JP4873362B2 - ガラス板の梱包用スペーサ及びこれを用いた梱包体並びに梱包方法 - Google Patents

ガラス板の梱包用スペーサ及びこれを用いた梱包体並びに梱包方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス板梱包用スペーサ及びこれを用いた梱包体並びに梱包方法に関し、特に複数枚のガラス板を一方向に並列に配列させ、且つ各ガラス板の相互間にガラス板梱包用スペーサを介設するようにした梱包技術に関する。
周知のように、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイなどの各種画像表示機器用のガラス基板を初めとするガラス板は、複数枚を一挙同時に移動させる要請がある場合には、梱包体として搬送させるのが通例である。そして、この例示列挙したガラス板及びこれに準じるガラス板、特に端面が未加工の所謂マザーガラス板は、近年における大板化に伴って、薄肉で割れ易い特性が顕著になっているのが実情であり、その梱包が重要視されるに至っている。
この種のガラス板の梱包手法としては、合紙を一枚ずつ介してガラス板を梱包する手法や、紙や樹脂などからなる額縁状の平板スペーサを一枚ずつ介してガラス板を梱包する手法などが一般的に広く知られている。前者の合紙による梱包手法は、極めて薄肉の合紙を使用していることから、積載効率の面では優れているが、合紙とガラス板との圧接に伴って、合紙に異物(不純物)が含まれていると、その異物がガラス板に転写され、その離脱が困難或いは不可能になるおそれがある。
一方、後者の額縁状の平板スペーサによる梱包手法は、ガラス板の周縁部のみが平板スペーサに圧接されることから、その内側領域では圧接が生じず、上記のような異物の付着を回避することができるが、ガラス板が大板(例えば、縦方向寸法および横方向寸法がそれぞれ1000〜2500mm程度)であると、これに伴い平板状スペーサも大型化が余儀なくされることから、そのハンドリング性の悪さに起因して、各ガラス板間に平板状スペーサを介設する作業能率が、極端に低下するという問題を招来する。
このような問題に対処可能な技術としては、上述のマザーガラス板を対象としたものではないが、下記の特許文献1によれば、自動車用の窓ガラスを構成する合わせガラス等からなるガラス板の複数を並列に縦姿勢でパレット上に搭載して梱包する際に各ガラス板間に配設されるスペーサを、以下に示すような構成とすることが提案されている。すなわち、このスペーサは、ガラス板の上縁に係止する頭部と、隣接するガラス板間に介装される仕切部とからなり、その頭部が、ガラス板の上縁に跨って形成されるように一方側に係止片を有すると共に、他方側に仕切部を設けて構成されている。このような構成によれば、ガラス板の一端面側からスペーサを取り付けるときに、その一端面側からガラス板の上縁に跨って、他端面側に係止片を引っ掛けることにより、スペーサはガラス板上縁に保持される。そして、この作業を繰り返し行うことで複数枚のガラス板が、スペーサを介設させた状態で順番にパレット台上に搭載される。
特開2002−37374号公報
ところで、上記の特許文献1に開示のスペーサは、単にガラス板の上縁に引っ掛けられた状態で保持されているに過ぎないため、各スペーサは、ガラス板配列方向に相互に当接しているだけで、その相互間に何ら結合力を有するものではない。そこで、同文献には、押さえ棒或いはベルト等の固定部材により各スペーサを固定することで、隣接するスペーサの相互間を結合させ、複数枚のガラス板をスペーサによってパレット台上に保持することが開示されている。
しかしながら、上記の固定部材の取付作業以前に、ガラス板とスペーサとの相対的な位置関係がいかに適正に保たれていたとしても、固定部材の取付作業時にガラス板とスペーサとの相対的位置ズレが生じるおそれが多分にある。そして、このような事態が生じた場合には、各ガラス板の姿勢が乱れて隣接するガラス板同士が接触して傷や割れの発生要因となるばかりでなく、両者の相対的位置ズレに起因して安定した積層状態ないし収納状態を維持できなくなるという致命的な問題を招来するおそれがある。
