JP4873779B2 - フォトマスク、パターン欠陥検査方法、及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

フォトマスク、パターン欠陥検査方法、及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は写真製版に用いられるフォトマスク、並びに、このフォトマスクを用いたパターン欠陥検査方法及び半導体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体デバイスに対して高速化及び大容量化が要求されており、デバイス自体の微細化が進められている。さらに、情報処理の多様化により半導体メモリーとロジックLSIを組み合わせたシステムLSIの開発も進められている。その一例として、DRAMとロジックLSIを混載したいわゆるeDRAM(embedded DRAM)が挙げられる。このeDRAMは、大容量の画像処理を高速で実行することができる特長がある。
【0003】
図5は、一般的な半導体デバイスとしてのDRAMの構造を説明するための断面図である。図5において、参照符号101は半導体基板、102は素子分離領域、103はゲート絶縁膜、104は導電膜としてのポリシリコン膜、105はタングステンシリサイド(WSi)膜、106及び107は絶縁膜、108は側壁保護絶縁膜、109及び115はストレージノードにコンタクトするポリプラグを示している。また、110,111,113,116,117,120,122は層間絶縁膜としての窒化膜あるいは酸化膜を示している。また、112及び121はメタル配線、118は下部電極のストレージノード、119は上部電極を示している。
【0004】
図5に示すような半導体デバイス(DRAM)は、絶縁膜や導電膜を形成する成膜工程、コンタクトホールやトレンチを形成するエッチング工程、CMP法を用いた平坦化処理工程、及び、レジストパターンを形成する写真製版工程等の複数の製造工程を経て製造される。
【0005】
また、従来より、上記各製造工程の前後において、製品上の異物を管理するために、パターン欠陥検査が実施されている。このパターン欠陥検査とは、SEM(scanning electron microscope)や光学顕微鏡を用いて、異物や露光不良又はエッチング不良等に起因した不良パターンを特定するための検査のことである。また、近年、その検査方法も用途に応じて多種存在するようになってきた。
【0006】
次に、従来の写真製版工程で使用されていたフォトマスクについて説明する。
図6は、従来のフォトマスクを説明するための図であり、図7(a)は、図6で示した従来のマスク寸法検査マークを説明するための図である。
図6及び図7(a)において、参照符号10はフォトマスク、2は製品パターン、13はマスク寸法検査マーク、4はラインパターンを示している。
【0007】
図6に示すフォトマスク10は、製品パターン2と、この製品パターン2の周辺にマスク寸法検査マーク13と、が描画されたレチクルである。
製品パターン2は、実際の製品の回路パターンである。
マスク寸法検査マーク13は、フォトマスク製造時に、その加工精度を測定するためのものである。従って、マスク寸法検査マーク13のパターンは、写真製版工程においては本来不要であり、デバイスの動作とは無関係のパターンである。
【0008】
また、図7(a)に示すように、マスク寸法検査マーク13は、製品パターン2の線幅と略等しいラインパターン4を複数含んでいる。
【0009】
次に、従来のフォトマスク10を用いたパターン欠陥検査方法について説明する。
図7(b)は、従来のフォトマスクを用いたパターン欠陥検査方法について説明するための断面図である。
図7(b)に示すように、先ず、半導体基板21上に、シリコン窒化膜22を500Å程度LPCVD法により形成する。次に、シリコン窒化膜22上に、シリコン酸化膜23を8000Å程度LPCVD法により形成する。そして、シリコン酸化膜23上に、フォトレジスト膜(図示省略)を形成する。
【0010】
次に、図6に示したフォトマスク11を用いて露光を行い、レジストパターン(図示省略)を形成する。そして、このレジストパターンをマスクとして、ドライエッチングを行う。このドライエッチングにより、図7(a)に示したマスク寸法検査マーク13に対応する開口部28がシリコン酸化膜23内に形成される。
【0011】
続いて、開口部28の内面およびシリコン酸化膜23上に、例えばTiN又はTaNのバリアメタル膜25を1000Å程度形成する。そして、バリアメタル膜25上に、例えばタングステン膜26を4000Å程度スパッタリング法により形成する。さらに、シリコン酸化膜23上の不要なタングステン膜26及びバリアメタル膜25をCMP法により除去すると、図7(b)に示すような構造が得られる。
【0012】
次に、以上のようにして形成されたパターンのうち、製品パターン(図示省略)の欠陥検査をSEM又は光学顕微鏡を用いて行う。そして、欠陥パターンが発見されると、その位置(座標)を、マスク寸法検査マーク13に対応するパターンを原点(座標基準)として特定する。
