JP4873896B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、一般的に自動変速機の変速制御装置に関し、特に、アクセル開度、車速等に応じてリニアソレノイドバルブ及びオン・オフソレノイドバルブの作動を制御して、複数のシフトバルブを作動させてクラッチへの係合作動油圧の供給油路を選択し、複数のクラッチを選択的に係合させて自動変速制御を行う自動変速機の変速制御装置に関する。
このような自動変速機を有した車両においては、運転者は運転席のシフトレバーを操作してマニュアルバルブを作動させてシフトレンジ(若しくはシフトポジション)を選択し、このように選択されたシフトレンジ内においてエンジンアクセル開度(アクセルペダルの踏み込み操作量)、車速等に基づいて自動的に変速制御を行うように構成されている。
シフトレバー操作により選択設定されるシフトレンジとしては、駐車レンジ(Pレンジ)、後進レンジ(Rレンジ)、中立レンジ(Nレンジ)、前進レンジ(例えばDレンジ等)がある。また、前進レンジを複数のレンジから構成すること、例えば、Dレンジ、3レンジ、2レンジ、Lレンジから構成することも多い。
自動変速機においては、このようにマニュアルバルブの作動により設定される各シフトレンジ内において、アクセルペダルの踏込操作量、車速等に基づいて自動的に変速制御を行うために、マニュアルバルブから各変速段設定用の摩擦係合要素(クラッチ)に至る油路中に複数のシフトバルブを配設し、ソレノイドバルブによりシフトバルブの作動を制御して、自動変速制御を行うように構成されている。
このような自動変速制御装置の構成としては、例えば、特開平6−264996号公報、特開平9−269062号公報、特開2001−311462号公報に開示するものがある。
ところで、このような自動変速機の変速制御装置においては、変速段の設定はシフトバルブの作動を制御するオン・オフソレノイドバルブにより成されるため、オン・オフソレノイドバルブのオン・オフ作動の組み合わせパターンの数に対応して設定可能な変速パターンの数が決まる。
例えば、オン・オフソレノイドバルブが2個であれば4種類(2×2)の変速パターンが設定可能であり、オン・オフソレノイドバルブが3個であれば8種類(2×2×2)の変速パターンが設定可能である。
しかしながら、最近においては変速段数が増加する傾向にあり、且つ各変速段間での変速制御を行うための変速パターンを設定することが要求されるため、多くの変速パターンを設定することが要求されることが多くなっている。これに応じてオン・オフソレノイドバルブの必要数も増加している。
例えば、9種類の変速パターンの設定が必要なときには、4個のオン・オフソレノイドバルブが必要となり、高価なオン・オフソレノイドバルブの数が増えて、変速制御装置が複雑化、高コスト化するという問題がある。
このような問題に対処するために、出来る限り少ないオン・オフソレノイドバルブを用いて多くの変速パターンを設定可能とし、シンプルな構成となる自動変速機の変速制御装置を、本出願人は特開2004−332862号で先に提案した。
特開平6−264996号公報 特開平9−269062号公報 特開2001−311462号公報 特開2004−332862号公報
特許文献4記載の自動変速機の変速制御装置では、数少ないオン・オフソレノイドバルブを用いて多くの変速パターンが設定可能であるものの、以下のような問題点が発生する恐れがあることが判明した。
例えば、一つのリニアソレノイドバルブを、ロックアップクラッチ信号オンの第1の運転状態でロックアップクラッチの係合制御に、ロックアップクラッチ信号オフの第2の運転状態で低速変速段用クラッチの係合制御に兼用しているが、このリニアソレノイドバルブが高圧フェイル(高い油圧を出力し続ける)している場合、ロックアップクラッチ信号オフ状態のまま2−3速アップシフトへ移行すると、LOWクラッチに最高油圧が供給されて、LOWクラッチが急激に係合されてしまい、急激なエンジンブレーキが発生する場合がある。
また、アップシフト中はロックアップクラッチ制御を優先させて燃費の向上を図りたいが、これについてのはっきりした開示はない。
よって、本発明の目的は、運転状態に応じてロックアップクラッチの制御と低速変速段用クラッチの制御を兼用するリニアソレノイドバルブが高圧フェイルした場合にも、障害を未然に防止可能な自動変速機の変速制御装置を提供することである。
本発明の他の目的は、LOW〜5THの各変速段においてロックアップクラッチの容量制御が可能な自動変速機の変速制御装置を提供することである。
請求項1記載の発明によると、駆動力伝達を行う複数の動力伝達経路を有する動力伝達機構と、前記動力伝達経路を選択するための複数のクラッチと、前記クラッチへの係合制御油圧の供給制御を行う油圧制御バルブ群とを具備して構成され、前記油圧制御バルブ群が、元圧供給源から供給されるライン圧を任意に調圧可能な複数のリニアソレノイドバルブと、ライン圧もしくは前記リニアソレノイドバルブにより調圧された変速制御油圧を選択的に前記クラッチに供給させるように油路選択を行う複数のシフトバルブ及び複数のカットバルブと、前記シフトバルブに作動制御油圧を供給してその作動を制御する複数のオン・オフソレノイドバルブを備え、前記複数のカットバルブは作動されたときに作動状態でセルフロックされる機能を有しており、前記複数のオン・オフソレノイドバルブのオン・オフ作動の組み合わせに応じて前記複数のシフトバルブの作動を制御して油路選択を行い、前記複数のクラッチを選択作動させて複数の変速段を設定するように構成されており、前記複数のカットバルブの作動状態及びセット状態のそれぞれにおいて、前記複数のオン・オフソレノイドバルブの同一オン・オフ作動組み合わせパターンが設定されて異なる変速段を設定するようになっている自動変速機の変速制御装置において、前記自動変速機はトルクコンバータをロックアップ可能なロックアップクラッチを備え、ロックアップクラッチ信号オンの第1の運転状態で該ロックアップクラッチの係合制御に使用され、ロックアップクラッチ信号オフの第2の運転状態で低速変速段用クラッチの係合制御に使用される第1リニアソレノイドバルブの油圧経路を、所定の変速制御を行う場合、ロックアップクラッチ信号オフのときには前記ロックアップクラッチの制御側に連通させ、前記第1リニアソレノイドバルブの出力を所定値に低下させる制御を行うことを特徴とする自動変速機の変速制御装置が提供される。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明において、前記所定の変速制御を行う場合、前記ロックアップクラッチの制御側と前記低速変速段用クラッチの制御側に周期的に変更することを特徴とする自動変速機の変速制御装置が提供される。
請求項3記載の発明によると、請求項2記載の発明に類似しているが、ロックアップクラッチ信号オフの第2の運転状態で、第1リニアソレノイドバルブの油圧経路を、所定の変速制御を行う場合、前記ロックアップクラッチの制御側と前記低速変速段用クラッチの制御側に周期的に変更し、前記第1リニアソレノイドバルブの出力を所定値に低下させる制御を行うことを特徴とする自動変速機の変速制御装置が提供される。
請求項記載の発明によると、第1リニアソレノイドが高圧フェイルした場合にも、低速変速段クラッチが急係合されるのを防止でき、低速変速段用クラッチの急係合の結果生じるトラブルを未然に防止することができる。
具体的には、2−3アップ変速中のLOW係合では、急激なエンジンブレーキの発生する恐れがあるため、これを未然に防止したいが、このためには、LOW圧の検知が必要である。LOW圧の検知は油圧スイッチによる検知が有効であるが、油圧スイッチを搭載しないシステムでは、回転センサによる検知に頼るしかない。
然しながら回転変化が発生した状態では既にエンジンブレーキが発生しているため、実質的に未然防止には至らない。本発明により、第1リニアソレノイドバルブが高圧フェイルしても、変速ショックの劣化レベルに発生現象を抑えることができる。
