JP4924362B2 - 鋼矢板 - Google Patents

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本発明は、土木建築分野における、地下土留め、基礎構造および港湾、河川における護岸等に用いる構造部材としての鋼矢板に関する。
一般に、土木建築分野における、地下土留め、基礎構造および港湾、河川における護岸等の構築に際しては、複数の鋼矢板を順次打設して連壁を構成するようにしている。この場合、連壁は、平面(打設方向上面)から見た断面形状で波形(台形状を交互に繰り返す形)とするのが一般的である。ここで、連壁を構成する鋼矢板として、図12に示すU形鋼矢板と、図14に示すハット形鋼矢板と、図16および図18に示すZ形鋼矢板とが知られている。
図12に示すU形鋼矢板101は、ウェブ102と、ウェブ102の両端縁からウェブ102に対して所定角度で延びる1対のフランジ103と、各フランジ103の先端縁に設けられた1対の継手104a,104bとを備え、そのほとんどが熱間圧延加工により製造されている。図12に示すように、U形鋼矢板101単体の全高さはh3、継手間隔はl3で設定される。1対の継手104a,104bは、図12に示すように、ともにウェブ102のある向きに開いている。このU形鋼矢板101は、製造、保管および打設が容易であるため、広く使用されている。そして、U形鋼矢板101は、図13に示すように、交互に反転されて隣り合うU形鋼矢板101の継手104a,104bが噛み合わされ、単体の高さh2の約2倍となる壁厚t3の連壁を構成するようになっている。このU形鋼矢板101で構成された連壁においては、継手104a,104bの位置が連壁の壁厚方向(図13におけるt3方向)の中心に位置している。
しかしながら、このU形鋼矢板101を用いた連壁にあっては、各U形鋼矢板101の中立軸N3が連壁の延びる方向(図13における左右方向)において交互に異なるため、連壁が圧力を受けて変形する際に、継手104a,104bのところにおいてずれを生じ、連壁全体としての剛性が継手104a,104の部分を固着して一体化したものに比べて劣るという、いわゆる継手効率低下という問題があった。
図14に示すハット形鋼矢板201は、ウェブ202と、ウェブ202の両端縁からウェブ202に対して所定角度で延びる1対のフランジ203と、各フランジ203の先端縁からウェブ202に対して平行に延びる1対の腕部204と、各腕部204の先端縁に設けられた1対の継手205a,205bとを備え、熱間圧延加工により製造されている。図14に示すように、ハット形鋼矢板201単体の全高さはh4に設定され、継手間隔はl4に設定される。そして、図14に示すように、1対の継手205a,205bのうち継手205aはウェブ202側向きに開き、その逆に継手205bはウェブ202側とは反対側の向きに開いている。ハット形鋼矢板201は、図15に示すように、同じ向きで隣り合うハット形鋼矢板201と継手205a,205bで噛み合わされ、壁厚t4の連壁を構成するようになっている。このハット形鋼矢板201で構成された連壁においては、継手205a,205bの位置が連壁の壁厚方向(図15における上下方向)の一端部(図15においては下端部)に位置している。
このハット形鋼矢板201で構成された連壁においては、図15に示すように、各ハット形鋼矢板201の中立軸N4が連壁の延びる方向(図15における左右方向)において同一であるため、連壁が圧力を受けて変形する際に、継手205a,205bのところにおいてずれを生じる現象、いわゆる継手効率低下の問題はない。
しかしながら、ハット形鋼矢板201の高さh4が連壁の壁厚t4と同じであって、製造上ハット形鋼矢板201の単体の高さを大きくすることには限界(設備制約など)があることから、連壁の壁厚t4を大きくするのが困難であった。
図16に示すZ形鋼矢板301は、ウェブ302と、ウェブ302の両端縁からウェブ302に対してほぼ直角に互いに逆方向に延びる1対のフランジ303と、各フランジ303の先端縁に設けられた1対の継手304a,304bとを備え、熱間圧延加工により製造されている。図16に示すように、Z形鋼矢板301単体の全高さはh5で設定され、継手間隔はL5に設定される。1対の継手304a,304bは、図17に示すように、ウェブ302を立てたときにともに同一向きに開いている。そして、Z形鋼矢板301は、図17に示すように、交互に反転されて隣り合うZ形鋼矢板301と継手304a,304bで噛み合わされ、壁厚t4の連壁を構成するようになっている。このZ形鋼矢板301で構成された連壁においては、継手304a,304bの位置が連壁の壁厚方向(図17における上下方向)の両端部に位置している。
