JP4874473B2 - 多光軸光電センサ及びこれに含まれる投光器及び受光器 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
この発明は、多光軸光電センサに関し、より詳しくは、複数のユニットを連結して幅広い光カーテンを作るのに好都合の多光軸光電センサユニット及びこれに含まれる投光器及び受光器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から広い検出エリアで物体の有無を検出するのに、投光器と受光器とを1ユニットとした多光軸光電センサユニットが用いられている。多光軸光電センサユニットの典型的な使用例を説明すると、工作機械、パンチ機、プレス機、鋳造機、自動制御機など作業エリアの境界に多光軸光電センサで防護フェンス、つまり光カーテンを作り、オペレータの指先など身体の一部が作業エリアに侵入すると、これを多光軸光電センサで検知して、オペレータや作業員を保護するために、直ちに機械の動作を停止する及び/又は警報を発するのに用いられる。
【0003】
単一ユニットの多光軸光電センサの数多くの光軸で作ることのできる光カーテンに比べて作業エリアの境界が大きい場合には、要求される広がりを備えた光カーテンを作るために複数のユニットを互いに連結して用いられる。
【0004】
Andersonらの米国特許第5,198,661号は、複数のユニット間を可撓性ケーブルで連結することを教示しており、具体的には、隣接する投光器間及び隣接する受光器間を連結する可撓性ケーブルを各投光器及び各受光器の端で接続するようになっている。
【0005】
この可撓性ケーブルを用いた連結方法によれば、隣接するユニット間の角度を自在に設定することができるため、例えば矩形の輪郭を有する作業エリアの角や、円弧状の輪郭を有する湾曲部分に沿った光カーテンを作るのに好適である。
【0006】
しかし、この米国特許第5,198,661号では、各投光器及び各受光器の端に、外部コネクタを用いて可撓性ケーブルを連結するものであるため、隣接するコネクタ同士の干渉のために同一平面上に配置した隣接する投光器間及び隣接する受光器間に離間距離が発生し、このため、投光器に内蔵した複数の投稿素子間のピッチ及び受光器に内蔵した複数の受光素子間のピッチ、つまり隣接する光軸間の距離を、隣接する投光器間及び受光器間で維持するのが、事実上、困難である。このことから、隣接する投光器間で投光素子のピッチが拡大し及び隣接する受光器間で受光素子のピッチが拡大したときには、光カーテンに検知不能な領域が発生してしまう。
【0007】
このような問題を解消するため、WO00/54077号国際公開公報(PCT/US00/06357号)は、隣接する投光器の端部分及び隣接する受光器の端部分を受け入れる成型カプラーを用意し、この成型カプラーを用いて、隣接する投光器及び隣接する受光器を連結することを教示する。この成型カプラーは、所定の屈曲角度を具備するようにプラスチック成形されている。
【0008】
ここで提案されている成型カプラーによれば、同一平面上に配置した隣接する投光器間及び隣接する受光器間の離間距離を小さく且つ一定にできるため、投光器に内蔵した複数の投稿素子間のピッチ及び受光器に内蔵した複数の受光素子間のピッチ、つまり光カーテンを構成する光軸の間隔が、隣接する投光器間及び受光器間で維持することができるという利点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、WO00/54077号に開示の成型カプラーを用いた場合、この成型カプラーが備える角度によって、隣接する投光器間及び隣接する受光器間の角度が規定されることになるため、前述した米国特許第5,198,661号のように可撓性ケーブルを採用した利点である、隣接する投光器間及び隣接する受光器間の設定角度の自由度が損なわれてしまうという問題を有する。
【0010】
そこで、本発明の目的は、複数の多光軸光電センサを互いに連結して幅広い光カーテンを作るときに、隣接する投光器間及び隣接する受光器間の離間距離を小さくすることができ、これにより光カーテンを構成する光軸間の離間距離を、隣接する多光軸光電センサ間で略一定に保つのが容易な多光軸光電センサを提供することにある。
【0011】
本発明の更なる目的は、複数の多光軸光電センサを互いに連結して幅広い光カーテンを作るときに、隣接する投光器間及び隣接する受光器間の屈曲角度を自在に設定するのが容易な多光軸光電センサを提供することにある。
【0012】
本発明の更に別の目的は、米国特許第5,198,661号のように可撓性ケーブルを用いて隣接する投光器間及び隣接する受光器間を連結するとしたときに、外部コネクタの外部への突出つまり出っ張りを防止することのできる多光軸光電センサを提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、隣接する光軸間のピッチを小さくして高密度光軸を実現するとしたときに、この高密度光軸化に伴う内装電子部品の合理的な配置を実現することのできる多光軸光電センサを提供することにある。
【0014】
本発明の更なる目的は、様々な光軸数を備えた投光器又は受光器を製造する場合に、内蔵する電子基板又はプリント基板の共通化を実現することのできる多光軸光電センサを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
かかる技術的課題は、本発明によれば、
投光面を備えた細長いバー形状の投光器と、受光面を備えた細長いバー形状の受光器とを含み、前記投光面又は前記受光面に臨んで長手方向に複数の投光素子又は受光素子が所定のピッチで等間隔に配置された投光器及び受光器からなる多光軸光電センサであって、
前記投光器及び前記受光器の端部に前記投光器及び前記受光器の光軸と干渉しないように形成された、前記外部コネクタを配置するための切欠き部と、
該切欠き部に臨み且つ前記投光面又は前記受光面側に向けて配置された、前記外部コネクタが接続可能なコネクタピンと、
前記投光器及び/又は前記受光器の内部に前記光軸と実質的に平行に位置決めされ、前記投光素子又は前記受光素子が接続された長手方向に延びる第1の基板と、
