JP4873097B2 - Z形鋼矢板 - Google Patents

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Description

本発明は、地下土留め、河川護岸等に使用されるZ形鋼矢板に関する。
本明細書において、Z形鋼矢板とは、斜めに配置されたウェブの両端に該ウェブに連続してフランジが形成され、全体形状が略Z形になった鋼矢板をいう。
鋼矢板の継手を嵌合させて築造した、鋼矢板壁の性能の指標の一つとして、壁の剛性を表す断面二次モーメント(I)がある。一般に、断面二次モーメント(I)が大きければ、土圧や水圧などの荷重が作用したときの壁体の変形量は小さくなる。
断面二次モーメント(I)は、鋼矢板の板厚(t)や高さ(H)を増やすことなどで大きくすることが可能であるが、経済性の観点からはなるべく断面積(A)を小さくし鋼重(W)を減らすのが望ましい。
一方で、鋼矢板の大型化は、鋼矢板の貫入抵抗(R)の増大につながる。貫入抵抗(R)は、鋼矢板の施工性(貫入性)を左右する主要な指標であり、なるべく小さくするのが望ましい。すなわち、貫入抵抗が小さければ、鋼矢板の施工速度、施工能率が向上することにつながる。
鋼矢板の貫入抵抗(R)は、主に地盤抵抗による支持力と継手抵抗とからなる。このうち、地盤抵抗による支持力(先端+周面摩擦)については、ウォータージェット工法などの補助工法を用いて地盤の強度を一時的に低下させることにより、支持力もある程度人為的に低下させることが可能である。
一方、継手抵抗は、継手同士あるいは継手と継手内の土砂との摩擦抵抗が要因である。
通常、継手間には数mm以下の隙間が設けられているため、先行して打設された鋼矢板と完全に並行を保って打設される場合には、理論上は、継手同士の摩擦はほとんど発生しないはずである。
しかし、実際には鋼矢板は剛体ではないため、地盤抵抗による支持力で次第にその断面が変形し、たわみが生じる。その結果、継手同士が接触し摩擦が生じる。
なお、摩擦抵抗を低減するために継手に潤滑剤を塗布するという方法があるが、継手や土砂との摩擦により剥離するため、効果が限定されてしまう。
継手抵抗が生じると、鋼矢板が傾き、さらに摩擦が増加するという悪循環が発生する。
一度こうした悪循環に陥ると修正することは困難であるため、鋼矢板の打設時になるべく傾きが生じないように導枠を使用し、倒れやずれが生じた場合は、鋼矢板を引抜いて再度打ち直すといったことが行われている。
このような鋼矢板の倒れやずれに対し、施工管理の基準を厳しくして継手抵抗を抑えるというやり方もあるが、同時に施工能率の低下を招く。
また、鋼矢板の断面の変形により摩擦抵抗が増加するという原因を取り除いたわけではなく、鋼矢板を引抜いて再度打ち直しても修正されないということが起こるという問題があった。
以上のように鋼矢板の断面設定に関しては、経済性と施工性の観点からの考察が必要であるが、この点、ハット型鋼矢板の断面形状の設定方法について、例えば下記に示す特許文献1〜5において考察がなされている。
特許文献1および2は、新たに定義した、フランジ幅(Bf)と有効幅(B)との関係式と、断面二次モーメント(I)と高さ(H)とBとの関係式をともに満足することで、従来のU型鋼矢板や広幅型鋼矢板より優れた断面性能を得られる形状設定方法およびハット型鋼矢板が示されている。
一方、特許文献3では、断面二次モーメント(I)の関係式でウェブ角度θの範囲を限定し、貫入抵抗(R)を最小化したハット型鋼矢板が示されている。なお、特許文献5も同様に、IとBおよび単位重量(W)の関係式を満足するよう設定し、貫入性を確保したハット型鋼矢板が示されている。
また、特許文献4は、既往のU型鋼矢板の単位重量(W)と断面二次モーメント(I)との線形関係を上回るように設定したハット型鋼矢板のIとWの関係式と、有効幅(B)とフランジ幅(Bf)の関係式をともに満足することにより、経済性を高めたハット型鋼矢板が示されている。
これらは、いずれもハット型鋼矢板を前提としたものであり、有効幅(B)は700〜1200mm、高さ(H)は200〜350mm程度、断面二次モーメント(I)は10,000〜20,000cm4/m前後を対象としている。
特開2008-069631号公報 特許第4069030号公報 特許第3488233号公報 特許第3458109号公報 特開2005-213895号公報
上記の特許文献1〜5では、ハット型鋼矢板の断面形状の設定において経済性あるいは貫入性(施工性)のいずれか1つに着目して、それに特化した考察がなされている。
