JP4924362B2 - 鋼矢板 - Google Patents
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Description
しかしながら、ハット形鋼矢板201の高さh4が連壁の壁厚t4と同じであって、製造上ハット形鋼矢板201の単体の高さを大きくすることには限界(設備制約など)があることから、連壁の壁厚t4を大きくするのが困難であった。
しかしながら、Z形鋼矢板301は、図16に示す中立軸をN5とした場合、単体での断面係数がU形鋼矢板101やハット形鋼矢板201に比べて相対的に小さく、打設抵抗により変形しやすいといった問題点があった。
また、このZ形鋼矢板の他の従来例として、例えば、図20に示すものも知られている(特許文献1参照)。
一方、Z形鋼矢板401,501やU形鋼矢板101に比べて、単体の断面係数を大きくできる鋼矢板として、図21に示すものが知られている(特許文献2参照)。
この鋼矢板601によれば、Z形鋼矢板401,501と同様に連壁の壁厚を大きくすることができるとともに、Z形鋼矢板401,501やU形鋼矢板101に比べて、単体の断面係数を大きくできる。
従って、本発明は上述の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、Z形鋼矢板と同様に壁厚の大きい連壁を形成することが可能であり、かつ、鋼矢板単体としての断面係数がZ形鋼矢板よりも大きくて打設時の変形が少なく、さらに、熱間圧延加工のみで製造することができる鋼矢板を提供することにある。
一枚毎反転して前記ラルゼン形継手を噛み合わせることにより、台形状が交互となる波形の連壁を構成し、前記連壁の角隅部を、前記壁面板の一端縁に位置する頂点と、前記壁面板の他端縁に位置する継手部分とし、継手部分を除く屈折箇所が前記頂点の1箇所であることを特徴としている。
また、本発明のうち請求項4に係る鋼矢板は、請求項1記載の鋼矢板において、前記山形の頂点には、該頂点を上にして平坦な床上に水平置きした際に、前記床に対して平行となる頂点側平坦部が設けられていることを特徴としている。
また、本発明のうち請求項2に係る鋼矢板によれば、請求項1記載の鋼矢板において、前記壁面板の板厚が前記壁面つなぎ板の板厚よりも大きいので、壁面板の板厚を壁面つなぎ板の板厚と同じくした場合に比較して連壁の断面効率を大きくすることができる。
図1に示す鋼矢板1は、熱間圧延加工により製造されるものであって、壁面板2と、壁面板2の一端縁から延びる壁面つなぎ板3とを備え、壁面板2および壁面つなぎ板3の交点を頂点Aとする断面形状が山形をなしている。壁面板2および壁面つなぎ板3の交点とは反対側の縁には、それぞれラルゼン形継手(以下、単に継手という)4,5が設けられている。壁面板2と壁面つなぎ板3とのなす角度αは、約100°〜約130°に設定される。そして、壁面板2の板厚は壁面つなぎ板3の板厚に対し1.0〜2.0倍程度厚くなっている。また、図1に示すように、鋼矢板1単体の全高さはh1で設定され、継手間隔はL1に設定される。
図3に示す鋼矢板11は、図1に示す鋼矢板1と同様に、熱間圧延加工により製造されるものであって、壁面板12と、壁面板12の一端縁から延びる壁面つなぎ板13とを備え、壁面板12および壁面つなぎ板13が、壁面板12と壁面つなぎ板13の交点Aとは反対側の縁とのそれぞれには、ラルゼン形継手(以下、単に継手という)14,15が設けられている。壁面板12と壁面つなぎ板13とのなす角度αは、図1に示す鋼矢板1と同様に、約100°〜約130°に設定される。また、壁面板12の板厚は壁面つなぎ板13の板厚に対し1.0〜2.0倍程度厚くなっている。また、図3に示すように、鋼矢板11単体の全高さはh2で設定され、継手間隔はL2に設定される。
そして、図5に示すように、鋼矢板11においては、継手15の繋ぎ部15a近傍に板厚を厚くする厚板部分16(図5において斜線で示す部分)が追加されている。
また、この鋼矢板11においても、鋼矢板11単体としての断面係数がZ形鋼矢板301,401よりも大きくて打設が容易な鋼矢板を提供することができる。
図8に示す鋼矢板21は、図1に示す鋼矢板1と同様に、熱間圧延加工により製造されるものであって、壁面板22と、壁面板22の一端縁から延びる壁面つなぎ板23とを備え、壁面板22および壁面つなぎ板23が、壁面板22と壁面つなぎ板23との交点(仮想点)Aを頂点とする断面形状が山形をなしている。壁面板22及び壁面つなぎ板23の交点Aとは反対側の縁には、それぞれラルゼン形継手(以下、単に継手という)24,25が設けられている。壁面板22と壁面つなぎ板23とのなす角度は、図1に示す鋼矢板1と同様に、約100°〜約130°に設定される。また、壁面板22の板厚は壁面つなぎ板23の板厚に対し1.0〜2.0倍程度厚くなっている。また、図8に示すように、鋼矢板21単体の全高さはh7で設定され、継手間隔はL7に設定される。