請求項記載の発明によると、請求項記載の発明の効果に加えてロックアップクラッチの負担を軽減できる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態に係る自動変速機の変速制御装置について説明する。図1は本発明の変速制御装置が適用可能な自動変速機の全体構成を示しており、エンジンENGの出力を変速して車輪に伝達する自動変速機TMにより動力伝達機構が構成される。
この自動変速機TMの変速制御は、変速制御バルブCVによる油圧制御により行われ、変速制御バルブCVの作動は電子制御ユニットECUからの変速制御信号によりソレノイドバルブを作動させて行われる。
電子制御ユニットECUはシフト操作装置7に信号ライン9を介して繋がり、シフト操作装置7からシフトレバー7aのシフトポジション信号を受け取る。また、シフトレバー7aはケーブル8を介して変速制御バルブCV内のマニュアルバルブと繋がり、シフトレバー7aの操作に応じてマニュアルバルブのスプールを移動させる。
まず、自動変速機TMの構成を図2及び図3に基づいて説明する。この変速機は、変速機ハウジングHSG内に、エンジン出力軸(図示せず)に繋がるトルクコンバータTCと、トルクコンバータTCの出力部材(タービン)に繋がった平行軸式変速機構TMと、この変速機構TMの終減速駆動ギヤ6aと噛合する終減速従動ギヤを有した図示しないデファレンシャル機構を配設して構成されており、デファレンシャル機構から左右の車輪に駆動力が伝達される。
平行軸式変速機構TMは、互いに平行に延びた第1入力軸1、第2入力軸2、カウンタ軸3及びアイドル軸5を有して構成され、これら各軸の軸線位置は図3においてS1,S2,S3及びS5で示す位置にそれぞれ配置されている。
この平行軸式変速機構TMの動力伝達構成が図2(A)及び図2(B)に示されており、図2(A)は図3の2A−2Aに沿って第1入力軸1(S1)、カウンタ軸3(S3)及び第2入力軸(S2)を通る断面を示しており、図2(B)は図3の2B−2Bに沿って第1入力軸1(S1)、アイドル軸5(S5)及び第2入力軸2(S2)を通る断面を示している。
第1入力軸1はトルクコンバータTCのタービンに連結されており、ベアリング41a,41bにより回転支持され、タービンからの駆動力を受けてこれと同一回転する。第1入力軸1には、トルクコンバータTC側(図における右側)から順に、5速駆動ギヤ25a、5THクラッチ15、4THクラッチ14、4速駆動ギヤ24a、リバース駆動ギヤ26a及び第1連結ギヤ31が配設されている。
5速駆動ギヤ25aは第1入力軸1の上に回転自在に配設されており、油圧力により作動される5THクラッチ15により第1入力軸1と係脱される。また、4速駆動ギヤ24a及びリバース駆動ギヤ26aは一体的に連結されると共に第1入力軸1の上に回転自在に配設されており、油圧力により作動される4THクラッチ14により第1入力軸1と係脱される。第1連結ギヤ31は第1入力軸1を回転自在に支持するベアリング41aの外側に位置して、片持ち状態で第1入力軸1と結合されている。
第2入力軸2はベアリング42a,42bにより回転支持され、この軸上には、図における右側から順に、2NDクラッチ12、2速駆動ギヤ22a、LOW駆動ギヤ21a、LOWクラッチ11、3RDクラッチ13、3速駆動ギヤ23a及び第4連結ギヤ34が配設されている。
2速駆動ギヤ22a、LOW駆動ギヤ21a及び3速駆動ギヤ23aはそれぞれ第2入力軸2の上に回転自在に配設されており、油圧力により作動される2NDクラッチ12、LOWクラッチ11及び3RDクラッチ13により第2入力軸2と係脱される。第4連結ギヤ34は第2入力軸2と結合されている。
図2(B)に示されるように、アイドル軸5はベアリング45a,45bにより回転支持され、この軸と一体に第2連結ギヤ32及び第3連結ギヤ33が配設されている。第2連結ギヤ32は第1連結ギヤ33と噛合し、第3連結ギヤ33は第4連結ギヤ34と噛合している。これら第1〜第4連結ギヤにより連結ギヤ列30が構成され、第1入力軸1の回転が連結ギヤ列30を介して第2入力軸2に常時伝達される。
カウンタ軸3はベアリング43a,43bにより回転支持され、この軸上には、図における右側から順に、終減速駆動ギヤ6a、2速従動ギヤ22b、LOW従動ギヤ21b、5速従動ギヤ25b、3速従動ギヤ23b、4速従動ギヤ24b、ドグ歯式クラッチ16及びリバース従動ギヤ26cが配設されている。
終減速駆動ギヤ6a、2速従動ギヤ22b、LOW従動ギヤ21b、5速従動ギヤ25b及び3速従動ギヤ23bはカウンタ軸3に結合されており、これと一体回転する。4速従動ギヤ24bはカウンタ軸3の上に回転自在に配設されている。
また、リバース従動ギヤ26cもカウンタ軸3の上に回転自在に配設されている。ドグ歯式クラッチ16が軸方向に作動されて、4速従動ギヤ24bとカウンタ軸3と係脱させたり、リバース従動ギヤ26cとカウンタ軸3とを係脱させたりすることができる。
なお、図示のように、LOW駆動ギヤ21aとLOW従動ギヤ21bとが噛合し、2速駆動ギヤ22aと2速従動ギヤ22bとが噛合し、3速駆動ギヤ23aと3速従動ギヤ23bとが噛合し、4速駆動ギヤ24aと4速従動ギヤ24bとが噛合し、5速駆動ギヤ25aと5速従動ギヤ25bとが噛合する。さらに、リバース駆動ギヤ26aは図示しないアイドラギヤを介してリバース従動ギヤ26cと噛合する。
以上のような構成の変速機において、各速度段の設定及びその動力伝達経路について以下に説明する。なお、この変速機においては、前進レンジにおいてはドグ歯式クラッチ16が図において右方向に移動されて4速従動ギヤ24bとカウンタ軸3とが結合される。一方、後進(リバース)レンジにおいては、ドグ歯式クラッチ16が左方向に移動されてリバース従動ギヤ26cとカウンタ軸3とが係合される。
まず、前進レンジにおける各速度段について説明する。LOW速度段はLOWクラッチ11を係合させて設定される。トルクコンバータTCから第1入力軸1に伝達された回転駆動力は、連結ギヤ列30を介して第2入力軸2に伝達される。
ここで、LOWクラッチ11が係合されているため、LOW駆動ギヤ21aが第2入力軸2と同一回転で駆動され、これと噛合するLOW従動ギヤ21bが回転駆動され、カウンタ軸3が駆動される。この駆動力は終減速ギヤ列を介して図示しないデファレンシャル機構に伝達される。
2速段は2NDクラッチ12を係合させて設定される。トルクコンバータTCから第1入力軸1に伝達された回転駆動力は、連結ギヤ列30を介して第2入力軸2に伝達される。ここで、2LDクラッチ12が係合されているため、2速駆動ギヤ22aが第2入力軸2と同一回転で駆動され、これと噛合する2速従動ギヤ22bが回転駆動され、カウンタ軸3が駆動される。この駆動力は終減速ギヤ列を介して図示しないデファレンシャル機構に伝達される。
3速段は3RDクラッチ13を係合させて設定される。トルクコンバータTCから第1入力軸1に伝達された回転駆動力は、連結ギヤ列30を介して第2入力軸2に伝達される。ここで、3RDクラッチ13が係合されているため、3速駆動ギヤ23aが第2入力軸2と同一回転で駆動され、これと噛合する3速従動ギヤ23bが回転駆動されて、カウンタ軸3が駆動される。この駆動力は終減速ギヤ列を介して図示しないデファレンシャル機構に伝達される。
4速段は4THクラッチ14を係合させて設定される。トルクコンバータTCから第1入力軸1に伝達された回転駆動力は、4THクラッチ14を介して4速駆動ギヤ24aを回転駆動させ、これと噛合する4速従動ギヤ24bを回転駆動する。
ここで、前進レンジにおいては、ドグ歯式クラッチ16により4速従動ギヤ24bがカウンタ軸3と係合されているため、カウンタ軸3が駆動され、この駆動力は終減速ギヤ列を介して図示しないデファレンシャル機構に伝達される。