【0013】
上述のように、パターン欠陥検査において欠陥パターンの座標を特定する際に、その座標基準としてマスク寸法検査マークを利用することは、座標を精度良く特定するための有効な手段である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、半導体デバイスすなわち製品パターン2の微細化に伴って、マスク寸法検査マーク13も本来の用途のため、微細化してきている。
このため、従来のフォトマスク10を用いて半導体基板上に露光したマスク寸法検査マーク3は見えにくいという問題があった。
特に、図7(a)に示すようにマスク寸法検査マーク13が微細化、すなわちラインパターン4が微細化すると、図7(b)に示すように、タングステン膜26を少量成膜する場合でも開口部28が完全に埋め込まれてしまう。さらに、タングステン膜26を成膜した後CMPにより平坦化処理すると、表面が鏡面状態となり、微細なラインパターン4が一層見えにくくなってしまう。
従って、パターン欠陥検査時に、半導体基板上に露光されたマスク寸法検査マークを、座標基準として使用することが困難であった。これにより、欠陥パターンの座標特定を精度良く行うことができないという問題があった。
【0015】
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたもので、フォトマスクに描画されたマスク寸法検査マークを利用して、パターン欠陥検査を精度良く実行することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係るフォトマスクは、写真製版に用いられるフォトマスクであって、製品パターンと、該製品パターンの少なくとも4隅周辺に配置されたマスク寸法検査マークと、を備える。そして、該マスク寸法検査マークは、該製品パターンの周辺に配置され、該製品パターンの線幅と等しい線幅のラインパターンと、該ラインパターンに隣接して配置され該ラインパターンよりも幅が広い、該製品パターンの欠陥を検査する際の座標基準として用いる基準パターンと、を有する
【0017】
請求項2の発明に係るフォトマスクは、請求項1に記載のフォトマスクにおいて、
前記基準パターンは、幅が2〜3μmのラインパターンを含むことを特徴とするものである。
【0018】
請求項3の発明に係るフォトマスクは、請求項1又は2に記載のフォトマスクにおいて、
前記基準パターンは、幅が2〜3μmのパッドパターンを含むことを特徴とするものである。
【0020】
請求項の発明に係るパターン欠陥検査方法は、請求項1から何れかに記載のフォトマスクを用いて半導体基板上に前記製品パターン及び前記基準パターンを露光し、前記基準パターンを座標基準として前記製品パターンの欠陥を検査することを特徴とするものである。
【0021】
請求項の発明に係る半導体装置の製造方法は、請求項1から何れかに記載のフォトマスクを用いて、半導体基板上に前記製品パターン及び前記基準パターンを露光する工程と、前記基準パターンを座標基準として、前記製品パターンの欠陥を検査する工程と、を含むことを特徴とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付してその説明を簡略化ないし省略することがある。
【0023】
図1は、本発明の実施の形態によるフォトマスクを説明するための図である。図2(a)は、図1に示したマスク寸法検査マークを説明するための図である。
【0024】
図1及び図2(a)において、参照符号1はフォトマスク、2は製品パターン、3はマスク寸法検査マーク、4はラインパターン、5は基準パターンを示している。
また、本実施の形態によるフォトマスク1と、従来のフォトマスク10との相違点は、マスク寸法検査マーク3にある。
【0025】
図1に示すように、フォトマスク1は、製品パターン2と、この製品パターン2の少なくとも4隅周辺に配置されたマスク寸法検査マーク3と、が描画されたレチクルである。このフォトマスク1は、半導体製造工程の1つである写真製版工程で用いられる。
製品パターン2は、実際の製品の回路パターンである。
マスク寸法検査マーク3は、フォトマスク製造時に、その加工精度を測定するためのものである(詳細は後述)。
【0026】
また、図2(a)に示すように、マスク寸法検査マーク3は、ラインパターン4と、このラインパターン4に隣接して配置された基準パターン5と、を含んでいる。
【0027】
ラインパターン4は、製品パターン2の線幅すなわち製品(半導体装置)の加工線幅と等しい幅を有するものである。例えば、製品パターン2が0.18μmのラインパターンである場合、ラインパターン4の線幅はこれに対応して0.18μmである。
このラインパターン4は、マスク寸法検査マーク3の本来の目的であるフォトマスク1の加工精度を測定するためのものである。すなわち、フォトマスク製造後、このラインパターン4のライン幅を測定することによって、フォトマスク1の良品/不良品が判断される。