このZ形鋼矢板301で構成された連壁においては、Z形鋼矢板301単体の全高さh5を低く抑え打設による組み合わせで連壁の壁厚t5を大きくしている。
しかしながら、Z形鋼矢板301は、図16に示す中立軸をN5とした場合、単体での断面係数がU形鋼矢板101やハット形鋼矢板201に比べて相対的に小さく、打設抵抗により変形しやすいといった問題点があった。
また、図18に示すZ形鋼矢板401は、図16に示すZ形鋼矢板301と同様に、ウェブ402と、ウェブ402の両端縁から互いに逆方向に延びる1対のフランジ403と、各フランジ403の先端縁に設けられた1対の継手404a,404bとを備え、熱間圧延加工により製造されている。図18に示すように、Z形鋼矢板401単体の全高さはh6で設定され、継手間隔はL6に設定される。しかし、Z形鋼矢板401においては、1対のフランジ403がウェブ402に対して直角よりも大きな角度でウェブ402から延びている点で図16に示すZ形鋼矢板301と異なっている。そして、Z形鋼矢板401は、図19に示すように、交互に反転されて隣り合うZ形鋼矢板401と継手404a,404bで噛み合わされ、壁厚t6の連壁を構成するようになっている。このZ形鋼矢板401で構成された連壁においては、継手404a,404bの位置が連壁の壁厚方向(図19における上下方向)の両端部に位置している。
このZ形鋼矢板401で構成された連壁においても、打設による組み合わせで連壁の壁厚t6を大きくすることができるが、図18に示す中立軸をN6とした場合、Z形鋼矢板401単体での断面係数がU形鋼矢板101やハット形鋼矢板201に比べて相対的に小さく、打設抵抗により変形しやすいといった問題点があった。
また、このZ形鋼矢板の他の従来例として、例えば、図20に示すものも知られている(特許文献1参照)。
図20に示すZ形鋼矢板501は、図18に示すZ形鋼矢板401と同じタイプのもので、ウェブ502と、ウェブ502の両端縁から互いに逆方向に延びる1対のフランジ503と、各フランジ503の先端縁に設けられた1対の継手504a,504bとを備え、熱間圧延加工により製造されている。そして、Z形鋼矢板501においては、1対のフランジ503がウェブ502に対して直角よりも大きな角度でウェブ502から延びている。
このZ形鋼矢板501で構成された連壁においても、打設による組み合わせで連壁の壁厚を大きくすることができるが、Z形鋼矢板501単体での断面係数がやはりU形鋼矢板101やハット形鋼矢板201に比べて相対的に小さく、打設抵抗により変形しやすいといった問題点があった。
一方、Z形鋼矢板401,501やU形鋼矢板101に比べて、単体の断面係数を大きくできる鋼矢板として、図21に示すものが知られている(特許文献2参照)。
図21に示す鋼矢板601は、鋼板を幅方向(図21における左右方向)における中間部において鈍角に折り曲げてウェブ602とフランジ603とを形成し、このウェブ602とフランジ603の先端縁に、それぞれ内向きに折り返した継手604a,604bを設け、断面がほぼ山形形状のほぼL形に形成されている。
この鋼矢板601によれば、Z形鋼矢板401,501と同様に連壁の壁厚を大きくすることができるとともに、Z形鋼矢板401,501やU形鋼矢板101に比べて、単体の断面係数を大きくできる。
特開2002−294691号公報 実公昭61−38986号公報
しかしながら、図21に示した鋼矢板601にあっては、圧延により成形加工された鋼板をほぼL形に折り曲げるとともに継手604a,604bを内向き(山形形状のウェブ602およびフランジ603で囲まれる領域に対して内側領域に向けた向き)に折り曲げる加工を行うといった多工程にわたる製造プロセスを経ないと製造できないため、鋳片を熱間圧延のみで成形するU形鋼矢板101、Z形鋼矢板401,501およびハット形鋼矢板301と比較して生産性が悪く特に大断面の厚みでは実用的ではないという問題点があった。
また、鋼矢板601では、鋼板を折り曲げてほぼL形とし、ウェブ602とフランジ603とを成形しているので、ウェブ602とフランジ603の厚さは同一となっている。このため、図21に示すように、L形の鋼矢板601を波形(台形)に連ねて連壁を構成する際に、ウェブ602の厚さとフランジ603の厚さは同一となり、断面二次モーメントを断面積で除して求める性能としての断面効率を高くすることができないという問題点があった。