5速段は5THクラッチ15を係合させて設定される。トルクコンバータTCから第1入力軸1に伝達された回転駆動力は、5THクラッチ15を介して5速駆動ギヤ25aを回転させ、これと噛合する5速従動ギヤ25bを回転駆動する。5速従動ギヤ25bはカウンタ軸3と結合されているため、カウンタ軸3が駆動され、この駆動力は終減速ギヤ列を介して図示しないデファレンシャル機構に伝達される。
一方、後進(リバース)段は、4THクラッチ14を係合させると共にドグ歯式クラッチ16を左方向に移動させて設定される。トルクコンバータTCから第1入力軸1に伝達された回転駆動力は、4THクラッチ14を介してリバース駆動ギヤ26aを回転駆動させ、図示しないリバースアイドラギヤを介してこのアイドラギヤと噛合するリバース従動ギヤ26cを回転駆動する。
ここで、後進(リバース)レンジにおいては、ドグ歯式クラッチ16によりリバース従動ギヤ26cがカウンタ軸3と係合されているため、カウンタ軸3が駆動され、この駆動力は終減速ギヤ列を介して図示しないデファレンシャル機構に伝達される。このことから判るように、4THクラッチ14はリバースクラッチの作用を兼用する。
以上のような構成の自動変速機において、変速制御を行わせる変速制御バルブCVを構成する油圧回路を図4及び図6〜図11に示しており、これについて以下に説明する。なお、図6〜図11は図4における一点鎖線A〜Fにより6分割された部分をそれぞれ拡大して示す。また、この油圧回路図において、油路が開放しているところはドレン(オイルタンク)に繋がる。
この装置は、オイルタンクOTの作動油を吐出するオイルポンプOPを有しており、オイルポンプOPはエンジンにより駆動されて油路100に作動油を供給する。油路100は油路100aを介してメインレギュレータバルブ50に繋がり、ここで調圧されて油路100,100aにライン圧PLが発生する。
このライン圧PLは油路100bを介してマニュアルバルブ58に供給される。油路100bは、マニュアルバルブ58のポートを介して油路100dと常時繋がっており(マニュアルバルブ58の作動の如何に拘わらず常に繋がっており)、油路100dを介してライン圧PLが第1〜第4オン・オフソレノイドバルブ81〜84及び第1リニアソレノイドバルブ86に常時供給される。
メインレギュレータバルブ50においてライン圧PLを調圧した余剰油は油路191に供給され、更に油路192に供給される。油路191に供給された余剰油は、ロックアップシフトバルブ51、ロックアップコントロールバルブ52、トルクコンバータチェックバルブ53により制御され、トルクコンバータTCのロックアップ制御及び作動油供給に用いられ、この後、オイルクーラー54を通ってオイルタンクOTに戻される。
なお、トルクコンバータTCの制御については、本発明に直接関係しないため、作動説明は省略する。また、油路192に供給された余剰油は、潤滑リリーフバルブ55により調圧されて各部の潤滑油として供給される。
この油圧回路図においては、上述の変速機を構成するLOWクラッチ11、2NDクラッチ12、3RDクラッチ13、4THクラッチ14、5THクラッチ15を示しており、各クラッチにはそれぞれLOWアキュムレータ75、2NDアキュムレータ76、3RDアキュムレータ77、4THアキュムレータ78、5THアキュムレータ79が油路を介して繋がっている。また、ドグ歯式クラッチ16を作動させるための前後進選択油圧サーボ機構70を備える。
これら各クラッチ11〜15及び前後進選択油圧サーボ機構70への作動油圧供給制御を行うため、第1シフトバルブ60、第2シフトバルブ62、第3シフトバルブ64、第4シフトバルブ66、Dインヒビタバルブ68、第1カットバルブ90、第2カットバルブ92が図示のように配設されている。
そして、これらのバルブの作動制御及び各クラッチ等への供給油圧制御を行うため、第1〜第4オン・オフソレノイドバルブ81〜84と、第1〜第3リニアソレノイドバルブ86〜88が図示のように配設されている。
以上のような構成を有する変速制御装置の作動を各速度段毎に分けて以下に説明する。各速度段の設定は、シフト操作装置7のシフトレバー7aの操作に対応してマニュアルバルブ58のスプール58aが移動されて油路の切り替えが行われると共に、電子制御ユニットECUより第1〜第4オン・オフソレノイドバルブ81〜84及び第1〜第3リニアソレノイドバルブ86〜88の作動を図5に示すように設定して行われる。
なお、これら第1〜第4オン・オフソレノイドバルブ81〜84及び第1〜第3リニアソレノイドバルブ86〜88はノーマルクローズタイプのソレノイドバルブであり、通電時(オン時)に開放作動され信号油圧を発生させる。
図5において、符号×及び○はそれぞれソレノイドが通電オフ及びオンとなることを意味する。図5のオン・オフソレノイドバルブの欄において、符号A〜Dがそれぞれ第1〜第4オン・オフソレノイドバルブ81〜84を意味する。
第1及び第2カットバルブの欄における「セ」及び「作」はセット状態及び作動状態を示す。さらに、クラッチ油圧供給欄における1,2,3,4,5はそれぞれLOWクラッチ11、2NDクラッチ12、3RDクラッチ13、4TH(リバース)クラッチ14、5THクラッチ15を示し、上述の説明から明らかなようにリバースクラッチと4THクラッチは同一クラッチ14が兼用する。
図5のクラッチ油圧供給欄において、PLはライン圧PLが供給されることを意味し、A〜Cは第1〜第3リニアソレノイドバルブ86〜88を意味する。さらに、サーボ位置欄は前後進選択油圧サーボ機構70がR(後進)及びD(前進)のいずれか側に作動されるかを示している。
図5において、ポジションはシフトレバー7aの操作位置及びマニュアルバルブ58の作動位置を示し、このポジションとしては、駐車(P)ポジション、後進(R)ポジション、中立(N)ポジション及び前進(D)ポジションが少なくとも設けられて、本実施形態では更に前進ポジションとしてもう3つのポジション(図10において*印で示すポジション)が設けられている。なお、図4及び図6〜図11においては、マニュアルバルブ58がNポジションに位置した状態を示している。
図5においては、シフトレバー7aが駐車(P)ポジション、後進(R)ポジション、中立(N)ポジション及び前進(D)ポジションにあるときに設定される各種モードを表示しているが、本発明では前進(D)ポジションでの変速制御を対象とするため、以下においては前進(D)ポジションでの変速制御について説明し、それ以外のポジションでの変速制御の説明は省略する。
なお、シフトレバー7aが前進(D)ポジションに操作されているときには、図5に示すような10種類のモードが設定される。また、このときマニュアルバルブ58のスプール58aは溝部58bが図10のDポジションに移動し、油路100bのライン圧PLが油路101にも供給される。
まず、シフトレバー7aが中立(N)ポジションから前進(D)ポジションに操作されたときの初期段階に設定されるLOWインギヤモードについて説明する。このモードでは、第1〜第4オン・オフソレノイドバルブ81〜84の全てがオフ作動される。
このため、第1オン・オフソレノイドバルブ81の出力圧が供給される油路111の圧力が0若しくは極低圧となる。油路111は油路111aから第1シフトバルブ60の右端ポート60aに繋がるが、ここに作用する油圧が0であるため、スプール61aはスプリング61bにより右方に押圧されてセット状態(図示の状態)となる。
油路111は更に油路111bから第1カットバルブ90の左端ポート90aに繋がるが、ここに作用する油圧が0であるため、スプール91aはスプリング91bにより左方に押圧されセット状態(図示の状態)となる。
第2オン・オフソレノイドバルブ82の出力圧が供給される油路112の圧力も0若しくは極く低圧となる。油路112は油路112aからDインヒビターバルブ68の左端ポート68aに繋がるが、ここに作用する油圧は0であるため、この左端ポート68aからスプール69aを右方向に押圧する力は生じない。
油路112は更に油路112bから第2シフトバルブ62の右端ポート62aに繋がるが、ここに作用する油圧は0であるため、スプール63aはスプリング63bにより右方に押されてセット状態(図示の状態)となる。
