JP4872886B2 - 電波レーダ装置のビーム経路に配置される樹脂成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、ミリ波レーダ装置やマイクロ波レーダ装置等の電波レーダ装置のビーム経路に配置される樹脂成形品に関する。
オートクルーズシステムは、車両前方に搭載されているセンサによって前方車両と自車との車間距離や相対速度を測定し、この情報を基にスロットルやブレーキを制御して自車を加減速し、車間距離をコントロールする技術である。このオートクルーズシステムは、近年、渋滞緩和や事故減少を目指す高度道路交通システム(ITS)の中核技術の一つとして注目されている。
オートクルーズシステムに使用されるセンサとしては、一般的にはレーザレーダやミリ波レーダが使用されている。このうちミリ波レーダは、30GHz 〜300GHzの周波数を持ち1〜10mmの波長を持つミリ波を用いて、このミリ波を送信し、かつ対象物にあたって反射したミリ波を受信することで、この送信波と受信波の差から前方車両と自車との車間距離や相対速度を測定するものである。
ミリ波は波長が短いことから、このミリ波を用いたミリ波レーダを小型化することが可能である。また、ミリ波は金属のような良導体の反射係数が大きいため、車両の識別を良好に行うことができ、また、レーザと比較して、霧、雪、太陽光などの影響を受け難い特性を有することから、このミリ波を用いたミリ波レーダは、車載レーダとして好適に用いられる。
ミリ波レーダは、一般的には車両のフロントグリルの裏面側に配置される。しかし、フロントグリルには金属めっきがなされている場合が多く、金属の反射係数が大きいミリ波を良好に透過させることは難しい。またフロントグリルは、空気を取り入れるための通気口が穿設された構造になっており、均一な肉厚を有さないため、このようなフロントグリルを通してミリ波を出入りさせると、フロントグリルの肉厚の薄い部分と厚い部分とでミリ波の透過速度に差が生じ、オートクルーズシステムの精度が低くなる。
このような事情から、ミリ波レーダが配置される部位に対応するフロントグリルの部位には、ミリ波が透過可能な窓部を設けることが一般的である。フロントグリルに窓部を設ける場合、この窓部を通してミリ波を出入りさせることが可能になる。しかし窓部が設けられることでフロントグリルの外観が連続性を失うこととなり、また、この窓部より車両の内側、例えばミリ波レーダ装置やエンジンルーム等が目視されるために、車両の外観が損なわれる恐れがある。
したがって従来は、例えば特開2000−159039号公報に開示されるような被覆部品をフロントグリルの窓部に挿入し、窓部とフロントグリル本体とに一体感を持たせることが行われている。同公報に開示される被覆部品は、凹凸をもって形成された複数の樹脂層が積層されて形成されたもので、樹脂層間に凹凸をもって蒸着されている金属層によって、フロントグリルのフィン部材が被覆部品中にも連続して存在しているような印象を与えるものである。
しかしこのような被覆部品をミリ波レーダのビーム経路に配置すると、透過損失によってオートクルーズシステムの精度が低下するので、透過損失を極力小さくする必要がある。そこで特開2002−135030号公報には、内側表面に金属膜をもつ電波透過性の外面被覆板と、電波透過性の背面被覆板とが積層されてなり、外面被覆板と背面被覆板を構成する材料の比誘電率を略同一とした電波透過性外装部費が提案されている。このように比誘電率が略同一の材料から外面被覆板と背面被覆板を構成することで、電波の屈折・反射を効果的に抑制することができ、透過損失を小さくすることができる。
また特開2003−252137号公報には、平板状の基材の一表面に金属薄膜を形成し、金属薄膜の一部を物理的または化学的に除去して島状の光輝部を形成した後に、光輝部が形成された面の上層に透明樹脂層を形成する電波透過カバーの製造方法が提案されている。
さらに特開2004−251868号公報には、表出面を持つ透明樹脂層と、基材層と、透明樹脂層と基材層との間隙に積層され透明樹脂層を通して意匠を表示する加飾体層とを有し、加飾体層は、所定の意匠となるように蒸着方向に結晶が伸長する金属材料が蒸着された蒸着意匠面を持つ光輝片を含むことを特徴とする電波透過カバーが提案されている。