しかし、これらのものは経済性と施工性をともに最適化するといった明確なコンセプトでの鋼矢板の形状設定方法ではない。発明者が知る限り、経済性、施工性及び健全性を共に最適化したZ形鋼矢板について開示した文献はない。
経済性を高めるためには、できるだけ断面性能当たりの鋼重を減らす必要があり、断面を拡大しながら板厚を削減していく方法が考えられる。しかしながら、断面を拡大すれば施工時の貫入抵抗が増加することは明白である。また、板厚を薄くすれば施工時や運搬時に局部座屈等の損傷が発生する恐れがあり、鋼矢板の性能に問題が生じる。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、経済性と施工性を共に最適化し、更に健全性をも確保したZ形鋼矢板を提供することを目的としている。
発明者は、壁幅1mあたりの断面積(A)もしくは単位壁面積あたりの重量(W)を、壁幅1mあたりの断面二次モーメント(I)で割った、A/IやW/Iを、経済性指標と定義することを考えた。経済性としては、指標が小さいほど望ましくなる。すなわち、ある断面二次モーメント(I)を発揮するために必要な断面積(A)や単位重量(W)は、製造コストなどを考慮すると小さい方がより経済的であるということである。
ちなみに、従来の400mm幅のU型鋼矢板のIII型ではW/I=150/16,800=8.9×10-3であるのに対し、大型化した600mm幅の広幅型鋼矢板のIIIw型ではW/I=136/32,400=4.2×10-3と、経済性が倍以上に向上している。
上記の通り、鋼矢板壁の断面性能(断面二次モーメント(I)または断面係数(Z))が同じならば、単位壁面積あたりの重量(W)は小さい方が経済的である(同一断面性能に対する鋼材重量の低減)。すなわち、単位重量あたりの製造コストが同じであれば、断面性能あたりの重量(W/I)が小さい方が経済的である。
一方で、断面性能あたりの重量(W/I)が小さくなれば、鋼矢板の断面寸法(有効幅(B)、高さ(H))は増大し、板厚(t)は減少する。その結果、施工時における鋼矢板の変形量が増大し、打設が困難になる。そのため、W/Iが大きい方が施工性は良い、つまり貫入抵抗(R)が小さいといえる。
したがって、W/I(≒製造コスト)が減少すると、貫入抵抗(R)(≒施工コスト)は増加する。逆に、W/Iが増加すると、貫入抵抗(R)は減少すると考えられる。つまり、W/IとRとは二律背反の関係にあると言える。
そのため、経済性指標であるW/Iと施工性指標であるRをどのようにバランスさせるかが、経済性と施工性の両方を最適化させることにとって重要となる。
本発明はかかる知見に基づいてなされたものであり、具体的には以下の構成からなるものである。
(1)本発明に係るZ形鋼矢板は、ウェブと、その両端に形成されたフランジと、該フランジの端部に継手を備えてなるZ形鋼矢板であって、鋼矢板壁を形成したときの壁幅1mあたりの断面二次モーメントI(cm4/m)、単位壁面積あたりの重量W(kg/m2)、貫入抵抗(R)及びウェブ角度θ(°)との関係が、下記の式群(A)又は(B)のいずれかを満足するように設定されていることを特徴とするものである。
式群(A):
(W/I)×R≦0.004であり、かつ
2.65×10−4×I+22≦θ≦2.80×10−4×I+48 (30,000≦I<80,000)
2.65×10−4×I+22≦θ≦70 (80,000≦I<180,000)
式群(B):
0.004<(W/I)×R≦0.006であり、かつ
2.80×10−4×I+44.6<θ≦80 (30,000≦I<80,000)
67<θ≦80 (80,000≦I<200,000)
(2)また、本発明に係るZ形鋼矢板は、ウェブと、その両端に形成されたフランジと、該フランジの端部に継手を備えてなるZ形鋼矢板であって、鋼矢板壁を形成したときの壁幅1mあたりの断面二次モーメントI(cm4/m)、単位壁面積あたりの重量W(kg/m2)、貫入抵抗(R)及びウェブ角度θ(°)との関係が、上記の式群(A)を満足するように設定されていることを特徴とするものである。
(3)更に、本発明に係るZ形鋼矢板は、ウェブと、その両端に形成されたフランジと、該フランジの端部に継手を備えてなるZ形鋼矢板であって、鋼矢板壁を形成したときの壁幅1mあたりの断面二次モーメントI(cm4/m)、単位壁面積あたりの重量W(kg/m2)、貫入抵抗(R)及びウェブ角度θ(°)との関係が、上記の式群(B)を満足するように設定されていることを特徴とするものである。
(4)更にまた、本発明に係るZ形鋼矢板は、上記(3)に記載のZ形鋼矢板であって、下記の式群(C)を満足するように設定されていることを特徴とするものである。
式群(C):