従って、本発明は上述の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、Z形鋼矢板と同様に壁厚の大きい連壁を形成することが可能であり、かつ、鋼矢板単体としての断面係数がZ形鋼矢板よりも大きくて打設時の変形が少なく、さらに、熱間圧延加工のみで製造することができる鋼矢板を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に係る鋼矢板は、壁面板と、該壁面板の一端縁から延びる壁面つなぎ板とを備え、前記壁面板および前記壁面つなぎ板は、前記壁面板と前記壁面つなぎ板との交点を頂点とする断面形状が山形をなし、前記壁面板および前記壁面つなぎ板が、それぞれ前記交点とは反対側の縁に、ラルゼン形継手を設けた鋼矢板であって、前記ラルゼン形継手の各々は、前記壁面板に対して平行、かつ、前記頂点から遠ざかる方向へ延びる爪底部と、該爪底部から頂点側に曲げたフック部とを備えた爪で構成され
一枚毎反転して前記ラルゼン形継手を噛み合わせることにより、台形状が交互となる波形の連壁を構成し、前記連壁の角隅部を、前記壁面板の一端縁に位置する頂点と、前記壁面板の他端縁に位置する継手部分とし、継手部分を除く屈折箇所が前記頂点の1箇所であることを特徴としている。
また、本発明のうち請求項2に係る鋼矢板は、請求項1記載の鋼矢板において、前記壁面板の板厚が前記壁面つなぎ板の板厚よりも大きいことを特徴としている
加えて、本発明のうち請求項に係る鋼矢板は、請求項1又は2記載の鋼矢板において、前記壁面つなぎ板に設けたラルゼン形継手近傍の断面積を大きくして鋼矢板単体の断面図芯を前記壁面板から遠ざけ、これにより、前記連壁を構成する際、前記鋼矢板単体の断面図芯が前記連壁の壁厚方向の中心に近づくようにしたことを特徴としている。
また、本発明のうち請求項に係る鋼矢板は、請求項1記載の鋼矢板において、前記山形の頂点には、該頂点を上にして平坦な床上に水平置きした際に、前記床に対して平行となる頂点側平坦部が設けられていることを特徴としている。
本発明のうち請求項1に係る鋼矢板によれば、壁面板と、該壁面板の一端縁から延びる壁面つなぎ板とを備え、前記壁面板および前記壁面つなぎ板は、前記壁面板と前記壁面つなぎ板との交点を頂点とする断面形状が山形をなし、前記壁面板および前記壁面つなぎ板が、それぞれ前記交点とは反対側の縁にラルゼン形継手を設けているので、Z形鋼矢板と同様に一枚毎交互に向きを変えて打設することで壁厚の大きい連壁を形成することが可能であり、かつ、鋼矢板単体としての断面係数がZ形鋼矢板よりも大きくて打設変形が少ない鋼矢板を提供することができる。そして、ラルゼン形継手の各々は、壁面板に対して平行、かつ、頂点から遠ざかる方向へ延びる爪底部と、爪底部から頂点側に曲げたフック部とを備えた爪で構成されるので、熱間圧延加工のみで製造できる鋼矢板を提供することができる。
また、本発明のうち請求項に係る鋼矢板によれば、一枚毎反転して前記ラルゼン形継手を噛み合わせることにより、台形状が交互となる波形の連壁を構成するので、Z形鋼矢板で構成された連壁と同様にU形鋼矢板やハット形鋼矢板よりも壁厚の大きい連壁を形成することができ、断面効率が大きい連壁を構成することができる。
更に、本発明のうち請求項に係る鋼矢板によれば、前記連壁の角隅部を、前記壁面板の一端縁に位置する頂点と、前記壁面板の他端縁に位置する継手部分とし、継手部分を除いた屈折箇所が壁面板と壁面つなぎ板との交点である頂点の1箇所であるので、屈折箇所を2箇所としたZ形鋼矢板やU形鋼矢板、屈折箇所を4箇所としたハット形鋼矢板と比較して排土圧力を受ける場所が減り、打設抵抗を小さくすることができる。
また、本発明のうち請求項2に係る鋼矢板によれば、請求項1記載の鋼矢板において、前記壁面板の板厚が前記壁面つなぎ板の板厚よりも大きいので、壁面板の板厚を壁面つなぎ板の板厚と同じくした場合に比較して連壁の断面効率を大きくすることができる。
また、本発明のうち請求項に係る鋼矢板によれば、請求項1又は2記載の鋼矢板において、前記壁面つなぎ板に設けたラルゼン形継手近傍の断面積を大きくして鋼矢板単体の断面図芯を前記壁面板から遠ざけ、これにより、前記連壁を構成する際、前記鋼矢板単体の断面図芯が前記連壁の壁厚方向の中心に近づくようにしたので、連壁が圧力を受けて変形する際に、ラルゼン形継手のところにおいて生じるずれを少なくすることができ、いわゆる継手効率の低下を抑制することができる。
また、本発明のうち請求項に係る鋼矢板によれば、請求項1記載の鋼矢板において、前記山形の頂点には、該頂点を上にして平坦な床上に水平置きした際に、前記床に対して平行となる頂点側平坦部が設けられているので、リフティングマグネット等の吊上装置によって頂点側平坦部を吸着することで、鋼矢板を吊上げるとができ、鋼矢板のハンドリングを容易に行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る鋼矢板の平面図である。図2は、図1の鋼矢板を打設して構成された連壁の平面図である。