前記投光器及び/又は前記受光器の内部に、前記投光面又は前記受光面とは反対側の面に沿って配置され、光軸と略直交するように位置決めされた長手方向に延びる第2の基板とを有し、
前記第1の基板が、前記投光素子又は前記受光素子に直接関連した回路を含み、
前記第2の基板に前記コネクタピンが搭載されると共に、該第2の基板は、前記投光器又は前記受光器の全体制御を行うための制御回路を含み、
前記外部コネクタが前記切欠き部に配置されたときに、前記投光器及び前記受光器のバー形状の外形輪郭の一部を形成することからなる多光軸光電センサを提供することによって達成される。
【0016】
すなわち、本発明によれば、可撓性ケーブルを介して隣接する多光軸光電センサが互いに連結されるため、これら多光軸光電センサ間の屈曲角度は自在に設定することができる。また、比較的大きな容積を占める外部コネクタが投光器及び受光器の切欠き部分に納められるため、このコネクタが外方に突出してコネクタ間の干渉を発生させる虞を低減することができ、複数の多光軸光電センサで、実質的に等間隔の光軸を備えた光カーテンを作るのが容易になる。
【0017】
また、第2の基板に関し、その端にコネクタピンを配置し、このコネクタピンに対して、外部コネクタを前面側から後方に移動させることにより係合させるようにしたことから、第2の基板を投光器及び/又は受光器の長手方向のほぼ全領域に亘って配置することができ、したがって、投光器又は受光器の限られた内部空間を最大限に利用した第2の基板の回路設計を行うことができる。
【0018】
また、この第2基板に、制御回路や電源回路などを組み込み、他方、投光素子又は受光素子が接続される第1基板に、これら素子に直接的に関連した回路、代表的には、投光回路や受光増幅回路などを組み込むようにしてあるため、この第1基板と第2基板とを電気的に接続するコネクタを最小限に抑えることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明によれば、例えば、投光素子又は受光素子が接続される第1基板の他に、該第1基板と内部コネクタを介して接続可能なエクステンション用基板を用意し、該エクステンション用基板に、付加的な投光素子又は受光素子が接続されると共に、該エクステンション用基板に、付加的な投光素子又は受光素子に関連した増幅回路及び光軸切替回路を含み、また、前記投光器及び/又は前記受光器が、前記第2の基板の前記コネクタピンにハーネスを介して接続可能な付加的なコネクタピンを含み、該付加的なコネクタピンによって、前記投光器及び/又は前記受光器の端部に位置する、前記外部コネクタが係合されるコネクタピンが構成されている投光器及び/又は受光器が提供される。
【0020】
これによれば、第1、第2の基板をそのまま使い、他方、エクステンション用基板を用意することで、光軸の数の異なる様々な投光器又は受光器を製造することができる。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態としては、投光器及び前記受光器が、その長手方向中間部分を形成するケース本体と、該ケース本体の両端に設けられ且つ該ケース本体とは別部品の端末部材とからなり、前記ケース本体が押し出し成型品であり、前記端末部材が例えば亜鉛(Zn)などの金属又はプラスチックのモールド成型品である。上記切欠き部は、前記端末部材に形成される。
【0022】
前記端末部材の前記切欠き部は、2つの投光素子又は受光素子からなる2光軸の離間距離よりも若干大きい長手方向長さを有するのがよく、また、この切欠き部に配置される外部コネクタの長手方向長さが2光軸の離間距離よりも若干大きい。このことは、2光軸の離間距離が従来に比べて小さいことを意味する。換言すれば、本発明は、好ましくは、高密度光軸の多光軸光電センサに適用される。本発明の実施例の多光軸光電センサの隣接する光軸間のピッチは約20mmである。このような高密度光軸の多光軸光電センサによれば、例えば人間の指が光カーテンを通過したときでも動作させることができる。
本発明の上記の目的及び他の目的や利点は以下の本発明の好ましい実施例の説明から明らかになろう。
【0023】
【実施例】
図1は、多光軸光電センサユニットに含まれる受光器1の全体概要を示す。図示の受光器1は単なる例示に過ぎず、隣接する受光素子の間隔が20mmピッチに設定された8個の受光素子を備えた8光軸タイプが図示されているが、これに限定されるものではない。受光器1は、20mmピッチで配置された最大64個の受光素子を具備する64光軸タイプまで、例えば4個の受光素子を単位として、12光軸、16光軸、20光軸、・・・の各種タイプのものが用意されている。なお、多光軸光電センサユニットの投光器は図示を省略したが、この受光器1と実質的に同一の外観を備えていると理解されたい。
【0024】
受光器1は、先に説明したように、隣接する受光素子間のピッチが20mmに設定されており、受光器1の端に位置する受光素子と受光器1の端面との間の距離は、20mmの半分つまり10mm又はそれよりも小さい。受光器1の端に位置する受光素子と受光器1の端面との間の距離を10mmよりも小さくすることで、隣接する受光器1と1との間の光軸の間隔を20mm又はそれ以下に保つのが容易になる。
【0025】
受光器1は、押し出し成型品からなるAl製の細長いケース本体2を有する。ケース本体2は、両端及び一側面を開放した細長い断面略コ字状の形状を有し、在来のものに比べてその占有断面積は小さく、スリムである。このケース本体2の一側面又は受光面3には、長手方向にいっぱいに延びる細長い窓4が形成されている。
【0026】
ケース本体2の両端には、夫々、例えばZnなどの金属又はプラスチックからなるモールドを用いて成型された端末部材5が取付けられており、この一対の端末部材5とケース本体2とで受光器1の外形輪郭が形成される。8光軸タイプの受光器1に含まれる受光素子は、後に説明するように、ケース本体2に4個配置され、各端末部材5に、夫々、2個配置される。
【0027】
端末部材5には、その受光面3に、長手方向に離間した2つの受光素子用透孔8が形成されている。図1からも理解できるように、端末部材5は、ケース本体2と実質的に同じ横断面形状からその一部を切り欠いた段付き形状を有する。より詳しくは、端末部材5は、ケース本体2に隣接して位置する内方部分9と、この内方部分9から軸線方向外方に延びる外方部分つまり端部分10とを有する。内方部分5はケース本体2と実質的に同じ外形形状を有し且つ鉛直壁11で終わっている。端部分10は、内方部分9の鉛直壁11から軸線方向外方に延び、端末部材5の端で終わっている。
