JP2023136216A - 電波透過部材、エンブレム及び対象物検知構造 - Google Patents

電波透過部材、エンブレム及び対象物検知構造 Download PDF

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Abstract

【課題】電波の透過減衰が抑制される電波透過部材、エンブレム及び対象物検知構造の提供。【解決手段】アウター層、中間層及びインナー層をこの順に備え、前記アウター層及び前記インナー層の電波の透過方向における合計厚みX1が下記式(1)及び式(3)を満たし、かつ前記中間層の電波の透過方向における厚みX2が下記式(2)及び式(3)を満たす領域を有する、電波透過部材。式(1):Z-0.6mm≦X1≦Z+0.6mm式(2):Z-0.3mm≦X2≦Z+0.3mm式(3):Z=λ÷√εr×0.5×Y式中、λは前記電波の真空中における波長であり、εrは前記電波の周波数における各層の比誘電率であり、Yは1以上の整数である。【選択図】図1

Description

本開示は、電波透過部材、エンブレム及び対象物検知構造に関する。
近年の自動車では、安全装置の進歩が目覚ましく、例えば、自動衝突回避システムの装備が一般的になってきている。
自動衝突回避システムは、車載カメラの画像データ及びミリ波のような電波の送受信機による対象物との相対距離情報を用いて自動的にブレーキをかけるものである。
自動衝突回避システムを構成する電波の送受信機は、自動車の前方中央に配置することが望ましい。自動車の前方中央には、一般に自動車のエンブレムが配置されている。そこで、自動車のエンブレムの後側に電波の送受信機を配置することが望ましい。
自動車のエンブレムは一般に、樹脂等の基材上に金属光沢を表現するための金属層が形成された構造を有する。例えば、特許文献1には、金属光沢を有し、かつ電波を透過可能なエンブレムとして、基材上に銀鏡反応により形成された金属層を有する構造体が開示されている。
特開2003-019765号公報
自動衝突回避システムの性能を充分に確保する観点からは、エンブレムを透過する電波の減衰をできるだけ抑制することが望ましい。
本開示は上記事情に鑑み、電波の透過減衰が抑制される電波透過部材、エンブレム及び対象物検知構造を提供することを目的とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1>アウター層、中間層及びインナー層をこの順に備え、
前記アウター層及び前記インナー層の電波の透過方向における合計厚みX1が下記式(1)及び式(3)を満たし、かつ前記中間層の電波の透過方向における厚みX2が下記式(2)及び式(3)を満たす領域を有する、電波透過部材。
式(1):Z-0.6mm≦X1≦Z+0.6mm
式(2):Z-0.3mm≦X2≦Z+0.3mm
式(3):Z=λ÷√ε×0.5×Y
式中、λは前記電波の真空中における波長であり、εは前記電波の周波数における各層の比誘電率であり、Yは1以上の整数である。
<2>前記中間層は空気層である、<1>に記載の電波透過部材。
<3>前記アウター層及び前記インナー層はそれぞれ樹脂を含む層である、<1>又は<2>に記載の電波透過部材。
<4>前記電波を透過可能な金属層をさらに含む、<1>~<3>のいずれか1項に記載の電波透過部材。
<5>前記金属層は前記アウター層と前記中間層の間又は前記インナー層と前記中間層の間に設けられる、<4>に記載の電波透過部材。
<6>周波数が20GHz~300GHzである電波を透過させるための、<1>~<5>のいずれか1項に記載の電波透過部材。
<7><1>~<6>のいずれか1項に記載の電波透過部材を含む、エンブレム。
<8><1>~<6>のいずれか1項に記載の電波透過部材と、前記電波透過部材に向けて電波を照射する装置と、備える、対象物検知構造。
本開示によれば、電波の透過減衰が抑制される電波透過部材、エンブレム及び対象物検知構造が提供される。
電波透過部材の構成の一例を示す概略断面図である。
以下、本開示を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本開示を限定するものではない。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、各成分には、該当する物質が複数種含まれていてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において、各成分に該当する粒子には、複数種の粒子が含まれていてもよい。
