JP2021183757A - 鋼矢板および鋼矢板壁 - Google Patents

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Noriyoshi Harada
裕章 中山
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正和 武野
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真治 妙中
Shinji Myonaka
俊介 森安
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Abstract

【課題】鋼矢板の打設時に発生する断面の回転変形を効果的に低減することが可能な、鋼矢板及び鋼矢板壁を提供する。【解決手段】鋼矢板1は、長手方向に直交する断面において、断面高さ方向の第1の側で幅方向に延びるウェブ2と、ウェブ2の幅方向の両端部から幅方向の両側、かつ断面高さ方向の第2の側に向かって延びる1対のフランジ3A,3Bと、断面高さ方向の第2の側で1対のフランジ3A,3Bの端部から幅方向に、かつ幅方向の両側に向かって延びる1対のアーム4A,4Bと、この1対のアーム4A,4Bのフランジ3A,3Bとは反対側の端部に形成される1対の嵌合継手5A,5Bとを備える。断面における1対の嵌合継手5A,5Bのうちの一方の嵌合中心を中心とする断面二次極モーメントIpoが8.0×105cm4よりも大きく、幅方向におけるウェブの長さBwと1対のアームのうちの一方の長さBaとがBa/Bw>0.2の関係を満たす。【選択図】図1

Description

本発明は、鋼矢板および鋼矢板壁に関する。
鋼矢板は、土木建築工事において、土留めや止水のための壁体を構築するために広く利用されている。鋼矢板の施工性や断面性能を向上させるための技術は、これまでにも種々提案されている。例えば、特許文献1には、打設時の貫入抵抗が最小限に抑えられるように、ハット形鋼矢板の断面におけるフランジ角度、すなわちフランジがウェブおよびアームとの間になす角度を設定する技術が記載されている。特許文献2にも、貫入抵抗Rに着目して、ハット形鋼矢板の経済性、施工性および健全性をともに最適化する断面形状を決定するための技術が記載されている。特許文献3には、動的抵抗から評価される施工性評価指標、および経済性評価指標のうち少なくとも一方に優れた鋼矢板の断面形状が記載されている。特許文献4には、断面性能のうち断面二次モーメントに優れたハット形鋼矢板の形状設定方法が記載されている。一方、非特許文献1では、鋼矢板の施工時の留意点として、鋼矢板が継手を中心にして回転し、位置のずれを生じることがあることが記載されている。
特許第3488233号公報 特開2012−158910号公報 国際公開第2015/159445号 特開2008−69631号公報
一般社団法人 鋼管杭・鋼矢板技術協会、「鋼矢板 設計から施工まで」、2014年10月
上記の特許文献1から特許文献4では、非特許文献1に記載されたような鋼矢板の回転については言及されていない。非特許文献1では、観測を入念に行うことや、回転が生じた場合は一旦抜き上げて再打込みを行うことで対処することが記載されているが、鋼矢板の断面性能として地中における断面の回転変形を低減させることができれば、鋼矢板の施工を効率化するために有利である。
そこで、本発明は、鋼矢板の打設時に発生する断面の回転変形を効果的に低減することが可能な、新規かつ改良された鋼矢板および鋼矢板壁を提供することを目的とする。
本発明のある観点によれば、鋼矢板は、長手方向に直交する断面において、断面高さ方向の第1の側で幅方向に沿って延びるウェブと、ウェブの幅方向の両端部から幅方向の両側、かつ断面高さ方向の第2の側に向かって延びる1対のフランジと、断面高さ方向の第2の側で1対のフランジのそれぞれの端部から幅方向に沿って、かつ幅方向の両側に向かって延びる1対のアームと、1対のアームのそれぞれの1対のフランジとは反対側の端部に形成される1対の嵌合継手とを備える。断面における1対の嵌合継手のうちの一方の嵌合中心を中心とする断面二次極モーメントIpoが8.0×10cmよりも大きく、幅方向におけるウェブの長さBwと1対のアームのうちの一方の長さBaとがBa/Bw>0.2の関係を満たす。
