JP4871925B2 - 信号送信装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、マルチキャリア信号の信号送信装置及び方法に関する。
従来、マルチキャリアを用いた通信システムにおける無線送信装置では、サブキャリア毎に変調を行った後、一括して逆フーリエ変換を行い、それらを合成することにより変調信号を生成していた(例えば、非特許文献1参照)。
S. L. Jansen, I. Morita, N. Takeda, H. Tanaka: "20-Gb/s OFDM Transmission over 4160-km SSMF Enabled by RF-Pilot Tone Phase Noise Compensation", OFC 2007, pdp15, USA, 2007
近年、光通信のような広帯域伝送においてマルチキャリアを用いることが検討されている。しかし、従来の技術では、サブキャリア毎に変調を行った後に一括して逆フーリエ変換を行っていたため、変調回路・逆フーリエ変換・GI(ガードインターバル)挿入回路の処理速度や、D/A(デジタル/アナログ)コンバータ・周波数変換回路の動作速度によってデータレートが制限されてしまい、それ以上に高速な処理をリアルタイムに行うことはできなかった。そこで、伝送帯域を分割して複数のサブキャリア群に分け、複数の高速逆フーリエ変換器を用いて変調信号を生成することが考えられるが、このような方法では、周波数変換した後に他サブキャリアへの干渉が生じてしまい、伝送品質の劣化を招いてしまう。また干渉を避けるためにはサブキャリア群の周波数間隔を十分離す必要があり、周波数利用効率が低下する。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、マルチキャリアを用いた、リアルタイムかつ高品質の広帯域伝送が可能な信号送信装置及び方法を提供する。
上記課題を解決するため、本発明は、入力信号を複数のパラレル信号へ変換するシリアルパラレル変換部と、それぞれがマルチキャリア信号のサブキャリア群に対応し、前記複数のパラレル信号に対して、自身に対応するサブキャリア群の信号を生成する複数の処理部と、前記複数の処理部によって生成された各サブキャリア群の信号を合成してマルチキャリア信号を生成する合成部と、前記合成部によって合成されたマルチキャリア信号を送信する送信部とを備え、前記複数の各処理部は、各パラレル信号をサブキャリアへ変調する入力信号変調部と、前記入力信号変調部によって変調された信号の周波数帯域外の周波数に0の周波数成分を挿入するゼロ挿入部と、前記ゼロ挿入部により0の周波数成分が挿入された信号に逆フーリエ変換を行う逆フーリエ変換部と、前記逆フーリエ変換部により逆フーリエ変換が行われた信号を、他の処理部と同期したアナログ信号に変換するデジタルアナログ変換部と、前記デジタルアナログ変換部によりアナログ信号に変換された信号を、当該信号の周波数帯域の中心周波数が、当該処理部に対応するサブキャリア群の周波数帯域の中心周波数となるように周波数変換する周波数変換部と、前記周波数変換部により周波数変換された信号から、当該処理部に対応するサブキャリア群が使用する周波数帯域の信号を抽出するバンドパスフィルタとを備え、前記合成部は、前記バンドパスフィルタにより抽出された信号を合成して前記マルチキャリア信号を生成前記周波数変換部は、前記サブキャリア群の周波数帯域の中心周波数として、互いに隣接するサブキャリア群の前記周波数帯域外の周波数が互いに重なる中心周波数を選択することを特徴とする信号送信装置である。
また、本発明は、上述する信号送信装置であって、前記複数の各処理部は、逆フーリエ変換部により逆フーリエ変換された信号にガードインターバルを挿入するガードインターバル挿入部をさらに備える、ことを特徴とする。
また、本発明は、上述する信号送信装置であって、前記複数の各処理部は、前記ガードインターバル挿入部によりガードインターバルが挿入された信号のフーリエ変換ブロック間のつなぎ目にスムージング処理を行うスムージング部をさらに備える、ことを特徴とする。
また、本発明は、上述する信号送信装置であって、前記送信部は、光信号によりマルチキャリア信号を送信することを特徴とする。
また、本発明は、上述する信号送信装置であって、前記送信部は、前記合成部によって合成された電気のマルチキャリア信号を光信号に変換する光強度変調器を備えることを特徴とする。
