JP4871612B2 - 液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents
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Description
(1)インク吐出圧力発生素子が形成された基体上に、溶解可能な樹脂にてインク流路パターンを形成する。
(2)常温にて固体状のエポキシ樹脂を含む被覆樹脂を溶媒に溶解して、これを前記溶解可能な樹脂層上にソルベントコートすることによって、前記溶解可能な樹脂層上にインク流路壁となる被覆樹脂層を形成する。
(3)前記インク吐出圧力発生素子上方の前記被覆樹脂層にインク吐出口を形成する。
(4)前記溶解可能な樹脂層を溶出する。
(1)通常シリコン基板上に樹脂でインク流路壁を形成することになるため、無機材料と樹脂との線膨張率の違いによる変形が起きやすく機械的特性に問題がある。
(2)樹脂は、エッジ部が丸くなりやすいために、吐出口のエッジの切れが悪くなりがちであるので、寸法精度が必ずしも十分でない場合がある。
(3)樹脂は、膨潤したり剥がれやすかったりするので、信頼性が必ずしも十分でない場合がある。
(1)液体吐出エネルギー発生素子と液体吐出口間の距離が高い精度で短くかつ再現よく設定できる。
(2)熱による変形が少ない。
(3)耐インク性及び耐腐食性に優れる。
(4)寸法精度が高い。
(5)膨潤などが少なく信頼性が高い。
(6)高品位記録可能である。
溶解可能な材料からなる前記流路のパターンを基板上に設ける工程と、
前記パターン上に、フェニルシラザンを塗布し、前記流路の壁となる膜厚が20〜100μmの層を形成する工程と、
前記層に吐出口を設ける工程と、
前記パターンを溶解して除去して前記流路を形成する工程と、
を有する液体吐出ヘッドの製造方法に関する。
(1)液体吐出エネルギー発生素子と液体吐出口間の距離が高い精度で短くかつ再現よく設定できる。
(2)熱による変形が少ない。
(3)耐インク性及び耐腐食性に優れる。
(4)寸法精度が高い。
(5)膨潤などが少なく信頼性が高い。
(6)高品位記録可能である。
(b)前記第1の型形成膜が形成された基体上に、塗布型無機材料を用いて液体流路壁となる第2の型形成膜を形成する工程と、
(c)前記第2の型形成膜における、前記液体吐出エネルギー発生素子の上方の位置に、液体吐出口を形成する工程と、
(d)前記第1の型形成膜を溶出する工程と、
を有する方法により液体吐出ヘッドを製造することができる。
なお、本発明の製造方法では、塗布型無機材料としてフェニルシラザンを使用して、液体流路壁となる膜厚が20〜100μmの層(第2の型形成膜)を形成する。
(1)耐インク性などの耐腐食性が極めてよい。
(2)基板として、通常シリコン基板が用いられるので、熱膨張の差が小さく、熱による変形の問題がない。
(3)酸化シリコン膜に液体吐出口を形成する際に、フォトリソグラフィプロセスで行うことができるので寸法精度および位置精度がよい。
(4)インクによる膨潤が起きないので信頼性が高い。
(5)すべての工程をフォトリソプロセスで形成することができので、クリーン度が高くメカ組立上のゴミの問題がない。
(6)液体吐出口を垂直または逆テーパー状に形成することが可能である。
(7)第2の型形成膜形成後、液体吐出口形成前に、200〜400℃の熱処理を行うことができる。したがって、撥水層を高温が必要なプラズマ重合などで液体吐出口表面に均一に付けることができる。
(8)酸化シリコンは固い膜であるので、ヘッド回復時のワイピングに対する耐擦過性が高く、ヘッドの耐久性がよい。
(9)第2の型形成膜が酸化シリコン膜の場合、CF4、C2F6、C3F8、SF6などのガスを用いたオリフィス部のエッチングにおいて、エッチング選択比が20:1以上と大きいため、エッチングストッパー(下地へのダメージ防止)となる。
(10)オリフィス部分の形状として、下地エッチングによるアンダーカット形状の発生がなくなる。
(11)液体流路パターンを形成する際に、熱架橋型ポジレジスト材料の膜を塗布方法により形成できるので、基板表面での凹凸の影響を受けずに、平坦化することができる。
(12)液体流路パターンの形成が、プロキシミティ投影法等によるマスクを介した電離放射線の照射、及び、現像液による現像工程によって実現できるので、精度良く、且つ、安価で製造することができる。
(13)液体流路パターンを形成する際に、熱架橋型ポジレジスト材料の膜を所望の膜厚(厚膜:3〜20μm程度)で塗布方法によって形成できるので、精度良く、且つ、安価に製造することができる。
図1は、第1の実施の形態により製造される液体吐出ヘッド(インクジェット記録ヘッド)の製造工程を示した図である。
第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の工程を行う。
