-1、glp-1類似体またはその誘導体、および毛様体の神経栄養因子。
本発明の一つの態様において、抗肥満剤はレプチンである。
別の態様において、抗肥満剤は、デキサンフェタミンまたはアンフェタミンである。
別の態様において、抗肥満剤は、フェンフルラミンまたはデキシフェンフルラミンである。
更に別の態様において、抗肥満剤はシブトラミン(sibutramine)である。
更なる態様において、抗肥満剤はオルリスタット(orlistat)である。
別の態様において、抗肥満剤は、マチンドールまたはフェンテルミンである。
更に別の態様において、抗肥満剤は、フェンジメトラジン、ジエチルプロピオン、フルオキセチン、ビュープロピオン、トピラメート(topiramate)、またはエコピパム(ecopipam)である。
経口的に活性な血糖降下薬は、以下のものを含む:イミダゾリン、スルホニルウレア、ビグアニド、メグリチニド、オキサジアゾリジンジオン、チアゾリジンジオン、インスリン増感剤、インスリン分泌促進薬、たとえばグリメプリド(glimepride)、α-グルコシダーゼインヒビター、β細胞のATP依存性カリウムチャンネルに作用する薬剤、たとえばカリウムチャンネルオープナー、たとえばWO 97/26265、WO 99/03861およびWO 00/37474 (Novo Nordisk A/S) に開示されるもの(これらは参照により本明細書に組み込まれる)、またはミチグリニド(mitiglinide)、またはカリウムチャンネルブロッカー、たとえばBTS-67582、ナテグリニド、グルカゴンアンタゴニスト、たとえばWO 99/01423およびWO 00/39088 (Novo Nordisk A/S and Agouron Pharmaceuticals, Inc.) に開示されるもの(これらは参照により本明細書に組み込まれる)、GLP-1アゴニスト、たとえばWO 00/42026 (Novo Nordisk A/S and Agouron Pharmaceuticals, Inc.) に開示されるもの(これらは参照により本明細書に組み込まれる)、DPP-IV(ジペプチジルペプチダーゼ-IV)インヒビター、PTPase(タンパク質チロシンホスファターゼ)インヒビター、糖新生および/またはグリコーゲン分解の刺激に関与する肝臓酵素のインヒビター、グルコース取込みモジュレーター、GSK-3(グリコーゲンシンターゼキナーゼ-3)インヒビター、脂質代謝を変更する化合物、たとえば抗高脂血薬、食物摂取を低減する化合物、PPAR(ペルオキシソーム増殖因子活性化レセプター)およびRXR(レチノイドXレセプター)アゴニスト、たとえばALRT-268、LG 1268またはLG-1069。
本発明の更なる態様において、本発明の薬学的調合物は、スルホニルウレア、たとえばトルブタミド、クロルプロパミド、トラザミド、グリベンクラミド、グリピジド、グリメピリド、グリカジドまたはグリブリドと組み合わせて投与される。
本発明の別の態様において、本発明の薬学的調合物は、ビグアニド、たとえばメトホルミンと組み合わせて投与される。
本発明の更に別の態様において、本発明の薬学的調合物は、メグリチニド、たとえばレパグリニドまたはナテグリニドと組み合わせて投与される。
本発明の更に別の態様において、本発明の薬学的調合物は、チアゾリジンジオンインスリン増感剤、たとえば、トログリタゾン(troglitazone)、シグリタゾン(ciglitazone)、ピオグリタゾン(pioglitazone)、ロシグリタゾン(rosiglitazone)、イサグリタゾン(isaglitazone)、ダルグリタゾン(darglitazone)、エングリタゾン(englitazone)、CS-011/CI-1037またはT 174、またはWO 97/41097、WO 97/41119、WO 97/41120、WO 00/41121およびWO 98/45292 (Dr. Reddy’s Research Foundation) に開示される化合物(これらは参照により本明細書に組み込まれる)と組み合わせて投与される。
