JP4869625B2 - トリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールの回収方法 - Google Patents

トリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールの回収方法 Download PDF

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Description

本発明は、トリフルオロアセトアルデヒドの水溶液からトリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールを得る方法に関する。より詳しくは、トリフルオロアセトアルデヒドの水溶液から、抽出により、トリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールを主たる成分として回収する方法に関する。
トリフルオロアセトアルデヒドは、通常、トリフルオロアセトアルデヒド水和物またはトリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールの形態で取り扱われ、多様なトリフルオロメチル基含有化合物へと変換できるため、医薬、農薬、電子材料等の中間原料として非常に有用な化合物である。
このトリフルオロアセトアルデヒドの合成法としては、(1)トリクロロアセトアルデヒドをフッ素化する方法(特許文献1等)、(2)トリフルオロ酢酸またはトリフルオロ酢酸エステルを還元する方法(非特許文献1、特許文献2等)、(3)トリフルオロエタノールを酸化する方法(特許文献3)等が知られている。
これらの方法において、工業的スケールにて経済性を重視して製造を行う場合には気相連続反応が有利である。この際、気体状の反応混合物に含まれるトリフルオロアセトアルデヒドを捕集する必要が生じるが、反応混合物を溶剤に吸収させる方法が簡便かつ効率的である。溶剤としては、
トリフルオロアセトアルデヒドの吸収効率と経済性の点から、特に水を使用することが有利である。
ここで得られるトリフルオロアセトアルデヒドの水溶液には、通常、トリフルオロアセトアルデヒド水和物の他、原料または副生成物であるトリフルオロ酢酸、トリフルオロエタノール及びフッ化水素等が含まれている。トリフルオロアセトアルデヒドをこの水溶液から回収する方法として、特許文献4に、エーテル系溶媒で抽出し、分離した抽出液から蒸留によりトリフルオロアセトアルデヒド水和物を水との共沸組成物として得る方法が開示されている。
しかし、この方法では、抽出液中に、トリフルオロ酢酸やフッ化水素あるいはこれらの塩が同伴し易い問題がある。ここで、トリフルオロアセトアルデヒド水和物は中性または塩基性条件では分解し易い性質を有する。従って、トリフルオロ酢酸やフッ化水素の揮発を抑え、且つトリフルオロアセトアルデヒド水和物を分解させずに蒸留を行うには特殊な条件が必要であり、装置上の制約があった。また、トリフルオロアセトアルデヒド水和物の取得率も十分でない場合があり、工業的に利用し得る効率的な方法とは言い難いものであった。
一方、トリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールは、中性条件で蒸留を行っても分解しにくく、特殊な装置を必要とせずに精製することができる。しかし、トリフルオロアセトアルデヒドの水溶液から、直接トリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールを得る方法は知られていない。
特公昭63−15254号公報 特開平5−294882号公報 米国特許第3038936号明細書 特開平3−181432号公報 J. Am. Chem. Soc., 76, 300 (1954)
本発明はこの課題に鑑みてなされたものである。すなわち、トリフルオロアセトアルデヒドの水溶液から、不純物を十分に除去し、且つ高い取得率にて、トリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールを得る方法を提供することを目的とする。
前記課題に鑑み本発明者らは鋭意検討した結果、トリフルオロアセトアルデヒドの水溶液を特定の条件下にて抽出を行うと、トリフルオロアセトアルデヒドの主たる形態がトリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールとなる上に、不純物の同伴が抑制され、さらに取得率が向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は下記要旨に関わるものである。
(1) トリフルオロアセトアルデヒドの水溶液を、一般式(1)
ROH (1)
(式中Rは炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキル基を表す。)
で表されるアルコールの存在下、n−ヘキサン、n−ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジn−ブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール、ベラトロール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、安息香酸エチル、フタル酸ジメチル、γ−ブチロラクトン、プロピオニトリルおよびベンゾニトリルからなる群より選ばれる少なくとも1種の非プロトン性溶媒で抽出することを特徴とするトリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールの回収方法。
(2) トリフルオロアセトアルデヒドの水溶液のpHが4〜10の範囲にて抽出を行うことを特徴とする(1)項に記載のトリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールの回収方法。