第3の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の工程を行う。
図4には、上記実施の形態で得られるインクジェット記録ヘッドを装着して適用することのできる画像記録装置の一例を示す概略斜視図である。図4において、符号701は上記実施の形態に係るインクジェット記録ヘッドと液体収容タンクとが一体となったヘッドカートリッジを示す。このヘッドカートリッジ701は、駆動モータ702の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア703および704を介して回転するリードスクリュー705の螺旋溝706に対して係合するキャリッジ707上に搭載されている。そして、ヘッドカートリッジ701は、上記駆動モータ702の動力によってキャリッジ707とともにガイド708に沿って矢印aおよびb方向に往復移動される。図示しない記録媒体供給装置によってプラテンローラ709上を搬送されるプリント用紙(記録媒体)Pの紙押え板710は、キャリッジ移動方向にわたってプリント用紙Pをプラテンローラ709に対して押圧する。
2 メンブレン膜
3 第1の型形成膜
4 第2の型形成膜
5 撥水層
6 保護層
7 液体吐出エネルギー発生素子
13 貫通孔
14 液体吐出口
209 液体吐出口
212 インク吐出エレメント
213 インクタンク
214 TABフィルム
215 電気接続用リード
700 画像記録装置
701 ヘッドカートリッジ
702 駆動モータ
703、704 駆動力伝達ギア
705 リードスクリュー
706 螺旋溝
707 キャリッジ
707a レバー
708 ガイド
709 プラテンローラ
710 紙押え板
711、712 フォトカプラ
713 支持部材
714 キャップ部材
715 インク吸引手段
717 ブレード
718 移動部材
719 本体支持体
720 レバー
721 カム
P プリント用紙(記録媒体)
Claims (6)
- 液体を吐出する吐出口と連通する流路を有する液体吐出ヘッドの製造方法において、
溶解可能な材料からなる前記流路のパターンを基板上に設ける工程と、
前記パターン上に、フェニルシラザンを塗布し、前記流路の壁となる膜厚が20〜100μmの層を形成する工程と、
前記層に吐出口を設ける工程と、
前記パターンを溶解して除去して前記流路を形成する工程と、
を有する液体吐出ヘッドの製造方法。 - 前記溶解可能な材料が、フォスフォシリケートグラス、ボロンフォスフォシリケートグラスまたは酸化シリコンである請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
- 前記溶解可能な材料がAlを主成分とする材料である請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
- 前記溶解可能な材料が、Alを主成分とする材料、フォスフォシリケートグラス、ボロンフォスフォシリケートグラスまたは酸化シリコンであり、
前記フェニルシラザンを前記パターン上に塗布した後、前記フェニルシラザンを200℃以上400℃以下の温度で焼結して、前記流路の壁となる膜厚が20〜100μmの層を形成する請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。 - メタクリル酸メチルとメタクリル酸とからなる共重合体を含む前記溶解可能な材料を前記基板上に設けた後に、
前記溶解可能な材料を加熱することにより、前記基板上にメタクリル酸メチルとメタクリル酸とから形成される熱架橋膜を形成する工程と、
前記熱架橋膜をパターニングすることにより前記熱架橋膜からなる前記パターンを形成する工程と、
前記フェニルシラザンを前記パターン上に塗布した後、前記フェニルシラザンを200℃以上400℃以下の温度で焼結して、前記流路の壁となる膜厚が20〜100μmの層を形成する工程と、
を有する請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。 - 前記フェニルシラザンを200℃以上400℃以下の温度で焼結して、前記流路の壁となる膜厚が20〜100μmの層を形成した後に、
撥水層を形成するためのポリテトラフルオロエチレン系材料からなる膜を前記流路の壁と
なる層上に設ける工程と、
前記パターンが基板上に設けられている状態で、前記ポリテトラフルオロエチレン系材料からなる膜を300℃以上400℃以下の温度で焼結させることにより前記撥水層を形成する工程と、
前記撥水層が形成された前記流路の壁となる層に前記吐出口を設ける工程と、
前記吐出口が設けられた後に前記パターンを除去して前記流路を形成する工程と、
を有する請求項4または5に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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