そしてこれらの公報には、透明樹脂層としてポリカーボネート(PC)を用いた場合には、比誘電率がポリカーボネートと略同一のアクリロニトリル・エチレンプロピレン・スチレンポリマー(AES)から基材層を形成することが望ましいことが記載されている。しかしPCとAESからなる樹脂成形品であっても、電波減衰量は 1.3〜 1.8dBであってまだ大きく、電波減衰量をさらに小さくすること、すなわち透過損失をさらに小さくすることが求められている。
特開2000−159039号 特開2002−135030号 特開2003−252137号 特開2004−251868号
ところで、上記したミリ波レーダ装置のビーム経路に配置される樹脂成形品にあっては、透過部位による透過損失のばらつきを防止するために、電波透過範囲における肉厚を均一とする必要がある。しかしそのような樹脂成形品は、意匠表面が平面的なのっぺりとしたものとなるため、意匠性が低いという不具合があった。
そこで二層構造の樹脂成形品とし、界面に段差部を形成して、その段差部で立体的な意匠を発現させることが考えられる。しかし射出成形で製造する場合には、成形可能な最小肉厚が存在する。そのため二層の界面に段差部を形成しようとすると、段差部において二層の一方の層の肉厚が成形可能な最小肉厚以上となるようにするためには、二層の少なくとも一方の層の肉厚を厚くせざるを得ず、そうすると透過損失が大きくなるという問題があった。
また透明樹脂層の表面に凸部を形成して、立体意匠を発現することが考えられる。透明樹脂層を透過する際の透過損失は、透明樹脂層の肉厚がビームの波長(λ)の1/2の整数(n)倍の時に小さくなることが知られている。したがって凸部の肉厚がこの規制を満たすようにすれば、透過損失の増大を抑制しつつ立体意匠が可能となる。
しかしこの場合、透明樹脂層における凸部以外の一般部の肉厚も上記規制を満たす必要があることから、従来の材料を用いた場合には透明樹脂層の凸部の厚さが厚くなりすぎ、それによって透過損失が増大するとともに要求される意匠の発現が困難となるという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、透過損失の増大を抑制しつつ、自由度の高い立体意匠を発現できるようにすることを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明の電波レーダ装置のビーム経路に配置される樹脂成形品の特徴は、背面側の電波レーダー装置のビーム経路に配置される樹脂成形品であって、外表面に表出する表出面をもつ透明樹脂層と該透明樹脂層の該表出面と反対側表面に形成された基材層と、を有し、透明樹脂層は、一般部と一般部より肉厚が厚くその表面が表出面から突出する凸部と、を有し、凸部の少なくとも一部は、ビームの周波数における誘電正接が0.0005以下、比誘電率が3以下の特性を有する熱可塑性樹脂から形成され、凸部と一般部との厚さの差(Δh)は、凸部を透過するビームの波長(λ)の1/2の整数(n)倍(Δh=nλ/2)と実質的に等しいことにある。
凸部は、電波透過範囲内で電波透過範囲と電波非透過範囲との境界部に近接する大きさに形成することが望ましい。また透明樹脂層の全体をこの熱可塑性樹脂から形成してもよい。この熱可塑性樹脂は、シクロオレフィン系樹脂であることが望ましい。
またシクロオレフィン系樹脂から少なくとも凸部を形成した場合、凸部の表面には凸部の厚さより小さな厚さの微細凸部を形成することができる。凸部の表面にはポリカーボネート層が形成され、ポリカーボネート層の表面にはハードコート層が形成されていることが望ましい。
本発明の樹脂成形品によれば、透明樹脂層には凸部が形成されているので、立体意匠が可能となり意匠の自由度が飛躍的に高まる。そして凸部の少なくとも一部が、ビームの周波数における誘電正接が0.0005以下、比誘電率が3以下の特性を有する熱可塑性樹脂から形成されているので、ビームの電波が凸部を透過する際の透過損失をきわめて小さくすることができる。