【0028】
端部分10は、また、光軸と干渉することなく且つ光軸と平行な一つの平面つまり水平面12を備えており、この水平面12と上記鉛直壁11とで、他のユニットとの接続に用いられる外部コネクタ13(図2)を配置するための切欠き部14が形成されている。換言すれば、受光器1は、その一端から他端まで実質的に同じ横断面形状を有するバーから、その両端部の一部を切り欠いて、外部コネクタ13を受け入れるための切欠き部14を形成した形状を有し、外部コネクタ13を装着したときには、この外部コネクタ13が一体となってバー形状の一部を構成するようになっている。切欠き部14の長手方向長さは、少なくとも、隣接する受光素子間のピッチつまり20mmと、受光器1の端に位置する受光素子と受光器1の端面との間の距離とを加えた合計距離よりも若干大きい。
【0029】
端部分10には、外部コネクタ13を受け入れることのできる差込口15が内方部分9側に且つ後側にオフセットして配置されている。すなわち、差込口15は、鉛直壁11に隣接し且つ受光面3とは反対側の面に隣接した位置に形成されている。この差込口15は、実質的に、内方部分5の上面と実質的に共通の上面を形成する天井壁15aと、この天井壁15aの端から垂下して平面12の長手方向中間部分に合流する端壁15bとで形成されており、受光面3側に向けて開放している。そして、差込口15の深部は、受光素子用透孔8が位置する受光面3とは反対側の面に隣接して位置しており、この差込口15の深部には、光軸と平行に延びる主コネクタピン16が配置され(図5)、この主コネクタピン16は、受光面3側に延びている。外部コネクタ13を受光面3側から後方に移動させることにより差込口15の中に進入させることにより、外部コネクタ13と主コネクタピン16との電気的な接続が行われる。
【0030】
以下の説明では、説明を分かり易くするために、便宜的に、切欠き部14が形成された面を「上面又は頂面」と呼び、受光素子用透孔8が形成された面を「前面又は受光面」と呼び、この前面とは反対側の面を「後面」と呼び、上面と対向する面を「下面又は底面」と呼ぶことにする。
【0031】
上面や後面などの用語を用いて、端末部材5の外形輪郭を再び説明すると、端末部材5の上面には、その外方部分つまり端部分10に、内方部分9に隣接した差込口15が後面に沿って形成されており、それ以外の領域を占める切欠き部14に外部コネクタ13が配置されるようになっている。そして、外部コネクタ13は、前面側から光軸方向に後面側に向けて移動させることにより、差込口15にアクセス可能である。換言すれば、端末部材5の差込口15は、受光器1の長手方向軸線から後方に配置され、また、端末部材5の端縁から軸線方向内方にオフセットして配置されている。
【0032】
外部コネクタ13は、図2から分かるように、水平面12の長手方向に沿って細長い断面略矩形の外形形状を有する。外部コネクタ13は、受光器1に連結されると、端末部材5と一体となって、ケース本体2と共通の断面形状を作る。外部コネクタ13の長手方向長さは、隣接する受光素子間のピッチつまり20mmよりも若干大きく、このため外部コネクタ13は、鉛直壁11から端末部材5の端面の近傍まで延びている。外部コネクタ13は、また、その後面且つ外方側端部から後方に延出する可撓性ケーブル20を有し、この可撓性ケーブル20は端壁15bに沿って配置される。
【0033】
このように外部コネクタ13は、切欠き部14に収容されて、バーの形状の受光器1の外形形状の一部となることから、隣接する受光器1の端面同士を当接又は近接した状態で複数の受光器1を配置させることができる。
【0034】
このことに関連して、端末部材5の端面及び外部コネクタ13の端面は特に限定するものではないが、他の受光器(図示せず)を隣接して配置するのに好都合なように、テーパ面5a又は13aを備えているのがよい。これによれば、隣接する受光器1が屈曲した状態で配置したとしても、光軸間のピッチを適度に維持することができる。
【0035】
更に、隣接する受光器1を可撓性ケーブル20で互いに連結することから、隣接する受光器1、1間の屈曲角度は任意である。加えて、可撓性ケーブル20が切欠き部14から後方に延出するため、換言すれば、可撓性ケーブル20が受光器1の端から長手方向外方に延出するものではないため、隣接する受光器1を接近した状態で配置するときに可撓性ケーブル20が邪魔することはない。
【0036】
図3は、受光器1の内部構造を示す。受光器1の内部には、受光器1の前面又は受光面3に沿って受光素子ホルダ22が配置されている。受光素子ホルダ22は、受光器1の端から端まで延びる細長い長方形のプレート23を含み。このプレート23には、長手方向に沿って8つの受光用円形開口24が形成されている。云うまでもないことであるが、隣接する開口24間のピッチは20mmである。ホルダプレート23の前面には、レンズプレート25(図4)が着脱可能に取り付けられる。
【0037】
受光素子ホルダ22は、また、プレート23と一体に成形された8つの円筒体26を含み、各円筒体26は、開口24に臨んで位置し且つ後方に向けて延びている。つまり、円筒体26は開口24から光軸に沿って延びており、円筒体26の後端に受光素子27が位置決めされる。受光素子ホルダ22の各端部に、夫々、位置する2つの円筒体26は、端末部材5によって覆われる。他方、受光素子ホルダ22の中間部分に位置する4つの円筒体26は、ケース本体2によって覆われる。
【0038】
また、受光器1は、その内部に、受光器1の下面に沿って配置された第1のプリント基板30と、受光器1の後面に沿って配置された第2のプリント基板31とを含む。すなわち、第1の基板30は、受光素子ホルダのプレート23の下縁から後方に向けて延び且つ光軸と平行に配置され、この第1の基板30に、各受光素子27の一対の脚が接続されている(図3)。他方、第2の基板31は、第1の基板30の後縁から上方に向けて、つまり光軸と直交する方向に延びており、受光面3と対向して位置決めされている。