また、壁面板22に設けられた継手24は、壁面板22の他端縁から壁面板22に対してほぼ直交する方向に延びる繋ぎ部24aと、繋ぎ部24aの先端から壁面板22に対して平行に、かつ、頂点Aから遠ざかる方向に延びる爪底部24bと、爪底部24bから頂点A側(山形形状の壁面板22および壁面つなぎ板23で囲まれる領域に対して外側領域に向けた向き)に曲げられたフック部24cとを備えた爪で構成されている。一方、壁面つなぎ板23に設けられた継手25は、壁面つなぎ板23の他端縁から延びる繋ぎ部25aと、繋ぎ部25aの先端から壁面板22に対して平行に、かつ、頂点Aから遠ざかる方向に延びる爪底部25bと、爪底部25bから頂点A側に曲げられたフック部25cとを備えた爪で構成されている。
また、鋼矢板21においても、鋼矢板21単体としての断面係数がZ形鋼矢板301,401よりも大きくて打設が容易な鋼矢板を提供することができる。
そして、鋼矢板21は、鋼矢板1と同様に、複数個用意され、図9に示すように、一枚毎反転して、地盤に順次打設され、継手24,25を噛み合わせることにより、台形状が交互となる波形の連壁を構成するようになっている。
頂点側平坦部26の機能について説明すると、図10に示すように、鋼矢板21を工場等の建物内の、平坦に形成された床F上に水平置きした際に、リフティングマグネット30等の吊上装置によって頂点側平坦部26を吸着することで、鋼矢板21を吊上げることができ、鋼矢板21のハンドリングを容易に行うことができる。
実施例である山形の断面形状を有する鋼矢板については、図1に示す形状の標準サイズのものと、図3に示す形状の自立サイズのものと、図8に示す頂角平坦型のものとについて鋼矢板単体での断面特性および連壁構成時の断面特性について調査した。
また、比較例であるZ形鋼矢板については、図16に示す形状のサイズZ−25(継手間隔l5:400mm、全高さh5:188.0mm)、図16に示す形状のサイズZ−45(継手間隔l5:400mm、全高さh5:204.0mm)、および図18に示す形状のサイズAZ−38(継手間隔l6:700mm、全高さh6:192.0mm)のものについて鋼矢板単体での断面特性および連壁構成時の断面特性について調査した。
調査結果を表1に示す。
また、図8に示す形状の頂角平坦型の鋼矢板21は、工場等の建物内の、平坦に形成された床F上に水平置きされた際に、リフティングマグネット等の吊上装置によって頂点側平坦部26の頂面を吸着することで、鋼矢板21を吊上げることができ、鋼矢板21のハンドリングを容易に行うことができる。
2 壁面板
3 壁面つなぎ板
4,5ラルゼン形継手
4a,5a 繋ぎ部
4b,5b 爪底部
4c,5c フック部
11 鋼矢板
12 壁面板
13 壁面つなぎ板
14,15 ラルゼン形継手
14a,15a 繋ぎ部
14b,15b 爪底部
14c,15c フック部
16 厚板部分
21 鋼矢板
22 壁面板
23 壁面つなぎ板
24,25 ラルゼン形継手
24a,25a 繋ぎ部
24b,25b 爪底部
24c,25c フック部
26 頂点側平坦部
101 U形鋼矢板
102 ウェブ
103 フランジ
104a,104b 継手
201 ハット形鋼矢板
202 ウェブ
203 フランジ
204 延長部
205a,205b 継手
301 Z形鋼矢板
302 ウェブ
303 フランジ
304a,304b 継手
401 Z形鋼矢板
402 ウェブ
403 フランジ
404a,404b 継手
501 Z形鋼矢板
502 ウェブ
503 フランジ
504a,504b 継手
601 鋼矢板
602 ウェブ
603 フランジ
604a,604b 継手
Claims (4)
- 壁面板と、該壁面板の一端縁から延びる壁面つなぎ板とを備え、前記壁面板および前記壁面つなぎ板は、前記壁面板と前記壁面つなぎ板との交点を頂点とする断面形状が山形をなし、前記壁面板および前記壁面つなぎ板が、それぞれ前記交点とは反対側の縁に、ラルゼン形継手を設けた鋼矢板であって、
前記ラルゼン形継手の各々は、前記壁面板に対して平行、かつ、前記頂点から遠ざかる方向へ延びる爪底部と、該爪底部から頂点側に曲げたフック部とを備えた爪で構成され、
一枚毎反転して前記ラルゼン形継手を噛み合わせることにより、台形状が交互となる波形の連壁を構成し、
前記連壁の角隅部を、前記壁面板の一端縁に位置する頂点と、前記壁面板の他端縁に位置する継手部分とし、継手部分を除く屈折箇所が前記頂点の1箇所であることを特徴とする鋼矢板。 - 前記壁面板の板厚が前記壁面つなぎ板の板厚よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の鋼矢板。
- 前記壁面つなぎ板に設けたラルゼン形継手近傍の断面積を大きくして鋼矢板単体の断面図芯を前記壁面板から遠ざけ、これにより、前記連壁を構成する際、前記鋼矢板単体の断面図芯が前記連壁の壁厚方向の中心に近づくようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の鋼矢板。
- 前記山形の頂点には、該頂点を上にして平坦な床上に水平置きした際に、前記床に対して平行となる頂点側平坦部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の鋼矢板。
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