図1に示す鋼矢板1は、熱間圧延加工により製造されるものであって、壁面板2と、壁面板2の一端縁から延びる壁面つなぎ板3とを備え、壁面板2および壁面つなぎ板3の交点を頂点Aとする断面形状が山形をなしている。壁面板2および壁面つなぎ板3の交点とは反対側の縁には、それぞれラルゼン形継手(以下、単に継手という)4,5が設けられている。壁面板2と壁面つなぎ板3とのなす角度αは、約100°〜約130°に設定される。そして、壁面板2の板厚は壁面つなぎ板3の板厚に対し1.0〜2.0倍程度厚くなっている。また、図1に示すように、鋼矢板1単体の全高さはh1で設定され、継手間隔はL1に設定される。
ここで、壁面板2に設けられた継手4は、壁面板2の他端縁から壁面板2に対してほぼ直交する方向に延びる繋ぎ部4aと、繋ぎ部4aの先端から壁面板2に対して平行に、かつ、頂点Aから遠ざかる方向に延びる爪底部4bと、爪底部4bから頂点A側(山形形状の壁面板2および壁面つなぎ板3で囲まれる領域に対して外側領域に向けた向き)に曲げられたフック部4cとを備えた爪で構成されている。また、壁面つなぎ板3に設けられた継手5は、頂点(交点)Aと反対側の縁から壁面つなぎ板3に対してやや内向きに延びる繋ぎ部5aと、繋ぎ部5aの先端から壁面板2に対して平行に、かつ、頂点Aから遠ざかる方向に延びる爪底部5bと、爪底部5bから頂点A側に曲げられたフック部5cとを備えた爪で構成されている。
このように、継手4,5の各々は、壁面板2に対して平行に延びる爪底部4b、5bと、爪底部4b、5bから頂点A側に曲げたフック部4c、5cとを備えた爪で構成されるので、熱間圧延加工のみで製造できる鋼矢板を提供することができる。図6に本発明を熱間圧延で製造する際の代表パスにおける、孔型および被圧延材の断面形状を示す。同図(a)〜(c)に示すように、矩形断面の鋼素材Sに対し、上下ロールにより形成される孔型により、壁面板2、壁面つなぎ板3、および、継手4,5を成形していく。ここで、壁面板2と壁面つなぎ板3とが山形姿勢となるようにし、継手4,5の爪底部4b、5bがほぼ水平となるように成形を行う。また、フック部4cの爪底部4bに近い部分、および、フック部5cの爪底部5bに近い部分は、肉厚が薄くなるようにする。ここまでの成形において、継手4,5の部分については、従来のラルゼン型継手を有するU形鋼矢板を製造する際とほぼ同様の成形法を用いることができる。さらに、図6(d)、(e)に示すように爪曲げ工程において、爪底部4bとフック部4cとを曲げる。同様に、爪底部5bとフック部5cとを曲げる。また、図6(d)、(e)に示すように、この工程において、爪底部4b、5bを壁面板2と平行となるように方向を変える整形を行うことによって、本発明のように、壁面板2と平行な爪底部4b、5bを有するラルゼン型継手4,5を整形することができる。なお、爪底部4b、5bの方向を変える整形は、フック部4c、5cを爪底部4b、5bを曲げる工程の後に、別途行うこともできる。
また、この鋼矢板1においては、図1に示す中立軸をN1とした場合、鋼矢板1単体としての断面係数がZ形鋼矢板301,401よりも大きくて打設性を改善した鋼矢板を提供することができる。例えば、Z形鋼矢板401においては、図18に示すように、中立軸をN6とした場合に断面二次モーメントが大きくなく、断面係数も大きくはない。これに対して、図1に示す鋼矢板1においては、中立軸をN1とした場合に断面積に対する断面二次モーメントをZ形鋼矢板401と比較して大きくでき、断面係数が大きくなる。
そして、鋼矢板1は、複数個用意され、図2に示すように、一枚毎反転して、地盤に順次打設され、継手4,5を噛み合わせることにより、台形状が交互となる波形の連壁を構成するようになっている。ここで、連壁の壁厚t1は、例えばZ形鋼矢板301,401で構成された連壁の壁厚t5、t6と同様に、U形鋼矢板101やハット形鋼矢板201の壁厚t3、t4よりも大きくすることができる。また、Z形鋼矢板301,401で構成された連壁と同様にU形鋼矢板101やハット形鋼矢板201よりも断面効率の大きい連壁を形成することができる。
ここで、複数の鋼矢板1で構成された連壁の角隅部は、図2に示すように、壁面板2の一端縁に位置する原点と、壁面板2の他端縁に位置する継手4,5の部分となっている。そして、壁面板2の板厚が壁面つなぎ板3の板厚よりも大きくなっている。このため、壁面板2の板厚を壁面つなぎ板3の板厚と同じくした場合に比較して連壁の断面効率を大きくすることができる。この理由は、壁中心から離れた部分の断面を大きくする効果と言える。また、鋼矢板1においては、継手部分を除く屈折箇所が壁面板2と壁面つなぎ板3との交点である頂点の1箇所であるので、屈折箇所を2箇所としたZ形鋼矢板301,401やU形鋼矢板101、屈折箇所を4箇所としたハット形鋼矢板201と比較して排土圧力を受ける場所が減り、打設抵抗のうち排土抵抗を小さくすることができる。