0.004<(W/I)×R≦0.006であり、かつ
2.80×10−4×I+48<θ≦80 (30,000≦I<80,000)
70<θ≦80 (80,000≦I<200,000)
を特徴とするものである。
(5)上記に加え更にまた、本発明に係るZ形鋼矢板は、上記(1)〜(4)のいずれかに記載されたZ形鋼矢板であって、高さ(H)とウェブ板厚(tw)との関係が下式を満足するように設定されていることを特徴とするものである。
H/tw≦60.0
本発明においては、鋼矢板壁を形成したときの壁幅1mあたりの断面二次モーメントI(cm4/m)、単位壁面積あたりの重量W(kg/m2)、貫入抵抗R及びウェブ角度θ(°)との関係が上記の式群(A)、(B)又は(C)のいずれかを満足するように設定されているので、経済性と施工性の両方を満たし、かつより施工性を高めるように最適化された断面形状を有するZ形鋼矢板となっている。
本発明においては、上記に加え更に、高さ(H)とウェブ板厚(tw)との関係が下式を満足するように設定されているので、施工時の貫入抵抗による鋼矢板の座屈/変形を抑制することができ、これにより、健全性を確保したZ形鋼矢板を提供することができる。
H/tw≦60.0
本発明の一実施の形態にかかるZ形鋼矢板の説明図である。 本発明の一実施の形態において最適断面を導き出す過程の説明図であって、B=700mm、tf=16mm、tw=8.5mmで一定として、高さ(H)、ウェブ角度(θ)を変化させたときの壁幅1mあたりの断面二次モーメントと単位壁面積あたりの重量の関係を示すグラフである。 本発明の一実施の形態において最適断面を導き出す過程の説明図であって、B=700mm、H=600mmで一定とし、フランジ板厚(tf)とウェブ板厚(tw)を変化させたときの壁幅1mあたりの断面二次モーメントと単位壁面積あたりの重量の関係を示すグラフである。 本発明の一実施の形態において最適断面を導き出す過程の説明図であって、I=100,000の場合において、経済性指標とウェブ角度との関係を示したグラフである。 本発明の一実施の形態において最適断面を導き出す過程の説明図であって、I=100,000の場合において、施工性指標とウェブ角度との関係を示したグラフである。 本発明の一実施の形態において最適断面を導き出す過程の説明図であって、I=100,000の場合において、施工性及び経済性を加味した指標とウェブ角度との関係を示したグラフである。 本発明の一実施の形態におけるZ形鋼矢板を鋼矢板壁としたときの、壁幅1mあたりの断面二次モーメントとウェブ角度との関係を示すグラフである。 本発明の一実施の形態の他の態様のZ形鋼矢板を鋼矢板壁としたときの、壁幅1mあたりの断面二次モーメントとウェブ角度との関係を示すグラフである。 本発明の一実施の形態の他の態様のZ形鋼矢板を鋼矢板壁としたときの、壁幅1mあたりの断面二次モーメントとウェブ角度との関係を示すグラフである。 本発明の一実施の形態の他の態様のZ形鋼矢板を鋼矢板壁としたときの、壁幅1mあたりの断面二次モーメントとウェブ角度との関係を示すグラフである。 基準化した施工時貫入抵抗(最大荷重)P/P45°と施工性指標R/R45°との関係を示す図である。 基準化した施工時貫入抵抗(最大荷重)P/P45°とウェブ角度θ(°)との関係を示す図である。 基準化した施工時貫入抵抗(最大荷重)P/P67°と施工性指標R/R67°との関係を示す図である。 基準化した施工時貫入抵抗(最大荷重)P/P67°とウェブ角度θ(°)との関係を示す図である。 試験体の変形量と高さ/ウェブ厚比であるH/twとの関係を示す図である。 施工時貫入抵抗Pと高さ/ウェブ厚比であるH/twとの関係を示す図である。
図1に示す本発明の一実施の形態に係るZ形鋼矢板について、その形状決定方法を説明する。
Z形鋼矢板の断面形状を規定するパラメーターとしては、有効幅(B)、高さ(H)、ウェブ角度(θ)、フランジ幅(Bf)、フランジ板厚(tf)、ウェブ板厚(tw)がある。
これらを決めれば、単位壁面積あたりの重量(W)および壁幅1mあたりの断面二次モーメント(I)が、下式により一義的に決まる。
I=I0+ΣA×y2
W=γ×A
(I0:断面二次モーメント、A:断面積、y:図心軸からの距離、γ:単位体積重量)
通常、鋼矢板の断面二次モーメント(I)は、鋼矢板断面のCADデータを用いて、継手部を含めた厳密解を上式にて算出している。
しかし、本実施形態のような断面形状の検討、パラメトリックスタディーに当たっては、毎回CADデータを作成してからIを算出するのは非常に煩雑である。