しかも、個々のガラス板の複数箇所を上記のスペーサで支持する場合には、固定部材の取付作業もスペーサの取付個数に対応させて複数回行う必要があることから、梱包作業が不当に煩雑化されることになる。そのため、各ガラス板に対するスペーサの配列作業だけみれば、その作業能率は改善されるものの、固定部材を取り付けて完了するガラス板の梱包作業全体としては、作業能率の低下を余儀なくされる。さらに、このような梱包手法によれば、ガラス板の梱包体全体としての部品点数の増大を招くことにもなる。そして、近年、ガラス板の大板化が推進されている実情を考慮すれば、ガラス板一枚当たりのスペーサによる支持箇所も増加傾向にあるため、上記の梱包作業の作業能率の低下並びに梱包体全体としての部品点数の増大はより顕著な問題となって現れることになる。
本発明の課題は、ガラス板配列方向の梱包用スペーサ相互の構成が適正になり得るように、各梱包用スペーサに改良を加えることで、ガラス板の梱包作業時におけるガラス板と梱包用スペーサとの相対的な位置ズレを防止すると共に、梱包体の部品点数の削減並びにガラス板の梱包作業における作業能率の改善を図ることにある。
上記課題を解決するために創案された本発明は、複数枚のガラス板を縦姿勢で一方向に並列に配列した状態で梱包する際に各ガラス板の相互間に配設されると共に、各ガラス板の周縁部を支持するガラス板の梱包用スペーサであって、表面側と裏面側とに、嵌合凸部と嵌合凹部とをそれぞれ有し、前記嵌合凸部と前記嵌合凹部とは、表裏方向に移動が規制された状態となるように相互に嵌合する形状をなしており、前記嵌合凹部は、表裏方向と直交する方向の一端部側が開放し、その他端部側が閉鎖すると共に、開放している一端部側からのみ前記嵌合凸部を挿脱可能に構成され、開放している一端部の向きを上向きにすることに特徴づけられる。
このような構成によれば、隣接する一方の梱包用スペーサにおける嵌合凹部と、他方の梱包用スペーサにおける嵌合凸部とを相互に嵌合することで、複数の梱包用スペーサを相互に嵌合させて、その表裏方向をガラス板配列方向に一致させて順次配列することが可能となる。そして、前記嵌合凸部と前記嵌合凹部とは、表裏方向に移動が規制された状態となるように相互に嵌合する形状をなすことから、上記のように隣接する梱包用スペーサの嵌合凸部と嵌合凹部とを相互に嵌合させるだけで、両者は、別途固定部材等を要することなく、相互に連結固定される。したがって、一の梱包用スペーサでガラス板の一端面側の周縁部を支持した状態で、その他端面側から、他の梱包用スペーサの嵌合凸部(嵌合凹部)を、一の梱包用スペーサの嵌合凹部(嵌合凸部)に嵌合させれば、双方の梱包用スペーサは、上記のように相互に連結固定され、これと同時にその相互間にはガラス板が介設された状態で確実に保持される。以後、同様にして、ガラス板と梱包用スペーサとを順々に配列させることで、連結固定された梱包用スペーサの相互間にガラス板が的確に保持された状態で複数のガラス板が一方向に並列に配列されるので、ガラス板の梱包作業を容易且つ円滑に進行することが可能となり、梱包作業(ガラス板の梱包体の製作作業)の作業能率の改善が図られる。さらに、隣接する梱包用スペーサを相互に嵌合させて連結固定した時点で、その相互間にガラス板が介設された状態で確実に保持されるため、梱包作業時におけるガラス板と梱包用スペーサとの相対的な位置ズレの発生を可及的に防止することができる。また、上述のように、各梱包用スペーサは、別途固定部材を要することなく相互に連結固定されることから、ガラス板の梱包体全体としての部品点数の削減も図られる。
また、このような構成によれば、隣接する梱包用スペーサの連結状態をより安定した状態で維持できることから、ガラス板の積載状態ないしは収容状態をより適正な状態で維持することが可能となる。したがって、ガラス板を縦姿勢で配列して梱包する場合に有利となる。
なお、ガラス板の梱包体の開梱作業についても、上記した手順と逆の手順を辿ることで容易に行うことができる。この場合、梱包体から順次ガラス板を取り出す際には、取出対象となる最前面側のガラス板以外のガラス板は、依然として梱包用スペーサの相互間に保持された状態で維持されることから、別途固定部材を使用した場合のように開梱時に一挙に各ガラス板が相互にバラバラになるような不具合もなく、各ガラス板を安定した状態で順々に取り出すことができる。
