JP2004042399A - インクジェット記録ヘッド - Google Patents

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Shuichi Murakami
村上 修一
Keiji Tomizawa
富澤 恵二
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Abstract

【課題】ノズルへのインク充填を行う場合の吐出口でのオーバーシュート現象を抑制し、吐出口に安定した状態のメニスカスを速やかに復帰させる構造を有するインクジェット記録ヘッドを提供する。
【解決手段】インク吐出ノズル9は、ノズル径が最小に絞られた絞り部9aを有し、この絞り部9aを径の変極点とし、発泡室2側から変極点に向かうまでのノズル径はテーパ状に吐出方向に縮小し、変極点を境にして吐出方向にノズル径がテーパ状に広がっている。この広がっている部分のテーパ角度をインクと吐出口プレート部材との接触角より小さくすることにより、インクはインク吐出ノズルの先端まで充填される。
【選択図】  図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクを吐出してインク液滴を形成し、記録を行うインクジェット記録装置に用いるインクジェット記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタや複写機、ファクシミリ等のプリント装置では、画像情報に基づいて、紙やプラスチック薄板、あるいは布帛などのプリント媒体上にドットパターンからなる画像をプリントしていくように構成されている。
【0003】
かかるプリント装置は、そのプリント方式によってインクジェット方式,ワイヤドット方式,サーマル方式及びレーザビーム方式などに分けることができる。
【0004】
そのうち、インクジェット方式によるものは、プリントヘッドからプリント媒体上にインクを吐出してプリント(記録)を行うものであり、高精細な画像を高速でプリントすることができ、さらに、ノンインパクト方式であるため騒音が少なく、しかも多色のインクを使用してカラー画像をプリントするのが容易であるなどの利点を有している。インクジェット方式の中でも、特に、インクをヒータで膜沸騰させたときの発泡エネルギーによりインクをノズルから吐出するいわゆるバブルジェット方式が有効である。
【0005】
さらに、バブルジェットプリント方式は、高解像度および高速プリントを実現するために、高周波数で駆動をする必要がある。そこで、インクジェットプリントヘッドの吐出部からインクを吐出させた後に、吐出部へのインクの再充填を高速に行う必要がある。
【0006】
図13にバブルジェット方式のインクジェット記録ヘッドを示す。この図に示すようにバブルジェットプリントヘッドは基板101の上層に電気熱変換素子であるヒータ102を有する。そして基板101上には、ヒータ102上に位置する空間部であるインク発泡室103と、発泡室103からインクを所定の方向に吐出させるためのインク吐出ノズル104と、発泡室103にインク供給室105からインクを導くインク供給路106とを形成する平板状の流路構成部材107が設けられている。なお、本明細書では、発泡室103から、インク液滴をヘッド外部に吐出する開口である吐出口108までの間の部分をインク吐出ノズルと記述する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図13に示すようなバブルジェット方式においては、まず、インク吐出ノズル104よりインク滴を吐出した後には図13(a)に示すようにメニスカスが後退し、そのメニスカスが毛管力によって図13(b)に示すようにインク吐出ノズル104の先端まで復帰することにより、インクの再充填が行われる。その時に再充填を高速で行った場合には、図13(b)の矢印にあるような方向のインクの流速が早くなり、インク吐出ノズル104の先端に復帰した後、さらにその慣性で図13(c)に示すようにオーバーシュートすることが分かっている。
【0008】
そして、オーバーシュートした場合に、その時の流速が早ければ、吐出口108の周縁からインクが溢れることにより流路構成部材107表面の吐出口108周囲にインクが付着する現象が発生していた。この現象により、吐出時に付着インクに吐出するインクが引っ張られて吐出方向がずれたり、また、付着インクが大きい場合には吐出しない場合もあった。また、発明者が検討を行っていく中で、この付着現象は吐出口面積が小さいほど発生し易いことが判明した。そこで、この現象に関して、吐出口面積との関係を発明者が詳細に検討を行ったところ、吐出口面積が小さいほど、オーバーシュートしたインクの保持できる量が少ないことから、溢れが発生しやすいことを突き止めた。すなわち、吐出口を充填するインクの流速が同じ場合においても、吐出口面積が小さいほど溢れが発生しやすかった。
【0009】
また、より液滴体積を減らしていった場合には、プリント媒体上の液滴ドット径が小さくなることにより、より高いプリント解像度になるが、プリント速度を維持したり、より上げるためには高周波数でのインク吐出が必要となる。しかしながら、より高い周波数でのインク吐出を可能とするためには、インク吐出ノズル先端の吐出口へと充填するインクの流速をより早くする必要があり、オーバーシュートによって、メニスカスが凸の場合の吐出と凹の場合の吐出とで吐出滴の体積が異なったり、主滴とサテライトの形状が異なることによりプリント媒体上のドット形状が乱れたりしていた。さらには、小液滴にする場合には、主滴とサテライトの体積バラツキによるドット形状の乱れはドット径が小さいだけに影響が大きかった。