そこで、鋼矢板壁の断面二次モーメント(I)の算定において、次のような方法を考えた。なお、この方法は、Z形のみならずハット型についても応用できる。
図1に示すように、Z形鋼矢板断面を、上下フランジとウェブの3つの部分に分割し、概算ではあるが、Iを簡便に算出できる方法を用いた。ただし、この方法は継手部を考慮していないため、その分Iの値が小さく算出される。試算によると、厳密解の約80〜90%の値となるが、この点は、後述する形状を規定する直線をフィッティングによって求める際に考慮されるので問題ない。
上述のとおり、一般に断面二次モーメント(I)は、下記の式で表される。
I=I0+ΣA×y2
ここで、図1のようにZ形鋼矢板を3つの長方形((i)(ii)(iii))に分割し、それぞれのIを導くと、以下のようになる。
Figure 0004873097
これより、Z形鋼矢板1枚あたりのI’は、下式となる。
I’=Bf×tf/2×(tf2/3+h2)+tw×h3/12×1/sinθ
したがって、壁幅1mあたりの断面二次モーメント(I)は、下式(1)となる。
I={Bf×tf/2×(tf2/3+h2)+tw×h3/12×1/sinθ}×1000/B・・・(1)
この(1)式によれば、Z形鋼矢板の断面形状を規定するパラメーターである、有効幅(B)、高さ(H=h+tf)、ウェブ角度(θ)、フランジ幅(Bf)、フランジ板厚(tf)およびウェブ板厚(tw)から、容易に断面二次モーメント(I)が算出できる。
また同様に、単位壁面積あたりの重量(W)も、(2)式により算定できる。
W=(2×Bf×tf+h×tw/sinθ)×γ×1000/B ・・・(2)
なお、フランジ幅(Bf)は、下式で表される。
Bf=B/2−h/(2×tanθ)
(1)式および(2)式を用いて、IおよびWを試算した例を図2に示す。図2においては、縦軸が壁幅1mあたりの断面二次モーメントI(cm4/m)、横軸が単位壁面積あたりの重量W(kg/m2)を示している。
この例では、B=700mm、tf=16mm、tw=8.5mmで一定として、高さ(H)、ウェブ角度(θ)を変化させたものである。
図2に示されるように、高さ(H)およびウェブ角度(θ)の増加に伴い、断面二次モーメント(I)が増加することが分かる。特に、高さ(H)はIの増加に大きく寄与するため、製造可能かつ施工性が許す限りHを大きくすることが経済性を高めるには効果的である。
また、(1)式および(2)式を用いて、IおよびWを試算した例であって、B=700mm、H=600mmで一定とし、フランジ板厚(tf)とウェブ板厚(tw)を変化させたものを図3に示す。
図3では、twを、8.5mm、9mm、10mm、12mm、14mmと変化させ、tfを、tf≧twの条件の下に、8.5mm、9mm、10mm、12mm、14mm、16mm、19mm、22mmと変化させており、図3のグラフ中、各twから延びる右上りの曲線の束における各曲線が当該twのときに取りうるtfを示している。
図3では、Iに対するフランジ板厚(tf)とウェブ板厚(tw)の影響を読み取ることができる。つまり、B=700mm、H=600mmで一定としているが、断面二次モーメントの式における図心軸からの距離yの2乗の項により、図心軸から遠いフランジ板厚(tf)の増加による効果が大きい。
例えば、tw=8.5mmでθ=90°について着目すると、tf=8.5mmの場合には、I=95,000(cm4/m)であるが、tf=16mmでは、155,000(cm4/m)になっている。他方、図3から明らかなようにtwを変化させてもIは大きくは変化していない。
したがって、Iの増加には、tfを大きくし、twを小さくすることが効果的である。
ここで、特筆すべきは、図2および図3の縦軸の或るI(例えば、I=100,000cm4/m)で横軸を見ると、複数の線と交わることから、高さ(H)、ウェブ角度(θ)、フランジ板厚(tf)、ウェブ板厚(tw)によって、同じ断面二次モーメント(I)を発現可能な、様々なZ形鋼矢板の仕様が存在することが分かる。
そこで、Z形鋼矢板の製品構成として、I=20,000、40,000、60,000、80,000、100,000、120,000、140,000、160,000、180,000の9タイプを想定し、下記の表1に示すパラメーターにより、これらの各Iを発現可能な仕様を導き出した。なお、ここでは簡略化のために、有効幅(B)を700で一定と置いたが、もちろん製造可能な範囲で有効幅(B)もパラメーターとした検討を行うこともできる。
Figure 0004873097
導き出した多数のZ形鋼矢板の仕様について、先に述べたとおり、経済性および施工性の両者を最適化したZ形鋼矢板の断面形状を設定するべく、以下のように検討を行った。