本発明の更に別の態様において、本発明の薬学的調合物は、インスリン増感剤、たとえば、GI 262570、YM-440、MCC-555、JTT-501、AR-H039242、KRP-297、GW-409544、CRE-16336、AR-H049020、LY510929、MBX 102、CLX-0940、GW-501516、またはWO 99/19313、WO 00/50414、WO 00/63191、WO 00/63192、WO 00/63193 (Dr. Reddy’s Research Foundation)、およびWO 00/23425、WO 00/23415、WO 00/23451、WO 00/23445、WO 00/23417、WO 00/23416、WO 00/63153、WO 00/63196、WO 00/63209、WO 00/63190およびWO 00/63189 (Novo Nordisk A/S) に開示される化合物(これらは参照により本明細書に組み込まれる)と組み合わせて投与される。
本発明の更なる態様において、本発明の薬学的調合物は、α-グルコシダーゼインヒビター、たとえば、ボグリボース(voglibose)、エミグリテート(emiglitate)、ミグリトール(miglitol)、またはアカルボース(acarbose)と組み合わせて投与される。
本発明の別の態様において、本発明の薬学的調合物は、β細胞のATP依存性カリウムチャンネルに作用する薬剤、たとえば、トルブタミド、グリベンクラミド、グリピジド、グリカジド、BTS-67582、またはレパグリニドと組み合わせて投与される。
本発明の更に別の態様において、本発明の薬学的調合物は、ナテグリニドと組み合わせて投与されてもよい。
本発明の更に別の態様において、本発明の薬学的調合物は、抗高脂血薬、たとえば、コレスチラミン、コレスチポール、クロフィブレート、ゲムフィブロジル、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、プロブコール、またはデキストロサイロキシンと組み合わせて投与される。
本発明の別の側面において、本発明の薬学的調合物は、上記化合物の二つ以上と組み合わせて、たとえば、メトホルミンとグリブリドなどのスルホニルウレア;スルホニルウレアとアカルボース;ナテグリニドとメトホルミン;アカルボースとメトホルミン;スルホニルウレア、メトホルミンとトログリタゾン;メトホルミンとスルホニルウレア;などと組み合わせて投与される。
更に、本発明の薬学的調合物は、一または複数の抗高血圧剤と組み合わせて投与されてもよい。抗高血圧剤の例は、β-ブロッカー、たとえば、アルプレノロール、アテノロール、チモロール、ピンドロール、プロプラノロール、およびメトプロロール、ACE(アンギオテンシン変換酵素)インヒビター、たとえば、ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リジノプリル、キナプリル、およびラミプリル(ramipril)、カルシウムチャンネルブロッカー、たとえば、ニフェジピン、フェロジピン、ニセルジピン、イスラジピン、ニモジピン、ジルチアゼム、およびベラパミル、並びにα-ブロッカー、たとえば、ドキサゾシン、ウラピジル、プラゾシン、およびテラゾシンである。また、本発明の薬学的調合物は、NEPインヒビター、たとえばカンドキサトリル(candoxatril)と組み合わせてもよい。
更に、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, Gennaro, Ed., Mack Publishing Co., Easton, PA, 1995を参照することができる。
食事および/または運動、一または複数の上記化合物、および必要に応じて一または複数の他の有効成分と本発明による化合物との任意の適切な組合せが、本発明の範囲内と考えられることを理解すべきである。
本明細書で引用されるすべての科学文献および特許は、参照により具体的に組み込まれる。以下の実施例は、本発明の様々な側面を詳説するが、本発明の範囲を限定することを意図しない。
例1
酢酸プロタミン含有インスリン調合物の化学的安定性
酢酸プロタミンを含まないヒトインスリン製剤(図1A 0.6 mMヒトインスリン、0.3 mM Zn2+、30 mMフェノール、1.6%グリセロール、pH=3.5、4.7および7.4)、または酢酸プロタミンを含むヒトインスリン製剤(図1B 0.6 mMヒトインスリン、0.3 mM Zn2+、30 mMフェノール、1.6%グリセロール、1.6 mM酢酸プロタミン、pH=5.0およびpH=5.5)の種々のpHにおける化学的安定性を、37℃で14日後(37℃で14日は、4℃で2年に匹敵する)の脱アミド産物(B3Asp、B3isoAsp、A21Asp)および疎水性産物(主に共有結合集合体)の含量(全インスリン含量のパーセント)のスタートと比較した増大を測定することにより評価した。製剤を、Kromasil C4カラム、150 x 4.6mm ID、5ミクロン粒子サイズ、35℃、1 ml/分での溶出による逆相HPLCにより分析した。モノマーインスリン化合物は、硫酸ナトリウムおよび約30%(v/v)アセトニトリルを含有するリン酸バッファー、pH3.4の定組成で溶出し、その後、多くの疎水性化合物を溶出するためにアセトニトリルの濃度を増大させた勾配ステップで溶出した。