次に、本発明に係る鋼矢板の第2実施形態を図3乃至図5を参照して説明する。図3は、本発明に係る鋼矢板の第2実施形態の平面図である。図4は、図3の鋼矢板を打設して構成された連壁の平面図である。図5は、図1に示す第1実施形態の鋼矢板に対し、特徴部を明確にした鋼矢板の第2実施形態の平面図である。
図3に示す鋼矢板11は、図1に示す鋼矢板1と同様に、熱間圧延加工により製造されるものであって、壁面板12と、壁面板12の一端縁から延びる壁面つなぎ板13とを備え、壁面板12および壁面つなぎ板13が、壁面板12と壁面つなぎ板13の交点Aとは反対側の縁とのそれぞれには、ラルゼン形継手(以下、単に継手という)14,15が設けられている。壁面板12と壁面つなぎ板13とのなす角度αは、図1に示す鋼矢板1と同様に、約100°〜約130°に設定される。また、壁面板12の板厚は壁面つなぎ板13の板厚に対し1.0〜2.0倍程度厚くなっている。また、図3に示すように、鋼矢板11単体の全高さはh2で設定され、継手間隔はL2に設定される。
ここで、壁面板12に設けられた継手14は、壁面板12の他端縁から壁面板12に対してほぼ直交する方向に延びる繋ぎ部14aと、繋ぎ部14aの先端から壁面板12に対して平行に、かつ、頂点Aから遠ざかる方向に延びる爪底部14bと、爪底部14bから頂点A側(山形形状の壁面板12および壁面つなぎ板13で囲まれる領域に対して外側領域に向けた向き)に曲げられたフック部14cとを備えた爪で構成されている。
一方、壁面つなぎ板13に設けられた継手15は、頂点Aと反対側の縁から壁面つなぎ板13に対してやや内向きに延びる繋ぎ部15aと、繋ぎ部15aの先端から壁面板12に対して平行に、かつ、頂点Aから遠ざかる方向に延びる爪底部15bと、爪底部15bから頂点A側に曲げられたフック部15cとを備えた爪で構成されている。
そして、図5に示すように、鋼矢板11においては、継手15の繋ぎ部15a近傍に板厚を厚くする厚板部分16(図5において斜線で示す部分)が追加されている。
このように、継手15の繋ぎ部15a近傍に板厚を厚くする部分16を追加することにより、壁面つなぎ板13に設けた継手15近傍の断面積が大きくなる。このように壁面つなぎ板13に設けた継手15近傍の断面積が大きくなると、図5に示すように、図1に示す鋼矢板1単体の断面図芯の位置がG1であったものが、鋼矢板11単体の断面図芯の位置がG2となり、壁面板12から距離xだけ遠ざかる。これにより、図4及び図5に示すように、鋼矢板11を用いて連壁を構成する際には、鋼矢板11単体の断面図芯の位置G2が連壁の壁厚方向(図4における上下方向)の中心線CLに近づくことになる。このため、連壁が圧力を受けて変形する際に、継手14,15のところにおいて生じるずれを少なくすることができ、いわゆる継手効率の低下を抑制することができる。
そして、鋼矢板11においても、継手14,15の各々が、壁面板12に対して平行に延びる爪底部14b、15bと、爪底部14b、15bから頂点側に曲げたフック部14c、15cとを備えた爪で構成されるので、熱間圧延加工のみで製造できる鋼矢板を提供することができる。
また、この鋼矢板11においても、鋼矢板11単体としての断面係数がZ形鋼矢板301,401よりも大きくて打設が容易な鋼矢板を提供することができる。
そして、鋼矢板11は、鋼矢板1と同様に、複数個用意され、図4に示すように、一枚毎反転して、地盤に順次打設され、継手14,15を噛み合わせることにより、台形状が交互となる波形の連壁を構成するようになっている。ここで、連壁の壁厚t2は、例えばZ形鋼矢板301,401で構成された連壁の壁厚t5,t6と同様に、U形鋼矢板101やハット形鋼矢板201の壁厚t3、t4よりも大きくすることができる。また、Z形鋼矢板301,401で構成された連壁と同様にU形鋼矢板101やハット形鋼矢板201よりも断面効率の大きい連壁を形成することができる。
また、複数の鋼矢板11で構成された連壁の角隅部は、鋼矢板1で構成された連壁の角隅部と同様に、図4に示すように、壁面板12の一端縁に位置する頂点と、壁面板12の他端縁に位置する継手14,15の部分となっている。そして、壁面板12の板厚が壁面つなぎ板13の板厚よりも大きくなっている。このため、壁面板12の板厚を壁面つなぎ板13の板厚と同じくした場合に比較して連壁の断面効率を大きくすることができる。また、鋼矢板11においては、継手部分を除く屈折箇所が壁面板12と壁面つなぎ板13との交点である頂点の1箇所であるので、屈折箇所を2箇所としたZ形鋼矢板301,401やU形鋼矢板101、屈折箇所を4箇所としたハット形鋼矢板201と比較して排土圧力を受ける場所が減り、打設抵抗を小さくすることができる。
次に、本発明に係る鋼矢板の第3実施形態を図8乃至図10を参照して説明する。図8は、本発明に係る鋼矢板の第3実施形態の平面図である。図9は、図8の鋼矢板を打設して構成された連壁の平面図である。図10は、図8に示す鋼矢板をリフティングマグネットによって吊上げる状態の説明図である。