【0010】
また、従来は、図14(a)に示すようにメニスカスMは、吐出口108において凹形状になっていたために、特に小液滴にする場合、吐出滴の体積が吐出口毎にばらついて、安定していなかった。
【0011】
また、インク吐出ノズル全体が逆テーパ形状のインクジェット記録ヘッドにおいては、インク吐出ノズルの開口径が吐出口に向かって広がっていくために発泡パワーによる流体の圧力が下がる傾向にあるので、吐出速度の低下や、インク吐出ノズルでのインクの流れの乱れが発生し吐出不安定になる問題があった。
【0012】
また、高速でのインク充填を行った場合には、吐出口でのメニスカスは水平に復帰するわけではなく、よりインク流路側からの横のインクの流れが大きいために、図14(b)に示すようにメニスカスMは傾いた状態で復帰していた。そのために、吐出直前のメニスカス状態が傾いて吐出特性が安定しないなどの弊害も考えられる。
【0013】
また、小液滴化するために、吐出口面積を小さくするほど吐出方向への流抵抗が高くなり、時間を置いて吐出させた時にインク吐出ノズル内でのインクの蒸発によるインク粘度上昇が発生し、1発目の吐出が不吐になったり、着弾精度が悪化したりしていた。
【0014】
本発明は、上述したような従来技術の課題に鑑み、ノズルへのインク充填を行う場合の吐出口でのオーバーシュート現象を抑制し、吐出口に安定した状態のメニスカスを速やかに復帰させる構造を有するインクジェット記録ヘッドを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための第1の発明は、熱エネルギーにより液体に気泡を発生させるための複数の電気熱変換素子と、前記電気熱変換素子が配置された複数の発泡室と、前記各発泡室に液体を導くための複数の供給路と、前記各発泡室をヘッド外部に連通させる複数のノズルとを有するインクジェット記録ヘッドにおいて、前記ノズルは、液体の吐出方向に径が縮小している縮小部と、液体の吐出方向に径が前記縮小部を越えてからノズル先端まで広がっている広がり部とを有し、前記ノズルの先端まで前記液体が充填されることを特徴とする。
【0016】
このインクジェット記録ヘッドにおいて、前記縮小部と前記広がり部の間に径の変わらない部分があってもよい。
【0017】
第2の発明は、熱エネルギーにより液体に気泡を発生させるための複数の電気熱変換素子と、前記電気熱変換素子が配置された複数の発泡室と、前記各発泡室に液体を導くための複数の供給路と、前記各電気熱変換素子の配置面と交差する方向に前記各発泡室をヘッド外部に連通させる複数のノズルとを有するインクジェット記録ヘッドにおいて、前記ノズルは、液流を制御する流体制御部と、液体の吐出方向に径が前記流体制御部を越えてからノズル先端まで広がっている広がり部とを有することを特徴とする。
【0018】
上記の第1及び第2の発明においては、前記発泡室、前記供給路および前記ノズルを形成する基板の表面に撥水材が設けられており、前記ノズルの広がり部の、前記基板の垂線方向のノズル長さが、前記撥水材の厚みよりも厚いことが好ましい。
【0019】
さらに、前記基板の垂線に対する前記ノズルの広がり部の角度は液体と前記基板の接触角よりも小さいことが好ましい。前記基板の垂線に対する前記ノズルの広がり部の角度は30度以下であることが好ましい。さらに、前記ノズルの広がり部の、前記基板の垂線方向のノズル長さが1〜5μmであることが好ましい。
【0020】
第3の発明は、熱エネルギーにより液体に気泡を発生させるための複数の電気熱変換素子と、前記電気熱変換素子が配置された複数の発泡室と、前記各発泡室に液体を導くための複数の供給路と、前記各発泡室をヘッド外部に連通させる複数のノズルとを有するインクジェット記録ヘッドにおいて、前記ノズルの先端に張られるインクのメニスカスの径が前記ノズルの最小径よりも大きいことを特徴とする。
【0021】
第4の発明は、熱エネルギーにより液体に気泡を発生させるための複数の電気熱変換素子と、前記電気熱変換素子が配置された複数の発泡室と、前記各発泡室に液体を導くための複数の供給路と、前記各発泡室をヘッド外部に連通させる複数のノズルとを有するインクジェット記録ヘッドにおいて、前記ノズルは、液体の吐出方向に径が縮小している縮小部と、液体の吐出方向に径が前記縮小部を越えてからノズル先端まで広がっている広がり部とを有し、前記ノズルの先端の開口径でなく、ノズルの最小径によって吐出液滴の体積が決まることを特徴とする。
【0022】
上記の第1乃至第4の発明において、前記広がり部はドライエッチングで形成することが可能である。さらに、上記のインクジェット記録ヘッドは、前記気泡を大気に連通させてインクを吐出するインクジェット記録ヘッドであることが好ましい。
【0023】