例2
酢酸プロタミン含有インスリン調合物の平衡溶解度
pH−溶解度プロファイルのために、0.0−0.6 mM Zn2+、30 mMフェノール、1.6%グリセロール、および0.7 mM硫酸プロタミンまたは0.0−2.0 mM酢酸プロタミンを含有する0.6 mMヒトインスリンストック溶液を調製し、pHを、pH−溶解度プロファイルのアルカリ終点に相当する所望の値に調整した。これらストック溶液からサンプルを取り出し、pHを、pH 3−8の範囲で所望の値に調整し、0.3 mlサンプルを23℃で少なくとも4日間インキュベートした。各サンプルを遠心分離(23℃で20分間20,000 g)した後、pHを測定し、溶解度を、例1に記載のものと同様のSEC HPLC分析により、上清中のインスリン含量を定量することにより決定した。
種々のインスリン製剤において、インスリン溶解度のpH依存性に対する様々な濃度のプロタミン塩および亜鉛の効果を、図2A−2Cに示す。
図2Aには、0.6 mMヒトインスリン、0.3 mM Zn2+、30 mMフェノール、1.6%グリセロール、および0.7 mM硫酸プロタミンまたは0.7−2.0 mM酢酸プロタミンを含有する種々のヒトインスリン調合物のpH依存性を示す。図2Bには、0.6 mMヒトインスリン、30 mMフェノール、1.6%グリセロール、1.2 mM酢酸プロタミン、および0.3−0.6 mM Zn2+を含有する種々のヒトインスリン調合物のpH依存性を示す。図2Cには、0.6 mMヒトインスリン、30 mMフェノール、1.6%グリセロール、2.0 mM酢酸プロタミン、および0.0−0.6 mM Zn2+を含有する種々のヒトインスリン調合物のpH依存性を示す。図2A−2Cにおいて、ヒトインスリンレファレンスは、0.6 mMヒトインスリン、0.3 mM Zn2+、30 mMフェノール、1.6%グリセロールである。
例3
ブタにおけるインスリン含有調合物のテスト
以下のインスリン調合物を用いた薬力学的(PD)研究を、家畜メスブタ、LYD雑種、55−110 kg体重で実施した。
1) 0.6 mMヒトインスリン、0.3 mM Zn2+、30 mMフェノール、1.6%グリセロール、1.0 mM酢酸プロタミン、pH=5.0;
2) 0.6 mMヒトインスリン、0.3 mM Zn2+、30 mMフェノール、1.6%グリセロール、2.0 mM酢酸プロタミン、pH=5.0;
3) 0.6 mMヒトインスリン、0.6 mM Zn2+、30 mMフェノール、1.6%グリセロール、1.0 mM酢酸プロタミン、pH=5.0;および
4) 0.6 mMヒトインスリン、0.6 mM Zn2+、30 mMフェノール、1.6%グリセロール、2.0 mM酢酸プロタミン、pH=5.0。
研究の開始の少なくとも2日前に、ブタに、耳静脈を介して頸静脈にカテーテルを挿入した。研究開始前の最後の食事は、インスリン調合物の注入の約18時間前に動物に与え、絶食期間とテスト期間の間ずっと自由に水にアクセスさせた。
0時間のタイムで、インスリン調合物を、頸部の外側に0.2ユニットインスリン/kgで皮下投与した。一定の時間間隔で、血液サンプルをカテーテルから採取し、ヘパリンで予めコーティングした1.5 mlガラスチューブにサンプリングした。血液サンプルは、4℃で10分間3000 rpmの遠心分離により血漿を分離するまで、氷水に保持し、これは、最初の30分以内に行った。血漿サンプルは、短時間(2〜3時間)については4℃で、または長期保存については−18℃で保存し、COBAS MIRAでグルコースについて分析した。血中グルコースのスタートレベルの評価は、注入1時間前、30分前、20分前、および直前に採取した4サンプルについて行った。
図3は、以下のヒトインスリン製剤の皮下注入(0時間)後の血漿グルコースレベル(ベースラインの%)(Nのブタの平均+/− SEM)の変化を示す:0.6 mMヒトインスリン、0.3 mM Zn2+、30 mMフェノール、1.6%グリセロール、1.0 mM酢酸プロタミン、pH=5.0 (N=6)、および0.6 mMヒトインスリン、0.3 mM Zn2+、30 mMフェノール、1.6%グリセロール、2.0 mM酢酸プロタミン、pH=5.0 (N=6)。