上記の構成において、梱包用スペーサは、その表面側および裏面側の少なくとも一方に、ガラス板の周縁部を支持するための支持面を有すると共に、該支持面が表裏方向と直交する面に対して傾斜したテーパ面で構成されていることが好ましい。
このようにすれば、表裏方向をガラス板の配列方向と一致させて梱包用スペーサを配置した状態で、その支持面が、支持すべきガラス板の板面に対して傾斜したテーパ面となる。この配置態様でガラス板を支持した場合、支持面がガラス板の周縁部の中でもそのエッジ部分のみに当接することになるため、ガラス板は、梱包用スペーサによって線接触支持された状態で、隣接する梱包用スペーサの相互間に保持される。したがって、かかる支持形態によれば、ガラス板の周縁部を面接触支持した場合に比べて、その支持面積を大幅に小さくすることができるため、ガラス板の周縁部へ異物が付着したり、或いは傷が発生する割合を可及的に低減することができる。すなわち、梱包前と開梱後との両方で、周縁部を含むガラス板の板面の品位を実質的に同一に保つことが可能となる。そのため、板面に高品位が要求される液晶ディスプレイやプラズマディスプレイに代表される各種画像表示機器用のガラス基板を梱包するための梱包用スペーサとして好適となる。
上記の構成において、前記支持面が、3箇所に形成されると共に、それぞれの前記支持面が、傾斜角が同一であって、傾斜方向のみが異なるテーパ面で構成されていてもよい。
また、上記課題を解決するために創案された本発明は、以上の各構成を適宜備えてなるガラス板の梱包用スペーサを、その表裏方向をガラス板配列方向と一致させて複数配列させ、各梱包用スペーサの相互間にそれぞれ縦姿勢で各ガラス板を介設すると共に、前記梱包用スペーサで各ガラス板の周縁部を支持してなるガラス板の梱包体であって、隣接する一方の前記梱包用スペーサにおける前記嵌合凹部と、他方の前記梱包用スペーサにおける前記嵌合凸部とを相互に嵌合することで、複数の前記梱包用スペーサをガラス板配列方向に連結固定して配列したことに特徴づけられる。
このような構成によれば、既に述べた各構成を備えてなる梱包用スペーサが有する利点と同様の作用効果を得られる。
上記の構成において、複数のガラス板を縦姿勢で配列するに際して、各ガラス板の周縁部のうち、その下縁部を2面からなる凹溝で支持すると共に、ガラス板の搬入側に位置する一方側の面がその他方側の面よりもガラス板配列方向に沿う面に対する傾斜角度が小さくなるように、前記凹溝を構成することが好ましい。
このようにすれば、縦姿勢で配列されるガラス板の下縁部は、2面からなる凹溝によって支持される。そして、ガラスの搬入側に位置する凹溝の一方側の面が、その他方側の面よりもガラス板配列方向に沿う面に対する傾斜角度が小さいので、ガラス板を配列するために各ガラス板を搬入する際に、搬入側となる一方側の面が搬入作業の邪魔にならないため、各ガラス板の下縁部を容易且つ円滑に凹溝の間に誘導して位置決めすることが可能となる。さらに、ガラス板を縦姿勢で配列する場合には、開梱作業時におけるガラス板の搬出作業は、上記した搬入作業と同じ側から行うのが通例であることから、上記の凹溝の一方側の面が搬出側に位置することにもなる。したがって、ガラス板の搬出作業においても、搬入作業と同様に、一方側の面が作業の邪魔になることなく、容易且つ円滑に作業を進行することができる。なお、この場合、各ガラス板の下縁部を除く周縁部の所定箇所(例えばガラス板の上縁部)は、上述の梱包用スペーサによって支持される。
さらに、上記課題を解決するために創案された本発明は、以上の各構成を適宜備えてなるガラス板梱包用スペーサを、その表裏方向をガラス板配列方向に一致させて複数配列させ、各梱包用スペーサの相互間にそれぞれ縦姿勢で各ガラス板を介設すると共に、各梱包用スペーサで各ガラス板の周縁部を支持するガラス板の梱包方法であって、先行する前記梱包用スペーサでガラス板の一端面側の周縁部を支持した状態で、そのガラス板の他方面側から、後続の前記梱包用スペーサの前記嵌合凸部又は前記嵌合凹部のそれぞれを、先行する前記梱包用スペーサの前記嵌合凹部又は前記嵌合凸部に対して順次嵌合させることで連結固定し、各ガラス板を隣接する前記梱包用スペーサの相互間に介設することに特徴づけられる。