【0039】
第1の基板30は、受光器1の下面に沿って受光器1の端から端まで延びる細長い長方形の形状を有する。他方、第2の基板31は、受光器1の後面に沿って端から端まで延び且つ一部を切り欠いた略長方形の形状を有している。すなわち、第2の基板31は、細長い長方形の両端部分において、その上角部分を矩形に切り欠いた形状を有する。この第2の基板31の切欠き部分32は、上述した端末部材5の切欠き部14に対応して形成されている。つまり、第2の基板31の切欠き部分32の長手方向長さは、端末部材5の差込口15を形成する端壁15bと、端末部材5の端縁までの距離と実質的に等しい。
【0040】
以上の説明から分かるように、第1の基板30及び第2の基板31は、共に、受光器1の内部空間を無駄なく利用できる形状を有している。特に、第2基板31に関し、その端に主コネクタピン16を配置し、この主コネクタピン16に対して外部コネクタ13を前面側から差し込むようにしたことから、第2の基板31を受光器1の長さ方向のほぼ全領域に亘って配置することができる。したがって、受光器1の限られた内部空間を最大限に利用した第1、第2の基板30、31の回路設計を行うことができる。
【0041】
受光器1の8個の受光素子27は、受光器1の下面に沿って光軸と平行に延びる第1の基板30に接続される。この第1の基板30には、代表的には、次の要素が組み込まれている。
(1)受光素子27
(2)各受光素子27に付随した第1段目の受光アンプつまり増幅回路
(3)8個の受光素子27からの出力を増幅する第2段目の受光アンプつまり増幅回路
(4)受光素子27を順にアクティブにするための光軸切替回路
【0042】
他方、第2の基板31には、代表的には、次の要素が組み込まれており、この第2の基板31と上述した第1の基板30とは図外のコネクタにより接続される。
(1)電源回路
(2)2系統の通信回路
(3)受光器1の全体制御回路
(4)出力回路
(5)外部コネクタ13が接続可能な2つの主コネクタピン16
【0043】
各受光素子27に関連した第1段目の受光アンプは、光軸切替回路の指示によって、順次、動作して、その出力が第2段目のアンプで増幅される。ここまでの処理が第1の回路基板30で行われる。第2段目のアンプの出力は、第2の回路基板31の全体制御回路に入力され、この全体制御回路で信号処理されて出力回路(検波回路)により遮光の有無を判定した後に主コネクタピン16を通じて外部に出力される。出力回路は、遮光の有無の判定を確実なものにするため所定期間内に2〜3回の判定を反復する機能を含むことから比較的大きな占有面積を占める。
【0044】
同業者であれば理解できるであろうが、複数の受光素子27が搭載される第1の回路基板30には、受光素子27に直接的に関連する回路が組み込まれており、他方、第2の回路基板31には、受光器1の全体制御及び比較的大きな占有面積を占める出力回路並びに外部との通信に関連した回路が組み込まれている。このように、機能的に分類した合理的な基板構成を採用していることから、第1、第2の基板30、31を電気的に接続するためのコネクタを最小限にすることができる。換言すれば、一つの基板に、上述した全ての回路を組み込むとしたら、この単一の基板は大きなものとならざるを得ず、これに伴い、受光器1の外形も大きなものにならざるを得ない。
【0045】
更に、仮に、第1基板30に全体制御回路を設け、第2基板31に受光アンプを設けた場合、この第1基板30と第2基板31との間での信号の授受のためのラインの数が多くなり、また、第1、第2の基板30、31間のコネクタ数が増大することになる。云うまでもないことであるが、内部コネクタの数が多くなれば、第1基板30及び第2基板31で使用できる領域が減少してしまう。
【0046】
更に、先に述べたように、受光器1は、4光軸を単位として、最大64個の受光素子を具備する64光軸タイプまで様々な光軸数を備えたタイプが用意されている。これを実現するのに、図6に示すように、エクステンション用基板35及び付加的なコネクタピン36が用意されている。
【0047】
エクステンション用基板35は、その両端に内部コネクタ37(図6では一方のコネクタだけが図示され、他方の内部コネクタは図示を省いてある)を有し、この内部コネクタ37を介して、第1基板30及び他のエクステンション用基板35と接続可能である。
【0048】
エクステンション用基板35には、以下のように、第2段目のアンプを除いて、実質的に第1基板30と同じ要素が組み込まれている。
(1)各受光素子27に付随した第1段目の受光アンプ
(2)受光素子27を順にアクティブにするための光軸切替回路
【0049】
付加的なコネクタピン36は、コネクタ38を含むハーネス39を有し、このコネクタ38を介して、第2基板31のピン16に接続される。付加的なコネクタピン36は、例えば12光軸用、16光軸用、・・・64光軸用というように、ハーネス39の長さが異なる様々なタイプを用意するのがよい。
【0050】
このように、付加的なコネクタピン36及びエクステンション用基板35を用いると、12光軸用、16光軸用というように長さの異なるタイプのケース本体2を用意することで、上述した端末部材5を用いて、様々な数の受光素子を備えた受光器を製造することができる。
【0051】
加えて、受光器1の内部での処理は、第1基板30の各受光素子27に関連した第1段目の受光アンプは、この第1基板30の光軸切替回路の指示によって、順次、動作し、第1基板30の受光素子27の受光が完了すると、エクステンション用基板35の各受光素子(図示せず)に関連した第1段目の受光アンプが、このエクステンション用基板35の光軸切替回路(図示せず)の指示によって、順次、動作し、その出力が、第1基板30の第2段目のアンプで増幅される。ここまでの処理は、同一平面上に配置された第1基板30及びエクステンション用基板35で行われる。そして、第2段目のアンプの出力は、第2基板31の全体制御回路に入力され、この全体制御回路で信号処理されて出力回路及び主コネクタピン16又は付加的なコネクタピン36を通じて外部に出力される。
【0052】
