JP2000044062A - 石炭等の粒状物の貯蔵施設 - Google Patents

石炭等の粒状物の貯蔵施設

Info

Publication number
JP2000044062A
JP2000044062A JP10217211A JP21721198A JP2000044062A JP 2000044062 A JP2000044062 A JP 2000044062A JP 10217211 A JP10217211 A JP 10217211A JP 21721198 A JP21721198 A JP 21721198A JP 2000044062 A JP2000044062 A JP 2000044062A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
storage space
storage
embankment
coal
particulate matter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10217211A
Other languages
English (en)
Inventor
Masatoshi Kato
正利 加藤
Toshio Shibata
敏雄 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Construction Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Construction Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Construction Co Ltd filed Critical Mitsui Construction Co Ltd
Priority to JP10217211A priority Critical patent/JP2000044062A/ja
Publication of JP2000044062A publication Critical patent/JP2000044062A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】先入れ先出しが行え、貯蔵効率とコストパフォ
ーマンスに優れ、混炭などの異種粒状物の定量混合を比
較的容易に行え、地震などの外的変形力に対して影響を
受けにくく、しかも払出し手段やホッパの構造なども柔
軟である、石炭等の粒状物の貯蔵装置を提供する。 【解決手段】貯蔵空間は、長さ方向に複数の貯蔵域S1,S
2に区分され、それぞれに同じ粒状物で種類の異なる粒
状物を貯留する。貯蔵空間底部には、堤体の長さ方向に
走行するとともに貯蔵された粒状物を貯蔵空間外へ排出
する払出し手段5を設けてある。払出された粒状物は、
払出し手段と平行する搬送手段8によって施設外へと搬
送される。堤体は、対向面11,21,22,31が貯蔵粒状物の
安息角以上の角度の傾斜面になっていて粒状物を払出し
手段に導く。また、堤体は、粒状物による荷重に耐えら
れる構造にしてある。貯蔵空間上部には粒状物の搬入手
段9が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土などの地盤構成
材によって構築された堤体によって貯蔵空間を形成し、
この貯蔵空間に石炭などの粒状物を先入れ先出し可能
で、しかも種類の異なるものを所定量ずつ混在させた状
態で施設外へ排出可能に貯蔵する、新規な貯蔵施設に関
するものである。
【0002】
【従来技術】石炭や鉄鉱石あるいは石灰石などのいわゆ
る「バラ物」と称する粒状物は、一般には屋外に野積み
で貯蔵されることが多い。石炭のように長時間貯蔵する
と内部温度が上昇して自然発火を起こしたり、あるいは
塵埃飛散によって周囲環境を汚染し易い粒状物は、粒状
物自体の品質保全(石炭の場合には燃焼に適した乾燥度
を維持する必要がある)などの観点からも、最近では屋
内貯蔵方式を採用しつつある。屋内貯蔵施設の例として
は、野積み状態のものに屋根架けした長尺建屋や、サイ
ロがある。サイロは、通常、地上に高い筒体を構築し、
筒体上部から投入した石炭を筒体下部の払出し機構を備