図8に示す鋼矢板21は、図1に示す鋼矢板1と同様に、熱間圧延加工により製造されるものであって、壁面板22と、壁面板22の一端縁から延びる壁面つなぎ板23とを備え、壁面板22および壁面つなぎ板23が、壁面板22と壁面つなぎ板23との交点(仮想点)Aを頂点とする断面形状が山形をなしている。壁面板22及び壁面つなぎ板23の交点Aとは反対側の縁には、それぞれラルゼン形継手(以下、単に継手という)24,25が設けられている。壁面板22と壁面つなぎ板23とのなす角度は、図1に示す鋼矢板1と同様に、約100°〜約130°に設定される。また、壁面板22の板厚は壁面つなぎ板23の板厚に対し1.0〜2.0倍程度厚くなっている。また、図8に示すように、鋼矢板21単体の全高さはh7で設定され、継手間隔はL7に設定される。
ここで、鋼矢板21の山形の頂点Aには、図1に示す鋼矢板1と異なり、頂点Aを上にして平坦な床F上に水平置きした際に、床Fに対して平行となる頂点側平坦部26が設けられている。「平坦な床」とは、工場等の建物内の、平坦に形成された床のみならず、建設現場等の屋外の平坦に形成された地面や床をも含む意である。
また、壁面板22に設けられた継手24は、壁面板22の他端縁から壁面板22に対してほぼ直交する方向に延びる繋ぎ部24aと、繋ぎ部24aの先端から壁面板22に対して平行に、かつ、頂点Aから遠ざかる方向に延びる爪底部24bと、爪底部24bから頂点A側(山形形状の壁面板22および壁面つなぎ板23で囲まれる領域に対して外側領域に向けた向き)に曲げられたフック部24cとを備えた爪で構成されている。一方、壁面つなぎ板23に設けられた継手25は、壁面つなぎ板23の他端縁から延びる繋ぎ部25aと、繋ぎ部25aの先端から壁面板22に対して平行に、かつ、頂点Aから遠ざかる方向に延びる爪底部25bと、爪底部25bから頂点A側に曲げられたフック部25cとを備えた爪で構成されている。
鋼矢板21においても、継手24,25の各々が、壁面板22に対して平行に延びる爪底部24b、25bと、爪底部24b、25bから頂点側に曲げたフック部24c、25cとを備えた爪で構成されるので、熱間圧延加工のみで製造できる鋼矢板を提供することができる。
また、鋼矢板21においても、鋼矢板21単体としての断面係数がZ形鋼矢板301,401よりも大きくて打設が容易な鋼矢板を提供することができる。
そして、鋼矢板21は、鋼矢板1と同様に、複数個用意され、図9に示すように、一枚毎反転して、地盤に順次打設され、継手24,25を噛み合わせることにより、台形状が交互となる波形の連壁を構成するようになっている。
ここで、連壁の壁厚t7は、例えばZ形鋼矢板301,401で構成された連壁の壁厚t5、t6と同様に、U形鋼矢板101やハット形鋼矢板201の壁厚t3、t4よりも大きくすることができる。また、Z形鋼矢板301,401で構成された連壁と同様にU形鋼矢板101やハット形鋼矢板201よりも断面効率の大きい連壁を形成することができる。
頂点側平坦部26の機能について説明すると、図10に示すように、鋼矢板21を工場等の建物内の、平坦に形成された床F上に水平置きした際に、リフティングマグネット30等の吊上装置によって頂点側平坦部26を吸着することで、鋼矢板21を吊上げることができ、鋼矢板21のハンドリングを容易に行うことができる。
実施例である山形の断面形状を有する鋼矢板と、比較例であるU形鋼矢板、ハット形鋼矢板、およびZ形鋼矢板とについて、鋼矢板単体での断面特性および連壁構成時の断面特性について調査した。
実施例である山形の断面形状を有する鋼矢板については、図1に示す形状の標準サイズのものと、図3に示す形状の自立サイズのものと、図8に示す頂角平坦型のものとについて鋼矢板単体での断面特性および連壁構成時の断面特性について調査した。
調査対象となった、標準サイズの山形の断面形状を有する鋼矢板の寸法と自立サイズの山形の断面形状を有する鋼矢板の寸法とを図7に示す。標準サイズの山形の断面形状を有する鋼矢板とは、図1に示すように、壁面つなぎ板3の板厚がほぼ均等肉厚になっているものをいい、調査対象となったものの寸法は、図7に示すように、壁面板2の板厚が18mm、壁面つなぎ板3の板厚が12mm、継手間隔l1が700mm、高さt1が500mmに設定されている。
また、自立サイズの山形の断面形状を有する鋼矢板とは、図3に示すように、継手15の繋ぎ部15a近傍に板厚を厚くする部分16を追加したものをいい、調査対象となったものの寸法は、図7に示すように、壁面板12の板厚が18mm、壁面つなぎ板13の板厚が12mm、継手間隔l2が700mm、高さt2が500mm、厚板部分16の板厚が20.5mmに設定されている。