【0028】
基準パターン5は、ラインパターン4よりも幅の広いラインパターンである。基準パターン5の線幅は、例えば2〜3μmである。
また、基準パターン5は、上記フォトマスク1の良品/不良品の判断には使用されるものではなく、後述するパターン欠陥検査の座標基準となるためのものである。すなわち、欠陥パターンの位置特定は、基準パターン5を基準として行われる(後述)。
【0029】
以上説明したフォトマスク1について要約すると、フォトマスク1は、製品パターン2と、この製品パターン2の周辺に配置されるマスク寸法検査マーク3と、を有している。そして、マスク寸法検査マーク3は、製品パターン2の線幅と略等しい線幅のラインパターン4と、このラインパターン4に隣接して配置されラインパターン4よりも幅が広い基準パターン5とを含んでいる。
【0030】
次に、本実施の形態によるフォトマスクを用いたパターン欠陥検査方法について説明する。
【0031】
図2(b)は、本発明の実施の形態によるフォトマスクを用いたパターン欠陥検査方法について説明するための断面図である。
図2(b)に示すように、先ず、半導体基板21上に、シリコン窒化膜22を500Å程度LPCVD(low pressure chemical vapor deposition)法により形成する。
【0032】
次に、シリコン窒化膜22上に、シリコン酸化膜23を8000Å程度LPCVD法により形成する。そして、シリコン酸化膜23上に、フォトレジスト膜(図示省略)を形成する。
【0033】
次に、図1に示したフォトマスク1を用いて露光を行い、レジストパターン(図示省略)を形成する。そして、このレジストパターンをマスクとして、ドライエッチングを行う。このドライエッチングにより、図2(a)に示した製品パターン2に対応するパターン(図示省略)が形成されるとともに、マスク寸法検査マーク3に対応するパターン、すなわちラインパターン4に対応する開口部24b及び基準パターン5に対応する開口部24aがシリコン酸化膜23内に形成される。
【0034】
続いて、開口部24a,24bの内面およびシリコン酸化膜23上に、例えばTiN又はTaNのバリアメタル膜25を1000Å程度形成する。そして、バリアメタル膜25上に、例えばタングステン膜26を4000Å程度スパッタリング法により形成する。さらに、シリコン酸化膜23上の不要なタングステン膜26及びバリアメタル膜25をCMP法により除去すると、図2(b)に示すようなパターン構造が得られる。
【0035】
次に、以上のようにして形成されたパターンのうち、製品パターン(図示省略)の欠陥検査をSEM又は光学顕微鏡を用いて行う。そして、欠陥パターンが発見されると、その欠陥パターンの位置(座標)を、上記マスク寸法検査マーク3に対応するパターンを原点(座標基準)として特定する。
【0036】
この時、図2(a)及び図2(b)に示すように、製品パターン2に伴って微細化されたラインパターン4に対応する開口部24bは、完全にタングステン膜25が埋め込まれている。
一方、基準パターン5に対応する開口部24aは、タングステン膜25が完全に埋め込まれず、表面に溝27が残存する。従って、マスク寸法検査マーク3が、パターン欠陥検査における座標基準(原点)として有効に利用される。
【0037】
以上説明したように、本実施の形態によるフォトマスク1では、マスク寸法検査マーク3に、製品パターン2の加工線幅よりも広い幅の基準パターン5を含ませることとした。
そして、このフォトマスク1を用いて写真製版工程及びエッチング工程を行うことにより、基準パターン5に対応するパターンが半導体基板上に形成される。このパターンの幅は例えば2〜3μmであり、製品パターン2の線幅よりも広い。
従って、製品パターン2が微細化された場合でも、基準パターン5に対応するパターンを、パターン欠陥検査の座標基準として用いることができる。
これにより、欠陥パターンの位置特定時に、座標の精度を向上させることができる。よって、パターン欠陥検査を精度良く行うことができ、信頼性の高い半導体デバイスを製造することができる。
【0038】
なお、本実施の形態では、マスク寸法検査マーク3に含まれる4つの基準パターン5を、図2(a)に示すように配置した。基準パターン5の数又は配置についてはこれに限られない。例えば、1つの基準パターン5を、ラインパターン4に隣接して配置してもよい。
また、基準パターン5の配置位置は、ラインパターン4に隣接する位置に限られない。すなわち、フォトマスク1上で且つ製品パターン2の周辺であれば、その配置位置は任意である。
また、基準パターン5の幅を2〜3μmとしたが、パターン欠陥検査においてその基準パターン5を認識できる幅であれば任意であってよい。
【0039】
また、本実施の形態では、平坦化処理工程後にパターン欠陥検査を行ったが、フォトマスク1を用いた写真製版工程後であれば、他の製造工程の前後にパターン欠陥検査を行ってもよい。
【0040】