えた取出口から取り出す容器構造である。筒体内空間底
部には払出し機構に石炭を案内するホッパが設けられ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、野積みの場
合には、貯蔵効率が悪く、また先入れ先出しを行えな
い。長尺建屋の場合、野積みと同様に先入れ先出しを行
えない。サイロは、単位敷地面積当たりの貯蔵効率が良
く、また先入れ先出しを行える点で優れるが、次の問題
点がある。
【0004】大型の石炭火力発電所の建設増加に伴って
サイロ自体もとみに大型化している。しかし、大容量の
筒体の構築には技術的にも限度があり、またこれに要す
る費用も嵩みがちである。貯蔵容量との関係でいえば結
果的にはコストパフォーマンスにおいて割高になる。筒
体内空間底部にホッパを設けることから高さの割りには
貯蔵容積のデッドスペースが大きくなる。筒体全体が一
体化した剛構造体であることから、地震や外的な変形力
に弱い。筒体が断面円形をしていることから、筒体が大
型化するとホッパの構造が難しくなる。また、一つのサ
イロ内には1種類の粒状物のみを貯蔵することから、例
えば混炭を行うには種類毎のサイロを必要とするばかり
でなく別途定量混合の装置と場所が必要になる。
【0005】本発明は、土、岩盤などの地盤構成材によ
って構築した堤体の間に粒状物の貯蔵空間を形成し、こ
の貯蔵空間を長さ方向に複数の貯蔵域に分け、貯蔵空間
底部にこれらの貯蔵域を走行可能な払出し手段と払い出
された粒状物を搬送する搬送手段とを配設することによ
り、上記従来技術の抱える種々の問題点を解消したもの
である。本発明の目的は、先入れ先出し方式を採ること
ができ、貯蔵効率とコストパフォーマンスに優れた、石
炭等の粒状物の貯蔵施設を提供することにある。また、
本発明の目的は、混炭などの異種粒状物の定量混合を比
較的容易に行うことができ、地震や種々の外的な変形力
に対しても影響を受けにくく、しかも払出し手段やホッ
パの構造なども比較的に柔軟に設計施工できる、石炭等
の粒状物の貯蔵装置を提供することにある。
【0006】
【課題を達成するための手段】本発明は上記した目的を
達成するために次の構成を備える。すなわち、この発明
は、地盤上に土、岩盤などの地盤構成材から成る堤体を
所要の間隔をおいて複数構築することによって堤体間に
石炭等の粒状物を貯蔵する貯蔵空間を形成してある。こ
の貯蔵空間は、長さ方向に複数の貯蔵域に区分され、そ
れぞれに同じ粒状物で種類の異なる粒状物を貯留させる
ようにしてある。また、貯蔵空間の底部には、堤体の長
さ方向に複数の貯蔵域に亘って走行し、貯蔵空間内に貯
蔵された粒状物の所望量を貯蔵空間外へ排出する払出し
手段を設けてある。払出し手段によって排出された粒状
物は、払出し手段と平行して設けられた搬送手段によっ
て貯蔵施設外へと搬送される。堤体は、互いに対向する
面が貯蔵される粒状物の安息角以上の角度の傾斜面にな
っていて粒状物を上記払出し手段に導く。また、堤体
は、貯蔵空間に貯えられた粒状物による荷重に耐えられ
る構造にしてある。貯蔵空間の上部には粒状物の搬入手
段が設けられている。
【0007】粒状物の払出し手段と搬送手段は、堤体の
鉛直荷重を直接受けることなく堤体とは異種の構造体に
よって支持されるのが望ましい。貯蔵される粒状物の種
類いかんでは、並設された堤体間に屋根構造体が構築さ
れる。屋根構造体は堤体によって支持される。払出し手
段と搬送手段は、貯蔵空間の幅を大きくした場合には、
幅方向に間隔をおいて複数条設ける。複数の粒状物払出
し手段の間には、安息角以上の角度の左右の傾斜面を持
つ断面三角状の中間ホッパ形成体が払出し手段と平行し
て設けられる。複数の払出し手段間ではこの中間ホッパ
形成体の斜面に沿って粒状物が中間ホッパ形成体と隣接
する払出し手段に誘導される。
【0008】堤体は複数設けられる。2つでも良いが、
例えば第1から第3の3つの堤体を併設した場合、第1
と第2の堤体間に第1の貯蔵空間が、また第2と第3の
堤体間に第2の貯蔵空間がそれぞれ形成される。そし
て、第1の貯蔵空間の底部には第1の払出し手段及び搬
送手段が、また第2の貯蔵空間底部には第2の払出し手
段及び搬送手段がそれぞれ設けられる。堤体は例えば改
