JP4868790B2 - 石炭サイロ及び火力発電所 - Google Patents
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Description
に基づき算出された第2の温度を超えているときに、上記再循環方法を行うこともできる。
図1は、火力発電所における石炭サイロ3、ボイラ7、タービン10,11,12及び発電機13,14の関係を示す図である。なお、図を簡単に分かり易くするため、火力発電所を構成するその他の機器は省略してある。
石炭船1で火力発電所まで運ばれた石炭は、連続式揚炭機(アンローダ)2で船1からコンベア4に陸揚げされ、石炭サイロ3に運ばれて、実際に使用されるまでの期間、一時的に貯蔵される。
図に示す石炭サイロ3は、周囲を鋼製シェル構造21で囲まれた型式鋼製角型集合サイロを呼ばれる石炭サイロであり、貯炭エリアとして複数個に仕切られた区画(「槽」と呼ぶ。)を備えている。図に示すように、石炭サイロの槽の配置は、縦方向にA,B,Cの3列で、各列は横方向に1,2,3,4の4つに分かれて、合計12槽からなっている。従って、各槽は、例えばA1,A2,…,B1,C1,D1と夫々呼ばれている。石炭サイロ3の上部には、換気集塵設備29が備えられている。
一方、石炭使用時には、搬入日時の古い槽の石炭から優先的に搬出される。また、同じ槽内では、各槽の下部に貯蔵されている比較的貯蔵期間の長い石炭から、ホッパ25の近くに設置された払出機24によって払出コンベア(地下)22に送られ、搬出される。このようにして、異なる槽間においても、また同じ槽内においても、貯蔵石炭の先入れ先出しが実行されている。
元来、ホッパ(hopper)は、燃料などを流し込むじょうご状の器又は箱を意味する用語である。図に示すように、ホッパ25は、各槽の下部に設置された格子状の部材からなる。縦方向に延在するホッパ25-1,25-2,25-3,…の奇数番目のホッパ25-1,25-3,…の断面形状は三角形となっており、隣接する奇数番目のホッパ同士によって底部へ石炭を流し込む逆台形形状の空間を形成している。この空間の中に偶数番目のホッパ25-2,25-4,…が配置され、各ホッパ内にホッパに沿って移動可能な払出機24が設置されている。横方向に延在するホッパ25-a,25-b,25-c,…により、縦方向に延在するホッパ25-1,25-2,25-3,…の強度の確保と位置決めがなされている。
上述したように、石炭の性質上、石炭を積んだ状態にしておくと、酸化反応が進み発熱を開始する。そのまま放置すると、高温になり、火災に至る場合もある。従って、貯蔵石炭は適切に冷却する必要がある。
直方体形状の槽が12個用意されている。各槽を形成する隔壁は、各槽の隅部に鉛直方向にある主柱31と、隣接する主柱31間に隔壁を形成する鉛直方向の複数本の中間柱33及び水平方向のリング梁32とを有する。隔壁の下部は、図3で説明したホッパ25及び払出機24が設置されており、石炭39は矢印方向に運ばれ、図2で説明した払出コンベア(地下)22へと移動する。
再循環制御システムは、石炭の貯蔵期間を計測するタイマ40と、このタイマに接続され石炭の貯蔵期間を管理する貯蔵期間管理装置41とを有している。また、貯蔵石炭の温度を感知する温度センサ42と、この温度センサに接続され貯蔵石炭の温度を監視する温度監視装置43とを有している。更に、各槽に設置されたガスセンサ44と、このガスセンサに接続されガス濃度を監視するガス濃度監視装置45とを有している。
そして、貯蔵期間管理装置41,温度監視装置43及びガス濃度監視装置45に接続され、貯蔵期間管理装置41からの貯蔵期間データ、温度監視装置43からの温度データ及びガス濃度監視装置45からのガス濃度データに基づき、石炭積替え(再循環)の要否を決定する自然発火防止コントローラ50と、自然発火防止コントローラに接続され石炭積み替えを実行する石炭積み替え手段51とを備えている。
自然発火防止コントローラ50は、通常のコンピュータでよく、少なくとも、演算機能を有するCPU、再循環制御を実行するコンピュータ・プログラムが蓄積されたROM、作業領域であるRAM、貯蔵期間管理装置41,温度監視装置43,ガス濃度監視装置45及び石炭積替え手段51に接続された入出力制御装置、モニタ等(いずれも図示せず。)を有している。石炭積替え手段51は、図4に関連して説明した再循環システムを駆動する装置である。
比較的古い石炭の貯蔵された槽から、また各槽の下方から払出機24により引き出され、コンベア22,26により搬出される。こうして、貯蔵石炭の先入れ先出しを実現している。
その後温度上昇は徐々に拡がる。従って、温度監視用の温度計を用いて、各槽当たり数万トンの石炭を10数箇所で測定するだけでは、石炭の温度上昇を確実に検知することができない場合がある。
駆動し、再循環システム(図4参照)を駆動する。超えていなければ、ステップS07に進む。