図4は、I=100,000(cm4/m)のZ形鋼矢板を例に、経済性指標(W/I)とウェブ角度(θ)との関係を、高さ(H=600、550、500、450)毎に示したグラフであり、縦軸が経済性指標(W/I)を、横軸がウェブ角度(θ)を示している。
図4に示すグラフは、表1の各フランジ板厚(tf)毎に、ウェブ角度(θ)を次第に大きくしつつウェブ板厚(tw)を薄くし、I=100,000(cm4/m)を確保しつつ重量を低減していった。そして、I=100,000(cm4/m)が満足できなくなったら、次のtfにランクダウンすると共にtwをランクアップすることを繰り返した。そのため、図4のグラフでは、のこぎり状に右下がりのグラフとなっている。
図4のグラフによれば、各tfごとの直線を見ると、ウェブ角度(θ)が増加するとともに、経済性指標(W/I)は減少する傾向にあり、経済性は向上していくことが分かる。
このように、ウェブ角度(θ)と経済性指標(W/I)との間には、密接な関連性が認められる。
一方、施工性指標(貫入抵抗(R))を、下式の(3)式で定義する。この式は、鋼矢板模型の室内打設実験より得られた貫入抵抗を表す式の一例であり、先に示した特許文献3でも同様の式が示されている。
R=tanθ×H×1/Bf ・・・(3)
この式を観察することによって、下記の現象の発生が理解され得る。
・ウェブ角度(θ)が大きくなると、ウェブが立ち上がり、鋼矢板の溝内に土圧が集中して鋼矢板が変形しやすくなり貫入性が低下する。
・高さ(H)が大きくなると、地盤抵抗が大きくなり貫入性が低下する。
・フランジ幅(Bf)が大きくなると、上記の溝内の土圧を開放しやすくなるため、貫入性は向上する。
貫入抵抗(R)を規定するパラメーターとして、(3)式に示されるように、ウェブ角度(θ)、高さ(H)およびフランジ幅(Bf)がある。
図5は、図4の場合と同じようにI=100,000(cm4/m)のZ形鋼矢板を例に、施工性指標(貫入抵抗(R))とウェブ角度θ(°)の関係を、各高さ(H=600、550、500、450)毎に示したものである。なお、この図から、貫入抵抗(R)を最小とするウェブ角度θ(°)が存在することが分かる。
上述のように、経済性指標(W/I)および施工性指標(R)は、共にウェブ角度θ(°)と密接に関連していることから、これら2つの指標を組み合わせて一つの指標にすることができ、またそうすることによって、一つの指標で経済性と施工性の両方を評価することができる。
経済性指標(W/I)および施工性指標(R)を組み合わせる方法として、両指標を掛け合わせる方法を採用した。
(経済性指標)×(施工性指標)=α×(W/I)×β×(R)
とする。
ここで、αおよびβはそれぞれ経済性および施工性指標の重み係数である。なお、ここでは、両指標を掛け合わせる方法を採用し、α=β=1としている。
経済性指標(W/I)と施工性指標(R)はいずれも各値が小さくなる方がそれぞれ経済性に優れ、施工性に優れるというものであるから、これらを乗算したものにおいても、乗算値が小さくなることで、経済性及び施工性の両方に優れると評価することができる。
図6は、I=100,000(cm4/m)の場合について、経済性指標(W/I)および施工性指標(R)を掛け合わせた(W/I)×Rと、ウェブ角度θ(°)との関係を、各高さ(H=600、550、500、450)毎に示したものである。
前述のとおり、図6のグラフにおいて、縦軸の値が小さいほど経済性・施工性に優れることになるが、その上限値(閾値)をどのように設定するかが問題となる。
そこで、この点について検討したところ、先に述べた鋼矢板模型実験などを同様に調査すると0.004〜0.006程度であったため、ここでは0.006程度以下となるウェブ角度θ(°)を、経済性および施工性をともに確保できる仕様として定義した。
ちなみに、既往のハット型鋼矢板では、両指標を掛け合わせた値は10Hで0.0081、25Hで0.0097程度となり、必ずしも経済性と施工性をともに最適化した鋼矢板形状とはなっていないことが分かる。
上記定義に基づいて、図6において、縦軸を0.006以下とした場合の横軸の範囲を求めることによって、ウェブ角度θ(°)の範囲を求めたところ、I=100,000(cm4/m)では、経済性と施工性(貫入性)をともに最適化するためには、ウェブ角度θ(°)は52〜76°程度とするのが望ましいことが判明した(図6参照)。
このような検討方法を、目標とするIのレベルを変えて行うことにより、経済性および施工性をバランスさせ、かつ要求されるそれぞれのIを満足できる最適な断面形状を規定することが可能となる。