また、本発明は、上述する信号送信装置であって、前記送信部は、前記合成部によって合成されたマルチキャリア信号のI成分及びQ成分の信号を駆動信号として光信号を生成する光直交変調器を備えることを特徴とする。
また、本発明は、マルチキャリア信号を送信する信号送信装置において、シリアルパラレル変換部が、入力信号を複数のパラレル信号へ変換するシリアルパラレル変換過程と、マルチキャリア信号のサブキャリア群それぞれに対応する複数の処理部が、前記複数のパラレル信号に対して、自身に対応するサブキャリア群の信号を生成する信号処理過程と、合成部が、前記信号処理過程において前記複数の処理部により生成された各サブキャリア群の信号を合成して広帯域マルチキャリア信号を生成する合成過程と、送信部が、前記合成過程において合成されたマルチキャリア信号を送信する送信過程とを有し、前記複数の各処理部による処理過程は、入力信号変調部が、各パラレル信号をサブキャリアへ変調する入力信号変調過程と、ゼロ挿入部が、前記入力信号変調過程において変調された信号の周波数帯域外の周波数に0の周波数成分を挿入するゼロ挿入過程と、逆フーリエ変換部が、前記ゼロ挿入過程において0の周波数成分が挿入された信号に逆フーリエ変換を行う逆フーリエ変換過程と、デジタルアナログ変換部が、前記逆フーリエ変換過程において逆フーリエ変換された信号を、他の処理部と同期したアナログ信号に変換するデジタルアナログ変換過程と、周波数変換部が、前記デジタルアナログ変換過程においてアナログ信号に変換された信号を、当該信号の周波数帯域の中心周波数が、当該処理部に対応するサブキャリア群の周波数帯域の中心周波数となるように周波数変換する周波数変過程と、バンドパスフィルタが、前記周波数変換過程において周波数変換された信号から、当該処理部に対応するサブキャリア群が使用する周波数帯域の信号を抽出する抽出過程とを有し、前記合成過程においては、前記合成部が、前記抽出過程において抽出された信号を合成して前記マルチキャリア信号を生成前記周波数変換過程は、前記サブキャリア群の周波数帯域の中心周波数として、互いに隣接するサブキャリア群の前記周波数帯域外の周波数が互いに重なる中心周波数を選択することを特徴とする信号送信方法である。
本発明によれば、従来のアナログフィルタのみでは実現困難な急峻なバンドパスフィルタを実現して、サブキャリア群毎に分割した帯域の外側からの干渉を除去することが可能となり、この干渉を除去した各サブキャリア群を周波数変換して合成することによって、マルチキャリアを用いたリアルタイムかつ高品質の広帯域伝送を実現することができる。また、0挿入やガードインターバル挿入、スムージング処理をサブキャリア群毎に並行して行うため、遅いクロックにより動作させることも可能である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態による信号送信装置の構成を示すブロック図である。同図において、信号送信装置は、バイナリデータを広帯域周波数の出力信号に変調する信号生成回路1と、周波数fcの光キャリアを発生する信号光源3と、信号光源3が発生した光キャリアに、信号生成回路1から出力された広帯域の電気のマルチキャリア信号である出力Aをのせて広帯域光マルチキャリア信号を生成し、出力する光強度変調器4とからなる。
図2は、図1に示す信号生成回路1の詳細な構成を示すブロック図である。
同図において、S/P(シリアルパラレル)変換回路11は、信号生成回路1へ入力されたバイナリデータの入力信号をパラレル信号に変換して変調回路12−i(i=1〜k)へ出力する。変調回路12−i(i=1〜k)はそれぞれ、マルチキャリア信号のサブキャリアを所定数毎にまとめたサブキャリア群に対応しており、所定の変調方式により、S/P変換回路11から入力された信号をサブキャリアに変調する。なお、以下では、変調回路12−iそれぞれに対応したサブキャリア群をそれぞれサブキャリア群iと記載する。
0挿入回路13−i(i=1〜k)は、変調回路12−iにより変調された信号の周波数帯域の外の周波数帯域に0の周波数成分を挿入する。逆フーリエ変換回路14−i(i=1〜k)は、0挿入回路13−iにより0の周波数成分が挿入された信号に逆フーリエ変換を行う。GI(ガードインターバル)挿入回路15−i(i=1〜k)は、逆フーリエ変換回路14−iによって逆フーリエ変換された信号にガードインターバルを挿入する。スムージング回路16−i(i=1〜k)は、フーリエ変換ブロック間のつなぎ目に対して、デジタル信号処理によりスムージングをかける。D/A変換回路17−i(i=1〜k)は、共通クロック21によるクロックを用いて、デジタル信号を同期したアナログ信号に変換する。