第3オン・オフソレノイドバルブ83の出力圧が供給される油路113の圧力も0若しくは極く低圧となる。油路113は油路113aから第2カットバルブ92の右端ポートに繋がり、スプール93aがスプリング93bで左方向に押圧されてセット状態(図示の状態)となる。
油路113は更に油路113bから第3シフトバルブ64の右端ポート64aに繋がるが、ここに作用する油圧は0であるため、スプール65aはスプリング65bにより右方に押圧されてセット状態(図示の状態)となる。
第4オン・オフソレノイドバルブ84の出力圧が供給される油路114の圧力も0若しくは極く低圧となる。油路114は油路114aから第4シフトバルブ66の左端ポート66aに繋がるが、ここに作用する油圧は0であるため、スプール67aはスプリング67bにより左方向に押圧されてセット状態(図示の状態)となる。
油路114は更に油路114bからロックアップシフトバルブ51の右端ポート51aに繋がるが、ここに作用する油圧は0であるため、スプール51bはスプリング51cにより右方に押圧されてセット状態(図示の状態)となる。
以上のようにLOWインギヤモードの初期状態では、第1〜第4シフトバルブ60,62,64,66及び第1,第2カットバルブ90,92がセット状態となり、この状態において、第1リニアソレノイドバルブ86から油路115に出力される係合制御油圧を用いて、LOWクラッチ11の係合制御が成される。
第1リニアソレノイドバルブ86からの油路115は油路115aに繋がり、油路115aはセット状態のロックアップシフトバルブ51のスプール溝を介して油路116に繋がり、油路116はセット状態の第2シフトバルブ62を介して油路117に繋がる。
油路117はDポジションに位置したマニュアルバルブ58のスプール溝を介して油路118に繋がり、油路118から分岐した油路118aはセット状態の第1シフトバルブ60のスプール溝を介して油路119に繋がり、油路119はセット状態の第3シフトバルブ64のスプール溝を介して油路120に繋がる。
油路120はLOWクラッチ11に繋がっており、このように第1リニアソレノイドバルブ86から油路115に出力された係合制御油圧がLOWクラッチ11に供給されてその係合制御が成される。
このとき、油路120から分岐した油路120aは第2カットバルブ92の左端ポート92aに作用する。このため、LOWクラッチ11に作用する係合制御油圧が所定圧を超えると、スプール93aがスプリング93bの付勢力に抗して右動され、第2カットバルブ92が作動状態となる。
このように、第2カットバルブ92のポート92bはポート92cと繋がるが、上述したようにマニュアルバルブ58を介してライン圧PLが供給される油路101から分岐した油路101aが分岐油路101bを介してポート92bに繋がっており、ポート92bから供給されるライン圧PLがスプール93aの段部に作用して、スプール93aを右動状態でセルフロックする。
すなわち、LOWクラッチ11に作用する係合制御油圧が所定圧を超えてスプール93aが右動されると、ポート92bから供給されるライン圧PLによりスプール93aが右方向に押されて、第2カットバルブ92は作動状態でセルフロックされる。
また、油路120から分岐した油路120bはDインヒビターバルブ68のポート68cに作用し、そのスプール69aの段部に作用してスプール69aを右方向に押圧する。このため、LOWクラッチ11に作用する係合制御油圧が所定圧を超えるとスプール69aがスプリング69bの付勢力に抗して右動され、Dインヒビターバルブ68は作動状態となる。
これにより、Dインヒビターバルブ68のポート68dとポート68eとが繋がるが、上述したようにマニュアルバルブ58を介してライン圧PLが供給される油路101から分岐した油路101aが分岐油路101cを介してポート68dに繋がっており、ポート68dから供給されるライン圧PLがスプール69aの段部に作用して、スプール69aを右動状態でセルフロックする。
すなわち、LOWクラッチ11に作用する係合制御油圧が所定圧を超えてスプール69aが右動されると、ポート68dから供給されるライン圧PLによりスプール69aが右方向に押されて、Dインヒビターバルブ68は作動状態で保持(セルフロック)される。
Dインヒビターバルブ68が作動状態のときには、ポート68dとポート68eとが繋がるため、ポート68eに繋がる油路102にライン圧PLが供給され、前後進選択油圧サーボ機構70の右側油室73にライン圧PLが供給される。
このとき左側油室72はセット状態の第4シフトバルブ66を介してドレインに繋がっており、ロッド71は作動状態となる。このロッド71はドグ歯式クラッチ16を作動させるシフトフォークと繋がっており、ロッド71が作動状態ではドグ歯式クラッチ16により4速従動ギヤ24bとカウンタ軸3とを結合させる。
なお、前後進選択油圧サーボ機構70の右側油室73に供給されたライン圧PLは油路103から油路103a,103bを通って第2及び第3リニアソレノイドバルブ87,88に供給される。
LOWインギヤモードでは、2NDクラッチ12は第2リニアソレノイドバルブ87の出力ポートに繋がってドレインされ、3RDクラッチ13は第3リニアソレノイドバルブ88の出力ポートに繋がってドレインされ、4THクラッチ14は第4シフトバルブ66に繋がってドレインされ、5THクラッチ15は第1カットバルブ90に繋がってドレインされており、いずれも開放状態となる。
次に、LOWモードについて説明する。LOWモードにおいては、LOWインギヤモードの状態から第2オン・オフソレノイドバルブ82がオン作動される。これにより、油路112にライン圧PLが供給され、Dインヒビターバルブ68を作動状態とし(既に作動状態であるときには、このまま保持し)第2シフトバルブ62のスプール63aを作動させて第2シフトバルブ62を作動状態とする。
この結果、油路101から油路101a及び油路101bを通って供給されるライン圧PLは、作動状態のDインヒビターバルブ68を通って油路102に供給され、前後進選択油圧サーボ機構70の右側油室73にライン圧PLが供給されたままの状態で維持される。
さらに、マニュアルバルブ58のポートを介して油路100bと常時繋がってライン圧PLが供給されている油路100dは油路100eに分岐し、作動状態の第2カットバルブ92を介して油路100eが油路104に繋がり、油路104はセット状態の第1カットバルブ90を介して油路105に繋がる。
さらに、油路105は作動状態の第2シフトバルブ62を介して油路117と繋がる。油路117はDポジションに位置したマニュアルバルブ58のスプール溝を介して油路118に繋がり、油路118はセット状態の第1シフトバルブ60のスプール溝を介して油路119に繋がり、油路119はセット状態の第3シフトバルブ64のスプール溝を介して油路120に繋がる。油路120はLOWクラッチ11に繋がっており、この結果、ライン圧PLがLOWクラッチ11に供給されて、これが完全に係合されてLOW変速段が設定される。
なお、図5には、LOWモードにおいて第4オン・オフソレノイドバルブ84がオン若しくはオフ作動するように表示されている。この第4オン・オフソレノイドバルブ84からの出力油圧が供給される油路114は、上述したように、油路114bからロックアップシフトバルブ51の右端ポート51aに繋がっており、第4オン・オフソレノイドバルブ84からの出力油圧はロックアップシフトバルブ51の作動、即ちトルクコンバータTCのロックアップクラッチの作動制御に用いられる。
このような第4オン・オフソレノイドバルブ84によるロックアップクラッチ作動制御は、以下に説明する各モード全てにおいて同様に行われる。すなわち、図5に示すDポジションにおけるLOWインギヤモードを除く全てのモードにおいては、第4オン・オフソレノイドバルブ84はロックアップクラッチの作動制御に用いられ、変速制御モードの設定は第1〜第3オン・オフソレノイドバルブ81〜83により行われる。