本開示において「層」又は「膜」との語には、当該層又は膜が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
本開示において、「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルの両方を包含する概念で用いられる語である。
<電波透過部材>
本開示の電波透過部材は、
アウター層、中間層及びインナー層をこの順に備え、
前記アウター層及び前記インナー層の電波の透過方向における合計厚みX1が下記式(1)及び式(3)を満たし、かつ前記中間層の電波の透過方向における厚みX2が下記式(2)及び式(3)を満たす領域を有する、電波透過部材である。
式(1):Z-0.6mm≦X1≦Z+0.6mm
式(2):Z-0.3mm≦X2≦Z+0.3mm
式(3):Z=λ÷√ε×0.5×Y
式中、λは前記電波の真空中における波長であり、εは前記電波の周波数における各層の比誘電率であり、Yは1以上の整数である。
本開示の電波透過部材は、強度の確保、成形プロセス等の理由から、アウター層、中間層及びインナー層がこの順に積層した構造を有する。このため、各層の材質が異なっていると、各層の境界で電波の反射が発生して電波透過部材を透過する電波の減衰量が増大するおそれがある。
本開示の電波透過部材では、アウター層及びインナー層の合計厚みX1と中間層の厚みX2とが式(1)~(3)を満たす領域を有するように設計することで、電波透過部材を透過する電波の減衰を効果的に抑制している。
さらに、アウター層及びインナー層の合計厚みX1が式(1)及び式(2)を満たすように設計することで、アウター層及びインナー層のそれぞれの厚みXが式(1)及び式(2)を満たすように設計しなくても電波の減衰を効果的に抑制できる。このため、例えば、アウター層及びインナー層のそれぞれの厚みを薄くすることで電波の透過率をより向上させることができる。
図1は電波透過部材の構成の一例を示す概略断面図である。
図1に示す電波透過部材10は、アウター層1、中間層2及びインナー層3をこの順に備え、電波を照射する装置(図示せず)から照射される電波を透過するとともに、対象物から反射された電波を透過する。
アウター層1は、電波透過部材10に電波を照射する装置からみて逆側に配置されている。インナー層3は、電波透過部材に電波を照射する装置と対向する側に配置されている。
電波透過部材を透過する電波の周波数は特に制限されない。例えば、真空中での波長が30GHz~300GHzの範囲(いわゆる、ミリ波)であってもよい。
電波透過部材を自動車の自動衝突回避システムに使用する場合、自動衝突回避システムに一般的に使用される電波としては、周波数が24GHz~79GHzである電波、例えば24GHz、77GHz及び79GHzである電波が挙げられる。これらの電波の真空中での波長は12.49135mm(24GHz)、3.893409mm(77GHz)及び3.794841mm(79GHz)である。
式中のYは、1以上の整数であれば特に制限されず、電波透過部材の所望の形状、強度等に応じて設定できる。例えば、Yは1~10の範囲であってもよい。
電波透過部材を透過する電波の減衰量をより効果的に抑制する観点からは、アウター層及びインナー層の電波の透過方向における合計厚みX1とZとの差は小さいほど好ましい。すなわち、アウター層及びインナー層の電波の透過方向における合計厚みX1は下記式(1’)を満たすことが好ましく、下記式(1’’)を満たすことがより好ましい。
式(1’):Z-0.4mm≦X1≦Z+0.4mm
式(1’’):Z-0.3mm≦X1≦Z+0.3mm
電波透過部材を透過する電波の減衰量をより効果的に抑制する観点からは、中間層の電波の透過方向における厚みX2とZとの差は小さいほど好ましい。すなわち、中間層の電波の透過方向における厚みX2は下記式(2’)を満たすことが好ましく、下記式(2’’)を満たすことがより好ましい。
式(2’):Z-0.2mm≦X2≦Z+0.2mm
式(2’’):Z-0.1mm≦X2≦Z+0.1mm