本発明の最も好ましい態様は、インクジェット記録ヘッドのインクを吐出するノズルを、インク吐出方向に径が縮小している縮小部と、インク吐出方向に径が前記縮小部を越えてからノズル先端まで広がっている広がり部とを有する形状にし、前記ノズルの先端までインクが充填され、前記ノズルの先端にメニスカスが張られることである。また、ノズルの広がり部の形状においては、前記基板の垂線に対する前記ノズルの広がり部の角度をインクと前記基板の接触角よりも小さくすることが、ノズル先端にメニスカスが張る条件を満たすこととなる。
【0024】
このように、ノズルが上記の縮小部及び広がり部を有することにより、発泡後にノズルへインクを充填する時のインクの流速が遅くなりオーバーシュートの防止になる。その原理を説明する。ノズル内のメニスカスが凹形状になれば、ノズル先端の開口面の方にはメニスカスは行かなくなる。そして、メニスカスの曲率が小さいほどメニスカス力としては大きくなりメニスカス復帰速度が高くなる。そこで、上記の縮小部及び広がり部を有することにより、ノズルへのインク充填時に、上記の縮小部と広がり部の間のノズル径が最小となった部分にてメニスカスの曲率が大きくなるので、ノズルに充填するインクの流速を、ノズルの先端に到達する直前で下げることができる。そのため、ノズル先端の吐出口でのオーバーシュート現象を抑制し、吐出口周辺へのインク溢れを防止するとともに、メニスカス振動が収束するまでの時間を短くすることができる。
【0025】
また、ノズル先端部での流速が下がることにより、吐出直前のメニスカス状態が傾くことを低減でき、吐出特性のバラツキに対して有効となる。
【0026】
また、ノズルの先端の開口径でなく、ノズルの最小径によって吐出液滴の体積が決まる、つまり、ノズル内の最小面積部分によって吐出量がほぼ決まることから、ノズル先端側の径を吐出方向に行くに従って広げたことにより、吐出液滴の体積を増やすことなくノズル先端の吐出口面積を広げることができる。このため、オーバーシュートした時のインクの保持量を増加させながら小液滴を吐出させることができる。
【0027】
さらに、ノズル先端からの蒸発による1発目の吐出が不吐になったり記録媒体への着弾精度が悪化したりする現象に関しても、ノズル先端の吐出口面積が増えた効果により、ノズル先端のインク粘度上昇が低減でき、従来の吐出性能よりも向上させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0029】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態によるインクジェット記録ヘッドの斜視図、図2は図1のA−A’線に沿った断面を示している。なお、本図およびこの他において、電気熱変換素子を駆動するための電気的な配線等は図示していない。例えば、ガラス、セラミックス、プラスチックあるいは金属等からなる基板34が用いられる。基板34の材質は、本発明の本質ではなく、流路構成部材の一部として機能し、吐出エネルギー発生素子および、後述するインク流路、インク吐出口を形成する材料層の支持体として機能し得るものであれば、特に限定されるものではない。そこで、本形態では、Si基板(ウエーハ)を用いた場合で説明する。図2に示すように基板34の一面には、インク吐出に作用する熱エネルギー発生手段である電気熱変換素子1と、長細い矩形のインク供給口3とが形成されている。インク供給口3は基板4に形成された長溝状の貫通孔からなるインク供給室4の開口である。電気熱変換素子1は、インク供給口3の長手方向の両側にそれぞれ1列ずつ千鳥状に電気熱変換素子の間隔が600dpiのピッチで各列256個ずつ、2列で合計512個配列されている。さらに基板34の一面には流路構成部材7が設けられ、その上に吐出口プレート8が接合されている。流路構成部材7にはインク供給口3から供給するインクを各々の電気熱変換素子1上の発泡室2に導く複数のインク供給路5が形成されている。そして吐出口プレート8には、流路構成部材7の発泡室2を外部に連通するようにインク吐出ノズル9が形成されており、吐出口プレート7表面に露出するインク吐出ノズル9先端の開口がインク滴の吐出口26となっている。
【0030】
図3(a)は本実施形態のインクジェット記録ヘッドに形成された吐出部の正面図、同図(b)は同図(a)の吐出口及びインク流路を通って切断したときの断面図、同図(c)は同図(b)にてインクを吐出口まで充填した状態の断面図、同図(d)は同図(b)のインク吐出ノズルの変形例を示す断面図である。なお、図において吐出口プレート8は透明部材として示している。
【0031】
本発明の記録ヘッドでは、図3(b)〜(d)に示すようにインク吐出ノズル9は、液体の吐出方向に径が縮小している縮小部(流体制御部とも称す。)と、液体の吐出方向に径が前記縮小部を越えてからノズル先端まで広がっている広がり部(逆テーパ部とも称す。)とを有する。符号9aはノズル径が最小に絞られた絞り部9aを示す。より詳しくは、この絞り部9aを径の変極点とし、発泡室2側から変極点に向かうまでのノズル径はテーパ状に吐出方向に縮小し、変極点を境にして吐出方向にノズル径がテーパ状に広がっている。上記の流体制御部は発泡により発生するノズル内の流体の流れを吐出口方向へ集中させる働きがある。
【0032】
なお、図2に示したように吐出口プレートと流路構成部材が別部材ではなく同一部材になっているが、別部材でも同様の効果が得られる。また、電気熱変換素子1は18μmの正方形であり、インク流路5の高さは10μm、流路構成部材を兼ねる吐出口プレート8の厚みは10μm、ノズル開口径はインク吐出ノズル9の変極点である絞り部9aで直径7μmである。