良盛土工法によって構築された盛土によるものを代表的
なものとするが、その他、堅い地盤や岩盤などの場合に
は地面に幅広で深い溝を掘り、その対向壁面を利用した
壁構造体であっても良い。この場合にも、壁構造体の間
に更に盛土による堤体を1つ以上付加することにより、
3つ以上の堤体を構築することができる。一方の壁構造
体と盛土の間、及び盛土と他方の壁構造体との間あるい
は盛土間に貯蔵空間が形成されることになる。堤体の斜
面には粒状物が滑りやすいようにすると同時に盛土材の
表面保護の目的でライニング材が被覆される。
【0009】払出し手段と搬送手段には種々の技術を採
用できる。その一例として、払出し手段には、貯蔵空間
内を長さ方向に沿って延びるハウジング内の軌道上を走
行し、貯蔵空間底部の粒状物をかきとって貯蔵空間下方
に誘導する回転式のスクレーパ装置を備えるものが最適
である。ハウジングは、安息角以上の傾斜面を持つ。ま
た、搬送手段には、貯蔵空間下方に貯蔵空間の長さ方向
に沿って延びるトンネル内に設置されたコンベア装置が
最適である。トンネルは、払出し手段と搬送手段を支持
する構造体を構成する。また、屋根構造体には、粒状物
を貯蔵空間に搬入する搬入手段が取付けられ、貯蔵空間
上方から粒状物が同空間内に投入される。
【0010】
【実施の最良の形態】以下、本発明を図示した実施例に
基づいて詳説する。図1は本発明の一実施例に係る石炭
貯蔵設備の概略構成を示す断面図である。図中符号1,
2,3は、地盤上に所定の間隔をおいて並設した堤体
で、土を所要の高さと長さに盛り上げることにより構築
されている。これらの盛土による堤体は、図2の平面図
に見られるように互いに平行に延び、両側端を例えば逆
T式擁壁4によって閉塞されており、隣接する第1と第
2の堤体1,2間の空間が石炭を貯蔵するための第1の
貯蔵空間S1を形成し、また隣接する第2と第3の堤体
2,3間の空間が第2の貯蔵空間S2を形成している。
一つの貯蔵空間は、長さ方向に複数の領域Sa〜Sdに分
離して区分され、各領域に同種あるいは異種の石炭が貯
蔵される。領域の数は堤体の長さに応じて種々選択され
る。各領域の境界部には上記した逆T式擁壁4を設けて
仕切るのが望ましい。盛土による堤体は、後述する搬送
装置を配設施工する際の掘削土などをそのまま利用する
ことにより、建設残土を有効利用できる。
【0011】各堤体1〜3は貯蔵空間S1,S2と接する
面(隣り合う堤体の対向面)が傾斜面11,21,2
2,31になっている。傾斜面11〜31は、貯蔵空間
内の石炭の荷重を受けるが、石炭を自重で滑らせて貯蔵
空間底部に案内するよう石炭の安息角以上の角度、例え
ば約60度に設定されている。これによって堤体1〜3
の対向する傾斜面11〜31は、従来のサイロなどの貯
蔵容器底部のホッパを構成する。傾斜面11〜31に
は、耐磨耗性の鋼板張りやコンクリートブロック張りな
どによるライニング被覆工を施して石炭が貯蔵空間底部
に滑り移動し易くすると同時に盛土材の表面保護を行
う。貯蔵される粒状物が粘性の低いもの場合には、石積
みによって傾斜面を形成しても良い。第1と第3の堤体
1,3の外壁面12,32には植生ネット工法などによ
る植生工を施すことによって、表面崩壊の防止が図られ
ている。
【0012】また、堤体1〜3は、貯蔵空間S1,S2に
石炭が入れられていないときにそれ自身で安定する一
方、同空間が満杯状態のときに貯蔵炭の荷重に耐える構
造体に形成される。特に中央に位置する第2の堤体2
は、第1と第2の両貯蔵空間S1,S2に接する関係上、
一方の貯蔵空間が満杯で他方の貯蔵空間が空のときにか
かる荷重をも考慮した耐力構造が採られる。本実施例の
ような盛土による堤体では、上記傾斜面に補強材を打ち
込む補強盛土工法や、土とセメントを混ぜ合わせて盛土
を構築する改良盛土工法、あるいは擁壁工法などによっ
て上記した荷重に耐えられる構造体とする。また、本実
施例のように貯蔵空間に屋根9を架設し、その重量を堤
体1〜3で支持する場合には、堤体1〜3は、その荷重
をも考慮した強度を持つ構造とする。
【0013】5(5A〜5F)は、両貯蔵空間S1,S2
の底部に所定の間隔をおいて設置した払出し装置で、堤
体1〜3と並行して各3基設けられている。図中付合5
A〜5Fは、この払出し装置5で設置位置を異にするも