図4は、以下のヒトインスリン製剤の皮下注入(0時間)後の血漿グルコースレベル(ベースラインの%)(Nのブタの平均+/− SEM)の変化を示す:0.6 mMヒトインスリン、0.6 mM Zn2+、30 mMフェノール、1.6%グリセロール、1.0 mM酢酸プロタミン、pH=5.0 (N=6)、および0.6 mMヒトインスリン、0.6 mM Zn2+、30 mMフェノール、1.6%グリセロール、2.0 mM酢酸プロタミン、pH=5.0 (N=5)。
例4
酢酸プロタミンの存在下における市販インスリンの溶解度vs. pHプロファイルのテスト
図5−9は、1.6 mM酢酸プロタミンの存在下における市販インスリン(ヒトインスリン、B28Dヒトインスリン(Aspart)、B28K,B29Pヒトインスリン(LysPro)、およびB3K,B29Eヒトインスリン(Glulisine))の溶解度を示す。各図に、プロタミン塩なしのヒトインスリンのレファレンス曲線を示し、これは、〜4.5と〜6.5の間のpH範囲にヒトインスリンの沈殿ゾーンがあることを示す。図5−9のデータは、酢酸プロタミンが、テストしたインスリンの最大まで、ヒトインスリン(図5)およびLysProインスリン(図7)の溶解度を高めることを示す。
例5
15種類のプロタミン塩の存在下におけるヒトインスリンの溶解度vs. pHプロファイルのテスト
図10−12は、様々なプロタミン塩の存在下におけるヒトインスリンの溶解度を示す。各図に、プロタミン塩なしのヒトインスリンのレファレンス曲線を示し、これは、〜4.5と〜6.5の間のpH範囲にヒトインスリンの沈殿ゾーンがあることを示す。
テストした塩のうち、プロピオン酸塩、乳酸塩、ギ酸塩、硝酸塩および酢酸塩は、〜4.5乃至〜6.0のpH範囲において、ヒトインスリンの最大の溶解度を示す。
例6
様々なpHにおける種々のヒトインスリン製剤の溶解度に対する保存温度および時間の効果
図13−17は、保存温度を上げると、インスリン製剤の可溶性が観察されるpH値の範囲は狭くなるが、高温で観察されるインスリンの沈殿は、製剤の保存温度を下げることにより逆行させることができることを示す。
例7
ヒトインスリン製剤のグルコース利用
本発明のインスリン製剤の皮下注入後のグルコース利用効果は、Kurtzhals & Ribel, Diabetes 44, 1381-1385, (1995)に記載されるとおり、ブタのクランプモデルを用いて特徴付けを行った。
図18は、NPHインスリン製剤または0.6 mMヒトインスリン、1.0 mM酢酸プロタミン、30 mMフェノール、1.6%グリセロール、pH=5.0の製剤の何れかを皮下注入した後のブタにおけるグルコース利用を比較し、グルコース利用の増大は、後者の製剤を注入した際に観察されることを示す。
例8
硫酸バリウムの沈殿による酢酸プロタミンの調製
10グラムの硫酸プロタミンを、60℃に加熱した1リットルの蒸留水中に攪拌により溶解した。その後、4.8グラムの酢酸バリウムをそこに溶解し、得られた懸濁液を穏やかに攪拌しながら4℃で16時間放置した。その懸濁液を4℃で20分間6000 rpmで遠心分離し、上清を0.22μmフィルターを通して濾過し、凍結乾燥させた。収率:9.3グラムの酢酸プロタミン。
例9
陰イオン交換による酢酸プロタミンの調製
10グラムの硫酸プロタミンを、60℃に加熱した1リットルの蒸留水中に攪拌により溶解し、室温に冷却した。AG 1X8 Resin 陰イオン交換体 (100-200メッシュ、アセテート形態の1.6 x 20 cmカラム (BioRad Inc., cat. no. 140-1443) をパックし、120 mlの蒸留水を流した。その後、硫酸プロタミン溶液を、1時間につき60 mlのフローでカラムに通し、溶出液を回収した。最後に、カラムを100 mlの蒸留水で溶出し、回収された溶出液を0.22μmフィルターを通して濾過し、凍結乾燥させた。収率:9.4グラムの酢酸プロタミン。
例8および9に記載される方法は、適切なバリウム塩(例8)または陰イオン交換樹脂の形態(例9)を使用することにより、硫酸プロタミンを、選択した任意の塩の形態に変換するために使用可能であることが当業者に理解される。
例10
高濃度の酢酸プロタミンの存在下におけるB28Dインスリンの溶解度vs. pHのテスト
図19−20は、1.6 mM〜4.0 mMの濃度の酢酸プロタミンの存在下におけるB28Dインスリンの溶解度を示す。各図に、プロタミン塩なしのB28Dインスリンの曲線を示し、これは、〜3.8と〜6.5の間のpH範囲にB28Dインスリンの沈殿ゾーンがあることを示す。