ただし、(1)−2−3変速モード及び(2)−3−4変速モードにおいては、第4オン・オフソレノイドバルブ84がオフ状態(ロックアップクラッチ作動制御を行わない状態)で、第1リニアソレノイドバルブ86から出力される制御油圧がそれぞれLOWクラッチ11及び2NDクラッチ12に供給されて、これらの係合制御が成される。
次に、このようにLOW変速段が設定されたLOWモードから2速段に変速する制御を説明する。このときには、まず1−2変速モードが設定された後に2NDモードが設定されて2速段への変速が行われる。
1−2変速モードでは、LOWモードの状態から第1オン・オフソレノイドバルブ81がオン作動されて設定される。これにより、油路111にライン圧PLが出力され、第1シフトバルブ60のスプール61aが左動されて第1シフトバルブ60が作動状態となる。
また、第1カットバルブ90において、左端ポート90aにライン圧PLが作用するが、右端ポート90bには油路120から分岐した油路120cが繋がってLOWクラッチ11の制御油圧が作用するため、1−2変速モードにおいてLOWクラッチ11の制御油圧が低下すると(所定圧以下となると)、第1カットバルブ90のスプール91aが右動されて第1カットバルブ90が作動状態となる。
ここで、第1カットバルブ90が作動状態となると、そのポート90bに油路101から分岐した油路101bが繋がっているため、ポート90bを介してライン圧PLが右動したスプール91aの段部に作用し、これを右動状態でセルフロックする。すなわち、第1カットバルブ90は作動状態でセルフロックされる。
1−2変速モードでは、図5に示すように、第2及び第3リニアソレノイドバルブ87,88から出力される制御油圧が用いられる。まず、第3リニアソレノイドバルブ88から油路131に出力された制御油圧は、作動状態の第2シフトバルブ62を介して油路132に繋がり、油路132は作動状態の第2カットバルブ92を介して油路133に繋がり、油路133は作動状態の第1シフトバルブ60を介して油路119に繋がり、油路119はセット状態の第3シフトバルブ64を介して油路120に繋がる。
上述したように、油路120はLOWクラッチ11に繋がっており、第3リニアソレノイドバルブ88から出力される制御油圧は、LOWクラッチ11に供給されてその係合制御が行われる。
一方、第2リニアソレノイドバルブ87から油路141に出力された制御油圧は、セット状態の第3シフトバルブ64を介して油路142に繋がり、油路142は作動状態の第1シフトバルブ60を介して油路143に繋がり、油路143は作動状態の第2シフトバルブ62を介して油路144に繋がる。油路144は2NDクラッチ12に繋がっており、第2リニアソレノイドバルブ87から出力される制御油圧は2NDクラッチ12に供給されてその係合制御が行われる。
このように、1−2変速モードにおいては、第3リニアソレノイドバルブ88からの制御油圧によりLOWクラッチ11の係合を解除させながら、第2リニアソレノイドバルブ87からの制御油圧により2NDクラッチ12を係合させる制御を行って、LOW変速段から2速段への変速制御が行われる。
このようにして、1−2変速モードにおいてLOWクラッチ11が解放されて2NDクラッチ12が係合されると、2NDモードに移行する。2NDモードにおいては、1−2変速モードの状態から第2オン・オフソレノイドバルブ82がオフ作動され、第2シフトバルブ62がセット状態となる。
この結果、マニュアルバルブ58を介してライン圧PLが供給される油路101aから分岐した油路101cはセット状態の第3シフトバルブ64を介して油路106に繋がり、油路106はセット状態の第2シフトバルブ62を介して油路107に繋がり、油路107は作動状態の第1シフトバルブ60を介して油路144に繋がり、油路144は2NDクラッチ12に繋がる。この結果、ライン圧PLが2NDクラッチ12に供給されて2NDクラッチ12が完全係合され、2速段が設定される。
次に、このように2速段が設定された2NDモードから3速段に変速する制御を説明する。このときには、まず2−3変速モードが設定された後に3RDモードが設定されて3速段への変速が行われる。
2−3変速モードは、2NDモードの状態から第1オン・オフソレノイドバルブ81がオフ作動されて設定される。これにより、第1〜第3オン・オフソレノイドバルブ81〜83が全てオフとなるが、この状態はLOWインギヤモードと同一である。しかしながら、2−3変速モードでは、第1カットバルブ90が作動状態でセルフロックされた状態にあり、この点がLOWインギヤモードの状態と相違する。
2−3変速モードでは、図5に示すように、第2及び第3リニアソレノイドバルブ87,88から出力される制御油圧が用いられる。まず、第2リニアソレノイドバルブ87から油路141に出力された制御油圧は、セット状態の第3シフトバルブ64を介して油路142に繋がり、油路142はセット状態の第2シフトバルブ62を介して油路145に繋がり、油路145はセット状態の第1シフトバルブ60を介して油路144に繋がる。
油路144は2NDクラッチ12に繋がっているため、第2リニアソレノイドバルブ87から出力される制御油圧は2NDクラッチ12に供給されて、その係合制御が行われる。
一方、第3リニアソレノイドバルブ88から油路131に出力された制御油圧は、セット状態の第2シフトバルブ62を介して油路134に繋がり、油路134はセット状態の第1シフトバルブ60を介して油路135に繋がる。油路135は3RDクラッチ13に繋がっており、第3リニアソレノイドバルブ88から出力される制御油圧は3RDクラッチ13に供給されて、その係合制御が行われる。
このように、2−3変速モードにおいては、第2リニアソレノイドバルブ87からの制御油圧により2NDクラッチ12の係合を解除させながら、第3リニアソレノイドバルブ88からの制御油圧により3RDクラッチ13を係合させる制御を行って、2速段から3速段への変速制御が行われる。
一方、2−3変速モードにおいて、ロックアップクラッチがオフの状態、すなわちロックアップコントロールバルブ52がセット状態で、ロックアップクラッチへの油圧供給がない場合には、第1リニアソレノイドバルブ86からの制御油圧を利用して、2−1変速又は3−1変速が可能となる。このときには、第2カットバルブ92はセット状態となる。
このようにして、2−3変速モードにおいて2NDクラッチ12が解放されて3RDクラッチ13が係合されると、3RDモードに移行する。3RDモードにおいては、2−3変速モードの状態から第3オン・オフソレノイドバルブ83がオン作動され、第3シフトバルブ64が作動状態となり、且つ第2カットバルブ92がセット状態となる。
3RDモードでは第3リニアソレノイドバルブ88から油路131にライン圧PLが出力される。油路131はセット状態の第2シフトバルブ62を介して油路134に繋がり、油路134はセット状態の第1シフトバルブ60を介して油路135に繋がり、油路135は3RDクラッチ13に繋がっているので、第3リニアソレノイドバルブ88から出力されるライン圧PLが3RDクラッチ13に供給されて3RDクラッチ13が完全係合され、3速段が設定される。
ここで注意すべきは、2−3変速モードにおいてロックアップクラッチがオンの状態では、3RDモード時に第2カットバルブ92が作動状態からセット状態になる。この状態で、第1カットバルブ90、第2カットバルブ92共にLOWクラッチ11への油圧供給ができない構成が確立される。
このように、3速段が設定された3RDモードから4速段に変速する制御を次に説明する。このときには、まず3−4変速モードが設定された後に4THモードが設定されて4速段への変速が行われる。
3−4変速モードは、3RDモードの状態から第1オン・オフソレノイドバルブ82がオン作動されて設定される。これにより、第1シフトバルブ60のスプール60aが左方向に移動されて第1シフトバルブ60が作動状態となる。