(3) 非プロトン性溶媒がジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジn−ブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソールおよびベラトロールからなる群より選ばれる少なくとも1種のエーテル類であることを特徴とする(1)または(2)に記載のトリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールの回収方法。
(4) エーテル類がt−ブチルメチルエーテルまたはジイソプロピルエーテルであることを特徴とする(3)に記載のトリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールの回収方法。
(5) 抽出に際してトリフルオロアセトアルデヒドの水溶液に塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムおよび硫酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機塩類を添加することを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載のトリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールの回収方法。
本発明によれば、トリフルオロアセトアルデヒドを水溶液から取り出す際、特殊な設備を必要とせず、不純物を十分に除去でき、且つ高い取得率で回収する方法が提供される。
本発明では、トリフルオロアセトアルデヒドの水溶液を一般式(1)
ROH (1)
(式中Rは炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキル基を表す。
で示されるアルコールの存在下、非プロトン性溶媒で抽出し、トリフルオロアセトアルデヒドを下記一般式(2)で示されるトリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールとして回収するものである。
回収されるトリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタール(2)中には下記化学式(3)で示されるトリフルオロアセトアルデヒド水和物が混合物として含まれる場合がある。混合物中のトリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールの割合は、51〜100モル%である。
CFCH(OR)(OH) (2)
(Rは前記定義に同じ)
CFCH(OH) (3)
本発明で用いられるトリフルオロアセトアルデヒドの水溶液は、トリフルオロアセトアルデヒドを1〜50wt%含有する水溶液である。この水溶液は種々の方法により得られるが、通常、トリフルオロアセトアルデヒドの製造時に得られる。例えば、トリフルオロエタノールの気相酸化、トリクロロアセトアルデヒドの気相フッ素化等を行った後、反応ガスを水に吸収させる場合を挙げることができる。この水溶液中には、他の成分として、フッ化水素、塩化水素、トリフルオロ酢酸、トリフルオロエタノール等がそれぞれ0〜50wt%程度含まれている場合がある。
本発明で用いられるアルコールは前記一般式(1)で表される。このようなアルコールとして、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、n−デカノール、シクロヘキサノール等を挙げることができる。これらのうち、入手の容易さの点からメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノールおよびt−ブタノールを用いることが好ましい。これらアルコールは単独で用いてもよいし混合して用いてもよい。アルコールの添加量は、特に限定されないが、トリフルオロアセトアルデヒドに対し、モル比で0.5〜10倍である。
本発明で抽出に用いる溶媒は、非プロトン性溶媒であり、水と層分離し易い溶媒が望ましい。このような非プロトン性溶媒として、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジn−ブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール及びベラトロール等のエーテル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン及びシクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、安息香酸エチル及びフタル酸ジメチル等のエステル類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類等を挙げる事ができる。これらの非プロトン性溶媒のうち、特にエーテル類がトリフルオロアセトアルデヒドの取得率、不純物の除去効率の点で望ましい。非プロトン性溶媒の使用量は、特に限定されないが、通常トリフルオロアセトアルデヒド水溶液に対し、重量比で1〜100倍である。
本発明では、トリフルオロアセトアルデヒドの水溶液を抽出する際、pHが4〜10、より好ましくは5〜7の範囲にて行なうことが好ましい。pHが4未満の場合、フッ化水素、トリフルオロ酢酸等の不純物の除去が十分でなく、pHが10を超える場合、トリフルオロアセトアルデヒドの取得率が十分でない場合がある。トリフルオロアセトアルデヒドの水溶液のpHが4未満あるいは10を超える場合は、それぞれ塩基、酸を加えて、4〜10の範囲に調製後、アルコール及び非プロトン性溶媒を加えることができる。
また、トリフルオロアセトアルデヒドの水溶液に無機塩類を添加し、抽出を行なってもよい。無機塩類の添加によりトリフルオロアセトアルデヒドの取得率がさらに向上する等の効果が認められる。無機塩類としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等の金属塩化物、硫酸ナトリウム等の金属硫酸塩等を挙げることができる。