同様の検討を行って、上記と同様の手順によって、各Iについてウェブ角度(θ)の好適範囲を求めたものを、表2に示す。
Figure 0004873097
表2の結果について、縦軸をウェブ角度θ(°)とし、横軸をI(cm4/m)としたグラフを図7に示す。図7においては、表2に示した上下限値をプロットし、直線でフィッティングしたものである。
なお、先に述べたように、ここで用いた断面二次モーメントIの簡便算定方法は、厳密解の約80〜90%になっており、そのため図6に示した(W/I)×Rは厳密解よりも大きくなっている。そして、図6のグラフが下に凸のグラフであることを考慮すると、簡便算定方法を採用したことにより厳密解の場合よりも最適範囲を狭く判定したことになっている。したがって、図7に示したように、簡便算定方法によるプロットを直線でフィッティングしたときに多少のずれが生ずるとしても、厳密解により近くなるだけであり、問題はない。
図7に示す直線を定式化すると、以下のようになる。
2.65×10−4×I+22≦θ≦80 (30,000≦I<180,000)
70≦θ≦80 (180,000≦I<200,000) ・・・(4)
上述のとおり、(4)式は経済性および施工性をともに考慮して設定したものであり、(4)式の範囲を満たすZ形鋼矢板は、経済性及び施工性の両方を満たすものである。
もっとも、Z形鋼矢板を打設する地盤の条件(N値などを指標とした硬さ)によっては、その中でもより施工性を重視したり、逆に経済性を重視したりする場合も考えられる。
すなわち、地盤が硬質な場合には、打設可能性を最大限にするために貫入抵抗(R)を小さくし、多少の重量(W)の増加はやむを得ないとする判断もあり得る。一方、地盤が軟弱なケースでは、貫入抵抗(R)が多少大きくなっても重量(W)を低減する方がメリットがあると判断されることもある。
そこで、以下においては、施工性をより重視した場合の最適な形状設定と、経済性をより重視した場合の最適な形状設定について説明する。
<施工性重視>
上記(4)式で規定される範囲内において、施工性をより重視するということは、施工性を定義した(3)式(R=tanθ×H×1/Bf)を参照すれば理解されるように、θの値を小さくすることである。一方、施工性・経済性とウェブ角度θとの関係を示した図6を参照すると、θの値を小さくすることは、すなわち閾値を下げることと等価であることが分かる。
そこで、施工性を重視した形状設定として、(W/I)×Rの閾値を0.004以下として、上記と同様の検討を行った。(W/I)×Rが閾値0.004となるウェブ角度θ(°)を、各Iについて算定した結果を表3に示す。
Figure 0004873097
表3に示す算定結果に基づいて、下記の式群(A)を定義した。
式群(A):
(W/I)×R≦0.004であり、かつ
2.65×10−4×I+22≦θ≦2.80×10−4×I+48 (30,000≦I<80,000)
2.65×10−4×I+22≦θ≦70 (80,000≦I<180,000)
式群(A)をグラフ化して示したものが図8である。
<経済性重視1>
経済性をより重視するということは、経済性指標(W/I)を小さくすることである。そこで、図4を参照すると理解されるように、経済性指標(W/I)を小さくするには、ウェブ角度(θ)を大きくすればよい。一方、施工性・経済性とウェブ角度θとの関係を示した図6を参照すると、θの値を大きくすることは、すなわち閾値を上げることと等価であることが分かる。そこで、経済性を重視した形状設定として、(W/I)×Rの閾値を0.004以上0.006以下として、上記と同様の検討を行った結果、下記の式群(B)を定義した。
式群(B):
0.004<(W/I)×R≦0.006であり、かつ
2.80×10−4×I+44.6<θ≦80 (30,000≦I<80,000)
67<θ≦80 (80,000≦I<200,000)
式群(B)をグラフ化したものが図9である。
<経済性重視2>
上記の<経済性重視1>において、80,000≦I<200,000におけるウェブ角度θの下限値を67°としているが、実際の製造上を考えると、数値が細かすぎて管理が困難になることも考えられる。製造管理のし易さを考慮した場合は、80,000≦I<200,000におけるウェブ角度θの下限値を70°として、経済性を重視した形状設定を、以下の式群(C)で定義してもよい。
式群(C):
0.004<(W/I)×R≦0.006であり、かつ
2.80×10−4×I+48<θ≦80 (30,000≦I<80,000)
70<θ≦80 (80,000≦I<200,000)
式群(C)をグラフ化したものが図10である。