電波透過部材を透過する電波の周波数が77GHz、真空中における波長が3.893409mmである場合において、77GHzでの比誘電率が2.574である場合のZの値(Y=1~13)と、77GHzでの比誘電率が1.0である(すなわち、空気である)場合のZの値(Y=1~13)をそれぞれ表1に示す。表中の数値は小数点以下第3位を四捨五入した値である。
充分な電波の減衰抑制効果を得る観点からは、アウター層及びインナー層の電波の透過方向における合計厚みX1と中間層の電波の透過方向における厚みX2とが式(1)~(3)を満たす領域の面積が電波透過部材の全体の面積に占める割合は50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましい。
上記割合は、電波透過部材をアウター層側から観察したときの電波透過部材の面積に基づく値である。
強度と電波透過性とのバランスの観点からは、アウター層及びインナー層はそれぞれ樹脂を含む層であることが好ましい。
電波透過性の観点からは、中間層は空気層又は樹脂を含む層であることが好ましく、空気層であることがより好ましい。
アウター層、インナー層又は中間層が樹脂を含む層である場合、その比誘電率はそれぞれ独立に、2.0~3.3であってもよく、2.3~2.9であってもよく、2.5~2.8であってもよい。
電波透過部材を構成する各層に含まれうる樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂及び合成ゴムが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ビニル系ポリマー、ポリエステル、ポリアミド、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)、(メタ)アクリル樹脂、アクリロニトリル-エチレン-プロピレン-ジエン-スチレン共重合体樹脂(AES樹脂)、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂等が挙げられる。
合成ゴムとしては、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。
上述した樹脂の中でも、PC、PP、ABS樹脂、(メタ)アクリル樹脂及びAES樹脂が好ましく、PC、PP及びABS樹脂がより好ましい。
アウター層、中間層又はインナー層が樹脂を含む層である場合、アウター層、中間層又はインナー層は樹脂のみを含んでも、樹脂と樹脂以外の成分とを含んでもよい。
樹脂以外の成分としては、無機粒子、着色剤、帯電防止剤等が挙げられる。
アウター層、中間層又はインナー層が樹脂と樹脂以外の成分とを含む場合、アウター層、中間層又はインナー層に含まれる樹脂の含有率は60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
アウター層、中間層又はインナー層は、光拡散機能を有してもよい。
アウター層、中間層又はインナー層が光拡散機能を有していると、電波透過部材に光を照射して電波透過部材を発光させることができる。これにより、光を用いた様々な表現が可能となる。
アウター層、中間層又はインナー層に光拡散機能を付与する方法としては、光拡散粒子を含有させる方法、表面に凹凸を形成する方法等が挙げられる。
光拡散機能を有するアアウター層、中間層又はインナー層は、その全体が光拡散機能を有していても一部が光拡散機能を有していてもよい。
上記方法の中でも、生産性の観点からは光拡散粒子を含有させる方法が好ましい。
光拡散粒子としては、アクリル樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、酸化チタン粒子、シリカ粒子、ジルコニア粒子、酸化亜鉛粒子、アルミナ粒子等が挙げられる。
光拡散粒子は1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。
アウター層、中間層又はインナー層が光拡散粒子を含む場合、光拡散粒子の含有率は特に制限されない。例えば、光拡散粒子の含有率はアウター層、中間層又はインナー層全体の0.3質量%~10質量%であってもよい。
アウター層、中間層及びインナー層のそれぞれの厚みは、アウター層とインナー層の合計厚みが式(1)及び式(2)の条件を満たすのであれば特に制限されず、電波透過部材の用途等に応じて設定できる。
アウター層の厚みは、1.0mm~15.0mmであってもよく、1.5mm~12.0mmであってもよく、2.0mm~10.0mmであってもよい。