なお、アルコール、非プロトン性溶媒、無機塩類等の添加順は特に制限されず、任意の順でこれらを混合することができる。
抽出を行なう際の温度は、溶媒の沸点以下であれば特に制限されないが、通常、10〜50℃で行なう。
また、抽出時間は、特に制限されないが、通常、5分〜24時間である。
なお、十分な効率を得るために、十分な攪拌下にて抽出を行なうことが望ましい。
抽出後、二層に分離した液から非プロトン性溶媒の層を分取する。このトリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールの非プロトン性溶媒の溶液は、トリフルオロ酢酸等の不純物をほとんど含んでいないため、抽出液をそのまま各種の合成反応に使用することが可能である。
更に、必要に応じて、抽出液を共沸蒸留や乾燥剤の添加により脱水することによりトリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタール−トリフルオロアセトアルデヒド水和物混合物中のトリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールの組成を高めることができる。
また、抽出液から蒸留等によりトリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールを単離することも可能である。
(実施例)
以下に実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこの実施例によって限定されるものではない。
参考例1
7wt%V−12.5wt%SnO/ZrO担持触媒20mlを15mmφ×600mmのステンレス製反応管に充填し、反応管出口に水1400gを入れた反応ガス吸収容器を取り付けた。触媒層の温度を290℃とし、空気を1.4L/min、2,2,2−トリフルオロエタノールを定量ポンプで0.13g/minの速度で供給した。
100時間後、反応ガス吸収液を19F−NMRにて分析を行ったところ、液の組成は以下の通りであった。
トリフルオロアセトアルデヒド水和物 30.6wt%、トリフルオロ酢酸 2.5wt%、フッ化水素 1.8wt%、2,2,2−トリフルオロエタノール 1.4wt%
実施例1
参考例1で得られた反応ガス吸収液100gを500ml三つ口フラスコに入れ、48wt%水酸化カリウム水溶液12.6gを加えてpH6とし、20kPaの減圧下、60℃に加熱して2,2,2−トリフルオロエタノール 1.4gを含む水 45.1gを蒸留回収した。釜液を19F−NMRで分析したところ、トリフルオロアセトアルデヒド水和物 29.7g、トリフルオロ酢酸カリウム 3.3g、フッ化カリウム 5.2gが含まれていた。次に、釜液にジイソプロピルエーテル 100g、メタノール 9.8g、塩化カリウム 4.3gをこの順に加えて、20℃にて4時間攪拌した。5分間静置後、上層(ジイソプロピルエーテル層)を分取した。上層を19F−NMRにて分析したところ、トリフルオロアセトアルデヒドメチルヘミアセタール 23.6g、トリフルオロアセトアルデヒド水和物 6.3gが含まれており、トリフルオロアセトアルデヒドとしての取得率は92.3%であった。また、上層中のトリフルオロ酢酸カリウムの含有量は0.049gであり、フッ化カリウムは非検出であった。
実施例2
参考例1で得られた反応ガス吸収液100gを500ml三つ口フラスコに入れ、水酸化カリウム 12.6gを加えてpH6とし、20kPaの減圧下、60℃に加熱して2,2,2−トリフルオロエタノール 1.4gを含む水 5.3gを蒸留回収した。釜液を19F−NMRで分析したところ、トリフルオロアセトアルデヒド水和物 30.6g、トリフルオロ酢酸カリウム 3.3g、フッ化カリウム 5.2gが含まれていた。次に、t−ブチルメチルエーテル 107g、メタノール 10.1g、塩化カリウム 13.7gをこの順に加えて、20℃にて4時間攪拌した。5分間静置後、上層(t−ブチルメチルエーテル層)を分取した。上層を19F−NMRにて分析したところ、トリフルオロアセトアルデヒドメチルヘミアセタール 20.4g、トリフルオロアセトアルデヒド水和物 10.5gを含みトリフルオロアセトアルデヒドとしての取得率は93.8%であった。また、上層中にトリフルオロ酢酸カリウムおよびフッ化カリウムは検出されなかった。
実施例3
メタノールをエタノール 14.1gとした以外は実施例1と同様に抽出を行なった。上層を19F−NMRにて分析したところ、トリフルオロアセトアルデヒドエチルヘミアセタール 26.1g、トリフルオロアセトアルデヒド水和物 7.39gを含みトリフルオロアセトアルデヒドとしての取得率は95.7%であった。また、上層中のトリフルオロ酢酸カリウムの含有量は0.043g、フッ化カリウムは非検出であった。
実施例4
メタノールをn−ブタノール 22.7gとした以外は実施例1と同様に抽出を行なった。上層を19F−NMRにて分析したところ、トリフルオロアセトアルデヒドブチルヘミアセタール 28.5g、トリフルオロアセトアルデヒド水和物 8.48gを含みトリフルオロアセトアルデヒドとしての取得率は93.4%であった。また、上層中のトリフルオロ酢酸カリウムの含有量は0.038gであり、フッ化カリウムは非検出であった。
実施例5
メチルt−ブチルエーテルをシクロヘキサノンとした以外は実施例2と同様に抽出を行なった。上層を19F−NMRにて分析したところ、トリフルオロアセトアルデヒドメチルヘミアセタール 18.0g、トリフルオロアセトアルデヒド水和物 12.7gを含みトリフルオロアセトアルデヒドとしての取得率は94.1%であった。また、上層中のトリフルオロ酢酸カリウムの含有量は 0.78gであり、フッ化カリウムは非検出であった。
実施例6