図7、図8を参照して、受光素子27の位置決めに関する好ましい態様を説明する。受光素子ホルダ22は、円筒体26の後端に固設された、上下に延びる一対の平行な支柱40を少なくとも含む。この一対の支柱40、40間の実質的な間隔は、受光素子27の幅と同一であり、この一対の支柱40に対して受光素子27がスナップ嵌めされ、これにより、受光素子27は円筒体26つまり受光素子ホルダ22に対して簡単に位置決めすることができる。
【0053】
以上、受光器1を主体にして、受光器1の端部の構造つまり切欠き部14に外部コネクタ13を納めるための構造やこの外部コネクタ13のアクセス方向或いは受光器1の内部構造を説明したが、このことは、この受光器1と対をなす投光器に対して同様に適用することができる。
【0054】
投光器の場合には、上述した第1の基板30に、次の要素を含めればよい。
(1)投光素子
(2)各投光素子に付随した投光回路
(3)光軸切替回路
【0055】
また、第2の基板31には、次の要素を含めればよい。
(1)電源回路
(2)通信回路
(3)全体制御回路
【0056】
図9は、本発明に従う投光器45及び受光器1からなる単一ユニットで光カーテンを作る最も基本的な構成の説明図である。なお、図9などの図面では、投光器45及び受光器1の端部構造(切欠き部14)及び外部コネクタ13については、線図の錯綜を避けるために省略してある。また、図示の投光器45及び受光器1は、12光軸タイプのものを例示してある。
【0057】
投光器45及び受光器1は、共に、複数の発光ダイオード(LED)セグメントを上下に並置した光軸調整表示部50が設けられ、LEDセグメントは例えば赤色又は緑色に発光する2色発光ダイオードが採用される。また、投光器45及び受光器1は、例えば通常時には緑色に発光し、他方、通常時以外の、予定されていない光軸が遮光又は受光したような場合又はシステムそのものがフェールしたような場合には赤色に発光するLEDからなる出力表示灯つまりオン/オフ表示灯52が設けられている。
【0058】
複数の発光ダイオードセグメントからなる光軸調整表示部50の表示形式としては、特に限定するものではないが、例えば、ユニットをなす投光器45の光軸54が受光器1に全て入光しているときには、全てのLEDセグメントが緑色に発色する。一部の光軸54が遮光されたときには、遮光された光軸54の割合、換言すれば入光した光軸の割合に応じた数のセグメントが下から赤色に発光し、遮光された光軸54に応じた数のセグメントが上から消灯する。すなわち、入光率が大きくなるに従って又は光軸調整の度合いに応じて赤色のバーが上方に延びるバー形式の表示を行う。
【0059】
図10を参照して、投光器45は、N個(12個)の発光ダイオードなどからなる投光素子101を駆動するN個(12個)の投光回路102と、これらの投光回路102を時分割でスキャンする投光素子切替回路(光軸切替回路)103と、投光器45を全体制御する投光素子制御回路104とを備え、投光素子制御回路104から光軸調整表示部50及び出力表示灯52に制御信号が出力される。
【0060】
また、投光素子制御回路104には、クロック発生回路105からのクロック信号が入力され、N個の投光素子101を順次発光させる投光タイミングを生成する。すなわち、N個の投光素子101は、例えば、図9を参照して説明すれば、最下端の投光素子101から最上端に位置する投光素子101に向けて順次、所定のタイミングで発光する。
【0061】
投光器45は、更に、受光器1との双方向の信号の送受信を制御する第1投光器通信制御回路106と、直列に接続した増設投光器(図9では図示せず)との間の通信を制御する第2投光器通信制御回路107と、並列的に接続した別ユニットの受光器(図9では図示せず)との間でタイミング信号を受信するタイミング受信回路108とを備えている。
【0062】
他方、受光器1は、N個(12個)の受光素子27を駆動するN個(12個)の受光回路202と、これらの受光回路202を時分割でスキャンする受光素子切替回路203と、増幅回路204と、受光器1を全体制御する受光素子制御回路205とを備え、受光素子制御回路205から光軸調整表示部50及び出力表示灯52に制御信号が出力される。
【0063】
また、受光素子制御回路205には、クロック発生回路206からの信号が入力され、N個の受光素子27を順次受光可能にし、選択された受光素子27以外は受光不能にする。すなわち、N個の受光素子27は、例えば、図9を参照して説明すれば、最下端の受光素子27から最上端に位置する受光素子27に向けて順次、所定のタイミングで受光可能な状態が生成される。
【0064】
受光器1は、更に、投光器45との双方向の信号の送受信を制御する第1受光器通信制御回路207と、直列に接続した増設受光器(図9では図示せず)との間の通信を制御する第2受光器通信制御回路208と、並列的に接続した別ユニットの投光器(図9では図示せず)にタイミング信号を送信するタイミング送信回路209とを備えている。受光制御回路205で生成された遮光信号は、出力回路210を介して、例えば、受光器1と投光器45とで形成される光カーテンで囲まれたプレス装置の制御ユニットや警報灯などの外部機器(図示せず)に送出され、プレス装置の作動を直ちに停止させる。
【0065】
投光器45と受光器1とからなる多光軸光電センサのユニットを利用して、複数のユニット同士を連結する例を図11に示す。図11の左下に位置するユニットを中心にして説明すると、この左下のユニットに対して、特に個数は制限されるものではないが、2つのユニットが直列に増設されて、第1の直列ユニット群が形成されている。また、図11の左下のユニットに対して右下のユニットが並列に増設され、この右下のユニットに対して、特に個数は制限されるものではないが、一つのユニットが直列に増設されている。
【0066】
図11に例示のシステムおいて、左側に位置する第1の直列群のユニットには「L」を付し、並列に増設した右側に位置する第2の直列群のユニットには「R」を付してあり、各群に属するユニットには、下から上に向けて順に番号を付記してこれらを識別してある。
【0067】
第1直列群の最も下のユニットL1は、この第1直列群の増設ユニットL2、L3に対して親機として動作する。他方、増設第2直列群の最も下のユニットR1は、この第2直列群の増設ユニットR2に対して親機として動作する。
【0068】