また、凸部と一般部との厚さの差(Δh)が凸部を透過する電波の波長(λ)の1/2の整数(n)倍(Δh=nλ/2)と実質的に等しければ、ビームの電波が凸部を透過する際の透過損失をさらに小さくすることができる。したがって凸部による立体意匠を発現しつつ、オートクルーズシステムの精度を高く維持することが可能となる。
本発明の樹脂成形品は、透明樹脂層と、基材層と、を有している。基材層と透明樹脂層とは、電波の透過損失が小さい樹脂から形成する必要があり、また成形性を考慮するとPC、AES、シクロポリオレフィン(COP)などを用いることができる。透明樹脂層は高い透明性を有することが必要であり、PCあるいはCOPを用いることが望ましい。基材層は透明である必要はないが、透明であってもよく、その場合はPCあるいはCOPを用いることができる。
なおポリプロピレン(PP)は、一般に用いられているミリ波レーダー装置のビーム周波数 76.5GHzにおける誘電正接が0.0003と小さく、比誘電率も 2.3と小さいので、透過損失は目標値を満足する。しかしながら成形収縮率が 1.6〜 1.9と大きいので、成形性を鑑みると好ましくない。誘電正接( tanδ)は誘電損失とも称される誘電性の指標である。一般に用いられているミリ波レーダー装置のビーム周波数 76.5GHzにおける誘電正接は、PCが 0.001、AESが 0.001、COPが 0.00025であり、いずれも好ましく用いることができる。
シクロポリオレフィン(COP)とは、飽和の脂環構造を有する繰り返し単位をもつポリオレフィンである。一部に不飽和結合を含んでいてもよい。脂環構造の具体例としては、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造などが挙げられるが、シクロアルカン構造のものが好ましい。脂環構造を構成する炭素原子の数は、通常4〜30、好ましくは5〜20、より好ましくは5〜15である。原料となる単量体としては、例えば、ノルボルネン、シクロヘキセン、ビニルシクロヘキサン、及びそれらのアルキル置換体やアルキリデン置換体などが例示される。
例えばPCから一般部と凸部とからなる透明樹脂層を形成する場合には、凸部と一般部との厚さの差(Δh)が凸部を透過する電波の波長(λ)の1/2の整数(n)倍(Δh=nλ/2)となるようにするとともに、一般部の厚さ(H)も一般部を透過する電波の波長(λ)の1/2の整数(n)倍とする。具体的に、一般に用いられているミリ波レーダー装置のビーム周波数 76.5GHzの電波がPCを透過する場合には、Δh= 1.2nあるいはH= 1.2m(mは整数)とする。このように構成することで、透過損失を低くすることができる。
しかしPCから凸部と一般部とを上記したΔhの規制を満足するように形成しても、例えばビームが斜めに透過した場合にはΔhの上記条件が満足されず、透過損失が大きくなってしまう。
そこで本発明の樹脂成形品では、凸部の少なくとも一部を、透過する電波の周波数における誘電正接が0.0005以下、比誘電率が3以下の特性を有する熱可塑性樹脂から形成している。したがって、この熱可塑性樹脂から形成された凸部の少なくとも一部は、透過損失がきわめて小さいので上記したΔhの規制が緩和され、比較的自由な厚さで凸部を形成することができる。誘電正接が0.0005より大きくなったり、比誘電率が3を超えると、電波の屈折・反射によって透過損失が目標より大きくなってしまう。このような特性を有する熱可塑性樹脂としては、上記したCOPが挙げられる。
なお凸部をCOPから形成した場合においても、Δhを実質的にΔh=nλ/2とすれば透過損失をさらに低減することができる。電波が誘電体を透過する場合には、誘電体の材質によって波長が変化する。したがって凸部を透過する電波の波長(λ)はPCとCOPとで異なり、一般に用いられているミリ波レーダー装置の電波周波数 76.5GHzの電波が透過する際には、PCからなる凸部の場合はΔh= 1.2nとなり、COPからなる凸部の場合にはΔh= 1.3nとなる。しかしCOPは透過損失がきわめて小さいので、正確にΔh= 1.3nとしなくても、実用上は支障がない。