更に、調査対象となった、頂角部に平坦部を有する山形の断面形状を有する鋼矢板の寸法を図11に示す。調査対象となったものの寸法は、壁面板22の板厚が18mm、壁面つなぎ板23の板厚が12mm、仮想頂点Aから継手24の端aまでの水平方向の長さが379.1mm、仮想頂点Aから継手25の端bまでの水平方向の長さが494.4mm、高さ(継手24,25の下面から頂点側平坦部26の頂面までの距離)が264mm、頂点側平坦部26の幅(端e〜端fまでの長さ)が82mmに設定されている。また、壁面板22の継手24側の端cから頂点側平坦部26の端eまでの水平方向の長さが321.4mm、壁面板22の継手24側の端cから頂点側平坦部26の頂面までの高さが216.2mm、壁面つなぎ板23の継手25側の端dから頂点側平坦部26の端fまでの水平方向の長さが401.7mm、壁面つなぎ板23の継手25側の端dから頂点側平坦部26の頂面までの高さが229.0mmに設定されている。
比較例であるU形鋼矢板については、図12に示す形状のサイズ2W(継手間隔l3:600mm、全高さh3:150.7mm)、図12に示す形状のサイズ3W(継手間隔l3:600mm、全高さh3:203.1mm)、図12に示す形状のサイズ4W(継手間隔l3:600mm、全高さh3:249.5mm)のものについて鋼矢板単体での断面特性および連壁構成時の断面特性について調査した。
また、比較例であるハット形鋼矢板については、図14に示す形状のサイズ10H(継手間隔l4:900mm、全高さh4:241.0mm)、および図14に示す形状のサイズ25H(継手間隔l4:900mm、全高さh4:311.8mm)のものについて鋼矢板単体での断面特性および連壁構成時の断面特性について調査した。
また、比較例であるZ形鋼矢板については、図16に示す形状のサイズZ−25(継手間隔l5:400mm、全高さh5:188.0mm)、図16に示す形状のサイズZ−45(継手間隔l5:400mm、全高さh5:204.0mm)、および図18に示す形状のサイズAZ−38(継手間隔l6:700mm、全高さh6:192.0mm)のものについて鋼矢板単体での断面特性および連壁構成時の断面特性について調査した。
調査結果を表1に示す。
Figure 0004924362
表1を参照すると、実施例である山形の断面形状を有する鋼矢板については、図1に示す形状の標準サイズのものを用いた連壁の壁厚Hは500mm、図3に示す形状の自立サイズのものを用いた連壁の厚さHは500mm、図8に示す形状の頂角平坦型のものを用いた連壁の壁厚Hは500mmであり、図18に示す形状のサイズAZ−38のZ形鋼矢板を用いた連壁の壁厚Hと同一とした。そして、これら山形の断面形状を有する鋼矢板を用いた連壁の壁厚H:500mmは、U形鋼矢板を用いた連壁の壁厚H:260.0mm〜450.0mm、および比較例であるハット形鋼矢板を用いた連壁の壁厚H:231.0mm〜301.8mmよりも大きくなっている。従って、実施例に係る山形の断面形状を有する鋼矢板は、Z形鋼矢板と同様にU形鋼矢板やハット形鋼矢板よりも壁厚の大きい連壁を形成するのに有効であることがわかる。
このように、実施例に係る山形の断面形状を有する鋼矢板については、連壁の壁厚Hが500mmとZ形鋼矢板と同様にU形鋼矢板やハット形鋼矢板よりも大きいことから、連壁の単位長さあたりの断面二次モーメントIも、図1に示す形状の標準サイズのものについては92000cm4/m、図3に示す形状の自立サイズについては109600cm4/m、図8に示す形状の頂角平坦型については89920cm4/mとU形鋼矢板(I:13000cm4/m〜86000cm4/m)やハット形鋼矢板(I:10500cm4/m〜24400cm4/m)よりも大きくなっている。このため、連壁の単位長さあたりの断面二次モーメントIを連壁の単位長さあたりの断面積Aで除した断面効率I/Aについても、実施例に係る山形の断面形状を有する鋼矢板については、図1に示す形状の標準サイズが415.7cm2、図3に示す形状の自立サイズが447.2cm2、図8に示す形状の頂角平坦型が410.0cm2とU形鋼矢板(I/A:99.1cm2〜281.0cm2)やハット形鋼矢板(I/A:85.9cm2〜152.1cm2)よりも大きくなっている。
また、実施例である山形の断面形状を有する鋼矢板については、図1に示す形状の標準サイズ単体の断面係数Z0は675.0cm3、図3に示す形状の自立サイズ単体の断面係数Z0は725.0cm3、図8に示す形状の頂角平坦型単体の断面係数Z0は644.0cm3と、図16に示す形状のサイズZ−25のZ形鋼矢板の断面係数Z0:277.0cm3、図16示す形状のサイズZ−45のZ形鋼矢板の断面係数Z0:451.0cm3、図18に示す形状のサイズAZ−38のZ形鋼矢板の断面係数Z0:424.0cm3よりも大きくなっている。従って、実施例に係る山形の断面形状を有する鋼矢板は、鋼矢板単体としての断面係数がZ形鋼矢板よりも大きくて打設による変形の少ない鋼矢板であることがわかる。