3−4変速モードでは、図5に示すように、第2及び第3リニアソレノイドバルブ87,88から出力される制御油圧が用いられる。まず、第3リニアソレノイドバルブ88から制御油圧が出力される油路131は、セット状態の第2シフトバルブ62を介して油路134に繋がる。
油路134は作動状態の第1シフトバルブ60を迂回して油路136に直接接続されている。なお、この油圧回路図においては、油路134が作動状態の第1シフトバルブ60により遮断されているようにも見えるが、実際には油路134は第1シフトバルブ60を迂回して油路136に直接繋がっている。
油路136は作動状態の第3シフトバルブ64を介して油路137に繋がり、油路137は作動状態の第1シフトバルブ60を介して油路135に繋がる。油路135は3RDクラッチ13に繋がっており、第3リニアソレノイドバルブ88から出力される制御油圧は3RDクラッチ13に供給されて、その係合制御が行われる。
一方、第2リニアソレノイドバルブ87から制御油圧が油路141に出力されるが、油路141は作動状態の第3シフトバルブ64を介して油路151に繋がり、油路151は作動状態の第1シフトバルブ60を介して油路152に繋がる。油路152は4THクラッチ14に繋がっており、第2リニアソレノイドバルブ87から出力される制御油圧は、4THクラッチ14に供給されてその係合制御が行われる。
このように、3−4変速モードにおいては、第3リニアソレノイドバルブ88からの制御油圧により3RDクラッチ13の係合を解除させながら、第2リニアソレノイドバルブ87からの制御油圧により、4THクラッチ14を係合させる制御を行って3速段から4速段への変速制御が行われる。
一方、3−4変速モードにおいてロックアップクラッチがオフの状態、即ちロックアップコントロールバルブ52がセット状態の場合には、第1リニアソレノイドバルブ86からの制御油圧が2NDクラッチ12に供給され、3−2変速又は4−2変速が可能となる。
3−4変速モードにおいて、3RDクラッチ13が解放されて、4THクラッチ14が係合されると、4THモードに移行する。4THモードにおいては、3−4変速モードの状態から第2オン・オフソレノイドバルブ82がオン作動され、第2シフトバルブ62が作動状態となる。
この結果、4THモードでは、第2リニアソレノイドバルブ87から油路141にライン圧PLが出力される。油路141は作動状態の第3シフトバルブ64を介して油路151に繋がり、油路151は作動状態の第1シフトバルブ60を介して油路152に繋がる。
油路152は4THクラッチ14に繋がっているので、第2リニアソレノイドバルブ87から出力されるライン圧PLが4THクラッチ14に供給されて、4THクラッチ14を完全係合し、4速段が設定される。
このように4速段が設定された4THモードから5速段に変速する制御を以下に説明する。このときには、まず4−5変速モードが設定された後に5THモードが設定されて5速段への変速が行われる。
4−5変速モードは、4THモードの状態から第1オン・オフソレノイドバルブ81がオフ作動されて設定される。これにより、第1シフトバルブ60のスプール61aが右方向に移動されて第1シフトバルブ60がセット状態となる。
4−5変速モードでは、図5に示すように、第2及び第3リニアソレノイドバルブ87,88から出力される制御油圧が用いられる。まず、第2リニアソレノイドバルブ87からの制御油圧は油路141に出力されるが、この油路141は作動状態の第3シフトバルブ64を介して油路151に繋がり、油路151は作動状態の第1シフトバルブ60を介して油路152に繋がる。油路152は4THクラッチ14に繋がっており、第2リニアソレノイドバルブ87から出力される制御油圧は4THクラッチ14に供給されて、その係合制御が行われる。
一方、第3リニアソレノイドバルブ88からは制御油圧が油路131に出力されるが、この油路131は作動状態の第2シフトバルブ62を介して油路132に繋がり、油路132はセット状態の第2カットバルブ92を介して油路161に繋がり、油路161は作動状態の第1シフトバルブ60を介して油路162に繋がり、油路162は作動状態の第1カットバルブ90を介して油路163に繋がる。油路163は5THクラッチ15に繋がっており、第3リニアソレノイドバルブ88から出力される制御油圧は5THクラッチ15に供給されて、その係合制御が行われる。
このように、4−5変速モードにおいては、第2リニアソレノイドバルブ87からの制御油圧により4THクラッチ14の係合を解除させながら、第3リニアソレノイドバルブ88からの制御油圧により、5THクラッチ15を係合させる制御を行って、4速段から5速段への変速制御が行われる。
このようにして、4−5変速モードにおいて4THクラッチ14が解放されて5THクラッチ15が係合されると、5THモードに移行する。5THモードにおいては、4−5変速モードの状態から第3オン・オフソレノイドバルブ83がオフ作動され、第3シフトバルブ64がセット状態となる。
それにより、第1及び第3オン・オフソレノイドバルブ81,83がオフとなり、第2オン・オフソレノイドバルブ82がオンとなるが、この状態はLOWモードと同一である。
しかしながら、LOWモードでは、第1カットバルブ90がセット状態で、第2カットバルブ92が作動状態でセルフロックされた状態にあり、5THモードでは第1カットバルブ90が作動状態でセルフロックされた状態にあり、第2カットバルブ92がセット状態にある点で相違する。
5THモードでは、第3リニアソレノイドバルブ88から油路131にライン圧PLが出力される。油路131は作動状態の第2シフトバルブ62を介して油路132に繋がり、油路132はセット状態の第2カットバルブ92を介して油路161に繋がり、油路161はセット状態の第1シフトバルブ60を介して、油路162に繋がり、油路162は作動状態の第1カットバルブ90を介して油路163に繋がる。
油路163は5THクラッチ15に繋がっているので、第3リニアソレノイドバルブ88から出力される制御油圧は5THクラッチ15に供給されて、5THクラッチ15が完全係合される。
5THからのシフトダウンは、これまで説明したアップシフトでのオン・オフソレノイドバルブ81〜84、カットバルブ90,92、リニアソレノイドバルブ86〜88の用い方を図5に示したパターンに従って逆に辿ることにより成立する。
ただし、2NDからLOWへのダウンシフトが、図5中の1−2変速モードではなく、(1)−2−3モードでのダウンシフトとなる。すなわちLOWクラッチ11への油圧供給は第1リニアソレノイドバルブ86により行われる。これにより、第2カットバルブ92はセット状態から作動状態に切り替えられる。
以上説明したように、マニュアルバルブ58がDポジションに位置した状態で、第1〜第3オン・オフソレノイドバルブ81,82,83のオン・オフ作動制御により、図5に示すように10種類のシフトモードが設定される。ここで、3個のオン・オフソレノイドバルブのオン・オフ作動の組み合わせでは、8種類のパターンしか設定できない。
しかしながら、上述したように、変速段階の途中において第1カットバルブ90がセット状態から作動状態に変更され、第2カットバルブ92が作動状態からセット状態に変更され、且つ一旦作動状態となるとライン圧PLにより第1及び第2カットバルブ90,92がセルフロックされて作動状態が維持されるようになっており、同一のオン・オフ作動の組み合わせパターンを用いて10種類のシフトモードが設定可能である。
以上説明した本発明の実施形態によると、第1又は第2カットバルブ90,92のフェイル状態で5TH信号を出力してもLOWクラッチ圧が発生しないため、特開2004−332862号に記載した制御装置で必要であった5TH信号が出力される以前の変速途中に正常時とは異なる変速段の油圧を発生させる必要がなく、従って油圧の事前の検知は不要となり、自動変速機はニュートラルとなる。