のを表す。図4の断面図と図5の側面図に払出し装置5
他の詳細を示す。
【0014】払出し装置5は、貯蔵空間S1,S2の長さ
方向に堤体1,2と平行して延びる軌道51と、この軌
道51を自動走行し、任意の位置で停止可能な装置本体
52とを有する。軌道51は貯蔵空間S1,S2を長さ方
向に貫通して延び、各貯蔵空間S1あるいはS2の貯蔵域
SaとSbあるいはScとSdを通過する。装置本体51に
は駆動モータ53と各種油圧ユニット類54などが搭載
されており、両側に軌道上を回転する車輪55が取付け
られている。装置本体下方には、装置本体52と一緒に
移動するとともに貯蔵空間底部と平行に回転して貯蔵空
間底部の払出し棚71上にある石炭をかきとるスクレー
パ56が突出している。また、払出し装置5は、軌道5
1装置本体52の両側方及び上方を覆い、貯蔵空間S1
内を長さ方向に沿って堤体1,2と平行に延びるハウジ
ング57を備える。ハウジング57は、上部に安息角以
上の角度で傾斜する斜面を有し、装置本体52が貯蔵さ
れた石炭内を自走する空間を確保する。ハウジング57
は三角状に組まれた骨組み材58に支持されており、ハ
ウジング57の下端は払出し棚71との間に間隙59を
保持し、スクレーパ56がこの間隙59から図中左右側
方に飛び出している。石炭の払出し量は、スクレーパ5
6の回転数等によって定まる。
【0015】貯蔵空間内の各払出し装置5A〜5Fの間
には、ホッパ形成体6(6A〜6D)が構築されてい
る。図中符号6A〜6Dは同じ構造のホッパ形成体6
で、単にその設置位置を異にするものを表す。ホッパ形
成体6は、安息角以上の角度の左右の傾斜面61,62
を持つ断面三角状をしており、貯蔵空間S1,S2の長手
方向に沿って払出し装置5と平行に起立している。各傾
斜面61,62は隣接する払出し装置5の上記間隙59
に向け石炭を滑り案内する。第1の貯蔵空間S1内にあ
る右側のホッパ形成体6Aは、右側傾斜面61が第1の
堤体1の傾斜面11と共働して、第1の堤体1と隣接す
る払出し装置5Aのスクレーパ56のかきとり位置に貯
蔵石炭を滑り案内する一方、左側傾斜面62が左側のホ
ッパ形成体6Bの右側傾斜面61と共働して中間の払出
し装置5Bに貯蔵石炭を案内する。また、左側のホッパ
形成体6Bは、その左側傾斜面62が第2の堤体2の傾
斜面21と共働して、第2の堤体2と隣接する左側の払
出し装置5Cに貯蔵石炭を導く。ホッパ形成体6は、盛
土の表面をブロック積みして左右傾斜面を形成させたも
の、あるいは構造材を用いて構築したものであっても良
い。また、左右傾斜面にライニングを設けても良い。
【0016】各払出し装置5A〜5Fの下方には、貯蔵
空間S1,S2(貯蔵域Sa及びSbあるいはSc及びSdを
含む)下方を長さ方向に貫通する払出しトンネル7(7
A〜7F)が構築され、内部に石炭を貯蔵施設外へと搬
送するコンベア8が配設されている。各貯蔵空間下方の
3つの払出しトンネル7A〜7Cと7D〜Fは、互いに
分離しており、上面壁にスクレーパによってかきとられ
た石炭をコンベア8に落下させるための開口72が貯蔵
空間S1,S2の長さ方向に沿って連続的に形成されてい
る。上面壁は、盛土の傾斜面11〜31あるいはホッパ
形成体6の傾斜面61,62によって案内された石炭を
スクレーパ56がかきとる際の前記した払出し棚71を
構成する。また、上面壁は前記した骨組み材58の下端
を支持することで払出し装置5を支持している。この結
果、払出しトンネル7は、払出し装置5と搬送装置であ
るコンベア8を支持する構造体で、堤体1〜3からの鉛
直荷重を受けることのない、堤体とは異種の構造体を構
成する。払出しトンネルの台座下には、現場の地盤強度
に応じて杭73が打設される。
【0017】コンベア8は、払出し装置5に沿って貯蔵
空間S1,S2の長さ方向に延びている。コンベア8と払
出し装置本体52との間のトンネル内には、スクレーパ
56によってかきとられて落下する石炭をコンベア8に
確実に積み込むための受けスカート81が設けられてい
る(図4、5参照)。受けスカート81は、上端がトン
ネル7の上記開口直下にあり、裾片がコンベア上面近く
まで延びており、払出し装置本体52に吊り下げられて
払出し装置本体52と共に移動する。