先ず、第1直列群の配線について説明すると、第1群の親ユニットL1の投光器45と受光器1とは、可撓性ケーブル20からなるユニット間通信線CL1によって接続されている。
【0069】
第1群の親ユニットL1と、その上に図示した第1番目の子ユニットである第2ユニットL2とは、投光器45同士及び受光器1同士が、可撓性ケーブル20からなる直列増設用通信線CL2によって接続されている。
【0070】
第2ユニットL2と、その上に図示した第2番目の子ユニットである第3ユニットL3とは、投光器45同士及び受光器1同士が、可撓性ケーブル20からなる直列増設用通信線CL2によって接続されている。
【0071】
次に、図11の右側の増設第2直列群について説明すると、第1ユニット(この第2直列群の親ユニット)R1の投光器45と受光器1とは、第1群の親ユニットL1と同様に、可撓性ケーブル20からなるユニット間通信線CL1によって接続されている。
【0072】
第2群の親ユニットR1と、その上に図示した子ユニットである第2ユニットR2とは、投光器45同士及び受光器1同士が、可撓性ケーブル20からなる直列増設用通信線CL2によって接続されている。
【0073】
最後に、第1直列群と、この第1直列群に対して並列的に増設した第2直列群との接続について説明すると、各直列群の親ユニットL1、R1同士が次のようにして接続されている。すなわち、第1群の親ユニットL1の受光器1と、第2群の親ユニットR1の投光器45とが、可撓性ケーブル20からなる並列接続用通信線CL3によって接続されている。
【0074】
これら複数のユニットの接続関係は、図12から最も良く理解することができる。すなわち、第1直列群において、親ユニットL1と第2ユニットL2とは、親ユニットL1の第2投光器通信制御回路107と、第2ユニットL2の第1投光器通信制御回路106とが直列増設用通信線CL2によって接続され、また、親ユニットL1の第2受光器通信制御回路208と、第2ユニットL2の第1受光器通信制御回路207とが直列増設用通信線CL2によって接続されている。
【0075】
同様に、第2ユニットL2と第3ユニットL3とは、第2ユニットL2の第2投光器通信制御回路107と、第3ユニットL3の第1投光器通信制御回路106とが直列増設用通信線CL2によって接続され、また、第2ユニットL2の第2受光器通信制御回路208と、第3ユニットL3の第1受光器通信制御回路207とが直列増設用通信線CL2によって接続されている。
【0076】
第2直列群においても同様であり、親ユニットR1と増設ユニットR2は、親ユニットR1の第2投光器通信制御回路107と、第2ユニットR2の第1投光器通信制御回路106とが直列増設用通信線CL2によって接続され、また、第1ユニットR1の第2受光器通信制御回路208と、第2ユニットR2の第1受光器通信制御回路207とが直列増設用通信線CL2によって接続されている。
【0077】
第1直列ユニット群と増設第2直列ユニット群とは、次のようにして接続されている。すなわち、第1群の親ユニットL1の受光器1のタイミング送信回路209と、第2群の親ユニットR1の投光器45のタイミング送信回路108とが並列増設用通信線CL3によって接続されている。
【0078】
上記のようにして互いに接続された複数のユニットは、各群毎に親ユニットL1、増設親ユニットR1の出力回路210に接続された出力線211によって外部機器に向けて信号が出力される(図12)。
【0079】
第1群の親ユニットL1において、先ず、投光素子制御回路104で同期タイミングが生成され、この同期タイミングはユニット間通信線CL1を介して、受光器通信制御回路207を通じて受光素子制御回路205に送られ、この第1群の親ユニットL1の投光器45及び受光器1のN個の投光回路102及び受光回路202が順に動作する。また、受光素子制御回路205で受光状態及び出力(遮光)状態を受光器1の光軸調整表示部50及び出力表示灯52によって表示すると共に、この表示データは投光素子制御回路104に入力され、投光器45においても、対応する受光器1と同一の表示を行う。
【0080】
複数のユニットにおける投受光に関し、第1群の親ユニットL1から先ず第1直列群のユニットに投光及び受光のタイミング信号が各子ユニットL2、L3に供給される。すなわち、第1直列ユニット群の全ての投光素子101における投光完了信号が、親ユニットL1の投光器45の第1通信制御回路106から、親ユニットL1の受光器1の第1通信制御回路207を介して受光素子制御回路205に入力される。一方、第1直列ユニット群の全受光素子27における受光完了信号が、受光素子制御回路205に入力される。このことにより、親ユニットL1の受光素子制御回路205において、投光器45の第1通信制御回路106からの投光完了信号と、受光器1での全受光素子27における受光完了信号と、により正常な投受光動作を確認したら、タイミング信号発生命令信号をタイミング送信回路209に向けて送信する。このタイミング送信回路209は、この命令信号を受け、並列増設用通信線CL3を介して、第2直列ユニット群の増設親ユニットR1の投光器45のタイミング受信回路に向けてタイミング信号を送信する。このように、第1直列群のユニットの投光が完了すると、第2直列群に属するユニットの投光が開始される。
【0081】
すなわち、第1群の親ユニットL1からの指示によって、先ず、並列的な増設親ユニットR1の投受光が開始され、この親ユニットR1のN個の投光回路102及び受光回路202が順に動作し、この親ユニットR1の受光が全て完了すると、この親ユニットR1は、第2直列ユニット群の子ユニットR2の投光器45の第1通信制御回路106と受光器1の第1通信制御回路207に、夫々、タイミング信号を送信する。タイミング信号を子ユニットR2の投光器45の第1通信制御回路106と受光器1の第1通信制御回路207が受け取ることにより、この子ユニットR2のN個の投光回路102及び受光回路202が順に動作する。このようにして第2直列ユニット群の投受光が全て完了すると、再び、第1直列ユニット群の投受光が開始される。
【0082】