以上のように、Z形鋼矢板の断面形状の設定(特にウェブ角度(θ))において、基本的に経済性および施工性を両立させる((4)式)とともに、より施工性を重視(式群(A))するか、経済性を重視(式群(B)又は式群(C))するかによって、θの領域を使い分けることができる。
そして、(4)式の範囲を満たすZ形鋼矢板は、経済性及び施工性の両方を満たすものであり、式群(A)の範囲を満たすZ形鋼矢板は経済性及び施工性の両方を満たしつつ、さらにより施工性に優れたものであり、式群(B)又は式群(C)の範囲を満たすZ形鋼矢板は、経済性及び施工性の両方を満たしつつ、さらにより経済性に優れたものである。
<健全性の確保>
また、本発明においては、上記に加えて更に、高さ(H)とウェブ板厚(tw)との関係が下式を満足するように設定されているので、施工時の貫入抵抗による鋼矢板の座屈/変形を抑制することができ、これにより、健全性を確保したZ形鋼矢板を提供することができる。
H/tw≦60.0
本発明の実施例として、以下に示す仕様のZ形鋼矢板を設計した。
B=700mm、H=540mm、θ=75°、I=114,810cm4/m
上記仕様のZ形鋼矢板が上記の指標の範囲にあるかどうかを確認した。
上記Z形鋼矢板の仕様を、(4)式、及び、式群(C)に当てはめると、以下のとおりとなる。
(4)式:2.65×10−4×I+22≦θ≦80 (60,000≦I<200,000)
2.65×10−4×I+22=2.65×10−4×114,810+22=52.4
52.4<θ=75<80 であり、θは(4)式の範囲内にある。
式群(C):70<θ≦80 (80,000≦I<200,000)であるところ、上記Z形鋼矢板のθ=75°は、70<θ=75<80 であり、式群(C)を満たす。
したがって、上記本実施例のZ形鋼矢板は経済性及び施工性に優れ、さらにはより経済性に優れたものであることが分かる。
本発明の実施例として、以下に示す仕様のZ形鋼矢板を設計した。
B=700mm、H=540mm、θ=75°、I=81,454cm4/m
上記Z形鋼矢板の仕様を、(4)式、及び、式群(C)に当てはめると、以下のとおりとなる。
(4)式:2.65×10−4×I+22≦θ≦80 (60,000≦I<200,000)
2.65×10−4×I+22=2.65×10−4×81,454+22=43.6
43.6<θ=75<80 であり、θは(4)式の範囲内にある。
式群(C):70<θ≦80 (80,000≦I<200,000)であるところ、上記Z形鋼矢板のθ=75°は、70<θ=75<80 であり、式群(C)を満たす。
したがって、上記本実施例のZ形鋼矢板は経済性及び施工性に優れ、さらにはより経済性に優れたものであることが分かる。
なお、上記の説明では、経済性指標と施工性指標を乗算することとしたが、両指標を足し合わせて指標として用いることも可能である。
その場合、足し合わせに当たっては、両指標の重みを考慮するため、
(経済性指標)+(施工性指標)=α×(W/I)+β×(R)
とするようにしてもよい。
また、製造コストと壁重量あたりの断面性能(I/W)、および施工コストと貫入抵抗の逆数(1/R)はそれぞれ相反する関係であるため、I/Wと1/Rを経済性、施工性の指標とすることもできる。
本発明の施工性指標Rの設定方法に関する検討事例として、1/12縮尺の鋼矢板模型(長さ100cm)を、5号硅砂で作製した地盤中に一定速度で押し込んで打設した模型施工試験の実施例を示す。
模型施工試験の実施ケースについて、表3に実大換算した形状とそれから決定される経済性指標1/W、および施工性指標Rを示す。なお、本試験体の1mあたりの断面二次モーメントIは全てのケースで55,000(cm4/m)程度となるように、形状を設定している。
Figure 0004873097
表5に施工時貫入抵抗(最大荷重)P、およびケース(2)(θ=45°)の貫入抵抗(最大荷重)P45°で基準化したP/P45°の値を施工性指標R、およびθ=45°の場合の施工性指標R45°で基準化したR/R45°とを比較して示す。
Figure 0004873097
基準化した施工時貫入抵抗(最大荷重)P/P45°と基準化した施工性指標R/R45°との対応を図11に示す。両者はよく対応していることから、本施工性指標の妥当性が確認された。
図12に基準化した施工時貫入抵抗(最大荷重)P/P45°とウェブ角度θ(°)との関係示す。本発明範囲(36.6°≦θ≦63.4°)においては、実験における施工時貫入抵抗は比較的小さく抑えられているのに対し、本発明範囲外(θ=75°、82°)においては、施工時貫入抵抗が増大していることから、本発明の妥当性が確認された。