【0033】
また、インク吐出ノズル9の、絞り部9aを境にして吐出方向に向かう部分(逆テーパ部)に関しては、吐出口プレート8の垂線方向の深さが3μm、インクの接触角が30度であることから吐出口プレート8の垂線からのテーパ角度は20度である。さらに、インク吐出ノズル9の、絞り部9aを境にして発泡室2側の部分(流体制御部)に関しても、吐出口プレート8の垂線からのテーパ角度は20度である。このように前記テーパ角度をインクと吐出口プレート部材との接触角より小さくすることにより、図3(c)に示すようにインクはインク吐出ノズルの先端まで充填される。つまり、ノズル先端までメニスカスが復帰する。そして、吐出口プレート7表面の吐出口26の径(ノズル先端の開口径)は直径で約9μmとなる。
【0034】
本形態においては、電気熱変換素子1によりインクを膜沸騰させたときの発泡がインク吐出ノズル9を通って大気と連通する吐出方式(いわゆるバブルスルー方式)となっている。
【0035】
このような吐出部のインクジェット記録ヘッドにおいて発明者が詳細に検討を行ったところ、本発明のノズル形状によれば、発泡時にインク吐出ノズル9の吐出口から吐出される液滴体積は、ノズル先端の開口径(吐出口径)でなく、ノズルの最小径(絞り部9aの径)によって決まることが確認された。また、上記の寸法にてノズル先端側の一部のみを逆テーパ部としたことで、インクの発泡によって吐出に必要な流体の圧力が十分上がった後に逆テーパ領域になるので吐出の不安定性がなく安定な吐出が得られた。
【0036】
また、インク吐出ノズル9へのインク再充填時のメニスカスのオーバーシュート現象の観察において、図13に示した従来のノズル形状ではノズル先端の吐出口26から突出する凸形状のメニスカスがはっきりと観察できたのに対し、本実施形態のノズル形状ではほとんど分からなかった。
【0037】
実際には、図4に示すように同図(a)で最大発泡になり、同図(b)及び(c)においてはノズル先端に向けてインク充填のためにメニスカスが復帰している。特に図4(b)においてはインクと吐出口プレート8の材料との接触角からメニスカスの曲率が大きくなり毛管力が大きく、さらに図4(c)ではメニスカスの曲率が小さくなり毛管力が小さくなっている。このようなインク充填のためにメニスカスが復帰する過程において、インク吐出ノズル9の絞り部9aにてメニスカスの曲率が大きくなるので、インク吐出ノズル9に充填するインクの流速を、インク吐出ノズル9の先端に到達する直前で下げることができる。そのため、ノズル先端の吐出口26でのオーバーシュート現象を抑制し、吐出口26周辺へのインク溢れを防止するとともに、メニスカス振動が収束するまでの時間を短くすることができた。また、ノズル先端部での流速が下がることにより、吐出直前のメニスカス状態が傾くことを低減できた。従来のインクジェット記録ヘッドでは30kHz駆動でインク溢れが発生したのに対し、60kHz駆動においてもインク溢れの発生を抑制することができ、良好な吐出特性を得られた。
【0038】
また、本実施形態では、インク吐出ノズル9の発泡室側から絞り部9aまでの部分(流体制御部)のノズル深さを7μmとしたが、これを5μmとして上記の逆テーパ部を3μmとし、図3(d)に示すようにノズル径の変わらない直線部9bを2μm程度設けた形状においても、同様な効果が得られた。
【0039】
(第2の実施形態)
図5(a)は本発明の第2の実施形態のインクジェット記録ヘッドの吐出部において吐出口及びインク流路を通って切断したときの断面図、同図(b)は同図(a)のインク吐出ノズル先端付近の拡大図、同図(c)は同図(a)のインク吐出ノズルの変形例を示している。以下では第1の実施形態と異なる点を主に説明する。
【0040】
本実施形態においても、図5(a)および(c)に示すようにインク吐出ノズル9は、液体の吐出方向に径が縮小している縮小部(流体制御部とも称す。)と、液体の吐出方向に径が前記縮小部を越えてからノズル先端まで広がっている広がり部(逆テーパ部とも称す。)とを有する。符号9aはノズル径が最小に絞られた絞り部9aを示す。より詳しくは、この絞り部9aを径の変極点とし、発泡室2側から変極点に向かうまでのノズル径は吐出方向に向かって縮小し、変極点を境にして吐出方向にノズル径がテーパ状に広がっている。しかし、第1の実施形態と比べて、インク吐出ノズル9の、発泡室2側から変極点に向かうまでの部分(流体制御部)の形状が異なっている。
【0041】
本形態ではインク吐出ノズル9の発泡室2側の開口径が、インク吐出ノズル9の先端の開口径(吐出口プレート7表面の吐出口26の径)に比べて大きく形成されている。インク吐出ノズル9の流体制御部の深さが厚さ7μmであり、流体制御部の発泡室2側の開口径を20μmで図5(a)に示すような流体制御部のテーパ角度を吐出口プレート8の垂線に対して20度にしているために、流体制御部の吐出口プレート表側の開口径は15μmである。さらに、インク吐出ノズル9の、絞り部9aを境にして吐出方向に向かう部分(逆テーパ部)は、深さが3μmで、この逆テーパ部のテーパ角度は吐出口プレート8の垂線に対して20度で形成されている。
【0042】
また、図5(b)に示すように吐出口プレート8表面には撥水処理がされていて、プレート表面に処理された撥水材10の膜厚は0.5μmである。この撥水処理では、吐出口プレート表面にされているために、ノズル先端の内側部分にもその厚みだけ撥水領域がある。