メチルt−ブチルエーテルを酢酸エチルとした以外は実施例2と同様に抽出を行なった。上層を19F−NMRにて分析したところ、トリフルオロアセトアルデヒドメチルヘミアセタール 18.6g、トリフルオロアセトアルデヒド水和物 11.0gを含みトリフルオロアセトアルデヒドとしての取得率は90.1%であった。また、上層中のトリフルオロ酢酸カリウムの含有量は0.58gであり、フッ化カリウムは非検出であった。
実施例7
塩化カリウムを用いなかったこと以外実施例1と同様に抽出を行なった。上層を19F−NMRにて分析したところ、トリフルオロアセトアルデヒドメチルヘミアセタール 22.3g、トリフルオロアセトアルデヒド水和物 7.0gを含みトリフルオロアセトアルデヒドとしての取得率は90.5%であった。また、上層中にトリフルオロ酢酸塩、フッ化水素酸塩は検出されなかった。
実施例8
48%水酸化カリウム水溶液を用いなかったこと以外実施例2と同様に抽出を行なった。このときトリフルオロアセトアルデヒド水溶液のpHは1未満であった。上層を19F−NMRにて分析したところ、トリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタール 18.8g、トリフルオロアセトアルデヒド水和物 11.3gを含みトリフルオロアセトアルデヒドとしての取得率は91.7%であった。また、上層中にトリフルオロ酢酸 2.4gが検出された。
実施例9
48%水酸化カリウム水溶液を25.2g用いたこと以外実施例2と同様に抽出を行なった。このときトリフルオロアセトアルデヒド水溶液のpHは13であった。上層を19F−NMRにて分析したところ、トリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタール 11.6g、トリフルオロアセトアルデヒド水和物 4.2gを含みトリフルオロアセトアルデヒドとしての取得率は47.8%であった。上層中にトリフルオロ酢酸カリウムおよびフッ化カリウムは検出されなかった。
比較例1
メタノールを用いなかったこと以外実施例1と同様に抽出を行なった。上層を19F−NMRにて分析したところ、トリフルオロアセトアルデヒド水和物 23.1gを含みトリフルオロアセトアルデヒドとしての取得率は77.7%であり、取得率は十分でなかった。また、上層中にトリフルオロ酢酸カリウム 0.24gが検出された。
比較例2
メタノールを用いなかったこと以外実施例5と同様に抽出を行なった。上層を19F−NMRにて分析したところ、トリフルオロアセトアルデヒド水和物 26.7gを含みトリフルオロアセトアルデヒドとしての取得率は87.1%であり、取得率は十分でなかった。また、上層中にトリフルオロ酢酸カリウム 0.92gが検出された。
本発明の方法により、トリフルオロアセトアルデヒドの水溶液から、不純物を十分に除去し且つ高い取得率にて、トリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールを得ることができる。トリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールは医薬、農薬の中間原料として有用である。

Claims (5)

  1. トリフルオロアセトアルデヒドの水溶液を、一般式(1)
    ROH (1)
    (式中Rは炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキル基を表す。)
    で表されるアルコールの存在下、n−ヘキサン、n−ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジn−ブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール、ベラトロール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、安息香酸エチル、フタル酸ジメチル、γ−ブチロラクトン、プロピオニトリルおよびベンゾニトリルからなる群より選ばれる少なくとも1種の非プロトン性溶媒で抽出することを特徴とするトリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールの回収方法。
  2. トリフルオロアセトアルデヒドの水溶液のpHが4〜10の範囲にて抽出を行うことを特徴とする請求項1に記載のトリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールの回収方法。
  3. 非プロトン性溶媒がジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジn−ブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソールおよびベラトロールからなる群より選ばれる少なくとも1種のエーテル類であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールの回収方法。
  4. エーテル類がt−ブチルメチルエーテルまたはジイソプロピルエーテルであることを特徴とする請求項3に記載のトリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールの回収方法。
  5. 抽出に際してトリフルオロアセトアルデヒドの水溶液に塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムおよび硫酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機塩類を添加することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のトリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールの回収方法。
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