このような方法によれば、既に述べた各構成を備えてなる梱包用スペーサが有する利点と同様の作用効果を得られる。
以上のように本発明によれば、梱包用スペーサは、別途固定部材を要することなく、隣接するスペーサ同士を嵌合させるだけで相互に連結固定することができることから、ガラス板の梱包作業を容易且つ円滑に進行することが可能となり、梱包作業全体としての作業能率の改善が図られる。さらに、隣接する梱包用スペーサを相互に嵌合させて連結固定した時点で、その相互間にガラス板が介設された状態で確実に保持されるため、梱包作業時におけるガラス板と梱包用スペーサとの相対的な位置ズレの発生を可及的に防止することができる。また、各梱包用スペーサを結合するための固定部材が不要になることから、ガラス板の梱包体全体としての部品点数の削減も図ることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1(a)、(b)は、本実施形態に係るガラス板の梱包用スペーサの全体構成を示す斜視図であって、同図(a)はその表面側を、同図(b)はその裏面側をそれぞれ示している。同図(a)、(b)に示すように、この梱包用スペーサ1は、全体として矩形状の厚肉の板状体であって、表面側に嵌合凹部2を有すると共に、裏面側に嵌合凸部3を有している。この嵌合凹部2は、図1(a)に示すように、溝開口部の幅が溝内部の幅よりも狭くなるように形成された、いわゆるアリ溝で構成されている。そして、嵌合凹部2は、長手方向の一端側が梱包用スペーサ1の側面部に対して開放しており、その他端側が梱包用スペーサ1の略中心位置で閉鎖している。
一方、嵌合凸部3は、図1(b)に示すように、梱包用スペーサ1の裏面側の平面部4を一部隆起させることで形成されており、その基端部から先端部にかけて幅方向に漸次幅広となり、上記した嵌合凹部2と嵌合可能な形状となっている。なお、この嵌合凸部3は、嵌合凹部2の形成位置と表裏面で対称をなす位置に形成されている。
また、梱包用スペーサ1は、その表面側にガラス板の周縁部を支持するための支持面5を有し、この支持面5は、梱包用スペーサ1の表裏方向と直交する面に対して傾斜したテーパ面で構成されている。なお、支持面5は、一箇所のみに形成するものであってもよいが、この実施形態では、複数箇所(図示例では3箇所)に形成されている。具体的には、複数の支持面5は、正四角錐の側面のような関係にあり、それぞれ表裏方向と直交する面に対する傾斜角は同一であって、その傾斜方向のみが異なるテーパ面で構成されている。
上記のように構成された複数の梱包用スペーサ1は、図2に示すように、隣接する一方の梱包用スペーサ1における嵌合凹部2と、他方の梱包用スペーサ1における嵌合凸部3とを相互に嵌合させることで、表裏方向に沿って一方向に配列される。このように、一方向に配列された各梱包用スペーサ1の嵌合状態は、図3に示すように、アリ溝で構成された嵌合凹部2に、この嵌合凹部2に対応した形状をなす嵌合凸部3が嵌合された、いわゆるアリ溝嵌合となる。したがって、隣接する梱包用スペーサ1は、別途固定部材を要することなく相互に連結固定される。また、嵌合凹部2は、その長手方向の一端部側のみが開放しているので、一の梱包用スペーサ1の嵌合凹部2に対しては、この開放している一端部側からのみ、他の梱包用スペーサ1の嵌合凸部3をスライドさせて挿脱することが可能となるため、隣接する梱包用スペーサ1の連結状態をより安定した状態で維持できる。したがって、隣接する梱包用スペーサ1の相互間にガラス板を介設した状態で、ガラス板を横姿勢(水平姿勢)で配列して梱包する場合はもとより、特にガラス板を縦姿勢(鉛直姿勢)で配列して梱包する場合に有利となる。なお、後者の場合には、各梱包用スペーサ1の開放している一端部側の向きを予め適正な向き(例えば上向き)に設定することで、連結状態がより安定したものとなる。