【0043】
このような構成において、吐出口プレート8における逆テーパ部分の厚みは撥水材10の厚みよりも大きくなければ、逆テーパ部にインクが復帰してこないために、厚みを3μmとしている。
【0044】
図5に示すように流体制御部と逆テーパ部の側壁が成すエッジ角度が第1の実施形態と比較して大きいことにより、流体制御部から逆テーパ部に液体が移動するときに、流速が第1の実施形態よりも急に低下することになるので、第1の実施形態よりも大きな効果が得られた。
【0045】
本発明者の検討においては、吐出ノズル先端が逆テーパでない従来形状では、吐出ノズル先端部への再充填に約1μsの時間がかかったのが観察されたのに対し、本発明のノズル形状では約2μsの時間をかけることができ、約1/2の流速に下げることができた。このように、吐出ノズル先端にのみ逆テーパ形状を形成することにより、吐出ノズル先端までインクを再充填する時間の全体のうちの最後の数μsのみの時間を遅らせるだけで、メニスカスの復帰速度を下がることができる。
【0046】
また、本実施形態では、インク吐出ノズル9における流体制御部のノズル深さを7μmとしたが、これを5μmとして上記の逆テーパ部を3μmとし、図5(d)に示すようにノズル径の変わらない直線部9bを2μm程度設けた形状においても、同様な効果が得られた。
【0047】
(第3の実施形態)
図6は本発明の第3の実施形態のインクジェット記録ヘッドの吐出部付近をインク流路に沿って切断した断面図である。この図に示す形態においては、基本構成は第2の実施形態と同様であるが、異なる点は、逆テーパ部のテーパ角度を吐出口プレート8の垂線に対して26度に設定して、インクと吐出口プレートとの接触角である30度により近づけた。このように構成することにより、吐出ノズル先端で張られた吐出前のメニスカス形状において、凹形状が軽減され、吐出ノズル毎のメニスカス形状も安定し、吐出体積のバラツキも軽減した。
【0048】
(その他の実施形態)
以上のように構成されたインクジェット記録ヘッドの吐出部の製造方法について図7〜図11を参照して簡単に説明する。なお、図8〜図11は便宜上、製造工程を分けて示しており、各工程は図の順番に連続している。
【0049】
上述した構成のインクジェット記録ヘッドの製造方法は、電気熱変換素子1および電気配線等が形成された素子基板34を形成する第1の工程と、素子基板34上にインクの供給路、発泡室およびインク吐出ノズルを構成する上樹脂層42および下樹脂層41をそれぞれ形成する第2の工程と、上樹脂層41にインク吐出ノズルの一部となる所望のパターンを形成し、この樹脂層パターンの側面に傾斜を形成する第3の工程と、下樹脂層42に発泡室およびインク供給路となる所望のパターンを形成する第4の工程とを経る。
【0050】
また、この記録ヘッドの製造方法は、上樹脂層42および下樹脂層41の上に吐出口プレート8となる被覆樹脂層43を形成する第5の工程と、被覆樹脂層43に前記インク吐出ノズルの残りの部分を形成する第6の工程と、素子基板34にインク供給室4となる貫通孔を形成する第7の工程と、上樹脂層42および下樹脂層41を溶出する第8の工程とを経てインクジェット記録ヘッドを製造する。なお、このインクジェット記録ヘッドは図2に示した構造と同様であるが、吐出口プレートが流路構成部材とは別部材ではなく、流路構成部材と同一部材で構成されたものとなっている。
【0051】
第1の工程は、例えばSiチップ上にパターニング処理等により複数の電気熱変換素子1としてのヒータおよびこれらヒータに電圧を印加するための所定の配線を設けることにより素子基板34を形成する基板形成工程である。このとき、図8(a)に示すように、Si基板51の表面にはポリシリコン層52が所望のパターンで形成され、さらにメンブレン膜53を介して高耐熱可塑性コーティング材である表面ポリエーテルアミド層54が所望のパターンで形成されている。また、Si基板51の裏面には酸化シリコン層55が形成され、さらに高耐熱可塑性コーティング材である裏面ポリエーテルアミド層56が所望のパターンで形成されている。
【0052】
第2の工程は、図7(a)及び(b),図8(b)及び9(a)に示すように、素子基板34上に、波長が330nm以下の紫外光であるDeep−UV光(以下、DUV光と称する。)を照射することによって、分子中の結合が破壊されて溶解可能な下樹脂層42および上樹脂層41を連続して、スピンコート法によりそれぞれ塗布する塗布工程である。この塗布工程は、下樹脂層42として、脱水縮合反応による熱架橋型の樹脂材を用いることで、上樹脂層41をスピンコート法によって塗布する際に、下樹脂層42と上層樹脂41の各樹脂層間で相互に溶融することが防止されている。
【0053】
下樹脂層42としては、例えばメタクリル酸メチル(MMA)とメタクリル酸(MAA)をラジカル重合させて、ポリマー化させた2元共重合体(P(MMA−MAA)=90:10)をシクロヘキサノン溶媒で溶解した液を使用した。なお、P(MMA−MAA)は、[Poly(methyl methacrylate−methacrylic acid)]の略称である。また、上樹脂層41としては、例えばポリメチルイソプロペニルケトン(PMIPK)をシクロヘキサノン溶媒で溶解した液を使用した。下樹脂層として使用した2元共重合体(P(MMA−MAA))は脱水縮合反応によって熱架橋膜を形成する。この脱水縮合反応は、180〜200℃で、30分〜2時間加熱することにより、より強固な架橋膜を形成することができる。尚、この架橋膜は、溶媒不溶型になっているが、DUV光などの電子線を照射することで、分解反応が起こり、低分子化が進み、電子線が照射した部分のみ、溶媒可溶性となる。