また凸部をCOPから形成する場合、凸部の下層にPC層を形成してもよいし、凸部の全肉厚をCOPから形成し、凸部の周辺の一般部をPCから形成してもよい。あるいは透明樹脂層全体をCOPから形成することもできる。COPから形成された凸部の下層にPC層を形成する場合、凸部の厚さは上記したように正確に 1.3の整数倍とする必要はないが、下層のPC層の厚さは 1.2の整数倍とする必要がある。また凸部の全肉厚をCOPから形成し、凸部の周辺の一般部をPCから形成した場合には、凸部の全肉厚は 1.3の整数倍に近いことが望ましく、一般部の肉厚は 1.2の整数倍とする必要がある。
ところで、電波が意匠表面に対して垂直ではなく傾斜して透過した場合には、凸部と一般部との段差部を電波が透過すると、実質的な肉厚がΔh=nλ/2を満足しない場合があり、透過損失が大きくなる場合がある。そこで、意匠表面の大きな面積を占めるような凸部あるいは意匠表面の左右又は上下方向などに長い凸部などの場合には、凸部は、電波透過範囲内で電波透過範囲と電波非透過範囲との境界部に近接する大きさに形成することが望ましい。このように凸部を形成することで、上記不具合が生じにくくなる。
電波レーダ装置のビーム経路に配置される樹脂成形品にあっては、傷付きを防止するために、表面硬度を高くすることが望まれている。したがって従来は表面にハードコート層を形成しているが、COPはハードコート層の付着性などが劣るために、凸部の表面にハードコート層を形成できないという問題がある。
そこで少なくとも凸部の表面に薄いPC層を形成し、その表面にハードコート層を形成することが望ましい。なおPC層を形成するには、PCフィルムを接着する方法などがある。
基材層は、PC、COP、AESなどから形成することができる。因みに従来用いられているAESは、成形収縮率が 0.4%と小さいので成形性に優れ、比誘電率は 2.56であるので、電波の屈折・反射が抑制され透過損失も低減される。また周波数 76.5GHzの誘電正接は 0.001であり、PCと同等であるので、肉厚の規制はPCと同様となる。
本発明の樹脂成形品は、加飾体層を有することが好ましい。この加飾体層は、基材層が透明であればその裏面、基材層と透明樹脂層との界面、透明樹脂層の内部などに形成することができる。この加飾体層は透明樹脂層を通して表出面に意匠を表示するものであり、フィルム状の加飾体層を積層してもよいし、透明樹脂層の表出面と反対側表面あるいは基材層の透明樹脂層に対向する表面に印刷、塗装などにより加飾体層を形成してもよい。
また加飾体層として、凸部の表面に凸部の厚さより小さな厚さの微細な凹凸模様を形成することもできる。特に凸部をCOPから形成した場合には、透過する電波の周波数における誘電正接が0.0005以下、比誘電率が3以下の特性を有するため、厚さの変動が透過損失に及ぼす影響が少ない。
本発明の樹脂成形品を製造するには、例えば、先ず加飾体層をもつ透明樹脂層を形成する。透明樹脂層は、射出成形、プレス成形、ポッティング、など種々の成形方法で形成することができる。
加飾体層を形成するには、予め形成された透明樹脂層に塗装、印刷、蒸着などで直接的に形成することができる。また予め所定の意匠が形成されたフィルムを型内に配置し、その型内で透明樹脂層を成形後にフィルムを剥離することで、透明樹脂層の表面に意匠を転写して加飾体層とすることもできる。
その後、加飾体層をもつ透明樹脂層を金型内に配置し、基材層を成形する。例えばAESはガラス転移温度がPCのガラス転移温度より低く、成形流動性及び成形収縮性に優れている。したがって射出成形時の成形温度が高すぎることが無いので、加飾体層が破壊されるような不具合がない。また成形時の歪みが小さいので、反りや割れも防止できる。したがって意匠性及び形状精度に優れ、かつ透過損失の小さな樹脂成形品を、容易かつ安価に製造することが可能となる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
図2に本実施例の樹脂成形品を示す。この樹脂成形品は、図1に示すように自動車のフロントグリル 100に設けられたエンブレム1であり、フロントグリル 100に形成された窓部内に、図示しないブラケットやボルト等の固定手段により保持されている。このエンブレム1の背後には、その裏面から所定距離隔てた位置に、車載レーダ装置としての図示しないミリ波レーダ装置が配設されている。なおミリ波レーダ装置は、周波数 76.5GHzのミリ波ビームを送・受信し、そのビーム経路にエンブレム1が介在している。