上記の構成によれば、鋼矢板の打設時に発生する断面の回転変形を効果的に低減することができる。
本発明の一実施形態に係る鋼矢板の断面図である。 図1に示された鋼矢板の嵌合中心について説明するための図である。 打設時の鋼矢板に発生する断面の回転変形について概念的に説明するための図である。 本実施形態における鋼矢板の断面形状の検討の概要について説明するための図である。 本実施形態における鋼矢板の断面形状の検討の概要について説明するための図である。 本実施形態における鋼矢板の断面形状の検討の概要について説明するための図である。 比較例、実施例、および参考例について、構造計算で算出された回転角度を縦軸に、嵌合中心回りの断面二次極モーメントを横軸にして示すグラフである。 図7とは異なる条件で、比較例、実施例、および参考例について、構造計算で算出された回転角度を縦軸に、嵌合中心回りの断面二次極モーメントを横軸にして示すグラフである。 比較例、実施例、および参考例について、鋼矢板壁の壁幅1mあたりの断面積を縦軸に、同じく壁幅1mあたりの断面係数を横軸にして示すグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る鋼矢板の断面図である。図1に示されるように、鋼矢板1は、長手方向(図中のz方向)に直交する断面において、断面高さ方向の第1の側(図中のy方向の奥側)で幅方向(図中のx方向)に沿って延びるウェブ2と、ウェブ2の幅方向の両端部から幅方向の両側、かつ断面高さ方向の第2の側(図中のy方向の手前側)に向かって延びるフランジ3A,3Bと、断面高さ方向の第2の側でフランジ3A,3Bのそれぞれの端部から幅方向に沿って、かつ幅方向の両側に向かって延びるアーム4A,4Bと、アーム4A,4Bのそれぞれのフランジ3A,3Bとは反対側の端部に形成される嵌合継手5A,5Bとを含む。
ここで、図1には、鋼矢板1の各部分の寸法が記載されている。まず、ウェブ2については、長さBw、板厚twである。長さBwは、ウェブ2の板厚中心線と、フランジ3A,3Bのそれぞれの板厚中心線との間に形成される2つの交点の間の距離である。フランジ3Aについては、長さBf、板厚tfである。長さBfは、フランジ3Aの板厚中心線と、ウェブ2およびアーム4Aのそれぞれの板厚中心線との間に形成される2つの交点の間の距離である。アーム4Aについては、長さBa、板厚taである。長さBaは、アーム4Aの板厚中心線とフランジ3Aの板厚中心線との間に形成される交点と、嵌合継手5Aの嵌合中心Eとの間の距離である。なお、鋼矢板1の断面形状は幅方向の中立軸(図中のy軸)について対称であるため、フランジ3Bについてもフランジ3Aと同様に長さBf、板厚tfであり、アーム4Bについてもアーム4Aと同様に長さBa、板厚taである。
さらに、図1には、鋼矢板1の有効幅W、高さH、有効高さHc、嵌合中心Eから幅方向の中立軸(図中のy軸)までの距離Dy、および嵌合中心Eから断面高さ方向の中立軸(図中のx軸)までの距離Dxが示されている。ここで、有効幅Wは、嵌合継手5A,5Bのそれぞれの嵌合中心E,Eの間の距離である。高さHは、ウェブ2およびアーム4A,4Bの板厚を含み嵌合継手5A,5Bの張り出しを含まない鋼矢板1の断面の高さであり、有効高さHcは高さHからウェブ2およびアーム4A,4Bの板厚の半分を差し引いたもの、すなわちHc=H−(tw/2+ta/2)である。
後述するように、本実施形態に係る鋼矢板1では、嵌合中心Eを中心とする断面二次極モーメントIpoが8.0×10cmよりも大きい。また、ウェブ2の長さBwとアーム4Aの長さBaとはBa/Bw>0.2の関係を満たす。なお、鋼矢板1の断面形状は幅方向の中心軸について対称であるため、嵌合継手5Bの嵌合中心Eを中心とした断面二次極モーメントIpoについても同様である。また、ウェブ2の長さBwとアーム4Bの長さBaとの間でもBa/Bw>0.2となる。