本発明の施工性指標Rの設定方法に関する検討事例として、1/12縮尺の鋼矢板模型(長さ100cm)を、5号硅砂で作製した地盤中に一定速度で押し込んで打設した模型施工試験の実施例を示す。
模型施工試験の実施ケースについて、表6に実大換算した形状とそれから決定される経済性指標1/W、および施工性指標Rを示す。なお、本試験体の1mあたりの断面二次モーメントIは全てのケースで82000(cm4/m) 程度となるように、形状を設定している。
Figure 0004873097
施工時貫入抵抗(最大荷重)P、Pをケース(6)(θ=67°)の貫入抵抗(最大荷重)P67°で基準化したP/P67°、施工性指標R、及び、Rをθ=67°の場合の施工性指標R67°で基準化したR/R67°を、表7に比較して示す。
Figure 0004873097
基準化した施工時貫入抵抗(最大荷重)P/P67°と基準化した施工性指標R/R67°との対応を図13に示す。両者はよく対応していることから、本施工性指標の妥当性が確認された。
図14に基準化した施工時貫入抵抗(最大荷重)P/P67°とウェブ角度θ(°)との関係示す。本発明範囲(67°≦θ≦80°)においては、実験における施工時貫入抵抗は比較的小さく抑えられているのに対し、本発明範囲外(θ=85°)においては、施工時貫入抵抗が増大していることから、本発明の妥当性が確認された。
本発明の実施例として、1/8.5縮尺の鋼矢板模型(長さ110cm)を、7号硅砂で作製した地盤中に一定速度で押し込んで打設した模型施工試験の実施例を示す。
模型施工試験の実施ケースについて、表8に実大換算した形状と試験における貫入抵抗値Pおよび模型断面の変形量を示す。
Figure 0004873097
図15に試験体の変形量と高さ/ウェブ厚比H/twとの関係を示す。試験体の変形量はウェブとフランジの交差角度(初期は75°)の変化量を示している。高さ/ウェブ厚比H/twの値を64とした試験体の変形量が大きくなっており、高さ/ウェブ厚比H/twを60程度以下に抑えれば、変形量を抑制できる結果となった。
図16に施工時貫入抵抗Pと高さ/ウェブ厚比H/twとの関係を示す。高さ/ウェブ厚比H/twの値を64とした試験体で貫入抵抗が増大している。これは、試験体の断面変形量が大きくなったこと(図15参照)に起因していると考えられる。従って、高さ/ウェブ厚比H/twを60程度以下に抑えることで変形を抑制でき、施工性の低下を招く恐れはないと考えられる。

Claims (5)

  1. ウェブと、その両端に形成されたフランジと、該フランジの端部に継手を備えてなるZ形鋼矢板であって、鋼矢板壁を形成したときの壁幅1mあたりの断面二次モーメントI(cm4/m)、単位壁面積あたりの重量W(kg/m2)、貫入抵抗R及びウェブ角度θ(°)との関係が、下記の式群(A)又は(B)を満足するように設定されていることを特徴とするZ形鋼矢板。
    式群(A):
    (W/I)×R≦0.004であり、かつ
    2.65×10−4×I+22≦θ≦2.80×10−4×I+48 (30,000≦I<80,000)
    2.65×10−4×I+22≦θ≦70 (80,000≦I<180,000)
    式群(B):
    0.004<(W/I)×R≦0.006であり、かつ
    2.80×10−4×I+44.6<θ≦80 (30,000≦I<80,000)
    67<θ≦80 (80,000≦I<200,000)
  2. 前記式群(A)を満足するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載のZ形鋼矢板。
  3. 前記式群(B)を満足するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載のZ形鋼矢板。
  4. 下記の式群(C)を満足するように設定されていることを特徴とする請求項3に記載のZ形鋼矢板。
    式群(C):
    0.004<(W/I)×R≦0.006であり、かつ
    2.80×10−4×I+48<θ≦80 (30,000≦I<80,000)
    70<θ≦80 (80,000≦I<200,000)
  5. 前記Z形鋼矢板の高さ(H)とウェブ板厚(tw)の関係が下式を満足するものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のZ形鋼矢板。
    H/tw≦60.0
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