次に、上記した梱包用スペーサ1によって複数枚のガラス板を縦姿勢で並列に配列して梱包する場合を例にとって、ガラス板の梱包体について説明する。なお、この実施形態では、梱包対象となるガラス板は、プラズマディスプレイ用のガラスパネルの製作に用いられるガラス板(マザーガラス板)である。
図4はガラス板の梱包体を示す概略正面図であって、図5はその概略側面図である。図4および図5に示すように、この梱包体6は、表裏方向をガラス板配列方向(図5の矢印B−B方向)と一致させた状態で、上述のように配列された複数の梱包用スペーサ1の相互間にそれぞれ各ガラス板7を縦姿勢で介設すると共に、各梱包用スペーサ1で各ガラス板7の周縁部のみを支持してなる。詳述すると、この梱包体6における各ガラス板7は、その周縁部のうち、上縁部および左右両縁部の複数箇所が梱包用スペーサ1によって支持され、下縁部の複数箇所が支持部材8によって支持された状態で、底部9aと背受部9bを有する略L字状のパレット台9上に収容されている。具体的には、縦方向(高さ方向)寸法および横方向(幅方向)寸法がそれぞれ1000〜2500mm程度であって、厚みが1.8〜2.8mm程度のガラス板7であっては、例えば、その上縁部と左右両縁部のそれぞれの長手方向に沿って約500mm間隔で梱包用スペーサ1が取り付けられた状態で収容される。なお、ガラス板7一枚当たりの梱包用スペーサ1による支持箇所は、梱包対象となるガラス板7の大きさや厚みなどに応じて適宜変更されるものであって、例えばガラス板7が小板なものであれば、ガラス板の左右両縁部を支持固定する梱包用スペーサ1を省略することもできる。
さらに、図4および図5に示す状態において、各ガラス板7の上縁部は、図6に拡大して示すように、隣接する一方の梱包用スペーサ1における表面側に形成されたテーパ面をなす支持面5と、他方の梱包用スペーサ1における裏面側に形成された平面部4との間に保持されている。ここで、パレット台9の底部9aの上面と背受部9bの前面は、図5に示すように、双方のなす角を略90度に維持した状態で、底部9aは水平面に対してわずかに傾斜すると共に、背受部9bは鉛直面に対してわずかに傾斜しており、各ガラス板7は背受部9b側にわずかに傾斜した姿勢で保持されている。そして、この実施形態では、各ガラス板7の背受部9b側に梱包用スペーサ1の支持面5が位置するようになっており、各ガラス板7の上縁部は、支持面5に支持される。この支持面5は、梱包用スペーサ1の表裏方向をガラス板配列方向と一致させた配列した状態では、ガラス板7の板面に対して傾斜したテーパ面となるので、ガラス板7の上縁部の中でもそのエッジ部分のみが、この支持面5に当接することになる。したがって、ガラス板7は、支持面5によって線接触支持された状態で、隣接する梱包用スペーサ1の相互間に保持される。なお、ガラス板7の左右両縁部も、ガラス板7の上縁部と同様の支持形態となっている。
一方、ガラス板の下縁部を支持する支持部材8は、ガラス板配列方向に長尺で、その上面に長手方向に沿って、複数の鋸歯状の凹溝10を有している。各凹溝10は、図7に拡大して示すように、第1の傾斜面10aと、第2の傾斜面10bとから構成されており、双方の傾斜面10a、10bは、ガラス板7の板面に対して傾斜している。このようにすれば、図4および図5に示す状態で、ガラス板7の下縁部は、表裏面両側のエッジ部分のみが、第1、第2の傾斜面10a、10bにそれぞれ当接することから、線接触支持されることになる。したがって、ガラス板7は、梱包用スペーサ1と支持部材8とによって、その周縁部のうちエッジ部分のみが線接触支持されるので、ガラス板7の周縁部を面接触支持した場合に比べて、その支持面積を大幅に小さくすることができ、ガラス板の周縁部へ異物が付着したり、或いは傷が発生する割合を低減することが可能となる。