【0054】
本例では素子基板34上に下樹脂層42としてのP(MMA−MAA)をスピンコート法で塗布した後、P(MMA−MAA)を200℃で60min加熱した。さらに、下樹脂層42上に、上樹脂層41としてのPMIPK(ODUR1010A)をスピンコート法で塗布した後、PMIPK(ODUR1010A)を140℃で10min加熱した。このとき、下樹脂層が熱架橋型レジストであるために、上樹脂層との相溶は起こらない。
【0055】
第3の工程は、図7(c)および図9(b)に示すように、波長290nm付近のDUV光を照射する露光装置(不図示)を用いて、この露光装置に波長260nm未満のDUV光を遮断するフィルターを装着することで、260nm以上のみを透過させる波長選択手段を用いて、波長が260〜330nm付近のNear−UV光(以下、NUV光と称する。)を照射させて、上樹脂層41をマスク57を介して露光し現像することによって、上樹脂層41にインク吐出ノズルの一部となる所望のパターンを形成するパターン形成工程である。
【0056】
この第3の工程は、上樹脂層41に所望のパターンを形成する際、上樹脂層41と下樹脂層42とは、波長260〜330nm付近のNUV光に対する感度比が約40:1以上の差であるため、下樹脂層42が感光されることなく、下樹脂層42であるP(MMA−MAA)が分解されることはない。また、下樹脂層42は、熱架橋膜であるために、上樹脂層41を現像時の現像液に溶解することもない。
【0057】
第4の工程は、図7(d)および図9(b)に示すように、現像してパターン形成を行った上樹脂層41を140℃で5〜20分加熱することで、この上樹脂層41の側面に10〜40°の傾斜を形成することができる。この傾斜角度は、上記のように形成されたパターンの体積(形状、膜厚)と、加熱温度及び時間と相関があり、上記の角度内で指定の角度に制御することができる。
【0058】
第5の工程は、図7(e)及び(f)並びに図10(a)に示すように、上述した露光装置で波長210〜330nmのDUV光を照射させて、ポジ型レジストである下樹脂層42をマスク57を介して露光し現像することによって、下樹脂層42に発泡室およびインク供給路となる所望のパターンを形成するパターン形成工程である。さらに、下樹脂層42に使用したP(MMA−MAA)材料は、解像力が高く、5〜20μm程度の厚さでも、側壁の傾斜角は、0〜5°程度のトレンチ構造に形成することが可能である。
【0059】
また、必要であれば、下樹脂層42をパターニング後に、120〜140℃程度で、加熱することで、下樹脂層42の側壁にも更なる傾斜を形成することが可能である。
【0060】
第6の工程は、これまでの工程により発泡室及び吐出ノズルの一部を含む所望のパターンが形成され、かつ、DUV光によって分子中の架橋結合が破壊されて溶解可能な上樹脂層41および下樹脂層42上に、図10(f)に示すように、吐出口プレートとなる透明な被覆樹脂層43を塗布する塗布工程である。
【0061】
第7の工程は、図10(f)に示すように、被覆樹脂層43上に撥水層58を塗布し、この撥水層58及び被覆樹脂層43に、露光装置(不図示)でUV光を照射させて、吐出ノズル先端に相当する部分59を露光および現像して除去することにより、吐出口プレート8を形成する。この吐出口プレート8に形成するノズル先端部分59の側壁の傾斜は、液滴を素子基板34の主面に直交する平面に対し、なるべく0°付近で形成することが望ましい。また、0〜10°程度であれば、液滴の吐出特性について、大きな問題は発生しない。
【0062】
第7の工程は、図11(a)に示すように、吐出口プレート8を耐エッチング材で被覆して保護し、素子基板34の裏面に化学的なエッチング処理等を行うことによって、素子基板34にインク供給室4となる貫通孔を形成する。化学的なエッチング処理としては、例えば、強アルカリ溶液(KOH,NaOH,TMAH)を用いた異方性エッチング処理が適用される。
【0063】
第8の工程は、図11(b)に示すように、波長330nm以下のDUV光を素子基板34の主面側から被覆樹脂層43を透過させて照射することにより、素子基板34とオリフィス基板8との間に位置する、インク吐出ノズル9及びインク供給路5の型材である上樹脂層41,下樹脂層42をそれぞれ溶出させる。これにより、吐出口26と発泡室2とを連通するインク吐出ノズル9に吐出方向に従ってノズル径を縮小した形状の流体制御部を有するチップが得られる。このチップをヒータを駆動するための配線基板(不図示)等と電気的な接続を行うことにより、インクジェット記録ヘッドが得られる。
【0064】
なお、上述したインクジェット記録ヘッドの製造方法によれば、DUV光によって分子中の架橋結合が破壊されて溶解可能な上樹脂層41および下樹脂層42を、素子基板34の厚み方向に対して更に階層構造にすることによって、インク吐出ノズル9内に3段以上の段差状に形成された流体制御部を設けることが可能となる。例えば、上樹脂層41の更に上層側に、波長400nm以上の光に感度を有する樹脂材料を用いて、多段階のノズル構造を形成することができる。