【0018】上記したホッパ形成体6の直下あるいは払
出しトンネル周囲の地盤Bは、貯蔵空間に石炭が充填し
たときにかかる荷重を考慮して、セメントを混入するな
どした埋戻し材によって補強が成されている。9は貯蔵
空間S1,S2の上方を覆う屋根で、下端を左右の堤体上
部に設けた基礎13,23,33に支持されている。屋
根下には、貯蔵空間S1,S2に石炭を搬入するため貯蔵
空間の長さ方向等に移動可能なトリッパコンベア91が
配設されている。なお、屋根9は、貯蔵される粒状物の
種類いかんでは必ずしも架設する必要はない。屋根を設
けない場合には石炭の搬入装置91は適宜の手段をもっ
て貯蔵空間の上部に配設される。
【0019】この貯蔵施設では、石炭は、トリッパコン
ベア91によって貯蔵空間上部から所定の貯蔵域に投入
されて山積みされる。例えば、貯蔵域SaにはA炭、貯
蔵域SbにはB炭、貯蔵域ScにはC炭、また貯蔵域Sd
にはD炭の石炭が投入される。いずれかのあるいはすべ
ての払出し装置5を稼働させると、払出し装置5は所定
の貯蔵域Sa〜Sdでスクレーパ56を回転させて定量
の石炭をかきとり、コンベア上に排出させる。コンベア
8はそのまま石炭を施設外へと搬送する。一つの払出し
装置で複数の貯蔵領域の石炭を払い出すことにより、一
つの搬送装置に両貯蔵領の石炭を混在させた状態で施設
外へと搬送させることになる。スクレーパ56によって
かきとられる石炭は盛土1の傾斜面11,21あるいは
ホッパ形成体6の傾斜面61,62によって貯蔵空間底
部へと順次供給される石炭であるために、各貯蔵域の貯
蔵炭は、先に投入されたものから順に施設外へと排出さ
れる。複数の払出し装置5A〜5Cを均等に使用するこ
とで、貯蔵炭は底部幅方向において均等に払い出されて
外部へと搬送される。
【0020】盛土による堤体1〜3は直下の地盤に支持
され、盛土間の払出し装置5と搬送コンベア8は払出ト
ンネル7によって支持されているので、屋根9と貯蔵空
間内に収容された石炭によってもたらされる堤体1〜3
への鉛直荷重は直接的には払出し装置等にかかることは
ない。また、貯蔵空間内の石炭の荷重は、盛土と盛土間
の地盤によって支持されるが、盛土間の地盤に設置され
る複数の払出しトンネル7は相互に分離されているの
で、払出し装置間のホッパ形成体下の補強地盤Bと共に
部分的な荷重を分担するに過ぎない。このため、払出し
トンネル7は、盛土直下の土圧による水平荷重と上記分
担荷重のみを考慮した強度の構造体であれば良く、比較
的に壁厚を厚くしなくて済む。施設が大型化し、盛土に
よる堤体1〜3と収容石炭の重量が増して払出しトンネ
ル7にかかる上記した荷重、特に水平荷重が大きくなる
場合、払出しトンネル7の台座部分を鉄筋などで連結す
ることにより、複数の払出しトンネル7A〜7Cを水平
力に対する一体的な構造体にすることができる。
【0021】施設の貯蔵空間の容量は、盛土の高さと長
さ及び盛土間の間隔によって決まる。特に、平面方向の
広がりである盛土の長さと間隔を変えることで貯炭量は
容易に増減可能である。例えば図6は、3つの堤体10
1,102,103を用いながらも上記した実施例の施
設よりも堤体の間隔を狭め、幅方向断面積当たりの貯炭
量を少なくしたものである。堤体間の地盤には2条の払
出し装置105A、105Bもしくは105C,105
D及び搬送装置108と1つのホッパ形成体106Aあ
るいは106Bが配設されている。この場合であって
も、堤体101〜103の長さを上記実施例のものより
も長くすることにより、上記実施例と同じ容量の貯留空
間を形成することができる。
【0022】また、図7は2つの堤体201,202に
よって一つの貯留空間Sのみを形成するようにしてあ
る。この例では、堤体間の間隔を広げ、上方には搬入用
のトリッパコンベア291を2基取付けてある。払出し
装置205(205A〜205E)と搬送装置208は
5条設置され、ホッパ形成体206はその間に4個(2
06A〜206D)配設されている。図6の実施例と貯
蔵空間の容量が同じであれば、堤体の長さを短くでき、
あるいは堤体の高さを低く設定できる。
【0023】また、図8に示すように堤体は必ずしも盛
土である必要はない。この実施例では、地盤に幅広で長
