JP4873630B2 - ピッチ偏差表示方法、調律器 - Google Patents
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Description
機械式の調律器(針が指す位置でピッチ偏差を示す装置)のなごりもあり、従来の調律器では、無音状態あるいは入力音のピッチが検出されない状態のときに左端が点灯している。そして、音が入力され入力音ピッチが検出されると、針が振れるように、入力音ピッチの値を示す位置まで、点灯するLEDまたはLCDが移動する。針が振れるように移動するのは、人の目がピッチ偏差の変化に追従しやすいことも1つの理由である。その後は、徐々に入力音ピッチが下がっていくので、入力音ピッチに追従して点灯するLEDまたはLCDも移動し、サスティーンで入力音ピッチが安定した時に移動が停止し、入力音ピッチが検出不能状態になった時点で左端に戻る。この方法では、アタックでのピッチ偏差が正確に表示できない。しかし、調律では、サスティーンでの入力音ピッチ調節することが一般的なので、このような表示器でも問題なかった。
ところが、アタックでの入力音ピッチとサスティーンでの入力音ピッチの両方や、音の変化を確認しながら調律することも求められるようになり、従来の技術では対応できなくなった。
本発明は、アタックでの入力音ピッチとサスティーンでの入力音ピッチの両方や、入力音ピッチの変化を確認しながら調律できるピッチ偏差表示方法や調律器を提供することを目的とする。
また、表示素子がLCDの場合には、ピッチ偏差表示制御部が、表示状態とするLCDが所定の範囲以上に変化する時は、表示状態とするLCDの他に、当該LCDと隣接するLCDも所定の時間表示状態となるように制御してもよい。
したがって、アタックでの音とサスティーンでの音の両方や、音の変化を確認できる。また、ノートが異なった範囲までピッチ偏差が変化した場合には、直前の入力音ピッチのピッチ偏差の表示位置に拘わらず、遅滞なく新しいノートと新しい入力音ピッチのピッチ偏差の表示位置を表示することで、ピッチ偏差の変化が同一のノートの範囲を超えた場合でも、新しいアタックでの入力音ピッチを表示することができる。
また、表示素子がLCDの場合には、ピッチ偏差表示制御部が、表示状態とするLCDが所定の範囲以上に変化する時は、表示状態とするLCDの他に、当該LCDと隣接するLCDも所定の時間表示状態となるように制御する。したがって、ピッチ偏差の変化が激しい場合でも、表示位置を判別し易くできる。
[第1実施形態]
図5に本発明の第1実施形態の調律器の機能構成例を、図6にこの調律器の処理フローを示す。調律器100は、入力部910、ピッチ検出部920、ノート判別部130、ピッチ偏差判別部940、ピッチ偏差表示制御部150(150’)、ピッチ偏差表示部960(960’)、記録部190を備えている。また、従来の調律器と同じように、ノート表示制御部955とノート表示部965も備えてもよい。ノート判別部130は、ジャンプ判定手段131を有しており、ピッチ偏差表示制御部150(150’)は割り込みタイマー951とジャンプ確認手段152を有している。また、ピッチ偏差表示部960は表示素子としてLEDを用いており、ピッチ偏差表示部960’は表示素子としてLCDを用いている。ピッチ偏差表示制御部150は、ピッチ偏差表示部960を制御するためのピッチ偏差表示制御部であり、ピッチ偏差表示制御部150’は、ピッチ偏差表示部960’を制御するためのピッチ偏差表示制御部である。
図6の処理フローは、ステップS930までは図4の処理フローと同じである。ノート判別部130では、ステップS930でノートを判別した後、ジャンプ判定手段131が、判別したノートが記録部190に記録されているノート(前回判定したノートに該当する)と同一かを確認する(S131)。ノートのデータが記録されていない場合、記録部のノートの情報と前記ノート判別ステップで判別したノートとが異なる場合には、ステップS131は、NOである。この場合は、ジャンプメータフラグ(JAMPMETER)をONにし、記録部190に記録する(S132)。また、新しいノートを記録部190に記録する(S931)。ステップS131がYESの場合には、ステップS940に進む。ステップS940(ピッチ偏差の計算と記録)が修了するとステップS910に戻り、処理を繰り返すことは図4と同じである。
[第2実施形態]
図9に、第2実施形態の調律器の機能構成例を示す。また、図10に、第2実施形態の調律器の処理フローを示す。調律器200は、入力部210、入力音のピッチを検出するピッチ検出部220、入力音のピッチに最も近いノートを判別するノート判別部230、入力音のピッチとノートから決まる基準ピッチとのピッチ偏差を判別するピッチ偏差判別部240、LED素子の点灯によってピッチ偏差を表示するピッチ偏差表示部960、ピッチ偏差表示部960を制御するピッチ偏差表示制御部250から構成される。入力部210は、楽器の音を取り込み、電気信号として出力する構成部である。楽器の音を取り込む方法としては、入力部210に内蔵マイクを備えさせ、内蔵マイクから音を取り込む方法、外付けのマイクから電気信号として取り込む方法などがある。
[変形例]