データは、〜5.3までのpH範囲において、同じpH範囲でヒトインスリンまたはB28K,B29Pインスリンを可溶性にするのに必要な濃度より高い酢酸プロタミンの濃度を用いて、B28Dインスリンが、酢酸プロタミンにより可溶性になることを示す。
図19における製剤の組成は、1.3 mM B28Dインスリン、25 mM m−クレゾール、1.6%グリセロール、40 ppm TWEEN(登録商標)20、および1.6-2.4-4.0 mMの濃度の酢酸プロタミンである。B28Dインスリンレファレンスは、0.6 mM B28Dインスリン、0.3 mM Zn2+、30 mMフェノールである。
図20における製剤の組成は、0.6 mM B28Dインスリン、30 mMフェノール、1.6%グリセロール、40 ppm、1.6 mM酢酸プロタミン、並びに0.6 mM B28Dインスリン、25 mM m−クレゾール、1.6%グリセロール、40 ppm TWEEN(登録商標)20、および1.6-2.4-4.0 mMの濃度の酢酸プロタミンである。B28Dインスリンレファレンスは、0.6 mM B28Dインスリン、0.3 mM Zn2+、30 mMフェノールである。
例11
種々の濃度の酢酸プロタミンの存在下における0.4/0.8/1.3 mMヒトインスリンの溶解度vs. pHのテスト
図21−23は、種々の濃度の酢酸プロタミンの存在下における3種類の濃度のヒトインスリンの溶解度を示す。溶解度は、37℃で14日間サンプルをインキュベートした後、測定する。
図21−23における製剤の組成は、0.4-0.8-1.3 mMヒトインスリン、25 mM m−クレゾール、1.6%グリセロール、40 ppm TWEEN(登録商標)20であり、酢酸プロタミン濃度に対するヒトインスリンの比は、指定されるとおりである。
データは、〜4.5と〜6.0の間のpH範囲において、ヒトインスリンを可溶性にするのに必要とされるヒトインスリンに対する酢酸プロタミンの相対濃度が、ヒトインスリンの絶対濃度に依存することを示す。
例12
様々な種に由来する酢酸プロタミンの存在下におけるヒトインスリンの溶解度vs. pHのテスト
図24は、3種類の種に由来する1.0 mMと2.0 mMの濃度のプロタミンの酢酸塩の存在下におけるヒトインスリンの溶解度を示す。
図24における製剤の組成は、0.6 mMヒトインスリン、25 mM m−クレゾール、1.6%グリセロール、および1.0 mMおよび2.0 mMの濃度の酢酸プロタミンである。ヒトインスリンレファレンスは、0.6 mMヒトインスリン、0.3 mM Zn2+、30 mMフェノールである。
データは、サケ由来のプロタミンの酢酸塩に加えて、ニジマス由来のプロタミンの酢酸塩(イリジン)、マグロ由来のプロタミンの酢酸塩(チニン)、および大西洋ニシン由来のプロタミンの酢酸塩(クペリン)が、〜4.5と〜6.0の間のpH範囲においてヒトインスリンを可溶性にすることを示す。
本発明のある側面の例示的な態様および非限定的な記載
態様1. インスリン、インスリン類似体、もしくはインスリン誘導体、またはこれらの混合物、およびプロタミン塩を含む溶液である薬学的調合物であって、前記プロタミン塩が、0.25 mMより高い濃度で前記調合物中に存在し、約7.0未満のpHを有する薬学的調合物。
態様2. インスリンに対するプロタミン塩のモル比が、約0.5〜約100である、態様1に記載の調合物。
態様3. インスリンに対するプロタミン塩のモル比が、約0.5〜約10である、態様1に記載の調合物。
態様4. インスリンに対するプロタミン塩のモル比が、約0.5〜5である、態様1に記載の調合物。
態様5. 前記調合物のpHが、約4.0〜約7である、態様1に記載の調合物。
態様6. 前記調合物のpHが、約4.0〜約6.5である、態様1に記載の調合物。
態様7. 前記調合物のpHが、約4.5〜約6.0である、態様1に記載の調合物。
態様8. 保存剤を更に含む、態様1に記載の調合物。
態様9. 等張剤を更に含む、態様1に記載の調合物。
態様10. 二価金属イオンを更に含む、態様1に記載の調合物。
態様11. 前記二価金属イオンが亜鉛である、態様10に記載の調合物。
態様12. 界面活性剤を更に含む、態様1に記載の調合物。
態様13. 前記インスリンがヒトインスリンである、態様1に記載の調合物。
態様14. 前記インスリンがヒトインスリン類似体である、態様1に記載の調合物。
態様15. 前記インスリンがヒトインスリン誘導体である、態様1に記載の調合物。