周波数変換回路18−i(i=1〜k)は、局部発振器22からの発振信号を用いて、アナログ信号の周波数を変換する。このとき、D/A変換回路17−iから出力されたアナログ信号の周波数帯域において中心となる周波数(以下、周波数帯域において中心となる周波数を「周波数帯域の中心周波数」と記載)が、サブキャリア群により使用される周波数帯域の中心周波数となるように、周波数変換を行う。BPF(バンドパスフィルタ)19−i(i=1〜k)は、周波数変換された信号から、サブキャリア群が使用する周波数帯域の信号を抽出する。合成回路20は、BPF19−i(i=1〜k)それぞれから出力されたサブキャリア群iを合成して広帯域マルチキャリア信号のベースバンド信号を生成し、出力Aとして出力する。
図3は、図1に示す光強度変調器4の構成を示す図である。同図に示すように、光強度変調器4には、マッハツェンダー型変調器が用いられ、信号生成回路1からの出力Aが入力される。これにより、光強度変調器4は、信号光源3から発せられた周波数fcの光キャリアを中心にDSB(ダブルサイドバンド)の光マルチキャリア信号を生成する。光強度変調器4を駆動するときに、バイアス点を半波長電圧(V)の半分に設定した場合、光キャリアが残り、バイアス点をNULL点に設定した場合、光のキャリアを抑圧できる。
次に、上述した信号送信装置による信号処理について説明する。
まず、S/P変換回路11は、信号生成回路1へ入力されたバイナリ信号を、シリアル信号から所定のデータ長のパラレル信号に変換して、変調回路12−i(i=1〜k)へ出力する。変調回路12−i(i=1〜k)は、所定の変調方式、例えば、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation:直交振幅変調)、64QAM、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying:4位相偏移変調)等によりS/P変換回路11から入力されたデータの変調を行い、サブキャリア群iのサブキャリアのうち、データに割り当てられたサブキャリアにマッピングして0挿入回路13−iに出力する。具体的には、データに割り当てられたサブキャリア毎に、同相成分(I成分)と直交成分(Q成分)とからなる信号を出力する。また、データとして割り当てられていないサブキャリアに固定のI成分とQ成分の信号を出力することもできる。データや固定の信号を割り当てるサブキャリアは、例えばサブキャリア群iの内側に設定することができ、サブキャリア群iの外側の周波数帯域に対応する一つもしくは複数のサブキャリアには信号を割り当てないようにすることができる。また、受信側においてサブキャリア群iを複数のブロックに分割して信号処理を行う場合には、サブキャリア群iの外側の周波数帯域に対応する一つもしくは複数のサブキャリアと、分割したブロックの外側の周波数帯域に対応する一つもしくは複数のサブキャリアに信号を割り当てないようにすることができる。また、サブキャリア群iの中心周波数帯域に対応する一つもしくは複数のサブキャリア、または、分割したブロックの中心周波数帯域に対応する一つもしくは複数のサブキャリアに信号を割り当てないようにすることができる。
0挿入回路13−i(i=1〜k)は、変調回路12−iによってデータや信号が出力されていないサブキャリアに0の周波数成分を挿入し、逆フーリエ変換回路14−iへ出力する。図4は、サブキャリア群iの外側に対応する周波数帯域に信号を割り当てない場合における、0挿入回路13−iの出力を示す図である。同図において、変調回路12−iから入力されたサブキャリア群iの送信シンボルの外の周波数帯域には0が挿入されている。また、予め全てのサブキャリアに0を指定しておき、変調回路12−iにより対応するサブキャリアに信号を出力することで、この0挿入回路13−iを介さずに同様の効果を得ることもできる。
逆フーリエ変換回路14−i(i=1〜k)は、0挿入回路13−iから入力されたデータに逆フーリエ変換を施すことにより、周波数領域でマッピングされた伝送信号を時間領域の信号に変換して、マルチキャリア信号への変調を行う。これにより、各サブキャリア群iでは、0が挿入された信号系列に逆フーリエ変換を動作させる。