い溝を掘り,この溝の対向する壁構造体301,303
を堤体としてある。壁構造体の間には、盛土による堤体
302が構築されている。盛土による堤体302は、前
記した実施例と同様にして構築される。壁構造体301
あるいは303と盛土による堤体302との間の空間が
貯蔵空間S1,S2を形成する。主に岩盤などの固い地盤
に本施設を構築する場合に適しているが、壁構造体30
1,303を補強することにより、通常の地盤でも採用
可能である。壁構造体による堤体301、303と盛土
による堤体302との間には、払出し装置305と搬送
装置308並びに必要に応じてホッパ形成体306が設
けられる。
【0024】上記した図6から図8において、いずれの
場合もそれぞれの貯蔵領域は長さ方向に複数の貯蔵域に
区分され、予め決められた種類の石炭が貯留される。こ
のように、本施設は、地盤の状況に応じた多様な設計施
工が可能である。そして、これらの場合、単一の施設内
にサイロに比べてはるかに多量の石炭を貯蔵させること
になる。また、貯炭の全重量が筒体容器の底部にかかる
サイロとは異なり、荷重が実質的には地盤構成材によっ
て負担されるので、構造的に安定し易いばかりでなく、
コスト的にもはるかに低廉なものとなる。屋根構造体
も、堤体の上面から安息角との関係で定まる高さ分だけ
を保証すれば済むので、構成材料も比較的に安価に済
む。この他、本発明では、払出し手段と搬送手段は必ず
しも複数設ける必要はなく、対向する堤体間に単一のも
のを設けるようにしても良い。また、貯蔵空間の数、大
きさは自由に設定できる。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、土、岩盤などの地盤構
成材によって構築した堤体の間に粒状物の貯蔵空間を形
成し、貯蔵空間底部の地盤に粒状物の払出し手段とこの
払出し手段から供給された粒状物を施設外に搬送する搬
送手段を設ける一方、貯蔵空間上部に粒状物の搬入手段
を設けたので、先入れ先出し可能な粒状物を収容する空
間を低コストでしかも安定した構造物として構築でき
る。また、本発明によれば、施工現場の状況などに応じ
て堤体の長さや堤体間の間隔を適宜設定することで貯蔵
空間の平面的な広がりを簡単に確保できるので、サイロ
に比べてはるかに広い貯蔵空間を安価に形成できる。ま
た、払出し手段が設置される貯蔵空間底部は平面矩形状
をしているので、ホッパ構造なども比較的容易に設計施
工できる。また、貯蔵空間はその長さ方向を複数の貯蔵
域に区分され、各貯蔵域に異なる種類の粒状物を貯蔵さ
せるようにしてあり、また払出し手段はこれらの複数の
貯蔵域にまたがるように走行可能としたので、各領域に
貯蔵された粒状物を定量ずつ混在する状態で搬送手段に
払い出すことができ、同一の粒状物で種類の異なるもの
を所定の比率で混合させた状態で施設外へと搬送させる
ことができる。また、払出し手段と搬送手段を堤体とは
異種の構造体によって支持させた場合には、払出し手段
等が堤体やこれが受ける荷重によって影響を蒙りにくく
なり、払出し手段等の支持構造体の強度を必要最小限に
抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る施設の概略を示す断面
図。
【図2】図1の施設の屋根を取り去った状態の平面図。
【図3】図2の側面図。
【図4】図1の施設に用いられる払出し装置と搬送装置
の詳細を示す正面図。
【図5】図4の装置でハウジングを取り去った状態の払
出し装置の側面図。
【図6】本発明の他の実施例に係る施設の概略を示す断
面図。
【図7】本発明の別の実施例に係る施設の概略を示す断
面図。
【図8】本発明の更に別の実施例に係る施設の概略を示
す断面図。
【符号の説明】
1〜3、101〜102、201,202、302
堤体 5(5A〜5F)、105(105A〜105D)、2
05(205A〜205E)、305
払出し装置 51
軌道 52
払出し装置本体 56
スクレーパ 6(6A〜6D)、106、206(206A〜206
D)、306
ホッパ形成体 7(7A〜7F)
払出しトンネル 71
払出し棚 72
開口 8、108,208、308
搬送装置(コンベア) 9
屋根 91
トリッパコンベア S1,S2,S
貯蔵空間 301、303
壁構造体