中間層の厚みは、0.1mm~6.0mmであってもよく、0.3mm~4.0mmであってもよく、0.5mm~2.0mmであってもよい。
インナー層の厚みは、1.0mm~15.0mmであってもよく、1.5mm~12.0mmであってもよく、2.0mm~10.0mmであってもよい。
上記厚みは、アウター層、中間層又はインナー層の厚みXがそれぞれ式(1)の条件を満たす領域における厚みである。
本開示において電波透過部材及び電波透過部材を構成する各層の厚みは、公知の手法で測定できる。例えば、電波透過部材の切断面を観察して測定してもよく、ミクロトーム等を用いて測定してもよい。
電波透過部材は、電波を透過可能な金属層を備えてもよい。電波透過部材が電波を透過可能な金属層を備えていることで、電波透過部材に金属光沢を付与することができる。
電波透過部材が電波を透過可能な金属層を備える場合、電波を透過可能な金属層はアウター層と中間層の間、又はインナー層と中間層の間に設けられることが好ましい。
電波を透過可能な金属層としては、金属粒子を含む膜が挙げられる。金属粒子が金属粒子を含んだ状態であると、金属粒子の間の隙間を電波が透過することができる。
金属層は、銀粒子を含む金属層であってもよい。銀粒子を含む金属層は、例えば、銀鏡反応により形成することができる。
銀鏡反応により金属層を形成する方法としては、アンモニア性硝酸銀水溶液と還元剤水溶液とを基材上で接触させる方法が挙げられる。これにより酸化還元反応が生じて銀粒子が析出し、銀粒子を含む金属層が基材上に形成される。
上記方法によりアウター層と中間層の間に金属層を設ける場合は、アウター層となる部材を基材として用いてもよく、インナー層と中間層の間に金属層を設ける場合は、インナー層となる部材を基材として用いてもよい。
電波透過性の観点から、金属層の厚みは1000nm以下であることがより好ましく、500nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることがさらに好ましい。
電波透過部材に充分な金属光沢を付与する観点から、金属層の厚みは10nm以上であることが好ましい。
アウター層と中間層の間、又はインナー層と中間層の間に金属層を設ける場合、アウター層又はインナー層と金属層との密着性を高めるために、アウター層又はインナー層と金属層との間にアンダーコート層を設けてもよい。
あるいは、金属層の表面を保護するために、金属層の上に保護層を備えてもよい。
アンダーコート層又は保護層としては樹脂を含む層が挙げられ、樹脂としてはフッ素樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、アクリルウレタン樹脂等が挙げられる。
アンダーコート層又は保護層の厚みは、1μm~50μmであることが好ましい。アンダーコート層又は保護層の厚みが1μm~50μmであると、アウター層、中間層及びインナー層の厚みを制御することによる電波の減衰抑制効果が充分に得られる。
電波透過部材を透過させる電波の種類は特に制限されず、例えば、ミリ波であってもよい。本開示において「ミリ波」とは、周波数が20GHz~300GHzである電波を意味する。本開示の電波透過部材は、ミリ波の透過減衰量の低減に特に有用である。
<エンブレム>
本開示のエンブレムは、上述した電波透過部材を含む、エンブレムである。
本開示のエンブレムは、透過する電波の減衰が抑制されている。このため、例えば、電波の送受信機が搭載された自動車の前方にエンブレムを装着しても電波の送受信機能が良好に維持される。
本開示のエンブレムは、電波透過部材のアウター層側が外側になるように自動車の車体に装着される。
エンブレムのアウター層側は、文字、意匠等を表現するための凹凸形状を有していてもよい。
<対象物検知構造>
本開示の対象物検知構造は、上述した電波透過部材と、前記電波透過部材に向けて電波を照射する装置と、備える。本開示の対象物検知構造では、電波透過部材による電波の減衰が抑制されているため、優れた対象物の検知性能を示す。
本開示の対象物検知構造は、例えば、自動車の自動衝突回避システム(好ましくは、ミリ波を利用する自動衝突回避システム)に好適に使用できる。
以下、実施例により本開示をより詳細に説明する。ただし本開示は以下の実施例に制限されるものではない。
(サンプルの作製)
77GHzでの比誘電率が2.574であるポリカーボネート板をアウター層又はインナー層とし、ポリカーボネート板間に設けたスペース(空気)を中間層として、電波透過部材のサンプルを作製した。各層の厚みは表2に示す値となるように調節した。