GI(ガードインターバル)挿入回路15−i(i=1〜k)は、逆フーリエ変換回路14−iから入力された信号に対して、ガードインターバルを挿入する。
図5は、GI挿入回路15−iにおけるガードインターバル挿入方法を示す図である。GI挿入回路15−iは、本来のマルチキャリア信号1シンボル分であるフーリエ変換ブロックの後半の一部分と同じ信号を、ガードインターバルとして当該フーリエ変換ブロックの前半に付加する。
スムージング回路16−i(i=1〜k)は、GI挿入回路15−iから入力された信号のフーリエ変換ブロック間のつなぎ目に対して、デジタル信号処理によりスムージングをかけ、D/A変換回路17−iに出力する。
図6は、スムージング回路16−iにおけるスムージング処理を示す図である。単純にフーリエ変換ブロックを連続して並べた場合、フーリエ変換ブロック間は信号が不連続となってしまう。そこで、スムージング回路16−iは、フーリエ変換ブロック間のつなぎ目が滑らかに変化するよう処理し、急峻な周波数成分の存在を除去する。
D/A変換回路17−i(i=1〜k)は、共通クロック21によるクロックを用いて、スムージング回路16−iから入力されたデジタル信号を、他のD/A変換回路17−iのものと同期したアナログ信号に変換し、周波数変換回路18−iに出力する。周波数変換回路18−i(i=1〜k)は、局部発振器22からの発振信号を用いて、D/A変換回路17−iから入力されたサブキャリア群iのアナログ信号の周波数帯域を、周波数帯域fiに周波数変換し、BPF19−iに出力する。この周波数帯域fiの中心周波数は、サブキャリア群iが使用する周波数帯域の中心周波数と一致しており、つまり、周波数変換回路18−iは、入力されたアナログ信号の周波数帯域の中心周波数が、サブキャリア群iの周波数帯域の中心周波数となるように周波数変換する。
図7は、周波数変換回路18−1における周波数変換を示す図である。同図において、周波数変換回路18−1は、D/A変換回路17−iから出力された信号を、周波数帯域f1に周波数変換している。なお、周波数帯域f1〜fkは、周波数帯域fiの一部(後述する周波数帯域δfiの一部または全部)が、隣接する周波数帯域f(i−1)、f(i+1)と重なるように連続した周波数帯域である。
BPF19−i(i=1〜k)は、周波数変換された周波数帯域fiの信号から、サブキャリア群iの周波数帯域に対応した周波数帯域Δfiの信号を抽出するが、このとき、周波数帯域Δfiに隣接する周波数帯域δfi分の信号も抽出される。
図8は、BPF19−1における処理を示す図である。同図において、BPF19−1は、周波数帯域f1の信号から、周波数帯域Δf1の信号を抽出しているが、BPF19−1は、周波数帯域Δf1を抽出する際、その周波数帯域Δf1に隣接する周波数帯域δf1の信号が同時に抽出されてしまう。しかし、周波数帯域Δf1の外側部分は、0挿入回路13−1により0挿入が行われた周波数部分に相当するため、実現困難な急峻な(δf1が0に近い)BPFを用いることなく、サブキャリア群iの周波数帯域の外側からの干渉を除去し、逆フーリエ変換の動作クロックを落とすことが可能となる。
合成回路20は、BPF19−i(i=1〜k)それぞれから出力されたサブキャリア群iを合成して出力Aを生成し、出力する。
図9は、合成回路20から出力される出力Aを示す図である。同図に示すように、合成回路20は、BPF19−i(i=1〜k)それぞれから出力された、周波数帯域f1〜fkまでのサブキャリア群1〜kを合成し、電気の超広帯域マルチキャリア信号である出力Aを生成する。
光強度変調器4は、マッハツェンダー型変調器に信号生成回路1の出力Aを入力することにより、信号光源3から発せられた周波数fcの光キャリアを中心にDSBの光マルチキャリア信号を生成する。
図10は、光強度変調器4から出力される光マルチキャリア信号のスペクトルを示す図である。同図に示すように、光強度変調器4から出力された光マルチキャリア信号は、光キャリア周波数fcを中心として両側のバンドに、周波数fi(i=1〜k)に対応した側波帯ができている。強度変調器4を駆動するときに、バイアス点を半波長電圧(V)の半分に設定した場合、光キャリアが残り、バイアス点をNULL点に設定した場合、光のキャリアを抑圧できる。