エンブレム1は、車両の後方側(ミリ波レーダ装置に対向する表面側)から、基材層2と、インジウム層3と、インジウム層3の表面に部分的に形成された黒地層4と、透明樹脂層5と、から構成されている。基材層2は黒色不透明のAESから形成され、透明樹脂層5はCOPから形成されている。透明樹脂層5は、ほぼ均一肉厚の一般部50と、一般部50の表面から突出する凸部51とを備えている。車外からみたときに、透明樹脂層5の表面からは黒地層4とインジウム層3の一部が視認され、黒地に金属光輝部が浮かんだエンブレム意匠が視認される。またインジウム層3が表出する部位に対応して凸部51が形成されているので、凸部50の立体意匠の内層に光輝層が表出し、立体感のある意匠を呈している。
図3に、本実施例の樹脂成形品の模式的断面図を示す。透明樹脂層5は一般部50と凸部51とを備え、全体がCOPから形成されている。その肉厚は一般部50が 1.3×3= 3.9mm、凸部51が 1.3×2= 2.6mmとされている。
このエンブレム1は、以下のようにして製造した。
先ずシクロポリオレフィンを射出し、一般部50と凸部51を形成して、透明樹脂層5を形成した。透明樹脂層5の裏面(基材層2に対向する表面)には、僅かな段差の凹凸形状が形成されている。図2及び図3では、この段差寸法が誇張されている。
次に、スクリーン印刷によって裏面の凸表面のみに黒色塗料から膜厚数μmの黒地層4を形成した。次いでインジウムを用い、裏面全体にインジウム層3を膜厚 300Åとなるように蒸着した。これにより、透明樹脂層5の表面側からは、裏面の凹表面に形成されたインジウム層3からなる光輝部と、裏面の凸表面に形成された黒地層4と、表面の一般部50及び凸部51とが視認される。
上記のようにして得られた加飾層をもつ透明樹脂層5を金型内に配置し、黒色のアクリロニトリル・エチレンプロピレン・スチレンポリマー(AES)からほぼ均一な厚さ( 1.2mm)の基材層2を射出成形した。
(実施例2)
本実施例の樹脂成形品は、図4に模式的断面を示すように、基材層2と、透明樹脂層5が共にCOPから一体的に形成されていること、加飾体層をもたないこと以外は、実施例1とほぼ同様の構成である。透明樹脂層5の一般部50の肉厚は 1.3×6= 7.8mmであり、凸部51の肉厚は 1.3×2=2.6mmである。
(実施例3)
本実施例の樹脂成形品は、図5に模式的断面を示すように、透明樹脂層5の裏面側に僅かな段差の凸部51’が形成され、凸部52の表面を除く裏面に黒地層4が形成され、凸部51’の表面と黒地層4の表面にインジウム層3が形成されている。さらに、透明樹脂層5の表面にはPCフィルム層6が積層され、PCフィルム層6の表面にはハードコート層7が形成されている。他の構成は実施例1と同様である。
本実施例の樹脂成形品によれば、ハードコート層7によって意匠表面の傷付きが防止され、かつPCフィルム層6によってハードコート層7の剥離などの不具合が防止されている。そして凸部51及び凸部51’は略凸レンズ形状をなしているため、インジウム層3の意匠が拡大されて視認され、高い意匠性を発現している。
(実施例4)
本実施例の樹脂成形品は、図6に模式的断面を示すように、透明樹脂層5における凸部51が透明樹脂層5の全肉厚で形成され、一般部50がPCから形成されていること、透明樹脂層5の表面にPCフィルム層6が積層され、PCフィルム層6の表面にハードコート層7が形成されていること以外は実施例1とほぼ同様の構成である。一般部50の肉厚は 3.9mmであり、凸部51の肉厚は 6.5mmである。
(実施例5)
本実施例の樹脂成形品は、ビーム波長(λ)の1/2の整数(n)倍(Δh=nλ/2)でなくても成立する。図7にその例として模式的断面を示す。凸部51の表面に高さ 0.3mmの凹凸模様52を形成したこと、透明樹脂層5の表面にPCフィルム層6が積層され、PCフィルム層6の表面にハードコート層7が形成されていること以外は実施例2と同様である。