例えば、5TH信号出力時に第1カットバルブ90がフェイルしてセット状態となった場合には、両方のカットバルブ90,92ともセット状態となる。これにより、LOWクラッチ11〜5THクラッチ15のいずれにも油圧が供給されることはなく、自動変速機はニュートラルとなる。
他方、5TH信号出力時に第2カットバルブ92がフェイルして作動状態となった場合には、両方のカットバルブ90,92とも作動状態となる。これにより、LOWクラッチ11〜5THクラッチ15のいずれにも油圧が供給されることはなく、自動変速機はニュートラルとなる。
また、5TH走行中にカットバルブ90,92のセルフロック圧に対してこれ以下の想定外の油圧低下が発生した場合にも、第1カットバルブ90のセルフロックが解除されて第1カットバルブ90はセット状態となり、第2カットバルブ92はセット状態のままなので、LOWクラッチ圧が発生することがなく、自動変速機はニュートラルとなる。
さらに、LOW信号と5TH信号を第1及び第2カットバルブ90,92を用いて共用化することで、前進変速段(LOW〜5TH)の変速制御を3個のオン・オフソレノイドバルブ81,82,83を用いて構成することが可能となり、その結果コストダウンと燃費の向上を実現可能である。
図12を参照すると、本発明実施形態に係るLOW定常状態と、2ND定常状態と、3RD定常状態の間におけるモード遷移図が示されている。下記に示す表1がこのモード遷移図に対応している。
Figure 0004873896
このモード遷移図において、UP12´は1−2制御モードにおける1−2アップシフト、KD21´は1−2制御モードにおける2−1キックダウンシフト、TS21´は1−2制御モードにおける2−1停止シフトをそれぞれ示している。ここで、停止シフトTSはブレーキを踏んで減速してシフトしたことを示している。
また、UP12は1−2−3制御モードにおける1−2アップシフト、KD21は1−2−3制御モードにおける2−1キックダウンシフト、UP23は1−2−3制御モードにおける2−3アップシフト、KD32は1−2−3制御モードにおける3−2キックダウンシフト、KD31は1−2−3制御モードにおける3−1キックダウンシフトをそれぞれ示している。
さらに、TS21は1−2−3制御モードにおける2−1停止シフト、TS32は1−2−3制御モードにおける3−2停止シフト、TS31は1−2−3制御モードにおける3−1停止シフトをそれぞれ示している。
また、1MAX(A)はリニアソレノイドバルブA、即ちリニアソレノイドバルブ86から最大油圧がLOWクラッチ11に供給されることを、1MAX(C)はリニアソレノイドバルブC、即ちリニアソレノイドバルブ88から最大油圧がLOWクラッチ11に供給されることを意味する。
なお、表1においては、図12のモード遷移図に示されたUP23変速モード、KD32変速モード、KD31変速モード、TS32変速モード、TS31変速モードが省略されている。
図12のモード遷移図及び表1から明らかなように、本実施形態では、アップシフト中はロックアップクラッチ制御を優先させるためダウンシフトとは異なるリニアソレノイドバルブ構成で変速を実施している。
(1)で示される1−2アップシフトでは、リニアソレノイドバルブA、即ちリニアソレノイドバルブ86がロックアップクラッチを制御し、リニアソレノイドバルブB、即ちリニアソレノイドバルブ87が2NDクラッチ12を制御し、リニアソレノイドバルブC、即ちリニアソレノイドバルブ88がLOWクラッチ11を制御している。
これに対して、(6)で示される2−1キックダウンシフト及び(9)で示される2−1停止シフトは1−2−3制御モードで制御され、この制御モードではリニアソレノイドバルブA、即ちリニアソレノイドバルブ86がLOWクラッチ11を制御し、リニアソレノイドバルブB、即ちリニアソレノイドバルブ87が2NDクラッチ12を制御し、リニアソレノイドバルブC、即ちリニアソレノイドバルブ88が3RDクラッチ13を制御する。
図12の(5)で示される2−1キックダウンシフトは1−2アップシフト中にキックダウンを行った特殊な変速状態であり、この場合には変速をスムーズに実施するためリニアソレノイドバルブの受け持ち構成をアップシフトから変えずに制御する。
すなわち、表1にはフラグ‘0’で示される1−2制御モード及びフラグ‘1’で示される1−2−3制御モードが示されているが、一旦これらの制御モードに入った場合には変速モードが変化してもリニアソレノイドバルブの割り当てを変えずに制御するようにしている。
このように、本実施形態ではアップシフト中はロックアップクラッチの制御を優先させるため、ダウンシフトとは異なるリニアソレノイドバルブの割り当て構成で制御しているので、図5に示すようにLOW〜5THまでの各変速段においてロックアップクラッチの容量制御が可能となり、燃費の向上を図ることができる。さらに、1−2制御モード又は1−2−3制御モード中はリニアソレノイドバルブの割り当てを変えずに制御しているので、スムーズなシフトが可能である。
次に、リニアソレノイドバルブ86(リニアソレノイドバルブA)が高圧フェイル(高い油圧を出力し続ける)している場合の、本発明の制御方法について説明する。図13はリニアソレノイドバルブ86が高圧フェイルしている場合の、各変速モードと、発生事象との関係を示している。各変速モードにおいて、符号/の左側はアップシフトの発生事象を、右側はダウンシフトの発生事象をそれぞれ示している。
N−D変速モード、即ちLOWインギヤモードでは、第1リニアソレノイドバルブ86が高圧フェイルしていると、第1リニアソレノイドバルブ86がLOWクラッチ11に連通されているため、LOWクラッチ11に最大油圧が供給される。すなわちこの場合、LOWクラッチ11が急係合され、多少のショックを伴うがそれほど大きな問題とはならない。
1−2変速モードでは、2−1キックダウンシフト時にLOWクラッチ11に最大油圧が供給される。この場合、LOWクラッチ11が急係合されるため、多少のショックを伴うがそれほど大きな問題とはならない。
2−3変速モードのアップシフト時には、ロックアップクラッチ信号がオンのとき、第4オン・オフソレノイドバルブ84がオン作動され、第1リニアソレノイドバルブ86はロックアップクラッチの締結制御に使用されているため、ロックアップクラッチが急激に係合することはあるが、それほど大きな問題とはならない。
一方、2−3変速モードのアップシフト時にロックアップクラッチ信号がオフ(第4オン・オフソレノイドバルブ84がオフ)の場合には、第1リニアソレノイドバルブ86はLOWクラッチ11に連通されるため、2−3アップシフト中にLOWクラッチ11が急激に係合されてしまい、急激なエンジンブレーキが発生する場合がある。
また、2−3変速モードの3−2キックダウンシフトでは、図5から明らかなようにロックアップクラッチがオフにされ、第1リニアソレノイドバルブ86はLOWクラッチ11の締結制御に使用される。よってこの場合、3−2キックダウンシフト時に、LOWクラッチ11が急激に係合されてしまい、3−1キックダウンシフトと同様な急激な減速を受ける。
このように、リニアソレノイドバルブ86が高圧フェイルしている場合、ロックアップクラッチ信号がオフ状態のまま2−3アップシフトへ移行すると、変速中にLOWクラッチ11が急係合されてしまい、急激なエンジンブレーキが発生する場合がある。
よって、本発明ではこれを阻止するため、2−3アップシフト制御中は第4オン・オフソレノイドバルブ84を常にオン作動させ、第1リニアソレノイドバルブ86の油圧経路をロックアップクラッチの制御側に連通させる。そして、第1リニアソレノイドバルブ86の出力を0に制御する。
すなわち、2−3アップシフト時には、第4オン・オフソレノイドバルブ84を常にオン作動させ、第1リニアソレノイドバルブ86の油圧経路をロックアップクラッチの制御側に常に連通させておく。
そして、ロックアップクラッチ信号オフのときには、第1リニアソレノイドバルブ86の出力を0に制御することにより、上述した問題、すなわち2−3アップシフト中に第1リニアソレノイドバルブ86が高圧フェイルしていても、LOWクラッチ11が急係合されることを防止できる。