ここに、再び、第1直列ユニット群の投受光を開始させるための方法としては、第2直列ユニット群における全ての投受光の完了を並列的な増設親ユニットR1の受光素子制御回路205に認識させ、それに基づいて親ユニットR1の第1受光器通信制御回路207並びに第1通信制御回路106を介して、第1直列ユニット群の親ユニットL1にタイミング信号を返送してもよく、或いは第1直列ユニット群にタイマを設定し、第1直列ユニット群から第2直列ユニット群へタイミング信号を発信した後、第2直列ユニット群の全ての投受光動作に必要な時間が経過した後、第1直列ユニット群の投受光を開始させてもよい。このように、複数の直列ユニット群が並列的に接続されているようなシステムにおいて、順次、上流側の直列ユニット群の投受光動作が完了した後に、下流側の直列ユニット群の動作を開始させるようにしているので、一つのユニットの投光が他のユニットに影響を及ぼすことを防止することができる。
【0083】
全てのユニットに含まれる光軸調整表示部50及び出力表示灯52が設けられ、その表示は、各ユニットの制御手段つまり受光素子制御回路205によって制御される。そして、これらの表示に関する表示データは、直列増設用通信線CL2を介して各群毎に親ユニットL1、R1に供給される。すなわち、各群の親ユニットL1、R1は、親ユニットL1、R1に含まれる投光器45と受光器1との間の表示を統一するために通信するだけでなく、直列的に増設した子ユニットとの間においても直列増設通信線CL2を介して光軸調整表示部50及び出力表示灯52の表示を実質的に制御することができるように、予め決められた通信周期内で各ユニットのための時間を割り振りして、順番に他のユニットとのデータの授受を行うようになっている。
【0084】
例えば、図11の左上のユニットつまり第1直列群の第3ユニットL3の受光器1における表示データは、順に、第2ユニットL2の受光器1、親ユニットL1の受光器1、親ユニットL1の投光器45、第2ユニットL2の投光器45、第3ユニットL3の投光器45に伝達される。これにより、第3ユニットL3の投光器45及び受光器1の表示の統一が行われる。すなわち、第3ユニットL3の光軸調整表示部50に関して、この第3ユニットL3で遮光が発生したときには、この遮光の状態が、第3ユニットL3の投光器45及び受光器1の両者に夫々設けられた光軸調整表示部50によって表示される。
【0085】
また、第1群の第3ユニットL3の出力表示灯52に関して、その出力表示に関するデータは、第1直列群の全てのユニットで統一的な表示が行われる。すなわち、この第3ユニットL3で遮光が発生したときには、この第3ユニットL3だけでなく、親ユニットL1と第2ユニットL2の全ての投光器45及び受光器1に設けられた出力表示灯52が赤色に発光して、オフ出力状態を表示する。
【0086】
第1直列群及び第2直列群に分けて、各群を単位に統一的に出力表示灯52を制御することに関し、例えば、エラー状態でユニットが動作を停止しているとき、及び/又はブランキングでのティーチング中やこのティーチングが完了したときに点灯させるようにしてもよく、これらを表示するための別の表示手段を全ての受光器1、投光器45の少なくともいずれか一方に設けるようにしてもよい。
【0087】
各ユニット毎に独立して表示する光軸調整表示部50にあっては、ユニットが故障したときに、このことを、故障したユニットの光軸調整表示部50を用いて表示するようにしてもよい。また、1光軸だけ遮光されたときに、遮光されたユニットの光軸調整表示部50で1光軸遮光を表示するようにしてもよい。また、投光素子101や受光素子27に付設されるレンズに例えばごみが付着して光量が不足したような場合に、この光量が不足しているユニットの光軸調整表示部50だけを用いて表示するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の多光軸光電センサの受光器を斜め前方から見た斜視図である。
【図2】図1の受光器を斜め上方から見た図である。
【図3】図1の受光器の内部に配置される部品の配置を説明するための図である。
【図4】主に素子ホルダの構造を説明するための図である。
【図5】図2のV−V線に沿って切断した横断面図である。
【図6】受光素子に直接的に関連した回路を含む第1基板にエクステンション用基板を接続した状態を示す図である。
【図7】素子ホルダに受光素子を位置決めするための手段を説明するための図である。
【図8】図7に関連して受光器を上方から見た透視図である。
【図9】本発明を適用した多光軸光電センサの単一ユニットからなる光カーテンを作る場合の接続方法を説明するための図である。
【図10】図9に示す投光器及び受光器の内部ブロック図である。
【図11】本発明を適用した多光軸光電センサを用いて、複数の互いに独立した幅広い光カーテンを作る場合の接続方法を説明するための図である。
【図12】図11に対応したブロック図である。
【符号の説明】
1 受光器
2 ケース本体
3 受光面
5 端末部材
13 外部コネクタ
14 切欠き部
15 差込口
15a 差込口の天井壁
15b 差込口の端壁
20 外部コネクタから延出する可撓性ケーブル
30 第1の基板
31 第2の基板
35 エクステンション用基板
36 付加的なコネクタピン
45 投光器
Claims (14)
- 投光面を備えた細長いバー形状の投光器と、受光面を備えた細長いバー形状の受光器とを含み、前記投光面又は前記受光面に臨んで長手方向に複数の投光素子又は受光素子が所定のピッチで等間隔に配置された投光器及び受光器からなる多光軸光電センサであって、
前記投光器及び前記受光器の端部に前記投光器及び前記受光器の光軸と干渉しないように形成された、前記外部コネクタを配置するための切欠き部と、
該切欠き部に臨み且つ前記投光面又は前記受光面側に向けて配置された、前記外部コネクタが接続可能なコネクタピンと、
前記投光器及び/又は前記受光器の内部に前記光軸と実質的に平行に位置決めされ、前記投光素子又は前記受光素子が接続された長手方向に延びる第1の基板と、
前記投光器及び/又は前記受光器の内部に、前記投光面又は前記受光面とは反対側の面に沿って配置され、光軸と略直交するように位置決めされた長手方向に延びる第2の基板とを有し、
前記第1の基板が、前記投光素子又は前記受光素子に直接関連した回路を含み、
前記第2の基板に前記コネクタピンが搭載されると共に、該第2の基板は、前記投光器又は前記受光器の全体制御を行うための制御回路を含み、