さらに、この実施形態では、ガラス板7の搬入側に位置する第1の傾斜面10aのガラス板配列方向に沿う面に対する傾斜角θがその他方側(パレット台9の背受部9b側)の第2の傾斜面10bの傾斜角θよりも小さく設定されている。このようにすれば、各ガラス板7を搬入する際に、第1の傾斜面10aが搬入作業の邪魔にならないため、各ガラス板7の下縁部を容易且つ円滑に凹溝10の間に誘導して位置決めすることが可能となる。この際、ガラス板7の下縁部の端部(エッジ部分を含む)を第1の傾斜面10a上に沿って摺動させれば、ガラス板7を凹溝10の間の所定位置に容易に位置決めすることが可能となる。さらに、梱包体6を開梱して、各ガラス板7を搬出する際にも、この搬出作業をガラス板7の搬入作業と同じ側から行うのが通例であるため、第1の傾斜面10aがガラス板7の搬出作業を阻害することはない。ここで、第1の傾斜面10aの傾斜角θとしては、40°〜50°程度であることが好ましく、この実施形態では45°に設定されている。一方、第2の傾斜面10bの傾斜角θとしては、75°〜85°程度であることが好ましく、この実施形態では80°に設定されている。
なお、この実施形態では、パレット台9における背受部9bの前面に直接当接されている梱包用スペーサ1は、背受部9bの前面にネジ等により固定されており、この梱包用スペーサ1を起点として、後続の梱包用スペーサ1がガラス板配列方向に順次連結固定されるようになっている。また、支持部材8は、パレット台9における底部9aの上面にネジ等により固定されている。さらに、梱包用スペーサ1および支持部材8の材質としては、樹脂を採用することが好ましく、特に機械的強度に優れた樹脂、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)などを採用することが好ましい。
上記したガラス板の梱包体6は、以下の手順により梱包される。
まず、図7に示すように、支持部材8の凹溝10の間に縦姿勢のガラス板7の下縁部を位置決めし、第1の傾斜面10aと第2の傾斜面10bとによりガラス板7の下縁部の表裏面両側のエッジ部分を支持する。この状態で、背受部9bに取り付られた複数の梱包用スペーサ1の各支持面5に、ガラス板7の周縁部のうち、エッジ部分が当接するように立て掛ける。次に、ガラス板が立て掛けられた各梱包用スペーサ1の嵌合凹部2に対して、別の梱包用スペーサ1の嵌合凸部3をそれぞれ嵌合させて、ガラス板7に対して先行する梱包用スペーサ1と後続の梱包用スペーサ1とを相互に連結固定し、図6に示すように、先行する梱包用スペーサ1の支持面5と、後続の梱包用スペーサ1の平面部4との間にガラス板7を保持する。以後、同様にして、先行する梱包用スペーサ1に対して、ガラス板7と梱包用スペーサ1とを順々に配列することで、複数枚のガラス板をパレット台9に収容して梱包することができる。このように、隣接する梱包用スペーサ1の嵌合凹部2と嵌合凸部3を順次嵌合させて連結固定するだけで、その相互間にガラス板7が確実に保持されるので、ガラス板7の梱包作業を容易且つ円滑に進行することが可能となり、梱包作業の作業能率の改善を図ることができる。さらに、隣接する梱包用スペーサ1を相互に嵌合させて連結固定した時点で、その相互間にガラス板7が介設された状態で確実に保持されるため、梱包作業時におけるガラス板7と梱包用スペーサ1との相対的な位置ズレの発生を可及的に防止することができる。また、各梱包用スペーサ7は、別途固定部材を要することなく相互に連結固定されることから、梱包体6全体としての部品点数の削減も図られる。
なお、上記実施形態では、アリ溝で構成された嵌合凹部2と、このアリ溝に対応した形状をなす嵌合凸部3を例示して説明したが、嵌合凹部および嵌合凸部の形状はこれに限定されるものでない。例えば、図8に示すように、略前方後円墳型の嵌合凸部3aと、この嵌合凸部3aに嵌合可能な形状をなす嵌合凹部2aや、図9に示すように、逆T字状の嵌合凸部3bと、この嵌合凸部3bに嵌合可能な形状をなす嵌合凹部2bであってもよい。
また、上記実施形態では、プラズマディスプレイ用のガラスパネルの製作に用いられるガラス板の梱包に本発明を適用したものを説明したが、これ以外に、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ等の各種画像表示機器用のガラスパネルの製作に用いられるガラス板や、各種電子表示機能素子や薄膜を形成するための基材として用いられるガラス板等についても、同様にして本発明を適用することが可能である。