態様16. 1型または2型糖尿病を治療する方法であって、かかる治療を必要としている患者に、効果的な量の態様1に記載の調合物を投与することを含む方法。
態様17. 前記プロタミン塩が、プロタミンのプロピオン酸塩、乳酸塩、ギ酸塩、硝酸塩および酢酸塩からなる群より選択される、態様1に記載の調合物。
態様18. 前記プロタミン塩が酢酸プロタミンである、態様17に記載の調合物。
態様19. 前記インスリンがヒトインスリンである、態様17に記載の調合物。
態様20. 二価金属イオンを更に含む、態様17に記載の調合物。
態様21. 保存剤を更に含む、態様17に記載の調合物。
態様22. 等張剤を更に含む、態様17に記載の調合物。
態様23. 界面活性剤を更に含む、態様17に記載の調合物。
態様24. 前記調合物が、約7.0未満のpHで可溶性である、態様1に記載の調合物。
態様25. 1型または2型糖尿病を治療する方法であって、かかる治療を必要としている患者に、効果的な量の態様17に記載の調合物を投与することを含む方法。
態様26. 1型または2型糖尿病を治療するための調合物を調製するための、態様1〜15、17〜24の何れかに記載の調合物の使用。
図1Aおよび1Bは、酢酸プロタミンを含まないインスリン製剤(図1A;0.6 mMヒトインスリン、0.3 mM Zn2+、30 mMフェノール、1.6%グリセロール、pH=3.5、4.7および7.4)、および酢酸プロタミンを含むインスリン製剤(図1B;0.6 mMヒトインスリン、0.3 mM Zn2+、30 mMフェノール、1.6%グリセロール、1.6 mM酢酸プロタミン、pH=5.0およびpH=5.5)について、種々のpHにおいて37℃で14日後に、脱アミド産物(B3Asp、B3isoAsp、A21Asp)および疎水性産物(主に共有結合集合体)の含量(全インスリン含量のパーセント)が、スタートと比較して増大することを示す。 図2A−Cは、ヒトインスリン製剤において、インスリン溶解度のpH依存性に対する様々な濃度のプロタミン塩と亜鉛の効果を示し、3つの図(すなわち図2A−2C)すべてにおいて、ヒトインスリンレファレンスは、0.6 mMヒトインスリン、0.3 mM Zn2+、30 mMフェノール、1.6%グリセロールである。
図2Aは、0.6 mMヒトインスリン、0.3 mM Zn2+、30 mMフェノール、1.6%グリセロール、および0.7 mM硫酸プロタミンまたは0.7、1.2、1.6もしくは2.0 mM酢酸プロタミンの何れかを含有するヒトインスリン製剤のpH依存性を示す。
図2Bは、0.6 mMヒトインスリン、30 mMフェノール、1.6%グリセロール、1.2 mM酢酸プロタミン、および0.3、0.4または0.6 mM Zn2+を含有するヒトインスリン製剤のpH依存性を示す。 図2Cは、0.6 mMヒトインスリン、30 mMフェノール、1.6%グリセロール、2.0 mM酢酸プロタミン、および0.0、0.2、0.4および0.6 mM Zn2+の製剤のpH依存性を示す。 図3は、以下のヒトインスリン製剤の皮下注入(0時間)後の血漿グルコースレベル(ベースラインの%)(Nのブタの平均+/− SEM)の変化を示す:0.6 mMヒトインスリン、0.3 mM Zn2+、30 mMフェノール、1.6%グリセロール、1.0 mM酢酸プロタミン、pH=5.0 (N=6)、および0.6 mMヒトインスリン、0.3 mM Zn2+、30 mMフェノール、1.6%グリセロール、2.0 mM酢酸プロタミン、pH=5.0 (N=6)。 図4は、以下のヒトインスリン製剤の皮下注入(0時間)後の血漿グルコースレベル(ベースラインの%)(Nのブタの平均+/− SEM)の変化を示す:0.6 mMヒトインスリン、0.6 mM Zn2+、30 mMフェノール、1.6%グリセロール、1.0 mM酢酸プロタミン、pH=5.0 (N=6)、および0.6 mMヒトインスリン、0.6 mM Zn2+、30 mMフェノール、1.6%グリセロール、2.0 mM酢酸プロタミン、pH=5.0 (N=5)。 図5は、ヒトインスリン製剤の溶解度に対する酢酸プロタミンの効果を示す。製剤は、0.6 mMヒトインスリン、30 mMフェノール、および1.6%グリセロール (“ヒトインスリン”)、並びに2.0 mM酢酸プロタミン添加 (“ヒトインスリン、2.0 mM酢酸プロタミン”)、または2.0 mM酢酸プロタミンおよび0.4 mM Zn2+添加 (“ヒトインスリン、0.4 mM Zn2+、2.0 mM酢酸プロタミン”) である。 図6は、ヒトインスリンおよびB28Dヒトインスリン製剤の溶解度に対する酢酸プロタミンの効果を示す。