【0065】
本実施形態に係る記録ヘッドの製造方法は、基本的に特開平4−10940号公報、特開平4−10941号公報に開示されたインクジェット記録方法をインク吐出手段とする記録ヘッドの製造方法に準ずることが好ましい。これら各公報は、ヒータによって生じた気泡を外気に通気させる構成におけるインク滴吐出方法であり、例えば5pl以下の微少量のインク滴を吐出することができるインクジェット記録ヘッドを開示している。
【0066】
また、インク吐出ノズル9先端の逆テーパ部の形成に関しては、図10に示した被覆樹脂層43の吐出口となる部分に対してドライエッチングを行うことで形成する。例えば図12に示すように、被エッチング膜60上に、逆テーパ部分を形成するドライエッチングのマスク61となるレジストパターンを被覆する。このレジストパターンの断面形状は、レジスト開口の上端部がその下端部より大きいテーパ形状である。このようなパターン形状のマスクを用いれば、ドライエッチングによりレジストテーパ部が後退していくことにより、被エッチング膜60に断面形状がテーパ状の穴が形成される。つまり、ドライエッチングによって形成される穴の断面形状は、マスク61に用いるレジストパターンの断面形状同様、穴の上端部<穴の下端部 とすることができる。
【0067】
なお、上記のようなマスク61を形成するには、マスクパターンにポジレジストを使用して、露光時のフォーカスや現像条件を調節すれば、このポジレジストパターンの断面形状を、ポジレジスト開口の上端部<ポジレジスト開口の下端部となるような、テーパー形状を有する断面形状とすることが可能になる。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、インクジェット記録ヘッドのインクを吐出するノズルを、インク吐出方向に径が縮小している縮小部と、インク吐出方向に径が前記縮小部を越えてからノズル先端まで広がっている広がり部とを有する形状にし、前記ノズルの先端までインクが充填され、前記ノズルの先端にメニスカスが張られる構成としたことにより、ノズルへのインク充填時に、上記の縮小部と広がり部の間のノズル径が最小となった部分にてメニスカスの曲率が大きくなるので、ノズルに充填するインクの流速を、ノズルの先端に到達する直前で下げることができる。
【0069】
そのため、ノズル先端の吐出口でのオーバーシュート現象が抑制されるため、吐出口周辺へのインク溢れによる吐出方向のずれや不吐が防止できる。さらに、オーバーシュート現象が抑制されたことで、メニスカス振動の振幅が小さくなりこの振動の収束時間が短くなるので、より高い周波数での駆動が可能になる。より小液滴化するために、より高周波数での吐出駆動が必要となってノズルへのインク充填速度が速くなっても、上記のようにメニスカス振動の収束が早いので、小液滴ヘッドにおいても安定した液滴体積で吐出が可能である。また、ノズル先端部での流速が下がることにより、吐出直前のメニスカス状態が傾くことを低減でき、吐出特性のバラツキに対して有効となる。
【0070】
また、ノズルの先端の開口径でなく、ノズルの最小径によって吐出液滴の体積が決まることから、ノズル先端側の径を吐出方向に行くに従って広げたことにより、吐出液滴の体積を増やすことなくノズル先端の吐出口面積を広げることができる。このため、オーバーシュートした時のインクの保持量を増加させながら小液滴を吐出させることができる。
【0071】
さらに、ノズル先端からの蒸発による1発目の吐出が不吐になったり記録媒体への着弾精度が悪化したりする現象に関しても、ノズル先端の吐出口面積が増えた効果により、ノズル先端のインク粘度上昇が低減でき、従来の吐出性能よりも向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態によるインクジェット記録ヘッドの斜視図である。
【図2】図1のA−A’線に沿った断面図である。
【図3】(a)は第1の実施形態のインクジェット記録ヘッドに形成された吐出部の正面図、同図(b)は同図(a)の吐出口及びインク流路を通って切断したときの断面図、同図(c)は同図(b)にてインクを吐出口まで充填した状態の断面図、同図(d)は同図(b)のインク吐出ノズルの変形例を示す断面図である。
【図4】第1の実施形態のインクジェット記録ヘッドの吐出部における発泡〜インク充填のインク流れを示す断面図である。
【図5】(a)は第2の実施形態のインクジェット記録ヘッドの吐出部において吐出口及びインク流路を通って切断したときの断面図、同図(b)は同図(a)のインク吐出ノズル先端付近の拡大図、同図(c)は同図(a)のインク吐出ノズルの変形例を示す断面図である。
【図6】第3の実施形態のインクジェット記録ヘッドを吐出部及びインク流路を通って切断したときの断面図である。
【図7】本発明のインクジェット記録ヘッドの吐出部の製法例を説明するための工程図である。
【図8】本発明のインクジェット記録ヘッドの吐出部の製法例を説明するための工程図である。
【図9】本発明のインクジェット記録ヘッドの吐出部の製法例を説明するための工程図である。
【図10】本発明のインクジェット記録ヘッドの吐出部の製法例を説明するための工程図である。