図11に、第2実施形態の変形例の調律器の機能構成例を示す。また、図12に、本変形例の調律器の処理フローを示す。調律器300は、入力部210、入力音のピッチを検出するピッチ検出部220、入力音のピッチに最も近いノートを判別するノート判別部230、入力音のピッチとノートから決まる基準ピッチとのピッチ偏差を判別するピッチ偏差判別部240、LCD素子の点灯によってピッチ偏差を表示するピッチ偏差表示部960’、ピッチ偏差表示部960’を制御するピッチ偏差表示制御部350から構成される。図9の調律器200との違いは、ピッチ偏差表示制御部350とピッチ偏差表示部960’である。
このような処理なので、楽器の音が入力された場合のLEDを用いたピッチ偏差表示部960’の変化は、図8と同じとなる。したがって、アタックでの音とサスティーンでの音の両方や、音の変化を確認できる。また、ノートが異なった範囲までピッチ偏差が変化した場合には、直前の入力音ピッチのピッチ偏差の表示位置に拘わらず、遅滞なく新しいノートと新しい入力音ピッチのピッチ偏差の表示位置を表示することで、ピッチ偏差の変化が同一のノートの範囲を超えた場合でも、新しいアタックでの入力音ピッチを表示することができる。さらに、ピッチ偏差の変化が激しい場合でも、表示位置を判別し易くできる。
Claims (6)
- 入力音から判別されたピッチと前記ピッチから判別されたノートから決まる基準ピッチとのピッチ偏差を、複数の表示素子のどの表示素子を表示状態にするかによって示すピッチ偏差表示方法であって、
入力音を取り込む入力ステップと、
入力音がピッチを検出できる状態かを判断する検出判断ステップと、
入力音のピッチを検出するピッチ検出ステップと、
前記検出判断ステップでピッチを検出できる状態と判断した場合に、前記ピッチ検出ステップで判定された入力音のピッチからノートを判別するノート判別ステップと、
前記ピッチと前記ノートから決まる基準ピッチとのピッチ偏差を求めるピッチ偏差判別ステップと、
前記ノートが変化した場合には、前記ピッチ偏差に対応する表示素子を表示状態にし、その他の場合には、直前に表示状態となっている表示素子から前記ピッチ偏差に対応する表示素子まで、表示状態となる表示素子を段階的に移動させるピッチ偏差表示制御ステップと
を有するピッチ偏差表示方法。 - 請求項1記載のピッチ偏差表示方法であって、
さらに、
記録部のデータを初期化するリセットステップと、
記録部にノートのデータが記録されていない場合、記録部のノートの情報と前記ノート判別ステップで判別したノートとが異なる場合には、ジャンプメータフラグをONにするジャンプ判断ステップと、
記録部のノートの情報を前記ノート判別ステップで判別したノートに変更するノート記録ステップと
を有し、
前記ピッチ偏差表示制御ステップが、
ジャンプメータフラグがONの場合には、前記ピッチ偏差に対応する表示素子を表示状態にし、ジャンプメータフラグがONではない場合には、直前に表示状態となっている表示素子から前記ピッチ偏差に対応する表示素子まで、表示状態とする表示素子を段階的に移動させる
ことを特徴とするピッチ偏差表示方法。 - 請求項1または2記載のピッチ偏差表示方法であって、
前記表示素子がLCDであり、
前記ピッチ偏差表示制御ステップでは、表示状態にするLCDが所定の範囲以上に変化する時は、前記表示状態にするLCDの他に、当該LCDと隣接するLCDも所定の時間表示状態とする
ことを特徴とするピッチ偏差表示方法。 - 複数の表示素子を備え、入力音から判別されたピッチと前記ピッチから判別されたノートから決まる基準ピッチとのピッチ偏差を、どの表示素子を表示状態にするかによって示す調律器であって、
入力音を取り込む入力部と、
入力音のピッチを検出するピッチ検出部と、
前記入力部または前記ピッチ検出部が、入力音がピッチを検出できる状態と判断した場合には、前記ピッチ検出部で判定された入力音のピッチからノートを判別するノート判別部と、
前記ピッチと前記ノートから決まる基準ピッチとのピッチ偏差を求めるピッチ偏差判別部と、
前記ノートが変化した場合には、前記ピッチ偏差に対応する表示素子を表示状態にし、その他の場合には、直前に表示状態となっている表示素子から前記ピッチ偏差に対応する表示素子まで、表示状態となる表示素子を段階的に移動させるピッチ偏差表示制御部と、
前記表示素子を備え、ピッチ偏差を表示するピッチ偏差表示部と
を有する調律器。 - 請求項4記載の調律器であって、
さらに、少なくともノートの情報を記録する記録部を有し、
前記ノート判別部は、
ノートを判別した後に、前記記録部にノートのデータが記録されていない場合と、前記記録部のノートの情報と前記ノート判別部で判別したノートとが異なる場合には、ジャンプメータフラグをONにすると共に、前記記録部のノートの情報を前記ノート判別部で判別したノートに変更し、
前記ピッチ偏差表示制御部は、
前記ジャンプメータフラグがONの場合には、前記ピッチ偏差に対応する表示素子を表示状態にし、前記ジャンプメータフラグがONではない場合には、直前に表示状態となっている表示素子から前記ピッチ偏差に対応する表示素子まで、表示状態とする表示素子を段階的に移動させる
ことを特徴とする調律器。 - 請求項4または5記載の調律器であって、
前記表示素子がLCDであり、
前記ピッチ偏差表示制御部では、表示状態とするLCDが所定の範囲以上に変化する時は、前記表示状態とするLCDの他に、当該LCDと隣接するLCDも所定の時間表示状態とする
ことを特徴とする調律器。
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