図2は、図1に示された鋼矢板の嵌合中心について説明するための図である。図示されているように、鋼矢板1の嵌合継手5Aには、隣接して打設される別の鋼矢板1の嵌合継手5Bが嵌合する。嵌合継手5Aの嵌合中心Eは、別の鋼矢板1のアーム4Bおよび嵌合継手5Bを仮想的に配置した場合に、嵌合継手5Aが形成されるアーム4Aの端部位置と、仮想的な嵌合継手5Bが形成されるアーム4Bの端部位置との中間に位置する、アーム4Aおよびアーム4Bの設計上の板厚中心線上の点として定義することができる。鋼矢板1の反対側に位置する嵌合継手5Bの嵌合中心Eも、同様に定義することができる。
図3は、打設時の鋼矢板に発生する断面の回転変形について概念的に説明するための図である。図3に示されるように、鋼矢板1は、先行して打設された鋼矢板1Pの嵌合継手5Bに嵌合継手5Aを嵌合させながら地中に打設される。従って、打設時の鋼矢板1に発生する断面の回転変形は、嵌合継手5Aの嵌合中心Eを中心にして発生する。そこで、本発明者らは、打設時の回転変形を効果的に低減できる鋼矢板1の断面形状の条件について、嵌合中心Eを中心とする断面二次極モーメントIpoに着目して検討した。
以下では、図4から図6をあわせて参照しながら、本実施形態における鋼矢板の断面形状の検討の概要について説明する。本実施形態における検討では、鋼矢板の回転変形を構造計算によって算出するために、鋼矢板1の長手方向(図1に示すz方向)について100cmの区間におけるウェブ2、フランジ3A,3Bおよびアーム4A,4Bをそれぞれ梁とみなして、断面内(図1に示すx−y平面内)の曲げ変形量を算出した。この場合、ウェブ2、フランジ3A,3Bおよびアーム4A,4Bは、それぞれ、幅が100cmで、高さが板厚tw、tfまたはtaに等しい矩形断面の梁を形成する。
図4に示すように、検討にあたっては、鋼矢板1にかかる力として、ウェブ2およびフランジ3A,3Bによって囲まれる閉塞領域側に作用する分布荷重q(kN/m)と、分布荷重に抵抗する形で反対側からウェブ2、フランジ3A,3B、およびアーム4A,4Bに作用する地盤反力の地盤反力係数k(kN/m)とを設定した。さらに、図5に示すように、嵌合継手5Aの嵌合中心Eを通りx軸(図1参照)に平行なx軸、および嵌合中心Eを通りy軸(図1参照)に平行なy軸を設定し、嵌合中心Eではx軸およびy軸ともに鋼矢板1の変位が固定される一方で、x軸とy軸との交点、すなわち嵌合中心Eを中心にした回転が許容されるものとした。図6は、図5のような鋼矢板1の断面の回転変形が生じた場合の回転角度θの定義を示す。回転角度θは、断面におけるフランジ3A,3Bのそれぞれの長さ方向の中点F1,F2を通る直線と、中点F1を通りx軸に平行な直線とがなす角度である。
以下の表1に、従来の鋼矢板(比較例1〜比較例4)、本実施形態に係る鋼矢板(実施例1〜実施例27)および参考例に係る鋼矢板(参考例1〜参考例4)の断面諸元を示す。なお、各例に係る鋼矢板は、いずれもハット形鋼矢板である。表1において、Wは有効幅(cm)、Hは高さ(cm)、twはウェブの板厚(cm)、Aは断面積(cm)、Zは断面係数(cm)であり、AおよびZについては鋼矢板の1枚あたりの値である。Ixは図1に示す断面高さ方向の中立軸(x軸)回りの断面二次モーメント(cm)、Iyは同じく幅方向の中立軸(y軸)回りの断面二次モーメント(cm)、Ipはそれぞれの中立軸の交点、すなわち断面の図心回りの断面二次極モーメント(cm)である。なお、断面二次極モーメントIpは、Ip=Ix+Iyとして求めることができる。また、それぞれの中立軸、およびIx,Iyは、ウェブとフランジとの間、およびフランジとアームとの間の曲線形状、および嵌合継手の形状を考慮して算出されている。