次に、本実施の形態によるフォトマスクの変形例、より詳細にはマスク寸法検査マークの変形例について説明する。
【0041】
図3は、本実施の形態によるフォトマスクに配置されたマスク寸法検査マークの第1の変形例を説明するための図である。図4は、本実施の形態によるフォトマスクに配置されたマスク寸法検査マークの第2の変形例を説明するための図である。
【0042】
図3に示すマスク寸法検査マークと、図2(a)に示したマスク寸法検査マークとの相違点は、基準パターン6がラインパターンではなくパッドパターンであることである。また、基準パターン6としてのパッドパターンの幅は、例えば2〜3μmである。
このように、基準パターンをパッドパターン6とした場合も、上記ラインパターン5の場合と同様の効果が得られる。すなわち、写真製版工程により半導体基板上に形成された基準パターン6を、パターン欠陥検査の際に座標基準として用いることができる。従って、欠陥パターンの座標特定を精度良く行うことができる。
【0043】
また、図4に示すマスク寸法検査マークにおいて、基準パターンは、図2(a)に示したラインパターン5と、図3に示したパッドパターン6の両方を含んでいる。
この場合も、写真製版工程により半導体基板上に形成された基準パターン(ラインパターン)5又は基準パターン(パッドパターン)6を、パターン欠陥検査の際に座標基準として用いることができる。従って、欠陥パターンの座標特定を精度良く行うことができる。
【0044】
【発明の効果】
請求項1から4何れかの発明によれば、パターン欠陥検査の座標基準として利用可能なマスク寸法検査マークを含むフォトマスクを提供することができる。
【0045】
請求項5の発明によれば、マスク寸法検査マークを座標基準として、パターン欠陥検査を精度良く行うことができる。
【0046】
請求項6の発明によれば、マスク寸法検査マークを座標基準として、パターン欠陥検査を精度良く行うことができるため、信頼性の高い半導体装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態によるフォトマスクを説明するための図である。
【図2】 (a)は、図1に示したマスク寸法検査マークを説明するための図であり、(b)は、本発明の実施の形態によるフォトマスクを用いたパターン欠陥検査方法について説明するための断面図である。
【図3】 本実施の形態によるフォトマスクに配置されたマスク寸法検査マークの第1の変形例を説明するための図である。
【図4】 本実施の形態によるフォトマスクに配置されたマスク寸法検査マークの第2の変形例を説明するための図である。
【図5】 一般的な半導体デバイスとしてのDRAMの構造を説明するための断面図である。
【図6】 従来のフォトマスクを説明するための図である。
【図7】 (a)は、図6で示した従来のマスク寸法検査マークを説明するための図であり、(b)は、従来のフォトマスクを用いたパターン欠陥検査方法について説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 フォトマスク、2 製品パターン、3 マスク寸法検査マーク、4 ラインパターン、5 基準パターン(ラインパターン)、6 基準パターン(パッドパターン)、21 半導体基板、22 シリコン窒化膜、23 シリコン酸化膜、24 開口部、25バリアメタル膜、26 タングステン膜。

Claims (5)

  1. 写真製版に用いられるフォトマスクであって、
    製品パターンと、
    前記製品パターンの少なくとも4隅周辺に配置されたマスク寸法検査マークと、を備え、
    前記マスク寸法検査マークは、
    前記製品パターンの周辺に配置され、前記製品パターンの線幅と等しい線幅のラインパターンと、
    前記ラインパターンに隣接して配置され前記ラインパターンよりも幅が広い、前記製品パターンの欠陥を検査する際の座標基準として用いる基準パターンと、を有することを特徴とするフォトマスク。
  2. 請求項1に記載のフォトマスクにおいて、
    前記基準パターンは、幅が2〜3μmのラインパターンを含むことを特徴とするフォトマスク。
  3. 請求項1又は2に記載のフォトマスクにおいて、
    前記基準パターンは、幅が2〜3μmのパッドパターンを含むことを特徴とするフォトマスク。
  4. 請求項1から何れかに記載のフォトマスクを用いて半導体基板上に前記製品パターン及び前記基準パターンを露光し、前記基準パターンを座標基準として前記製品パターンの欠陥を検査することを特徴とするパターン欠陥検査方法。
  5. 請求項1から何れかに記載のフォトマスクを用いて、半導体基板上に前記製品パターン及び前記基準パターンを露光する工程と、
    前記基準パターンを座標基準として、前記製品パターンの欠陥を検査する工程と、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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