製剤は、0.6 mMヒトインスリン、30 mMフェノール、および1.6%グリセロール、並びに0.3 mM Zn2+添加 (“ヒトインスリン”)、あるいは0.6 mM B28Dヒトインスリン、30 mMフェノール、および1.6%グリセロール、並びに1.6 mM酢酸プロタミン添加 (“B28Dインスリン、1.6 mM酢酸プロタミン”)、または1.6 mM酢酸プロタミンおよび0.3 mM Zn2+添加 (“B28Dインスリン、0.3 mM Zn2+、1.6 mM酢酸プロタミン”) である。 図7は、ヒトインスリンおよびB28K,B29Pヒトインスリン製剤の溶解度に対する酢酸プロタミンの効果を示す。製剤は、0.6 mMヒトインスリン、30 mMフェノール、および1.6%グリセロール、並びに0.3 mM Zn2+添加 (“ヒトインスリン”)、あるいは0.6 mM B28K,B29Pヒトインスリン、30 mMフェノール、および1.6%グリセロール、並びに1.6 mM酢酸プロタミン添加 (“B28K,B29Pインスリン、1.6 mM酢酸プロタミン”)、または1.6 mM酢酸プロタミンおよび0.3 mM Zn2+添加 (“B28K,B29Pインスリン、0.3 mM Zn2+、1.6 mM酢酸プロタミン”) である。 図8は、ヒトインスリンおよびB3K,B29Eヒトインスリン製剤の溶解度に対する酢酸プロタミンの効果を示す。製剤は、0.6 mMヒトインスリン、30 mMフェノール、および1.6%グリセロール、並びに0.3 mM Zn2+添加 (“ヒトインスリン”)、あるいは0.6 mM B3K,B29Eヒトインスリン、30 mMフェノール、および1.6%グリセロール、並びに1.6 mM酢酸プロタミン添加 (“B3K,B29Eインスリン、1.6 mM酢酸プロタミン”)、または1.6 mM酢酸プロタミンおよび0.3 mM Zn2+添加 (“B3K,B29Eインスリン、0.3 mM Zn2+、1.6 mM酢酸プロタミン”) である。 図9は、図5−8のデータの編集であり、ヒトインスリン、B28Dヒトインスリン、B28K,B29Pヒトインスリン、およびB3K,B29Eヒトインスリンの溶解度に対する酢酸プロタミンの効果を示す。製剤は、0.6 mMヒトインスリン、30 mMフェノール、および1.6%グリセロール (“ヒトインスリン”)、または0.6 mM B28Dヒトインスリン、B28K,B29Pヒトインスリン、もしくはB3K,B29Eヒトインスリン、30 mMフェノール、および1.6%グリセロール、並びに1.6 mM酢酸プロタミン添加である。 図10は、種々のpHにおけるヒトインスリン製剤の溶解度を示し、ここで製剤は、100 Uのインスリン、0.3 mM Zn2+、30 mMフェノール、1.6%グリセロール、および各曲線について図示される2.0 mMの特定のプロタミン塩を含有する。「レファレンス」は、プロタミン塩を含有しない以外は上記組成を有するインスリン製剤である。 図11は、種々のpHにおけるヒトインスリン製剤の溶解度を示し、ここで製剤は、100 Uのインスリン、0.3 mM Zn2+、30 mMフェノール、1.6%グリセロール、および各曲線について図示される2.0 mMの特定のプロタミン塩を含有する(カプロン酸塩/酢酸塩の混合物については、0.5 mMカプロン酸塩および1.5 mM酢酸塩である)。「レファレンス」は、プロタミン塩を含有しない以外は上記組成を有するインスリン製剤である。 図12は、種々のpHにおけるヒトインスリン製剤の溶解度を示し、ここで製剤は、100 Uのインスリン、0.3 mM Zn2+、30 mMフェノール、1.6%グリセロール、および各曲線について図示される2.0 mMの特定のプロタミン塩を含有する。「レファレンス」は、プロタミン塩を含有しない以外は上記組成を有するインスリン製剤である。 図13は、図示される温度と時間で保存した後の、0.6 mMヒトインスリン、1.6 mM酢酸プロタミン、60 mMフェノール、1.6%グリセロールの製剤におけるインスリンの溶解度vs. pHを示す。「レファレンス」は、室温で4日間保存された、0.6 mMヒトインスリン、0.3 mM Zn2+、30 mMフェノール、1.6%グリセロールである。 図14は、図示される温度と時間間隔で保存した後の、2.0 mMヒトインスリン、4.0 mM酢酸プロタミン、60 mMフェノール、1.6%グリセロールの製剤におけるインスリンの溶解度vs. pHを示す。「レファレンス」は、室温で4日間保存された、0.6 mMヒトインスリン、0.3 mM Zn2+、30 mMフェノール、1.6%グリセロールである。 