【図11】本発明のインクジェット記録ヘッドの吐出部の製法例を説明するための工程図である。
【図12】本発明のインクジェット記録ヘッドのインク吐出ノズル先端の逆テーパ部分の形成例を示す工程図である。
【図13】従来のインクジェット記録ヘッドの吐出部の構成、およびインク発泡〜インク充填までのインク流れを示す断面図である。
【図14】従来のインクジェット記録ヘッドの吐出口におけるメニスカスの状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1  電気熱変換素子
2  発泡室
3  インク供給口
4  インク供給室
5  インク供給路
7  流路構成部材
8  吐出口プレート
9  吐出口ノズル
9a  絞り部
9b  直線部
10  撥水材
26  吐出口
34  素子基板
41  上樹脂層
42  下樹脂層
51  Si基板
52  ポリシリコン層
53  メンブレン膜
54  表面ポリエーテルアミド層
55  酸化シリコン層
56  裏面ポリエーテルアミド層
57  マスク
58  撥水層
59  吐出口となる部分
60  被エッチング膜
61  マスク

Claims (11)

  1. 熱エネルギーにより液体に気泡を発生させるための複数の電気熱変換素子と、前記電気熱変換素子が配置された複数の発泡室と、前記各発泡室に液体を導くための複数の供給路と、前記各発泡室をヘッド外部に連通させる複数のノズルとを有するインクジェット記録ヘッドにおいて、
    前記ノズルは、液体の吐出方向に径が縮小している縮小部と、液体の吐出方向に径が前記縮小部を越えてからノズル先端まで広がっている広がり部とを有し、前記ノズルの先端まで前記液体が充填されることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 前記縮小部と前記広がり部の間に径の変わらない部分がある、請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 熱エネルギーにより液体に気泡を発生させるための複数の電気熱変換素子と、前記電気熱変換素子が配置された複数の発泡室と、前記各発泡室に液体を導くための複数の供給路と、前記各電気熱変換素子の配置面と交差する方向に前記各発泡室をヘッド外部に連通させる複数のノズルとを有するインクジェット記録ヘッドにおいて、
    前記ノズルは、液流を制御する流体制御部と、液体の吐出方向に径が前記流体制御部を越えてからノズル先端まで広がっている広がり部とを有することを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  4. 前記発泡室、前記供給路および前記ノズルを形成する基板の表面に撥水材が設けられており、
    前記ノズルの広がり部の、前記基板の垂線方向のノズル長さが、前記撥水材の厚みよりも厚い、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. 前記基板の垂線に対する前記ノズルの広がり部の角度は液体と前記基板の接触角よりも小さい、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 前記基板の垂線に対する前記ノズルの広がり部の角度は30度以下である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  7. 前記ノズルの広がり部の、前記基板の垂線方向のノズル長さが1〜5μmである、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  8. 熱エネルギーにより液体に気泡を発生させるための複数の電気熱変換素子と、前記電気熱変換素子が配置された複数の発泡室と、前記各発泡室に液体を導くための複数の供給路と、前記各発泡室をヘッド外部に連通させる複数のノズルとを有するインクジェット記録ヘッドにおいて、
    前記ノズルの先端に張られるインクのメニスカスの径が前記ノズルの最小径よりも大きいことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  9. 熱エネルギーにより液体に気泡を発生させるための複数の電気熱変換素子と、前記電気熱変換素子が配置された複数の発泡室と、前記各発泡室に液体を導くための複数の供給路と、前記各発泡室をヘッド外部に連通させる複数のノズルとを有するインクジェット記録ヘッドにおいて、
    前記ノズルは、液体の吐出方向に径が縮小している縮小部と、液体の吐出方向に径が前記縮小部を越えてからノズル先端まで広がっている広がり部とを有し、前記ノズルの先端の開口径でなく、ノズルの最小径によって吐出液滴の体積が決まることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  10. 前記広がり部はドライエッチングで形成されている、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  11. 前記気泡を大気に連通させてインクを吐出するインクジェット記録ヘッドである、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
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