ロックアップクラッチ信号がオンのときには、第4オン・オフソレノイドバルブ84がオン作動されて第1リニアソレノイドバルブ86の油圧経路がロックアップクラッチの制御側に連通されるため、何も特別な制御をとる必要はない。
よって、本制御の場合、第4オン・オフソレノイドバルブ84がオン作動され、第1リニアソレノイドバルブ86の油圧経路がLOWクラッチ11の制御側に連通されるのは、3−2キックダウンシフトの場合のみである。
この場合には、上述したように3−2キックダウンシフト時にLOWクラッチ11が急激に係合され、車両が急激に減速されるが、ダウンシフトであるためそれほど大きな問題とはならない。
次に、図14(A)〜図14(C)を参照して、上述した問題を回避する他の制御方法について説明する。図14(A)〜図14(C)において、F LCSOLMはLCソレノイドモニタフラグを示しており、本制御はこのフラグが0のとき実施する。
また、‘A’は第1リニアソレノイドバルブ86が高圧フェイル時、LOWクラッチ11が急係合されても急激なエンジンブレーキ発生に至らない時間であり、‘B’は第1リニアソレノイドバルブ86が正常時、ロックアップクラッチの容量発生に至らない時間である。
まず、図14(A)に示すように、2−3アップシフトに入ったとき、ロックアップクラッチ信号がオフのとき本制御を開始する。すなわち、A時間の間ソレノイドD、即ち第4オン・オフソレノイドバルブ84をオフ作動させ、次いでB時間の間オン作動させる。
このように2−3アップシフト中第4オン・オフソレノイドバルブ84のオン・オフ作動を所定周期で繰り返す。このときも、上述した制御手法と同様に、第1リニアソレノイドバルブ86の出力を0に制御する。
図14(B)は2−3アップシフト中にロックアップクラッチ信号がオフになった場合を示しており、ロックアップクラッチ信号がオフになるのと同時に本制御を開始し、第1リニアソレノイドバルブ86の油圧経路をロックアップクラッチ制御側とLOWクラッチ11制御側に周期的に変更する。
このときも、第1リニアソレノイドバルブ86が正常時にロックアップクラッチ又はLOWクラッチ11に油圧が供給されるのを防止するため、第1リニアソレノイドバルブ86の出力を0に制御する。
図14(C)は2−3アップシフト開始時にはロックアップクラッチ信号がオフのため本制御を開始するが、2−3アップシフト進行中にロックアップクラッチがオン作動されたため、本制御を終了する実施形態のタイムチャートである。このときにも、制御中は第1リニアソレノイドバルブ86の出力を0に制御する。
図14(A)〜図14(C)に示した実施形態によると、第1リニアソレノイドバルブ86の油圧経路を、ロックアップクラッチの制御側とLOWクラッチ11の制御側に周期的に変更しているため、ロックアップクラッチの負担を軽減することが可能である。
再び図13を参照すると、3−4変速モードでは、ロックアップクラッチ信号オフのときの3−4アップシフト及び4−3キックダウンシフトの双方とも、第1リニアソレノイドバルブ86が2NDクラッチ12に連通され、2NDクラッチ12に最大油圧が供給されるが、本発明の油圧回路では2NDクラッチ12の油圧供給路に油圧スイッチを設け、3−4変速中にこの油圧スイッチが最高圧を検出した場合、2NDクラッチ12を係合させないように制御しているため、大きな問題とはならない。
本発明に係る変速制御装置及びこの変速制御装置により制御される自動変速機の全体構成を示す概略ブロック図である。 本発明に係る変速制御装置により変速制御される5速自動変速機の動力伝達系を示すスケルトン図である。 5速自動変速機の軸位置関係を示す概略図である。 5速自動変速機の変速制御装置の構成を示す油圧回路図である。 各変速モードと第1乃至第4オン・オフソレノイドバルブ、第1及び第2カットバルブ、第1乃至第3リニアソレノイドバルブの作動状態との関係を示す図である。 図4の油圧回路の一部を拡大して示す油圧回路図である。 図4の油圧回路の一部を拡大して示す油圧回路図である。 図4の油圧回路の一部を拡大して示す油圧回路図である。 図4の油圧回路の一部を拡大して示す油圧回路図である。 図4の油圧回路の一部を拡大して示す油圧回路図である。 図4の油圧回路の一部を拡大して示す油圧回路図である。 LOW定常状態と、2ND定常状態と、3RD定常状態との間における変速モードの遷移を示すモード遷移図である。 第1リニアソレノイドバルブが高圧フェイルした場合、各変速モードにおける発生事象を示す図である。 図14(A)〜図14(C)は第1リニアソレノイドバルブの油圧経路を、ロックアップクラッチの制御側とLOWクラッチの制御側に周期的に変更する制御のタイムチャートであり、図14(A)は2−3アップシフト中の全期間に渡り本制御を実行しているタイムチャート、図14(B)は2−3アップシフト中の途中において本制御の実施を開始するタイムチャート、図14(C)は2−3アップシフトの途中において本制御を終了するタイムチャートをそれぞれ示している。
符号の説明
TM 平行軸式変速機構(自動変速機)
CV 変速制御バルブ(油圧制御バルブ)
11 LOWクラッチ(摩擦係合要素)
12 2NDクラッチ(摩擦係合要素)
13 3RDクラッチ(摩擦係合要素)
14 4THクラッチ(摩擦係合要素)
15 5THクラッチ(摩擦係合要素)
50 メインレギュレータバルブ
58 マニュアルバルブ
60,62,64,66 第1〜第4シフトバルブ
81〜84 第1〜第4オン・オフソレノイドバルブ
86〜88 第1〜第3リニアソレノイドバルブ
90 第1カットバルブ
92 第2カットバルブ

Claims (2)

  1. 駆動力伝達を行う複数の動力伝達経路を有する動力伝達機構と、
    前記動力伝達経路を選択するための複数のクラッチと、
    前記クラッチへの係合制御油圧の供給制御を行う油圧制御バルブ群とを具備して構成され、
    前記油圧制御バルブ群が、元圧供給源から供給されるライン圧を任意に調圧可能な複数のリニアソレノイドバルブと、ライン圧もしくは前記リニアソレノイドバルブにより調圧された変速制御油圧を選択的に前記クラッチに供給させるように油路選択を行う複数のシフトバルブ及び複数のカットバルブと、前記シフトバルブに作動制御油圧を供給してその作動を制御する複数のオン・オフソレノイドバルブを備え、前記複数のカットバルブは作動されたときに作動状態でセルフロックされる機能を有しており、
    前記複数のオン・オフソレノイドバルブのオン・オフ作動の組み合わせに応じて前記複数のシフトバルブの作動を制御して油路選択を行い、前記複数のクラッチを選択作動させて複数の変速段を設定するように構成されており、
    前記複数のカットバルブの作動状態及びセット状態のそれぞれにおいて、前記複数のオン・オフソレノイドバルブの同一オン・オフ作動組み合わせパターンが設定されて異なる変速段を設定するようになっている自動変速機の変速制御装置において、
    前記自動変速機はトルクコンバータをロックアップ可能なロックアップクラッチを備え、
    ロックアップクラッチ信号オンの第1の運転状態で該ロックアップクラッチの係合制御に使用され、ロックアップクラッチ信号オフの第2の運転状態で低速変速段用クラッチの係合制御に使用される第1リニアソレノイドバルブの油圧経路を、所定の変速制御を行う場合、ロックアップクラッチ信号オフのときには前記ロックアップクラッチの制御側に連通させ、
    前記第1リニアソレノイドバルブの出力を所定値に低下させる制御を行うことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 前記所定の変速制御を行う場合、前記ロックアップクラッチの制御側と前記低速変速段用クラッチの制御側に周期的に変更することを特徴とする請求項1記載の自動変速機の変速制御装置。
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