(a)は本発明の一実施形態に係るガラス板の梱包用スペーサにおける表面側を示す斜視図であって、(b)はその裏面側を示す斜視図である。 図1に示す梱包用スペーサの複数を連結固定した状態を示す斜視図である。 図2のA方向矢視図である。 上記の梱包用スペーサを使用して複数枚のガラス板を縦姿勢で配列収納してなる梱包体を示す概略正面図である。 図4に示す梱包体の概略側面図である。 図4のX領域の拡大図である。 図4のY領域の拡大図である。 本実施形態の変形例を示す縦断面図である。 本実施形態の変形例を示す縦断面図である。
符号の説明
1 梱包用スペーサ
2 嵌合凹部
3 嵌合凸部
4 平面部
5 支持面
6 梱包体
7 ガラス板
8 支持部材
9 パレット台
9a 底部
9b 背受部
10 凹溝
10a 第1の傾斜面
10b 第2の傾斜面

Claims (6)

  1. 複数枚のガラス板を縦姿勢で一方向に並列に配列した状態で梱包する際に各ガラス板の相互間に配設されると共に、各ガラス板の周縁部を支持するガラス板の梱包用スペーサであって、
    表面側と裏面側とに、嵌合凸部と嵌合凹部とをそれぞれ有し、前記嵌合凸部と前記嵌合凹部とは、表裏方向に移動が規制された状態となるように相互に嵌合する形状をなしており、
    前記嵌合凹部は、表裏方向と直交する方向の一端部側が開放し、その他端部側が閉鎖すると共に、開放している一端部側からのみ前記嵌合凸部を挿脱可能に構成され、開放している一端部の向きを上向きにすることを特徴とするガラス板の梱包用スペーサ。
  2. 表面側および裏面側の少なくとも一方に、ガラス板の周縁部を支持するための支持面を有すると共に、該支持面が表裏方向と直交する面に対して傾斜したテーパ面で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のガラス板の梱包用スペーサ。
  3. 前記支持面が、3箇所に形成されると共に、それぞれの前記支持面が、傾斜角が同一であって、傾斜方向のみが異なるテーパ面で構成されていることを特徴とする請求項2に記載のガラス板の梱包用スペーサ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のガラス板の梱包用スペーサを、その表裏方向をガラス板配列方向と一致させて複数配列させ、各梱包用スペーサの相互間にそれぞれ縦姿勢で各ガラス板を介設すると共に、前記梱包用スペーサで各ガラス板の周縁部を支持してなるガラス板の梱包体であって、
    隣接する一方の前記梱包用スペーサにおける前記嵌合凹部と、他方の前記梱包用スペーサにおける前記嵌合凸部とを相互に嵌合することで、複数の前記梱包用スペーサをガラス板配列方向に連結固定して配列したことを特徴とするガラス板の梱包体。
  5. 複数のガラス板を縦姿勢で配列するに際して、各ガラス板の周縁部のうち、その下縁部を2面からなる凹溝で支持すると共に、ガラス板の搬入側に位置する一方側の面がその他方側の面よりもガラス板配列方向に沿う面に対する傾斜角度が小さくなるように、前記凹溝が構成されていることを特徴とする請求項4に記載のガラス板の梱包体。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載のガラス板の梱包用スペーサを、その表裏方向をガラス板配列方向に一致させて複数配列させ、各梱包用スペーサの相互間にそれぞれ縦姿勢で各ガラス板を介設すると共に、各梱包用スペーサで各ガラス板の周縁部を支持するガラス板の梱包方法であって、
    先行する前記梱包用スペーサでガラス板の一端面側の周縁部を支持した状態で、そのガラス板の他方面側から、後続の前記梱包用スペーサの前記嵌合凸部又は前記嵌合凹部のそれぞれを、先行する前記梱包用スペーサの前記嵌合凹部又は前記嵌合凸部に対して順次嵌合させることで連結固定し、各ガラス板を隣接する前記梱包用スペーサの相互間に介設することを特徴とするガラス板の梱包方法。
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