また、図8に示す形状の頂角平坦型の鋼矢板21は、工場等の建物内の、平坦に形成された床F上に水平置きされた際に、リフティングマグネット等の吊上装置によって頂点側平坦部26の頂面を吸着することで、鋼矢板21を吊上げることができ、鋼矢板21のハンドリングを容易に行うことができる。
本発明に係る鋼矢板の第1実施形態の平面図である。 図1の鋼矢板を打設して構成された連壁の平面図である。 本発明に係る鋼矢板の第2実施形態の平面図である。 図3の鋼矢板を打設して構成された連壁の平面図である。 図1に示す第1実施形態の鋼矢板に対し、特徴部を明確にした鋼矢板の第2実施形態の平面図である。 本発明の熱間圧延方法を説明する図である。 調査対象となった、標準サイズの山形の断面形状を有する鋼矢板の寸法と自立サイズの山形の断面形状を有する鋼矢板の寸法との説明図である。 本発明に係る鋼矢板の第3実施形態の平面図である。 図8の鋼矢板を打設して構成された連壁の平面図である。 図8に示す鋼矢板をリフティングマグネットによって吊上げる状態の説明図である。 調査対象となった、頂角平坦型の山形の断面形状を有する鋼矢板の寸法の説明図である。 U形鋼矢板の一例の平面図である。 図12のU形鋼矢板を打設して構成された連壁の平面図である。 ハット形鋼矢板の一例の平面図である。 図14のハット形鋼矢板を打設して構成された連壁の平面図である。 Z形鋼矢板の一例の平面図である。 図16のZ形鋼矢板を打設して構成された連壁の平面図である。 Z形鋼矢板の他の例の平面図である。 図18のZ形鋼矢板を打設して構成された連壁の平面図である。 従来の他の例のZ形鋼矢板の平面図である。 従来例の鋼矢板の平面図である。
符号の説明
1 鋼矢板
2 壁面板
3 壁面つなぎ板
4,5ラルゼン形継手
4a,5a 繋ぎ部
4b,5b 爪底部
4c,5c フック部
11 鋼矢板
12 壁面板
13 壁面つなぎ板
14,15 ラルゼン形継手
14a,15a 繋ぎ部
14b,15b 爪底部
14c,15c フック部
16 厚板部分
21 鋼矢板
22 壁面板
23 壁面つなぎ板
24,25 ラルゼン形継手
24a,25a 繋ぎ部
24b,25b 爪底部
24c,25c フック部
26 頂点側平坦部
101 U形鋼矢板
102 ウェブ
103 フランジ
104a,104b 継手
201 ハット形鋼矢板
202 ウェブ
203 フランジ
204 延長部
205a,205b 継手
301 Z形鋼矢板
302 ウェブ
303 フランジ
304a,304b 継手
401 Z形鋼矢板
402 ウェブ
403 フランジ
404a,404b 継手
501 Z形鋼矢板
502 ウェブ
503 フランジ
504a,504b 継手
601 鋼矢板
602 ウェブ
603 フランジ
604a,604b 継手

Claims (4)

  1. 壁面板と、該壁面板の一端縁から延びる壁面つなぎ板とを備え、前記壁面板および前記壁面つなぎ板は、前記壁面板と前記壁面つなぎ板との交点を頂点とする断面形状が山形をなし、前記壁面板および前記壁面つなぎ板が、それぞれ前記交点とは反対側の縁に、ラルゼン形継手を設けた鋼矢板であって、
    前記ラルゼン形継手の各々は、前記壁面板に対して平行、かつ、前記頂点から遠ざかる方向へ延びる爪底部と、該爪底部から頂点側に曲げたフック部とを備えた爪で構成され
    一枚毎反転して前記ラルゼン形継手を噛み合わせることにより、台形状が交互となる波形の連壁を構成し、
    前記連壁の角隅部を、前記壁面板の一端縁に位置する頂点と、前記壁面板の他端縁に位置する継手部分とし、継手部分を除く屈折箇所が前記頂点の1箇所であることを特徴とする鋼矢板。
  2. 前記壁面板の板厚が前記壁面つなぎ板の板厚よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の鋼矢板。
  3. 前記壁面つなぎ板に設けたラルゼン形継手近傍の断面積を大きくして鋼矢板単体の断面図芯を前記壁面板から遠ざけ、これにより、前記連壁を構成する際、前記鋼矢板単体の断面図芯が前記連壁の壁厚方向の中心に近づくようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の鋼矢板。
  4. 前記山形の頂点には、該頂点を上にして平坦な床上に水平置きした際に、前記床に対して平行となる頂点側平坦部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の鋼矢板。
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