このように、DSBでは周波数fcを中心にして両側のバンドに同じマルチキャリア信号が発生するが、帯域の利用効率を上昇させるために、図11に示すように、光BPF(バンドパスフィルタ)5を設け、光強度変調器4から出力されたマルチキャリア信号を、光BPF5によりSSB(シングルサイドバンド)化してもよい。
図12は、光BPF5から出力されるマルチキャリア信号のスペクトルを示す図である。同図に示すように、光BPF5から出力されるマルチキャリア信号では、光強度変調器4から出力された光マルチキャリア信号において光キャリア周波数fcを中心として両側のバンドに現われる側波帯の一方のみを取り出している。
また、図示はしないが、出力Aを光直交変調器のIch駆動信号とし、出力Aのヒルベルト変換をQchの駆動信号とすることで、光BPFを用いずにSSB化することができる。
上記実施形態によれば、従来技術に比べ、電気の周波数領域で広帯域なODFM信号を多重できるため、1組の光源と光変調器に対して、広帯域で周波数利用効率のよい光ODFM信号の変調が可能になる。
なお、0挿入回路13−i(i=1〜k)は、変調回路12−iにより該当する周波数帯域に0の周波数成分を挿入しているが、略0の値であって、逆離散フーリエ変換時に信号成分に対して影響を与えない値の周波数成分を挿入することでもよい。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態による信号送信装置について説明する。第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図13は、本発明の第2の実施形態による信号送信装置の構成を示すブロック図である。第1の実施形態では、信号生成回路1により生成された広帯域の電気のマルチキャリア信号である信号Aを光強度変調器4の駆動信号としているが、本実施形態では、信号生成回路1aにより生成された出力AのIch信号及びQch信号を光直交変調器6へ出力する点が異なる。
図14に、本実施の形態の信号生成回路1aの構成を示すブロック図である。同図において、スムージング回路16−i(i=1〜k)までのデジタル信号処理部では、図2に示す第1の実施形態の信号生成回路1の構成と同様に、複素信号によって演算を行っている。そこで、本実施形態のD/A変換回路17a−i(i=1〜k)は、アナログの複素信号(Ich、Qch)を出力する。これにより、合成回路20aからは、図10に示す出力AのIch信号及びQch信号が出力されることになる。
図15は、本実施の形態の信号生成回路1aの他の構成を示すブロック図である。同図において、GI挿入回路15−i(i=1〜k)までのデジタル信号処理部は、図2に示す第1の実施形態の信号生成回路1の構成と同様である。スムージング回路16a−i(i=1〜k)は、第1の実施形態と同様の処理を行うが、D/A変換回路への出力を、Ich、Qchに分けて出力しており、IchはD/A変換回路17b−iへ、QchはD/A変換回路17c−iへ出力される。そして、D/A変換回路17b−i、周波数変換回路18b−i、BPF19b−i、合成回路20bはIchについて、D/A変換回路17c−i、周波数変換回路18c−i、BPF19c−i、合成回路20cはQchについて、第1の実施形態に記載のD/A変換回路17−i、周波数変換回路18−i、BPF19−i、合成回路20と同様の処理を行う。このように、スムージング回路16a−iから以降の回路を、Ich、Qchで分けて処理することで、D/A変換回路のクロック数を下げることができる。
図16は、光直交変調器6の構成を示す図である。同図に示すように、光直交変調器6は、マッハツェンダー型変調器を並列に並べ、それぞれに信号生成回路1aから出力されるIch駆動信号、Qch駆動信号を入力する。そして、Qch信号が入力される片方の枝に位相シフトπ/2を与えることにより、光のsin(Qch)、cos(Ich)の波に変調を与えることができる。
図17は、光直交変調器6から出力される光マルチキャリア信号のスペクトルを示す図である。信号生成回路1から出力された、出力AのIch信号及びQch信号により光直交変調器6を駆動することで、図17に示すスペクトル遷移に示されるように、光源の周波数fcを中心とした、広帯域な光マルチキャリア信号を生成できる。このとき、光直交変調器6のバイアス点をNULL点とすれば光キャリアを抑制できる。本構成の場合、強度変調器を用いる構成と比べて、帯域の利用効率が上昇する。