図15は、図示される温度と時間間隔で保存した後の、0.6 mMヒトインスリン、2.0 mM酢酸プロタミン、40 mMフェノール、1.6%グリセロールの製剤におけるインスリンの溶解度vs. pHを示す。「レファレンス」は、室温で4日間保存された、0.6 mMヒトインスリン、0.3 mM Zn2+、30 mMフェノール、1.6%グリセロールである。 図16は、図示される温度と時間間隔で保存した後の、2.0 mMヒトインスリン、4.0 mM酢酸プロタミン、25 mM m−クレゾール、1.6%グリセロールの製剤におけるインスリンの溶解度vs. pHを示す。「レファレンス」は、室温で4日間保存された、0.6 mMヒトインスリン、0.3 mM Zn2+、30 mMフェノール、1.6%グリセロールである。 図17は、図説に記される温度と時間間隔で保存した後の、0.6 mMヒトインスリン、2.0 mM酢酸プロタミン、60 mM フェノール、1.6%グリセロールの製剤におけるインスリンの溶解度vs. pHを示す。「レファレンス」は、室温で4日間保存された、0.6 mMヒトインスリン、0.3 mM Zn2+、30 mMフェノール、1.6%グリセロールである。 図18は、216 nmolのレギュラーNPH(Insulatard)(7匹のブタ、グレーで示されるデータ)、または0.6 mMヒトインスリン、1.0 mM酢酸プロタミン、30 mMフェノール、1.6%グリセロール、pH=5.0の216 nmolの製剤の何れかを皮下注入した後のブタによるグルコース利用を示す。グルコース注入率(glucose infusion rate(GIR))は、平均±SEで表す。 図19は、1.6 mM〜4.0 mMの濃度の酢酸プロタミンの存在下におけるB28Dインスリンの溶解度を示す。各図に、プロタミン塩なしのB28Dインスリンの曲線を示し、これは、〜3.8と〜6.5の間のpH範囲にB28Dインスリンの沈殿ゾーンがあることを示す。 図20は、1.6 mM〜4.0 mMの濃度の酢酸プロタミンの存在下におけるB28Dインスリンの溶解度を示す。各図に、プロタミン塩なしのB28Dインスリンの曲線を示し、これは、〜3.8と〜6.5の間のpH範囲にB28Dインスリンの沈殿ゾーンがあることを示す。 図21は、種々の濃度の酢酸プロタミンの存在下における3種類の濃度のヒトインスリンの溶解度を示す。溶解度は、37℃で14日間サンプルをインキュベートした後、測定する。 図22は、種々の濃度の酢酸プロタミンの存在下における3種類の濃度のヒトインスリンの溶解度を示す。溶解度は、37℃で14日間サンプルをインキュベートした後、測定する。 図23は、種々の濃度の酢酸プロタミンの存在下における3種類の濃度のヒトインスリンの溶解度を示す。溶解度は、37℃で14日間サンプルをインキュベートした後、測定する。 図24は、3種類の種、ニジマス(イリジン)、マグロ(チニン)、および大西洋ニシン(クペリン)に由来する1.0 mMと2.0 mMの濃度のプロタミンの酢酸塩の存在下におけるヒトインスリンの溶解度を示す。図1−23で使用されるプロタミン塩は、すべてサケから得たものである。

Claims (12)

  1. ヒトインスリンおよび酢酸プロタミンを含む溶液である薬学的調合物であって、前記酢酸プロタミンが、0.25 mMより高い濃度で前記調合物中に存在し、4.5〜6.0のpHを有する薬学的調合物。
  2. ヒトインスリンに対する酢酸プロタミン塩のモル比が、0.5〜100である、請求項1に記載の調合物。
  3. ヒトインスリンに対する酢酸プロタミン塩のモル比が、0.5〜10である、請求項2に記載の調合物。
  4. ヒトインスリンに対する酢酸プロタミン塩のモル比が、0.5〜5である、請求項3に記載の調合物。
  5. 保存剤を更に含む、請求項1〜の何れか1項に記載の調合物。
  6. 前記保存剤がm−クレゾールである、請求項に記載の調合物。
  7. 等張剤を更に含む、請求項1〜の何れか1項に記載の調合物。
  8. 前記等張剤がグリセロールである、請求項に記載の調合物。
  9. 二価金属イオンを更に含む、請求項1〜の何れか1項に記載の調合物。
  10. 前記二価金属イオンが亜鉛である、請求項に記載の調合物。
  11. 界面活性剤を更に含む、請求項1〜10の何れか1項に記載の調合物。
  12. 前記界面活性剤がTWEEN(登録商標)20である、請求項11に記載の調合物。
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