一方、表1において、Ixoは図4に示すx軸回りの断面二次モーメント(cm)、Iyoは同じくy軸回りの断面二次モーメント(cm)、Ipoはx軸とy軸との交点、すなわち嵌合中心E回りの断面二次極モーメント(cm)である。なお、Ixoは、鋼矢板の断面積A(cm)、およびx軸とx軸との間の距離Dx(cm)を用いて、Ixo=Ix+A×Dxとして求めることができる。また、Iyoは、断面積A(cm)およびy軸とy軸との間の距離Dy(cm)を用いて、Iyo=Iy+A×Dyとして求めることができる。Ipoは、Ipo=Ixo+Iyoとして求めることができる。なお、上記の断面二次モーメント、断面二次極モーメント、および断面積は、いずれも鋼矢板1枚あたりの値である。
Figure 2021183757
図7は、上記の比較例1〜比較例4、実施例1〜実施例27、および参考例1〜参考例4について、図4を参照して説明した分布荷重qを100kN/m、地盤反力係数を2.0×10kN/mとした構造計算で算出された回転角度θ(deg)を縦軸に、鋼矢板1の嵌合中心E回りの断面二次極モーメントIpo(cm)を横軸にして示すグラフである。図7のグラフを参照すると、断面二次極モーメントIpoが8.0×10cm未満の比較例1〜比較例4に比べて、断面二次極モーメントIpoが8.0×10cmよりも大きい実施例1〜実施例27(最も小さいのは実施例3でIpo=8.37×10cm)では回転角度θが小さくなっている。
図8は、比較例1〜比較例4、実施例1〜実施例27、および参考例1〜参考例4について、図7の例とは異なる条件、すなわち分布荷重qを1.0×10kN/m、地盤反力係数を2.0×10kN/mとした構造計算で算出された回転角度θ(deg)を縦軸に、鋼矢板1の嵌合中心E回りの断面二次極モーメントIpo(cm)を横軸にして示すグラフである。図8のグラフでも、図7のグラフと同様に、断面二次極モーメントIpoが8.0×10cm未満の比較例1〜比較例4に比べて、断面二次極モーメントIpoが8.0×10cmよりも大きい実施例1〜実施例27では回転角度θが小さくなっている。
図7および図8に示した構造計算の結果から、断面二次極モーメントIpoが8.0×10cmよりも大きいことは、鋼矢板1の打設時の回転変形を低減するための断面形状の条件の1つである可能性がある。
一方、図7および図8に示した結果において、参考例1〜参考例3では、断面二次極モーメントIpoが8.0×10cmよりも大きいにもかかわらず、回転角度θが低減されていない。また、参考例4では、断面二次極モーメントIpoが8.0×10cmよりも小さいにもかかわらず、回転角度θが低減されている。そこで、断面形状にさらなる条件がある可能性を考慮し、実施例1〜実施例27および参考例1〜参考例4のウェブおよびアームの長さを比較した結果を表2に示す。
Figure 2021183757
表2において、実施例1〜実施例27では鋼矢板のウェブの長さBwおよびアームの長さBaがBa/Bw>0.2の関係を満たす(最も小さいのは実施例19および実施例25でBa/Bw=0.298)のに対して、参考例1〜参考例3ではBa/Bw<0.2である。Ba/Bwが小さい場合、ウェブの長さがアームの長さよりも極端に長くなるため、図4に示した分布荷重qを受ける領域が広くなり、結果として断面二次極モーメントIpoが大きくても回転角度θが低減されないと考えられる。従って、上記の例から、鋼矢板1の打設時の回転変形を低減するための断面形状の条件として、断面二次極モーメントIpoが8.0×10cmよりも大きく、かつウェブの長さBwとアームの長さBaとがBa/Bw>0.2の関係を満たすことが特定できる。
一方、表2において、実施例1〜実施例27では鋼矢板のウェブの長さBwおよびアームの長さBaがBa/Bw<0.6の関係を満たす(最も大きいのは実施例21でBa/Bw=0.502)のに対して、参考例4ではBa/Bw=0.806である。Ba/Bwが大きい場合、上述した参考例1〜参考例3の場合とは逆に、ウェブの長さがアームの長さよりも極端に短くなるため、図4に示した分布荷重qを受ける領域が狭くなり、結果として断面二次極モーメントIpoを大きくしなくても回転角度θが低減されると考えられる。しかしながら、以下に説明する通り、このような鋼矢板の断面設計は、例えば鋼矢板壁の軽量化の観点において必ずしも合理的ではない。