なお、上記においては、光マルチキャリア信号を生成して送信しているが、無線によりマルチキャリア信号を送信するようにしてもよい。この場合、D/A変換回路17−iにおいて無線信号を生成するか、信号生成回路1からの出力Aを無線信号の搬送波にのせるようにする。
上述した図2、図14及び図15の逆フーリエ変換回路14−i、及び、GI挿入回路15−iは、それぞれ各サブキャリア群で異なる逆フーリエ変換ポイント数、ガードインターバル長にすることもできる。
また、図2、図14及び図15の共通クロック21、局部発振器22は、全てのサブキャリア群で共通のものを用いているが、共通せずにそれぞれ各サブキャリア群で異なるクロック、局部発振器を用いてもよい。
また、図2及び図14の周波数変換回路18−i、ならびに、図15の18b−i及び18c−iでは、サブキャリア群毎で周波数変換が行われた後、予め設定している全サブキャリア共通の電力の目標値にレベル調整し、全サブキャリアの信号電力を一定にすることで全サブキャリアの伝送品質を同じにすることもできる。
本実施の形態によれば、従来のアナログフィルタのみでは実現困難な急峻なバンドパスフィルタを実現して、サブキャリア群毎に分割した帯域の外側からの干渉を除去することが可能となり、この干渉を除去した各サブキャリア群を周波数変換して合成することによって、マルチキャリアを用いたリアルタイムかつ高品質の広帯域伝送を実現することができる。また、0挿入やガードインターバル挿入、スムージング処理をサブキャリア群毎に並行して行うため、遅いクロックにより動作させることも可能である。
本発明の第1の実施形態における信号送信装置である。 同実施形態による信号生成回路の構成を示すブロック図である。 同実施形態による光強度変調器の構成を示すブロック図である。 同実施形態による0挿入回路の出力を示す図である。 同実施形態によるGI挿入回路の出力を示す図である。 同実施形態によるスムージング回路の出力を示す図である。 同実施形態による周波数変換回路の出力を示す図である。 同実施形態によるBPFの処理を示す図である。 同実施形態による合成回路の出力を示す図である。 同実施形態による光強度変調器からの出力を示す図である。 同実施形態による信号送信装置の他の構成を示すブロック図である。 同実施形態による光BPFからの出力を示す図である。 本発明の第2の実施形態における信号送信装置である。 同実施形態による信号生成回路の構成を示すブロック図である。 同実施形態による信号生成回路の他の構成を示すブロック図である。 同実施形態による光直交変調器の構成を示すブロック図である。 同実施形態による光直交変調器からの出力を示す図である。
符号の説明
1、1a…信号生成回路
11…S/P変換回路(シリアルパラレル変換部)
12−1〜12−k…変調回路(入力信号変調部)
13−1〜13−k…0挿入回路(ゼロ挿入部)
14−1〜14−k…逆フーリエ変換回路(逆フーリエ変換部)
15−1〜15−k…GI挿入回路(ガードインターバル挿入部)
16−1〜16−k、16a−1〜16a−k…スムージング回路(スムージング部)
17−1〜17−k、17a−1〜17a−k、17b−1〜17b−k、17c−1〜17c−k…D/A変換回路(デジタルアナログ変換部)
18−1〜18−k、18b−1〜18b−k、18c−1〜18c−k…周波数変換回路(周波数変換部)
19−1〜19−k、19b−1〜19b−k、19c−1〜19c−k…BPF(バンドパスフィルタ)
20、20a、20b、20c…合成回路(合成部)
21…共通クロック
22…局部発振器
3…信号光源
4…光強度変調器
5…光BPF
6…光直交変調器

Claims (7)

  1. 入力信号を複数のパラレル信号へ変換するシリアルパラレル変換部と、
    それぞれがマルチキャリア信号のサブキャリア群に対応し、前記複数のパラレル信号に対して、自身に対応するサブキャリア群の信号を生成する複数の処理部と、
    前記複数の処理部によって生成された各サブキャリア群の信号を合成してマルチキャリア信号を生成する合成部と、
    前記合成部によって合成されたマルチキャリア信号を送信する送信部とを備え、
    前記複数の各処理部は、
    各パラレル信号をサブキャリアへ変調する入力信号変調部と、
    前記入力信号変調部によって変調された信号の周波数帯域外の周波数に0の周波数成分を挿入するゼロ挿入部と、
    前記ゼロ挿入部により0の周波数成分が挿入された信号に逆フーリエ変換を行う逆フーリエ変換部と、