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地盤上に土、岩盤などの地盤構成材から成
    る堤体を所要の間隔をおいて複数構築することによって
    堤体間に石炭等の粒状物を貯蔵する貯蔵空間を形成し、 この貯蔵空間を長さ方向に複数の貯蔵域に区分し、 各貯蔵域に同じ粒状物で種類の異なる粒状物を分離して
    貯留させ、 貯蔵空間の底部には、堤体の長さ方向に複数の貯蔵域に
    亘って走行し、貯蔵空間内に貯蔵された粒状物の所望量
    を貯蔵空間外へ排出する払出し手段を設け、 また、この払出し手段によって排出された粒状物を貯蔵
    施設外へと搬送する搬送手段を払出し手段に平行して設
    け、 上記堤体の互いに対向する面を貯蔵される粒状物の安息
    角以上の角度の傾斜面にして粒状物を上記払出し手段に
    導くとともに堤体を貯蔵空間に貯えられた粒状物による
    荷重に耐えられる構造とし、 更に、貯蔵空間の上部には粒状物の搬入手段を配設し
    た、 ことを特徴とする石炭等の粒状物の貯蔵施設。
  2. 【請求項2】請求項1記載の貯蔵施設において、 前記粒状物の払出し手段と搬送手段とを、前記堤体の鉛
    直荷重を受けることのない、堤体とは異種の構造体に支
    持させた、 ことを特徴とする石炭等の粒状物の貯蔵施設。
  3. 【請求項3】請求項1もしくは2記載の石炭等の粒状物
    の貯蔵施設において、 前記貯蔵空間上方を屋根構造体によって覆い、 この屋根構造体を前記堤体によって支持させた、 ことを特徴とする石炭等の粒状物の貯蔵施設。
  4. 【請求項4】請求項1から3のいずれかに記載の貯蔵施
    設において、 前記搬送手段が前記払出し手段の下方に配設され、両手
    段が前記貯蔵空間の幅方向に間隔をおいて複数条設けら
    れ、 これら複数の払出し手段間に前記安息角以上の角度の左
    右の傾斜面を持つ断面三角状のホッパ形成体が貯蔵空間
    の長手方向に沿って払出し手段と平行に立設され、ホッ
    パ形成体の左右両傾斜面によってホッパ形成体と隣接す
    る払出し手段に粒状物を導く、 ことを特徴とする石炭等の粒状物の貯蔵施設。
  5. 【請求項5】第1から第3の3つの堤体を併設し、 第1と第2の堤体間に第1の貯蔵空間が、また第2と第
    3の堤体間に第2の貯蔵空間がそれぞれ形成され、 第1の貯蔵空間の底部に第1の払出し手段が、また第2
    の貯蔵空間の底部に第2の払出し手段がそれぞれ設けら
    れている、 請求項1から4のいずれかに記載の貯蔵施設。
  6. 【請求項6】前記堤体を盛土によって形成した、 請求項1から4のいずれかに記載の貯蔵施設。
  7. 【請求項7】前記盛土を改良盛土工法あるいは補強盛土
    工法等によって構築した、 請求項6記載の貯蔵施設。
  8. 【請求項8】地下に所要幅と深さの溝を形成し、この溝
    の対向する壁構造体を前記堤体とする、 請求項1から4のいずれかに記載の貯蔵施設。
  9. 【請求項9】前記壁構造体の間に盛土によって形成され
    た堤体が構築され、 一方の壁構造体と盛土との間及び他方の壁構造体と盛土
    との間に貯蔵空間が形成される、 請求項8記載の貯蔵施設。
  10. 【請求項10】前記堤体の対向する傾斜面にライニング
    材が施されている、 請求項1から4のいずれかに記載の貯蔵施設。
  11. 【請求項11】前記払出し手段は、前記貯蔵空間内を長
    さ方向に沿って延びる軌道上を走行し、貯蔵空間底部の
    粒状物をかきとって貯蔵空間下方に誘導する回転式のス
    クレーパ装置と、このスクレーパ装置を覆い前記安息角
    以上の角度の傾斜面を持つハウジングとを備え、 前記搬送手段は、貯蔵空間下方に貯蔵空間の長さ方向に
    沿って延びるトンネル内に設置されたコンベア装置を備
    え、 上記トンネルが払出し手段と搬送手段を支持する構造体
    となる、 請求項2から4のいずれかに記載の貯蔵施設。
  12. 【請求項12】屋根構造体に粒状物を貯蔵空間に搬入す
    る搬入手段が取付けられている、 請求項1から4のいずれかに記載の貯蔵施設。
JP10217211A 1998-07-31 1998-07-31 石炭等の粒状物の貯蔵施設 Pending JP2000044062A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10217211A JP2000044062A (ja) 1998-07-31 1998-07-31 石炭等の粒状物の貯蔵施設