前記外部コネクタが前記切欠き部に配置されたときに、前記投光器及び前記受光器のバー形状の外形輪郭の一部を形成することからなる多光軸光電センサ。 - 前記投光器及び前記受光器が、その長手方向中間部分を形成するケース本体と、該ケース本体の両端に設けられ且つ前記ケース本体とは別部品の端末部材とからなり、
前記ケース本体が押し出し成型品であり、
前記端末部材が金属又はプラスチックの成型品であり、
前記端末部材に前記切欠き部が形成されている、請求項1に記載の多光軸光電センサ。 - 前記コネクタピンを囲む差込口を有し、
該差込口が、前記投光面又は前記受光面側に開口しており、これにより、前記外部コネクタを前記投光面又は前記受光面側から後方に向けて移動させることにより、該外部コネクタが前記差込口の中に進入して前記コネクタピンと係合可能である、請求項1に記載の多光軸光電センサ。 - 前記第1の基板が増幅回路及び光軸切替回路を含み、
前記第2の基板が電源回路及び制御回路を含む、請求項1に記載の多光軸光電センサ。 - 前記端末部材に、少なくとも2光軸が配置されている、ことを特徴とする請求項2に記載の多光軸光電センサ。
- 前記切欠き部の長手方向長さが、2光軸の離間距離よりも若干大きい、請求項5に記載の多光軸光電センサ。
- 前記外部コネクタの長手方向長さに対応した前記切欠き部の長さが、2光軸の離間距離よりも若干大きい、請求項5に記載の多光軸光電センサ。
- 前記投光器又は前記受光器の長手方向両端部分に形成され、
前記コネクタピンが前記第2の基板の長手方向両端部に搭載されている、請求項4に記載の多光軸光電センサ。 - 前記第1の基板が、その長手方向端に内部コネクタを含み、
前記投光器及び/又は前記受光器が、前記第1の基板と同一平面上に配置される、前記内部コネクタに接続可能なエクステンション用基板を更に含み、
該エクステンション用基板に、付加的な投光素子又は受光素子が接続されると共に、該エクステンション用基板に、付加的な投光素子又は受光素子に関連した増幅回路及び光軸切替回路を含み、
また、
前記投光器及び/又は前記受光器が、前記第2の基板の前記コネクタピンにハーネスを介して接続可能な付加的なコネクタピンを含み、該付加的なコネクタピンによって、前記投光器及び/又は前記受光器の端部に位置する、前記外部コネクタが係合されるコネクタピンが構成されている、請求項8に記載の多光軸光電センサ。 - 請求項1〜9のいずれか一項の多光軸光電センサに含まれる投光器。
- 請求項1〜9のいずれか一項の多光軸光電センサに含まれる受光器。
- 細長い形状を有し、長手方向に沿って等間隔に離間した複数の投光素子を含み、該複数の投光素子によって、対向する受光器に向けて投光することのできる投光器であって、
前記投光器が、前記受光器に対面する投光面と、該投光面に対向する後面と、光軸と実質的に平行な上面と、該上面に対向する下面とで形成された略矩形の断面形状を有し、
前記投光器の外形輪郭が、該投光器の長手方向中間部分に位置する、押し出し成型品からなるケース本体と、該ケース本体の両端に取り付けられ且つ該ケース本体とは別部品の金属又はプラスチックの成型品からなる端末部材とで形成され、
前記端末部材には、少なくとも2つの前記投光素子が配置され、
前記端末部材は、その上面に該端末部材の端まで延びる、外部コネクタが配置可能な切欠き部と、
該切欠き部に臨んで前記投光面に向けて開放した、前記外部コネクタが前記投光面側から後方に向けて進入することにより係合可能なコネクタピンを囲む差込口とを含み、
前記投光器の内部に配置され、前記下壁に沿って前記投光器の端から端まで延びる、前記複数の投光素子が接続された第1の基板と、
前記投光器の内部に配置され、前記後壁に沿って前記投光器の端から端まで延びる第2の基板とを有し、
前記第1の基板が、前記投光素子に関連した投光回路及び光軸切替回路を含み、
前記第2の基板に前記コネクタピンが搭載されると共に、該第2の基板は、前記受光器の全体制御を行うための制御回路及び電源回路並びに通信回路を含み、
前記外部コネクタが前記切欠き部に配置されたときに、前記投光器の略矩形の断面形状の一部を形成することからなる投光器。 - 細長い形状を有し、長手方向に沿って等間隔に離間した複数の受光素子を含み、該複数の受光素子によって、対向する投光器からの光を受け止めることのできる受光器であって、
前記受光器が、前記投光器に対面する受光面と、該受光面に対向する後面と、光軸と実質的に平行な上面と、該上面に対向する下面とで形成された略矩形の断面形状を有し、
前記受光器の外形輪郭が、該受光器の長手方向中間部分に位置する、押し出し成型品からなるケース本体と、該ケース本体の両端に取り付けられ且つ該ケース本体とは別部品のモールド成型品からなる端末部材とで形成され、
前記端末部材には、少なくとも2つの前記受光素子が配置され、
前記端末部材は、その上面に該端末部材の端まで延びる、外部コネクタが配置可能な切欠き部と、
該切欠き部に臨んで前記受光面に向けて開放した、前記外部コネクタが前記受光面側から後方に向けて進入することにより係合可能なコネクタピンを囲む差込口とを含み、
前記受光器の内部に配置され、前記下壁に沿って前記受光器の端から端まで延びる、前記複数の受光素子が接続された第1の基板と、
前記受光器の内部に配置され、前記後壁に沿って前記受光器の端から端まで延びる第2の基板とを有し、
前記第1の基板が、前記受光素子に関連した増幅回路及び増幅回路及び光軸切替回路を含み、
前記第2の基板に前記コネクタピンが搭載されると共に、該第2の基板は、前記受光器の全体制御を行うための制御回路及び電源回路並びに通信回路を含み、
前記外部コネクタが前記切欠き部に配置されたときに、前記受光器の略矩形の断面形状の一部を形成することからなる受光器。 - 前記差込口が、前記ケース本体の上面と実質的に共通の上面を形成する天井壁と、該天井壁の端から垂下する端壁とで形成され、該端壁は、前記受光器の端面から離間しており、
前記外部コネクタから延出する可撓性ケーブルが、前記端壁と前記受光器の端面との間の空間に配置される、請求項12に記載の受光器。
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