    前記逆フーリエ変換部により逆フーリエ変換が行われた信号を、他の処理部と同期したアナログ信号に変換するデジタルアナログ変換部と、
    前記デジタルアナログ変換部によりアナログ信号に変換された信号を、当該信号の周波数帯域の中心周波数が、当該処理部に対応するサブキャリア群の周波数帯域の中心周波数となるように周波数変換する周波数変換部と、
    前記周波数変換部により周波数変換された信号から、当該処理部に対応するサブキャリア群が使用する周波数帯域の信号を抽出するバンドパスフィルタとを備え、
    前記合成部は、前記バンドパスフィルタにより抽出された信号を合成して前記マルチキャリア信号を生成
    前記周波数変換部は、前記サブキャリア群の周波数帯域の中心周波数として、互いに隣接するサブキャリア群の前記周波数帯域外の周波数が互いに重なる中心周波数を選択する
    ことを特徴とする信号送信装置。
  2. 前記複数の各処理部は、
    逆フーリエ変換部により逆フーリエ変換された信号にガードインターバルを挿入するガードインターバル挿入部をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号送信装置。
  3. 前記複数の各処理部は、
    前記ガードインターバル挿入部によりガードインターバルが挿入された信号のフーリエ変換ブロック間のつなぎ目にスムージング処理を行うスムージング部をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項2に記載の信号送信装置。
  4. 前記送信部は、光信号によりマルチキャリア信号を送信することを特徴とする請求項1から請求項3に記載の信号送信装置。
  5. 前記送信部は、前記合成部によって合成された電気のマルチキャリア信号を光信号に変換する光強度変調器を備えることを特徴とする請求項4に記載の信号送信装置。
  6. 前記送信部は、前記合成部によって合成されたマルチキャリア信号のI成分及びQ成分の信号を駆動信号として光信号を生成する光直交変調器を備えることを特徴とする請求項4に記載の信号送信装置。
  7. マルチキャリア信号を送信する信号送信装置において、
    シリアルパラレル変換部が、入力信号を複数のパラレル信号へ変換するシリアルパラレル変換過程と、
    マルチキャリア信号のサブキャリア群それぞれに対応する複数の処理部が、前記複数のパラレル信号に対して、自身に対応するサブキャリア群の信号を生成する信号処理過程と、
    合成部が、前記信号処理過程において前記複数の処理部により生成された各サブキャリア群の信号を合成して広帯域マルチキャリア信号を生成する合成過程と、
    送信部が、前記合成過程において合成されたマルチキャリア信号を送信する送信過程とを有し、
    前記複数の各処理部による処理過程は、
    入力信号変調部が、各パラレル信号をサブキャリアへ変調する入力信号変調過程と、
    ゼロ挿入部が、前記入力信号変調過程において変調された信号の周波数帯域外の周波数に0の周波数成分を挿入するゼロ挿入過程と、
    逆フーリエ変換部が、前記ゼロ挿入過程において0の周波数成分が挿入された信号に逆フーリエ変換を行う逆フーリエ変換過程と、
    デジタルアナログ変換部が、前記逆フーリエ変換過程において逆フーリエ変換された信号を、他の処理部と同期したアナログ信号に変換するデジタルアナログ変換過程と、
    周波数変換部が、前記デジタルアナログ変換過程においてアナログ信号に変換された信号を、当該信号の周波数帯域の中心周波数が、当該処理部に対応するサブキャリア群の周波数帯域の中心周波数となるように周波数変換する周波数変過程と、
    バンドパスフィルタが、前記周波数変換過程において周波数変換された信号から、当該処理部に対応するサブキャリア群が使用する周波数帯域の信号を抽出する抽出過程とを有し、
    前記合成過程においては、前記合成部が、前記抽出過程において抽出された信号を合成して前記マルチキャリア信号を生成
    前記周波数変換過程は、前記サブキャリア群の周波数帯域の中心周波数として、互いに隣接するサブキャリア群の前記周波数帯域外の周波数が互いに重なる中心周波数を選択する
    ことを特徴とする信号送信方法。
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