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10217211A JP2000044062A (ja) 1998-07-31 1998-07-31 石炭等の粒状物の貯蔵施設

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000044062A true JP2000044062A (ja) 2000-02-15

Family

ID=16700615

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10217211A Pending JP2000044062A (ja) 1998-07-31 1998-07-31 石炭等の粒状物の貯蔵施設

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000044062A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007045564A (ja) * 2005-08-09 2007-02-22 Chugoku Electric Power Co Inc:The 火力発電所の石炭サイロ及び貯蔵石炭の再循環制御システム
JP2016015079A (ja) * 2014-07-03 2016-01-28 株式会社日立ソリューションズ 体積算出装置、体積算出方法、および体積算出プログラム
JP2016539881A (ja) * 2013-12-12 2016-12-22 中冶賽迪工程技術股▲ふん▼有限公司Cisdi Engineering Co.,Ltd. 原料置き場及び原料置き場の原料貯蔵装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007045564A (ja) * 2005-08-09 2007-02-22 Chugoku Electric Power Co Inc:The 火力発電所の石炭サイロ及び貯蔵石炭の再循環制御システム
JP2016539881A (ja) * 2013-12-12 2016-12-22 中冶賽迪工程技術股▲ふん▼有限公司Cisdi Engineering Co.,Ltd. 原料置き場及び原料置き場の原料貯蔵装置
JP2016015079A (ja) * 2014-07-03 2016-01-28 株式会社日立ソリューションズ 体積算出装置、体積算出方法、および体積算出プログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7008163B2 (en) Bulk storage bins and methods and apparatus for unloading same
CA1067476A (en) Embedded housing for ore crusher
RU2668854C2 (ru) Система и способ доставки материалов нефтяного промысла
KR100701494B1 (ko) 벌크재료용 스톡야드
FI65464C (fi) Vaegg bestaoende av ett armerat jordlager
US5098247A (en) Device and method for outloading bulk materials
US5180272A (en) Device and method for outloading bulk materials
CA1055418A (en) Granular or pulverulent product storing and handling installation
JP2000044062A (ja) 石炭等の粒状物の貯蔵施設
JP2000016537A (ja) 石炭等の粒状物の貯蔵施設
US8381899B2 (en) Apparatus for storing rolling material in a pile and reclaiming from the pile
US3327874A (en) Bulk blending and bulk storage plants
US3342035A (en) Backfill machine
CN217826025U (zh) 一种贯通式上下双层地下粮仓
CN210105432U (zh) 一种筒仓建筑
US4249845A (en) System for reclaiming bulk solids from a storage pile
SU1267487A1 (ru) Разгрузочно-дробильный узел подземного бункерного комплекса
EP0963919A1 (en) Modular silo for storing chlorides, including a disc-shaped distributor
Klimas Protection of galleries with the use of mineral binders conveyed pneumatically in Polish coal mines.
JPS6119501B2 (ja)
JP4138514B2 (ja) 材料の投入方法及び投入装置
AU2003229100B2 (en) Particulate material storage structure
JP2000335747A (ja) 石炭等の粒状物の貯蔵施設
SU750075A1 (ru) Самоходный перегружатель горных пород с верхнего подступа на нижний транспортный горизонт
JPS59217531A (ja) 貯鉱ヤ−ド

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050729

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20061213

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20061213

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080804

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080812

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090106