図9は、上記の比較例1〜比較例4、実施例1〜実施例27、および参考例1〜参考例4について、鋼矢板の嵌合継手を互いに嵌合させて幅方向につなぎ合わせた鋼矢板壁の壁幅1mあたりの断面積A(cm/m)を縦軸に、同じく壁幅1mあたりの、幅方向に延びる中立軸回りの断面係数Z(cm/m)を横軸にして示すグラフである。比較例1〜比較例4の鋼矢板壁における断面積Aと断面係数Zの関係を近似直線L(A=0.054Z+70)で表した場合、実施例1〜実施例27の鋼矢板壁はいずれも近似直線Lよりも右下側、すなわち、A<0.054Z+70となる領域に位置し、比較例1〜比較例4の鋼矢板壁よりも軽量化されている。一方、参考例4の鋼矢板壁は近似直線Lよりも左上側に位置し、比較例1〜比較例4の鋼矢板壁よりも軽量化されているとはいえない。
以上より、本実施形態に係る鋼矢板1の打設時の断面の回転変形を低減するための条件、すなわち断面二次極モーメントIpoが8.0×10cmよりも大きく、かつウェブの長さBwとアームの長さBaとがBa/Bw>0.2の関係を満たすことに、鋼矢板壁を軽量化するための条件として、Ba/Bw<0.6であること、および鋼矢板壁の壁幅1mあたりの断面積A(cm/m)と、幅方向に延びる中立軸回りの断面係数Z(cm/m)とがA<0.054Z+70の関係を満たすことを加えてもよい。
なお、上記の検討は、鋼矢板1の有効幅Wを拡大する検討の中で実施されたため、実施例1〜実施例27において有効幅Wは105cm≦W≦150cmの範囲にある。しかしながら、例えば有効幅Wが105cm未満、または150cmよりも大きい場合であっても、上記の範囲に近い値であれば、同様の条件が適用可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1…鋼矢板、1P…鋼矢板、2…ウェブ、3A,3B…フランジ、4A,4B…アーム、5A,5B…嵌合継手、E,E…嵌合中心。

Claims (5)

  1. 鋼矢板であって、
    長手方向に直交する断面において、断面高さ方向の第1の側で幅方向に沿って延びるウェブと、前記ウェブの前記幅方向の両端部から前記幅方向の両側、かつ前記断面高さ方向の第2の側に向かって延びる1対のフランジと、前記断面高さ方向の第2の側で前記1対のフランジのそれぞれの端部から前記幅方向に沿って、かつ前記幅方向の両側に向かって延びる1対のアームと、前記1対のアームのそれぞれの前記1対のフランジとは反対側の端部に形成される1対の嵌合継手とを備え、
    前記断面における前記1対の嵌合継手のうちの一方の嵌合中心を中心とする断面二次極モーメントIpoが8.0×10cmよりも大きく、前記幅方向における前記ウェブの長さBwと前記1対のアームのうちの一方の長さBaとがBa/Bw>0.2の関係を満たす鋼矢板。
  2. 前記幅方向における前記ウェブの長さBwと前記1対のアームのうちの一方の長さBaとがBa/Bw<0.6の関係を満たす、請求項1に記載の鋼矢板。
  3. 有効幅Wが105cm≦W≦150cmの範囲にある、請求項1または請求項2に記載の鋼矢板。
  4. 複数の前記鋼矢板を前記1対の嵌合継手で互いに嵌合させて前記幅方向につなぎ合わせた鋼矢板壁の壁幅1mあたりで、前記鋼矢板壁の断面積A(cm/m)と、前記幅方向に延びる前記鋼矢板壁の中立軸回りの断面係数Z(cm/m)とがA<0.054Z+70の関係を満たす、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の鋼矢板。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の鋼矢板の前記1対の嵌合継手を互いに嵌合させて前記幅方向につなぎ合わせた鋼矢板壁であって、
    前記鋼矢板壁の壁幅1mあたりの断面積A(cm/m)と、前記幅方向に延びる中立軸回りの断面係数Z(cm/m)とがA<0.054Z+70の関係を満たす鋼矢板壁。
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