本発明は、本出願人の運用する三隅発電所(島根県那賀郡三隅町)で利用される石炭サイロの設計・建設から完成されたものである。この石炭サイロでは、限られた敷地内でより多くの石炭を貯蔵するため、世界初の大型鋼製角形集合サイロを採用している。その主要仕様は、容量は33,000トン/槽×12槽で、1槽の大きさは約31m長さ×約31m幅×約46.5m高さあり、石炭移送のための受入設備として走行式積付機(トリッパ)4,600t/h×3台、払出設備として走行回転ホイール式払出機900t/h×9台を有している。ここでは、1回の受入で、石炭船から約80,000トン程度の石炭を受け入れている。
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明にとってこれらは例示であって、本発明の技術的範囲を限定的に解釈するものではない。当業者にとって日常的になされる設計変更等は本発明の技術的範囲に含まれることを承知されたい。本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲の記載に基づいて定められる。
40:タイマ、 41:貯蔵期間管理装置、 42:温度センサ、 43:温度監視装置、 44:ガスセンサ、 45:ガス濃度監視装置、 50:自然発火防止コントローラ、 51:石炭積替え手段
Claims (5)
- 石炭の貯蔵エリアを隔壁により複数個の区画に分けた槽と、
前記貯蔵エリアの上方に配置され、石炭を当該貯蔵エリア内に搬入する受入コンベアと、
前記槽の各々の上方に配置され、前記受入コンベアで搬入されてきた石炭を各々の槽内に落下させる積付機と、
前記槽の各々の下方に配置され、当該槽内に貯蔵された石炭を当該槽から払い出す払出機と、
前記払出機で払い出された石炭を、前記貯蔵エリアの外部へ搬出する払出コンベアとを備え、
前記払出機が、比較的古い石炭を貯蔵する槽から順に石炭を払い出し、また、前記槽の上方に配置された積付機によって石炭を搬入し、下方に配置された払出機によって石炭を搬出することにより、貯蔵石炭の先入れ先出しを実行する石炭サイロであって、
更に、前記払出コンベアから石炭を受け取り、前記貯蔵エリアの外部を経由して、前記受入コンベアに引き渡す再循環コンベアと、
前記各槽に設置され、それら各槽に貯蔵された石炭の温度をそれぞれ感知する温度センサと、
前記温度センサに接続され、前記各槽の温度を監視する温度監視装置と、
前記温度監視装置からの温度データに基づき、前記各槽に貯蔵された石炭に対して再循環の要否を決定する自然発火防止コントローラと、
前記自然発火防止コントローラが再循環を行うと決定した槽内に貯蔵された石炭の再循環を実行する石炭積み替え手段と、を備え、
前記石炭積み替え手段は、
前記払出機を駆動して、前記自然発火防止コントローラが再循環を行うと決定した槽内内に貯蔵してある石炭を当該払出機で払い出して、前記払出コンベアに引き渡し、
前記払出コンベアを経由して、当該払い出した石炭を前記再循環コンベアに引き渡すとともに、
前記再循環コンベアを駆動して、当該石炭を前記受入コンベアに引き渡し、
且つ、前記受入コンベアを駆動して、当該石炭を前記積付機に引き渡し、
前記積付機を駆動して、当該石炭を前記槽内に積み上げる構成である、
ことを特徴とする石炭サイロ。 - 前記温度センサは、前記各槽の下部に設置された格子状の部材であるホッパーの頂部に複数個設置してあり、
前記自然発火防止コントローラは、前記槽内に貯蔵された石炭内部の温度が赤熱開始温度となったときに前記温度センサが示す温度を第1の温度として、前記温度監視装置からの温度データが当該第1の温度を超えているときに、再循環を行うと決定することを特徴とする請求項1の石炭サイロ。 - 請求項1又は2に記載の石炭サイロにおいて、
更に、
石炭貯蔵槽内に設置されたガスセンサと、
測定箇所のデータ及び前記ガスセンサのデータから、石炭貯蔵槽内のCOガス濃度データを生成するガス濃度監視装置とを備え、
前記自然発火防止コントローラは、前記COガス濃度データにより再循環の要否を決定する、石炭サイロ。 - 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の石炭サイロにおいて、
更に、
石炭貯蔵時間を計測するタイマと、
石炭貯蔵場所のデータ及び前記タイマのデータから、各貯蔵石炭の貯蔵期間データを生成する貯蔵日数管理装置とを備え、
前記自然発火防止コントローラは、前記貯蔵期間データが所定期間を超えたとき、再循環の実行を決定する、石炭サイロ。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載する石炭サイロを備えた火力発電所。
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