凸部52はCOPから形成されているので、このように凹凸模様52を形成しても厚さの変動が透過損失に及ぼす影響が少ない。したがって従来は困難であった凹凸模様52を形成することができ、意匠の自由度が高い。
(実施例6)
本実施例の樹脂成形品は、図8に模式的断面を示すように、COPからなる基材層2’と、COPからなる透明樹脂層5とからなり、基材層2’と透明樹脂層5との間にインジウム層3及び黒地層4が形成されている。基材層2’と透明樹脂層5は、同じCOPから二色成形により形成されている。
本実施例の樹脂成形品によれば、基材層2’と透明樹脂層5とをCOPから形成したので、それぞれの厚さの規制が緩和される。したがってインジウム層3の形状に図8に示すような大きな段差を形成することが可能となり、光輝面の意匠の自由度が高い。
(比較例1)
実施例2と同形状の樹脂成形品をPCから形成した。なお一般部50の肉厚は 1.2×6=7.2とし、凸部51の肉厚を、1.2の整数倍ではない 2.0mmとした。
<評価>
実施例1〜6及び比較例1の樹脂成形品について、ミリ波レーダ装置から周波数 76.5GHzのビームを凸部51の表面に垂直に入射するように照射し、その時の透過損失を測定した。結果を比較例1の透過損失を 100とした相対値で表1に示す。
Figure 0004872886
表1より、実施例1〜6の樹脂成形品は比較例1の樹脂成形品より電波減衰量が小さい。すなわち本発明の樹脂成形品は、凸部51を有しているにも関わらず高い電波透過性を備えている。
本発明の樹脂成形品は、フロントグリル、バンパー、バックガーニッシュ、スポイラー、サイドモールの一部などとして利用することもできる。
本発明の一実施例に係る樹脂成形品をもつ自動車の要部斜視図である。 本発明の一実施例に係る樹脂成形品の断面図である。 本発明の一実施例に係る樹脂成形品の要部を示す模式的断面図である。 本発明の第2の実施例に係る樹脂成形品の要部を示す模式的断面図である。 本発明の第3の実施例に係る樹脂成形品の要部を示す模式的断面図である。 本発明の第4の実施例に係る樹脂成形品の要部を示す模式的断面図である。 本発明の第5の実施例に係る樹脂成形品の要部を示す模式的断面図である。 本発明の第6の実施例に係る樹脂成形品の要部を示す模式的断面図である。
符号の説明
1:エンブレム(樹脂成形品) 2:基材層
3:インジウム層 4:黒地層
5:透明樹脂層 6:PCフィルム層
7:ハードコート層 50:一般部
51:凸部 52:凹凸模様

Claims (6)

  1. 背面側の電波レーダー装置のビーム経路に配置される樹脂成形品であって、
    外表面に表出する表出面をもつ透明樹脂層と、該透明樹脂層の該表出面と反対側表面に形成された基材層と、を有し、
    該透明樹脂層は、一般部と、該一般部より肉厚が厚くその表面が該表出面から突出する凸部と、を有し、
    該凸部の少なくとも一部は、該ビームの周波数における誘電正接が0.0005以下、比誘電率が3以下の特性を有する熱可塑性樹脂から形成され、
    該凸部と該一般部との厚さの差(Δh)は、該凸部を透過する該ビームの波長(λ)の1/2の整数(n)倍(Δh=nλ/2)と実質的に等しいことを特徴とする樹脂成形品。
  2. 前記凸部は、電波透過範囲内で電波透過範囲と電波非透過範囲との境界部に近接する大きさに形成されている請求項1に記載の樹脂成形品。
  3. 前記透明樹脂層の全体が前記熱可塑性樹脂から形成されている請求項1又は請求項2に記載の樹脂成形品。
  4. 前記熱可塑性樹脂はシクロオレフィン系樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂成形品。
  5. 前記凸部の表面には前記凸部の厚さより小さな厚さの微細凸部をもつ請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂成形品。
  6. 前記凸部の表面にはポリカーボネート層が形成され、該ポリカーボネート層の表面にはハードコート層が形成されている請求項4又は請求項5に記載の樹脂成形品。
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