(電波の減衰量の測定)
作製したサンプルの厚み方向に対して垂直に、インナー層側から周波数が77GHz、真空中における波長が3.893409mmである電波を照射し、自由空間法を用いて電波の減衰量を測定した。結果を表2に示す。
(吸収率及び反射率の測定)
作製したサンプルの厚み方向に対して垂直に、インナー層側から周波数が77GHz、真空中における波長が3.893409mmである電波を照射し、自由空間法を用いて電波の吸収率及び反射率を測定した。結果を表2に示す。
電波の吸収率と反射率の合計値が小さいほど、電波の透過率が大きいことを意味する。
Figure 2023136216000003

表中の「X1」の項目において「OK」はアウター層とインナー層の合計厚みX1が式(1)及び式(3)を満たすことを意味し、「NG」はアウター層とインナー層の合計厚みX1が式(1)及び式(3)を満たさないことを意味する。
表中の「X2」の項目において「OK」は中間層の厚みX2が式(2)及び式(3)を満たすことを意味し、「NG」はアウター層とインナー層の合計厚みX1が式(2)及び式(3)を満たさないことを意味する。
表中の「X」の項目において「OK」はアウター層又はインナー層の厚みXが式(2)及び式(3)を満たす(ただし、式(2)においてX2をXと読み替える)ことを意味し、「NG」はアウター層又はインナー層の厚みXが式(2)及び式(3)を満たさない(ただし、式(2)においてX2をXと読み替える)ことを意味する。
表2に示すように、アウター層とインナー層の合計厚みX1が式(1)及び式(3)を満たし、かつ中間層の厚みX2が式(2)及び式(3)を満たすサンプル1~7は、これらの条件を満たさないサンプル8~14に比べて電波の減衰量が抑制されている。
アウター層とインナー層の合計厚みX1が式(1)及び式(3)を満たすサンプル1~7の中でも、サンプル1はアウター層とインナー層がそれぞれ単独では式(1)及び式(3)を満たしていなくても、アウター層とインナー層がそれぞれ単独で式(1)及び式(3)を満たすサンプル5、6及び7より電波の減衰量が小さい。これは、サンプル1の全体の厚みがサンプル5、6及び7よりも小さいために電波の透過率が大きいためと考えられる。
1:アウター層、2:中間層、3:インナー層、10:電波透過部材

Claims (8)

  1. アウター層、中間層及びインナー層をこの順に備え、
    前記アウター層及び前記インナー層の電波の透過方向における合計厚みX1が下記式(1)及び式(3)を満たし、かつ前記中間層の電波の透過方向における厚みX2が下記式(2)及び式(3)を満たす領域を有する、電波透過部材。
    式(1):Z-0.6mm≦X1≦Z+0.6mm
    式(2):Z-0.3mm≦X2≦Z+0.3mm
    式(3):Z=λ÷√ε×0.5×Y
    式中、λは前記電波の真空中における波長であり、εは前記電波の周波数における各層の比誘電率であり、Yは1以上の整数である。
  2. 前記中間層は空気層である、請求項1に記載の電波透過部材。
  3. 前記アウター層及び前記インナー層はそれぞれ樹脂を含む層である、請求項1又は請求項2に記載の電波透過部材。
  4. 前記電波を透過可能な金属層をさらに含む、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の電波透過部材。
  5. 前記金属層は前記アウター層と前記中間層の間又は前記インナー層と前記中間層の間に設けられる、請求項4に記載の電波透過部材。
  6. 周波数が20GHz~300GHzである電波を透過させるための、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の電波透過部材。
  7. 請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の電波透過部材を含む、エンブレム。
  8. 請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の電波透過部材と、前記電波透過部材に向けて電波を照射する装置と、備える、対象物検知構造。
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